(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102285
(43)【公開日】2023-07-24
(54)【発明の名称】発光素子及び前記発光素子を含む電子装置
(51)【国際特許分類】
H10K 50/18 20230101AFI20230714BHJP
H10K 50/15 20230101ALI20230714BHJP
H10K 50/16 20230101ALI20230714BHJP
H10K 50/19 20230101ALI20230714BHJP
H10K 50/13 20230101ALI20230714BHJP
H10K 59/123 20230101ALI20230714BHJP
H10K 59/38 20230101ALI20230714BHJP
H10K 59/40 20230101ALI20230714BHJP
H10K 50/86 20230101ALI20230714BHJP
H10K 85/60 20230101ALI20230714BHJP
C07D 209/86 20060101ALI20230714BHJP
C07D 413/14 20060101ALI20230714BHJP
C07D 403/14 20060101ALI20230714BHJP
C07D 405/14 20060101ALI20230714BHJP
【FI】
H10K50/18
H10K50/15
H10K50/16
H10K50/19
H10K50/13
H10K59/123
H10K59/38
H10K59/40
H10K50/86
H10K85/60
C07D209/86
C07D413/14
C07D403/14
C07D405/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002274
(22)【出願日】2023-01-11
(31)【優先権主張番号】10-2022-0004303
(32)【優先日】2022-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジョンウォン
(72)【発明者】
【氏名】キム,スンチョル
(72)【発明者】
【氏名】イ,チャンミン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヒョンシク
【テーマコード(参考)】
3K107
4C063
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB02
3K107CC06
3K107CC12
3K107DD52
3K107DD72
3K107DD74
3K107DD78
3K107EE03
3K107EE22
3K107EE24
3K107EE26
3K107EE66
3K107FF04
4C063AA03
4C063AA05
4C063BB02
4C063CC17
4C063CC31
4C063CC52
4C063CC76
4C063DD08
4C063EE10
(57)【要約】
【課題】発光素子及び前記発光素子を含む電子装置を提供する。
【解決手段】第1電極(110)と、第1電極に対向する第2電極(150)と、第1電極と第2電極との間に配置され、発光層を含む中間層(130)と、第1電極(110)と中間層(130)との間に配置された正孔輸送領域と、を含み、正孔輸送領域は、電子阻止層を含み、電子阻止層は、化学式1で表されるヘテロ環化合物を含む発光素子である。
<化学式1>
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、
前記第1電極に対向する第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、発光層を含む中間層と、
前記第1電極と前記中間層との間に配置された正孔輸送領域と、を含み、
前記正孔輸送領域は、電子阻止層を含み、
前記電子阻止層は、下記化学式1で表されるヘテロ環化合物を含む、発光素子:
<化学式1>
前記化学式1において、
環CY1ないし環CY4は、互いに独立して、C
3-C
60炭素環基またはC
1-C
60ヘテロ環基であり、
T
1は、*-(L
1)
a1-(R
1)
b1であり、
T
2は、*-(L
2)
a2-(R
2)
b2であり、
T
3は、*-(L
3)
a3-(R
3)
b3であり、
T
4は、*-(L
4)
a4-(R
4)
b4であり、
T
5は、*-(L
5)
a5-(R
5)
b5であり、
T
6は、*-(L
6)
a6-(R
6)
b6であり、
*は、隣接した原子との結合サイトであり、
c1ないしc4は、互いに独立して、0ないし10の整数であり、
B
1、及びL
1ないしL
6は、互いに独立して、単結合、少なくとも1つのR
10aで置換されたか、もしくは非置換のC
5-C
30炭素環基、または、少なくとも1つのR
10aで置換されたか、もしくは非置換のC
1-C
30ヘテロ環基であり、
n1、及びa1ないしa6は、互いに独立して、0ないし3の整数であり、
R
1ないしR
6は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、少なくとも1つのR
10aで置換されたか、もしくは非置換のC
1-C
60アルキル基、少なくとも1つのR
10aで置換されたか、もしくは非置換のC
2-C
60アルケニル基、少なくとも1つのR
10aで置換されたか、もしくは非置換のC
2-C
60アルキニル基、少なくとも1つのR
10aで置換されたか、もしくは非置換のC
1-C
60アルコキシ基、少なくとも1つのR
10aで置換されたか、もしくは非置換のC
3-C
60炭素環基、少なくとも1つのR
10aで置換されたか、もしくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環基、少なくとも1つのR
10aで置換されたか、もしくは非置換のC
6-C
60アリールオキシ基、少なくとも1つのR
10aで置換されたか、もしくは非置換のC
6-C
60アリールチオ基、少なくとも1つのR
10aで置換されたか、もしくは非置換のC
7-C
60アリールアルキル基、少なくとも1つのR
10aで置換されたか、もしくは非置換のC
2-C
60ヘテロアリールアルキル基、-Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-N(Q
1)(Q
2)、-B(Q
1)(Q
2)、-C(=O)(Q
1)、-S(=O)
2(Q
1)または-P(=O)(Q
1)(Q
2)であり、
b1ないしb6は、互いに独立して、0ないし10の整数であり、
