(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102226
(43)【公開日】2023-07-24
(54)【発明の名称】コテ刷毛及びそれ用のブラシ部
(51)【国際特許分類】
A46B 5/00 20060101AFI20230714BHJP
A44B 18/00 20060101ALI20230714BHJP
A46B 9/02 20060101ALI20230714BHJP
【FI】
A46B5/00 A
A44B18/00
A46B9/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002665
(22)【出願日】2022-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】506197934
【氏名又は名称】シーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108958
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 英一
(72)【発明者】
【氏名】富田 晃吏
【テーマコード(参考)】
3B100
3B202
【Fターム(参考)】
3B100DA01
3B100DB05
3B202AA31
3B202AB15
3B202BA15
3B202CA02
3B202EA01
3B202EF10
3B202EG20
3B202EH06
(57)【要約】
【課題】 刷毛に付着した塗料やうすめ液を容易に除去可能にする。
【解決手段】 本発明のコテ刷毛1は、略板形に形成されている基板3と、該基板3の表面に設けられた持ち手4と、該基板3の裏面に固着された、面ファスナーの雄機能を持つ係合素子5とを備える把持部2と、該把持部2における基板3の裏面側に対して着脱可能に装着されるブラシ部6とを備えることにより、コテ状に形成されている。ブラシ部6は、略板形に形成された、スポンジ状の樹脂製のクッション部7と、該クッション部7の少なくとも反基板側の面の略全体に固着された、起毛状のブラシ材8と、クッション部7における前記基板側の面に固着された、係合素子5と係合する雌機能を持つループを有する繊維糸条を少なくとも用いて形成された不織布からなる表面材9とを備えており、係合素子5と前記ループを係脱させることにより、基板3の裏面側に対して着脱可能に構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略板形に形成されている基板と、該基板の表面に設けられた持ち手と、該基板の裏面に固着された、面ファスナーの雄機能を持つ係合素子とを備える把持部と、
該把持部における前記基板の裏面側に対して着脱可能に装着されるブラシ部とを備えることにより、コテ状に形成されているコテ刷毛であって、
前記ブラシ部は、略板形に形成された、スポンジ状の樹脂製のクッション部と、該クッション部の少なくとも反基板側の面の略全体に固着された、起毛状のブラシ材と、前記クッション部における前記基板側の面に固着された、前記係合素子と係合する雌機能を持つループを有する繊維糸条を少なくとも用いて形成された織布又は不織布からなる表面材とを備えており、
前記係合素子と前記ループを係脱させることにより、前記基板の裏面側に対して着脱可能に構成されているコテ刷毛。
【請求項2】
前記ブラシ材は、一方の面に多数の毛が植設された、可撓性を有するシート状体であり、
該シート状体の他方の面が前記クッション部に固着されている請求項1記載のコテ刷毛。
【請求項3】
前記ブラシ材は、前記クッション部における反基板側の面の略全体から少なくともいずれかの側面の略全体を経由して該側面に隣接する基板側の面の端部にかけて配設されている請求項1又は2記載のコテ刷毛。
【請求項4】
略板形に形成されている基板と、該基板の表面に設けられた持ち手と、該基板の裏面に固着された、面ファスナーの雄機能を持つ係合素子とを備える把持部における前記基板の裏面側に対して着脱可能に装着されることにより、前記把持部とともにコテ状のコテ刷毛を構成するブラシ部であって、
