(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102283
(43)【公開日】2023-07-24
(54)【発明の名称】3段変速機構
(51)【国際特許分類】
F16H 3/091 20060101AFI20230714BHJP
F16H 3/10 20060101ALI20230714BHJP
F16H 57/021 20120101ALI20230714BHJP
【FI】
F16H3/091
F16H3/10
F16H57/021
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002017
(22)【出願日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】111101115
(32)【優先日】2022-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】596009559
【氏名又は名称】姚 立和
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】姚 立和
【テーマコード(参考)】
3J063
3J528
【Fターム(参考)】
3J063AA40
3J063AB02
3J063AC03
3J063BA04
3J063BB41
3J063BB46
3J063CA01
3J063CB12
3J063CD17
3J528EA09
3J528EA25
3J528EB33
3J528EB35
3J528EB63
3J528EB66
3J528EB75
3J528FB04
3J528FC33
3J528FC42
3J528FC63
3J528GA40
3J528HA13
3J528HA26
(57)【要約】 (修正有)
【課題】構造を効果的に簡素化し、メンテナンスや交換を容易にした、3段変速機構の提供。
【解決手段】本発明の3段変速機構は、ハウジング内に駆動ユニットと、入力ユニットと、出力ユニットとが設けられ、当該入力ユニットが、当該駆動ユニットによって駆動可能な駆動軸を備え、当該駆動軸が、中段部に初期駆動ホイールを有し、当該初期駆動ホイールの両側に第1変速ユニットと第2変速ユニットがそれぞれ設置され、当該出力ユニットが出力軸を備え、かつ当該出力軸上に、当該初期駆動ホイール及び第1変速ユニット、第2変速ユニットと噛み合わされる初期従動ホイール及び第1変速輪、第2変速輪が設けられ、かつ当該初期従動ホイールと当該第1変速輪がそれぞれ第1ワンウェイベアリング及び第2ワンウェイベアリングを介して当該出力軸上に設置され、3段変速機能を形成することができ、また取り付け及びメンテナンスの利便性を向上することができる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3段変速機構であって、駆動ユニットと、入力ユニットと、出力ユニットと、を含み、
前記駆動ユニットが、電動モーターを備え、前記電動モーターの出力軸が前記入力ユニットの駆動に用いられる駆動ホイールを備え、
前記入力ユニットが、前記駆動ホイールにより駆動され得る駆動軸を備え、前記駆動軸の中段部に初期駆動ホイールが設置され、かつ前記初期駆動ホイールの両側に第1変速ユニットと第2変速ユニットがそれぞれ設置され、そのうち、前記第1変速ユニットが前記駆動軸上に設置された第1クラッチを備え、かつ前記第1クラッチが前記駆動軸上に設けられて選択的に駆動され得る第1駆動ホイールを備え、他側の前記第2変速ユニットが前記駆動軸上に設置された第2クラッチを備え、かつ前記第2クラッチが前記駆動軸上に設けられて選択的に駆動され得る第2駆動ホイールを備え、
