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  • 特開-車両用制御装置および車両 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102160
(43)【公開日】2023-07-24
(54)【発明の名称】車両用制御装置および車両
(51)【国際特許分類】
   B60L 15/20 20060101AFI20230714BHJP
   B60T 7/12 20060101ALI20230714BHJP
【FI】
B60L15/20 J
B60T7/12 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002571
(22)【出願日】2022-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 勇太
(72)【発明者】
【氏名】宮川 仁
【テーマコード(参考)】
3D246
5H125
【Fターム(参考)】
3D246AA08
3D246AA09
3D246BA02
3D246DA01
3D246EA05
3D246GB15
3D246GB22
3D246GC07
3D246HA28A
3D246HA94A
3D246HA97B
3D246HB08A
3D246HC01
3D246JB37
3D246JB43
3D246JB53
3D246KA11
5H125AA01
5H125AC12
5H125BA00
5H125CA01
5H125CB00
5H125DD07
5H125DD18
5H125EE09
5H125EE57
5H125EE62
(57)【要約】
【課題】車両が平地で飛び出す現象の発生を防止し、かつ、車両が坂路でずり下がることを防止することが可能な車両用制御装置および車両を提供する。
【解決手段】車両用制御装置は、動力源としてのモータを有する車両が坂路で下がらないように、車両の車輪に印加される制動力を解除する制動解除操作をしてから所定時間が経過するまで制動力を保持する坂道発進補助部と、車両の停車路面の勾配および車両の全体重量のそれぞれを取得する取得部と、所定時間において車両の停車路面の勾配および車両の全体重量のそれぞれに応じた閾値トルクを前記モータに発生させる制御を実行する制御部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力源としてのモータを有する車両が坂路で下がらないように、車両の車輪に印加される制動力を解除する制動解除操作をしてから所定時間が経過するまで前記制動力を保持する坂道発進補助部と、
車両の停車路面の勾配および車両の全体重量のそれぞれを取得する取得部と、
前記所定時間において前記車両の停車路面の勾配および前記車両の全体重量のそれぞれに応じた閾値トルクを前記モータに発生させる制御を実行する制御部と、
を備える、
車両用制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記モータが前記閾値トルクを発生した場合、前記制動力の保持を解除するように前記坂道発進補助部を制御する、
請求項1に記載の車両用制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記モータが前記閾値トルクを発生するまで、前記制動力を保持するように前記坂道発進補助部を制御する、
請求項1に記載の車両用制御装置。
【請求項4】
車両の荷台に積載された荷物の重量である積載重量と、予め記憶された車両重量とを合算した値を前記全体重量として算出する全体重量算出部をさらに備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記所定時間の長さが複数の段階に設定された前記所定時間の中から選択された前記所定時間において前記閾値トルクを発生させる制御を実行する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用制御装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用制御装置を備える車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用制御装置および車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両が坂路で停止している状態において、ブレーキペダルを開放しても、車両の車輪に印加される制動力を保持する坂道発進補助装置が知られている。
【0003】
例えば、駆動源としてのモータを有する車両において、ブレーキ操作が解除され、かつ、モータにモータリングトルクが発生したことを条件に、パーキングブレーキロック機構のロック解除操作を実行させる坂道発進補助装置が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-162319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の坂道発進補助装置では、車両が坂路でずり下がらないために、モータリングトルクを高く設定した場合、車輪に印加される制動力の保持を解除したとき、車両が平地で飛び出す現象が発生する場合がある。また、例えば、車両が平地で飛び出さないために、モータリングトルクを低く設定した場合、車両が坂路で、図1に示すように、制動力の保持を解除してから時間t1[sec]経過した場合に、車両がL1[m]ずり下がる場合があるという問題がある。
