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特開2023-102076ワイヤレスヘッドフォンの設定システムおよびワイヤレスヘッドフォンの設定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102076
(43)【公開日】2023-07-24
(54)【発明の名称】ワイヤレスヘッドフォンの設定システムおよびワイヤレスヘッドフォンの設定方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/16 20060101AFI20230714BHJP
   H04R 1/10 20060101ALI20230714BHJP
   G06F 3/048 20130101ALI20230714BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20230714BHJP
【FI】
G06F3/16 680
H04R1/10 101
G06F3/16 610
G06F3/16 620
G06F3/048
G06F3/01 570
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002422
(22)【出願日】2022-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 健
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA26
5E555AA46
5E555BA04
5E555BA16
5E555BB04
5E555BB16
5E555BC04
5E555CA11
5E555CA41
5E555CA47
5E555CB10
5E555CB12
5E555CB56
5E555CB58
5E555DA13
5E555DA21
5E555DC13
5E555DC14
5E555DC35
5E555DC37
5E555DD06
5E555EA09
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ワイヤレスヘッドフォンが無線接続した相手となる通信デバイスの名称あるいは端末種類を音声出力する際に、その名称あるいは端末種類をユーザにとって分かりやすく設定可能とし、ユーザの使い勝手を向上する。
【解決手段】ワイヤレスヘッドフォンは、ワイヤレスヘッドフォンが無線接続する無線端末の無線端末情報とその無線端末を特定可能な音声データとの対応関係を示すデータを登録可能である。無線端末は、音声データの識別情報を用いて、ワイヤレスヘッドフォンとの間で無線接続した際にワイヤレスヘッドフォンに音声出力させる音声データを設定し、その設定された音声データを識別する識別情報をワイヤレスヘッドフォンに送る。ワイヤレスヘッドフォンは、無線端末から送られた識別情報に基づいて、無線端末の無線端末情報とその識別情報により識別可能な音声データとの対応関係をメモリに登録する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカを有し、装着者の耳への装着が可能な少なくとも1つのワイヤレスヘッドフォンと、
前記装着者により携帯され、前記ワイヤレスヘッドフォンと無線接続が可能な無線端末と、を備え、
前記ワイヤレスヘッドフォンは、
メモリを有し、前記ワイヤレスヘッドフォンが無線接続する前記無線端末の無線端末情報とその無線端末を特定可能な音声データとの対応関係を示すデータを前記メモリに登録可能であり、
前記無線端末は、
前記音声データの識別情報を用いて、前記ワイヤレスヘッドフォンとの間で無線接続した際に前記ワイヤレスヘッドフォンに音声出力させる前記音声データを前記装着者の操作に基づいて設定し、その設定された音声データを識別する識別情報を前記ワイヤレスヘッドフォンに送り、
前記ワイヤレスヘッドフォンは、
前記無線端末から送られた前記識別情報に基づいて、前記無線端末の無線端末情報とその識別情報により識別可能な音声データとの対応関係を示すデータを前記メモリに登録する、
ワイヤレスヘッドフォンの設定システム。
【請求項2】
前記ワイヤレスヘッドフォンは、前記無線端末との間で無線接続を完了した時、前記無線端末から送られた前記無線端末情報に基づいて、その無線端末情報に対応する前記音声データを前記スピーカから音声出力する、
請求項1に記載のワイヤレスヘッドフォンの設定システム。
【請求項3】
前記無線端末を特定可能な音声データは、前記無線端末の端末種類を特定可能な名称を発音する予め録音された音声データである、
請求項1に記載のワイヤレスヘッドフォンの設定システム。
【請求項4】
前記ワイヤレスヘッドフォンは、複数の前記無線端末のそれぞれと無線接続が可能であり、
前記無線端末を特定可能な音声データは、前記無線端末ごとに音色が異なるビープ音、あるいは、前記無線端末ごとにメロディが異なる音声データである、
請求項1に記載のワイヤレスヘッドフォンの設定システム。
【請求項5】
前記ワイヤレスヘッドフォンは、複数の前記無線端末のそれぞれと無線接続が可能であり、前記無線端末により設定された音声データを前記無線端末の無線端末情報ごとに登録する、
請求項1に記載のワイヤレスヘッドフォンの設定システム。
【請求項6】
前記無線端末は、ディスプレイを有し、前記ワイヤレスヘッドフォンが過去に無線接続したことがある前記無線端末を含む複数の無線端末を特定可能な無線端末情報一覧を前記ディスプレイに表示し、前記装着者の操作により前記無線端末情報一覧から選択された無線端末ごとに、前記ワイヤレスヘッドフォンとの間で無線接続した際に前記ワイヤレスヘッドフォンに音声出力させる前記音声データを設定する、
請求項1に記載のワイヤレスヘッドフォンの設定システム。
【請求項7】
スピーカを有し、装着者の耳への装着が可能であって、装着者により携帯される無線端末と無線接続が可能な少なくとも1つのワイヤレスヘッドフォンの設定方法であって、
前記ワイヤレスヘッドフォンが前記無線端末との間で無線接続した際に前記ワイヤレスヘッドフォンに音声出力させる、前記無線端末を特定可能な音声データを前記装着者の操作に基づいて設定するステップと、
その設定された音声データを識別する識別情報を前記ワイヤレスヘッドフォンに送るステップと、
前記無線端末から送られた前記識別情報に基づいて、前記無線端末の無線端末情報とその識別情報により識別可能な音声データとの対応関係を示すデータをメモリに登録するステップと、を有する、
ワイヤレスヘッドフォンの設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤレスヘッドフォンの設定システムおよびワイヤレスヘッドフォンの設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、2つ以上のペアリングされたワイヤレスオーディオソースのリストをメモリに格納するワイヤレスオーディオ出力装置が開示されている。このリストは、各ワイヤレスオーディオソースに関する情報(例えば名前)と、最初のワイヤレスオーディオソースと最後のワイヤレスオーディオソースとを少なくとも含む。ワイヤレスオーディオ出力装置は、リストから第1および第2のワイヤレスオーディオソースに接続し、ユーザ入力から指示を受け取ると、音声合成エンジンを使用してリスト内の選択されたワイヤレスオーディオソースの名前に対応するオーディオ信号を生成してスピーカから音声信号を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第9747071号明細書
【特許文献2】米国特許第9967649号明細書
【特許文献3】国際公開第2012/053289号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、リスト内に複数のワイヤレスオーディオソース(例えば通信デバイス。以下同様。)の名称が登録されていると、ユーザ入力からの指示が受信される度にその登録されているワイヤレスオーディオソースの名称の音声信号が次々に出力されてしまうため、ユーザが確認したい音声信号が選択できず使い勝手が良くないという課題がある。
【0005】
また、特許文献1のワイヤレスオーディオ出力装置が接続しようとしているワイヤレスオーディオソースの名称が分かりやすい固有名詞等の名称であれば、スピーカからその名称の音声信号が出力された場合にはユーザは分かりやすくなる。ところが、ワイヤレスオーディオソースの名称としてユーザが判別付かない機種名(例えばアルファベットの品番、デバイスの管理番号)の音声出力が出力されてしまうと、ユーザは聞いていても理解ができず、ユーザの確認作業が困難になってしまうという課題があった。さらに、特許文献1の構成では、オーディオソース(例えば通信デバイス)の名称のカスタマイズをユーザによって行うことは想定されておらず、仮に世界中のあらゆる言語での音声信号を予め用意してメモリに保存しておくとなると、ワイヤレスオーディオ出力装置のメモリ容量を圧迫することになり、使い勝手が良くない。
【0006】
本開示は、上述した従来の事情に鑑みて案出され、ワイヤレスヘッドフォンが無線接続した相手となる通信デバイスの名称あるいは端末種類を音声出力する際に、その名称あるいは端末種類をユーザにとって分かりやすく設定可能とし、ユーザの使い勝手を向上するワイヤレスヘッドフォンの設定システムおよびワイヤレスヘッドフォンの設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、スピーカを有し、装着者の耳への装着が可能な少なくとも1つのワイヤレスヘッドフォンと、前記装着者により携帯され、前記ワイヤレスヘッドフォンと無線接続が可能な無線端末と、を備え、前記ワイヤレスヘッドフォンは、メモリを有し、前記ワイヤレスヘッドフォンが無線接続する前記無線端末の無線端末情報とその無線端末を特定可能な音声データとの対応関係を示すデータを前記メモリに登録可能であり、前記無線端末は、前記音声データの識別情報を用いて、前記ワイヤレスヘッドフォンとの間で無線接続した際に前記ワイヤレスヘッドフォンに音声出力させる前記音声データを前記装着者の操作に基づいて設定し、その設定された音声データを識別する識別情報を前記ワイヤレスヘッドフォンに送り、前記ワイヤレスヘッドフォンは、前記無線端末から送られた前記識別情報に基づいて、前記無線端末の無線端末情報とその識別情報により識別可能な音声データとの対応関係を示すデータを前記メモリに登録する、ワイヤレスヘッドフォンの設定システムを提供する。
【0008】
また、本開示は、スピーカを有し、装着者の耳への装着が可能であって、装着者により携帯される無線端末と無線接続が可能な少なくとも1つのワイヤレスヘッドフォンの設定方法であって、前記ワイヤレスヘッドフォンが前記無線端末との間で無線接続した際に前記ワイヤレスヘッドフォンに音声出力させる、前記無線端末を特定可能な音声データを前記装着者の操作に基づいて設定するステップと、その設定された音声データを識別する識別情報を前記ワイヤレスヘッドフォンに送るステップと、前記無線端末から送られた前記識別情報に基づいて、前記無線端末の無線端末情報とその識別情報により識別可能な音声データとの対応関係を示すデータをメモリに登録するステップと、を有する、ワイヤレスヘッドフォンの設定方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、ワイヤレスヘッドフォンが無線接続した相手となる通信デバイスの名称あるいは端末種類を音声出力する際に、その名称あるいは端末種類をユーザにとって分かりやすく設定可能とし、ユーザの使い勝手を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係るワイヤレス通信システムのシステム構成例を示すブロック図
図2】実施の形態1に係るスマートフォンのハードウェア構成例を示すブロック図
図3】実施の形態1に係るワイヤレスイヤフォンが充電ケースに格納されている様子の一例を示す図
図4】実施の形態1に係るワイヤレスイヤフォンの操作入力部が見える前面側から見た外観図
図5】実施の形態1に係るワイヤレスイヤフォンの操作入力部が見えない背面側から見た外観図
図6】ペアリングモードへの遷移を例示する第1のユースケース例を示す動作遷移図
図7】ペアリングモードへの遷移を例示する第2のユースケース例を示す動作遷移図
図8】ペアリングモードへの遷移を例示する第3のユースケース例を示す動作遷移図
図9】実施の形態1に係るワイヤレスイヤフォンの動作手順例を示すフローチャート
図10】実施の形態2に係るワイヤレス通信システムのシステム構成例を示すブロック図
図11】接続時出力音声テーブルの一例を示す図
図12】接続デバイス一覧画面から接続時出力音声一覧画面への遷移を示す図
図13】登録デバイス-接続時出力音声対応テーブルの一例を示す図
図14】実施の形態2に係るワイヤレス通信システムの接続時出力音声データの設定に関する動作手順例を示すシーケンス図
図15】実施の形態2に係るワイヤレスイヤフォンの実際の無線接続時の動作手順例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態1に至る経緯)
特許文献2において、ユーザの入力が蓋の開閉である場合、その蓋の開閉によってワイヤレスヘッドフォンと電子機器との間でペアリングシーケンスが開始してしまうと、例えばユーザが意図しない蓋の開閉が検知された場合に電子機器(例えばスマートフォン)との間でペアリングシーケンスが開始してしまうという課題が存在する。または、ユーザの入力がケースの筐体に設けられた入力ボタンの押下である場合、ケースにペアリングシーケンスの開始用の入力ボタンを別途配置する必要が生じ、ケースの材料費のコストアップが避けられないという課題が存在する。いずれにしても、特許文献2の構成では、材料費のコストアップを抑制しつつユーザが必要なタイミングにワイヤレスヘッドフォンの接続対象となる電子機器との間でのペアリングシーケンスを開始することは困難であった。
