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  • 特開-トイレの手洗いの温水装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102234
(43)【公開日】2023-07-24
(54)【発明の名称】トイレの手洗いの温水装置
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/044 20060101AFI20230714BHJP
   E03C 1/042 20060101ALI20230714BHJP
【FI】
E03C1/044
E03C1/042 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022012383
(22)【出願日】2022-01-11
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】596089883
【氏名又は名称】ハリック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】井上 岱介
【テーマコード(参考)】
2D060
【Fターム(参考)】
2D060BA03
2D060BB03
2D060BC30
(57)【要約】      (修正有)
【課題】トイレの手洗いの温水装置の温水が、手洗いの栓を開くと同時に温水が出る温水装置を提供する。また、電力の使用量を最低にしながら冬季、夏季に関係なく適温の温水が出る温水装置を提供する。
【解決手段】100V電源に絶縁変圧器の100V側を接続し、絶縁変圧器の低圧側に電熱線と半導体スイッチを直列に接続したものを接続し、水道栓のハンドル以外の露出金属部分の表面を絶縁し、その上に電熱線を巻き、この電熱線と半導体スイッチを直列接続したものを、絶縁変圧器の低圧側に接続する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
100V電源に絶縁変圧器の100V側を接続し、絶縁変圧器の低圧側に電熱線と半導体スイッチを直列に接続したものを接続し、水道栓のハンドル以外の露出金属部分の表面を絶縁し、その上に電熱線を巻き、この電熱線と半導体スイッチを直列接続したものを、絶縁変圧器の低圧側に接続することを特徴とする、トイレの水道栓の中の水の温水化装置
【請求項2】
トイレの戸に開閉検出器を取り付け、トイレの戸が開いてから5分以上経過した後、トイレの戸が開いた場合、トイレの手洗い用の水の温水化を開始する。
またトイレの戸が開く回数の奇数回毎または偶数回ごとに、トイレの手洗い用の水の温水化を開始する。
この場合5分以上経過した後トイレの戸が開いたものを奇数回毎または偶数回毎の温水化に優先し、奇数回毎または偶数毎の戸の開閉回数をリセットすることを特徴とする、トイレの水道栓の中の水の温水化装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレの手洗いの水道栓から水の出口までを電熱ヒーターで、加熱する温水装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水道管や水道栓の水を加熱する方法は公知である。またその一例として水道栓に接続された水道管下部を瞬間的に大電力で加熱する方法は公知である。
しかし水道栓の回転可能部分だけを加熱する方法の特許例や文献はない。
【0003】
水道栓の下部を加熱する方法の1例では、水道栓の弁の開閉または水の流れを検知して、100V、25A、2500Wの電力を15秒程度加える装置は公知である。
【0004】
トイレの手洗いの使用は1日に数10回程度であり、その手洗いの水量は冬季コップ1/4から1/2程度である。
このように少量の水を冬季15度C以上にするため、水道栓又は水道管に電熱線を置いて水道の使用時に加熱する方法は公知である。
しかし、温水が出るまで15秒程度待たなければならず、待つ時間に水が温水になったことを確認するため、冷水に手を当ててイライラし、さらにその冷水は無駄になる。
【先行技術文献】
【0005】
有りません。
【特許文献】
【特許文献】有りません
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はトイレの手洗いの水を、使用し始めから終わるまで、常に適温にすること。及び電力消費を最低にすることが課題である。
トイレの水を使用し始めた時から加熱すると、一般の100Vコンセントの場合25Aの電流が必要となり、容量オーバーで対応できないし、装置が大型化し価格も高くなり、手洗いの時、温水になるまでの待ち時間が無駄になるのでこれを防ぐのが課題である。
【0006】
上記3,のトイレの水道栓の近くに専用の小型温水器を設置する方式は、トイレの水を次々に使用する場合があるので、専用の温水器の容量が大きくなり、逆に使用頻度が少なければ温水器の容量が無駄になる。
この場合待ち時間は比較的少ないが、0ではないので、この問題を解決するのが課題である。
【0007】
トイレの手洗いの水を温水化する方法は従来、下記の2種類がある。
1,一般の温水器をトイレの水道栓に接続する方法。
2,トイレの手洗いの水が流れることを検出して15秒程度加熱する方法。さらに、温水器や電熱線の設置場所では本発明を含めて、下記の2種類がある。
3,水道栓の下部に専用の温水器を設置する方法。
4,水道栓と水の出口の間の管に電熱線を巻く方法。
【0008】
上記1,の一般の温水器をトイレの水道栓に接続する方法は、トイレに使用する水の量が少ないので。これを大型の家庭用温水器の水で対応すれば60~80度の温水が配管を通る間に冷めるのが課題である。
さらに、温水器から水道栓の水の出口まで温水が届くのに時間が掛かるので、冷水が温水に変化したことを手で確認する課題と、待つ間イライラするのを解決するのが課題である。