前記R
10aは、
重水素(-D)、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基またはニトロ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
7-C
60アリールアルキル基、C
2-C
60ヘテロアリールアルキル基、-Si(Q
11)(Q
12)(Q
13)、-N(Q
11)(Q
12)、-B(Q
11)(Q
12)、-C(=O)(Q
11)、-S(=O)
2(Q
11)、-P(=O)(Q
11)(Q
12)、またはそれら任意の組み合わせで置換されたか、もしくは非置換の、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基またはC
1-C
60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
7-C
60アリールアルキル基、C
2-C
60ヘテロアリールアルキル基、-Si(Q
21)(Q
22)(Q
23)、-N(Q
21)(Q
22)、-B(Q
21)(Q
22)、-C(=O)(Q
21)、-S(=O)
2(Q
21)、-P(=O)(Q
21)(Q
22)、またはそれら任意の組み合わせで置換されたか、もしくは非置換の、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
7-C
60アリールアルキル基またはC
2-C
60ヘテロアリールアルキル基;あるいは
-Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)、-N(Q
31)(Q
32)、-B(Q
31)(Q
32)、-C(=O)(Q
31)、-S(=O)
2(Q
31)または-P(=O)(Q
31)(Q
32);であり、
前記Q
1ないしQ
3、Q
11ないしQ
13、Q
21ないしQ
23、及びQ
31ないしQ
33は、互いに独立して、水素;重水素;-F;-Cl;-Br;-I;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;C
1-C
60アルキル基;C
2-C
60アルケニル基;C
2-C
60アルキニル基;C
1-C
60アルコキシ基;あるいは重水素、-F、シアノ基、C
1-C
60アルキル基、C
1-C
60アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、またはそれら任意の組み合わせで置換されたか、もしくは非置換の、C
3-C
60炭素環基、C
1-C
60ヘテロ環基、C
7-C
60アリールアルキル基、またはC
2-C
60ヘテロアリールアルキル基;である。
【請求項2】
前記化学式1において、
環CY1ないし環CY4は、互いに独立して、ベンゼン基、ナフタレン基、フェナントレン基、ベンゾキノリン基、ベンゾイソキノリン基、フェナントリジン基、ベンゾイミダゾール基、ベンゾオキサゾール基、カルバゾール基またはジベンゾフラン基である、請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記化学式1は、下記化学式1-1ないし下記化学式1-4で表される、請求項1に記載の発光素子:
<化学式1-1>
<化学式1-2>
<化学式1-3>
<化学式1-4>
前記化学式1-1ないし前記化学式1-4において、
CY1、CY3、CY4、T
1、T
3、T
4、T
5、T
6、c1、c3、c4、B
1及びn1に係わる説明は、請求項1を参照し、
T
21は、*-(L
21)
a21-(R
21)
b21であり、
T
22は、*-(L
22)
a22-(R
22)
b22であり、
T
23は、*-(L
23)
a23-(R
23)
b23であり、
T
24は、*-(L
24)
a24-(R
24)
b24であり、
*は、隣接した原子との結合サイトであり、
L
21ないしL
24は、互いに独立して、請求項1のL
2に係わる説明を参照し、
a21ないしa24は、互いに独立して、請求項1のa2に係わる説明を参照し、
R
21ないしR
24は、互いに独立して、請求項1のR
2に係わる説明を参照し、
b21ないしb24は、互いに独立して、請求項1のb2に係わる説明を参照する。
【請求項4】
前記化学式1において、
B1は、単結合;あるいは
少なくとも1つのR10aでされたか、置換もしくは非置換のベンゼン基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のナフタレン基、少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のアントラセン基、少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のフェナントレン基、少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のベンゾキノリン基、少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のベンゾイソキノリン基、少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のフェナントリジン基、少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のベンゾイミダゾール基、少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のベンゾオキサゾール基、少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のカルバゾール基、少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のジベンゾフラン基、少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のフルオレン基、少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のジベンゾチオフェン基、または少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のジベンゾシロール基;である、請求項1に記載の発光素子。
【請求項5】
前記化学式1において、
L1ないしL6は、互いに独立して、単結合;あるいは
