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特開2023-102058ゲームデータ処理方法、ゲームデータ処理装置、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102058
(43)【公開日】2023-07-24
(54)【発明の名称】ゲームデータ処理方法、ゲームデータ処理装置、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20230714BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20230714BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/79
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002395
(22)【出願日】2022-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】522039773
【氏名又は名称】株式会社 ラセングル
(74)【代理人】
【識別番号】100153246
【弁理士】
【氏名又は名称】伊吹 欽也
(72)【発明者】
【氏名】叶 良樹
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 大二郎
(57)【要約】
【課題】ユーザに満足度を与えるゲームデータ処理方法、ゲームデータ処理装置、及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】ゲームデータ処理方法は、ゲームのユーザのユーザIDに対応付けて、前記ゲームの進行に際して前記ユーザが選択可能なキャラクタのデータを記憶し、記憶してあるキャラクタを含む複数種類のキャラクタから、前記ユーザに新たに付与するキャラクタを抽選する抽選処理を実行し、前記抽選処理の結果、1又は複数のキャラクタが当選する都度、前記キャラクタのキャラクタIDと、キャラクタ用アイテムのアイテムID及び個数とを、前記ユーザのユーザIDに対応付けて記憶する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームのユーザのユーザIDに対応付けて、前記ゲームの進行に際して前記ユーザが選択可能なキャラクタのデータを記憶し、
記憶してあるキャラクタを含む複数種類のキャラクタから、前記ユーザに新たに付与するキャラクタを抽選する抽選処理を実行し、
前記抽選処理の結果、1又は複数のキャラクタが当選する都度、前記キャラクタのキャラクタIDと、キャラクタ用アイテムのアイテムID及び個数とを、前記ユーザのユーザIDに対応付けて記憶する
ゲームデータ処理方法。
【請求項2】
同一種類のキャラクタのデータを複数、相互に識別可能に記憶可能であり、
前記キャラクタ用アイテムは、同一種類の複数のキャラクタのデータを記憶している場合、前記複数のキャラクタのいずれにも使用が許可される
請求項1に記載のゲームデータ処理方法。
【請求項3】
前記キャラクタ用アイテムは、対応するキャラクタに対して設定されている前記抽選におけるレアリティ度が高いほど、個数が多く付与される
請求項1又は2に記載のゲームデータ処理方法。
【請求項4】
前記キャラクタ用アイテムは、対応するキャラクタに対する抽選回数に応じて付与される数が変化する
請求項1又は2に記載のゲームデータ処理方法。
【請求項5】
前記キャラクタ用アイテムは、対応するキャラクタそれぞれのパラメータのうち、上限が設定されているパラメータの前記上限を、上昇させるために消費される
請求項1から4のいずれか1項に記載のゲームデータ処理方法。
【請求項6】
前記キャラクタ用アイテムは、対応するキャラクタそれぞれのパラメータに加え、新たなパラメータの上昇を許可するために消費される
請求項1から5のいずれか1項に記載のゲームデータ処理方法。
【請求項7】
前記キャラクタ用アイテムは、対応するキャラクタについてロックされているコンテンツ再生を許可するために消費される
請求項1から6のいずれか1項に記載のゲームデータ処理方法。
【請求項8】
前記キャラクタ用アイテムは、前記キャラクタの活用実績に応じて付与される
請求項1から7のいずれか1項に記載のゲームデータ処理方法。
【請求項9】
前記抽選は、前記複数のキャラクタから重複可能に実行される