略板形に形成された、スポンジ状の樹脂製のクッション部と、該クッション部の少なくとも反基板側の面の略全体に固着された、起毛状のブラシ材と、前記クッション部における前記基板側の面に固着された、前記係合素子と係合する雌機能を持つループを有する繊維糸条を少なくとも用いて形成された織布又は不織布からなる表面材とを備えており、
前記係合素子と前記ループを係脱させることにより、前記基板の裏面側に対して着脱可能に構成されているコテ刷毛用のブラシ部。
【請求項5】
前記ブラシ材は、一方の面に多数の毛が植設された、可撓性を有するシート状体であり、
該シート状体の他方の面が前記クッション部に固着されている請求項4記載のコテ刷毛用のブラシ部。
【請求項6】
前記ブラシ材は、前記クッション部における反基板側の面の略全体から少なくともいずれかの側面の略全体を経由して該側面に隣接する基板側の面の端部にかけて配設されている請求項4又は5記載のコテ刷毛用のブラシ部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コテ状のコテ刷毛及びそれ用のブラシ部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
背景技術としては、特許文献1に記載された塗装用ブラシを例示する。この塗装用ブラシ101は、
図10に示すように、複数の短い毛110が裏面120bの全体に亘って植設された基板120と、基板120の表面120aに固定された把持部130と、を備えることにより、コテ状に形成されている。この塗装用ブラシ101の寸法は正面視において、横50mm×縦90mmであり、毛110の長さは約5mmである。
【0003】
基板120は、第1基板121と第2基板122と第3基板123とを協働させて強固に形成されている。
【0004】
この塗装用ブラシ101を用いて塗装するには、毛110に塗料を含ませ、被塗装体の表面に毛110を当接させた状態で塗装用ブラシ101を移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1の塗装用ブラシ101を用いた塗装作業が終了した後、その次の使用時に備えて、基板120の裏面120bの全体に亘って植設された複数の短い毛110に含ませた塗料を除去するには、塗装用ブラシ101の少なくとも基板120及び毛110の部分を塗料のうすめ液(水性塗料における水、油性塗料におけるシンナー等)に漬け、毛110に付いた塗料を洗い流す必要がある。しかしながら、この塗装用ブラシ101は、前述したように、強固に形成されている基板120の裏面120bの全体に亘って、複数の短い毛110が植設されているので、該複数の短い毛110の特に根元部分が洗い難く、しかも、その洗いに使用したうすめ液を該複数の短い毛110から除去し難いという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、第1の発明のコテ刷毛は、
略板形に形成されている基板と、該基板の表面に設けられた持ち手と、該基板の裏面に固着された、面ファスナーの雄機能を持つ係合素子とを備える把持部と、
該把持部における前記基板の裏面側に対して着脱可能に装着されるブラシ部とを備えることにより、コテ状に形成されているコテ刷毛であって、
前記ブラシ部は、略板形に形成された、スポンジ状の樹脂製のクッション部と、該クッション部の少なくとも反基板側の面の略全体に固着された、起毛状のブラシ材と、前記クッション部における前記基板側の面に固着された、前記係合素子と係合する雌機能を持つループを有する繊維糸条を少なくとも用いて形成された織布又は不織布からなる表面材とを備えており、
前記係合素子と前記ループを係脱させることにより、前記基板の裏面側に対して着脱可能に構成されている。
【0008】
前記固着の態様としては、特に限定されないが、溶着(例えば、熱溶着、振動溶着等。)、接着(例えば、接着剤によるもの、両面テープによるもの等。)等の態様を例示する。この固着の態様は、後述する他の発明においても同様である。前記固着の各態様に使用するものの材質は、コテ刷毛で扱おうとする塗料やそのうすめ液(水性塗料における水、油性塗料におけるシンナー等)に対する耐性のあるものを採用することにより、耐久性を向上させるとよい。
【0009】
