(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102057
(43)【公開日】2023-07-24
(54)【発明の名称】ゲームコンテンツ提供方法、ゲームコンテンツ提供装置、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20230714BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20230714BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/533
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002394
(22)【出願日】2022-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】522039773
【氏名又は名称】株式会社 ラセングル
(74)【代理人】
【識別番号】100153246
【弁理士】
【氏名又は名称】伊吹 欽也
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 大二郎
(72)【発明者】
【氏名】青山 奨
(57)【要約】
【課題】ユーザの満足度を向上するゲームコンテンツ提供方法、ゲームコンテンツ提供装置、及び、コンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】ゲームコンテンツ提供方法は、複数のユーザへ、異なるゲームコンテンツからいずれかを提供する提供方法であって、複数のユーザそれぞれに対して、提供するゲームコンテンツに各々換わる置換オブジェクトを複数付与し、ユーザ毎に予め抽選対象となるゲームコンテンツの種類及び数を割り当てることなしに、付与された複数の前記置換オブジェクトからいずれかが選択されたタイミングで、選択された置換オブジェクトから置き換わるゲームコンテンツを、前記異なるゲームコンテンツの中から抽選する抽選処理を実行する。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザへ、異なるゲームコンテンツからいずれかを提供する提供方法であって、
複数のユーザそれぞれに対して、提供するゲームコンテンツに各々換わる置換オブジェクトを複数付与し、
ユーザ毎に予め抽選対象となるゲームコンテンツの種類及び数を割り当てることなしに、付与された複数の前記置換オブジェクトからいずれかが選択されたタイミングで、選択された置換オブジェクトから置き換わるゲームコンテンツを、前記異なるゲームコンテンツの中から抽選する抽選処理を実行する
ゲームコンテンツ提供方法。
【請求項2】
前記抽選処理の対象とする置換オブジェクトの個数の数値選択を受け付ける
請求項1に記載のゲームコンテンツ提供方法。
【請求項3】
前記個数の選択をスライドバーによって受け付ける
請求項2に記載のゲームコンテンツ提供方法。
【請求項4】
前記置換オブジェクトは、異なる種類に分類されており、
前記異なる種類の置換オブジェクトの、各ユーザへの付与の配分は、略同一となるように設定される
請求項1から3のいずれか1項に記載のゲームコンテンツ提供方法。
【請求項5】
前記置換オブジェクトは、複数に分類され、分類毎に前記ユーザに付与される頻度が異なり、
前記置換オブジェクトの分類毎に、前記置換オブジェクトから置き換わるゲームコンテンツの候補が予め決められており、
前記抽選処理では、分類毎に、前記候補から抽選を実行する
請求項1から4のいずれか1項に記載のゲームコンテンツ提供方法。
【請求項6】
前記抽選処理の事前に、前記分類毎に決められている前記複数のゲームコンテンツの候補を示す画面を表示する
請求項5に記載のゲームコンテンツ提供方法。
【請求項7】
前記ゲームコンテンツに付されたレア度又は種類に対する抽選確率の配分を格納した設定テーブルを記憶しておき、
前記抽選処理は、
前記レア度又は種類を、前記設定テーブルに従う抽選確率で決定する事前抽選を含み、
前記事前抽選によって決定されたレア度又は種類のゲームコンテンツを抽選する
請求項1から6のいずれか1項に記載のゲームコンテンツ提供方法。
【請求項8】
ユーザに付与された置換オブジェクトは、前記抽選処理が実行される都度、残りの数が減じられ、
前記ユーザに対し、前記置換オブジェクトについて所定の条件が満たされた場合、付与済みの置換オブジェクトを破棄し、
前記ユーザに新たな置換オブジェクトを付与する
請求項1から7のいずれか1項に記載のゲームコンテンツ提供方法。
【請求項9】
複数のユーザへ、異なるゲームコンテンツからいずれかを提供するコンテンツ提供装置であって、
複数のユーザそれぞれに対して、提供するゲームコンテンツに各々換わる置換オブジェクトを複数付与し、
ユーザ毎に予め抽選対象となるゲームコンテンツの種類及び数を割り当てることなしに、付与された複数の前記置換オブジェクトからいずれかが選択されたタイミングで、選択された置換オブジェクトから置き換わるゲームコンテンツを、前記異なるゲームコンテンツの中から抽選する抽選処理を実行する
処理部を備えるゲームコンテンツ提供装置。
【請求項10】
コンピュータに、複数のユーザへ、異なるゲームコンテンツからいずれかを提供させるコンピュータプログラムであって、
複数のユーザそれぞれに対して、提供するゲームコンテンツに各々換わる置換オブジェクトを複数付与し、
ユーザ毎に予め抽選対象となるゲームコンテンツの種類及び数を割り当てることなしに、付与された複数の前記置換オブジェクトからいずれかが選択されたタイミングで、選択された置換オブジェクトから置き換わるゲームコンテンツを、前記異なるゲームコンテンツの中から抽選する抽選処理を実行する
