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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102106
(43)【公開日】2023-07-24
(54)【発明の名称】取水装置
(51)【国際特許分類】
   E03B 3/28 20060101AFI20230714BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20230714BHJP
   F24F 1/0083 20190101ALN20230714BHJP
   F24F 5/00 20060101ALN20230714BHJP
【FI】
E03B3/28
B01D53/26 100
B01D53/26 220
F24F1/0083
F24F5/00 L
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002470
(22)【出願日】2022-01-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】599073490
【氏名又は名称】株式会社アースクリーン東北
(74)【代理人】
【識別番号】100131026
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 博
(74)【代理人】
【識別番号】100194124
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 まゆみ
(72)【発明者】
【氏名】今野 賢一
【テーマコード(参考)】
4D052
【Fターム(参考)】
4D052AA00
4D052BA04
4D052CB00
4D052DA01
4D052DA08
4D052GA01
4D052GA03
4D052GB02
4D052GB03
4D052GB09
(57)【要約】
【課題】取水量を増やすことができ、かつ、外気温度が低くても取水することができる取水装置を提供する。
【解決手段】取水装置1は、筐体10の内部に、吸気通路11及び排気通路12に跨って配設された回転式除湿ローター30を備えている。回転式除湿ローター30の吸気通路11の側よりも上流側には第1のヒートポンプ40の第1の凝縮器42が配設され、回転式除湿ローター30の吸気通路11の側よりも下流側で、かつ、排気通路12の側よりも上流側には第1のヒートポンプ40の第1の蒸発器44が配設されている。回転式除湿ローター30の吸気通路11の側よりも上流側には第2のヒートポンプ50の第2の凝縮器52が配設され、回転式除湿ローター30の排気通路12の側よりも下流側には第2のヒートポンプ50の第2の蒸発器54が配設されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中に含まれる水分を取り出す取水装置であって、
内部に、連通部により連通された吸気通路及び排気通路が設けられると共に、前記吸気通路に空気を吸い込む吸込口、及び、前記排気通路から空気を排出する排出口が設けられた筐体と、
前記吸込口から空気を吸い込み、前記吸気通路、前記連通路、及び、前記排気通路を通して、前記排出口から排出する送風機と、
前記吸気通路に一部が位置し、前記排気通路に他の一部が位置するように、前記吸気通路及び前記排気通路に跨って配設された回転式除湿ローターと、
第1の凝縮器及び第1の蒸発器を有する第1のヒートポンプと、
第2の凝縮器及び第2の蒸発器を有する第2のヒートポンプとを備え、
前記第1の凝縮器は、前記回転式除湿ローターの前記吸気通路側よりも上流側に配置され、前記第1の蒸発器は、前記回転式除湿ローターの前記吸気通路側よりも下流側で、かつ、前記回転式除湿ローターの前記排気通路側よりも上流側に配置され、
前記第2の凝縮器は、前記回転式除湿ローターの前記吸気通路側よりも上流側に配置され、前記第2の蒸発器は、前記回転式除湿ローターの前記排気通路側よりも下流側に配置され、
前記第1の蒸発器により空気を冷却して空気中の水分を取り出す
ことを特徴とする取水装置。
【請求項2】
前記筐体と、前記第1のヒートポンプと、前記第2のヒートポンプとは、一体的に形成されていることを特徴とする請求項1記載の取水装置。
【請求項3】
前記第2のヒートポンプの駆動を制御する第2のヒートポンプ制御部を備え、
前記第2のヒートポンプ制御部は、外気温度が所定の基準温度以下の場合に第2のヒートポンプを駆動することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の取水装置。
【請求項4】
