(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102280
(43)【公開日】2023-07-24
(54)【発明の名称】足指固定装置
(51)【国際特許分類】
A61F 5/11 20060101AFI20230714BHJP
【FI】
A61F5/11
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001729
(22)【出願日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】10-2022-0003691
(32)【優先日】2022-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】521126586
【氏名又は名称】キム,テクス
【氏名又は名称原語表記】TAEGSUE, KIM
【住所又は居所原語表記】55-304, 70, Apgujeong-ro 33-gil, Gangnam-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】523010269
【氏名又は名称】キム,ドン ハ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,テク ス
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドン ハ
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA02
4C098BB12
4C098BB20
4C098BC08
4C098BC33
4C098BC42
4C098BD15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】巻き爪・陥入爪を固定し、施術者が両手を使って接着性組成物を塗布できる足指固定装置を提供する。
【解決手段】上板110に左右に移動可能なように移動案内用長孔111が穿設され、上板の一方に固定支持台120が延びる上板基準部100と、上板の下面に下板210が配置され、下板に固定孔211が穿設され、移動案内用長孔に対応する位置に貫通形成されて左右に移動可能であり、固定孔が穿設された下板の下面にナットが連結され、下板の他方に移動支持台230が延びる下板移動部200と、左右に移動可能な下板移動部を上板基準部に固定する上板基準部の移動案内用長孔を貫通して下板移動部のナットにボルト310が螺旋締めされ、上板基準部の上部に位置するようにボルトの上端側にノブ320が連結され、ノブの下側に加圧固定具330が突出して、ノブの回転で加圧固定具が上板に加圧接触される位置固定部300とを備える足指固定装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上板(110)に左右に移動可能なように一方向に沿って移動案内用長孔(111)が穿設され、前記上板(110)の一方の側に固定支持台(120)が延びて突出する上板基準部(100)と、
前記上板(110)の下面に上面が位置する下板(210)が配置され、前記下板(210)に固定孔(211)が穿設されるが、前記移動案内用長孔(111)に対応する位置に貫通形成されて前記移動案内用長孔(111)に沿って左右に移動可能であり、前記固定孔(211)が穿設された前記下板(210)の下面にナット(220)が連結され、前記下板(210)の他方の側に移動支持台(230)が延びて突出する下板移動部(200)と、
前記上板基準部(100)の移動案内用長孔(111)に沿って左右に移動可能なように配置される下板移動部(200)が前記前記上板基準部(100)に固定されるように、前記上板基準部(100)の移動案内用長孔(111)を貫通して前記下板移動部(200)のナット(220)にボルト(310)が螺旋締めされ、前記上板基準部(100)の上部に位置するように前記ボルト(310)の上端側にノブ(320)が連結され、前記ノブ(320)の下側に加圧固定具(330)が拡張突出して、前記ノブ(320)を螺旋固定する方向に回転するときに前記加圧固定具(330)が前記上板(110)に加圧接触される位置固定部(300)と、
を備えることを特徴とする足指固定装置。
【請求項2】
前記下板(210)の前側には、前記上板(110)が前側に離脱することを制限する前側移動制限台(240)が上側方向に垂直に折り曲げられて延びることを特徴とする請求項1に記載の足指固定装置。