処理を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームコンテンツ提供方法、ゲームコンテンツ提供装置、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが携帯する所謂スマートフォン、タブレット端末等の通信可能な情報端末装置で実行できるゲームアプリケーション(以下、ゲームアプリという)が広く普及している。この種のゲームアプリでは、情報処理装置で提供される全てのゲームコンテンツを全てユーザに提供するのではなく、ゲームアプリには使用可能なゲームコンテンツに制限を設けておき、無償又は有償で少しずつ制限を解除する。これにより、ゲーム提供者は収益を回収しつつ、ユーザが多くのゲームコンテンツを、より長い期間をかけて楽しむことができる工夫がされている。
【0003】
特許文献1には、ゲームアプリにおけるゲームコンテンツの提供に関し、各々にオモチャ、雑貨が入れられた複数のカプセルを収容する容器から、いずれのカプセルが排出されるかが不明な状態で排出する、所謂「ガチャガチャ」(登録商標)と呼ばれる販売機を模した抽選方法が開示されている。このような抽選方法は、ゲームアプリにおいて、登場キャラクタが使用する武器、防具、衣装又はキャラクタそのもの等の抽選に使用され、ランダム型アイテム提供方式、所謂「ガチャ」と呼ばれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ゲームコンテンツは、バトル等の実施の報酬として提供されるアイテム又はポイントといったゲームコンテンツを含む。アイテムコンテンツの中には、報酬として提供される頻度が低い「レア」なアイテムコンテンツが存在する。レアなアイテムコンテンツの前記「ガチャ」での入手の困難さが、過度に高く設定されると、ユーザは「ガチャ」の実行のモチベーションを失う。そこで、この種のゲームアプリでは、特定のレアなアイテムコンテンツが確実に存在していると設定された箱の中からアイテムを抽選する、といった方法でユーザへアイテムを提供することがある。特定のアイテムが入っているか否かが不明な箱から、抽選を行なうよりも、入っていることが既知の箱からの抽選をユーザが選択することは自明である。
【0006】
しかしながら、特定のアイテムが入っていることが既知の箱から抽選する場合、その特定のアイテム以外のアイテムの抽選結果に対するユーザの興味が低下しかねない。特定のアイテムの取得の確実性と、他のアイテムの抽選結果とに、ゲーム性(偶然性)のバランスを持たせることが求められる。
【0007】
本発明は、斯かる事情を鑑みてなされたものであり、ユーザの満足度を向上するゲームコンテンツ提供方法、ゲームコンテンツ提供装置、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一実施形態のゲームコンテンツ提供方法は、複数のユーザへ、異なるゲームコンテンツからいずれかを提供する提供方法であって、複数のユーザそれぞれに対して、提供するゲームコンテンツに各々換わる置換オブジェクトを複数付与し、ユーザ毎に予め抽選対象となるゲームコンテンツの種類及び数を割り当てることなしに、付与された複数の前記置換オブジェクトからいずれかが選択されたタイミングで、選択された置換オブジェクトから置き換わるゲームコンテンツを、前記異なるゲームコンテンツの中から抽選する抽選処理を実行する。
【0009】
本開示のゲームコンテンツ提供方法では、対象の複数のゲームコンテンツのいずれかに置き換わる置換オブジェクトを、ユーザに付与し、その置換オブジェクトが選択されたタイミングで抽選を実行する。したがって、事前に、抽選されるゲームコンテンツが何であるかが、ある程度確実である。且つ、ゲームコンテンツへ換える置換オブジェクトを選択したタイミングで、対象コンテンツの中からランダムで抽選を実行するので、ゲームコンテンツの抽選にゲーム性が生まれる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、特定のゲームコンテンツの入手が確実である安心感をユーザに与えるとともに、ランダム性によって抽選結果が他のユーザと異なることで射幸心を適度にユーザに与え、ゲームに対するユーザの満足度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態のゲームシステムの概要図である。
【
図2】情報処理装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図3】コンテンツテーブルの内容例を示す図である。
【
図4】情報端末装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図6】置換オブジェクトごとの抽選対象の説明図である。
【
図8】複数の置換オブジェクトをまとめて換えるための画面例を示す。
【
図9】アイコンが選択された場合に表示される抽選対象一覧の例を示す。
【
図10】置換オブジェクトを対象アイテムに換える際の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図14】設定テーブルの他の内容例を示す説明図である。
【
図15】第2実施形態で置換オブジェクトを対象アイテムに換える際の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図16】第2実施形態の「アイテムガチャ」画面を示す。
【
図17】置換オブジェクトのリセットの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。以下の実施の形態では、本開示のゲームコンテンツ提供方法を適用したゲームシステムについて説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のゲームシステム100の概要図である。ゲームシステム100は、複数のユーザが各々使用する情報端末装置2と、該情報端末装置2から通信可能な情報処理装置1とを含む。情報端末装置2と情報処理装置1とは、ネットワークNを介して相互にデータを送受信可能である。ネットワークNは、インターネットN1、キャリアネットワークN2、基地局BS、及びアクセスポイントAPを含み、情報端末装置2は無線(又は有線)により、ネットワークNを介して情報処理装置1とデータの送受信が可能である。