前記第2のヒートポンプは、熱媒体の流れを逆にすることにより、前記第2の凝縮器と前記第2の蒸発器との位置を逆にすることが可能とされたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1に記載の取水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気から水を取り出す取水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、空気から水を取り出すための取水装置が知られている。一般的な取水装置としては、例えば、吸引した空気を冷却器で露点温度まで過冷却することで水分を空気中から取り出すことを目的とした冷凍機過冷却取水方式のものがある(例えば、特許文献1参照)。例えば、特許文献1に記載の造水装置は、冷媒ガスを圧縮する圧縮機と、この圧縮機で圧縮された冷媒ガスを冷却して凝縮させる凝縮器と、この凝縮器で凝縮された冷媒液を減圧させる膨張弁と、この膨張弁で減圧された冷媒液を蒸発させる蒸発器と、水分を含む外気を室外から導き凝縮器及び蒸発器に送風する送風機と、この送風機で送風する外気中の水分が蒸発器で冷却され凝縮される水を回収する貯水タンクと、圧縮機及び送風機を駆動する動力源とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-371598公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような冷凍機過冷却取水方式の装置は、取水量に対して電力量がかかりすぎるという問題があった。また、冬期において外気温度が10℃以下になると、湿度も低く、外気に含まれている水分(絶対湿度)を増やすことは難しいので、取水することが難しいという問題もあった。更に、従来の取水装置は取水するためのみのシステムであり、他の応用技術がないという問題もあった。
【0005】
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、取水量を増やすことができ、かつ、外気温度が低くても取水することができる取水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の取水装置は、空気中に含まれる水分を取り出すものであって、内部に、連通部により連通された吸気通路及び排気通路が設けられると共に、吸気通路に空気を吸い込む吸込口、及び、排気通路から空気を排出する排出口が設けられた筐体と、吸込口から空気を吸い込み、吸気通路、連通路、及び、排気通路を通して、排出口から排出する送風機と、吸気通路に一部が位置し、排気通路に他の一部が位置するように、吸気通路及び排気通路に跨って配設された回転式除湿ローターと、第1の凝縮器及び第1の蒸発器を有する第1のヒートポンプと、第2の凝縮器及び第2の蒸発器を有する第2のヒートポンプとを備え、第1の凝縮器は、回転式除湿ローターの吸気通路側よりも上流側に配置され、第1の蒸発器は、回転式除湿ローターの吸気通路側よりも下流側で、かつ、回転式除湿ローターの排気通路側よりも上流側に配置され、第2の凝縮器は、回転式除湿ローターの吸気通路側よりも上流側に配置され、第2の蒸発器は、回転式除湿ローターの排気通路側よりも下流側に配置され、第1の蒸発器により空気を冷却して空気中の水分を取り出すものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、吸気通路に一部が位置し、排気通路に他の一部が位置するように回転式除湿ローターを設け、第1の凝縮器を回転式除湿ローターの吸気通路側よりも上流側に配置し、第1の蒸発器を回転式除湿ローターの吸気通路側よりも下流側で、かつ、回転式除湿ローターの排気通路側よりも上流側に配置するようにしたので、第1の凝縮器により空気を加熱し、回転式除湿ローターに吸着された水分を脱着(蒸発)させて、空気の絶対湿度を高くすることができる。よって、第1の蒸発器における取水量を増やすことができる。
【0008】
また、第2の凝縮器を回転式除湿ローターの吸気通路側よりも上流側に配置するようにしたので、例えば、外気温度が10℃程度と低い場合であっても、第2の凝縮器により空気を更に加熱し、回転式除湿ローターに吸着された水分を脱着させることができる温度まで高くすることができる。よって、外気温度が10℃程度と低い場合であっても、空気の絶対湿度を高くすることができ、取水することができる。
【0009】
更に、第2の蒸発器を回転式除湿ローターの排気通路側よりも下流側に配置するようにしたので、例えば、外気温度が10℃以下程度と低い場合であっても、回転式除湿ローターの排気通路側を通過し、凝縮熱により加温された空気から吸熱することができる。よって、外気温度が10℃程度と低い場合に、外気を利用する場合に比べて第2のヒートポンプの効率を高め、省エネルギーとすることができると共に、霜取りせずに連続運転することができる。
【0010】
加えて、排出口から排出される空気は空調機能を有し、換気、冷房、除湿、暖房として利用することができる。
【0011】