請求項1から8のいずれか1項に記載のゲームデータ処理方法。
【請求項10】
ゲームのユーザのユーザIDに対応付けて、前記ゲームの進行に際して前記ユーザが選択可能なキャラクタのデータを記憶する記憶部と、
記憶してあるキャラクタを含む複数種類のキャラクタから、前記ユーザに新たに付与するキャラクタを抽選する抽選処理を実行する処理部と、
を備え、
前記処理部は、
前記抽選処理の結果、1又は複数のキャラクタが当選する都度、前記キャラクタのキャラクタIDと、キャラクタ用アイテムのアイテムID及び個数とを、前記ユーザのユーザIDに対応付けて前記記憶部に記憶する
ゲームデータ処理装置。
【請求項11】
コンピュータに、
ゲームのユーザのユーザIDに対応付けて、前記ゲームの進行に際して前記ユーザが選択可能なキャラクタのデータを記憶し、
記憶してあるキャラクタを含む複数種類のキャラクタから、前記ユーザに新たに付与するキャラクタを抽選する抽選処理を実行し、
前記抽選処理の結果、1又は複数のキャラクタが当選する都度、前記キャラクタのキャラクタIDと、キャラクタ用アイテムのアイテムID及び個数とを、前記ユーザのユーザIDに対応付けて記憶する
処理を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームデータ処理方法、ゲームデータ処理装置、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが携帯する所謂スマートフォン、タブレット端末等の通信可能な情報端末装置で実行できるゲームアプリケーション(以下、ゲームアプリという)が広く普及している。この種のゲームアプリでは、情報処理装置で提供される全てのゲームコンテンツを全てユーザに提供するのではなく、ゲームアプリには使用可能なゲームコンテンツに制限を設けておき、無償又は有償で少しずつ制限を解除する。これにより、ゲーム提供者は収益を回収しつつ、ユーザが多くのゲームコンテンツを、より長い期間をかけて楽しむことができる工夫がされている。
【0003】
特許文献1には、ゲームアプリにおけるゲームコンテンツの提供に関し、各々にオモチャ、雑貨が入れられた複数のカプセルを収容する容器から、いずれのカプセルが排出されるかが不明な状態で排出する、所謂「ガチャガチャ」(登録商標)と呼ばれる販売機を模した抽選方法が開示されている。このような抽選方法は、ゲームアプリにおいて、登場キャラクタが使用する武器、防具、衣装又はキャラクタそのもの等の抽選に使用され、ランダム型アイテム提供方式、所謂「ガチャ」と呼ばれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-366852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ゲームコンテンツには、「ガチャ」で抽選がされづらく、且つ、ゲームの進行に有利な「レア」なものが存在する。「ガチャ」では、抽選を実行するコストとして、ゲームアプリ内でのポイント、アイテム、設定値等の支払が必要であることが多い。そしてこれらのポイント、アイテム又は設定値を、法定通貨若しくは所謂暗号通貨等、有償で入手できるようにしてある。レア度が高いゲームコンテンツを入手したいと考えるユーザは、より多くの回数「ガチャ」を実施する。「ガチャ」を実施するためのコストは、有償で入手できるため、無用に射幸心を煽って「ガチャ」を実施させないような工夫が必要である。
【0006】
ユーザは、レア度が比較的高いゲームコンテンツが当選すると、その「ガチャ」に対して満足するが、比較的容易に入手できてしまうように設定されると、「ガチャ」に対するモチベーションは低下する。レア度が比較的高いゲームコンテンツを狙って「ガチャ」を実施したものの、その目的のゲームコンテンツが当選しなかった場合に、ユーザに少しでも満足感を与える工夫が必要になる。
【0007】
本発明は、斯かる事情を鑑みてなされたものであり、ユーザに満足度を与えるゲームデータ処理方法、ゲームデータ処理装置、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一実施形態のゲームデータ処理方法は、ゲームのユーザのユーザIDに対応付けて、前記ゲームの進行に際して前記ユーザが選択可能なキャラクタのデータを記憶し、記憶してあるキャラクタを含む複数種類のキャラクタから、前記ユーザに新たに付与するキャラクタを抽選する抽選処理を実行し、前記抽選処理の結果、1又は複数のキャラクタが当選する都度、前記キャラクタのキャラクタIDと、キャラクタ用アイテムのアイテムID及び個数とを、前記ユーザのユーザIDに対応付けて記憶する。