【0014】
ゲームシステム100では、ゲームアプリケーションプログラム(以下、ゲームアプリという)をインストールした情報端末装置2単独では、全てのゲームコンテンツを利用できない。情報端末装置2は、定期的に、及び、進行に応じて情報処理装置1と通信し、情報処理装置1のコンテンツデータベース(DB:Data Base )110から、ゲームコンテンツを適宜ネットワークN経由で取得してゲームを進行させる。ゲームコンテンツは、シナリオデータ、キャラクタデータ、アイテムデータ等を含む。これらのゲームコンテンツのうち、使用できるゲームコンテンツの種類及び数量は、ユーザ及びゲーム進行度によって異なる。
【0015】
ゲームシステム100の各装置の構成と、各装置の処理内容とを説明する。
図2は、情報処理装置1の内部構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、情報端末装置2との間でデータの送受信が可能なゲームサーバ装置である。以下の説明において、情報処理装置1は1台のゲームサーバ装置として説明するが、複数台のサーバコンピュータをネットワークで通信接続して分散処理させる態様であってもよい。
【0016】
情報処理装置1は、処理部10、記憶部11、通信部12を備える。処理部10は、CPU(Central Processing Unit )及び/又はGPU(Graphics Processing Unit)を用いたプロセッサである。処理部10は、記憶部11に記憶されている情報処理プログラム1Pに基づき、ゲームサーバとしての処理を実行する。
【0017】
記憶部11は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリを用いる。記憶部11は、処理部10が参照するデータを記憶する。記憶部11は、情報処理プログラム1Pを記憶する。情報処理プログラム1Pは、記憶媒体9に記憶されている情報処理プログラム9Pを処理部10が読み出して記憶部11に複製したものであってもよい。情報処理プログラム1Pは、通信部12を介して他のプログラムサーバ装置からダウンロードして記憶したものであってもよい。
【0018】
記憶部11は、ゲームで使用されるゲームコンテンツを記憶するコンテンツDB110を含む。コンテンツDB110に記憶されるゲームコンテンツは、シナリオデータ、バトルデータ、キャラクタデータ等を含む。シナリオデータは、画像データ(アニメーション、動画等)、テキストデータ(台詞等)及び音声データを含む。バトルデータは、キャラクタデータ(敵及び味方等)、バトルアイテムデータ、バトル背景データ、及び音声データを含む。キャラクタデータは、画像データ(アニメーション、動画等)、音声データ、及び、レベル別のパラメータ(強さ、守備力、属性等)等を含む。キャラクタデータは、同一キャラクタに対して異なるバリエーション(服装違い、色違い等)毎に記憶されてもよい。バトルアイテムデータは、画像データと、バトル中にキャラクタに対して適用されるバトルパラメータ(攻撃量、守備量等)への効果を数値で表したデータとを含む。ゲームコンテンツは更に、キャラクタ又はバトルアイテムを強化するための強化アイテム、各種ゲームコンテンツと交換可能なアイテム、ポイント、設定値を含む。強化アイテムデータは、アイテムの画像データと、名前等のデータとを含む。交換対象となるアイテム、ポイント、設定値についても、画像データ、名称等のデータを含む。コンテンツDB110は、これらのゲームコンテンツの実体を、コンテンツ識別データ(以下、コンテンツIDという)に対応付けたコンテンツテーブルを含む。
【0019】
コンテンツDB110は、強化アイテムデータに関し、強化対象の1又は複数のキャラクタ若しくはバトルアイテムを識別するデータとの関係を記憶する。コンテンツDB110は例えば、キャラクタデータ毎に、キャラクタを強化するために必要な強化アイテムの種類及びその数を記憶する。コンテンツDB110は、バトルアイテムに対しても、バトルアイテムを強化するために必要な強化アイテムの種類及びその数を記憶してもよい。
【0020】
コンテンツDB110は、ゲームコンテンツと交換可能なアイテム、ポイント、設定値に関し、交換対象のゲームコンテンツ(キャラクタ、バトルアイテム、又は強化アイテム)を識別するデータとの関係を記憶する。コンテンツDB110は例えば、交換対象のゲームコンテンツ毎に、交換するために必要なアイテム、ポイント又は設定値の種類及び数を記憶する。
【0021】
記憶部11は、各情報端末装置2でユーザ毎に使用可能なゲームコンテンツのコンテンツIDを、ユーザを識別するユーザIDに対応付けて記憶する。例えば記憶部11は、ユーザIDに対応付けて、ユーザが後述するゲームアプリ2P上で所有しているキャラクタ、強化アイテム、アイテム等を識別するコンテンツID及び個数を記憶する。処理部10は、コンテンツIDを指定した取得要求に応じて、ゲームコンテンツをコンテンツDB110から読みだして要求元に提供する。
【0022】
通信部12は、ネットワークNを介した情報端末装置2との通信を実現する。通信部12は具体的には、ネットワークカードである。通信部12は、キャリアネットワークN2と接続する無線通信モジュールであってもよいし、WiFi用の無線通信モジュールであってもよい。処理部10は、通信部12によって情報端末装置2との間でデータを送受信できる。
【0023】
図3は、コンテンツテーブルの内容例を示す図である。