フェニレン基、ナフチレン基、フェナントレニレン基、カルバゾリレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ジベンゾシロリレン基、ベンゾキノリニレン基、ベンゾイソキノリニレン基、フェナントリジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基またはベンゾオキサゾリレン基;または、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロへキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾシロリル基、ベンゾキノリニル基、ベンゾイソキノリニル基、フェナントリジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、またはそれらの組み合わせで置換もしくは非置換の、フェニレン基、ナフチレン基、フェナントレニレン基、カルバゾリレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ジベンゾシロリレン基、ベンゾキノリニレン基、ベンゾイソキノリニレン基、フェナントリジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基またはベンゾオキサゾリレン基;である、請求項1に記載の発光素子。
【請求項6】
前記化学式1において、
L1ないしL4は、それぞれ単結合であり、
L5及びL6は、互いに独立して、単結合、あるいはフェニレン基、ナフチレン基、フェナントレニレン基、カルバゾリレン基、ジベンゾフラニレン基、ベンゾキノリニレン基、ベンゾイソキノリニレン基、フェナントリジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基またはベンゾオキサゾリレン基;または、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロへキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ベンゾキノリニル基、ベンゾイソキノリニル基、フェナントリジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、またはそれらの組み合わせで置換もしくは非置換の、フェニレン基、ナフチレン基、フェナントレニレン基、カルバゾリレン基、ジベンゾフラニレン基、ベンゾキノリニレン基、ベンゾイソキノリニレン基、フェナントリジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基またはベンゾオキサゾリレン基;である、請求項1に記載の発光素子。
【請求項7】
前記化学式1において、
R1ないしR6は、互いに独立して、水素、重水素、-F、シアノ基またはC1-C20アルキル基;
重水素、-F、シアノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、C1-C20アルキルフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾキノリニル基、ベンゾイソキノリニル基、フェナントリジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、またはそれら任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、C1-C20アルキルフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾキノリニル基、ベンゾイソキノリニル基、フェナントリジニル基、ベンゾイミダゾリル基またはベンゾオキサゾリル基;である、請求項1に記載の発光素子。
【請求項8】
前記化学式1において、
R1ないしR4は、互いに独立して、水素、重水素、-F、シアノ基またはC1-C20アルキル基であり、
R5及びR6は、互いに独立して、重水素、-F、シアノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、C1-C20アルキルフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾキノリニル基、ベンゾイソキノリニル基、フェナントリジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、またはそれら任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、C1-C20アルキルフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾキノリニル基、ベンゾイソキノリニル基、フェナントリジニル基、ベンゾイミダゾリル基またはベンゾオキサゾリル基である、請求項1に記載の発光素子。
【請求項9】
前記ヘテロ環化合物の正孔移動度は、0.01cm2/V・sないし0.1cm2/V・sである、請求項1に記載の発光素子。
【請求項10】
前記ヘテロ環化合物は、下記化合物1-1ないし1-15のうちから選択されたいずれか1つである、請求項1に記載の発光素子:
【請求項11】
前記中間層は、前記発光層と前記第2電極との間に配置された電子輸送領域をさらに含み、
前記正孔輸送領域は、正孔注入層、正孔輸送層、発光補助層、またはそれら任意の組み合わせをさらに含み、
前記電子輸送領域は、バッファ層、正孔阻止層、電子調節層、電子輸送層、電子注入層、またはそれら任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の発光素子。
【請求項12】
前記電子阻止層は、前記中間層と直接に接触する(directly contacted)、請求項1に記載の発光素子。
【請求項13】
前記発光層は、青色光を放出する、請求項1に記載の発光素子。
【請求項14】
前記第1電極と前記中間層との間に配置されたm個の発光ユニット、隣接した前記発光ユニット同士の間に介在された(m-1)個の電荷生成ユニット、及び、前記発光ユニットのうちの、前記中間層と隣接した発光ユニットと前記中間層との間に配置された電荷生成ユニット;
前記第2電極と前記中間層との間に配置されたn個の発光ユニット、隣接した前記発光ユニット同士の間に介在された(n-1)個の電荷生成ユニット、及び、前記発光ユニットのうちの、前記中間層と隣接した発光ユニットと前記中間層との間に配置された電荷生成ユニット;または
それらの組み合わせを含み、
前記m及びnは、互いに独立して、1ないし3の整数である、請求項1に記載の発光素子。
【請求項15】