【0009】
本開示のゲームデータ処理方法では、ゲームのユーザのユーザIDに対応付けて、前記ゲームの進行に際して前記ユーザが選択可能なキャラクタのデータを記憶し、記憶してあるキャラクタを含む複数種類のキャラクタから、前記ユーザに新たに付与するキャラクタを抽選する抽選処理を実行し、前記抽選処理の結果、1又は複数のキャラクタが当選する都度、前記キャラクタのキャラクタIDと、キャラクタ用アイテムのアイテムID及び個数とを、前記ユーザのユーザIDに対応付けて記憶する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、「ガチャ」にて特定のレア度が高いゲームコンテンツが当選しなかった場合であっても、ユーザには、「ガチャ」の実施でのみ蓄積される特定のアイテムが与えられる。これにより、「ガチャ」の実施に少しでも満足感を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態のゲームシステムの概要図である。
図2】情報処理装置の内部構成を示すブロック図である。
図3】コンテンツテーブルの内容例を示す図である。
図4】情報端末装置の内部構成を示すブロック図である。
図5】ユーザが所有するゲームコンテンツの内容例を示す説明図である。
図6】「ガチャ」の画面例を示す図である。
図7】本開示の「ガチャ」における抽選方法の一例を示すフローチャートである。
図8】抽選結果を示す画面の例を示す説明図である。
図9】パラメータ上限の突破の説明図である。
図10】コンテンツのロック解除の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。以下の実施の形態では、本開示のゲームデータ処理方法を適用したゲームシステムについて説明する。
【0013】
図1は、本実施形態のゲームシステム100の概要図である。ゲームシステム100は、複数のユーザが各々使用する情報端末装置2と、該情報端末装置2から通信可能な情報処理装置1とを含む。情報端末装置2と情報処理装置1とは、ネットワークNを介して相互にデータを送受信可能である。ネットワークNは、インターネットN1、キャリアネットワークN2、基地局BS、及びアクセスポイントAPを含み、情報端末装置2は無線(又は有線)により、ネットワークNを介して情報処理装置1とデータの送受信が可能である。
【0014】
ゲームシステム100では、ゲームアプリケーションプログラム(以下、ゲームアプリという)をインストールした情報端末装置2単独では、全てのゲームコンテンツを利用できない。情報端末装置2は、定期的に、及び、進行に応じて情報処理装置1と通信し、情報処理装置1のコンテンツデータベース(DB:Data Base )110から、ゲームコンテンツを適宜ネットワークN経由で取得してゲームを進行させる。ゲームコンテンツは、シナリオデータ、キャラクタデータ、アイテムデータ等を含む。これらのゲームコンテンツのうち、使用できるゲームコンテンツの種類及び数量は、ユーザ及びゲーム進行度によって異なる。
【0015】
ゲームシステム100の各装置の構成と、各装置の処理内容とを説明する。図2は、情報処理装置1の内部構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、情報端末装置2との間でデータの送受信が可能なゲームサーバ装置である。以下の説明において、情報処理装置1は1台のゲームサーバ装置として説明するが、複数台のサーバコンピュータをネットワークで通信接続して分散処理させる態様であってもよい。
【0016】
情報処理装置1は、処理部10、記憶部11、通信部12を備える。処理部10は、CPU(Central Processing Unit )及び/又はGPU(Graphics Processing Unit)を用いたプロセッサである。処理部10は、記憶部11に記憶されている情報処理プログラム1Pに基づき、ゲームサーバとしての処理を実行する。
【0017】