図3のコンテンツテーブルは、ゲームコンテンツのうち、強化アイテムのテーブルの内容例を示す。記憶部11には、
図3に示すように、コンテンツIDに対応付けて、ゲームコンテンツの実体データ(存在位置を示すアドレス)を記憶する。強化アイテムにはそれぞれ、レアリティの高低を示すレア度の数値が対応付けられている。
図3に示すように、1~5の数値で、数値が大きいほどレアリティが高いことを示すように予め定められている。レア度の段階数は、5に限られない。強化アイテムのテーブルは、情報端末装置2の記憶部21にも記憶されてもよい。
【0024】
図3に示したような、コンテンツデータの識別データ(コンテンツID)に対応付けたゲームコンテンツの実体データ、及びレアリティのデータは、強化アイテムのみならず、キャラクタ、バトルアイテム、交換に利用されるアイテム、ポイントについてもコンテンツDB110に記憶される。
【0025】
図4は、情報端末装置2の内部構成を示すブロック図である。情報端末装置2は、表示部23及び通信部22を備える機器である。情報端末装置2は例えば、スマートフォン又はタブレット端末である。情報端末装置2は、ゲーム専用機器であってもよい。
【0026】
情報端末装置2は、処理部20、記憶部21、通信部22、表示部23、音声出力部24及び操作部25を備える。処理部20は、CPU及び/又はGPUを用いたプロセッサである。処理部20は、記憶部21に記憶されているゲームアプリケーションプログラム(以下、ゲームアプリという)2Pに基づき、ゲームに係る処理を実行する。
【0027】
記憶部21は、フラッシュメモリ、SSD等の不揮発性メモリを用いる。記憶部21は、処理部20が参照するデータを記憶する。ゲームアプリ2Pは、通信部22を介して情報処理装置1又は他のプログラムサーバ装置からダウンロードして実行可能に記憶したものである。
【0028】
記憶部21は、ゲームアプリ2PのユーザIDを記憶する。記憶部21は、ユーザIDに対応付けて、ユーザがゲームアプリ2P上で所有しているキャラクタ、アイテム(バトルアイテム、強化アイテム)等を識別するコンテンツID及び個数を記憶する。記憶部21に記憶されているユーザIDとコンテンツID及び個数との関係は、情報処理装置1においてユーザIDに対応付けて記憶されているコンテンツID及び個数と同一の内容である。
【0029】
通信部22は、インターネット又はキャリアネットワークを含むネットワークNを介した情報処理装置1との通信を実現する。通信部22は具体的には、キャリアネットワークと接続する無線通信デバイスであってもよいし、WiFi用の無線通信デバイスであってもよい。処理部20は、通信部22によって情報処理装置1との間でデータを送受信できる。
【0030】
表示部23は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイである。表示部23は例えば、タッチパネル内蔵型ディスプレイである。処理部20は表示部23に、ゲームアプリ2Pに基づき、情報処理装置1から提供される画像、テキスト等のゲームコンテンツを表示する。
【0031】
音声出力部24は、スピーカ等を含む。処理部20は、ゲームアプリ2Pに基づき、情報処理装置1から提供される音声、音楽等のゲームコンテンツを音声出力部24から出力させる。
【0032】
操作部25は、処理部20との間で入出力が可能なユーザインタフェースであって、表示部23内蔵のタッチパネルである。操作部25は、物理ボタンであってもよい。操作部25は、音声入力部であってもよい。
【0033】
このように構成されるゲームシステム100で実現されるゲームは、情報端末装置2が、ゲームアプリ2Pに基づき、所定のゲーム実行単位でシナリオデータ、バトルデータ、キャラクタデータ等を再生することで進行する。
【0034】
本開示のゲームシステム100においてバトルは、ユーザが所有しているキャラクタが、ユーザの操作の対象とならないキャラクタ(以下、NPC(Non-Player Character)という)に対し、アクション、コマンド、パズル等種々の方式によって戦う内容とする。バトルの内容はこれに限らない。
【0035】
ゲームアプリ2Pを起動中の情報端末装置2は、ダウンロード済みのゲームアプリ2Pに加え、情報処理装置1から上述したゲームコンテンツを適宜ネットワークN経由で取得してゲームを進行させる。ゲームコンテンツのうち、バトルでユーザが選択可能なキャラクタ、バトル中に使用されるバトルアイテム、並びに、強化アイテム、ポイント及び設定値等の内容及び数は、ユーザによって異なる。ユーザが所有するこれらのゲームコンテンツは、そのコンテンツIDがユーザIDに対応付けられて、情報処理装置1の記憶部11及び情報端末装置2の記憶部21に記憶されることでその所有が担保される。
【0036】
ユーザは、キャラクタ、バトルアイテム及び強化アイテムを、バトルの報酬、又は、ミッションの報酬によって得ることができる。ユーザは、キャラクタ、バトルアイテム、及び強化アイテムを、交換用のアイテム、ゲーム内のポイント、設定値等との間の交換によって得てもよい。そしてユーザは、強化アイテム、交換用のアイテム、又はゲーム内のポイント等を後述する「アイテムガチャ」によって取得できる。
【0037】
以下、ゲームシステム100における「アイテムガチャ」(ゲームコンテンツ抽選方法)について詳細を説明する。第1実施形態のゲームシステム100では、
図3に示したような強化アイテム、ゲーム内のポイント等を「アイテムガチャ」の対象とする。第1実施形態のゲームシステム100では、情報処理装置1がコンテンツDB110から、ユーザが使用できるデータ、取得するデータを抽選によって提供するに際し、特に、アイテムコンテンツの抽選の回数を増やすモチベーションを持たせる方法を実現する。
【0038】
