(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102265
(43)【公開日】2023-07-24
(54)【発明の名称】電子部品
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20230714BHJP
【FI】
H01G4/30 201H
H01G4/30 513
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196419
(22)【出願日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】10-2022-0003894
(32)【優先日】2022-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】玄 米娜
(72)【発明者】
【氏名】趙 範俊
(72)【発明者】
【氏名】朴 赫珍
(72)【発明者】
【氏名】張 源鎔
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AF01
5E001AH04
5E001AJ03
5E082AB03
5E082BC32
5E082EE04
5E082EE23
5E082EE35
5E082FF05
5E082FG04
5E082FG26
5E082FG46
5E082GG08
5E082JJ07
5E082JJ11
5E082JJ26
5E082JJ27
(57)【要約】
【課題】フレーム端子によって外部ストレスから積層型キャパシタを保護する構造において、フレーム端子と積層型キャパシタとの接合力は維持しながらも、積層型キャパシタと導電性接着部の熱膨張係数差によって発生する熱応力による接合界面劣化を抑制することができる電子部品を提供する。
【解決手段】一実施形態による電子部品は積層型キャパシタ、フレーム端子、そして導電性接着部を含み、導電性接着部がフレーム端子と接触する面積が外部電極と接触する面積よりさらに大きい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャパシタボディ、および前記キャパシタボディの一面に配置される外部電極を含む積層型キャパシタ、
前記外部電極の外側に配置されるフレーム端子、及び
前記外部電極と前記フレーム端子との間に配置される導電性接着部、
を含み、
前記導電性接着部が前記フレーム端子と接触する面積が、前記外部電極と接触する面積よりさらに大きい、
電子部品。
【請求項2】
前記導電性接着部は前記フレーム端子と連続的に接触し、
前記導電性接着部は前記外部電極と不連続的に接触する、請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記導電性接着部は、前記フレーム端子と接触する基材部および前記基材部の一面に位置し前記外部電極と接触する突出部を有する、請求項1に記載の電子部品。
【請求項4】
前記基材部は、前記外部電極と接触しない、請求項3に記載の電子部品。
【請求項5】
前記導電性接着部は、前記基材部と前記外部電極の間に空の空間を有する、請求項4に記載の電子部品。
【請求項6】
前記突出部は、前記基材部の一面の上で一方向に延長される、請求項3に記載の電子部品。
【請求項7】
前記突出部は、前記キャパシタボディの幅方向に沿って延長される、請求項6に記載の電子部品。
【請求項8】
前記突出部は、前記キャパシタボディの厚さ方向に沿って延長される、請求項6に記載の電子部品。
【請求項9】
前記導電性接着部は、複数の突出部を有する、請求項3に記載の電子部品。
【請求項10】
前記複数の突出部は、前記基材部の一面の上で互いに離隔して配置される、請求項9に記載の電子部品。
【請求項11】
前記複数の突出部のうちの二つの突出部は、前記基材部の一面の上の両端部に位置する、請求項9に記載の電子部品。
【請求項12】
前記複数の突出部は、パターン化された形状を有する、請求項9に記載の電子部品。
【請求項13】
前記複数の突出部は、ストライプ形状を有する、請求項12に記載の電子部品。
【請求項14】
前記複数の突出部は、メッシュ(mesh)形状を有する、請求項12に記載の電子部品。
【請求項15】
前記基材部の平均全体面積(B)に対する前記突出部の平均全体面積(A)の比率(A/B)は、30%以上および100%未満である、請求項3に記載の電子部品。
【請求項16】
キャパシタボディ、および前記キャパシタボディの一面に配置される外部電極を含む積層型キャパシタ、
前記外部電極の外側に配置されるフレーム端子、及び
前記外部電極と前記フレーム端子との間に配置される導電性接着部、
を含み、
前記導電性接着部は前記フレーム端子と連続的に接触し、前記外部電極と不連続的に接触する、電子部品。
【請求項17】
前記導電性接着部は、前記フレーム端子と接触する基材部および前記基材部の一面に位置し前記外部電極と接触する突出部を有する、請求項16に記載の電子部品。
【請求項18】
前記導電性接着部は、複数の突出部を有する、請求項17に記載の電子部品。
【請求項19】
前記複数の突出部は、前記基材部の一面の上で互いに離隔して配置される、請求項18に記載の電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本記載は電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層型キャパシタは小型でありながら高容量実現が可能で様々な電子機器に使用されている。