記憶部11は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリを用いる。記憶部11は、処理部10が参照するデータを記憶する。記憶部11は、情報処理プログラム1Pを記憶する。情報処理プログラム1Pは、記憶媒体9に記憶されている情報処理プログラム9Pを処理部10が読み出して記憶部11に複製したものであってもよい。情報処理プログラム1Pは、通信部12を介して他のプログラムサーバ装置からダウンロードして記憶したものであってもよい。
【0018】
記憶部11は、ゲームで使用されるゲームコンテンツを記憶するコンテンツDB110を含む。コンテンツDB110に記憶されるゲームコンテンツは、シナリオデータ、バトルデータ、キャラクタデータ等を含む。シナリオデータは、画像データ(アニメーション、動画等)、テキストデータ(台詞等)及び音声データを含む。バトルデータは、キャラクタデータ(敵及び味方等)、バトルアイテムデータ、バトル背景データ、及び音声データを含む。キャラクタデータは、画像データ(アニメーション、動画等)、音声データ、及び、レベル別のパラメータ(強さ、守備力、属性等)等を含む。キャラクタデータは、同一キャラクタに対して異なるバリエーション(服装違い、色違い等)毎に記憶されてもよい。バトルアイテムデータは、画像データと、バトル中にキャラクタに対して適用されるバトルパラメータ(攻撃量、守備量等)への効果を数値で表したデータとを含む。ゲームコンテンツは更に、キャラクタ又はバトルアイテムを強化するための強化アイテム、各種ゲームコンテンツと交換可能なアイテム、ポイント、設定値を含む。強化アイテムデータは、アイテムの画像データと、名前等のデータとを含む。交換対象となるアイテム、ポイント、設定値についても、画像データ、名称等のデータを含む。コンテンツDB110は、これらのゲームコンテンツの実体を、コンテンツ識別データ(以下、コンテンツIDという)に対応付けたコンテンツテーブルを含む。
【0019】
コンテンツDB110は、強化アイテムデータに関し、強化対象の1又は複数のキャラクタ若しくはバトルアイテムを識別するデータとの関係を記憶する。コンテンツDB110は例えば、キャラクタデータ毎に、キャラクタを強化するために必要な強化アイテムの種類及びその数を記憶する。コンテンツDB110は、キャラクタの識別データに対応付けて、キャラクタが有する攻撃力、体力、特性等のパラメータ別に、更に段階別に、必要な強化アイテムの種類及び個数を記憶する。コンテンツDB110は、バトルアイテムに対しても、バトルアイテムを強化するために必要な強化アイテムの種類及びその数を記憶してもよい。
【0020】
コンテンツDB110は、ゲームコンテンツと交換可能なアイテム、ポイント、設定値に関し、交換対象のゲームコンテンツ(キャラクタ、バトルアイテム、又は強化アイテム)を識別するデータとの関係を記憶する。コンテンツDB110は例えば、交換対象のゲームコンテンツ毎に、交換するために必要なアイテム、ポイント又は設定値の種類及び数を記憶する。
【0021】
記憶部11は、各情報端末装置2でユーザ毎に使用可能なゲームコンテンツのコンテンツIDを、ユーザを識別するユーザIDに対応付けて記憶する。例えば記憶部11は、ユーザIDに対応付けて、ユーザがゲームアプリ2P上で所有しているキャラクタ、強化アイテム、アイテム等を識別するコンテンツID及び個数を記憶する。処理部10は、コンテンツIDを指定した取得要求に応じて、ゲームコンテンツをコンテンツDB110から読みだして要求元に提供する。
【0022】
通信部12は、ネットワークNを介した情報端末装置2との通信を実現する。通信部12は具体的には、ネットワークカードである。通信部12は、キャリアネットワークN2と接続する無線通信モジュールであってもよいし、WiFi用の無線通信モジュールであってもよい。処理部10は、通信部12によって情報端末装置2との間でデータを送受信できる。
【0023】
図3は、コンテンツテーブルの内容例を示す図である。記憶部11には、図3に示すように、キャラクタ、バトルアイテム、強化アイテム等の様々なゲームコンテンツのコンテンツIDに対応付けて、実体データ(存在位置を示すアドレス)が記憶される。ゲームコンテンツにはそれぞれ、レアリティの高低を示すレア度の数値が対応付けられている。図3に示すように、1~5の数値で、数値が大きいほどレアリティが高いことを示すように予め定められている。レア度の段階数は、5に限られない。キャラクタのテーブルは、情報端末装置2の記憶部21にも記憶されてもよい。
【0024】
図3に示したような、コンテンツデータの識別データ(コンテンツID)に対応付けたゲームコンテンツの実体データ、及びレアリティのデータは、その他、交換に利用されるアイテム、ポイントについてもコンテンツDB110に記憶される。