【0006】
本開示の目的は、車両が平地で飛び出す現象の発生を防止し、かつ、車両が坂路でずり下がることを防止することが可能な車両用制御装置および車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本開示における車両用制御装置は、
動力源としてのモータを有する車両が坂路で下がらないように、車両の車輪に印加される制動力を解除する制動解除操作をしてから所定時間が経過するまで前記制動力を保持する坂道発進補助部と、
車両の停車路面の勾配および車両の全体重量のそれぞれを取得する取得部と、
前記所定時間において前記車両の停車路面の勾配および前記車両の全体重量のそれぞれに応じた閾値トルクを前記モータに発生させる制御を実行する制御部と、
を備える。
【0008】
本開示における車両は、上記の車両用制御装置を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、車両が平地で飛び出す現象の発生を防止し、かつ、車両が坂路でずり下がることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、制動力の保持を解除してからの経過時間とずり下がり量との関係を示す図である。
図2図2は、車両の構成を模式的に示す構成図である。
図3図3は、車両の制御装置の構成を示す構成ブロック図である。
図4図4は、停車路面の勾配および車両の全体重量のそれぞれと閾値トルクとが対応付けられたテーブルを示す図である。
図5A図5Aは、通常速度で上昇するモータリングトルクと所定時間との関係を示す図である。
図5B図5Bは、低速で上昇するモータリングトルクと所定時間との関係を示す図である。
図5C図5Cは、高速で上昇するモータリングトルクと所定時間との関係を示す図である。
図6図6は、車両の制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図2は、車両1の構成を模式的に示す構成図である。車両1は、駆動輪2を有する電気自動車である。車両1は、パワーコントロール部12と、モータジェネレータ14と、バッテリー16と、制御装置20と、勾配センサー32と、加速センサー34と、トルクセンサー36とを有している。
【0012】
パワーコントロール部12は、バッテリー16に接続されている。バッテリー16の電力は、パワーコントロール部12を介してモータジェネレータ14に供給される。モータジェネレータ14は、供給されたバッテリー16の電力によりモータリングトルクを発生するモータとして機能する。モータジェネレータ14のモータリングトルクにより、駆動輪2が駆動する。
【0013】
モータジェネレータ14は、制動時、駆動輪2から回転力が付与されると発電機として機能する。モータジェネレータ14により発電された電力は、パワーコントロール部12を介してバッテリー16に蓄電される。
【0014】
ブレーキ装置40は、運転手に操作させるブレーキペダル42と、ブレーキペダル42の踏み込み量に応じてブレーキ液圧を発生させるマスターシリンダ44と、駆動輪2に設けられるディスクロータ46と、ディスクロータ46を制動するキャリパ(不図示)と、ブレーキアクチュエータ48とを備えている。ブレーキアクチュエータ48は、マスターシリンダ44からキャリパに伝達されるブレーキ液圧を増減させる。ブレーキペダル42による制動操作時にブレーキ液圧が増加することで、キャリパがディスクロータ46を制動する。換言すれば、駆動輪2に制動力が印加される。ブレーキペダル42による制動解除操作時にブレーキ液圧が減少することで、駆動輪2に印加される制動力が解除される。
【0015】
本実施の形態においては、車両1が坂路で停止している状態において、ブレーキペダル42による制動解除操作後から所定時間経過するまで、駆動輪2に印加される制動力を保持するように、ブレーキアクチュエータ48が制御される。ブレーキアクチュエータ48は、本開示の「坂道発進補助部」に対応する。
【0016】
勾配センサー32は、車両1の停車路面の勾配を検出する。勾配センサー32の検出結果(停車路面の勾配)は、制御装置20に入力される。
【0017】
加速センサー34は、車両の加速度を検出する。加速度センサー34の検出結果(車両の加速度)は、制御装置20に入力される。
トルクセンサー36は、モータの回転数や回転方向などを検出する。トルクセンサー36の検出結果は、制御装置20に入力される。
【0018】
制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入力ポート、出力ポート等を備えている。制御装置20のCPUは、ROMに記憶された所定のプログラムをRAMに展開して、各種機能を実行する。
【0019】
図3は、制御装置20の構成を示す構成ブロック図である。制御装置20は、各種機能として取得部21、全体重量算出部22、制御部23、記憶部24および積載重量推定部25を有する。
【0020】
取得部21は、勾配センサー32の検出結果(停車路面の勾配)を取得する。また、取得部21は、加速度センサー34の検出結果(車両の加速度)を取得する。また、取得部21は、トルクセンサー36の検出結果(車両の駆動力)を取得する。
積載重量推定部25は、車両の加速度および車両の駆動力との関係により、荷台に積載された荷物の積載重量を推定する。
【0021】