第1実施形態のゲームシステム100の「アイテムガチャ」では、情報処理装置1が、複数のユーザ夫々に対して個別に、「アイテムガチャ」の対象コンテンツと置換される置換オブジェクトを複数付与する。ユーザが、置換オブジェクトを、対象コンテンツと置換する選択をしたタイミングで、情報処理装置1が、置換オブジェクト毎に対象コンテンツの抽選を実行する。
【0039】
置換オブジェクトの付与のタイミングは、主としてバトルの終了タイミングである。置換オブジェクトは、バトルの報酬としてユーザに付与される。置換オブジェクトの付与のタイミングはその他、ユーザのシナリオの進行度の達成タイミングでもよいし、ミッションの達成タイミングであってもよい。置換オブジェクトの付与は、その他、置換オブジェクトへの交換専用のアイテムとの交換を、ユーザが選択したタイミングであってもよい。
【0040】
置換オブジェクトの、複数のユーザへの付与内容は、略同一となるように設定されてもよい。情報処理装置1は、特定のミッションの達成報酬、ミッションの参加報酬として、多数の置換オブジェクトを一度にユーザへ付与する。この場合、ミッションを達成したユーザは全員、同一の置換オブジェクトの供与を受けることになる。
【0041】
図5は、置換オブジェクトの付与の概要図である。
図5は、ユーザのユーザIDに対応付けて付与されている置換オブジェクトを表として示す。置換オブジェクトは、複数種類に分類される。種類は例えば3つ(SR:Super Rare、R:Rare、N:Normal)である。ユーザIDに対応付けて、付与されている置換オブジェクトの種類及び個数が記憶されている。以下、種類は、置換オブジェクト自体の付与される頻度と対応して3つ(SR/R/N)に分類されている。
【0042】
置換オブジェクトは、その種類によって、抽選対象の対象アイテムが予め決められている。対象アイテムは、
図3に示した強化アイテムを含む。しかしながら、いずれの置換オブジェクトも全ての強化アイテムを対象とするわけではない。「SR」の置換オブジェクトと、「R」の置換オブジェクトと、「N」の置換オブジェクトとでは、抽選対象の強化アイテムは異なる。
【0043】
図5では、ユーザごとに、置換オブジェクトの種類は異なる配分で付与される例を示した。しかしながら、全ユーザが同一の配分で複数種類の置換オブジェクトを付与されてもよい。
【0044】
図6は、置換オブジェクトごとの抽選対象の説明図である。
図6では、置換オブジェクトの種類(SR/R/N)それぞれに対応付けて、抽選対象のゲームコンテンツ(ここでは、強化アイテムのみを示す)のコンテンツIDが記憶されることが示されている。「SR」の置換オブジェクトに対応付けられている抽選対象のゲームコンテンツは、「R」の置換オブジェクトに対応付けられている抽選対象のゲームコンテンツよりも、レアリティが高いコンテンツが多くしてある。同様に、「R」の置換オブジェクトに対応付けられている抽選対象のゲームコンテンツは、「N」の置換オブジェクトに対応付けられている抽選対象のゲームコンテンツよりも、レアリティが高いコンテンツが多くしてある。「N」の置換オブジェクトに対応付けられている抽選対象のゲームコンテンツの種類の数は、他の種類の置換オブジェクトに対応付けられているゲームコンテンツの種類の数よりも多くしてある。
【0045】
置換オブジェクトの分類方法と対象アイテムの対応付けは、上述の内容に限られない。置換オブジェクトは、2つ、あるいは、4つ以上に分類されてもよい。置換オブジェクトは、置換オブジェクト自体の付与の頻度に応じたレアリティではなく、置換オブジェクトが換わる対象アイテムのカテゴリーで分類されてもよい。例えば、強化アイテムが対象となっている置換オブジェクトと、ポイントが対象となっている置換オブジェクトとに分類されてもよい。
【0046】
次に、置換オブジェクトを換える際の処理について説明する。
図7は、置換オブジェクトの表示例を示す図である。
図7は、「アイテムガチャ」画面230を示す。「アイテムガチャ」画面230には、置換オブジェクトが「箱」の画像231として表示されている。置換オブジェクトの画像は、対象コンテンツを格納しているように見える格納体、例えば箱以外に封筒、袋であってもよいし、対象コンテンツと交換可能なアイテム、例えばチケット等であってもよい。置換オブジェクトの画像231は、外見で種類(SR/R/N)を識別可能に、種類の数に応じて記憶されており、情報端末装置2から取得可能である。
図7では、「SR」の「箱」は豪奢なリボンの装飾が施されており、「R」の「箱」はリボンの装飾がされているものの「SR」よりも少ない。「N」の「箱」はリボンの装飾が更に少ない。
図5に示した置換オブジェクトの数は、ユーザが情報端末装置2の表示部23にて確認した場合、
図7に示すように、置換オブジェクトの画像231の近傍に、種類ごとに数値として表示される。これにより、ユーザは、自身が所有する置換オブジェクトの種類及びその個数を直感的に把握できる。
【0047】
図7の「アイテムガチャ」画面230は、置換オブジェクトを対象アイテムに換えるためのボタン232a,232bを含む。ボタン232a,232bは、ユーザが所有する置換オブジェクトの種類ごとに、その画像231の近傍に表示される。ボタン232a,232bは、1つずつ置換オブジェクトを換える(開梱する)ためのボタン232aと、複数の置換オブジェクトをまとめて換える(開梱する)ためのボタン232bとに区別される。
【0048】
図7の「アイテムガチャ」画面230は、置換オブジェクトの種類ごとに、抽選対象として決められている対象コンテンツ(ゲームコンテンツ)の種類を示す画面を表示するためのアイコン233を含む。
【0049】
図7の「アイテムガチャ」画面230において、ボタン232bが選択された場合、個数を指定するための画面が表示される。
図8は、複数の置換オブジェクトをまとめて換えるための画面例を示す。