【0003】
最近は環境に優しい自動車および電気自動車が急浮上して自動車内部の電力駆動システムに対する重要度が増加している。これにより、自動車用電力駆動システムに使用される積層型キャパシタの需要も増加している。
【0004】
積層型キャパシタが自動車用部品として使用されるためには、高い水準の熱信頼性、電気的信頼性および機械的信頼性が要求される。
【0005】
特に、自動車内部の限定された空間に設置が容易でありながらも、高容量の実現が可能であり、振動および変形に対する耐久性に優れた積層型キャパシタが要求されている。
【0006】
既存の積層型キャパシタは、基板に実装時、ソルダーによってキャパシタボディと基板が直接接触する。よって、基板から発生する熱や機械的変形が積層型キャパシタに直接伝達されるので、高い水準の信頼性確保が難しい。
【0007】
基板からのストレスが積層型キャパシタに直接伝達されないようにする方案として、積層型キャパシタの一面にフレーム端子を接合して積層型キャパシタと実装基板の間に空間を確保する方法がある。
【0008】
しかし、この方法の場合、フレーム端子、導電性接着部およびキャパシタボディの間に接合界面が新しく生じるようになり、温度サイクルなどの環境条件下で界面間熱膨張係数差による熱応力が発生して物理的および電気的不良が発生するようになる。
【0009】
したがって、フレーム端子を接合して外部ストレスから積層型キャパシタを保護しながらも、各界面での熱膨張係数差による接合界面劣化を抑制することができる構造が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】日本特許公開第2003-065328号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本開示の一側面は、フレーム端子によって外部ストレスから積層型キャパシタを保護する構造において、フレーム端子と積層型キャパシタとの接合力は維持しながらも、積層型キャパシタと導電性接着部の熱膨張係数差によって発生する熱応力による接合界面劣化を抑制することができる電子部品を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一側面による電子部品は、キャパシタボディ、およびキャパシタボディの一面に配置される外部電極を含む積層型キャパシタ、外部電極の外側に配置されるフレーム端子、及び外部電極とフレーム端子との間に配置される導電性接着部、を含むことができる。
【0013】
導電性接着部がフレーム端子と接触する面積が、外部電極と接触する面積よりさらに大きくてもよい。
【0014】
導電性接着部は、フレーム端子と連続的に接触してもよい。
【0015】
導電性接着部は、外部電極と不連続的に接触してもよい。
【0016】
導電性接着部は、フレーム端子と接触する基材部および基材部の一面に位置し外部電極と接触する突出部を有することができる。
【0017】
基材部は、外部電極と接触しなくてもよい。
【0018】
導電性接着部は、基材部と外部電極の間に空の空間を有することができる。
【0019】
突出部は、基材部の一面の上で一方向に延長されてもよい。
【0020】
突出部は、キャパシタボディの幅方向に沿って延長されてもよい。
【0021】
突出部は、キャパシタボディの厚さ方向に沿って延長されてもよい。
【0022】
導電性接着部は、複数の突出部を有することができる。
【0023】
複数の突出部は、基材部の一面の上で互いに離隔して配置されてもよい。
【0024】
複数の突出部のうちの二つの突出部は、基材部の一面の上の両端部に配置されてもよい。
【0025】
複数の突出部は、パターン化された形状を有することができる。
【0026】
複数の突出部は、ストライプ形状を有することができる。
【0027】
複数の突出部は、メッシュ(mesh)形状を有することができる。
【0028】
基材部の平均全体面積(B)に対する突出部の平均全体面積(A)の比率(A/B)は、30%以上および100%未満であってもよい。
【0029】
他の側面による電子部品は、キャパシタボディ、およびキャパシタボディの一面に配置される外部電極を含む積層型キャパシタ、外部電極の外側に配置されるフレーム端子、及び外部電極とフレーム端子との間に配置される導電性接着部、を含み、導電性接着部はフレーム端子と連続的に接触し、外部電極と不連続的に接触してもよい。
【0030】
導電性接着部は、フレーム端子と接触する基材部および基材部の一面に位置し外部電極と接触する突出部を有することができる。
【0031】
導電性接着部は、複数の突出部を有することができる。
【0032】
複数の突出部は、基材部の一面の上で互いに離隔して配置されてもよい。
【発明の効果】
【0033】
一側面による電子部品によれば、フレーム端子によって外部ストレスから積層型キャパシタを保護する構造において、フレーム端子と積層型キャパシタとの接合力は維持しながらも、積層型キャパシタと導電性接着部の熱膨張係数差によって発生する熱応力による接合界面劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】一実施形態による電子部品を示した部分分解斜視図である。
【
図2】
図1のI-I’線に沿って切断した電子部品の断面図である。
【
図3】
図1のキャパシタボディの内部電極の積層構造を示した分離斜視図である。
【
図4】
図1の積層型キャパシタを示す斜視図である。
【
図5】
図1の導電性接着部の一例を示した斜視図である。