前記出力ユニットが、前記入力ユニットの駆動軸の軸線に平行な出力軸を備え、かつ前記出力軸の中段部に前記初期駆動ホイールと噛合される初期従動ホイールが設置され、前記初期従動ホイールの両側に第1変速輪と第2変速輪がそれぞれ設置され、そのうち、前記第1変速輪が前記第1駆動ホイールと相互に噛合され、前記第2変速輪が前記第2駆動ホイールと相互に噛合され、かつ前記初期従動ホイールが、第1ワンウェイベアリングを介して前記出力軸上に設置され、前記第1変速輪が、第2ワンウェイベアリングを介して前記出力軸上に設置され、そのうち、前記第1ワンウェイベアリングと前記第2ワンウェイベアリングが同一方向に駆動を阻止するワンウェイ部材であり、さらに前記第1変速ユニットの第1駆動ホイールと前記第1変速輪のギア比が生み出す回転速が、前記初期駆動ホイールと前記初期従動ホイールのギア比が生み出す回転速より高く、かつ前記第2変速ユニットの第2駆動ホイールと前記第2変速輪のギア比が生み出す回転速も、前記初期駆動ホイールと前記初期従動ホイールのギア比が生み出す回転速より高い、ことを特徴とする、3段変速機構。
【請求項2】
前記駆動ユニット、前記入力ユニット、前記出力ユニットが、ハウジング内に組み込まれ、かつ前記ハウジングの両端に、選択的に着脱可能な第1端カバーと第2端カバーがそれぞれ設置される、ことを特徴とする、請求項1に記載の3段変速機構。
【請求項3】
前記入力ユニットの駆動軸の一端に、前記駆動ホイールにより駆動される従動ホイールが固定される、ことを特徴とする、請求項1に記載の3段変速機構。
【請求項4】
前記駆動ユニットの駆動ホイールが、ギア比調整ユニットを介して前記入力ユニットの従動ホイールと噛合されて駆動可能であり、前記ギア比調整ユニットが、同軸で同期して回動する第1歯車と第2歯車を備え、そのうち前記第1歯車が前記駆動ホイールと噛合可能であり、前記第2歯車が前記従動ホイールと噛合可能であり、前記第1歯車、前記第2歯車のギア比を変えることで、前記駆動ユニットが前記入力ユニットを駆動する初期回転速を変えるために用いられる、ことを特徴とする、請求項3に記載の3段変速機構。
【請求項5】
前記出力ユニットの出力軸の両端のうち少なくとも一端に出力輪が設置され、外部従動部材の駆動に用いられる、ことを特徴とする、請求項1に記載の3段変速機構。
【請求項6】
前記第2変速ユニットの第2駆動ホイールと前記出力ユニットの第2変速輪のギア比が生み出す回転速が、前記第1変速ユニットの第1駆動ホイールと前記出力ユニットの第1変速輪のギア比が生み出す回転速より高い、ことを特徴とする、請求項1に記載の3段変速機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速技術の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
電動バイクは、電動モーターの回転数の増減を利用して変速を行うが、主に体積と利用可能なスペースの不足により、構造が複雑な大型の変速機構を設置することはできない。一般に、低速で走行するときのモーター回転数は1000~2000rpmを維持するのが良いと言われているが、電動バイクを高速で走行させる必要があるときは、モーターの回転数を2000rpm以上に上げることになる。これはモーターの性能を低下させることになるため、対処法としては、変速機構を使用してモーターを1000~2000rpmに保ち、出力軸で駆動する出力輪の回転数を2000rpm以上にすることが好ましい。
【0003】
現有の変速機構は主に2種類のタイプがあり、1つは歯車式変速器で、変速切り替えの効率がよいが、構造が複雑で、コストが高く、メンテナンスが不便であるだけでなく、変速切り替え時に加速または減速による変速ショックを生じやすい。もう1つは無段変速機(Continuously Variable Transmission, CVT)で、構造を簡素化し、コストを抑え、メンテナンスを容易にすることはできるが、変速切り替えの効率が悪い。
【0004】
つまり、現有の変速機構には、構造が複雑すぎる、メンテナンスや交換の難易度が上がる、変速効率が悪いなどの問題がそれぞれ存在するため、前述の問題をどう解決するかが本発明の課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、構造を効果的に簡素化し、その構造配置を利用することで、組み立てやメンテナンスの難易度を効果的に下げ、メンテナンスや交換を容易にし、時間と手間を省くことができる、3段変速機構を提供することにある。