【0012】
そこで、以下の実施の形態1では、材料費のコストアップを抑制しつつユーザが必要なタイミングに接続対象となる電子機器との間でペアリングシーケンスの開始を支援するワイヤレスヘッドフォンおよびワイヤレスヘッドフォンの制御方法の例を説明する。
【0013】
一方で、特許文献3の構成では、イヤフォンが装着されている間でなければ有効と設定された操作に対応する携帯機器の制御が実行できないため、イヤフォンが装着されていないと携帯機器への処理が実行されないという課題が存在する。このため、イヤフォンの装着中でなければ動作しない携帯機器の動作機能1つに対して1つの操作を割り当てる必要があり、多くの動作機能を割り当てることが困難であるか、または多くの動作機能を割り当てるために複雑な操作をユーザに求めなければならず利便性の向上が望めなかった。
【0014】
そこで、以下の実施の形態1では、同一の操作でもユーザの装着状態に応じて異なる動作機能を実行し、ユーザの利便性を向上するヘッドフォンおよびヘッドフォンの制御方法の例を説明する。
【0015】
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係るワイヤレスヘッドフォンおよびワイヤレスヘッドフォンの制御方法を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0016】
(実施の形態1)
実施の形態1に係るワイヤレス通信システムは、例えばTWS(True Wireless Stereo)に準拠した無線通信(例えばBluetooth(登録商標))を、ユーザ(装着者の一例)の左右両耳のそれぞれに挿入可能な一対のワイヤレスヘッドフォンとユーザにより携帯される無線端末(例えばスマートフォン)との間で提供する。以下、ヘッドフォンという用語とイヤフォンという用語とは技術的に区別せず、本開示に係るワイヤレスヘッドフォンの一例として、ワイヤレスイヤフォンを例示して説明する。なお、無線通信の方式は、Bluetooth(登録商標)に限定されなくてもよく、例えばWi-Fi(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)でもよい。
【0017】
実施の形態1に係るワイヤレス通信システム100のシステム構成について、図1を参照して説明する。図1は、実施の形態1に係るワイヤレス通信システム100のシステム構成例を示すブロック図である。ワイヤレス通信システム100は、一対のワイヤレスイヤフォン10L,10Rと、スマートフォン50と、を少なくとも含む構成である。ワイヤレス通信システム100は、充電ケース30をさらに含む構成としてもよい。
【0018】
ワイヤレスイヤフォン10L,10Rのそれぞれは、ユーザの耳に装着して使用されるインナー型の音響装置であり、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rの本体のそれぞれに取り付けられるイヤーピースEPL,EPR(図3参照)を有して構成される。ワイヤレスイヤフォン10L,10Rのそれぞれは、左右一対で構成され、ユーザの左耳および右耳のそれぞれに装着される。例えば、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rのそれぞれは、ユーザの耳に対しイヤーピースEPL,EPRのそれぞれにより外耳道の内部に挿入された状態で保持され、この保持された状態がワイヤレスイヤフォン10L,10Rの使用状態となる。
【0019】
一対のワイヤレスイヤフォン10L,10Rにおいて、ユーザの左耳に挿入可能なワイヤレスイヤフォン10Lおよびユーザの右耳に挿入可能なワイヤレスイヤフォン10Rの内部構成は同一である。このため、図1において、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rのそれぞれの内部構成に対し、同一の内部構成には同一の符号を付す。原則的には、その符号の末尾にはワイヤレスイヤフォン10Lの内部構成に係るものには「L」を、ワイヤレスイヤフォン10Rの内部構成に係るもの「R」を付加することで、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rの内部構成を左右で区別可能となるように表記するが、一部の内部構成については「L」,「R」の符号関係は適用しない。例えば、LED、RAM、ROMについては順番が連続する符号が付与される。また、以下の説明では、一方の、例えば左側のワイヤレスイヤフォン10Lのみ説明し、他方の、例えば右側のワイヤレスイヤフォン10Rの説明を簡略化あるいは省略する。
【0020】
ワイヤレスイヤフォン10Lは、スピーカSPKLが配置された一端側においてイヤーピースEPLが着脱可能に設けられた筐体を有する(図4あるいは図5参照)。ワイヤレスイヤフォン10Lは、イヤフォン制御部11L、操作入力部12L、LED(Light Emission Diode)131、装着センサ14L、RAM(Random Access Memory)151、ROM(Read Only Memory)161、音声入出力制御部17L、充電ケース格納検知部18L、無線通信部19L、バッテリBTLを有する電力監視部20L、充電ケース通信部21L、発話マイクMCL1、FF(FeedForward)マイクMCL2、FB(FeedBack)マイクMCL3、スピーカSPKLを有する。
【0021】
ワイヤレスイヤフォン10Rは、スピーカSPKRが配置された一端側においてイヤーピースEPRが着脱可能に設けられた筐体を有する。ワイヤレスイヤフォン10Rは、イヤフォン制御部11R、操作入力部12R、LED132、装着センサ14R、RAM152、ROM162、音声入出力制御部17R、充電ケース格納検知部18R、無線通信部19R、バッテリBTRを有する電力監視部20R、充電ケース通信部21R、発話マイクMCR1、FFマイクMCR2、FBマイクMCR3、スピーカSPKRを有する。
【0022】
次に、ワイヤレスイヤフォン10Lの個々の内部構成について、図1図4および図5を参照して説明する。図4は、実施の形態1に係るワイヤレスイヤフォン10Lの操作入力部12Lが見える前面側から見た外観図である。図5は、実施の形態1に係るワイヤレスイヤフォン10Lの操作入力部12Lが見えない背面側から見た外観図である。
【0023】
イヤフォン制御部11Lは、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)あるいはDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサを用いて構成される。イヤフォン制御部11Lは、ワイヤレスイヤフォン10Lの全体的な動作を司るコントローラとして機能し、ワイヤレスイヤフォン10Lの各部の動作を統括するための制御処理、ワイヤレスイヤフォン10Lの各部との間のデータの入出力処理、データの演算処理およびデータの記憶処理を行う。イヤフォン制御部11Lは、ROM161に記憶されたプログラムおよびデータに従って動作したり、動作時にRAM151を使用し、イヤフォン制御部11Lが作成または取得したデータもしくは情報をRAM151に一時的に保存したり無線通信部19Lもしくは充電ケース通信部21Lに送ったりする。
【0024】
操作入力部12L(入力検知部の一例)は、ユーザの入力操作を検知するデバイスにより構成され、例えばユーザの入力操作を検知するタッチセンサを用いて構成される。図3を参照して後述するが、操作入力部12Lは、ユーザからの入力操作がなされる操作面OPLを有し、この操作面OPLになされた入力操作の検知に応じた信号を生成してイヤフォン制御部11Lに送る。ユーザからの入力操作は、例えば、操作面OPLの1回押し操作、操作面OPLの2回押し操作(例えば1秒未満の2回連続押し操作)、操作面OPLの3回押し操作(例えば1.5秒未満の3回連続押し操作)、操作面OPLが所定時間(例えば5秒)以上継続して押下される長押し操作、あるいは、操作面OPLのフリック操作が挙げられるが、これらに限定されなくてもよい。さらに、2回連続押し操作がなされる時間は1秒未満に限定されず、同様に、3回連続押し操作がなされる時間は1.5秒未満に限定されなくてよい。
【0025】
LED131(発光素子の一例)は、1つ以上のLED素子を有し、後述するペアリングモード中にイヤフォン制御部11Lからの制御信号に応じて、その制御信号に対応するパターンに従う点灯、点滅、あるいは点灯および点滅の組み合わせを行う。LED131は、ワイヤレスイヤフォン10Lの筐体に露出するように設けられた操作入力部12Lの操作面OPLの円周上の端部(例えば+X方向に沿う操作面OPL上端部)に相当するワイヤレスイヤフォン10Lの筐体一端側の位置に配置される(図4参照)。LED131がこの位置に配置されることで、ワイヤレスイヤフォン10Lが充電ケース30に格納された際(図3参照)、LED131の点灯あるいは点滅の様子が充電ケース30のイヤフォン格納スペースSPL内の壁面で反射等することで直接的あるいは間接的にユーザにとって明確に認識可能となる。なお、LED131は、ワイヤレスイヤフォン10Lの構成として省略されてもよい。さらに、LED131は、操作面OPLの円周上の端部(例えば+X方向に沿う操作面OPL上端部)に相当するワイヤレスイヤフォン10Lの筐体一端側の位置(例えば充電ケース30の蓋34が開いている時にユーザにより視認可能に露出した位置)に配置されることに限定されなくてもよく、例えばLED131からの光がイヤフォン格納スペースSPLの内壁(図示略)にて反射可能な、ワイヤレスイヤフォン10Lの筐体一端側以外の位置(例えば充電ケース30の蓋34が開いている時にユーザにより視認可能に露出しない位置)に配置されてもよい。これにより、LED131は、充電ケース30の蓋34が開いている時にユーザから視認可能であるか否か(つまり、露出しているか否か)に拘わらず、LED131の光が直接的に点灯もしくは点滅、あるいは間接的に反射することでユーザに容易に点灯あるいは点滅のパターンを認識させることができる。
【0026】
なお、LED132(発光素子の一例)は、1つ以上のLED素子を有し、後述するペアリングモード中にイヤフォン制御部11Rからの制御信号に応じて、その制御信号に対応するパターンに従う点灯、点滅、あるいは点灯および点滅の組み合わせを行う。LED132は、LED131と同様に、ワイヤレスイヤフォン10Rの筐体に露出するように設けられた操作入力部12Rの操作面OPLの円周上の端部(例えば+X方向に沿う操作面OPL上端部)に相当するワイヤレスイヤフォン10Rの筐体一端側の位置に配置される。LED132がこの位置に配置されることで、ワイヤレスイヤフォン10Rが充電ケース30に格納された際(図3参照)、LED132の点灯あるいは点滅の様子が充電ケース30のイヤフォン格納スペースSPR内の壁面で反射等することで直接的あるいは間接的にユーザにとって明確に認識可能となる。なお、LED132は、ワイヤレスイヤフォン10Rの構成として省略されてもよい。
【0027】
装着センサ14Lは、ユーザの耳(装着センサ14Lの場合は左耳)への装着の有無を検知するデバイスにより構成され、例えば赤外線センサあるいは静電センサを用いて構成される。赤外線センサの場合、装着センサ14Lは、ワイヤレスイヤフォン10Lがユーザの左耳に装着されていれば、装着センサ14Lから照射された赤外線が左耳内で反射した赤外線を受光することでユーザの左耳への装着を検知可能である。また、装着センサ14Lは、ワイヤレスイヤフォン10Lがユーザの左耳に装着されていなければ、装着センサ14Lから照射された赤外線が反射しないで赤外線を受光しないことでユーザの左耳への非装着を検知可能である。一方、静電センサの場合、装着センサ14Lは、ワイヤレスイヤフォン10Lがユーザの左耳に装着されていれば、ユーザの左耳内までの距離に応じた静電容量の変化値が装着センサ14Lが保持する閾値より大きいと判定することでユーザの左耳への装着を検知可能である。また、装着センサ14Lは、ワイヤレスイヤフォン10Lがユーザの左耳に装着されていなければ、静電容量値の変化値が装着センサ14Lが保持する閾値より小さいと判定することでユーザの左耳への非装着を検知可能である。装着センサ14Lは、ワイヤレスイヤフォン10Lがユーザの左耳に挿入された時に外耳道に対向する位置、かつ操作面OPLの背面側に設けられる(図5参照)。
【0028】
RAM151は、イヤフォン制御部11Lの各処理(動作)を実行する際に用いられるワークメモリであり、イヤフォン制御部11Lにより生成あるいは取得されたデータもしくは情報を一時的に保存する。
【0029】
RAM152は、イヤフォン制御部11Rの各処理(動作)を実行する際に用いられるワークメモリであり、イヤフォン制御部11Rにより生成あるいは取得されたデータもしくは情報を一時的に保存する。
【0030】
ROM161は、イヤフォン制御部11Lの各処理(動作)を規定するプログラム、および、そのプログラムの実行時にデータを格納している。
【0031】
ROM162は、イヤフォン制御部11Rの各処理(動作)を規定するプログラム、および、そのプログラムの実行時にデータを格納している。
【0032】
音声入出力制御部17Lは、発話マイクMCL1、FFマイクMCL2、FBマイクMCL3およびスピーカSPKLのそれぞれとの間でデータ信号(例えば音声信号)の入出力が可能となるように接続され、音声信号の入出力に関する各種処理(動作)を実行可能な通信回路を用いて構成される。音声入出力制御部17Lは、イヤフォン制御部11Lから送られたデジタル形式の音声信号をアナログ形式に変換してスピーカSPKLから出力させる。また、音声入出力制御部17Lは、発話マイクMCL1、FFマイクMCL2およびFBマイクMCL3のそれぞれにより収音されたアナログ形式の音信号(音声信号を含む。以下同様。)を入力してデジタル形式の音信号に変換してイヤフォン制御部11Lに送る。