全体重量算出部22は、積載重量推定部22により推定された積載重量、および、予め記憶された車両重量を加算することにより、全体重量を算出する。ここで、「車両重量」とは、車両そのものの重さであり、車種毎に一定であって、記憶部24に予め記憶される。車両重量を記憶する記憶部24は、例えば、ROMである。
【0022】
図4は、停車路面の勾配および車両の全体重量のそれぞれと閾値トルクとが対応付けられたテーブルを示す図である。図4に示すように、勾配θは(m+1)個に区分けされている。また、全体重量Wは(n+1)個に区分けされている。なお、m、nは、それぞれ1以上の整数である。なお、停車路面の勾配および車両の全体重量のそれぞれの区分けや、区分けされる個数や、停車路面の勾配および車両の全体重量のそれぞれと対応する閾値トルクは、実験やシミュレーションにより求めることが可能である。
【0023】
制御部23は、停車路面の勾配および車両の全体重量のそれぞれに基づき、図4に示すテーブルを参照して閾値トルクを求める。図4に示すテーブルは、記憶部24に予め記憶される。なお、停車路面の勾配および車両の全体重量に基づき、予め定められた数式を参照して閾値トルクを算出してもよい。
【0024】
制御部23は、ブレーキペダル42による制動解除操作後から所定時間経過するまで、駆動輪2に印加される制動力を保持するように、ブレーキアクチュエータ48を制御する。また、制御部23は、モータジェネレータ14が所定時間において閾値トルクを発生するように、パワーコントロール部12を介してモータジェネレータ14を制御する。
【0025】
図5Aは、通常速度で上昇するモータリングトルクと所定時間との関係を示す図である。制御部23は、モータリングトルクが図5Aに示す通常速度で上昇するように、モータジェネレータ14を制御する。これにより、図5Aに示すように、モータリングトルクは所定時間で閾値トルクに達する。
【0026】
制御部23は、モータジェネレータ14が閾値トルクを発生した場合、駆動輪2に印加される制動力の保持を解除するようにブレーキアクチュエータ48を制御する。換言すれば、制御部23は、モータジェネレータ14が閾値トルクを発生するまで、駆動輪2に印加される制動力を保持するようにブレーキアクチュエータ48を制御する。
【0027】
次に、車両の制御装置20の動作の一例について図6を参照して説明する。図6は、車両の制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。本フローは、パワースイッチをオンすることにより開始される。なお、制御装置20の各機能をCPUが実施するものとして説明する。
【0028】
先ず、ステップS100において、CPUは、勾配センサー32の検出結果(停車路面の勾配)を取得する。
【0029】
次に、ステップS110において、CPUは、加速度センサー34の検出結果(車両の加速度)を取得する。
【0030】
次に、ステップS120において、CPUは、トルクセンサー36の検出結果(車両の駆動力)を取得する。
【0031】
次に、ステップS130において、CPUは、車両の加速度および車両の駆動力との関係により、積載重量を推定する。
【0032】
次に、ステップS140において、CPUは、推定された積載重量、および、予め記憶された車両重量を加算する。
【0033】
次に、ステップS150において、CPUは、停車路面の勾配および車両の全体重量のそれぞれに基づき、図4に示すテーブルを参照して閾値トルクを求める。
【0034】
次に、ステップS160において、CPUは、モータジェネレータ14が閾値トルクを発生したか否かについて判定する。閾値トルクが発生した場合(ステップS160:YES)、処理はステップS170に遷移する。閾値トルクが発生しない場合(ステップS160:NO)、処理はステップS180に遷移する。
【0035】
ステップS170において、CPUは、駆動輪2に印加される制動力の保持を解除するようにブレーキアクチュエータ48を制御する。
【0036】
ステップS180において、CPUは、駆動輪2に印加される制動力を保持するようにブレーキアクチュエータ48を制御する。その後、処理はステップS160の前に戻る。
【0037】
上記実施の形態に係る制御装置20は、動力源としてのモータジェネレータ14を有する車両1が坂路で下がらないように、車両1の駆動輪2に印加される制動力を解除する制動解除操作をしてから所定時間が経過するまで制動力を保持するブレーキアクチュエータ48と、車両1の停車路面の勾配および車両の全体重量のそれぞれを取得する取得部21と、所定時間において車両1の停車路面の勾配および車両の全体重量のそれぞれに応じた閾値トルクをモータジェネレータ14に発生させる制御を実行する制御部23と、を備える。
【0038】
上記構成によれば、停止路面の勾配が緩いほど、また、全体重量が軽いほど、閾値トルクが低く抑えられるため、車両1が平地で飛び出す現象の発生を防止することが可能となる。また、停車路面の勾配が急であるほど、また、全体重量が重いほど、閾値トルクが高くなるため、車両1が坂路でずり下がることを防止することが可能となる。
【0039】
また、上記実施の形態に係る制御装置20では、制御部23は、モータジェネレータ14が閾値トルクを発生した場合、制動力の保持を解除するようにブレーキアクチュエータ48を制御する。これにより、制動力の保持を解除するとき、モータリングトルクが閾値トルクに達しているため、車両1のずり下がりを防止することが可能となる。
【0040】