図8に示す画面には、個数を指定するためのスライドバー232cと、指定された個数で換えることを決定するボタン232dとが含まれる。ユーザは、スライドバー232cで個数を選択し、選択した個数でボタン232dをタップすることにより、複数個の置換オブジェクトをまとめて対象コンテンツに換えることができる。情報端末装置2の処理部20は、編集可能なボックスコントロールで個数の指定を受け付けてもよい。「戻る」ボタンが選択された場合、「アイテムガチャ」画面230に戻る。
【0050】
図7の「アイテムガチャ」画面230において、アイコン233が選択された場合、各置換オブジェクトに対応する対象コンテンツの一覧を示すが表示される。
図9は、アイコン233が選択された場合に表示される抽選対象一覧の例を示す。
図9は、「SR」に対応するアイコン233が選択された場合に表示される例を示す。このように、置換オブジェクトを対象アイテムに換える抽選を実施する事前に、ユーザは、何が当たる可能性があるのかを確認できる。「戻る」ボタンが選択された場合、「アイテムガチャ」画面230に戻る。
【0051】
図7の「アイテムガチャ」画面230におけるボタン232a,232bがユーザによって選択(タップ)された場合、情報端末装置2は、置換オブジェクトを換える処理を実行する。置換オブジェクトを換えるに際し、
図7の「アイテムガチャ」画面230では、「箱」が開梱されるような演出がされる。置換オブジェクトが封筒、鍵付きの箱である場合、開封される演出がされてもよい。置換オブジェクトがチケットである場合、そのチケットがアイテムに変化する演出がされてもよい。
【0052】
図10は、置換オブジェクトを対象アイテムに換える際の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図9のフローチャートは、ゲームアプリ2Pを実行している情報端末装置2で「アイテムガチャ」画面230を表示した場合に、情報端末装置2の処理部20によって開始される。
【0053】
情報端末装置2の処理部20は、置換オブジェクトの種類の選択を受け付け(ステップS201)、対象アイテムへ換える個数を受け付ける(ステップS202)。
【0054】
ステップS201において処理部20は、
図7の「アイテムガチャ」画面230にて種類ごとに表示されているボタン232a,232bのいずれが選択されたか、によって種類を受け付ける。ステップS102において処理部20は、
図7の「アイテムガチャ」画面230にて1つずつ置換するためのボタン232aが選択された場合に「1」を受け付け、複数まとめて換えるためのボタン232bが選択された場合、スライドバー232cが示す数を、個数として受け付ける。
【0055】
処理部20は、置換オブジェクトの種類及び個数、並びにユーザIDを含むアイテム抽選リクエストを情報処理装置1へ送信する(ステップS203)。処理部20は、自装置(情報端末装置2)のユーザに付与されている置換オブジェクトのうち、ステップS201で受け付けた種類の置換オブジェクトの数を、ステップS202で受け付けた個数分、減じる(ステップS204)。
【0056】
情報処理装置1の処理部10は、情報端末装置2からアイテム抽選リクエストを受信する(ステップS101)。アイテム抽選リクエストに含まれるユーザIDに対応付けられている置換オブジェクトのうち、アイテム抽選リクエストに含まれる種類の置換オブジェクトの数を、アイテム抽選リクエストに含まれる個数分、減じる(ステップS102)。ステップS102の処理は、ステップS204の処理と同一であるから、いずれかが省略されてもよい。
【0057】
情報処理装置1の処理部10は、アイテム抽選リクエストに含まれる種類の置換オブジェクトに対応付けられた抽選対象を、コンテンツテーブルから特定する(ステップS103)。処理部10は、特定した抽選対象から、アイテム抽選リクエストに含まれる個数分、抽選処理を実行する(ステップS104)。
【0058】
ステップS104における抽選処理では、処理部10は、
図6に示した、置換オブジェクトの種類別の抽選対象を、均等の確率では抽選しない。処理部10は、種類別の抽選対象の中で、コンテンツIDに対応付けられているレアリティの重みづけによって重み付き抽選を実行するとよい。例えば、抽選対象のコンテンツのうち、レアリティが「5」のゲームコンテンツには「1」、レアリティが「2」のゲームコンテンツには「5」、レアリティが「3」のゲームコンテンツには「20」、レアリティが「2」のゲームコンテンツには「34」、レアリティが「1」のゲームコンテンツには「40」の重みを付与する。重みが大きいゲームコンテンツほど、即ち、レアリティが「3」~「1」のゲームコンテンツが当選する確率が高くなるように、情報処理装置1は抽選を実行する。
【0059】
処理部10は、抽選処理の結果、ユーザに付与する対象コンテンツのコンテンツIDをユーザIDに対応付けて記憶し(ステップS105)、コンテンツID及び各々の個数とを情報端末装置2へ送信する(ステップS106)。
【0060】
情報端末装置2の処理部20は、抽選結果の対象コンテンツのコンテンツID及びその個数を受信し(ステップS205)、受信したコンテンツIDの対象コンテンツの画像および個数を、表示部23に抽選結果として表示する(ステップS206)。処理部20は、ステップS204で減じた置換オブジェクトの残数を種類毎に表示し(ステップS207)、「アイテムガチャ」の処理を終了する。
【0061】
このように、置換オブジェクトの付与タイミングではなく、置換オブジェクトに対して換える選択がユーザによってされたタイミングで、置換オブジェクト1つ1つに対して抽選が行なわれる。
【0062】
上述した情報処理装置1における処理により、特定のゲームコンテンツの入手が可能な安心感をユーザに与えるとともに、ランダム性によって抽選結果が他のユーザと異なる結果とすることができる。
【0063】
上述した情報処理装置1における処理を具体的に説明する。