【0006】
本発明の別の主な目的は、3段変速機能を備え、変速時に動力を直接接続し、変速切り替えの迅速化と信頼性の向上という目的を達成することができる、3段変速機構を提供することにある。
【0007】
本発明のさらに別の主な目的は、変速過程を円滑にして変速ショックをなくし、変速切り替えの安定性と快適性という目的を達成することができる、3段変速機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下本発明について説明する。請求項1に記載する3段変速機構は、駆動ユニットと、入力ユニットと、出力ユニットと、を含み、
前記駆動ユニットが、電動モーターを備え、前記電動モーターの出力軸が前記入力ユニットの駆動に用いられる駆動ホイールを備え、
前記入力ユニットが、前記駆動ホイールにより駆動され得る駆動軸を備え、前記駆動軸の中段部に初期駆動ホイールが設置され、かつ前記初期駆動ホイールの両側に第1変速ユニットと第2変速ユニットがそれぞれ設置され、そのうち、前記第1変速ユニットが前記駆動軸上に設置された第1クラッチを備え、かつ前記第1クラッチが前記駆動軸上に設けられて選択的に駆動され得る第1駆動ホイールを備え、他側の前記第2変速ユニットが前記駆動軸上に設置された第2クラッチを備え、かつ前記第2クラッチが前記駆動軸上に設けられて選択的に駆動され得る第2駆動ホイールを備え、
前記出力ユニットが、前記入力ユニットの駆動軸の軸線に平行な出力軸を備え、かつ前記出力軸の中段部に前記初期駆動ホイールと噛合される初期従動ホイールが設置され、前記初期従動ホイールの両側に第1変速輪と第2変速輪がそれぞれ設置され、そのうち、前記第1変速輪が前記第1駆動ホイールと相互に噛合され、前記第2変速輪が前記第2駆動ホイールと相互に噛合され、かつ前記初期従動ホイールが、第1ワンウェイベアリングを介して前記出力軸上に設置され、前記第1変速輪が、第2ワンウェイベアリングを介して前記出力軸上に設置され、そのうち、前記第1ワンウェイベアリングと前記第2ワンウェイベアリングが同一方向に駆動を阻止するワンウェイ部材であり、さらに前記第1変速ユニットの第1駆動ホイールと前記第1変速輪のギア比が生み出す回転速が、前記初期駆動ホイールと前記初期従動ホイールのギア比が生み出す回転速より高く、かつ前記第2変速ユニットの第2駆動ホイールと前記第2変速輪のギア比が生み出す回転速も、前記初期駆動ホイールと前記初期従動ホイールのギア比が生み出す回転速より高い。
【0009】
請求項2に記載する3段変速機構は、請求項1における駆動ユニット、前記入力ユニット、前記出力ユニットが、ハウジング内に組み込まれ、かつ前記ハウジングの両端に、選択的に着脱可能な第1端カバーと第2端カバーがそれぞれ設置される。
【0010】
請求項3に記載する3段変速機構は、請求項1における入力ユニットの駆動軸の一端に、前記駆動ホイールにより駆動される従動ホイールが固定される。
【0011】
請求項4に記載する3段変速機構は、請求項3における駆動ユニットの駆動ホイールが、ギア比調整ユニットを介して前記入力ユニットの従動ホイールと噛合されて駆動可能であり、前記ギア比調整ユニットが、同軸で同期して回動する第1歯車と第2歯車を備え、そのうち前記第1歯車が前記駆動ホイールと噛合可能であり、前記第2歯車が前記従動ホイールと噛合可能であり、前記第1歯車、前記第2歯車のギア比を変えることで、前記駆動ユニットが前記入力ユニットを駆動する初期回転速を変えるために用いられる。
【0012】
請求項5に記載する3段変速機構は、請求項1における出力ユニットの出力軸の両端のうち少なくとも一端に出力輪が設置され、外部従動部材の駆動に用いられる。
【0013】