また、上記実施の形態に係る制御装置20では、制御部23は、モータジェネレータ14が閾値トルクを発生するまで、制動力を保持するようにブレーキアクチュエータ48を制御する。これにより、モータリングトルクが閾値トルクに達していないモータリングトルクの不足状態では、制動力の保持が解除されないため、車両1のずり下がりを防止することが可能となる。
【0041】
なお、上記実施の形態では、モータリングトルクが図5Aに示す通常速度で上昇するように、モータジェネレータ14を制御したが、本開示はこれに限らない。例えば、モータリングトルクの上昇速度を通常速度よりも低速にしてもよく、通常速度よりも高速にしてもよい。図5Bは、低速で上昇するモータリングトルクと所定時間との関係を示す図である。また、図5Cは、高速で上昇するモータリングトルクと所定時間との関係を示す図である。なお、所定時間の長さ(モータリングトルクの上昇速度)は、3段階に限らず、複数の段階であればよい。所定時間の長さは、例えば、ユーザーにより選択されてもよく、停車路面の勾配や全体重量に基づいて自動的に選択されてもよい。この場合、制御部23は、所定時間の長さが複数の段階に設定された所定時間の中から選択された所定時間において閾値トルクを発生させる制御を実行する。
【0042】
また、上記実施の形態に係る車両の制御装置20では、全体重量算出部22が積載重量と車両重量とを合算した合算値を全体重量として算出したが、本開示はこれに限らず、例えば、車両に搭乗する搭乗者の搭乗者重量を合算値に加えた値を全体重量として算出してもよい。
【0043】
また、上記実施の形態に係る車両の制御装置20では、車両の駆動力および車両の加速度に基づいて積載重量を推定する積載重量推定部25を備えたが、本開示はこれに限らず、例えば、荷物を積載する荷台に重量センサーを設けてもよい。この場合、重量センサーは、荷台に積載された荷物の積載重量を検出する。重量センサーの検出結果(積載重量)は、制御装置20に入力される。
【0044】
その他、上記実施の形態は、何れも本開示の実施をするにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本開示はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本開示は、車両が平地で飛び出す現象の発生を防止し、かつ、車両が坂路でずり下がることを防止することが要求される制御装置を備える車両に好適に利用される。
【符号の説明】
【0046】
1 車両
2 駆動輪
12 パワーコントロール部
14 モータジェネレータ
16 バッテリー
20 制御装置
21 取得部
22 全体重量算出部
23 制御部
24 記憶部
25 積載重量推定部
32 勾配センサー
34 加速度センサー
36 トルクセンサー
40 ブレーキ装置
42 ブレーキペダル
44 マスターシリンダ
46 ディスクロータ
48 ブレーキアクチュエータ
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-04-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力源としてのモータを有する車両が坂路で下がらないように、車両の車輪に印加される制動力を解除する制動解除操作をしてから所定時間が経過するまで前記制動力を保持する坂道発進補助部と、
車両の停車路面の勾配および車両の全体重量のそれぞれを取得する取得部と、
前記所定時間において前記車両の停車路面の勾配および前記車両の全体重量のそれぞれに応じた閾値トルクを前記モータに発生させる制御を実行する制御部と、
を備え
前記制御部は、前記所定時間の長さが複数の段階に設定された前記所定時間の中から選択された前記所定時間において前記閾値トルクを発生させる制御を実行する、
車両用制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記モータが前記閾値トルクを発生した場合、前記制動力の保持を解除するように前記坂道発進補助部を制御する、
請求項1に記載の車両用制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記モータが前記閾値トルクを発生するまで、前記制動力を保持するように前記坂道発進補助部を制御する、
請求項1に記載の車両用制御装置。
【請求項4】
車両の荷台に積載された荷物の重量である積載重量と、予め記憶された車両重量とを合算した値を前記全体重量として算出する全体重量算出部をさらに備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用制御装置。
【請求項5】
請求項1からのいずれか一項に記載の車両用制御装置を備える車両。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記の目的を達成するため、本開示における車両用制御装置は、
動力源としてのモータを有する車両が坂路で下がらないように、車両の車輪に印加される制動力を解除する制動解除操作をしてから所定時間が経過するまで前記制動力を保持する坂道発進補助部と、
車両の停車路面の勾配および車両の全体重量のそれぞれを取得する取得部と、
前記所定時間において前記車両の停車路面の勾配および前記車両の全体重量のそれぞれに応じた閾値トルクを前記モータに発生させる制御を実行する制御部と、
を備え
前記制御部は、前記所定時間の長さが複数の段階に設定された前記所定時間の中から選択された前記所定時間において前記閾値トルクを発生させる制御を実行する。