【請求項3】
前記下板(210)の後側には、前記上板(110)が後側に離脱することを制限する後側移動制限台(250)が上側方向に垂直に折り曲げられて延びることを特徴とする請求項1に記載の足指固定装置。
【請求項4】
前記下板(210)の後側には、前記下板(210)が揺れずに底面に支持されるように、底面支持台(260)が下側方向に垂直に折り曲げられて延びて底面に接触されることを特徴とする請求項1に記載の足指固定装置。
【請求項5】
前記ノブ(320)の側面には、強固に把持できるように、一定の間隔をあけてエンボス突起(321)を突出させることを特徴とする請求項1に記載の足指固定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻き爪・陥入爪の矯正が求められる患者や施術者の補助なしに患者の巻き爪・陥入爪を固定することにより、施術者が両手を自由に使って接着性組成物を塗布可能なように導く足指固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
巻き爪や陥入爪は、足爪疾患の一つであって、巻き爪は足の爪が内側に湾曲し、皮膚にくい込むことで強い痛みを生じ、陥入爪は爪(爪甲)の先端角部位が皮膚にくい込み、炎症や化膿を生じた状態のことをいい、主として足の第1趾(親指、母指)の爪に起こる。
【0003】
巻き爪・陥入爪の発症を誘発する原因としては、足爪が足爪の外側の肉を持続的に押し続けるあらゆる場面が挙げられる。
【0004】
例えば、爪切りにて足爪の外側を深く切りすぎた(いわゆる深爪)ときに、角がうまく切れず、とげのように残ったつめの角が肉の中に食い込む場合や、足水虫を長時間に亘って放置して足爪の形状が変わってしまう場合や、きつい靴を長時間に亘って履く場合や、肥満や老化が進みながら、足爪の湾曲が自然に激しくなる場合などが挙げられる。なお、遺伝的な要素も一つの原因として挙げられる。
【0005】
巻き爪・陥入爪の症状を挙げると、最初には足の親指の外側や内側が僅かに赤みを帯びながら腫れて軽度の痛みが生じ、たちまち外部との頻繁な摩擦により、当該部位がさらに腫れてうみが出始めて、肉芽組織(炎症と血管、繊維組織が増殖された団塊状のもの)が増殖されて足爪の周りが膿み始める。
【0006】
一方、巻き爪・陥入爪は、症状が進むと、当該部位から酷い臭いがするだけではなく、痛みもまたますます激しくなって正常な歩行をすることが困難になる。
【0007】
さらに、痛みによる歩行障害及び炎症が激しくなる場合、軟組織炎(皮下組織に細菌が浸透して化膿性炎症を引き起こす疾患)などといった2次感染疾患が派生する。
【0008】
これにより、巻き爪・陥入爪を周期的に管理して当該足爪の形状を正常の手爪または足爪の形状に変形させることのできる矯正手段が提案されている。
【0009】
従来の巻き爪・陥入爪の矯正方式は、マニキュアタイプの塗布器を用いて、巻き爪・陥入爪の上部に接着性組成物を塗布した後、紫外線を照射して塗布された接着性組成物が縮まりながら生じる力により巻き爪・陥入爪もまた一緒に上部に撓むようにすることで、皮膚の内側に食い込んだ足爪の両側の端部を外部に突出させて矯正する方式であって、約5回ほどを一定の周期ごとに繰り返し行う方式である。
【0010】
一方、従来の巻き爪・陥入爪の矯正方式は、巻き爪・陥入爪の上部に接着性組成物を塗布するとき、当該足指が動かないように患者が自ら自分の足の親指を固定しなければならないが、患者が自ら自分の足の親指を固定する姿勢を取るとき、その姿勢が不安定になって動きが生じるだけではなく、肥満患者の場合に姿勢それ自体が取れない場合がしばしばある。
【0011】
この理由から、施術者が患者の足の親指を片手でしっかり掴んだ後に、残りの片手でマニキュアタイプの塗布器を把持してから、患者の巻き爪・陥入爪の状態にある足の親指の爪に接着性組成物を塗布することを余儀なくされるため、塗布の正確性が半減されてしまうという不都合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】大韓民国公開特許公報第10-2021-0137963号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記の従来の技術における問題を解決するために案出されたものであって、その目的は、巻き爪・陥入爪の矯正が求められる患者や施術者の補助なしに患者の巻き爪・陥入爪を固定することにより、施術者が両手を自由に使って接着性組成物を塗布可能なように導く足