図11は、従来例の抽選方法の概要図である。従来、「アイテムガチャ」の方法として、ユーザに予め、ユーザ毎に予め抽選対象となるゲームコンテンツの種類及び数をそれぞれ同様に割り当てて、特定のアイテムを含む入手可能なアイテムのラインアップを示し、その各々の個数の抽選対象のゲームコンテンツから、抽選を実行する方法が実行されてきた。
図11では、複数のユーザそれぞれに割り当てられた抽選対象のゲームコンテンツの例を示している。従来の方法は、割り当てられるゲームコンテンツの数を、例えば300~500等として、割り当てられるゲームコンテンツは共通している。ユーザはそれぞれ、割り当てられた対象ゲームコンテンツから、抽選を進める。抽選をどこまで進められるかによって、結果的にユーザが得られるゲームコンテンツは、ユーザ同士で異なってくる。
【0064】
例えば、特定のアイテム(
図11中のアイテムX)が希少なアイテムであり、同様のラインアップで割り当てられた500個のゲームコンテンツの中から、いずれのユーザもこのアイテムXを欲するものとする。あるユーザは、アイテムXが所定数当選するまでに300回の抽選で済む一方で、他のユーザは450回抽選しなければならないケースは生じていた。しかしながら、この従来方法では、いずれのユーザも500個の割り当てられたゲームコンテンツを全て取得するまで抽選を続行するか、あるいはアイテムXが所定数当選するまで抽選を続行すると、結果的に、抽選結果の差異がユーザ間でほぼない状態となることが多かった。
【0065】
これに対し、本開示の抽選方法によって生じる抽選結果の差異を説明する。
図12は、本開示の抽選方法の概要図である。
図10のフローチャートに示した処理手順実行すると、従来の方法と同様に、いずれのユーザに対しても500個の割り当てがあるとする。本開示の抽選方法では、割り当てられるのはゲームコンテンツそのものではなく、置換オブジェクトである。抽選がされるのは、置換オブジェクトが対象ゲームコンテンツに換わるタイミングである。そして、500個全ての置換オブジェクトを対象ゲームコンテンツに抽選によって換えた場合、
図12に示すように、対象コンテンツの範囲内で当選する個数に差異が生じる。例えば、「000001」のゲームコンテンツは、レアリティがも高く
図11におけるアイテムXに相当するが、「 12345789」のユーザは最終的に5つも当選していることに比べて、「 567891234」のユーザは2つのみ当選と、結果に差異が生じている。しかしながら、逆に「SR」の置換オブジェクトが残っている間は、希少なアイテムが当選する確率がゼロではない。このように、本開示の抽選方法では、割り当てられる置換オブジェクトが同様であっても、500個全ての置換オブジェクトからの抽選を受ける価値が上昇する。
【0066】
更に、この方法では、バトルの報酬として対象アイテムを抽選して付与する場合よりも、ユーザにとっては、欲しいアイテムや取得が期待できる個数を事前に把握しやすい。例えば、バトルごとに、報酬として付与される対象アイテムが予め決められ、バトル中にその中からランダムで抽選される場合がある。この場合、バトルを実行することで抽選の実行を受けることと同様であるものの、置換オブジェクトがアイテムに換わる、というアクションに比して、バトルを実行するというアクションは、バトルが目的であるために当然に時間を要し、アイテムの授受を目的として実行するには煩雑に感じられる。置換オブジェクトを一度にまとめて複数の対象コンテンツに換えるという「アイテムガチャ」における操作は、特定のアイテムを含む多数のアイテムが欲しいというユーザの目的に合致する。しかも、予め割り当てられているアイテムを順次中身が分かった状態で開封していくという単純作業になりがちな操作に比して、毎回の抽選というゲーム性が付加されることで、ユーザの射幸心を刺激してモチベーションを上昇させることが期待できる。
【0067】
このように、置換オブジェクトから、アイテムガチャの対象コンテンツに換わるタイミングに抽選をしつつ、抽選対象を、対象アイテムと換えられる置換オブジェクト毎に決めておく。これにより、ユーザにとって確実に欲しいアイテムをほぼ確実にユーザが取得できるとともに、「アイテムガチャ」に、ユーザがより積極的になることが期待できる。
【0068】
(第2実施形態)
第2実施形態では、抽選方法の詳細が第1実施形態と異なる。以下、抽選処理の詳細以外の第2実施形態におけるゲームシステム100の構成は、第1実施形態のゲームシステム100の構成と同様であるから、共通する構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0069】
第2実施形態では、置換オブジェクトの個数分、置換オブジェクトの種類ごとの対象コンテンツから抽選するに際し、対象コンテンツのレア度について、事前に抽選を実行する。(第1実施形態では、対象コンテンツの重み付き抽選を行なった)レア度の抽選は、レア度の組み合わせに対する抽選確率の配分を格納した設定テーブルに基づき実行される。
図13は、設定テーブルの内容例を示す説明図である。
図13では、置換オブジェクトのレア度(SR/R/N)毎に、対象コンテンツの「レア度」の抽選確率のリストが設定されている。後述するように情報処理装置1の処理部10は、置換オブジェクトの抽選リクエストを受信すると、置換オブジェクト1つずつに対し、先にいずれのレアリティの対象コンテンツとするかを抽選し、決定したレア度の対象コンテンツから抽選を実行する。
【0070】
図14は、設定テーブルの他の内容例を示す説明図である。設定テーブルは、置換オブジェクトのレア度(SR/R/N)毎に、「レア度」別の抽選確率ではなく、対象コンテンツの「種類」別の抽選確率を設定している。
図14の設定テーブルを用いる場合、情報処理装置1の処理部10は、置換オブジェクトの抽選リクエストを受信すると、置換オブジェクト1つずつに対し、先にいずれの種別の対象コンテンツとするかを抽選し、決定した種類の対象コンテンツから抽選を実行する。