この構成によれば、前記ブラシ部は、前記基板に着脱可能に構成されているので、塗装作業が終了した後、その次の使用時に備えて、前記ブラシ部における前記クッション部や前記ブラシ材に付いた塗料を洗い流すときに、該ブラシ部を取り外してそれだけを塗料のうすめ液に漬けて洗い流すことができる。さらに、前記ブラシ部のすべての構成要素が柔軟性を有する素材で形成されているとともに、前記表面材が織布又は不織布からなっているので、前記ブラシ部全体を揉んだり絞ったりしながら、前記クッション部や前記ブラシ材に付着した塗料を洗い流したり、その洗いに使用したうすめ液を除去したりすることができる。
【0010】
第2の発明のコテ刷毛としては、前記第1の発明において
前記ブラシ材は、一方の面に多数の毛が植設された、可撓性を有するシート状体であり、
該シート状体の他方の面が前記クッション部に固着されている態様を例示する。
【0011】
この構成によれば、前記ブラシ部全体を揉んだり絞ったりする柔軟性を大きく損なうことなく、前記ブラシ材を低コストに構成することができる。
【0012】
第3の発明のコテ刷毛としては、前記第1又は2の発明において
前記ブラシ材は、前記クッション部における反基板側の面の略全体から少なくともいずれかの側面の略全体を経由して該側面に隣接する基板側の面の端部にかけて配設されている態様を例示する。
【0013】
この構成によれば、前記ブラシ材が、前記クッション部における反基板側の面の略全体だけでなく、前記クッション部における前記少なくともいずれかの側面の略全体等にも配設されているので、反基板側の面とともに該側面等に配設された前記ブラシ材を用いて凹んだ部分や、入隅(いりずみ)になっている部分や、溝状になっている部分等の塗装を容易に行うことができる。また、前記ブラシ材が前記少なくともいずれかの側面の略全体だけでなく、該側面に隣接する基板側の面の端部にかけて配設されているので、前記クッション部に対して前記ブラシ材を固着させるときに、該クッション部の基板側の面及び反基板側の面の両面を加圧すればよく(仮に、該クッション部の側面に隣接する基板側の面の端部にかけて配設されていない場合、該クッション部の側面を加圧しなければならなくなる。)、簡単な加圧方法(例えば、同両面側にそれぞれ配設された一対の加圧ローラーの間を通過させることにより加圧する方法)を用いることにより、前記クッション部に対して前記ブラシ材を強固に固着することができ、前記ブラシ部全体を揉んだり絞ったりすることに対する耐久性を向上させることができる。
【0014】
前記課題を解決するために、第4の発明のコテ刷毛用のブラシ部は、
略板形に形成されている基板と、該基板の表面に設けられた持ち手と、該基板の裏面に固着された、面ファスナーの雄機能を持つ係合素子とを備える把持部における前記基板の裏面側に対して着脱可能に装着されることにより、前記把持部とともにコテ状のコテ刷毛を構成するブラシ部であって、
略板形に形成された、スポンジ状の樹脂製のクッション部と、該クッション部の少なくとも反基板側の面の略全体に固着された、起毛状のブラシ材と、前記クッション部における前記基板側の面に固着された、前記係合素子と係合する雌機能を持つループを有する繊維糸条を少なくとも用いて形成された織布又は不織布からなる表面材とを備えており、
前記係合素子と前記ループを係脱させることにより、前記基板の裏面側に対して着脱可能に構成されている。
【0015】
この構成によっても、第1の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0016】
第5の発明のコテ刷毛用のブラシ部としては、前記第4の発明において
前記ブラシ材は、一方の面に多数の毛が植設された、可撓性を有するシート状体であり、
該シート状体の他方の面が前記クッション部に固着されている態様を例示する。
【0017】
この構成によっても、第2の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0018】
第6の発明のコテ刷毛用のブラシ部としては、前記第4又は5の発明において
前記ブラシ材は、前記クッション部における反基板側の面の略全体から少なくともいずれかの側面の略全体を経由して該側面に隣接する基板側の面の端部にかけて配設されている態様を例示する。
【0019】