【
図6】
図1の導電性接着部の他の例を示した斜視図である。
【
図7】実施例1で製造された電子部品の接合力評価結果を示すグラフである。
【
図8】比較例2で製造された電子部品の接合力評価結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付した図面を参照して本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように本発明の実施形態を詳しく説明する。図面において本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一な参照符号を付けた。また、添付した図面は本明細書に開示された実施形態を容易に理解することができるようにするためのものに過ぎず、添付した図面によって本明細書に開示された技術的思想が制限されず、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むと理解されなければならない。
【0036】
第1、第2などのように序数を含む用語は多様な構成要素を説明することに使用できるが、前記構成要素は前記用語によって限定されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ使用される。
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」または「接続されて」いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されているか、接続されているか、または対向していることもあるが、中間に他の構成要素が存在することもあると理解されなければならない。反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」または「直接接続されて」いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないと理解されなければならない。
【0037】
明細書全体で、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないと理解されなければならない。したがって、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含むことができるのを意味する。
【0038】
図1は一実施形態による電子部品を示す部分分解斜視図であり、
図2は
図1のI-I’線に沿って切断した電子部品の断面図であり、
図3は一実施形態による電子部品の内部電極の積層構造を示した分離斜視図であり、
図4は
図1の積層型キャパシタを示す斜視図である。
【0039】
本実施形態を明確に説明するために方向を定義すれば、図面に表されたX、YおよびZは、それぞれ、キャパシタボディ110の長さ方向、幅方向および厚さ方向を示す。ここで、厚さ方向(Z方向)は、誘電体層111が積層される積層方向と同一な概念で使用できる。長さ方向(X方向)は厚さ方向(Z方向)と大略垂直な一方向を意味し、幅方向(Y方向)は厚さ方向(Z方向)と大略垂直な方向であり長さ方向(X方向)とも大略垂直な方向と定義することができる。
【0040】
図1~
図4を参照すれば、本実施形態による電子部品は、積層型キャパシタ100、第1および第2フレーム端子310、320、および第1および第2導電性接着部510、520を含むことができる。
【0041】
積層型キャパシタ100は、キャパシタボディ110およびキャパシタボディ110のX方向に対向する両端に配置される第1および第2外部電極131、132を含むことができる。
【0042】
キャパシタボディ110は複数の誘電体層111をZ方向に積層した後に焼成したものであって、複数の誘電体層111と誘電体層111を挟んでZ方向に交互に配置される複数の第1および第2内部電極121、122を含む。この時、第1および第2内部電極121、122は互いに異なる極性を有することができる。
【0043】
この時、キャパシタボディ110の互いに隣接するそれぞれの誘電体層111の間の境界は走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を使用せず確認し難い程度に一体化できる。
【0044】
また、キャパシタボディ110は、アクティブ領域とカバー領域112、113を含むことができる。
【0045】
アクティブ領域は、積層型キャパシタ100の容量形成に寄与する部分である。一例として、アクティブ領域は、Z方向に沿って互いに重畳する第1および第2内部電極121、122のオーバーラップされた領域であってもよい。
【0046】
カバー領域112、113は、マージン部としてZ方向にアクティブ領域の上下部にそれぞれ設けることができる。このようなカバー領域112、113は、単一誘電体層または2つ以上の誘電体層をアクティブ領域の上面および下面にそれぞれ積層して設けることができる。
【0047】
また、カバー領域112、113は、物理的または化学的ストレスによる第1および第2内部電極121、122の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0048】
一例として、このようなキャパシタボディ110は、大体六面体形状であってもよい。
【0049】