請求項6に記載する3段変速機構は、請求項1における第2変速ユニットの第2駆動ホイールと前記出力ユニットの第2変速輪のギア比が生み出す回転速が、前記第1変速ユニットの第1駆動ホイールと前記出力ユニットの第1変速輪のギア比が生み出す回転速より高い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図3】本発明の別の角度からの部分立体分解図である。
【
図5】本発明の組み立て後の内部を示す概略図である。
【
図6】本発明の
図5におけるA-A線での側面断面図である。
【
図7】本発明の
図5におけるB-B線での俯瞰断面図である。
【
図8】本発明の初期ギアポジションでの俯瞰動作図である。
【
図9】本発明の第1の加速シフトの俯瞰動作図である。
【
図10】本発明の第2の加速シフトの俯瞰動作図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の構成は、
図1、
図2、
図3に示すように、ハウジング10内に駆動ユニット20と、入力ユニット30と、出力ユニット40が設置されて成る。
【0016】
最良の実施例の詳細な構成は、
図3から
図7に示すように、当該ハウジング10の両端に第1端カバー11と第2端カバー12がそれぞれ設置され、軸線に平行に設置された当該駆動ユニット20と、当該入力ユニット30と、当該出力ユニット40の保護と支持に用いられる。
【0017】
当該駆動ユニット20は、電動モーター21を備え、当該電動モーター21の出力軸が、当該入力ユニット30の駆動に用いる駆動ホイール22を備えており、かつ当該駆動ホイール22がギア比調整ユニット25を介して当該入力ユニット30と噛合して駆動することができ、また当該ギア比調整ユニット25がさらに同軸で同期して回動する第1歯車26及び第2歯車27を備え、そのうち当該第1歯車26が当該電動モーター21の駆動ホイール22と噛合することができる。
【0018】
当該入力ユニット30は、当該駆動ユニット20の駆動ホイール22の軸線と平行な駆動軸31を備え、
図4と
図6に示すように、当該駆動軸31の一端に当該駆動ホイール22によって駆動される従動ホイール32が固定され、かつ当該従動ホイール32がさらに当該ギア比調整ユニット25の第2歯車27と噛合し、当該第1歯車26、第2歯車27のギア比を変えることにより当該駆動ユニット20が駆動する当該入力ユニット30の回転速を変えるために用いることができる。また当該入力ユニット30の駆動軸31の中段部に当該出力ユニット40を駆動するために用いることができる初期駆動ホイール33が設置され、かつ当該初期駆動ホイール33の両側にそれぞれ第1変速ユニット34と第2変速ユニット37が設置され、そのうち、当該第1変速ユニット34が当該駆動軸31上に設置された第1クラッチ35を備え、かつ当該第1クラッチ35が当該駆動軸31上に設置されて選択的に駆動され得る第1駆動ホイール36を備えており、他側の当該第2変速ユニット37が当該駆動軸31上に設置された第2クラッチ38を備え、かつ当該第2クラッチ38が当該駆動軸31上に設置されて選択的に駆動され得る第2駆動ホイール39を備えている。
【0019】
当該出力ユニット40は、当該入力ユニット30の駆動軸31の軸線に平行な出力軸41を備え、
図4、
図7に示すように、当該出力軸41は両端のうち少なくとも一端が当該ハウジング10に穿出されて端部に出力輪42が設置され、外部の従動部材(たとえばチェーンなど、図示しない)を駆動するために用いられる。かつ当該出力軸41の中段部に当該入力ユニット30の初期駆動ホイール33と噛合される初期従動ホイール43が設置され、かつ当該初期従動ホイール43の両側にそれぞれ第1変速輪45と第2変速輪47が設置される。そのうち当該第1変速輪45は当該駆動軸31の第1駆動ホイール36と相互に噛合され、当該第2変速輪47は当該駆動軸31の第2駆動ホイール39と相互に噛合され、かつ当該初期従動ホイール43と当該第1変速輪45が第1ワンウェイベアリング44と第2ワンウェイベアリング46をそれぞれ介して当該出力軸41上に設置され、そのうち、当該第1ワンウェイベアリング44と当該第2ワンウェイベアリング46は同一方向に駆動を阻止するワンウェイ部材である。