更にまた、筐体と、第1のヒートポンプと、第2のヒートポンプとを一体的に形成するようにすれば、容易に移動させることができ、例えば、災害時等に必要な場所に移動させて容易に稼働させることができる。
【0012】
加えてまた、第2のヒートポンプ制御部により第2のヒートポンプの駆動を制御するようにすれば、必要に応じて第2のヒートポンプを駆動させることができ、省エネ性を向上させることができる。
【0013】
更にまた、第2のヒートポンプは、熱媒体の流れを逆にすることにより、第2の凝縮器と第2の蒸発器との位置を逆にすることができるようにすれば、外気温度が例えば5℃よりも低い場合に、必要に応じて、霜取りをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施の形態に係る取水装置の構成を表すものである。
図2図1に示した取水装置を用い外気温度0℃において取水する場合のシミュレーションの結果を表す図である。
図3】従来の取水装置を用い外気温度0℃において取水する場合のシミュレーションの結果を表す図である。
図4図1に示した取水装置を用い外気温度5℃において取水する場合のシミュレーションの結果を表す図である。
図5】従来の取水装置を用い外気温度5℃において取水する場合のシミュレーションの結果を表す図である。
図6図1に示した取水装置を用い外気温度10℃において取水する場合のシミュレーションの結果を表す図である。
図7】従来の取水装置を用い外気温度10℃において取水する場合のシミュレーションの結果を表す図である。
図8図1に示した取水装置を用い外気温度20℃において取水する場合のシミュレーションの結果を表す図である。
図9】従来の取水装置を用い外気温度20℃において取水する場合のシミュレーションの結果を表す図である。
図10図1に示した取水装置を用い外気温度30℃において取水する場合のシミュレーションの結果を表す図である。
図11】従来の取水装置を用い外気温度30℃において取水する場合のシミュレーションの結果を表す図である。
図12図1に示した取水装置を用い外気温度35℃において取水する場合のシミュレーションの結果を表す図である。
図13】従来の取水装置を用い外気温度35℃において取水する場合のシミュレーションの結果を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施の形態に係る取水装置1の概略構成を表すものである。この取水装置1は、空気中に含まれる水分を取り出すものであり、内部に空気を流通させる吸気通路11及び排気通路12が設けられた筐体10と、筐体10の内部に空気を流通させるための送風機20とを備えている。
【0017】
吸気通路11と排気通路12とは、例えば、筐体10の内部において隔壁13を隔てて設けられており、一方の端部側において連通部14により連通されている。また、筐体10には、例えば、連通部14の反対側に、吸気通路11に空気を吸い込む吸込口15、及び、排気通路12から空気を排出する排出口16が設けられている。すなわち、送風機20により吸込口15から吸い込まれた空気は、吸気通路11、連通部14、及び、排気通路12をこの順に通り、排出口16から排出されるように構成されている。吸込口15には、フィルター17が配設されていることが好ましい。送風機20は、筐体10の内部に配置されてもよく、筐体10の外部に配設されてもよいが、筐体10の内部に配設するようにすれば、筐体10と一体として取り扱うことができるので好ましい。
【0018】
取水装置1は、また、筐体10の内部において、吸気通路11に一部が位置し、排気通路12に他の一部が位置するように、吸気通路11及び排気通路12に跨って配設された回転式除湿ローター30を備えている。回転式除湿ローター30は、例えば、円盤形状を有しており、円盤の中心軸を回転軸として回転可能に配設され、回転を制御するローター回転制御器31に接続されている。回転式除湿ローター30は、例えば、除湿剤を有しており、回転により吸気通路11と排気通路12とを交互に通過し、空気中の水分を吸着する除湿と、吸着した水分を脱着して空気中に放出する再生とを繰り返すように構成されている。なお、この取水装置1では、吸気通路11の側が脱着・再生側であり、排気通路12の側が吸着・除湿側である。回転式除湿ローター30は、例えば、回転軸方向に通気性を有するハニカム構造、コルゲート構造、又は、メッシュ構造とされている。
【0019】
取水装置1は、更に、第1のヒートポンプと40と、第2のヒートポンプ50とを備えている。第1のヒートポンプ40及び第2ヒートポンプ50は、例えば、熱媒体を用いて低温部分から高温部分へ熱を移動させるものである。第1のヒートポンプ40は、例えば、第1の圧縮機41と、第1の凝縮器42と、第1の膨張弁43と、第1の蒸発器44とを有しており、熱媒体を順に循環させるようになっている。第2のヒートポンプ50は、例えば、第2の圧縮機51と、第2の凝縮器52と、第2の膨張弁53と、第2の蒸発器54とを有しており、熱媒体を順に循環させるようになっている。