本実施形態では説明の便宜のために、キャパシタボディ110においてZ方向に互いに対向する両面を第1および第2面と、第1および第2面と連結されX方向に互いに対向する両面を第3および第4面と、第1および第2面と連結され第3および第4面と連結されY方向に互いに対向する両面を第5および第6面と定義することにする。一例として、下面である第1面が実装方向に向かう面になり得る。
【0050】
キャパシタボディ110の形状、サイズおよび誘電体層111の積層数が本実施形態の図面に示されたものに限定されるのではない。
【0051】
一例として、誘電体層111は高誘電率のセラミック材料を含むことができる。例えば、セラミック材料は、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、またはCaZrO3などの成分を含む誘電体セラミックを含むことができる。また、これら成分にMn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの補助成分をさらに含むことができる。例えば、BaTiO3系誘電体セラミックにCa、Zrなどが一部固溶された(Ba1-xCax)TiO3、Ba(Ti1-yCay)O3、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3またはBa(Ti1-yZry)O3などを含むことができる。
【0052】
また、誘電体層111には、セラミック粉末と共に、セラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤、および分散剤などがさらに添加されてもよい。セラミック添加剤は、例えば、遷移金属酸化物または遷移金属炭化物、希土類元素、マグネシウム(Mg)またはアルミニウム(Al)などを使用することができる。
【0053】
一例として、誘電体層111の平均厚さは0.5μm~10μmであってもよい。
【0054】
第1および第2内部電極121、122は互いに異なる極性を有する電極であって、誘電体層111を挟んでZ方向に沿って互いに対向するように交互に配置され、一端がキャパシタボディ110の第3および第4面を通じてそれぞれ露出されてもよい。
【0055】
第1および第2内部電極121、122は、中間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に絶縁される。
【0056】
キャパシタボディ110の第3および第4面を通じて交互に露出される第1および第2内部電極121、122の端部は、第1および第2外部電極131、132とそれぞれ接続されて電気的に連結される。
【0057】
第1および第2内部電極121、122は導電性金属を含み、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、またはAuなどの金属やこれらの合金、例えば、Ag-Pd合金を含むことができる。
【0058】
また、第1および第2内部電極121、122は、誘電体層111に含まれるセラミック材料と同一組成系の誘電体粒子を含んでもよい。
【0059】
第1および第2内部電極121、122は、導電性金属を含む導電性ペーストを使用して形成できる。導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などを用いることができる。
【0060】
一例として、第1および第2内部電極121、122の平均厚さは0.1μm~2μmであってもよい。
【0061】
上記のような構成によって、第1および第2外部電極131、132に所定の電圧を印加すると、互いに対向する第1および第2内部電極121、122の間に電荷が蓄積される。この時、積層型キャパシタ100の静電容量は、アクティブ領域でZ方向に沿って互いに重畳する第1および第2内部電極121、122のオーバーラップされた面積と比例するようになる。
【0062】
第1および第2外部電極131、132は互いに異なる極性の電圧が提供され、第1および第2内部電極121、122の露出される部分とそれぞれ接続されて電気的に連結される。
【0063】
第1および第2外部電極131、132は、キャパシタボディ110の第3および第4面にそれぞれ配置されて第1および第2内部電極121、122とそれぞれ接続される第1および第2接続部1311、1321と、キャパシタボディ110の第1および第2面と第3面および第4面が接する角に配置される第1および第2バンド部1312、1322をそれぞれ含むことができる。
【0064】
第1および第2バンド部1312、1322は、第1および第2接続部1311、1321からキャパシタボディ110の第1および第2面の一部までそれぞれ延長されてもよい。第1および第2バンド部1312、1322は、第1および第2接続部1311、1321からキャパシタボディ110の第5および第6面の一部までそれぞれさらに延長されてもよい。第1および第2バンド部1312、1322は、第1および第2外部電極131、132の固着強度を向上させるなどの役割を果たすことができる。
【0065】
一例として、第1および第2外部電極131、132は、キャパシタボディ110と接触する第1および第2ベース電極、および第1および第2ベース電極をそれぞれ覆うように配置される第1および第2端子電極をそれぞれ含むことができる。
【0066】
第1および第2ベース電極は、銅(Cu)を含むことができる。また、第1および第2ベース電極は銅(Cu)を主成分として含有し、ニッケル(Ni)、錫(Sn)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、タングステン(W)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、またはこれらの合金のうちの一つ以上の物質とガラスを含む導電性ペーストを含むことができる。