【0033】
図4および図5では、一対のワイヤレスイヤフォン10L,10Rのうちワイヤレスイヤフォン10Lを例示して図示しているが、図4および図5の説明はワイヤレスイヤフォン10Rについても同様に適用可能である。図4および図5の説明では、3次元座標(XYZ座標)を便宜的に設けており、図4の操作入力部12Lの操作面OPLと平行になるようにXY平面が設けられ、そのXY平面と垂直にZ軸が設けられている。
【0034】
発話マイクMCL1は、ユーザの発話に基づいて生じる音声を収音(つまり、音声信号を検知)可能なマイクロフォンデバイスにより構成される。発話マイクMCL1は、ユーザの発話に基づいて生じる音声を収音して電気信号に変換して音声入出力制御部17Lに送る。発話マイクMCL1は、ワイヤレスイヤフォン10Lがユーザの左耳に挿入された時にワイヤレスイヤフォン10Lの延在方向がユーザの口元を向くように配置され(図4参照)、操作面OPL下部(つまり-X方向)の位置に配置される。ユーザによって発話される音声は発話マイクMCL1により収音されて電気信号に変換され、この電気信号の大小によって、発話マイクMCL1によるユーザの発話の有無が検知可能となる。
【0035】
FFマイクMCL2は、ワイヤレスイヤフォン10Lの外部の周囲音を音信号として収音(検知)可能なマイクロフォンデバイスにより構成される。FFマイクMCL2は、外部の周囲音を電気信号(音信号)に変換して音声入出力制御部17Lに送る。FFマイクMCL2は、ワイヤレスイヤフォン10Lがユーザの左耳に挿入された時に発話マイクMCL1に比べてユーザの口元から遠い位置であって、LED131の近傍かつ操作面OPL上部(つまり+X方向)の位置に配置される(図4参照)。
【0036】
FBマイクMCL3は、ユーザの左耳の外耳道に可能な限り近接して配置され、外耳道付近の音を収音(検知)可能なマイクロフォンデバイスにより構成される。FBマイクMCL3は、外耳道付近の音(例えばスピーカSPKLから出力された音)の一部が回り込んだ音を電気信号(音信号)に変換して音声入出力制御部17Lに送る。FBマイクMCL3は、ワイヤレスイヤフォン10Lがユーザの左耳に挿入された時に外耳道に対向する位置に配置される(図5参照)。
【0037】
スピーカSPKLは、イヤフォン制御部11Lからの指示に基づいて音声入出力制御部17Lから送られた音信号を音響的に出力する。スピーカSPKLは、例えばワイヤレスイヤフォン10Lがペアリングモード(後述参照)に移行する旨の音声メッセージが録音された規定の音声信号を音響的に出力する。図4および図5に示すように、スピーカSPKLの周囲を覆うようにイヤーピースEPLが設けられる。
【0038】
充電ケース格納検知部18Lは、ワイヤレスイヤフォン10Lの筐体が充電ケース30内(具体的には、充電ケース30に設けられたイヤフォン格納スペースSPL内)に格納されているか否かを検知するデバイスにより構成され、例えば磁気センサを用いて構成される。充電ケース格納検知部18Lは、例えば検知される磁力がワイヤレスイヤフォン10Lが有する閾値より大きいことを判定することで、ワイヤレスイヤフォン10Lの筐体が充電ケース30内に格納されていることを検知する。一方、充電ケース格納検知部18Lは、検知される磁力がワイヤレスイヤフォン10Lが有する閾値より小さいことを判定することで、ワイヤレスイヤフォン10Lの筐体が充電ケース30内に格納されていないことを検知する。充電ケース格納検知部18Lは、ワイヤレスイヤフォン10Lの筐体が充電ケース30内に格納されているか否かの検知結果をイヤフォン制御部11Lに送る。なお、充電ケース格納検知部18Lは、磁気センサ以外のセンサデバイス(例えば赤外線センサ)を用いて構成されてもよい。
【0039】
無線通信部19Lは、アンテナATLを有し、スマートフォン50との間で無線通信を行う通信回路を用いて構成される。無線通信部19Lは、スマートフォン50あるいはワイヤレスイヤフォン10Rから送信されたデータ信号をアンテナATLを介して受信したり、イヤフォン制御部11Lから送られたデータ信号をアンテナATLを介してスマートフォン50あるいはワイヤレスイヤフォン10Rに送信したりする。
【0040】
電力監視部20Lは、バッテリBTLを有し、バッテリBTLの残留電力を監視するための回路を用いて構成される。電力監視部20Lは、ワイヤレスイヤフォン10Lの筐体が充電ケース30内(具体的には、充電ケース30に設けられたイヤフォン格納スペースSPL内)に格納されている間、充電ケース30から送電されるバッテリBTLの充電用の電力を受電可能であり、その受電された電力に基づいてバッテリBTLの残留電力を監視し、監視結果をイヤフォン制御部11Lに送る。
【0041】
充電ケース通信部21Lは、ワイヤレスイヤフォン10Lの筐体が充電ケース30内(具体的には、充電ケース30に設けられたイヤフォン格納スペースSPL内)に格納されている間に充電ケース30との間でデータ信号の通信を行う通信回路を用いて構成される。充電ケース通信部21Lは、ワイヤレスイヤフォン10Lの筐体が充電ケース30内(具体的には、充電ケース30に設けられたイヤフォン格納スペースSPL内)に格納されている間、充電ケース30の充電ケース制御部31との間でデータ信号の通信(送受信)を行う。
【0042】
充電ケース30は、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rのそれぞれを格納可能なイヤフォン格納スペースSPL,SPRを有する本体筐体部BDと、ヒンジ等を介して本体筐体部BDに対して開閉可能な蓋34とを有する(図3参照)。充電ケース30は、充電ケース制御部31、充電ケースLED32、蓋センサ33、蓋34、バッテリBT1を有する充電ケース電力監視部35、磁石MGL,MGRを有する。
【0043】
次に、充電ケース30の個々の内部構成について、図1および図3を参照して説明する。図3は、実施の形態1に係るワイヤレスイヤフォンが充電ケースに格納されている様子の一例を示す図である。
【0044】
充電ケース制御部31は、例えばCPU、MPUあるいはFPGA(Field Programmable Gate Array)等のプロセッサを用いて構成される。充電ケース制御部31は、充電ケース30の全体的な動作を司るコントローラとして機能し、充電ケース30の各部の動作を統括するための制御処理、充電ケース30の各部との間のデータの入出力処理、データの演算処理およびデータの記憶処理を行う。充電ケース制御部31は、充電ケース30が有するROM(図示略)に記憶されたプログラムおよびデータに従って動作したり、動作時に充電ケース30が有するRAM(図示略)を使用し、充電ケース制御部31が作成または取得したデータもしくは情報をRAM(図示略)に一時的に保存したりワイヤレスイヤフォン10L,10Rのそれぞれに送ったりする。
【0045】
充電ケースLED32は、少なくとも1つのLED素子を有し、充電ケース制御部31からの制御信号に応じて、その制御信号に対応するパターンに従う点灯、点滅、あるいは点灯および点滅の組み合わせを行う。充電ケースLED32は、例えばワイヤレスイヤフォン10L,10Rの両方が格納されて充電中である間、所定の色(例えば緑色)の点灯を行う。図3に示すように、充電ケースLED32は、例えば充電ケース30の本体筐体部BDの上端中央部の一端側に設けられた凹状段差部DSの底面中央部に配置される。この位置に配置されることで、ユーザは、充電ケース30においてワイヤレスイヤフォン10L,10Rの両方が充電中であることを直感的に分かりやすく視認できる。
【0046】
蓋センサ33は、蓋34が充電ケース30の本体筐体部BDに対して開閉しているか否かを検知可能なデバイスにより構成され、例えば蓋34が閉まっている時の圧力に基づいて蓋34の開閉を検知可能な圧力センサを用いて構成される。なお、蓋センサ33は、上述した圧力センサに限定されなくてもよく、蓋34が閉まっている時の磁力に基づいて蓋34の開閉を検知可能な磁気センサを用いて構成されてもよい。蓋センサ33は、蓋34が閉まっていること(つまり、開いていないこと)あるいは閉まっていないこと(つまり、開いていること)を検知すると、その検知結果を示す信号を充電ケース制御部31に送る。
【0047】
蓋34は、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rを格納可能な充電ケース30の本体筐体部BDの露出を防ぐために設けられる。
【0048】
充電ケース電力監視部35は、バッテリBT1を有し、バッテリBT1の残留電力を監視するための回路を用いて構成される。充電ケース電力監視部35は、外部電源EXPWからの電力の供給を受けることで充電ケース30のバッテリBT1を充電したり、定期的あるいは常時バッテリBT1の残留電力を監視し、その監視結果を充電ケース制御部31に送ったりする。
【0049】
磁石MGLは、ワイヤレスイヤフォン10Lの筐体が充電ケース30のイヤフォン格納スペースSPL内に格納されているか否かの判定に設けられ、イヤフォン格納スペースSPLの近傍に配置される。
【0050】
磁石MGRは、ワイヤレスイヤフォン10Rの筐体が充電ケース30のイヤフォン格納スペースSPR内に格納されているか否かの判定に設けられ、イヤフォン格納スペースSPRの近傍に配置される。
【0051】
イヤフォン格納スペースSPLは、充電ケース30の本体筐体部BD内にワイヤレスイヤフォン10Lの筐体を格納可能なスペースを有して構成される。
【0052】
イヤフォン格納スペースSPRは、充電ケース30の本体筐体部BD内にワイヤレスイヤフォン10Rの筐体を格納可能なスペースを有して構成される。
【0053】
スマートフォン50は、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rのそれぞれとの間で既定の無線通信方式(例えばBluetooth(登録商標))にしたがって、データ信号の送受信を行う。スマートフォン50は、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rの装着者であるユーザにより携帯(所持)される。なお、スマートフォン50は、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rのそれぞれとの間でBluetooth(登録商標)等の無線通信を行う無線端末の一例であり、携帯電話機でもよいし、電話機能を有さない無線端末であればよい。
【0054】
次に、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rのそれぞれと無線通信するスマートフォン50の内部構成について、図2を参照して説明する。図2は、実施の形態1に係るスマートフォンのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0055】
スマートフォン50は、制御部51、表示/操作部52、ROM53、RAM54、音声入出力制御部55、マイクMC1、スピーカSPK1、近距離無線制御部56、イヤフォン通信I/F部57、無線LAN通信I/F部58、音声バス59、公衆回線プロトコル制御部60、公衆回線通信I/F部61、USB(Universal Serial Bus)通信I/F部62、バッテリBT2を有する。なお、図2ではインターフェースを「IF」と略記している。
【0056】
制御部51は、例えばCPU、DSPまたはFPGAを用いて構成される。制御部51は、スマホOS(Operating System)処理部51Aおよびスマホアプリ処理部51Bを機能的に有し、スマホOS処理部51Aおよびスマホアプリ処理部51BのそれぞれとROM53およびRAM54のそれぞれとの協働によって各種の処理および制御を行う。
【0057】
スマホOS処理部51Aは、スマートフォン50が行う各種処理に関する基本的なオペレーションに関する処理ならびに制御を実行する。
【0058】
スマホアプリ処理部51Bは、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rのそれぞれとの間で実行可能なスマートフォン50に適したアプリケーションを含む各種のアプリケーションの処理を実行する。
【0059】
表示/操作部52は、ユーザの入力操作を受け付けたり、制御部51により生成されたデータを表示したりするタッチパネルを用いて構成され、いわゆるユーザインターフェースを形成する。表示/操作部52は、例えばワイヤレスイヤフォン10L,10Rのそれぞれがペアリングモードに移行した時、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rのそれぞれからの通知に基づいて、制御部51の制御の下でペアリングモードに移行した旨のメッセージをポップアップで表示してもよい。
【0060】
ROM53は、制御部51の各処理(動作)を規定するプログラム、および、そのプログラムの実行時にデータを格納している。
【0061】
RAM54は、制御部51の各処理(動作)を実行する際に用いられるワークメモリであり、制御部51により生成あるいは取得されたデータを一時的に保存する。
【0062】
音声入出力制御部55は、マイクMC1およびスピーカSPK1のそれぞれとの間でデータ信号(例えば音声信号)の入出力が可能となるように接続され、音声信号の入出力に関する各種処理(動作)を実行可能な通信回路を用いて構成される。音声入出力制御部55は、制御部51から音声バス59を介して送られたデジタル形式の音声信号をアナログ形式に変換してスピーカSPK1から出力させる。また、音声入出力制御部55は、マイクMC1により収音されたアナログ形式の音信号(音声信号を含む)を入力してデジタル形式の音信号に変換して制御部51に送る。