さらに、当該第1変速ユニット34の第1駆動ホイール36と当該出力軸41の第1変速輪45のギア比が生み出す回転速が当該初期駆動ホイール33と当該初期従動ホイール43のギア比が生み出す回転速より高く、かつ当該第2変速ユニット37の第2駆動ホイール39と当該出力軸41の第2変速輪47のギア比が生み出す回転速が当該初期駆動ホイール33と当該初期従動ホイール43のギア比が生み出す回転速より高いことにより、当該入力ユニット30が当該第1変速ユニット34を介して当該出力軸41を駆動するとき、当該初期従動ホイール43が空転を形成し、動力の接続をより円滑に安定させ、変速ショックを生じないようにすることができる。一部の実施例によれば、当該第2変速ユニット37の第2駆動ホイール39と当該出力軸41の第2変速輪47のギア比が生み出す回転速が、当該第1変速ユニット34の第1駆動ホイール36と当該第1変速輪45のギア比が生み出す回転速より高く、当該入力ユニット30が第2変速ユニット37を介して当該出力軸41を駆動するとき、当該第1変速輪45と当該初期従動ホイール43が同時に空転を形成し、動力の接続をより円滑に安定させ、変速ショックを生じないようにすることができる。
【0020】
これにより、当該入力ユニット30と当該出力ユニット40間の第1変速ユニット34及び第2変速ユニット37により当該駆動ユニット20が出力する初期回転速に対して加速を行い、三段変速の効果を達成する。かつ、当該ハウジング10両側の第1カバー11、第2端カバー12がそれぞれ当該入力ユニット30の第1変速ユニット34と第2変速ユニット37に対応し、当該第1変速ユニット34と当該第2変速ユニット37の着脱及びメンテナンスに有利であり、構造が簡単で、メンテナンスが容易な3段変速機構を構築することができる。
【0021】
本発明の実際の動作は、まず初期回転速を使用する必要があるとき、
図2、
図4、
図8に示すように、当該駆動ユニット20の電動モーター21の駆動ホイール22が当該ギア比調整ユニット25を介して当該入力ユニット30の駆動軸31を初期回転速で回動させるとき、当該駆動軸31上の第1変速ユニット34、第2変速ユニット37の第1クラッチ35、第2クラッチ38が噛み合わされていないため、当該第1変速ユニット34、第2変速ユニット37の第1駆動ホイール36、第2駆動ホイール39は当該駆動軸31により駆動されない。これにより当該駆動軸31上の初期駆動ホイール33のみが駆動され、相互に噛合された当該出力ユニット40の出力軸41上の初期従動ホイール43が駆動される。かつ、当該初期従動ホイール43が当該第1ワンウェイベアリング44を介して当該出力軸41を駆動することで、当該電動モーター21が当該出力軸41を駆動して当該出力輪42を初期回転速で運転させる。
【0022】
第1の加速シフトを行う必要があるときは、当該出力ユニット40の出力軸41が初期回転速で運転されているとき、
図9に示すように、当該駆動ユニット20の電動モーター21の駆動ホイール22が当該ギア比調整ユニット25を介して当該入力ユニット30の駆動軸31を初期回転速で回動させている状態下で、当該駆動軸31上の第1変速ユニット34の第1クラッチ35を噛合させ、当該駆動軸31上の第2変速ユニット37の第2クラッチ38はまだ噛合されておらず、当該第1変速ユニット34の第1駆動ホイール36を当該駆動軸31により駆動させることができる。当該第1変速ユニット34の第1駆動ホイール36と当該第1変速輪45のギア比が、当該初期駆動ホイール33と当該初期従動ホイール43より大きいため、当該第1変速輪45の回転速が当該初期従動ホイール43より高くなる。このため、当該第1変速輪45は当該第2ワンウェイベアリング46を介して当該出力軸41を駆動し、当該出力軸41と当該初期従動ホイール43の第1ワンウェイベアリング44を逆方向に空転させ、当該初期従動ホイール43が当該出力軸41に対して干渉を生じないようにし、当該電動モーター21が当該第1変速ユニット34を介して当該出力軸41を駆動し、当該出力輪42を第1の加速シフトの回転速で運転させることができる。かつ、当該出力軸41の回転速は、初期回転速から第1の加速回転速に変換されるため、その回転速の落差が比較的小さく、動力の接続をより円滑に安定させ、変速ショックを生じないようにすることができる。