【0067】
一例として、第1および第2ベース電極の形成方法は、導電性金属およびガラスを含む導電性ペーストにキャパシタボディ110をディッピングして形成するか、導電性ペーストをキャパシタボディ110の表面にスクリーン印刷法またはグラビア印刷法などで印刷するか、導電性ペーストをキャパシタボディ110の表面に塗布するかまたは導電性ペーストを乾燥させた乾燥膜をキャパシタボディ110上に転写して形成することができる。
【0068】
第1ベース電極および第2ベース電極を前述の導電性ペーストから形成することによって十分な伝導性を維持しながらも、添加したガラスによって第1および第2外部電極131、132の緻密度を高めることによってメッキ液および/または外部水分の浸透を効果的に抑制することができる。
【0069】
一例として、第1ベース電極および第2ベース電極に含まれるガラス成分は酸化物が混合された組成であってもよく、ケイ素酸化物、ホウ素酸化物、アルミニウム酸化物、遷移金属酸化物、アルカリ金属酸化物、およびアルカリ土類金属酸化物からなる群より選択された一つ以上であってもよい。遷移金属は亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、銅(Cu)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、およびニッケル(Ni)からなる群より選択され、アルカリ金属はリチウム(Li)、ナトリウム(Na)、およびカリウム(K)からなる群より選択され、アルカリ土類金属はマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、およびバリウム(Ba)からなる群より選択された一つ以上であってもよい。
【0070】
一例として、第1および第2端子電極はニッケル(Ni)を主成分として含有することができ、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、錫(Sn)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、タングステン(W)、チタン(Ti)または鉛(Pb)などの単独またはこれらの合金をさらに含むことができる。第1および第2端子電極は、積層型キャパシタ100の基板との実装性、構造的信頼性、外部に対する耐久度、耐熱性、および等価直列抵抗値(Equivalent Series Resistance、ESR)を改善することができる。
【0071】
一例として、第1および第2端子電極は、メッキによって形成することができる。第1および第2端子電極は、スパッタまたは電解メッキ(Electric Deposition)によって形成することができる。
【0072】
積層型キャパシタ100は、第1および第2マウント部311、321の間に配置されてもよい。例えば、第1および第2マウント部311、321は、第1および第2外部電極131、132のX方向外側にそれぞれ配置されてもよい。
【0073】
第1フレーム端子310は、Z方向に延長される第1マウント部311、および第1マウント部311の下端からX方向に延長される第1実装部312を含むことができる。第2フレーム端子320は、第1マウント部311と対向してZ方向に延長される第2マウント部321、および第2マウント部321の下端からX方向に延長される第2実装部322を含むことができる。
【0074】
このような構造によって、第1および第2フレーム端子310、320は大体「L」字形状を有することができ、第1および第2フレーム端子310、320の各端部がX方向に互いに対向するように配置されてもよい。
【0075】
第1および第2フレーム端子310、320は、Ni、Fe、Cu、Ag、Cr、またはこれらの合金を含む母材から形成できる。例えば、第1および第2フレーム端子310、320は、Fe-42Ni合金またはFe-18Cr合金であってもよい。
一例として、第1および第2フレーム端子310、320の平均厚さは、0.05mm~0.5mmであってもよい。
【0076】
積層型キャパシタ100の第1および第2外部電極131、132は、第1および第2フレーム端子310、320とそれぞれ電気的に連結される。このために、電子部品は、第1および第2導電性接着部510、520を含むことができる。
【0077】
第1導電性接着部510は第1外部電極131と第1フレーム端子310の間に配置され、第2導電性接着部520は第2外部電極132と第2フレーム端子320の間に配置されてもよい。
【0078】
一例として、第1および第2導電性接着部510、520は、ソルダー(solder)や導電性樹脂ペーストなどの導電性接着剤を含むことができる。ソルダーはSn-Sb系、Sn-Ag-Cu系、Sn-Cu系、またはSn-Bi系などのソルダーを使用することができ、例えば、Sn-Sb系ソルダーの場合、Sbの含有率が5%以上15%以下であってもよい。
【0079】
第1導電性接着部510の一面は第1外部電極131と接触し、他面は第1フレーム端子310と接触することになる。第2導電性接着部520の一面は第2外部電極132と接触し、他面は第2フレーム端子320と接触することになる。
【0080】
この時、第1および第2外部電極131、132と第1および第2導電性接着部510、520の間の熱膨張係数差によって熱応力が発生し、熱応力によって接合界面が劣化することがある。