【0063】
マイクMC1は、ユーザの発話に基づいて生じる音声を収音(つまり、音声信号を検知)可能なマイクロフォンデバイスにより構成される。マイクMC1は、収音された音声を電気信号に変換して音声入出力制御部55に送る。
【0064】
スピーカSPK1は、制御部51からの指示に基づいて、制御部51および音声バス59を介して音声入出力制御部55から送られた音信号を音響的に出力する。スピーカSPK1は、例えばスマホアプリ処理部51Bにより再生されている音楽信号をワイヤレスイヤフォン10L,10Rのそれぞれから出力されていない時に音響的に出力する。
【0065】
近距離無線制御部56は、入力される音声信号等の音信号を無線通信するための制御を実行可能な回路を用いて構成され、イヤフォン通信I/F部57および無線LAN通信I/F部58のそれぞれとの間でデータ信号の入出力が可能に接続される。近距離無線制御部56は、イヤフォン通信I/F部57および無線LAN通信I/F部58のうち少なくとも1つから送られた音信号を入力し、音声バス59を介して制御部51に送る。近距離無線制御部56は、音声バス59を介して入力された音声信号等の音信号をイヤフォン通信I/F部57および無線LAN通信I/F部58のうち少なくとも1つに送る。
【0066】
イヤフォン通信I/F部57は、アンテナAT1を有し、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rのそれぞれとの間で無線通信(例えばBluetooth(登録商標))を行う通信回路を用いて構成される。イヤフォン通信I/F部57は、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rのそれぞれから送信されたデータ信号をアンテナAT1を介して受信したり、近距離無線制御部56から送られたデータ信号をアンテナAT1を介してワイヤレスイヤフォン10L,10Rのそれぞれに送信したりする。
【0067】
無線LAN通信I/F部58は、アンテナAT2を有し、無線LANルータ(図示略)を介してインターネットに接続可能な通信回路を用いて構成される。また、無線LAN通信I/F部58は、上述した無線LANルータ(図示略)を介して、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rのそれぞれとの間で無線通信(例えばWi-Fi(登録商標)等の無線LAN)を行ってもよい。無線LAN通信I/F部58は、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rのそれぞれから送信されたデータ信号をアンテナAT2を介して受信したり、近距離無線制御部56から送られたデータ信号をアンテナAT2を介してワイヤレスイヤフォン10L,10Rのそれぞれに送信したりする。
【0068】
音声バス59は、音声信号等の音信号のデータ伝達経路であり、制御部51と音声入出力制御部55との間、制御部51と近距離無線制御部56との間、公衆回線プロトコル制御部60と制御部51、音声入出力制御部55あるいは近距離無線制御部56との間で音信号の伝達を行う。
【0069】
公衆回線プロトコル制御部60は、入力される音声信号等の音信号を無線通信するための制御を実行可能な回路を用いて構成され、公衆回線通信I/F部61との間でデータ信号の入出力が可能に接続される。公衆回線プロトコル制御部60は、公衆回線通信I/F部61から送られた音信号を入力し、音声バス59を介してあるいは直接に制御部51に送る。公衆回線プロトコル制御部60は、音声バス59を介して入力された音声信号等の音信号を公衆回線通信I/F部61に送る。
【0070】
公衆回線通信I/F部61は、アンテナAT3を有し、他の外部端末(図示略)との間で無線通信(例えばLTE(Long Term Evolution)等の4G(第4世代移動通信方式)あるいは5G(第5世代移動通信方式)に準拠した無線通信)を行う通信回路を用いて構成される。公衆回線通信I/F部61は、上述した他の外部端末(図示略)から送信されたデータ信号をアンテナAT3を介して受信したり、公衆回線プロトコル制御部60から送られたデータ信号をアンテナAT3を介して上述した他の外部端末(図示略)に送信したりする。
【0071】
USB通信I/F部62は、USBケーブル(図示略)を介して接続可能な外部機器(図示略)との間でデータ信号の入出力を行う通信回路を用いて構成される。USB通信I/F部62は、上述した外部機器(図示略)にデータ信号を送ったり、その外部機器(図示略)から送られたデータ信号を入力して制御部51に送ったりする。
【0072】
バッテリBT2は、外部の商用電源(図示略)から供給される電力を蓄電可能な二次電池を用いて構成され、スマートフォン50を構成する各部に必要な電源を供給する。
【0073】
次に、実施の形態1に係るワイヤレス通信システム100において、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rとスマートフォン50との間で行われるBluetooth(登録商標)のペアリングの動作概要例について、図6図8を参照して説明する。図6は、ペアリングモードへの遷移を例示する第1のユースケース例を示す動作遷移図である。図7は、ペアリングモードへの遷移を例示する第2のユースケース例を示す動作遷移図である。図8は、ペアリングモードへの遷移を例示する第3のユースケース例を示す動作遷移図である。
【0074】
図6の第1ユースケース例では、スマートフォン50を所持するユーザがBluetooth(登録商標)により無線接続する対象となるワイヤレスイヤフォン10L,10Rを購入した直後の状態を想定する。図6のステップSt1に示すように、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rのうち一方(例えばワイヤレスイヤフォン10R)が充電ケース30から取り出されており、他方(例えばワイヤレスイヤフォン10L)が充電ケース30のイヤフォン格納スペースSPL内に格納されている。ワイヤレスイヤフォン10Rは電源がオンしている状態とする。以下の図6の説明においては、説明を簡易化するために、ワイヤレスイヤフォン10Lにユーザが操作を行ってワイヤレスイヤフォン10L,10Rをペアリングモードに移行させるユースケースを例示して説明するが、ワイヤレスイヤフォン10Lとワイヤレスイヤフォン10Rとを入れ替えてワイヤレスイヤフォン10Rにユーザが操作を行ってワイヤレスイヤフォン10L,10Rをペアリングモードに移行させる場合も同様である。
【0075】
ユーザにより充電ケース30の本体筐体部BDに対して蓋34が開けられると、充電ケース30の充電ケース制御部31は、蓋センサ33からの蓋34が開けられた旨の検知結果を示す信号を入力してワイヤレスイヤフォン10Lに送る。ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、充電ケース30からの信号の入力に基づいて、電源をオンする(St1)。なお、ワイヤレスイヤフォン10Lの電源をオンする方法は充電ケース30からの信号入力に限定されなくてもよい。
【0076】
ここで、ワイヤレスイヤフォン10Lがユーザにより充電ケース30から取り出されると、ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、ユーザの耳への挿入(装着)の有無に拘わらずにワイヤレスイヤフォン10Lが充電ケース30から取り出されてから所定時間が経過した時点で、LED131を所定のパターン(例えば赤色と青色とが交互に点滅するパターン)にしたがって発光させ、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rの動作モードを、スマートフォン50との間でペアリング(つまり、Bluetooth(登録商標)の無線通信を行うための無線接続処理)を行うためのペアリングモードに移行(遷移)する(St2)。なお、上述した所定のパターンは、赤色と青色とが交互に点滅するパターンに限定されなくてよく、例えば赤色単色あるいは青色単色で点滅するパターンでもよく、ユーザがペアリングモードに移行することを認識可能なパターンであればよい。これにより、ワイヤレスイヤフォン10Lは、ユーザによる充電ケース30からワイヤレスイヤフォン10Lが取り出されただけで、簡易にペアリングモードに移行可能となる。また、ユーザは、ペアリングモード中であることをLED131の発光により容易に認識可能となる。
【0077】
一方、ステップSt1の状態から、充電ケース30のイヤフォン格納スペースSPL内に格納されている状態(言い換えると、ユーザに装着されていない非装着状態)のワイヤレスイヤフォン10Lの操作入力部12Lの操作面OPLがユーザの指FG1により長押し操作(例えばユーザの指FG1が5秒以上接触した操作)されたとする。この場合、ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、操作入力部12Lにより上述した長押し操作を検知する(St3)。
【0078】
ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、ユーザの操作入力部12Lの操作面OPLへの長押し操作の検知(非装着状態の検知の一例)に基づいて、無線通信部19Lを介した近距離無線(例えばBluetooth(登録商標))をオンし、既に充電ケース30から取り出されているワイヤレスイヤフォン10Rとの間のBluetooth(登録商標)による無線通信を確立して開始する。さらに、ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、LED131を所定のパターン(例えば赤色と青色とが交互に点滅するパターン)にしたがって発光させ、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rの動作モードを、スマートフォン50との間でペアリング(つまり、Bluetooth(登録商標)の無線通信を行うための無線接続処理)を行うためのペアリングモードに移行(遷移)する(St4)。これにより、ワイヤレスイヤフォン10Lは、充電ケース30内にワイヤレスイヤフォン10Lが格納されている時でも、ユーザによる操作入力部12Lの操作面OPLへの長押し操作という簡単な操作により、簡易にペアリングモードに移行可能となる。また、ユーザは、ペアリングモード中であることをLED131の発光により容易に認識可能となる。
【0079】
図7の第2ユースケース例では、スマートフォン50とは異なる他のスマートフォン(図示略)にペアリング済みのワイヤレスイヤフォン10L,10Rのうちワイヤレスイヤフォン10Rが充電ケース30から取り出されており、ワイヤレスイヤフォン10Lが充電ケース30内に格納されており、スマートフォン50を所持するユーザがワイヤレスイヤフォン10Lのペアリング相手をスマートフォン50に変更する場合を想定する。図6と同様、ワイヤレスイヤフォン10Rは電源がオンしている状態とする。以下の図7の説明においては、説明を簡易化するために、ワイヤレスイヤフォン10Lにユーザが操作を行ってワイヤレスイヤフォン10L,10Rをペアリングモードに移行させるユースケースを例示して説明するが、ワイヤレスイヤフォン10Lとワイヤレスイヤフォン10Rとを入れ替えてワイヤレスイヤフォン10Rにユーザが操作を行ってワイヤレスイヤフォン10L,10Rをペアリングモードに移行させる場合も同様である。
【0080】
ユーザにより充電ケース30の本体筐体部BDに対して蓋34が開けられると、充電ケース30の充電ケース制御部31は、蓋センサ33からの蓋34が開けられた旨の検知結果を示す信号を入力してワイヤレスイヤフォン10Lに送る。ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、充電ケース30からの信号の入力に基づいて、電源をオンする(St1)。なお、ワイヤレスイヤフォン10Lの電源をオンする方法は充電ケース30からの信号入力に限定されなくてもよい。
【0081】
ここで、ワイヤレスイヤフォン10Lがユーザにより充電ケース30から取り出されると、ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、ユーザの耳への挿入(装着)がされていない非装着状態を装着センサ14Lにおいて検知するとともに、前回の起動時にペアリングしたスマートフォン(具体的には、スマートフォン50とは異なる他のスマートフォン(上述参照))との間で再度ペアリングを実行する(St5)。ステップSt5の状態で、ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、非装着状態が検知され、かつ、ワイヤレスイヤフォン10Lの操作入力部12Lの操作面OPLにユーザの長押し操作がされたことを検知したとする(St6)。この場合、ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、LED131を所定のパターン(例えば赤色と青色とが交互に点滅するパターン)にしたがって発光させ、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rの動作モードを、ペアリングの相手端末を現在ペアリング中の他のスマートフォン(図示略、上述参照)からスマートフォン50に切り替えるようにペアリングする(St7)。なお、上述した所定のパターンは、赤色と青色とが交互に点滅するパターンに限定されなくてよく、例えば赤色単色あるいは青色単色で点滅するパターンでもよく、ユーザがペアリングモードに移行することを認識可能なパターンであればよい。これにより、ワイヤレスイヤフォン10Lは、現在他のスマートフォン(図示略、上述参照)との間でペアリング中であっても、ユーザによる充電ケース30からのワイヤレスイヤフォン10Lの取り出しおよび非装着状態下で操作入力部12の操作面OPLへの長押し操作が検知されることで、簡易にスマートフォン50にペアリングするようにペアリングの相手端末を切り替え可能となる。また、ユーザは、ペアリングモード中であることをLED131の発光により容易に認識可能となる。なお、ステップSt3,St4の処理内容は図6図7とで同一であるため、説明の重複を避けるために、図7のステップSt3,St4の内容説明は省略する。