前記m個の発光ユニットまたは前記n個の発光ユニットのうちの少なくとも1つは、青色光を放出する、請求項14に記載の発光素子。
【請求項16】
前記電子阻止層は、前記青色光を放出した発光ユニットと、前記第1電極との間に配置され、
前記電子阻止層は、前記青色光を放出した発光ユニットと直接接触する(directly contacted)、請求項15に記載の発光素子。
【請求項17】
請求項1ないし16のうちのいずれか1項に記載の発光素子を含む、電子装置。
【請求項18】
薄膜トランジスタをさらに含み、
前記薄膜トランジスタは、ソース電極及びドレイン電極を含み、
前記発光素子の第1電極は、前記薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極のうちの少なくとも1つと電気的に連結される、請求項17に記載の電子装置。
【請求項19】
カラーフィルタ、量子ドット色変換層、タッチスクリーン層、偏光層、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含む、請求項17に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子及び前記発光素子を含む電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子は、電気エネルギーが光エネルギーに変換される特性の素子である。そのような発光素子の例示には、発光物質が有機物である有機発光素子、発光物質が量子ドットである量子ドット発光素子などがある。
【0003】
前記発光素子は、基板の上部に第1電極が配置されており、前記第1電極の上部に正孔輸送領域(hole transport region)、発光層、電子輸送領域(electron transport region)及び第2電極が順次に配置されている構造を有することができる。前記第1電極から注入された正孔は、該正孔輸送領域を経由して該発光層に移動し、該第2電極から注入された電子は、該電子輸送領域を経由して該発光層に移動する。前記正孔及び電子のようなキャリアは、発光層領域で再結合し、励起子(exciton)を生成する。前記励起子が励起状態から基底状態に変わりつつ光が生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許6883018(JP6883018B)
【特許文献2】韓国公開特許2021-0008270(KR2021-0008270A)
【特許文献3】韓国公開特許2020-0115795(KR2020-0115795A)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、発光素子及び前記発光素子を含む電子装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1電極と、
前記第1電極に対向する第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、発光層を含む中間層と、
前記第1電極と前記中間層との間に配置された正孔輸送領域と、を含み、
前記正孔輸送領域は、電子阻止層を含み、
前記電子阻止層は、下記化学式1で表されるヘテロ環化合物を含む、発光素子:
【0007】
【0008】
前記化学式1において、
環CY1ないし環CY4は、互いに独立して、C3-C60炭素環基またはC1-C60ヘテロ環基であり、
【0009】
T1は、*-(L1)a1-(R1)b1であり、
T2は、*-(L2)a2-(R2)b2であり、
T3は、*-(L3)a3-(R3)b3であり、
T4は、*-(L4)a4-(R4)b4であり、
T5は、*-(L5)a5-(R5)b5であり、
T6は、*-(L6)a6-(R6)b6であり、
*は、隣接した原子との結合サイトであり、
【0010】
c1ないしc4は、互いに独立して、0ないし10の整数であり、
B1、及びL1ないしL6は、互いに独立して、単結合、少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のC5-C30炭素環基、または少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のC1-C30ヘテロ環基であり、
n1、及びa1ないしa6は、互いに独立して、0ないし3の整数であり、
【0011】
R1ないしR6は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のC1-C60アルキル基、少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のC2-C60アルケニル基、少なくとも1つのR10aでされたか、置換もしくは非置換のC2-C60アルキニル基、少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のC1-C60アルコキシ基、少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のC3-C60炭素環基、少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基、少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のC6-C60アリールオキシ基、少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のC6-C60アリールチオ基、少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のC7-C60アリールアルキル基、少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のC2-C60ヘテロアリールアルキル基、-Si(Q1)(Q2)(Q3)、-N(Q1)(Q2)、-B(Q1)(Q2)、-C(=O)(Q1)、-S(=O)2(Q1)または-P(=O)(Q1)(Q2)であり、
b1ないしb6は、互いに独立して、0ないし10の整数であり、
【0012】
前記R10aは、
重水素(-D)、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基またはニトロ基;
【0013】