【0081】
このような問題は、第1および第2導電性接着部510、520が第1および第2外部電極131、132と接触する面積を減らすことによって解決することができる。しかし、この時、第1および第2導電性接着部510、520が第1および第2フレーム端子310、320と接触する面積も共に減らす場合、積層型キャパシタ100と第1および第2フレーム端子310、320の間の接合力が低下することがある。
【0082】
したがって、本実施形態による電子部品は、第1導電性接着部510が第1フレーム端子310と接触する面積が第1外部電極131と接触する面積よりさらに大きく、第2導電性接着部520が第2フレーム端子320と接触する面積が第2外部電極132と接触する面積よりさらに大きい。
【0083】
このような構成によって、第1および第2フレーム端子310、320と積層型キャパシタ100との接合力は維持しながらも、積層型キャパシタ100と第1および第2導電性接着部510、520の熱膨張係数差によって発生する熱応力による接合界面劣化を抑制することができる。
【0084】
第1導電性接着部510は第1フレーム端子310と接触する第1基材部511および第1基材部511一面に位置し第1外部電極131と接触する第1突出部512a、512bを有し、第2導電性接着部520は第2フレーム端子320と接触する第2基材部521および第2基材部521一面に位置し第2外部電極132と接触する第2突出部522a、522bを有することができる。
【0085】
一例として、第1および第2基材部511、521は大体平たい直六面体形状を有することができる。第1および第2基材部511、521はY方向およびZ方向に延長された長方形形状を有し、X方向に平たい厚さを有することができる。これにより、第1基材部511は第1フレーム端子310と連続的に接触し、第2基材部521は第2フレーム端子320と連続的に接触することになる。
【0086】
第1突出部512a、512bは第1基材部511の一面、例えば第1基材部511が積層型キャパシタ100を対向する面の上に配置され、第2突出部522a、522bは第2基材部521の一面、例えば第2基材部521が積層型キャパシタ100を対向する面の上に配置されてもよい。
【0087】
この時、第1突出部512a、512bは第1基材部511一面の一部領域にのみ配置され、第1基材部511一面の全体領域に配置されなくてもよい。同様に、第2突出部522a、522bは第2基材部521一面の一部領域にのみ配置され、第2基材部521一面の全体領域に配置されなくてもよい。
【0088】
第1突出部512a、512bは第1基材部511一面の上で第1外部電極131に向かって、即ち、X方向に突出し、第2突出部522a、522bは第2基材部521一面の上で第2外部電極132に向かって、即ち、X方向に突出することになる。
【0089】
また、第1突出部512a、512bは第1外部電極131と接触できるように特定の面積を有する長方形形状を有し、第2突出部522a、522bは第2外部電極132と接触できるように特定の面積を有する長方形形状を有する。例えば、第1および第2突出部512a、512b、522a、522bはY方向およびZ方向に延長された長方形形状を有することができる。
【0090】
第1基材部511から突出した第1突出部512a、512bが第1外部電極131と接触するため、第1基材部511は第1外部電極131と接触せず、第1導電性接着部510は第1基材部511と第1外部電極131の間に空の空間を有することができる。同様に、第2基材部521から突出した第2突出部522a、522bが第2外部電極132と接触するため、第2基材部521は第2外部電極132と接触せず、第2導電性接着部520は第2基材部521と第2外部電極132の間に空の空間を有することができる。空の空間は積層型キャパシタ100と第1および第2導電性接着部510、520の熱膨張係数差によって発生する熱応力を緩衝する役割を果たすことができる。
【0091】
このような構成によって、第1および第2導電性接着部510、520が第1および第2フレーム端子310、320と接触する面積が第1および第2外部電極131、132と接触する面積よりさらに大きく、第1および第2フレーム端子310、320と積層型キャパシタ100との接合力は維持しながら、積層型キャパシタ100と第1および第2導電性接着部510、520の熱膨張係数差によって発生する熱応力による接合界面劣化を抑制することができる。
【0092】
図5は、
図1の第1導電性接着部510の一例を示した斜視図である。
図5は、
図1において第1導電性接着部510をX方向に見た斜視図である。以下では第1導電性接着部510について主に説明するが、第2導電性接着部520も第1導電性接着部510と同一な形状を有することができる。
【0093】
図5を参照すれば、第1突出部512a、512bの平面形状は一方向にさらに延長された細長い四角形形状であってもよい。例えば、第1突出部512a、512bはキャパシタボディ110の幅方向(Y方向)に沿って延長されて、Z方向長さに比べてY方向長さがさらに長くてもよい。但し、第1突出部512a、512bはキャパシタボディ110の厚さ方向に沿って延長されて、Y方向長さに比べてZ方向長さがさらに長くてもよい。
【0094】
第1突出部512a、512bは第1基材部511一面の上で一端から他端まで延長されて第1基材部511を横切って形成されてもよい。例えば、