【0082】
図8の第3ユースケース例では、スマートフォン50を所持するユーザがBluetooth(登録商標)により無線接続する対象となるワイヤレスイヤフォン10L,10Rを購入した直後でも直後でなくてもよい状態を想定する。図8のステップSt11に示すように、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rは、ともに充電ケース30のイヤフォン格納スペースSPL,SPRに格納されている。ユーザにより蓋34が開けられているので、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rは、充電ケース30からの信号の入力に基づいて電源をオンしている(St11)。以下の図8の説明においては、説明を簡易化するために、ワイヤレスイヤフォン10Lにユーザが操作を行ってワイヤレスイヤフォン10L,10Rをペアリングモードに移行させるユースケースを例示して説明するが、ワイヤレスイヤフォン10Lとワイヤレスイヤフォン10Rとを入れ替えてワイヤレスイヤフォン10Rにユーザが操作を行ってワイヤレスイヤフォン10L,10Rをペアリングモードに移行させる場合も同様である。
【0083】
ユーザがワイヤレスイヤフォン10Rを充電ケース30から取り出し(St12)、右耳にワイヤレスイヤフォン10Rを装着したとする(St13)。なお、ステップSt13では、ユーザがワイヤレスイヤフォン10Rを右耳に装着していることが図示されているが、装着は必須ではなく、充電ケース30から取り出されていればよい。つまり、ステップSt13はオプションの処理であり、省略されてもよい。
【0084】
ここで、充電ケース30内に格納されているワイヤレスイヤフォン10Lの操作面OPLがユーザの指FG1により長押し操作(例えば5~15秒程度の長押し操作)がなされ、ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lがその長押し操作を操作入力部12Lを介して検知したとする。ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、その長押し操作の検知に基づいて、無線通信部19Lを介した近距離無線(例えばBluetooth(登録商標))をオンし、既にユーザの右耳に装着されているワイヤレスイヤフォン10Rとの間のBluetooth(登録商標)による無線通信を確立して開始する。さらに、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rのイヤフォン制御部11L,11Rは、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rの動作モードを、スマートフォン50との間でペアリングするためのペアリングモードに移行する(St14)。さらに、ユーザの右耳に既に装着されているワイヤレスイヤフォン10Rのイヤフォン制御部11Rは、ペアリングモードに移行した旨をユーザに把握させるために、ペアリング中であることを示す音声(例えば“Pairing in progress”)をスピーカSPKRから出力する。これにより、ワイヤレスイヤフォン10Lは、ユーザの簡易な操作により、現在ペアリング中であることを分かりやすくユーザに把握させることができ、ユーザの誤操作を低減できる。
【0085】
次に、実施の形態1に係るワイヤレスイヤフォン10L,10Rの動作手順例について、図9を参照して説明する。図9は、実施の形態1に係るワイヤレスイヤフォン10L,10Rの動作手順例を示すフローチャートである。図9のフローチャートでは、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rのうちいずれか一方(例えばワイヤレスイヤフォン10L)に対するユーザの操作がなされることを想定して説明する。なお、図9の説明において、ワイヤレスイヤフォン10Lをワイヤレスイヤフォン10Rと入れ替えて同様に適用してもよい。
【0086】
図9において、ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、ユーザによりワイヤレスイヤフォン10Lの操作入力部12Lの操作面OPLにタッチ操作があったか否かを判定する(St21)。ユーザによりワイヤレスイヤフォン10Lの操作入力部12Lの操作面OPLにタッチ操作があったと判定されるまで(St21、NO)、ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、ステップSt21の処理を繰り返す。
【0087】
ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、ユーザによりワイヤレスイヤフォン10Lの操作入力部12Lの操作面OPLにタッチ操作があったと判定した場合(St21、YES)、ワイヤレスイヤフォン10Lが充電ケース30のイヤフォン格納スペースSPL内に格納されているか否かを充電ケース格納検知部18Lからの信号に基づいて判定する(St22)。ワイヤレスイヤフォン10Lが充電ケース30のイヤフォン格納スペースSPL内に格納されていると判定された場合(St22、YES)、ワイヤレスイヤフォン10Lの処理はステップSt27に進む。
【0088】
一方、ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、ワイヤレスイヤフォン10Lが充電ケース30のイヤフォン格納スペースSPL内に格納されていないと判定した場合(St22、NO)、ワイヤレスイヤフォン10Lがユーザの左耳に挿入(装着)されているか否かを装着センサ14Lからの信号に基づいて判定する(St23)。ワイヤレスイヤフォン10Lがユーザの左耳に挿入(装着)されていないと判定された場合(St23、NO)、ワイヤレスイヤフォン10Lの処理はステップSt27に進む。
【0089】
一方、ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、ワイヤレスイヤフォン10Lがユーザの左耳に挿入(装着)されていると判定した場合(St23、YES)、ユーザがワイヤレスイヤフォン10Lの操作入力部12の操作面OPLへのタッチ操作のタッチを離すまでの時間を操作入力部12からの信号に基づいて判定する(St24)。ユーザの操作面OPLへのタッチ操作のタッチを離すまでの時間が0.5秒から1秒まであると判定された場合(St24、0.5~1秒)、ワイヤレスイヤフォン10Lの処理はステップSt21に戻る。
【0090】
ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、ユーザの操作面OPLへのタッチ操作のタッチを離すまでの時間が0.5秒未満(短タッチ操作の一例)であると判定した場合(St24、0.5秒未満)、ワイヤレスイヤフォン10Lの装着時の短タッチ操作に対応する動作機能(例えば再生中の音楽あるいは動画等のコンテンツの再生の一時停止、あるいはその一時停止の解除)を実行する(St25)。一方、ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、ユーザの操作面OPLへのタッチ操作のタッチを離すまでの時間が1秒以上(長タッチ操作の一例)であると判定した場合(St24、1秒以上)、ワイヤレスイヤフォン10Lの装着時の長タッチ操作に対応する動作機能(例えばノイズキャンセルモードの変更、音声認識機能の起動、通話中に生じた着信の切断)を実行する(St26)。ステップSt25,St26の後、ワイヤレスイヤフォン10Lの処理はステップSt21に戻る。このように、ワイヤレスイヤフォン10L(ワイヤレスイヤフォン10Rも含む)は、ユーザが同一の操作(例えば操作面OPLへのタッチ操作)を行っても(St24)、その操作の時間長さに応じて、異なる動作機能を実行可能である(St25,St26)。
【0091】
また、ワイヤレスイヤフォン10Lがユーザの左耳に非装着状態である時(St22のYES、あるいは、St23のNO)、ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、ユーザがワイヤレスイヤフォン10Lの操作入力部12の操作面OPLへのタッチ操作のタッチを離すまでの時間を操作入力部12からの信号に基づいて判定する(St27)。ユーザの操作面OPLへのタッチ操作のタッチを離すまでの時間が5秒未満であると判定された場合(St27、5秒未満)、ワイヤレスイヤフォン10Lの処理はステップSt21に戻る。
【0092】
一方、ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、ユーザの操作面OPLへのタッチ操作のタッチを離すまでの時間が5秒以上であると判定された場合(St27、5秒以上)、無線通信部19Lを介した近距離無線(例えばBluetooth(登録商標))をオンし、既に充電ケース30から取り出されているワイヤレスイヤフォン10Rとの間のBluetooth(登録商標)による無線通信を確立して開始する(St28)。さらに、ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rの両方の動作モードを、スマートフォン50との間でペアリングを行うためのペアリングモードに移行(変更)する(St29)。この時、ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、ワイヤレスイヤフォン10Rに直接に、ペアリングモードに移行(変更)するための移行指示を送る。ワイヤレスイヤフォン10Rのイヤフォン制御部11Rは、ワイヤレスイヤフォン10Lからの移行指示に基づいて、動作モードをペアリングモードに移行(変更)する。
【0093】
ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、ステップSt29のペアリングモードへの移行に伴い、LED131の発光色あるいは点灯(点滅も含む)方法のパターンをペアリングモード中に対応するパターンに変更して発光させる(St30)。ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、挿入(装着)されていないワイヤレスイヤフォン10RのスピーカSPKRからの出力音量を上げた状態で(St31)、ペアリングモードに移行した旨の音声メッセージの既定音声をスピーカSPKRから出力する(St32)。なお、ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、ワイヤレスイヤフォン10Rがユーザの右耳に挿入(装着)されていると判定した場合、ワイヤレスイヤフォン10RのスピーカSPKRからの出力音量を上げずに現状の設定値を維持した状態で、ペアリングモードに移行した旨の音声メッセージの既定音声をスピーカSPKRから出力してもよい。ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、ステップSt32の後、スマートフォン50との間で公知の処理であるペアリングを行う(St33)。この時、ワイヤレスイヤフォン10Rのイヤフォン制御部11Rも同様に、スマートフォン50との間で公知の処理であるペアリングを行う(St33)。
【0094】
ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、ステップSt33のペアリングが終了したと判定した場合(St34、YES)、ペアリングモードを終了してペアリングモードへの移行前の動作モードに戻すとともに、ステップSt30,St31で変更されたLED131の点灯(点滅も含む)のパターンならびにスピーカSPKLの出力音量を元のパターンならびに音量値(つまり、ペアリングモードを終了してペアリングモードへの移行前の動作モードに対応するパターンならびに音量値)に戻す(St35)。なお、ペアリングが終了するまで(St34、NO)、ワイヤレスイヤフォン10Lのイヤフォン制御部11Lは、スマートフォン50との間で公知の処理であるペアリングを継続して行う。このように、ワイヤレスイヤフォン10L(ワイヤレスイヤフォン10Rも含む)は、ユーザが同一の操作(例えば操作面OPLへのタッチ操作)を行っても(St24,St27)、そのワイヤレスイヤフォン10Lがユーザの左耳に挿入(装着)されているか否かに応じて、異なる動作機能を実行可能である(St25あるいはSt26、St28~St35)。つまり、ワイヤレスイヤフォン10Lは、同一の操作(例えば操作面OPLへのタッチ操作)があっても、ワイヤレスイヤフォン10Lがユーザの左耳に装着されていればタッチ操作の長さに応じた動作機能を実行し(St25,St26)、一方、ワイヤレスイヤフォン10Lがユーザの左耳に装着されていなければペアリングの処理を実行する(St30~St35)。
【0095】