この構成によっても、第3の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るコテ刷毛及びそれ用のブラシ部によれば、ブラシ部に付いた塗料を洗い流したり、その洗いに使用したうすめ液を除去したりすることが容易にできるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明を具体化した一実施形態に係るコテ刷毛の斜視図である。
【
図6】同コテ刷毛における把持部からブラシ部を取り外した状態の側面図である。
【
図8】同コテ刷毛におけるブラシ部の平面図である。
【
図9】同コテ刷毛における把持部の分解側面図である。
【
図10】背景技術に係る塗装用ブラシの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1~
図9は本発明を具体化した一実施形態のコテ刷毛1を示している。本例のコテ刷毛1は、染色塗料を壁の表面に張設された壁紙クロスに塗布し、該壁紙クロスを染色するためのものであり、把持部2及びブラシ部6とを備えることによりコテ状に形成されている。
【0023】
把持部2は、基板3と、該基板3の表面に設けられた持ち手4と、該基板3の裏面に固着された係合素子5とを備えている。把持部2の各部の材質としては特に限定されないが、木材、金属又は樹脂製とすることを例示する。
【0024】
基板3は、平面視で略矩形の略板形に形成されており、サイズとしては、特に限定されないが、短辺が75~80mm、長辺が240mmに形成することを例示する。基板3の材質としては特に限定されないが、木材、金属又は樹脂製とすることを例示する。基板3の底面は、
図5に示すように、湾曲形成されており、それにより塗装中にブラシ部6の底面の略全体が塗装面に接触した状態から、ブラシ部6をその正面の縁部側又は背面の縁部側へ移動させると同時に該縁部側をわずかに浮かせながら徐々に塗装面から離すときに、その反対側の縁部側がスムーズに塗装面から離れやすく、塗装ムラの発生を低減可能になっている。
【0025】
持ち手4は、略逆U字状に形成されており、その両端部がスペーサー4aを介して基板に対してネジ4bで着脱可能に固定されてなっている。スペーサー4aは、使用者の手の大きさに応じて基板に対する持ち手4の高さを調整するためのものである。
【0026】
係合素子5は、面ファスナーの雄機能を持つものであり、本例では、クラレファスニング社の面ファスナー製品であるマジロック(登録商標)を採用している。
【0027】
ブラシ部6は、該把持部2における基板3の裏面側に対して着脱可能に装着されるようになっており、クッション部7と、ブラシ材8と、表面材9とを備えており、サイズとしては、特に限定されないが、短辺が80mm、長辺が262mmに形成することを例示する。
【0028】
クッション部7は、略板形に形成された、スポンジ状のウレタン樹脂製となっており、サイズとしては、特に限定されないが、短辺が80mm、長辺が255mm、厚さが10mmに形成することを例示する。
【0029】
ブラシ材8は、起毛状のパイル生地となっており、本例では、一方の面に多数の毛8aが植設された、可撓性を有するシート状体8bであり、該シート状体8bの他方の面がクッション部7に固着されている。ブラシ材8をクッション部7に固着する方法としては、本例では、両者の間に両面テープを配設し、その状態でプレス機により圧着する方法を採用している。本例では、毛8aはナイロン又はポリエステル製であり、特に限定されないが、長さが3~13mmに形成すること、好ましくは5~7mmに形成することを例示する。このブラシ材8は、クッション部7における反基板側の面の略全体から少なくともいずれかの側面の略全体を経由して該側面に隣接する基板側の面の端部にかけて配設されている。
【0030】
表面材9は、クッション部7における前記基板側の面であって、ブラシ材8が配設されていない部分の略全体に固着された、係合素子5と係合する雌機能を持つループを有する繊維糸条を少なくとも用いて形成された不織布からなっており、係合素子5と前記ループを係脱させることにより、基板3の裏面側に対して着脱可能に構成されている。表面材9をクッション部7に固着する方法としては、本例では、両者の間に両面テープを配設し、その状態でプレス機により圧着する方法を採用している。この構成により、把持部2とブラシ部6は、平面図における互いの相対的な位置や向きを適宜変更できるようになっている。
【0031】