【0020】
第1の圧縮機41及び第2の圧縮機51は、例えば、熱媒体を圧縮するものであり、第1の凝縮器42及び第2の凝縮器52は、例えば、加圧され温度が上がった熱媒体により周囲の空気に対して発熱させるものである。第1の膨張弁43及び第2の膨張弁53は、例えば、熱媒体を減圧するものであり、第1の蒸発器44及び第2の蒸発器54は、例えば、減圧され温度が下がった熱媒体により周囲の空気から吸熱させるものである。
【0021】
第1の凝縮器42は、回転式除湿ローター30の吸気通路11の側よりも上流側に配置され、第1の蒸発器44は、回転式除湿ローター30の吸気通路11の側よりも下流側で、かつ、回転式除湿ローター30の排気通路12の側よりも上流側に配置されている。第1の凝縮器42は、吸気通路11に吸い込んだ空気を加熱し、回転式除湿ローター30に吸着された水分を脱着(蒸発)させて、空気の絶対湿度を高くするためのものである。また、第1の蒸発器44は、回転式除湿ローター30の吸気通路11の側を通過し、絶対湿度を高くした空気を冷却して結露させ、空気中の水分を取り出すためのものである。第1の蒸発器44の下側には、取り出した水を集めて貯水タンク(図示せず)に案内する集水手段18が設けられている。貯水タンクは、筐体10の内部に設けられていてもよく、筐体10の外部に設けられていてもよい。
【0022】
第2の凝縮器52は、回転式除湿ローター30の吸気通路11の側よりも上流側に配置されている。第2の凝縮器52は、第1の凝縮器42と同様に、吸気通路11に吸い込んだ空気を加熱し、回転式除湿ローター30に吸着された水分を脱着(蒸発)させるためのものである。例えば、外気温度が高い場合には、第1の凝縮器42のみでも回転式除湿ローター30から水分を脱着させることができる温度まで加熱することができるが、外気温度が例えば10℃以下程度と低い場合には、第1の凝縮器42のみでは回転式除湿ローター30から水分を脱着させることができる温度まで加熱することが難しいからである。
【0023】
第2の蒸発器54は、回転式除湿ローター30の排気通路12の側よりも下流側に配置されている。これにより、第2の蒸発器54は、例えば、外気温度が例えば10℃程度と低い場合であっても、回転式除湿ローター30の排気通路12側を通過し、凝縮熱により加温された空気から吸熱することができるので、第2のヒートポンプの効率を高めることができると共に、霜取りせずに連続運転することができるようになっている。
【0024】
また、第1の凝縮器41及び第2の凝縮器52の下流側で、かつ、回転式除湿ローター30の吸気通路11の側よりも上流側には、温度湿度センサ32を配設することが好ましい。温度湿度センサ32は、例えば、ローター回転制御器31に接続されている。ローター回転制御器31は、温度湿度センサ32の検出結果に基づき、高い除湿量効果が得られる回転数で回転式除湿ローター30を回転させるように構成されていることが好ましい。
【0025】
なお、第2のヒートポンプ50は、熱媒体の流れを逆にすることにより、第2の凝縮器52と第2の蒸発器54との位置を逆にすることができるように構成されていることが好ましい。すなわち、熱媒体の流れを逆にすることにより、第2の凝縮器52を回転式除湿ローター30の排気通路12の側よりも下流側に配置し、第2の蒸発器54を回転式除湿ローター30の吸気通路11の側よりも上流側に配置できるようにすることが好ましい。外気温度が例えば5℃よりも低い場合に、取水運転中に、回転式除湿ローター30の排気通路12の側よりも下流側に配置した第2の蒸発器54に霜が付いてしまうことがあるので、必要に応じて熱媒体の流れを逆にし、霜取り運転をすることができるようにするためである。
【0026】
取水装置1は、また、第1のヒートポンプ40の駆動を制御する第1のヒートポンプ制御部61、及び、第2のヒートポンプ50の駆動を制御する第2のヒートポンプ制御部62を備えていることが好ましい。第1のヒートポンプ制御部61は、例えば、取水装置1の取水運転の開始に応じて、第1のヒートポンプ40を駆動させるように構成されていることが好ましい。
【0027】
第2のヒートポンプ制御部62は、例えば、外気温度が所定の基準温度以下の場合に第2のヒートポンプ50を駆動するように構成されていることが好ましい。必要に応じて第2のヒートポンプ50を駆動させることにより省エネ性を向上させることができるからである。基準温度は任意に設定することができるが、例えば、8℃から12℃の範囲内の温度とすることが好ましい。
【0028】
なお、筐体10と、第1のヒートポンプ40と、第2のヒートポンプ50とは、一体的に形成されていることが好ましい。例えば、災害時等に必要な場所に移動させて容易に稼働させることができるようにするためである。第1のヒートポンプ制御部61及び第2のヒートポンプ制御部62も、第1のヒートポンプ40及び第2のヒートポンプ50と共に、筐体10と一体的に形成されていることが好ましい。