以上により、実施の形態1に係るワイヤレスイヤフォン10L,10Rは、外部端末(例えばスマートフォン50との間で無線通信する無線通信部19L,19Rと、装着者の耳への装着の有無を検知する検知部(例えば装着センサ14L,14Rあるいは充電ケース格納検知部18L,18R)と、装着者の入力操作を検知する入力検知部(例えば操作入力部12L,12R)と、装着者の耳への装着が検知部により検知されていない場合、装着者からの特定の入力操作(例えばタッチ操作)の入力検知部による検知に基づいて、外部端末(例えばスマートフォン50)との間の無線通信に関するペアリングを行うペアリングモードに動作モードを遷移する制御部(例えばイヤフォン制御部11L,11R)と、を備える。
【0096】
これにより、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rは、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rを開発するための材料費のコストアップを抑制しつつ、ユーザが必要なタイミング(例えばユーザが特定操作を行う任意のタイミング)にワイヤレスイヤフォン10L,10Rの接続対象となる電子機器(例えばスマートフォン50)との間でペアリングシーケンスの開始を支援できる。
【0097】
また、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rは、スピーカSPKL,SPKR、をさらに備える。制御部(例えばイヤフォン制御部11L,11R)は、ペアリングモードに動作モードを遷移したことを通知する所定音(例えばペアリングモードに移行した旨の既定音声からなる音声メッセージ)をスピーカSPKL,SPKRから出力させる。これにより、ユーザは、ペアリングモードに移行したことを簡単に把握できて、利便性の向上が見込める。
【0098】
また、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rは、スピーカSPKL,SPKR、をさらに備える。制御部(例えばイヤフォン制御部11L,11R)は、ペアリングモードに動作モードを遷移したことを通知する所定音(例えばペアリングモードに移行した旨の既定音声からなる音声メッセージ)を所定値(例えば初期値あるいは直前に設定されている出力音量値)より大きな音量でスピーカSPKL,SPKRから出力させる。これにより、ユーザは、ユーザの周囲が騒がしい環境下にいる場合でも、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rからペアリングモードに移行したことを簡単に把握できて、利便性の向上が見込める。
【0099】
また、検知部は、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rを充電可能であってワイヤレスイヤフォン10L,10Rの筐体を格納可能な格納部(例えばイヤフォン格納スペースSPL,SPR)を有する充電ケース30にワイヤレスイヤフォン10L,10Rが格納されていることを検知する格納センサ(例えば充電ケース格納検知部18L,18R)である。これにより、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rは、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rが装着者であるユーザの対応する耳(左耳,右耳)に挿入(装着)されていない非装着状態の検知手法として、クレードル等の充電ケース30に格納されているか否かの検知によって簡易に判定できる。
【0100】
また、検知部は、装着者(例えばユーザ)の外耳あるいは耳介への装着を検知する赤外線センサである。これにより、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rは、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rが装着者であるユーザの対応する耳(左耳,右耳)に挿入(装着)されていない非装着状態の検知手法として、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rのそれぞれに設けられた赤外線センサによる赤外線の耳内部の反射の有無によって簡易に判定できる。
【0101】
また、検知部は、装着者(例えばユーザ)の外耳あるいは耳介への装着を検知する静電センサである。これにより、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rは、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rが装着者であるユーザの対応する耳(左耳,右耳)に挿入(装着)されていない非装着状態の検知手法として、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rのそれぞれに設けられた静電センサによる静電容量値の変化の有無によって簡易に判定できる。
【0102】
また、入力検知部は、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rの筐体の一端部(例えばイヤーピースEPL,EP7Rが取り付けられる側の筐体端部)が格納部(例えばイヤフォン格納スペースSPL,SPR)に格納されている間に充電ケース30から露出するワイヤレスイヤフォン10L,10Rの筐体の他端部(例えば蓋34が開いた時に露出する側の筐体端部)に配置され(図4参照)、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rの筐体の一端部(例えばイヤーピースEPL,EPRが取り付けられる側の筐体端部)が格納部(例えばイヤフォン格納スペースSPL,SPR)に格納されている時に特定の入力操作を検知する。これにより、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rは、充電ケース30内に格納されている状態でも、蓋34が開いていればユーザから特定の入力操作(例えば操作面OPLへのタッチ操作)を検知可能である。
【0103】
また、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rは、発光素子(例えばLED131,132)、をさらに備える。制御部(例えばイヤフォン制御部11L,11R)は、ペアリングモード中、ペアリングモード中であることを示す所定の点灯パターンにしたがって発光素子(例えばLED131,132)を点灯させる。これにより、ユーザは、ペアリングモード中であることを簡易に把握できる。
【0104】
また、発光素子(例えばLED131,132)は、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rを充電可能であってワイヤレスイヤフォン10L,10Rの筐体を格納可能な格納部(例えばイヤフォン格納スペースSPL,SPR)を有する充電ケース30にワイヤレスイヤフォン10L,10Rの筐体の一端部(例えばイヤーピースEPL,EPRが取り付けられる側の筐体端部)が格納されている間に発光素子(例えばLED131,132)からの光が装着者(例えばユーザ)に視認可能なワイヤレスイヤフォン10L,10Rの筐体の任意の位置(例えば、その筐体の他端部(例えば蓋34が開いた時に露出する側の筐体端部)、あるいは、LED131,132からの光がイヤフォン格納スペースSPL,SPRの内壁にて反射可能なワイヤレスイヤフォン10L,10Rの筐体の一端部(上述参照)以外の位置)に配置される。これにより、ユーザは、LED131,132による点灯パターンにしたがった点灯を直接的あるいは間接的(例えばイヤフォン格納スペースSPL,SPR内の壁面での反射を介する)にペアリングモード中であることを容易に視認できる。
【0105】
また、実施の形態1に係るワイヤレスイヤフォン10L,10Rは、本開示に係るヘッドフォンの一例であり、装着者の耳への装着の有無を検知する検知部(例えば装着センサ14L,14Rあるいは充電ケース格納検知部18L,18R)と、装着者からの入力操作を検知する入力検知部(例えば操作入力部12L,12R)と、装着者からの入力操作に応じた処理を実行する制御部(例えばイヤフォン制御部11L,11R)と、を備える。制御部(例えばイヤフォン制御部11L,11R)は、装着者の耳への装着が検知されている間に装着者からの第1の入力操作(例えばタッチ操作)が検知されると第1の処理(例えば短タッチ操作あるいは長タッチ操作に応じた動作機能)を実行し、装着者の耳への装着が検知されていない間に装着者からの第1の入力操作(例えばタッチ操作)が検知されると第1の処理とは異なる第2の処理(例えばスマートフォン50とのペアリング)を実行する。
【0106】
これにより、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rは、装着者であるユーザから同一の操作を受けた場合でも、ユーザの装着状態(つまり、装着状態あるいは非装着状態)に応じて異なる動作機能を実行でき、ユーザの利便性を向上できる。
【0107】
また、入力検知部(例えば操作入力部12L,12R)は、装着者からの入力操作がなされる操作面OPLを有する。第1の入力操作は、操作面OPLの1回押し操作、操作面OPLの2回押し操作、操作面OPLの3回押し操作、操作面OPLが所定時間(例えば5秒)以上継続して押下される長押し操作、あるいは、操作面OPLのフリック操作のうちいずれかである。これにより、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rは、ユーザから、簡易な操作(具体的には、操作面OPLの1回押し操作、操作面OPLの2回押し操作、操作面OPLの3回押し操作、操作面OPLが所定時間(例えば5秒)以上継続して押下される長押し操作、あるいは、操作面OPLのフリック操作のうちいずれか)によって、ユーザの装着状態(つまり、装着状態あるいは非装着状態)に応じて異なる動作機能を実行できる。
【0108】
また、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rは、外部端末(例えばスマートフォン50)との間で無線通信する無線通信部19L,19R、をさらに備える。制御部(例えばイヤフォン制御部11L,11R)は、第2の処理として、外部端末(例えばスマートフォン50)と無線通信部19L,19Rとの間で無線通信するためのペアリングを実行可能なペアリングモードにワイヤレスイヤフォン10L,10Rの動作モードを遷移する。これにより、ワイヤレスイヤフォン10L,10Rは、ユーザの耳への装着状態の有無に応じて、スマートフォン50との間のペアリングを行うか否かの切り替えを便宜的に使い分け可能である。
【0109】
(実施の形態2に至る経緯)
特許文献1の構成では、リスト内に複数のワイヤレスオーディオソース(例えば通信デバイス。以下同様。)の名称が登録されていると、ユーザ入力からの指示が受信される度にその登録されているワイヤレスオーディオソースの名称の音声信号が次々に出力されてしまうため、ユーザが確認したい音声信号が選択できず使い勝手が良くないという課題がある。
【0110】
また、特許文献1のワイヤレスオーディオ出力装置が接続しようとしているワイヤレスオーディオソースの名称が分かりやすい固有名詞等の名称であれば、スピーカからその名称の音声信号が出力された場合にはユーザは分かりやすくなる。ところが、ワイヤレスオーディオソースの名称としてユーザが判別付かない機種名(例えばアルファベットの品番、デバイスの管理番号)の音声出力が出力されてしまうと、ユーザは聞いていても理解ができず、ユーザの確認作業が困難になってしまうという課題があった。さらに、特許文献1の構成では、オーディオソース(例えば通信デバイス)の名称のカスタマイズをユーザによって行うことは想定されておらず、仮に世界中のあらゆる言語での音声信号を予め用意してメモリに保存しておくとなると、ワイヤレスオーディオ出力装置のメモリ容量を圧迫することになり、使い勝手が良くない。
【0111】
そこで、以下の実施の形態2では、ワイヤレスヘッドフォンが無線接続した相手となる通信デバイスの名称を音声出力する際に、その名称をユーザにとって分かりやすく設定可能とし、ユーザの使い勝手を向上するワイヤレスヘッドフォンの設定システムおよびワイヤレスヘッドフォンの設定方法の例を説明する。
【0112】
(実施の形態2)
実施の形態2に係るワイヤレス通信システム100A(ワイヤレスヘッドフォンの設定システムの一例)のシステム構成について、図10を参照して説明する。図10は、実施の形態2に係るワイヤレス通信システム100Aのシステム構成例を示すブロック図である。ワイヤレス通信システム100Aは、一対のワイヤレスイヤフォン10LA,10RAと、スマートフォン50と、を少なくとも含む構成である。ワイヤレス通信システム100Aは、充電ケース30をさらに含む構成としてもよい。ワイヤレス通信システム100Aにおいて、ワイヤレスイヤフォン10LA,10RAの内部構成は、実施の形態1に係るワイヤレスイヤフォン10L,10Rと実質的に同一である。このため、図10の説明において、図1の構成要素と重複する構成要素には同一の符号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
【0113】
ワイヤレスイヤフォン10LAは、イヤフォン制御部11L、操作入力部12L、LED131、装着センサ14L、RAM151、ROM161A、音声入出力制御部17L、充電ケース格納検知部18L、無線通信部19L、バッテリBTLを有する電力監視部20L、充電ケース通信部21L、発話マイクMCL1、FFマイクMCL2、FBマイクMCL3、スピーカSPKLを有する。
【0114】