【0025】
図4は、情報端末装置2の内部構成を示すブロック図である。情報端末装置2は、表示部23及び通信部22を備える機器である。情報端末装置2は例えば、スマートフォン又はタブレット端末である。情報端末装置2は、ゲーム専用機器であってもよい。
【0026】
情報端末装置2は、処理部20、記憶部21、通信部22、表示部23、音声出力部24及び操作部25を備える。処理部20は、CPU及び/又はGPUを用いたプロセッサである。処理部20は、記憶部21に記憶されているゲームアプリケーションプログラム(以下、ゲームアプリという)2Pに基づき、ゲームに係る処理を実行する。
【0027】
記憶部21は、フラッシュメモリ、SSD等の不揮発性メモリを用いる。記憶部21は、処理部20が参照するデータを記憶する。ゲームアプリ2Pは、通信部22を介して情報処理装置1又は他のプログラムサーバ装置からダウンロードして実行可能に記憶したものである。
【0028】
記憶部21は、ゲームアプリ2PのユーザIDを記憶する。記憶部21は、ユーザIDに対応付けて、ユーザがゲームアプリ2P上で所有しているキャラクタ、アイテム(バトルアイテム、強化アイテム)等を識別するコンテンツID及び個数を記憶する。記憶部21に記憶されているユーザIDとコンテンツID及び個数との関係は、情報処理装置1においてユーザIDに対応付けて記憶されているコンテンツID及び個数と同一の内容である。
【0029】
通信部22は、インターネット又はキャリアネットワークを含むネットワークNを介した情報処理装置1との通信を実現する。通信部22は具体的には、キャリアネットワークと接続する無線通信デバイスであってもよいし、WiFi用の無線通信デバイスであってもよい。処理部20は、通信部22によって情報処理装置1との間でデータを送受信できる。
【0030】
表示部23は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイである。表示部23は例えば、タッチパネル内蔵型ディスプレイである。処理部20は表示部23に、ゲームアプリ2Pに基づき、情報処理装置1から提供される画像、テキスト等のゲームコンテンツを表示する。
【0031】
音声出力部24は、スピーカ等を含む。処理部20は、ゲームアプリ2Pに基づき、情報処理装置1から提供される音声、音楽等のゲームコンテンツを音声出力部24から出力させる。
【0032】
操作部25は、処理部20との間で入出力が可能なユーザインタフェースであって、表示部23内蔵のタッチパネルである。操作部25は、物理ボタンであってもよい。操作部25は、音声入力部であってもよい。
【0033】
このように構成されるゲームシステム100で実現されるゲームは、情報端末装置2が、ゲームアプリ2Pに基づき、所定のゲーム実行単位でシナリオデータ、バトルデータ、キャラクタデータ等を再生することで進行する。
【0034】
本開示のゲームシステム100においてバトルは、ユーザが所有しているキャラクタが、ユーザの操作の対象とならないキャラクタ(以下、NPC(Non-Player Character)という)に対し、アクション、コマンド、パズル等種々の方式によって戦う内容とする。バトルの内容はこれに限らない。
【0035】
ゲームアプリ2Pを起動中の情報端末装置2は、ダウンロード済みのゲームアプリ2Pに加え、情報処理装置1から上述したゲームコンテンツを適宜ネットワークN経由で取得してゲームを進行させる。ゲームコンテンツのうち、バトルでユーザが選択可能なキャラクタ、バトル中に使用されるバトルアイテム、並びに、強化アイテム、ポイント及び設定値等の内容及び数は、ユーザによって異なる。ユーザが所有するこれらのゲームコンテンツは、そのコンテンツIDがユーザIDに対応付けられて、情報処理装置1の記憶部11及び情報端末装置2の記憶部21に記憶されることでその所有が担保される。
【0036】
図5は、ユーザが所有するゲームコンテンツの内容例を示す説明図である。図5では「123456789」 のユーザIDのユーザは、「000001」のコンテンツIDのキャラクタ、「000002」のコンテンツIDのバトルアイテムを含むゲームコンテンツを所有している。
【0037】