指固定装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的を成し遂げるための技術的思想であって、本発明の足指固定装置は、上板に左右に移動可能なように一方向に沿って移動案内用長孔が穿設され、前記上板の一方の側に固定支持台が延びて突出する上板基準部と、前記上板の下面に上面が位置する下板が配置され、前記下板に固定孔が穿設されるが、前記移動案内用長孔に対応する位置に貫通形成されて前記移動案内用長孔に沿って左右に移動可能であり、前記固定孔が穿設された前記下板の下面にナットが連結され、前記下板の他方の側に移動支持台が延びて突出する下板移動部と、前記上板基準部の移動案内用長孔に沿って左右に移動可能なように配置される下板移動部が前記上板基準部に固定されるように、前記上板基準部の移動案内用長孔を貫通して前記下板移動部のナットにボルトが螺旋締めされ、前記上板基準部の上部に位置するように前記ボルトの上端側にノブが連結され、前記ノブの下側に加圧固定具が拡張突出して、前記ノブを螺旋固定する方向に回転するときに前記加圧固定具が前記上板に加圧接触される位置固定部と、を備える。
【0015】
前記下板の前側には、前記上板が前側に離脱することを制限する前側移動制限台が上側方向に垂直に折り曲げられて延びる。
【0016】
前記下板の後側には、前記上板が後側に離脱することを制限する後側移動制限台が上側方向に垂直に折り曲げられて延びる。
【0017】
前記下板の後側には、前記下板が揺れずに底面に支持されるように、底面支持台が下側方向に垂直に折り曲げられて延びて底面に接触される。
【0018】
前記ノブの側面には、強固に把持できるように、一定の間隔をあけてエンボス突起が突出する。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、巻き爪・陥入爪の矯正が求められる患者や施術者の補助なしに患者の巻き爪・陥入爪を固定することにより、施術者が両手を自由に使って接着性組成物を塗布可能なように導くことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】本発明の足指固定装置を示す組み立て状態の斜視図。
【
図3】本発明の足指固定装置を示す組み立て状態の斜視図。
【
図4A】本発明の足指固定装置を構成する固定支持台及び移動支持台が最大限に拡開されたことと最大限に狭まったことを示す側面図。
【
図4B】本発明の足指固定装置を構成する固定支持台及び移動支持台が最大限に拡開されたことと最大限に狭まったことを示す側面図。
【
図5】本発明の足指固定装置を用いて、巻き爪・陥入爪の矯正が求められる患者の足指を固定する過程を示す使用状態図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態の構成及び作用について添付図面に基づいて詳しく説明するに先立って、本発明は、様々な変更を加えることができ、種々の実施形態を有することができるので、下記の実施形態は、本発明について詳しく説明するために言及されたものに過ぎず、本発明を特定の開示の形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。
【0022】
また、各図面において、構成要素は、理解のしやすさなどを考慮して大きさや厚さを誇張して表現したり、単純化して表現したりしているが、これにより本発明の保護範囲が制限的に解釈されてはならず、同一の機能を行う場合には、できる限り同一の図面符号を付するものとする。これと併せて、本発明において用いた用語は、単に下記の実施形態を説明するために用いられたものに過ぎず、本発明を限定しようとする意図はなく、単数の表現は、文脈からみて明らかに他の意味を有さない限り、複数の言い回しを含む。
【0023】
図1から
図4に示すように、本発明の足指固定装置は、巻き爪・陥入爪の矯正が求められる患者や施術者の補助なしに患者の巻き爪・陥入爪を固定することにより、施術者が両手を自由に使って接着性組成物を塗布可能なように、上板基準部100と、下板移動部200及び位置固定部300を備える。
【0024】
まず、上板基準部100は、上板110に左右に移動可能なように一方向に沿って移動案内用長孔111が穿設され、前記上板110の一方の側に固定支持台120が延びて突出する部材である。
【0025】
ここで、上板110は、平板であって、ステンレス鋼などの金属またはPP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)が使用可能である。