ROM161Aは、実施の形態1に係るROM161と同様に、イヤフォン制御部11Lの各処理(動作)を規定するプログラム、および、そのプログラムの実行時にデータを格納している。ROM161Aは、さらに、接続時出力音声テーブルTBL1(図11参照)、登録デバイス-接続時出力音声対応テーブルTBL2(図13参照)および接続時出力音声データ1611のデータを登録(保存)している。接続時出力音声テーブルTBL1および接続時出力音声データ1611の詳細については、図11を参照して後述する。登録デバイス-接続時出力音声対応テーブルTBL2(図13参照)の詳細については、図13を参照して後述する。
【0115】
ワイヤレスイヤフォン10RAは、イヤフォン制御部11R、操作入力部12R、LED132、装着センサ14R、RAM152、ROM162A、音声入出力制御部17R、充電ケース格納検知部18R、無線通信部19R、バッテリBTRを有する電力監視部20R、充電ケース通信部21R、発話マイクMCR1、FFマイクMCR2、FBマイクMCR3、スピーカSPKRを有する。
【0116】
ROM162Aは、実施の形態1に係るROM162と同様に、イヤフォン制御部11Rの各処理(動作)を規定するプログラム、および、そのプログラムの実行時にデータを格納している。ROM162Aは、さらに、接続時出力音声テーブルTBL1(図11参照)、登録デバイス-接続時出力音声対応テーブルTBL2(図13参照)および接続時出力音声データ1621のデータを登録(保存)している。接続時出力音声テーブルTBL1および接続時出力音声データ1621の詳細については、図11を参照して後述する。登録デバイス-接続時出力音声対応テーブルTBL2(図13参照)の詳細については、図13を参照して後述する。
【0117】
ここで、ROM161A,162Aに保存される接続時出力音声テーブルTBL1および接続時出力音声データ1611,1621の詳細について、図11を参照して説明する。図11は、接続時出力音声テーブルTBL1の一例を示す図である。なお、接続時出力音声テーブルTBL1は、ワイヤレスイヤフォン10LA,10RAのROM161A,162Aだけでなく、スマートフォン50のROM53に登録(保存)されてもよい。
【0118】
接続時出力音声データ1611,1621は、ワイヤレスイヤフォン10LA,10RAのそれぞれがBluetooth(登録商標)等の無線通信を行う際に通信相手となる接続デバイス(例えばスマートフォン50)と無線接続した時に、ワイヤレスイヤフォン10LA,10RAのそれぞれのスピーカSPKL,SPKRから接続デバイスが何であるかをユーザに把握可能に音声出力される内容の音声データである。接続時出力音声テーブルTBL1は、複数の異なる接続時出力音声データとその接続時出力音声データの識別番号との対応関係を示すテーブルである。なお、図11では接続時出力音声データの識別番号を「番号」と略記し、図13では接続時出力音声データの識別番号を「音声データの番号」と記載している。
【0119】
例えば、識別番号「1」には「スマートフォンと接続しました」という予め録音された接続時出力音声データが紐付けられ、識別番号「2」には「パソコンと接続しました」という予め録音された接続時出力音声データが紐付けられ、識別番号「3」には「音楽プレーヤと接続しました」という予め録音された接続時出力音声データが紐付けられ、識別番号「4」には「XXXと接続しました」という予め録音された接続時出力音声データが紐付けられ、識別番号「5」にはピロローン等のビープ音(警告音)からなる接続時出力音声データが紐付けられる。なお、「XXX」は、接続デバイスの固有名詞(例えば名称、端末種類)であり、予め録音時に指定されている。
【0120】
このため、接続時出力音声データがユーザの操作により設定される際、「スマートフォンと接続しました」という接続時出力音声データが選択された場合、スマートフォン50は、識別番号「1」の情報を含む設定指示(図14参照)をワイヤレスイヤフォン10L,10Rのそれぞれに送る。
【0121】
次に、スマートフォン50に表示される接続デバイス一覧画面WD1および接続時出力音声一覧画面WD2の詳細について、図12を参照して説明する。図12は、接続デバイス一覧画面WD1から接続時出力音声一覧画面WD2への遷移を示す図である。図12に示すように、接続デバイス一覧画面WD1から接続時出力音声一覧画面WD2に遷移する。
【0122】
接続デバイス一覧画面WD1は、ワイヤレスイヤフォン10LA,10RAのそれぞれが過去に無線接続したことがある接続デバイスのリストLST1と、無線接続する時にワイヤレスイヤフォン10LA,10RAのそれぞれから音声出力させる接続時出力音声データの選択をユーザに促すメッセージとを有する。接続デバイス一覧画面WD1は、スマートフォン50の表示/操作部52に表示される。リストLST1が示すように、ワイヤレスイヤフォン10LA,10RAのそれぞれは、4つの異なる接続デバイスと無線接続したことがある。
【0123】
リストLST1には、「AAA社 Personal Computer」の接続デバイスCH1には「パソコンと接続しました」という接続時出力音声データVC1が紐付けされ、「BBB社 Smartphone」の接続デバイスCH2には「スマートフォンと接続しました」という接続時出力音声データVC2が紐付けされ、「CCC社 Music Player」の接続デバイスCH3には「音楽プレーヤと接続しました」という接続時出力音声データVC3が紐付けされ、「DDD社 XXX(Smartphone)」の接続デバイスCH4には「XXXと接続しました」という接続時出力音声データVC4が紐付けされている。
【0124】
ここで、いずれかの接続デバイス(例えば接続デバイスCH1)に紐づく接続時出力音声データが変更される場合、ユーザの表示/操作部52への操作により、選択肢アイコンY1が押下される。なお、選択肢アイコンY1,Y2,Y3,Y4は、接続デバイスCH1,CH2,CH3,CH4のそれぞれに対応して設けられて表示される。なお、いずれの接続デバイスに紐づく接続時出力音声データの変更がなされない場合、ユーザによりOKボタンW1が押下されることで、制御部51により、その押下時点の接続デバイスと接続時出力音声データとの対応関係(紐付け関係)が確定される。
【0125】
接続時出力音声一覧画面WD2は、接続デバイス一覧画面WD1の選択肢アイコンY1,Y2,Y3,Y4のいずれかのユーザの押下操作に基づいて制御部51により生成される。接続時出力音声一覧画面WD2は、例えば選択肢アイコンY1がユーザの押下操作により選択された場合、接続デバイス(例えば「AAA社 Personal Computer」)に無線接続した時にワイヤレスイヤフォン10LA,10RAが音声出力する接続時出力音声データの選択をユーザに促すメッセージと、接続時出力音声テーブルTBL1(図11参照)の各識別番号に対応する接続時出力音声データの選択肢と、を有する。
【0126】
具体的には、「スマートフォンと接続しました」という接続時出力音声データVC1の選択肢と、「パソコンと接続しました」という接続時出力音声データVC2の選択肢と、「音楽プレーヤと接続しました」という接続時出力音声データVC3の選択肢と、「XXXXと接続しました」という接続時出力音声データVC4の選択肢と、ピロローン等のビープ音(警告音)からなる接続時出力音声データVC5の選択肢と、いずれの接続時出力音声データを「発声しない」という選択肢VC6とが表示される。
【0127】
ここで、いずれかの接続時出力音声データの選択肢(例えば接続時出力音声データVC1)がユーザの表示/操作部52への操作により押下され、かつOKボタンW2が押下されることで、制御部51により、その押下時点の接続デバイス(例えば「AAA社 Personal Computer」)と、ワイヤレスイヤフォン10LA,10RAがその接続デバイスに無線接続を完了した時に音声出力される接続時出力音声データとの対応関係(紐付け関係)が確定される。
【0128】
ここで、ROM161A,162Aのそれぞれに保存される登録デバイス-接続時出力音声対応テーブルTBL2の詳細について、図13を参照して説明する。図13は、登録デバイス-接続時出力音声対応テーブルTBL2の一例を示す図である。なお、登録デバイス-接続時出力音声対応テーブルTBL2は、ワイヤレスイヤフォン10LA,10RAのROM161A,162Aだけでなく、スマートフォン50のROM53に登録(保存)されてもよい。
【0129】
登録デバイス-接続時出力音声対応テーブルTBL2は、ワイヤレスイヤフォン10LA,10RAのそれぞれがBluetooth(登録商標)等の無線通信の通信相手として無線接続を完了したスマートフォン50等の無線端末(以下「登録デバイス」とも称する)の識別情報(例えばBluetooth(登録商標) ID)と、その無線端末の名称と、その無線端末に無線接続した際に音声出力される接続時出力音声データを識別する識別情報(例えば図11に示す番号)との対応関係を示すデータを、登録デバイスごとに記憶する。図13では、例えば最大10台分の無線端末の登録が可能である例が図示されているが、10台以上の登録が可能であっても構わない。
【0130】
図13に示すように、登録デバイス-接続時出力音声対応テーブルTBL2は、例えば4台分の登録デバイスの識別情報(無線端末情報の一例)に、登録デバイスの名称と接続時出力音声データの番号とを紐付けて登録している。
【0131】
例えば第1行目のレコード(第1番目に登録)には、「00-11-22-33-44-55」という登録デバイスの識別情報に、「AAA社 Personal Computer」という登録デバイスの名称と、接続時出力音声データを識別する番号「2」(図11参照)とが対応付けて登録されている。
【0132】
同様に第2行目のレコード(第2番目に登録)には、「66-77-88-99-AA-BB」という登録デバイスの識別情報に、「BBB社 Smartphone」という登録デバイスの名称と、接続時出力音声データを識別する番号「1」(図11参照)とが対応付けて登録されている。
【0133】
同様に第3行目のレコード(第3番目に登録)には、「CC-DD-EE-FF-00-11」という登録デバイスの識別情報に、「CCC社 Music Player」という登録デバイスの名称と、接続時出力音声データを識別する番号「3」(図11参照)とが対応付けて登録されている。
【0134】
同様に第4行目のレコード(第4番目に登録)には、「22-33-44-55-66-77」という登録デバイスの識別情報に、「DDD社 XXX(Smartphone)」という登録デバイスの名称と、接続時出力音声データを識別する番号「4」(図11参照)とが対応付けて登録されている。なお、XXXは、「22-33-44-55-66-77」という登録デバイスの識別情報に対応するスマートフォン(Smartphone)の機種名あるいはロゴ等の製品名である。
【0135】
次に、実施の形態2に係るワイヤレス通信システム100Aの接続時出力音声データの設定に関する動作手順例について、図14を参照して説明する。図14は、実施の形態2に係るワイヤレス通信システム100Aの接続時出力音声データの設定に関する動作手順例を示すシーケンス図である。図14では、ワイヤレスイヤフォン10LA,10RAのうちワイヤレスイヤフォン10LAを例示して説明するが、ワイヤレスイヤフォン10RAにも同様に適用可能である。図14の説明の前提として、スマートフォン50は、接続時出力音声データの設定を行うためのアプリケーションを起動している。なお、このアプリケーションを図14では「スマートフォンAPP」と便宜的に表記している。
【0136】
図14において、ユーザは、スマートフォンAPPに、接続時出力音声データを設定する画面を呼び出す操作を行う(St41)。スマートフォンAPPは、ステップSt41の操作に応じて、接続デバイス一覧画面WD1(図12参照)を生成して表示/操作部52に表示する(St42)。ただし、この時、スマートフォンAPPは、接続デバイス一覧画面WD1のリストLST1の部分を表示できず、リストLST1部分の表示待機中であることを知らせるWait(ウェイト)画面(図示略)を生成して表示する(St42)。これは、ステップSt42の時点では、スマートフォンAPPは、登録デバイス(言い換えると、過去に無線接続したことがある接続デバイス)の一覧および接続デバイスごとの接続時出力音声データの識別番号(図11参照)をワイヤレスイヤフォン10LAから取得できていないことに起因する。なお、接続デバイス一覧画面WD1は、図14に示す期間PER1においてスマートフォンAPPにより表示される。
【0137】
スマートフォンAPPは、登録デバイス(言い換えると、過去に無線接続したことがある接続デバイス。以下同様。)の一覧および接続デバイスごとの接続時出力音声データの識別番号(図11参照)をワイヤレスイヤフォン10LAに要求する(St43)。ワイヤレスイヤフォン10LAは、ステップSt43の要求に応じて、ROM161Aに登録(保存)されている登録デバイス-接続時出力音声対応テーブルTBL2を参照して取得した登録デバイスの一覧および接続デバイスごとの接続時出力音声データの識別番号(図11参照)をスマートフォン50に返送(応答)する(St44)。スマートフォンAPPは、ステップSt44でワイヤレスイヤフォン10LAから送られた登録デバイスの一覧および接続デバイスごとの接続時出力音声データの識別番号(図11参照)を受信すると、表示/操作部52に表示中の接続デバイス一覧画面WD1のWait画面を登録デバイスの一覧であるリストLST1に表示内容を更新生成して表示する(St45)。例えば、図12に示す接続デバイス一覧画面WD1の内容が表示されたとする。
【0138】