更に、本開示のゲームシステム100では、同一のユーザに対し、同一のキャラクタ又は同一のバトルアイテムを重ねて提供可能である。つまり、同一のユーザのユーザIDに対し、「ガチャ」の結果、キャラクタ又はバトルアイテムのコンテンツIDと、「個数」とを対応付けて記憶する。つまり、ユーザID「123456789」 のユーザは、「000001」のキャラクタを複数所有できる。更に、同一のキャラクタのコンテンツIDは相互に識別可能に記憶される。つまり、ユーザAは、複数の「000001」のキャラクタから何れを使用するかを識別できる。ユーザが同一のキャラクタを複数所有する場合、情報処理装置1及び情報端末装置2では、ユーザIDに対応付けて、コンテンツIDに更に識別データを付加されて記憶される。例えば、図5に示すように、ユーザID「123456789」 に対応付けて、「000001-1」、「000001-2」と同一キャラクタであっても識別可能にコンテンツIDが記憶される。
【0038】
ユーザは、キャラクタ、バトルアイテム及び強化アイテムを、バトルの報酬、又は、ミッションの報酬によって得ることができる。ユーザは、キャラクタ、バトルアイテム、及び強化アイテムを、ゲーム内のポイント、設定値等との間の相互交換によって得てもよい。ユーザは、キャラクタ及びバトルアイテムについては、所謂「ガチャ」によって得ることもできる。
【0039】
以下、ゲームシステム100で実行可能な「ガチャ」にて、キャラクタとともに得られる特定の強化アイテムについて詳細を説明する。本開示のゲームシステム100では、キャラクタの「ガチャ」に関し、キャラクタが抽選によって当選する都度、そのキャラクタに使用可能な特定の強化アイテムがユーザに付与される。
【0040】
図6は、「ガチャ」の画面例を示す図である。情報端末装置2は、ゲームアプリ2Pを起動中、ゲームメニューにおいて「ガチャ」が選択されると、図6に示すようにガチャ画面230を表示する。ガチャ画面には、「単数ガチャ」ボタンと、「複数ガチャ」ボタンとが含まれる。「単数ガチャ」あるいは「複数ガチャ」ボタンが選択された場合、情報端末装置2の処理部20はこれを検知して、いずれのボタンが選択されたかを識別するデータとともに、コンテンツ抽選要求を情報処理装置1へ送信する。
【0041】
図6に示すように、ガチャ画面230には、「ガチャ」で抽選されるキャラクタ及びバトルアイテムの説明が表示されているほか、「ガチャ」実施に必要なコストが表示されている。本開示のゲームシステム100では、「ガチャ」のコストとして、ゲーム内でアイテム交換、設定値の回復等にも使用される特殊アイテム「宝石」の所定数の消費を必要とする。具体的には、情報処理装置1及び情報端末装置2は、情報端末装置2からのコンテンツ抽選要求の送信に応じて、ユーザIDに対応付けて記憶している特殊アイテム「宝石」の個数を、「ガチャ」を実施する都度に所定数分だけ減じる。「単数ガチャ」のコストは、3個の「宝石」であり、11回の「複数ガチャ」のコストは、「単数ガチャ」の10倍の30個の「宝石」である(「単数ガチャ」の10倍の「宝石」の消費で1回の「単数ガチャ」が追加される)。
【0042】
「ガチャ」によってユーザが得られる対象ゲームコンテンツは、キャラクタ及びバトルアイテムによらず、上述したゲームコンテンツの中の特別なバトル背景データ、特別な音声データ等を含め、いずれであってもよく、バトル内容に応じて設定されるとよい。
【0043】
図7は、本開示の「ガチャ」における抽選方法の一例を示すフローチャートである。情報処理装置1の処理部10は、情報端末装置2からコンテンツ抽選要求を受信すると(ステップS101)、コンテンツ抽選要求にて選択されている回数(単数/複数)の分、図3に示したキャラクタ、バトルアイテム等を含むゲームコンテンツのうち、抽選対象となるキャラクタ及びバトルアイテムを抽出してある抽選対象テーブル(図示せず)から、各コンテンツIDに対応付けられたレア度に応じた重みで抽選処理を実行する(ステップS102)。レア度に応じた抽選処理は、レア度が高いほど抽選され難くなるような方法であれば、既知の方法を含む多様な方法を採用可能である。
【0044】
処理部10は、抽選処理の結果、当選したコンテンツを1つ選択する(ステップS103)。処理部10は、選択したコンテンツがキャラクタであるか否かを判断する(ステップS104)。キャラクタであると判断された場合(S104:YES)、処理部10は、選択したコンテンツのキャラクタ用の特定の強化アイテムを、当選したキャラクタのレア度に応じた個数、コンテンツ抽選要求元の情報端末装置2のユーザIDに対応付けて記憶する(ステップS105)。処理部10は、処理を次のステップS106へ進める。ステップS105の記憶によってユーザへの付与が担保される特定の強化アイテムは、「ガチャ」のみで得られるデータである。