上記2,の15秒程度加熱する方法は手洗いの水を使用するのと同時に、電熱線を加熱するので、冷水が温水になるまでの待ち時間を短縮するため100V、25Aの大きな電流を必要とし、一般の100Vコンセントの容量を超えるのが課題である。
【0009】
上記3の方法は、下部に専用の水温器が必要になり、高価になるのが課題である。
上記4、の水道栓と水の出口の間の管に電熱線を巻き常時加熱する方法、は待ち時間が0で、電気の使用量を極限まで少なくすることが出来るので課題はない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明ではトイレの戸またはドアノブに、その開閉を検出するドアスイッチを取り付け、水道の水の出口から水道栓までの管を絶縁して電熱線を巻き、電熱線とドアスイッチを直列に接続したものを10V電源に接続する。
【0011】
図1はトイレの止水栓の口が長い蛇口5蛇口に、耐圧耐熱の絶縁テープまたは耐圧耐熱の固形材料(以下本文ではテフロンテープと記す)を巻いた図である。
図1はその例を示す図である。
図1、において1は水道栓のハンドル、2は水道栓、3はテフロンテープ、4はナット、5は蛇口の長い口である。
【0012】
本発明では図1に示すように、水道栓2、と蛇口の長い口5、をテフロンテープ3で絶縁し、その上に電熱線を巻き、蛇口の長い口5、に測温体と電熱線を取り行け、その外側を保温材で取り囲み、その外側をプラスチックまたは金属のカバーで保護したものである。
図1に示す、蛇口の長い口5またはその中の水の温度を測温体で測定し、その設定温度度以下になった場合、電熱線に通電して水温を上げる。
【0013】
ナット4より上には電熱線を巻かない。
AC100V電源に半導体スイッチと絶縁変圧器の一次側を接続し、絶縁変圧器の低圧側に電熱線を接続し加熱する。
【0014】
トイレの栓を開けてから温水が出るまでの待ち時間を、1秒以下にするため、本発明では、トイレの戸が始めに開いた時、水を20度程度に加熱し始める。
測温と加熱の場所は水道の長い口5またはその中の水温とする。
この水道栓2の全体と蛇口の長い口5を保温材で保温する。
電熱線に接続する電源は、100Vの電圧を絶縁変圧器で絶縁し、その2次側を10V程度にし、10Vの一端を接地したものを使用し、100V側には、過電流遮断機と漏電遮断機を取り付けて過電流事故と漏電事故を防ぐ。
【0015】
本発明のトイレの手洗いの温水器の消費電力は100V、300W程度であり、一般のコンセントから安全に通電できる。
本発明のドアスイッチに接続された制御器は、始めドアが開いた時通電して電熱線を加熱し、次にドアが開いた時に開くものである。
【0016】
始めドアが開いたことを検出するには、前回ドアが開いてから5分以上経過した後にドアが開いた場合を始め開いたものとし、以後短時間に開閉が繰り返された場合は開閉の奇数回を始め開いたものとする。
ドアスイッチが開いた後に閉じて次に5分以上経過してから開いた場合の開信号は始め開いた信号として優先する。
【0017】
電熱線は15度C以下でスイッチを入れて加熱し、20度C以上でスイッチを切る。
水道の蛇口を栓の入り口から水の出口までテフロンテープ等の耐圧耐熱テープで覆い、その上に電熱線を巻き、電熱線の上を耐熱絶縁体で覆い、その上にプラスチックのカバーを取り付け、カバーの中に液状のゴムを流した後、放置して硬化させ、万が一の感電事故を2重に防ぐ。
【0018】
電熱線は100Vを変圧器で10V程度に落として使用し、スイッチが故障して装置が火災や、やけどを発生するのを防ぐため、20度Cで別のサーモスイッチにより回路を遮断する。
測温体で蛇口の温度又は蛇口の中の水温を測定し、その結果により半導体スイッチで水温を制御する。
【0019】
以上の設備によりトイレの手洗いの水が15度C以下になることを防ぎ、20度以上ではスイッチが切れる。
漏電の危険を避けるため商用電源の交流100Vを絶縁変圧器で10V程度の電圧に下げ、10V側の一端を接地し、漏電の場合は漏電遮断機により、100Vの電源を遮断する。
【0020】
蛇口の中にある水を温水にするために、蛇口に巻き付けた電熱線に電流を流す。100V側の温度制御スイッチは多種多様のものが考えられ、サイリスタ等の半導体スイッチを使用するのが良い。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、トイレの手洗い用の水を最少の消費電力で、使用の始めから温水にすることができる。
手洗いの水量はでほぼ十分なので、本発明では、この部分だけを加熱する。
【0022】
水道栓に耐圧耐熱の材料を取り付け、(一例テフロンテープを巻く)その上に電熱線を巻き、その上に耐圧耐熱の絶縁材料を取り付ける。本発明ではトイレのドアが開く時を、水道の加熱開始の時間とする。
手洗開始の時、冷水であるのと温水であるの違いがある。さらに本発明では常時加熱の電力損失がない。
従来、トイレの手洗いと同時に温水を得ようとすると、100V,25Aのような、大きな電力を必要とする欠点があった。
本発明によれば300W程度の電力を約15秒程度使用するだけで済む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】 本発明に関わる水道管の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は本発明の実施例を示す。図1において水道の蛇口2に耐熱絶縁テープ3を巻き、水道栓から水の出口までの間に電熱線を巻き、電熱線と温度制御スイッチを直列にしたものを100V電源に接続する。トイレの戸が最初に開いた時、温度制御スイッチの制御を開始して、トイレの手洗いの水温を20度程度にする。
【0025】
トイレの戸が最初に開いたことを検出するには、前回の戸が開いてから5分以上経過した後に開いた場合と、5分以内であっても奇数回戸が開いた場合を両者とも最初に戸が開いたものとする。
【符号の説明】
【0026】
1, 長い水道の蛇口
2, 耐圧耐温テープ
3, ナット
4, 水道の長い蛇口
図1