図5で、第1突出部512a、512bは第1基材部511一面の上でY方向に一端から他端まで延長されて第1基材部511を横切って形成されてもよい。
【0095】
第1導電性接着部510は、複数の第1突出部512a、512bを有することができる。
【0096】
複数の第1突出部512a、512bは、第1基材部511一面の上でY方向および/またはZ方向に沿って間隔をおいて互いに離隔して配置されてもよい。この時、複数の第1突出部512a、512bが離隔される間隔は一定であってもよく、一定でなくてもよい。これにより、第1導電性接着部510は第1外部電極131と不連続的に接触することになる。
【0097】
また、第1突出部512a、512bが第1外部電極131と接触する面積は互いに同一であってもよく、またはそれぞれ異なってもよい。
【0098】
複数の第1突出部512a、512bのうちの二つの第1突出部512a、512bは、それぞれ第1基材部511一面の上で両端部に配置されてもよい。例えば、
図6を参照すれば、第1突出部512a、512bはZ方向に沿って離隔配置され、一つの第1突出部512aは第1基材部一面の上でZ方向一端に配置され、他の一つの第1突出部512bはZ方向他端に配置されてもよい。
【0099】
図6は、
図1の第1導電性接着部510の他の例を示した斜視図である。
図6は、
図1において第1導電性接着部510をX方向に見た斜視図である。以下では第1導電性接着部510について主に説明するが、第2導電性接着部520も第1導電性接着部510と同一な形状を有することができる。
図6を参照すれば、複数の第1突出部512a、512b、512c、512dはパターン化された形状を有することができる。例えば、複数の第1突出部512a、512b、512c、512dは
図6に示されているように、それぞれY方向に沿って延長されZ方向に間隔をおいて配置されたストライプ形状を有することができる。また、複数の第1突出部512a、512b、512c、512dはZ方向に沿って延長され、Y方向に間隔をおいて配置されたストライプ形状をさらに含んでメッシュ(mesh)形状を有してもよい。
【0100】
以下では第1基材部511および第1突出部512a、512bについて主に説明するが、当該説明は第2基材部521および第2突出部522a、522bにも同一に適用することができる。
【0101】
第1基材部511の平均全体面積Bは、第1突出部512a、512bの平均全体面積Aよりさらに大きい。第1基材部511の平均全体面積Bは第1基材部511が第1フレーム端子310と接触する全体面積の平均であり、第1突出部512a、512bの平均全体面積Aは第1突出部512a、512bが第1外部電極131と接触する全体面積の平均である。
【0102】
第1突出部512a、512bの全体面積は
図5に示されているようにX方向と大体垂直な一断面(Y方向およびZ方向断面)で第1突出部512a、512bの面積の合算で計算することができ、第1突出部512a、512bの平均全体面積AはX方向に沿って所定の間隔で位置する任意の3個、5個、または10個の断面で測定された第1突出部512a、512bの全体面積値の算術平均値であってもよい。X方向に沿って所定の間隔で位置する断面は、第1導電性接着部510をX方向と大体垂直な面方向に研磨しながら研磨程度によってX方向に順次に露出される任意の断面であってもよい。
【0103】
第1基材部511の全体面積は、第1突出部512a、512bが位置しない領域の面積および第1突出部512a、512bが位置する領域の面積を合算した面積である。便宜によって、第1基材部511の全体面積は、第1突出部512a、512bの全体面積と第1突出部512a、512bが位置しない第1基材部511領域の面積を合算して計算することもできる。
【0104】
第1基材部511の全体面積は、
図5に示されているように、X方向と大体垂直な一断面(Y方向およびZ方向断面)での面積である。第1基材部511の平均全体面積Bは、X方向に沿って所定の間隔で位置する任意の3個、5個、または10個の断面で測定された第1基材部511の全体面積値の算術平均値であってもよい。X方向に沿って所定の間隔で位置する断面は、第1導電性接着部510をX方向と大体垂直な面方向に研磨しながら研磨程度によってX方向に順次に露出される任意の断面であってもよい。
【0105】
第1基材部の平均全体面積Bに対する第1突出部の平均全体面積Aの比率A/Bは30%以上および100%未満であってもよく、例えば40%~90%、50%~90%、または60%~80%であってもよい。
【0106】
第1基材部511の平均全体面積Bに対する第1突出部512a、512bの平均全体面積Aの比率A/Bが30%未満である場合、第1導電性接着部510が第1フレーム端子310と接触する面積が減少して積層型キャパシタ100と第1フレーム端子310の接合力が低下することがあり、100%である場合、第1外部電極131と第1導電性接着部510の間の熱膨張係数差によって熱応力が発生し、熱応力によって接合界面が劣化することがある。
【0107】
以下、発明の具体的な実施例を提示する。但し、下記に記載された実施例は発明を具体的に例示するか説明するためのものに過ぎず、これによって発明の範囲が制限されてはならない。
【実施例0108】
[製造例:電子部品の製造]
(実施例1)
図1に示されているように、積層型キャパシタ(L×W×T=3.2mm×2.5mm×2.5mm)を導電性接着部を用いてフレーム端子に接合させ、導電性接着部を