【0045】
ステップS105において処理部10は、キャラクタであると判断された場合に、そのキャラクタのレア度を特定し、レア度に応じて強化アイテムの個数を決定してもよい。例えば処理部10は、レア度が高い(例えば「5」の)場合は、強化アイテムを80個とし、レア度が低い(例えば「1」の)場合は、強化アイテムを3個とする。つまり処理部10は、レア度が高いほど、個数が多くなるようにグラデーションをつけて個数を増減させる。
【0046】
ステップS105において処理部10は、キャラクタであると判断された場合に、そのキャラクタの当選累積回数を特定し、その回数に応じて強化アイテムの個数を決定してもよい。例えば処理部10は、当選累積回数が多いほど、多くの個数を付与する。例えば処理部10は、レア度が低い(例えば「1」の)キャラクタの当選累積回数が3回目の際には、強化アイテムを2個付与するが、そのキャラクタの当選累積回数が50回目の際には、強化アイテムを5個付与する。例えば処理部10は、レア度が高い(例えば「5」の)キャラクタの当選累積回数が1回目の際には、強化アイテムを80個付与するが、そのキャラクタの当選累積回数が3回目の際には、強化アイテムを120個付与する、としてもよい。
【0047】
ステップS105において処理部10は、キャラクタであると判断された場合に、そのキャラクタの使用実績を特定し、使用実績の高さに応じて強化アイテムの個数を決定してもよい。例えば処理部10は、使用実績が多いほど、多くの個数を付与する。例えば処理部10は、そのキャラクタのバトルへの参加回数が400回以上である場合に、強化アイテムの基本付与個数に2を加算し、参加回数が1000回以上である場合に、基本付与個数に8を加算する。バトルへの参加回数のみならず、キャラクタとの親密度や信頼度に対応するパラメータの値の大小に応じて個数を増加させてもよい。
【0048】
ステップS104にてキャラクタでないと判断された場合(S104:NO)、処理部10は、処理を次のステップS106へ進める。
【0049】
当選したコンテンツのうち、未選択のコンテンツは残っているか否かを判断する(ステップS106)。残っていると判断された場合(S106:YES)、処理部10は処理をステップS103へ戻す。
【0050】
未選択のコンテンツは残っていないと判断された場合(S106:NO)、処理部10は、ステップS102の抽選結果のデータと、ステップS105でユーザに与えられた特定の強化アイテムのデータ及び特定の強化アイテムの個数を、コンテンツ抽選要求を送信してきた情報端末装置2へ応答する(ステップS107)。
【0051】
処理部10は、コンテンツ抽選要求元の情報端末装置2のユーザIDに対応付けられた所有ゲームコンテンツのコンテンツIDの個数と、特定の強化アイテムの個数とを更新し(ステップS105)、処理を終了する。
【0052】
図8は、抽選結果を示す画面の例を示す説明図である。図8に示すガチャ結果画面231は、当選したキャラクタ又はバトルアイテムを示すアイコン232を含む。図8のガチャ結果画面231では、アイコン232は、文字及びコンテンツIDによって当選したゲームコンテンツを識別しているが、ゲームコンテンツのサムネイル画像、名称等で識別されてよい。図8のガチャ結果画面231では、当選したキャラクタ又はバトルアイテムそれぞれのレア度が、アイコン232内の「星」の数で表されている。
【0053】
ガチャ結果画面231には、図8に示すように、抽選を終了させる「終了」ボタン、及び、更に抽選を続行するための「更に抽選」ボタンが含まれるとよい。
【0054】
本開示のゲームシステム100において、ガチャ結果画面231には、アイコン232がキャラクタのゲームコンテンツに対応する場合、ともに付与される特定の強化アイテムを示すミニアイコン233が表示されている。ミニアイコン233の近傍には、特定の強化アイテムの増加個数が表示されている。
【0055】
このように、本開示のゲームシステム100では、キャラクタのゲームコンテンツが「ガチャ」の抽選で当選する都度に、そのキャラクタに対して使用できる特定の強化アイテムが「おまけ」としてユーザに提供される。
【0056】