【0029】
この取水装置1は、例えば、次のようにして用いることができる。まず、取水運転の開始により、送風機20が駆動される。これにより、筐体10の内部に吸込口15から空気が吸い込まれ、吸気通路11、連通部14、及び、排気通路12を通って、排出口16から筐体の外部に排出される。また、取水運転の開始により、回転式除湿ローター30が駆動されると共に、第1のヒートポンプ制御部61に制御されて第1のヒートポンプ40が駆動される。更に、第2のヒートポンプ50は、第2のヒートポンプ制御部62に制御されて、外気温度に応じて駆動される。例えば、外気温度が第1の基準温度以下の場合には、第2のヒートポンプ50は駆動され、外気温度が第1の基準温度超から第2の基準温度未満の場合には、第2のヒートポンプ50は駆動されずに停止状態のままとされ、外気温度が第2の基準温度以上の場合には、第2のヒートポンプ50は駆動される。
【0030】
これにより、外気温度が第1の基準温度以下の場合、及び、第2の基準温度以上の場合には、吸込口15から吸い込まれた空気は、第1の凝縮器42及び第2の凝縮器52により加熱されて、回転式除湿ローター30の吸気通路11側を通過し、回転式除湿ローター30から水分を脱着して、外気よりも絶対湿度を高くした後、第1の蒸発器44により冷却されて、結露により空気中の水分が取り出される。その後、空気は、回転式除湿ローター30の排気通路12側を通過し、空気に含まれる水分が回転式除湿ローター30に吸着され、その凝縮熱により空気が加温されて第2の蒸発器54により吸熱され、排出口16から排出される。
【0031】
また、外気温度が第1の基準温度超から第2の基準温度未満の場合には、吸込口15から吸い込まれた空気は、第1の凝縮器42により加熱されて、回転式除湿ローター30の吸気通路11側を通過し、回転式除湿ローター30から水分を脱着して、外気よりも絶対湿度を高くした後、第1の蒸発器44により冷却されて、結露により空気中の水分が取り出される。その後、空気は、回転式除湿ローター30の排気通路12側を通過し、空気に含まれる水分が回転式除湿ローター30に吸着され、排出口16から排出される。
【0032】
排出口16から排出される空気は空調機能を有し、換気、冷房、除湿、暖房として利用することができる。
【0033】
次に、本実施の形態の取水装置1により取水する場合と、従来の過冷却のみにより取水する場合とについてシミュレーションした結果を示す。いずれも、吸い込む空気の流量は4000m/h、外気湿度は60%とし、外気温度は0℃、5℃、10℃、20℃、30℃、35℃と変化させた。
【0034】
図2は、外気温度0℃、外気の絶対湿度2.26g/kgにおいて、取水装置1を用い取水する場合のシミュレーション結果である。この場合、第1の凝縮器42により加熱された後の空気の温度は26.5℃、湿度は10.6%、絶対湿度は2.26g/kg、第2の凝縮器52により加熱された後の空気の温度は50℃、湿度は3.0%、絶対湿度は2.26g/kg、回転式除湿ローター30の吸気通路11側を通過し加湿された後の温度は36℃、湿度は14.9%、絶対湿度は5.49g/kg、第1の蒸発器44で冷却された後の空気の温度は0℃、湿度は95.0%、絶対湿度は3.58g/kg、回転式除湿ローター30の排気通路12側を通過し除湿された後の温度は14℃、湿度は3.7%、絶対湿度は0.36g/kg、第2の蒸発器54で冷却された後の空気の温度は-0.3℃、湿度は9.8%、絶対湿度は0.36g/kgであった。また、絶対湿度の取水量は1.90g/kg、1時間当たりの取水量は6.1L/hであった。なお、図2に示した場合においては、除霜運転を1時間に20分行うとした。
【0035】
図3は、外気温度0℃、外気の絶対湿度2.26g/kgにおいて、従来の過冷却のみにより取水する場合のシミュレーション結果である。図3は、図2と外気の条件および装置内に吸い込む空気の流量を同一とし、できるだけ図2に示した場合と近い蒸発温度で試算した。この場合、蒸発器により冷却された後の空気の温度は-10.0℃、湿度は95.0%、絶対湿度は1.68であり、絶対湿度の取水量は0.58g/kg、1時間当たりの取水量は2.3L/hであった。なお、図3に示した場合においては、除霜運転を1時間に10分行うとした。
【0036】
図4は、外気温度5℃、外気の絶対湿度3.23g/kgにおいて、取水装置1を用い取水する場合のシミュレーション結果である。この場合、第1の凝縮器42により加熱された後の空気の温度は24.2℃、湿度は17.3%、絶対湿度は3.23g/kg、第2の凝縮器52により加熱された後の空気の温度は50℃、湿度は4.2%、絶対湿度は3.23g/kg、回転式除湿ローター30の吸気通路11側を通過し加湿された後の温度は32.2℃、湿度は28.0%、絶対湿度は8.38g/kg、第1の蒸発器44で冷却された後の空気の温度は8℃、湿度は95.0%、絶対湿度は6.32g/kg、回転式除湿ローター30の排気通路12側を通過し除湿された後の温度は25.8℃、湿度は5.7%、絶対湿度は1.17g/kg、第2の蒸発器54で冷却された後の空気の温度は8℃、湿度は18.0%、絶対湿度は1.19g/kgであった。また、絶対湿度の取水量は2.06g/kg、1時間当たりの取水量は9.9L/hであった。なお、図4に示した場合では、除霜運転は必要なく、連続運転とした。