【0026】
また、固定支持台120は、巻き爪・陥入爪の矯正が求められる患者の足の親指のうちの一方の側面に接触された状態で、後述する下板移動部200の移動支持台230が摺動により巻き爪・陥入爪の矯正が求められる患者の足の親指のうちの他方の側面に接触された状態で、後述する位置固定部300を用いて固定することにより、患者の足の親指の爪を固定する部材である。
【0027】
前記下板移動部200は、上板110の下面に上面が位置する下板210が配置され、下板210に固定孔211が穿設されるが、移動案内用長孔111に対応する位置に貫通形成されて移動案内用長孔111に沿って左右に移動可能であり、固定孔211が穿設された下板210の下面にナット220が連結され、下板210の他方の側に移動支持台230が延びて突出する部材である。
【0028】
ここで、下板210は、平板であって、ステンレス鋼などの金属またはPP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)が使用可能である。
【0029】
また、固定孔211は、患者の足の親指の大きさに合うように移動案内用長孔111に沿って左または右に移動するときに、下板210に延びて突出した移動支持台230もまた左または右に移動しながら、患者の足の親指の他方の側面に接触された状態で、後述する位置固定部300の固定に際して叙上の固定支持台120とともに患者の足の親指の両側面をそれぞれ固定することにより、施術者が両手を自由に使って接着性組成物を塗布可能なように導く。
【0030】
一方、本発明の足指固定装置には、固定孔211は、患者の足の親指の爪の大きさに合うように移動案内用長孔111に沿って左または右に移動するときに、下板移動部200の上に配置される上板基準部100が移動中に前の方向である前側または後ろの方向である後側に離脱することを防ぐ部材が配備される。
【0031】
まず、下板移動部200の上に配置される上板基準部100が移動中に前側に離脱することを防ぐように、下板移動部200に配備される下板210の前側には、前側移動制限台240が上側方向に垂直に折り曲げられて延びる。
【0032】
このように、垂直に折り曲げられる前側移動制限台240は、下板210の前側面に沿って形成されてもよく、移動支持台230の部分に限られて形成されてもよい。
【0033】
このとき、下板210の移動支持台230が垂直に折り曲げられる前側移動制限台240によりその高さが上向きに高くなるが、これにより、上板基準部100の固定支持台120と上板110との間にも前側移動制限台240の長さに見合う分の長さを有する上板連結竿130が上側方向に垂直に折り曲げられて配備されることにより、患者の足の親指の両側面に接触・固定されるときに同一の高さを有するように提供することにより、足指の固定能を最大限に保持する。
【0034】
また、下板移動部200の上に配置される上板基準部100が移動中に後側に離脱することを防ぐように、下板移動部200に配備される下板210の後側には、後側移動制限台250が上側方向に垂直に折り曲げられて延びる。
【0035】
このように、垂直に折り曲げられる後側移動制限台250は、下板210の後側面に沿って形成されてもよく、下板210の後側面のうち、両周縁面の側のみに限られてそれぞれ形成されてもよいが、これらのうち、下板210の後側面のうち、両周縁面の側にのみ限られてそれぞれ形成されることが好ましい。これは、後述する底面支持台260が下板210の後側面の中央部分に形成されるからであり、この詳細については、以下において詳しく述べる。
【0036】
さらに、本発明の足指固定装置には、患者の足の親指を固定する構成要素のうち、下板移動部200が底面に支持・固定されるようにして、下板210が揺れないようにすることにより、マニキュアタイプの塗布器を操作して接着性組成物を精度よく塗布可能なように導く。
【0037】
このために、下板移動部200を構成する下板210の後側には、底面支持台260が下側方向に垂直に折り曲げられて延びて底面に接触される。
【0038】
ここで、底面支持台260は、下板移動部200を構成する下板210の中央を中心として折り曲げられて形成されるが、その折り曲げられて形成される底面支持台260が底面に接触される接触長さを下板210の幅よりも長く確保して、患者の足指を固定した状態で、患者の足指の動きが最大限に制限されるように、すなわち、患者の足指が動けないようにする機能が最大化されるように提供する。