当該分野における従来のゲームシステムでは、「ガチャ」において当選したキャラクタのゲームコンテンツが、既にユーザが所持しているキャラクタと同一であるか否か、即ち、重複当選であるか否かを判断し、重複当選である場合には、自動的にキャラクタを強化するか、特定のアイテム、又はポイントをユーザに付与するなどしていた。
【0057】
これに対し、上述した「ガチャ」の抽選処理では、重複当選か否かに関わらず、キャラクタが当選する都度、キャラクタのデータに加えて、そのキャラクタ用の特定の強化アイテムがユーザに提供される。何度も当選する都度に、後述するように、他のアイテムでは不可能な強化を実現する特別な強化アイテムを蓄積させることができるため、「ガチャ」でゲームコンテンツが重複当選したとしても、ユーザに満足感を与えることができる。
【0058】
特定の強化アイテムは、各キャラクタ専用である。例えば、コンテンツID「000001」のキャラクタ用の特定の強化アイテムは、他のコンテンツID「000003」のキャラクタには使用できないし、「000003」のキャラクタ用の特定の強化アイテムは、他の「000001」のキャラクタには使用できない。同一のキャラクタであっても、ユーザは上述したように、取得可能である。この場合、特定の強化アイテムは、同一のキャラクタであれば、ともに「ガチャ」で付与された特定の強化アイテムのみならず、複数のキャラクタのいずれにも使用が許可される。例えば、コンテンツID「000001」のキャラクタを所有しているユーザは、その「000001」のキャラクタを「ガチャ」で取得できたタイミングで特定の強化アイテムを80個有している。更に、新たに実施した「ガチャ」において、コンテンツID「000001」のキャラクタが同一ユーザに対して当選した場合、ユーザは、「000001」のキャラクタ用の特定の強化アイテムを更に80個取得できる。ユーザは、コンテンツID「000001-1」のキャラクタと、「000001-2」のキャラクタと、160個の「000001」用の特定の強化アイテムとを所有することになる。ユーザは、専用とはいえ、この160個の特定の強化アイテムを80個ずつ、コンテンツID「000001-1」のキャラクタと、コンテンツID「000001-2」のキャラクタとに分けて使用しなければならないのではなく、をまとめて、コンテンツID「000001-1」のキャラクタに使用することができる。
【0059】
特定の強化アイテムの使用方法について以下に説明する。
【0060】
特定の強化アイテムは第1例では、キャラクタそれぞれのパラメータのうち、上限が設定されているパラメータを、上限を突破して上昇させるために使用可能である。図9は、パラメータ上限の突破の説明図である。図9は、キャラクタ強化の操作を行なうための画面234を示す。図9の画面234には、「000001」のキャラクタの特性(レベル、体力、攻撃力等)が示されている。特性として、「レベル」が表示されている。図9の画面234では「レベル」の上限は「100」とされている。しかしながら、特定の強化アイテムを各キャラクタに設定された個数消費することによって、「110」へ上限を突破させることが可能である。
【0061】
特定の強化アイテムは第2例では、対応するキャラクタについてロックされているコンテンツ再生を可能にするために使用可能である。図10は、コンテンツのロック解除の説明図である。図10は、キャラクタそれぞれのプロフィールを確認するための画面235を示す。図10の画面235には、「000001」のキャラクタ特有のコンテンツリストが表示されている。画面235中の「ストーリー」は、キャラクタそれぞれに対して設定されている来歴、家族、嗜好を説明するための動画コンテンツである。図10の例では、「000001」のキャラクタに4つの「ストーリー」が用意されており、3つが解放済みであり、再生が可能である。これに対し、特定の強化アイテムを各キャラクタの各「ストーリー」に設定された個数消費することによって、残りの1つの「ストーリー」の再生が可能になる。
【0062】
上述のように開示された実施の形態は全ての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0063】
1 情報処理装置
10 処理部
11 記憶部
1P 情報処理プログラム
2 情報端末装置
20 処理部
21 記憶部
23 表示部
2P ゲームアプリケーションプログラム(ゲームアプリ)
図1
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