【0037】
図5は、外気温度5℃、外気の絶対湿度3.23g/kgにおいて、従来の過冷却のみにより取水する場合のシミュレーション結果である。図5は、図4と外気の条件および装置内に吸い込む空気の流量を同一とし、できるだけ図4に示した場合と近い蒸発温度で試算した。この場合、蒸発器により冷却された後の空気の温度は-5.0℃、湿度は95.0%、絶対湿度は2.47であり、絶対湿度の取水量は0.76g/kg、1時間当たりの取水量は3.0L/hであった。なお、図5に示した場合では、連続で取水することはできず、除霜運転を1時間に10分行うとした。
【0038】
図6は、外気温度10℃、外気の絶対湿度4.56g/kgにおいて、取水装置1を用い取水する場合のシミュレーション結果である。この場合、第1の凝縮器42により加熱された後の空気の温度は31.4℃、湿度は16.0%、絶対湿度は4.56g/kg、第2の凝縮器52により加熱された後の空気の温度は50℃、湿度は6.0%、絶対湿度は4.56g/kg、回転式除湿ローター30の吸気通路11側を通過し加湿された後の温度は32.9℃、湿度は30.2%、絶対湿度は9.42g/kg、第1の蒸発器44で冷却された後の空気の温度は8℃、湿度は95.0%、絶対湿度は6.32g/kg、回転式除湿ローター30の排気通路12側を通過し除湿された後の温度は25.1℃、湿度は7.4%、絶対湿度は1.45g/kg、第2の蒸発器54で冷却された後の空気の温度は11.8℃、湿度は17.1%、絶対湿度は1.46g/kgであった。また、絶対湿度の取水量は3.10g/kg、1時間当たりの取水量は14.9L/hであった。なお、図6に示した場合では、除霜運転は必要なく、連続運転とした。
【0039】
図7は、外気温度10℃、外気の絶対湿度4.56g/kgにおいて、従来の過冷却のみにより取水する場合のシミュレーション結果である。図7は、図6と外気の条件および装置内に吸い込む空気の流量を同一とし、できるだけ図6に示した場合と近い蒸発温度で試算した。この場合、蒸発器により冷却された後の空気の温度は2.0℃、湿度は95.0%、絶対湿度は4.14であり、絶対湿度の取水量は0.41g/kg、1時間当たりの取水量は1.6L/hであった。なお、図7に示した場合では、連続で取水することはできず、除霜運転を1時間に10分行うとした。
【0040】
図8は、外気温度20℃、外気の絶対湿度8.73g/kgにおいて、取水装置1を用い取水する場合のシミュレーション結果である。なお、外気温度が20℃の場合には、第1の凝縮器42のみで空気を回転式除湿ローター30から水分を脱着させることができる温度まで加熱することが可能であるので、第2のヒートポンプ50は駆動させず停止した状態とした。この場合、第1の凝縮器42により加熱された後の空気の温度は50.0℃、湿度は11.4%、絶対湿度は8.73g/kg、回転式除湿ローター30の吸気通路11側を通過し加湿された後の温度は34.9℃、湿度は36.4%、絶対湿度は12.76g/kg、第1の蒸発器44で冷却された後の空気の温度は8℃、湿度は95.0%、絶対湿度は6.32g/kg、回転式除湿ローター30の排気通路12側を通過し除湿された後の温度は23.1℃、湿度は12.9%、絶対湿度は2.25g/kgであった。また、絶対湿度の取水量は6.44g/kg、1時間当たりの取水量は30.9L/hであった。なお、図8に示した場合では、除霜運転は必要なく、連続運転とした。
【0041】
図9は、外気温度20℃、外気の絶対湿度8.73g/kgにおいて、従来の過冷却のみにより取水する場合のシミュレーション結果である。図9は、図8と外気の条件および装置内に吸い込む空気の流量を同一とし、できるだけ図8に示した場合と近い蒸発温度で試算した。この場合、蒸発器により冷却された後の空気の温度は8.0℃、湿度は95.0%、絶対湿度は6.32であり、絶対湿度の取水量は2.42g/kg、1時間当たりの取水量は11.6L/hであった。なお、図9に示した場合では、除霜運転は必要なく、連続運転とした。
【0042】