【0023】
第2の加速シフトを行う必要があるときは、当該出力ユニット40の出力軸41が第1の加速回転速で運転されているとき、
図10に示すように、当該駆動ユニット20の電動モーター21の駆動ホイール22が当該ギア比調整ユニット25を介して当該入力ユニット30の駆動軸31を駆動し、かつ当該第1変速ユニット34で当該出力軸41を第1の加速回転速で回動指せている状態下で、当該駆動軸31上の第2変速ユニット37の第2クラッチ38を噛合させ、当該第2変速ユニット37の第2駆動ホイール39を当該駆動軸31により駆動できるようにする。当該第2変速ユニット37の第2駆動ホイール39と当該第2変速輪47のギア比が、当該第1変速ユニット34の第1駆動ホイール36と当該第1変速輪45及び当該初期駆動ホイール33と当該初期従動ホイール43のギア比より大きいため、当該第2変速輪47の回転速が当該第1変速輪45と当該初期従動ホイール43より高くなる。このため、当該第2変速輪47は当該出力軸41を駆動することができ、当該出力軸41と当該第1変速輪45の第2ワンウェイベアリング46及び当該初期従動ホイール43の第1ワンウェイベアリング44を逆方向に空転させ、当該第1変速輪45と当該初期従動ホイール43が当該出力軸41に対して干渉を生じないようにし、当該電動モーター21が当該第2変速ユニット37を介して当該出力軸41を駆動し、当該出力輪42を第2の加速シフトの回転速で運転させることができる。かつ、当該出力軸41の回転速は、第1の加速回転速から第2の加速回転速に変換されるため、その回転速の落差が比較的小さく、動力の接続をより円滑に安定させ、変速ショックを生じないようにすることができる。
【0024】
前述の設計と説明により、本発明は当該入力ユニット30の駆動軸31の中段部を利用して当該初期駆動ホイール33を設置し、かつ当該駆動軸31の初期駆動ホイール33両側にそれぞれ当該第1変速ユニット34と当該第2変速ユニット37を設置しており、また当該初期従動ホイール43が備える第1ワンウェイベアリング44と、当該第1変速輪45が備える第2ワンウェイベアリング46が同一方向に駆動を阻止するワンウェイ部材であり、同時に当該ハウジング10両側の第1端カバー11、第2端カバー12の設計を組み合わせることにより、本発明が形成する3段変速機能を利用することができるほか、徐々に速度を上げることで、動力の接続をより円滑に安定させ、変速ショックを生じないようにすることができ、また当該第1変速ユニット34、第2変速ユニット37が当該駆動軸31の両側に設置されているため、構造が簡単であるだけでなく、組立てと取り外し、メンテナンス時に、それぞれ当該ハウジング10の両側の第1端カバー11、第2端カバー12を開けて実施することができるため、全体を取り外す必要がなく、取り付けとメンテナンスの利便性を大幅に向上することができる。
【符号の説明】
【0025】
10 ハウジング
11 第1端カバー
12 第2端カバー
20 駆動ユニット
21 電動モーター
22 駆動ホイール
25 ギア比調整ユニット
26 第1歯車
27 第2歯車
30 入力ユニット
31 駆動軸
32 従動ホイール
33 初期駆動ホイール
34 第1変速ユニット
35 第1クラッチ
36 第1駆動ホイール
37 第2変速ユニット
38 第2クラッチ
39 第2駆動ホイール
40 出力ユニット
41 出力軸
42 出力輪
43 初期従動ホイール
44 第1ワンウェイベアリング
45 第1変速輪
46 第2ワンウェイベアリング
47 第2変速輪