【0071】
図13及び
図14の組み合わせ、つまり、レア度及び種類の組み合わせごとに、抽選確率が設定されてもよい。例えば、「SR」の置換オブジェクトからの、「レア度」が「5」の「キャラクタ強化用アイテム」の抽選確率は1%、「レア度」が「4」の「キャラクタ強化用アイテム」の抽選確率は3%、「レア度」が「5」の「技強化用アイテム」の抽選確率は5%、「レア度」が「4」の「武器強化用アイテム」の抽選確率は10%などと設定されていてもよい。
【0072】
図15は、第2実施形態で置換オブジェクトを対象アイテムに換える際の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図15のフローチャートに示す処理手順のうち、
図10のフローチャートに示した手順と共通する手順については同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
【0073】
第2実施形態において情報処理装置1の処理部10は、アイテム抽選リクエストに含まれる個数分、ユーザの置換オブジェクトの数を減じると(S102)、アイテム抽選リクエストに含まれる種類(SR/R/N)の設定テーブルを読み出す(ステップS123)。
【0074】
処理部10は、アイテム抽選リクエストに含まれる個数分、設定テーブルに基づく抽選確率で、置換オブジェクトに対する対象コンテンツのレア度又は種類の抽選を実行する(ステップS124)。処理部10は、ステップS124にて抽選した、個数分当選したレア度又は種類毎に、対象コンテンツから抽選を実行する(ステップS125)。ステップS125における抽選は、同一レア度又は種類ないでは均等に抽選する。
【0075】
処理部10は、ステップS125の抽選結果の対象コンテンツのコンテンツID及び個数をユーザIDに対応付けて記憶し(S105)、以後の処理S106を実行する。
【0076】
情報端末装置2では、抽選結果に基づき、当選した対象コンテンツを表示する(S205-S207)。
【0077】
ステップS123-S125の処理手順について具体的に説明する。例えば、アイテム抽選リクエストに、抽選対象の置換オブジェクトの種類「SR」及び個数「20」が含まれているとする。この場合、情報処理装置1の処理部10は、ステップS123にて、「SR用設定テーブル」を読み出す。処理部10は、ステップS124において、個数「20」に対応する20回、「SR用設定テーブル」から「レア度」を抽選し、例えば「5」を1個、「4」を3個、「3」を16個という抽選結果を得る。次に処理部10は、ステップS125において、「5」のレア度の対象コンテンツから1回、「4」のレア度の対象コンテンツから3回、「3」のレア度の対象コンテンツから16回、抽選を実行する。例えば、
図6の対象コンテンツの対応関係を参照すれば、処理部10は、「5」のレア度の対象コンテンツ「000001」、対象コンテンツ「000023」、及び対象コンテンツ「000123」との3つのゲームコンテンツ(強化アイテム)から、1回だけ、均等の確率(ランダム)に当選結果を決定する。同様に処理部10は、「4」のレア度の対象コンテンツ「000003」、及び「000017」との2つのゲームコンテンツから、3回、いずれも均等の確率で当選結果を決定する。処理部10は同様に、「3」のレア度の対象コンテンツ「000002」、対象コンテンツ「000015」、及び対象コンテンツ「000081」との3つのゲームコンテンツ(強化アイテム)から、16回、均等の確率(ランダム)に当選結果を決定する。
【0078】
上述の処理により、第2実施形態の抽選方法では、レアリティごとの当選確率通りの当選が精度よく実現できる。
【0079】
また、第2実施形態では、置換オブジェクトのリセットを可能とする。
図16は、第2実施形態の「アイテムガチャ」画面230を示す。「アイテムガチャ」画面230は、「リセット」ボタン234を有する。第2実施形態では、例えばイベントの開始時にまとめて500個、置換オブジェクトを付与される。所定の条件で「リセット」ボタン234が選択可能になり、選択された場合、情報端末装置2は、これを検知し、ユーザIDに対応付けられている置換オブジェクトの数を、500個とする。情報端末装置2は、「リセット」ボタン234が選択されたことを情報処理装置1に通知し、情報処理装置1でも、ユーザIDに対応付けられている置換オブジェクトの数を500個に戻す。
【0080】
図17は、置換オブジェクトのリセットの説明図である。
図17(A)の状態は、最初に置換オブジェクトが500個、種類別に付与された状態である。その後、
図15のフローチャートに示した処理手順により抽選が実行され、 394個の対象コンテンツに換えられていると
図17(B)に示すように、置換オブジェクトの数が減じられている。ここで、ユーザが、新たに「SR」の置換オブジェクトを欲する場合、所定の条件下で「リセット」ボタン234が選択可能となる。この「リセット」ボタン234が選択された場合、
図17(C)に示すように、置換オブジェクトが500個、種類別に付与される。
【0081】
ここで「所定の条件」は、置換オブジェクトが所定数以下となること、置換オブジェクトから特定の対象コンテンツが当選した場合、置換オブジェクトに対し特定のアイテムを消費した場合、特定のポイントの消費を代償とする、など多様な条件が考えられる。
【0082】
上述のように開示された実施の形態は全ての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0083】
1 情報処理装置
10 処理部
11 記憶部
1P 情報処理プログラム
2 情報端末装置
20 処理部
23 表示部
2P ゲームアプリケーションプログラム(ゲームアプリ)