図10は、外気温度30℃、外気の絶対湿度16.04g/kgにおいて、取水装置1を用い取水する場合のシミュレーション結果である。なお、外気温度が30℃の場合には、第1の凝縮器42のみで空気を回転式除湿ローター30から水分を脱着させることができる温度まで加熱することが可能であるので、第2のヒートポンプ50は駆動させず停止した状態とした。この場合、第1の凝縮器42により加熱された後の空気の温度は50.0℃、湿度は20.6%、絶対湿度は16.04g/kg、回転式除湿ローター30の吸気通路11側を通過し加湿された後の温度は37.7℃、湿度は45.8%、絶対湿度は18.9g/kg、第1の蒸発器44で冷却された後の空気の温度は8℃、湿度は95.0%、絶対湿度は6.32g/kg、回転式除湿ローター30の排気通路12側を通過し除湿された後の温度は20.3℃、湿度は23.4%、絶対湿度は3.44g/kgであった。また、絶対湿度の取水量は12.58g/kg、1時間当たりの取水量は60.4L/hであった。なお、図10に示した場合では、除霜運転は必要なく、連続運転とした。
【0043】
図11は、外気温度30℃、外気の絶対湿度16.04g/kgにおいて、従来の過冷却のみにより取水する場合のシミュレーション結果である。図11は、図10と外気の条件および装置内に吸い込む空気の流量を同一とし、できるだけ図10に示した場合と近い蒸発温度で試算した。この場合、蒸発器により冷却された後の空気の温度は8.0℃、湿度は95.0%、絶対湿度は6.32であり、絶対湿度の取水量は9.72g/kg、1時間当たりの取水量は46.7L/hであった。なお、図11に示した場合では、除霜運転は必要なく、連続運転とした。
【0044】
図12は、外気温度35℃、外気の絶対湿度21.44g/kgにおいて、取水装置1を用い取水する場合のシミュレーション結果である。なお、外気温度が35℃の場合には、第1の凝縮器42のみで空気を回転式除湿ローター30から水分を脱着させることができる温度まで加熱することが可能であるので、第2のヒートポンプ50は駆動させず停止した状態とした。この場合、第1の凝縮器42により加熱された後の空気の温度は50.0℃、湿度は27.3%、絶対湿度は21.44g/kg、回転式除湿ローター30の吸気通路11側を通過し加湿された後の温度は38.6℃、湿度は55.2%、絶対湿度は24.11g/kg、第1の蒸発器44で冷却された後の空気の温度は12℃、湿度は95.0%、絶対湿度は8.29g/kg、回転式除湿ローター30の排気通路12側を通過し除湿された後の温度は23.4℃、湿度は31.2%、絶対湿度は5.56g/kgであった。また、絶対湿度の取水量は15.82g/kg、1時間当たりの取水量は75.9L/hであった。なお、図12に示した場合では、除霜運転は必要なく、連続運転とした。
【0045】
図13は、外気温度35℃、外気の絶対湿度21.44g/kgにおいて、従来の過冷却のみにより取水する場合のシミュレーション結果である。図13は、図12と外気の条件および装置内に吸い込む空気の流量を同一とし、できるだけ図12に示した場合と近い蒸発温度で試算した。この場合、蒸発器により冷却された後の空気の温度は12.0℃、湿度は95.0%、絶対湿度は8.29であり、絶対湿度の取水量は13.15g/kg、1時間当たりの取水量は63.1L/hであった。なお、図13に示した場合では、除霜運転は必要なく、連続運転とした。
【0046】
以上のシミュレーションの結果から、本実施の形態の取水装置1によれば、従来の過冷却のみにより取水する場合に比べて、いずれの温度においても取水量を増加させることができることが分かった。特に、外気温度が10℃以下と低い場合であっても、空気の絶対湿度を高くすることにより、取水することができることが分かった。また、外気温度が10℃と低くても、霜取りせずに連続運転することができることも分かった。
【0047】
このように本実施の形態によれば、吸気通路11に一部が位置し、排気通路12に他の一部が位置するように回転式除湿ローター30を設け、第1の凝縮器42を回転式除湿ローター30の吸気通路11の側よりも上流側に配置し、第1の蒸発器44を回転式除湿ローター30の吸気通路11の側よりも下流側で、かつ、回転式除湿ローター30の排気通路12の側よりも上流側に配置するようにしたので、第1の凝縮器42により空気を加熱し、回転式除湿ローター30に吸着された水分を脱着(蒸発)させて、空気の絶対湿度を高くすることができる。よって、第1の蒸発器44における取水量を増やすことができる。
【0048】
また、第2の凝縮器52を回転式除湿ローター30の吸気通路11の側よりも上流側に配置するようにしたので、例えば、外気温度が10℃程度と低い場合であっても、第2の凝縮器52により空気を更に加熱し、回転式除湿ローター30に吸着された水分を脱着させることができる温度まで高くすることができる。よって、外気温度が10℃以下程度と低い場合であっても、空気の絶対湿度を高くすることができ、取水することができる。
【0049】
更に、第2の蒸発器54を回転式除湿ローター30の排気通路12の側よりも下流側に配置するようにしたので、例えば、外気温度が10℃程度と低い場合であっても、回転式除湿ローター30の排気通路12の側を通過し、凝縮熱により加温された空気から吸熱することができる。よって、外気温度が10℃程度と低い場合に、外気を利用する場合に比べて第2のヒートポンプ50の効率を高め、省エネルギーとすることができると共に、霜取りせずに連続運転することができる。