図5に示されているように、フレーム端子と連続的に接合する基材部および積層型キャパシタと不連続的に接合する二つの突出部を有するように構成して電子部品を製造する。
【0109】
(実施例2)
図1に示されているように、積層型キャパシタ(L×W×T=3.2mm×2.5mm×2.5mm)を導電性接着部を用いてフレーム端子に接合させ、導電性接着部を
図6に示されているように、フレーム端子と連続的に接合する基材部および積層型キャパシタと不連続的に接合する4個の突出部を有するように構成して電子部品を製造する。
【0110】
(比較例1)
導電性接着部が基材部のみから構成されて、フレーム端子および積層型キャパシタと全て連続的に接合させたことを除いては実施例1と同一に実施して電子部品を製造する。この時、比較例1の基材部の厚さ(X方向長さ)は、実施例1の基材部の厚さと突出部の厚さを合算した厚さと同一である。
【0111】
(参照例1)
導電性接着部が基材部なく突出部のみから構成されて、フレーム端子および積層型キャパシタと全て不連続的に接合させたことを除いては実施例1と同一に実施して電子部品を製造する。この時、参照例1の突出部の厚さ(X方向長さ)は、実施例1の基材部の厚さと突出部の厚さを合算した厚さと同一である。
【0112】
比較例1の場合、導電性接着部が積層型キャパシタ一面の領域全体に連続的に接触する。参照例1の場合、導電性接着部と積層型キャパシタの接合面が不連続的である。比較例1の構造では、熱膨張係数が互いに異なる導電性接着部と積層型キャパシタが連続的にZ方向長さだけ接触しているので、温度サイクル(TC)環境でその長さ全体に熱応力が印加される。反面、参照例1の構造では、導電性接着部と積層型キャパシタが接触していない領域によって熱応力が発生する長さが短くなるようになる。したがって、比較例1より参照例1で熱応力による導電性接着部の劣化可能性が低減されるのを予想することができる。
【0113】
但し、参照例1の導電性接着部で接触が行われない領域は、比較例1の導電性接着部に比べて界面接合力低下を伴う。この場合、接合力低下によって積層型キャパシタがフレーム端子から脱落する不良を誘発することがある。
【0114】
反面、実施例1および実施例2の場合、フレーム端子と導電性接着部の間では比較例1のようにZ方向長さだけ連続的に接合を維持し、熱膨張係数差が相対的に大きい導電性接着部と積層型キャパシタの間の界面のみで不連続的に接合させて接合面積を減少させることによって熱膨張係数差による熱応力発生を低減させることができる。一例として、導電性接着部の熱膨張係数(CTE)は20ppm/℃~27ppm/℃であり、積層型キャパシタの熱膨張係数(CTE)は9ppm/℃~11ppm/℃であってもよい。
【0115】
[実験例:電子部品の接合力測定]
実施例1および参照例1で製造された電子部品に対して、基材部の平均全体面積Bに対する突出部の平均全体面積Aの比率A/Bによるフレーム端子と積層型キャパシタの間の接合力を評価する。参照例1では基材部が存在しないので、参照例1の基材部の平均全体面積Bは突出部の平均全体面積Aと突出部と突出部の間の平均面積を合算した値B’で代替して計算する。
【0116】
接合力は、PCB基板に電子部品を条件別にそれぞれ20個ずつ実装した後、10Nの力をY方向、1mm/minの速度で10秒間積層型キャパシタに印加した後、積層型キャパシタの脱落率で評価する。
【0117】
研磨された断面で観察される基材部の平均全体面積をBといい、突出部の平均全体面積をAという時、面積比率A/Bの変化によって常温(25℃)での接合力試験結果(常温脱落率)および温度サイクル(-55℃~125℃)2000回後接合力試験結果(TC脱落率)を
図7および
図8に示し、表1に整理する。
【0118】
図7は実施例1で製造された電子部品の接合力評価結果を示すグラフであり、
図8は参照例1で製造された電子部品の接合力評価結果を示すグラフである。
【0119】
【0120】
図7、
図8および表1を参照すれば、参照例1の場合、常温接合力評価時、接着面積比率A/B’が60%以下である領域で積層型キャパシタの脱落が発生し、相対的に導電性接着部の面積が増加する70%以上領域では積層型キャパシタの脱落が発生しなかった。しかし、温度サイクル後、固着力評価では全ての領域で積層型キャパシタの脱落が発生した。
【0121】
反面、実施例1の場合、突出部による不連続接合領域を有しても基材部によってフレーム端子と積層型キャパシタの接合が維持されるため、常温固着力評価時、接着面積比率A/Bが50%である領域で積層型キャパシタの脱落が発生しなく、温度サイクル後にも接着面積比率A/Bが60%~80%である区間でも積層型キャパシタの脱落が発生しなかった。
【0122】
即ち、参照例1の結果から、導電性接着部と積層型キャパシタの間の接合面積が過度に小さくなれば接合力確保が難しく、過度に大きくなれば常温固着力は高いが、温度サイクル環境で界面熱応力によって導電性接着部が劣化するのを確認することができる。反面、実施例1の場合、フレーム端子との連続的な接合で接合力は維持しながら、相対的に熱膨張係数差が大きい積層型キャパシタとの接合面積は最少化して熱応力発生を低減させることによって、常温および温度サイクル後固着力評価時、全て導電性接着部の信頼性を改善させることができるのが分かる。
【0123】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、特許請求の範囲と発明の説明および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属することは当然である。