【0039】
また、後側移動制限台250は、下板移動部200を構成する下板210の後側面のうち、両周縁にそれぞれ形成されることにより、底面の支持もまた可能なように導くとともに、上板基準部100の摺動中に後側に離脱することを防ぐ機能もまた同時に行えるように導く。
【0040】
前記位置固定部300は、上板基準部100の移動案内用長孔111に沿って左右に移動可能なように配置される下板移動部200が上板基準部100に固定されるように、上板基準部100の移動案内用長孔111を貫通して下板移動部200のナット220にボルト310が螺旋締めされ、上板基準部100の上部に位置するようにボルト310の上端側にノブ320が連結され、ノブ320の下側に加圧固定具330が拡張突出して、ノブ320を螺旋固定する方向に回転させるときに加圧固定具330が上板110に加圧接触される部材である。
【0041】
ここで、ノブ320の側面には、一定の間隔をあけてエンボス突起321を突出させて、施術者が患者の足指を固定するとき、エンボス突起321の摩擦力を用いてノブ320を強固に把持できるように導く。
【0042】
このような構成を有する本発明の足指固定装置を用いて、巻き爪・陥入爪の矯正が求められる患者の足指を固定する過程について、主として
図5に基づいて説明すれば、下記の通りである。
【0043】
まず、施術者は、位置固定部300に配備されるノブ320を固定解除方向に回転させて、下板移動部200と上板基準部100との間の固定結合を解除することにより、互いに上板基準部100を基準として下板移動部200が左右に摺動可能なようにする。
【0044】
次いで、施術者は、下板移動部200に配備される下板210の移動支持台230と上板基準部100に配備される固定支持台120との間に巻き爪・陥入爪の矯正が求められる患者の足指を位置させる。
【0045】
次いで、施術者は、下板移動部200に配備される下板210の底面支持台260を底面に接触・支持して、下板移動部200に配備される下板210が揺れないように固定する。このとき、上板基準部100に配備される固定支持台120は、巻き爪・陥入爪の矯正が求められる患者の足指の一方の側面に接触させた状態である。
【0046】
次いで、施術者は、位置固定部300に配備されるノブ320を手で掴んで右側に移動させると、ノブ320と螺旋締めされた下板210もまた、これにつれて右側に移動させる。このとき、上板110の移動案内用長孔111に貫通して位置するボルト310が上板110の移動案内用長孔111に沿って右側に移動させられる。
【0047】
一方、施術者は、下板210の移動支持台230の側面に巻き爪・陥入爪の矯正が求められる患者の足指の他方の側面が接触されるまで移動させる。
【0048】
次いで、施術者は、位置固定部300に配備されるノブ320をロック進行方向に回転させると、ノブ320と連結されたボルト310もまたロック進行方向に回転しながら、ノブ320が下部に移動することになるが、ノブ320の加圧固定具330が上板110に加圧されてノブ320が下部にそれ以上移動しないまで移動させる。
【0049】
これにより、巻き爪・陥入爪の矯正が求められる患者の足指の両側面は、下板210の移動支持台230及び上板110の固定支持台120に接触された状態で固定される。
【0050】
次いで、施術者は、両手のうちのどちらか一方の手を用いて、マニキュアタイプの塗布器を把持した後、操作をして接着性組成物を患者の足の親指の爪に精度よく塗布し、既に指定された塗布回数まで塗布時間を守って塗布する。
【0051】
次いで、施術者は、接着性組成物の塗布を行い終えたら、本発明の足指固定装置を逆順に行って、患者の足指に固定されたものを解除する。
【0052】
以上の説明において、本発明は、特定の実施形態と結び付けて図示かつ説明したが、特許請求の範囲により示された発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内において種々の改変及び変形が可能であるということをこの技術分野において通常の知識を有する者であれば誰でも容易に理解できる筈である。
【符号の説明】
【0053】
100:上板基準部
101:移動案内用長孔
110:上板
120:固定支持台
130:上板連結竿
200:下板移動部
210:下板
211:固定孔
220:ナット
230:移動支持台
240:前側移動制限台
250:後側移動制限台
260:底面支持台
300:位置固定部
310:ボルト
320:ノブ
321:エンボス突起
330:加圧固定具