次に、本例のコテ刷毛1について、塗装作業が終了した後、その次の使用時に備えて、ブラシ部6におけるクッション部7やブラシ材8に付いた塗料を洗い流す方法を説明する。
(1)まず、把持部2からブラシ部6を取り外す。
(2)次いで、ブラシ部6を塗料のうすめ液(水性塗料における水、油性塗料におけるシンナー等)に漬けて、ブラシ部6全体を揉んだり絞ったりしながら、クッション部7やブラシ材8に付着した塗料を洗い流す。
(3)最後に、ブラシ部6を塗料のうすめ液から取り出し、ブラシ部6全体を揉んだり絞ったりしながら、クッション部7やブラシ材8に付着した塗料のうすめ液を除去する。
【0032】
以上のように構成された本例のコテ刷毛1及びそれ用のブラシ部6によれば、ブラシ部6は、基板3に着脱可能に構成されているので、塗装作業が終了した後、その次の使用時に備えて、ブラシ部6におけるクッション部7やブラシ材8に付いた塗料を洗い流すときに、該ブラシ部6を取り外してそれだけを塗料のうすめ液(水性塗料における水、油性塗料におけるシンナー等)に漬けて洗い流すことができる。さらに、ブラシ部6のすべての構成要素が柔軟性を有する素材で形成されているとともに、表面材9が織布又は不織布からなっているので、ブラシ部6全体を揉んだり絞ったりしながら、クッション部7やブラシ材8に付着した塗料を洗い流したり、その洗いに使用したうすめ液を除去したりすることができる。
【0033】
また、ブラシ材8は、一方の面に多数の毛が植設された、可撓性を有するシート状体であり、該シート状体の他方の面がクッション部7の少なくとも反基板側の面の略全体に固着されている。この構成によれば、ブラシ部6全体を揉んだり絞ったりする柔軟性を大きく損なうことなく、ブラシ材8を低コストに構成することができる。
【0034】
さらに、ブラシ材8は、クッション部7における反基板側の面の略全体から少なくともいずれかの側面の略全体を経由して該側面に隣接する基板側の面の端部にかけて配設されている。この構成によれば、ブラシ材8が、クッション部7における反基板側の面の略全体だけでなく、クッション部7における前記少なくともいずれかの側面の略全体等にも配設されているので、反基板側の面とともに該側面等に配設されたブラシ材8を用いて凹んだ部分や、入隅(いりずみ)になっている部分や、溝状になっている部分等の塗装を容易に行うことができる。また、ブラシ材8が前記少なくともいずれかの側面の略全体だけでなく、該側面に隣接する基板側の面の端部にかけて配設されているので、クッション部7に対してブラシ材8を固着させるときに、該クッション部7の基板側の面及び反基板側の面の両面を加圧すればよく(仮に、クッション部7の側面に隣接する基板側の面の端部にかけて配設されていない場合、クッション部7の側面を加圧しなければならなくなる。)、簡単な加圧方法(例えば、同両面側にそれぞれ配設された一対の加圧ローラーの間を通過させることにより加圧する方法)を用いることにより、クッション部7に対してブラシ材8を強固に固着することができ、ブラシ部6全体を揉んだり絞ったりすることに対する耐久性を向上させることができる。
【0035】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)表面材9としては、クッション部7における前記基板側の面に固着された、係合素子5と係合する雌機能を持つループを有する繊維糸条を少なくとも用いて形成された織布である態様を採用すること。
(2)ブラシ材8としては、クッション部7における反基板側の面の略全体から背中合わせになっている両側面の略全体を経由して該各側面に隣接する基板側の面の端部にかけて配設されている態様を採用すること。
(3)ブラシ材8は、クッション部7における反基板側の面の略全体から少なくともいずれかの側面の略全体を経由して該側面に隣接する基板側の面の端部にかけて配設されている態様において、前記クッション部7における前記反基板側の面と前記側面との境界を湾曲面で面取りした形状にしたり、同前記基板側の面と前記側面との境界を湾曲面で面取りした形状にしたりすること。
(4)ブラシ材8は、シート状体8bの法線方向に対して毛8aが傾斜した状態で植設されている態様にすること。
【符号の説明】
【0036】
1 コテ刷毛
2 把持部
3 基板
4 持ち手
4a スペーサー
4b ネジ
5 係合素子
6 ブラシ部
7 クッション部
8 ブラシ材
8a 毛
8b シート状体
9 表面材