【0050】
加えて、排出口から排出される空気は空調機能を有し、換気、冷房、除湿、暖房として利用することができる。
【0051】
更にまた、筐体10と、第1のヒートポンプ40と、第2のヒートポンプ50とを一体的に形成するようにすれば、容易に移動させることができ、例えば、災害時等に必要な場所に移動させて容易に稼働させることができる。
【0052】
加えてまた、第2のヒートポンプ制御部62により第2のヒートポンプ50の駆動を制御するようにすれば、必要に応じて第2のヒートポンプ50を駆動させることができ、省エネ性を向上させることができる。
【0053】
更にまた、第2のヒートポンプ50は、熱媒体の流れを逆にすることにより、第2の凝縮器52と第2の蒸発器54との位置を逆にすることができるようにすれば、外気温度が例えば5℃よりも低い場合に、必要に応じて、霜取りをすることができる。
【0054】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、各構成要素について具体的に説明したが、全ての構成要素を備えている必要はなく、また、他の構成要素を備えていてもよい。
【0055】
例えば、筐体10の上に太陽電池発電装置を設け、得られた電力を送風機20、回転式除湿ローター30、第1のヒートポンプ40、及び、第2のヒートポンプ50の駆動に用いるようにしてもよい。また、例えば、筐体10の上に太陽熱温水器を設け、得られた温水を加熱コイルにより補助熱源として用いるようにしてもよい。このようにすれば、災害時等、電源が無い場合においても容易に利用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
空気から水を取り出す取水装置に用いることができる。
【符号の説明】
【0057】
1…取水装置、10…筐体、11…吸気通路、12…排気通路、13…隔壁、14…連通部、15…吸込口、16…排出口、17…フィルター、18…集水手段、20…送風機、30…回転式除湿ローター、31…ローター回転制御器、32…温度湿度センサ、40…第1のヒートポンプ、41…第1の圧縮機、42…第1の凝縮器、43…第1の膨張弁、44…第1の蒸発器、50…第2のヒートポンプ、51…第2の圧縮機、52…第2の凝縮器、53…第2の膨張弁、54…第2の蒸発器、61…第1のヒートポンプ制御部、62…第2のヒートポンプ制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-03-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中に含まれる水分を取り出す取水装置であって、
内部に、連通部により連通された吸気通路及び排気通路が設けられると共に、前記吸気通路に空気を吸い込む吸込口、及び、前記排気通路から空気を排出する排出口が設けられた筐体と、
前記吸込口から空気を吸い込み、前記吸気通路、前記連通路、及び、前記排気通路を通して、前記排出口から排出する送風機と、
前記吸気通路に一部が位置し、前記排気通路に他の一部が位置するように、前記吸気通路及び前記排気通路に跨って配設された回転式除湿ローターと、
第1の凝縮器及び第1の蒸発器を有する第1のヒートポンプと、
第2の凝縮器及び第2の蒸発器を有する第2のヒートポンプとを備え、
前記第1の凝縮器は、前記回転式除湿ローターの前記吸気通路側よりも上流側に配置され、前記第1の蒸発器は、前記回転式除湿ローターの前記吸気通路側よりも下流側で、かつ、前記回転式除湿ローターの前記排気通路側よりも上流側に配置され、
前記第2の凝縮器は、前記回転式除湿ローターの前記吸気通路側よりも上流側に配置され、前記第2の蒸発器は、前記回転式除湿ローターの前記排気通路側よりも下流側に配置され、
前記第1の蒸発器により空気を冷却して空気中の水分を取り出す
ことを特徴とする取水装置。
【請求項2】
前記筐体と、前記第1のヒートポンプと、前記第2のヒートポンプとは、一体的に形成されていることを特徴とする請求項1記載の取水装置。
【請求項3】
前記第2のヒートポンプの駆動を制御する第2のヒートポンプ制御部を備え、
前記第2のヒートポンプ制御部は、外気温度が8℃から12℃の範囲内の基準温度以下の場合に第2のヒートポンプを駆動することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の取水装置。
【請求項4】
前記第2のヒートポンプは、熱媒体の流れを逆にすることにより、前記第2の凝縮器と前記第2の蒸発器との位置を逆にすることが可能とされ、前記第2の凝縮器を前記回転式除湿ローターの前記排気通路側よりも下流側に配置し、前記第2の蒸発器を前記回転式除湿ローターの前記吸気通路側よりも上流側に配置することができるようにされたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1に記載の取水装置。