ユーザは、ステップSt45でリストLST1が表示された接続デバイス一覧画面WD1を表示したスマートフォンAPPに、接続時出力音声データを設定したい接続デバイスを選択する操作を行う(St46)。例えば選択肢アイコンY1(図12参照)が選択されたとする。スマートフォンAPPは、ステップSt46の操作に応じて、接続デバイス一覧画面WD1から、選択された選択肢アイコンY1に対応する接続デバイス用の接続時出力音声一覧画面WD2を生成して表示/操作部52に表示する(St47)。なお、接続時出力音声一覧画面WD2は、図14に示す期間PER2においてスマートフォンAPPにより表示される。
【0139】
続けて、ユーザは、ステップSt47で接続時出力音声一覧画面WD2を表示したスマートフォンAPPに、接続時出力音声データを選択する操作を行う(St48)。例えば「パソコンと接続しました」という接続時出力音声データが選択されたとする。スマートフォンAPPは、ステップSt48の操作に応じて、接続時出力音声一覧画面WD2から、接続時出力音声データのワイヤレスイヤフォン10LAへの設定中であること知らせるWait(ウェイト)画面(図示略)を生成して表示する(St49)。スマートフォンAPPは、ステップSt46で選択された接続デバイス(例えばAAA社 Personal Computer)と無線接続が完了した際に音声出力させる接続時出力音声データ(例えば「パソコンと接続しました」)の設定指示を生成してワイヤレスイヤフォン10LAに送る(St50)。この設定指示には、例えば、ワイヤレスイヤフォン10LAと無線接続を完了したスマートフォン50の無線端末情報(例えばBluetooth(登録商標) ID)と、「パソコンと接続しました」という接続時出力音声データを識別する識別番号(識別情報の一例)とが少なくとも含まれる。ワイヤレスイヤフォン10LAは、ステップSt50でスマートフォンから送られた設定指示に基づいて、接続デバイス(例えばAAA社 Personal Computer)と、その接続デバイスとワイヤレスイヤフォン10LAとの無線接続が完了した際に音声出力させる接続時出力音声データ(例えば「パソコンと接続しました」)との紐付け(関連付け)の設定を行い、その設定結果をワイヤレスイヤフォン10LAが備えるROM161Aの登録デバイス-接続時出力音声対応テーブルTBL2に保存(登録)あるいは更新する(St51)。ROM161Aは、例えばワイヤレスイヤフォン10LAの電源がオフされてもデータが消去されないように、例えばフラッシュメモリ等の非一時的な記憶媒体(半導体メモリ)を用いて構成される。なお、ワイヤレスイヤフォン10LAは、その設定された接続時出力音声データをお試しにスピーカSPKLから音声出力してもよい。ワイヤレスイヤフォン10LAは、ステップSt51の設定が完了した旨の設定完了応答を生成してスマートフォン50に送る(St52)。
【0140】
スマートフォンAPPは、ステップSt52でワイヤレスイヤフォン10LAから送られた設定完了応答に基づいて、ステップSt49で表示していたWait画面(図示略)の表示を消去(中止)するとともに(St53)、接続デバイスと接続時出力音声データとの対応関係(紐付け関係)を示すチェックマークY5を、接続デバイスと接続時出力音声データとの対応関係(紐付け関係)とが確定したことを示す態様(例えばチェックマークY5の色を変える、太くする)ように更新する(St53)。
【0141】
ユーザは、ステップSt53でチェックマークY5が更新された接続時出力音声一覧画面WD2を視認し、その接続時出力音声一覧画面WD2のOKボタンW2を押下したとする(St54)。スマートフォンAPPは、ステップSt54の操作に応じて、ワイヤレスイヤフォン10LAの接続デバイスに応じた接続時出力音声データの設定を終了し、ステップSt42の時点に接続デバイス一覧画面WD1を表示する前に表示していた画面(図示略)に戻るように表示画面を更新する。これにより、図14のシーケンスの処理は終了する。
【0142】
次に、実施の形態2に係るワイヤレスイヤフォン10LA,10RAの実際の無線接続時の動作手順例について、図15を参照して説明する。図15は、実施の形態2に係るワイヤレスイヤフォン10LA,10RAの動作手順例を示すフローチャートである。図15でも、図14と同様に、ワイヤレスイヤフォン10LA,10RAのうちワイヤレスイヤフォン10LAを例示して説明するが、ワイヤレスイヤフォン10RAにも同様に適用可能である。図15のフローチャートの処理は、ワイヤレスイヤフォン10LA,10RAにおいて定期的に実行される。
【0143】
図15において、ワイヤレスイヤフォン10LAのイヤフォン制御部11は、現在無線接続が済んでいる接続デバイスの台数が2であるか否かをワークメモリのRAM151に基づいて判定する(St61)。ステップSt61の時点で既に2台の接続デバイスと無線接続が完了している場合には(St61、YES)、図15に示すワイヤレスイヤフォン10LAの処理は終了する。
【0144】
ワイヤレスイヤフォン10LAのイヤフォン制御部11は、現在無線接続が済んでいる接続デバイスの台数が2でない(つまり、0あるいは1である)と判定した場合(St61、NO)、過去にペアリング(例えばBluetooth(登録商標)方式に準じた無線接続)をしたことがある接続デバイスとの無線接続処理(ペアリング)を行う(St62)。ステップSt62のペアリングの処理は公知であるため、ここでは詳細な説明は省略する。接続デバイスとペアリングができない場合(St63、NO)、図15に示すワイヤレスイヤフォン10LAの処理は終了する。
【0145】
一方、ワイヤレスイヤフォン10LAのイヤフォン制御部11Lは、接続デバイスとペアリングができたと判定した場合(St63、YES)、ペアリングにより取得された無線端末(例えばスマートフォン50)の無線端末情報(例えばBluetooth(登録商標) ID)に基づいて、その接続デバイスに対応する接続時出力音声データの紐付けの設定がなされているか否かをROM161Aの登録デバイス-接続時出力音声対応テーブルTBL2を参照することで判定する(St64)。接続デバイスに対応する接続時出力音声データの紐付けの設定がなされていないと判定された場合(St64、NO)、図15に示すワイヤレスイヤフォン10LAの処理は終了する。
【0146】
一方、ワイヤレスイヤフォン10LAのイヤフォン制御部11Lは、接続デバイスに対応する接続時出力音声データの紐付けの設定がなされていると判定した場合には(St64、YES)、今回(つまり、ステップSt63で接続したと判定された)の接続デバイスに紐づく接続時出力音声データを、ROM161Aの登録デバイス-接続時出力音声対応テーブルTBL2を参照してペアリングにより取得されたた無線端末(例えばスマートフォン50)の無線端末情報(例えばBluetooth(登録商標) ID)に基づいて特定してスピーカSPKLから音声出力させる(St65)。ステップSt65の後、ワイヤレスイヤフォン10LAのイヤフォン制御部11Lは、接続デバイスとの無線接続が完了したことを判定でき、他の処理(例えばその接続oデバイスから送られた音楽信号を受信して再生)を行う。これにより、図15のフローチャートの処理は終了する。
【0147】
以上により、実施の形態2に係るワイヤレス通信システム100Aは、スピーカをそれぞれ有し、装着者(ユーザ)の耳への装着が可能な少なくとも1つのワイヤレスヘッドフォン(例えばワイヤレスイヤフォン10LA,10RA)と、装着者により携帯され、ワイヤレスヘッドフォンと無線接続が可能な無線端末(例えばスマートフォン50)と、を備える。ワイヤレスヘッドフォンは、メモリ(例えばROM161A,162A)を有し、ワイヤレスヘッドフォンが無線接続する無線端末の無線端末情報(例えばBluetooth(登録商標) ID等の登録デバイスの識別情報)とその無線端末を特定可能な音声データ(例えば接続時出力音声データ1611,1621)との対応関係を示すデータをメモリに登録可能である。無線端末は、音声データ(例えば接続時出力音声データ1611,1621)の識別情報(例えば図11に示す番号)を用いて、ワイヤレスヘッドフォンとの間で無線接続した際にワイヤレスヘッドフォンに音声出力させる音声データを装着者の操作(例えば図12に示す接続時出力音声一覧画面WD2への操作)に基づいて設定し、その設定された音声データを識別する識別情報をワイヤレスヘッドフォンに送る。ワイヤレスヘッドフォンは、無線端末から送られた識別情報に基づいて、無線端末の無線端末情報とその識別情報により識別可能な音声データとの対応関係を示すデータをメモリに登録する。
【0148】
これにより、ワイヤレス通信システム100Aは、ワイヤレスイヤフォン10LA,10RAが無線接続した相手となる通信デバイス(例えばスマートフォン50)の名称あるいは端末種類を音声出力する際に、その名称あるいは端末種類をユーザにとって分かりやすく設定可能とし、ユーザの使い勝手を向上できる。
【0149】
また、ワイヤレスヘッドフォンは、無線端末との間で無線接続を完了した時、無線端末から送られた無線端末情報に基づいて、その無線端末情報に対応する音声データをスピーカ(例えばスピーカSPKL,SPKR)から音声出力する。これにより、ユーザは、ワイヤレスイヤフォン10LA,10RAと実際に無線接続した通信デバイス(例えばスマートフォン50)が具体的にどういうデバイスであるかを簡易に把握できる。
【0150】
また、無線端末を特定可能な音声データ(例えば接続時出力音声データ)は、無線端末(例えばスマートフォン50)の端末種類を特定可能な名称を発音する予め録音された音声データである。これにより、ユーザは、ワイヤレスイヤフォン10LA,10RAが無線端末(例えばスマートフォン50)と無線接続を完了した時に、その無線端末がどういうものであるかをユーザにとって分かりやすく把握でき、ユーザの利便性が向上する。
【0151】
また、ワイヤレスヘッドフォン(例えばワイヤレスイヤフォン10LA,10RA)は、複数の無線端末(例えばスマートフォン50を含む外部端末)のそれぞれと無線接続が可能である。無線端末を特定可能な音声データ(例えば接続時出力音声データ)は、無線端末ごとに音色が異なるビープ音、あるいは、無線端末ごとにメロディが異なる音声データである。これにより、ユーザは、ワイヤレスイヤフォン10LA,10RAのそれぞれと無線接続した特定の無線端末の名称あるいは端末種類が音声出力されなくても、その無線端末ごとに特有のビープ音あるいはメロディ音が音声出力されることで、その無線端末がどういうものであるかをユーザにとって分かりやすく把握でき、ユーザの利便性が向上する。
【0152】
また、ワイヤレスヘッドフォン(例えばワイヤレスイヤフォン10LA,10RA)は、複数の無線端末(例えばスマートフォン50)のそれぞれと無線接続が可能であり、無線端末により設定された音声データ(例えば接続時出力音声データ)を無線端末の無線端末情報ごとに登録する。これにより、ユーザは、ワイヤレスイヤフォン10LA,10RAが無線接続可能となる複数の通信デバイス(例えばスマートフォン50)の1台ごとに、無線接続が完了した通信デバイスの名称あるいは端末種類を音声出力する際に、その名称あるいは端末種類をユーザにとって分かりやすく設定可能とし、ユーザの使い勝手を向上できる。
【0153】
また、無線端末(例えばスマートフォン50)は、ディスプレイ(例えば表示/操作部52)を有し、ワイヤレスヘッドフォン(例えばワイヤレスイヤフォン10LA,10RA)が過去に無線接続したことがある無線端末を含む複数の無線端末(例えばスマートフォン50を含む外部端末)を特定可能な無線端末情報一覧(例えばリストLST1)をディスプレイに表示する。無線端末は、装着者の操作により無線端末情報一覧から選択された無線端末ごとに、ワイヤレスヘッドフォンとの間で無線接続した際にワイヤレスヘッドフォンに音声出力させる音声データを設定する。これにより、ユーザは、ワイヤレスイヤフォン10LA,10RAのそれぞれが過去に無線接続したことがある接続デバイス(通信デバイス)のリストLST1をスマートフォン50に表示された画面で簡易に確認可能であり、その接続デバイスとワイヤレスイヤフォン10LA,10RAのそれぞれとの無線接続が完了した時の接続時出力音声データの設定を簡易に行える。
【0154】
以上、添付図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0155】
本開示は、ワイヤレスヘッドフォンが無線接続した相手となる通信デバイスの名称あるいは端末種類を音声出力する際に、その名称あるいは端末種類をユーザにとって分かりやすく設定可能とし、ユーザの使い勝手を向上するワイヤレスヘッドフォンの設定システムおよびワイヤレスヘッドフォンの設定方法として有用である。
【符号の説明】
【0156】
10L、10LA、10R、10RA ワイヤレスイヤフォン
11L、11R イヤフォン制御部
12L、12R 操作入力部
14L、14R 装着センサ
17L、17R、55 音声入出力制御部
18L、18R 充電ケース格納検知部
19L、19R 無線通信部
20L、20R 電力監視部
21L、21R 充電ケース通信部
30 充電ケース
31 充電ケース制御部
32 充電ケースLED
33 蓋センサ
34 蓋
35 充電ケース電力監視部
50 スマートフォン
51 制御部
52 表示/操作部
53、161、161A、162、162A ROM
54、151、152 RAM
56 近距離無線制御部
57 イヤフォン通信I/F部
58 無線LAN通信I/F部
59 音声バス
60 公衆回線プロトコル制御部
61 公衆回線通信I/F部
62 USB通信I/F部
100 ワイヤレス通信システム
131、132 LED
1611、1621 接続時出力音声データ
ATL、ATR アンテナ
BT1、BTL、BTR バッテリ
MGL、MGR 磁石
SPL、SPR イヤフォン格納スペース
図1
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