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C3-C60炭素環基、C1-C60ヘテロ環基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C7-C60アリールアルキル基、C2-C60ヘテロアリールアルキル基、-Si(Q11)(Q12)(Q13)、-N(Q11)(Q12)、-B(Q11)(Q12)、-C(=O)(Q11)、-S(=O)2(Q11)、-P(=O)(Q11)(Q12)、またはそれら任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基またはC1-C60アルコキシ基;
【0014】
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C60炭素環基、C1-C60ヘテロ環基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C7-C60アリールアルキル基、C2-C60ヘテロアリールアルキル基、-Si(Q21)(Q22)(Q23)、-N(Q21)(Q22)、-B(Q21)(Q22)、-C(=O)(Q21)、-S(=O)2(Q21)、-P(=O)(Q21)(Q22)、またはそれら任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C3-C60炭素環基、C1-C60ヘテロ環基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C7-C60アリールアルキル基またはC2-C60ヘテロアリールアルキル基;あるいは
【0015】
-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)または-P(=O)(Q31)(Q32);であり、
【0016】
前記Q1ないしQ3、Q11ないしQ13、Q21ないしQ23、及びQ31ないしQ33は、互いに独立して、水素;重水素;-F;-Cl;-Br;-I;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;C1-C60アルキル基;C2-C60アルケニル基;C2-C60アルキニル基;C1-C60アルコキシ基;あるいは重水素、-F、シアノ基、C1-C60アルキル基、C1-C60アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、またはそれら任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C3-C60炭素環基、C1-C60ヘテロ環基、C7-C60アリールアルキル基、またはC2-C60ヘテロアリールアルキル基;である。
【0017】
他の具現例によれば、前記発光素子を含む電子装置が提供される。
【発明の効果】
【0018】
発光素子は、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物を含む電子阻止層を含むことにより、発光素子の正孔移動度が向上しうる。これにより、前記電子阻止層を含む前記発光素子は、駆動電圧が減少し、前記発光素子の効率が、より向上しうる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】一具現例による発光素子の構造を概略的に示す図面である。
【
図2】一具現例による電子装置の構造を概略的に示す図面である。
【
図3】他の具現例による電子装置の構造を概略的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、多様な変換を加えることができ、色々な実施形態を有することができるところ、特定の実施形態を図面に例示し、詳細に説明する。本発明の効果及び特徴、並びにそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、多様な形態に具現可能である。
【0021】
本明細書において、第1、第2などの用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的に使用されている。
【0022】
本明細書において、単数の表現は、文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
【0023】
本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴または構成要素が存在することを意味するものであり、1つ以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性を予め排除するものではない。例えば、「含む」または「有する」などの用語は、他に限定されない限り、明細書内に記載された特徴または構成要素のみからなる(consist of)場合、及び他の構成要素をさらに含む場合のいずれをも意味しうる。
【0024】
本明細書において、「II族」は、IUPAC周期律表上のIIA族元素及びIIB族元素を含み、II族元素の例は、Cd、Mg及びZnを含むが、それらに制限されない。
【0025】
本明細書において、「III族」は、IUPAC周期律表上のIIIA族元素及びIIIB族元素を含み、III族元素の例は、Al、In、Ga及びTlを含むが、それらに制限されない。
【0026】
本明細書において、「IV族」は、IUPAC周期律表上のIVA族元素及びIVB族元素を含み、IV族元素の例は、Si、Ge及びSnを含むが、それらに制限されない。
【0027】
本明細書において、「V族」は、IUPAC周期律表上のVA族元素を含み、V族元素の例は、N、P、As、Sb及びBiを含むが、それらに制限されない。
【0028】
本明細書において、「VI族」は、IUPAC周期律表上のVIA族元素を含み、VI族元素の例は、O、S、Se及びTeを含むが、それらに制限されない。
【0029】
本明細書において、「金属」という用語は、Siのような半金属も含む。半金属の例には、B、Si、Ge、As、Sb、Teなどが含まれうる。
【0030】
一側面による発光素子は、
第1電極と、
前記第1電極に対向する第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、発光層を含む中間層と、
前記第1電極と前記中間層との間に配置された正孔輸送領域と、を含み、
前記正孔輸送領域は、電子阻止層を含み、
前記電子阻止層は、下記化学式1で表されるヘテロ環化合物を含むのでありうる:
【0031】
【0032】
前記化学式1において、
環CY1ないし環CY4は、互いに独立して、C3-C60炭素環基またはC1-C60ヘテロ環基でありうる。
【0033】
一具現例によれば、前記化学式1において、環CY1ないし環CY4は、互いに独立して、ベンゼン基、ナフタレン基、フェナントレン基、ベンゾキノリン基、ベンゾイソキノリン基、フェナントリジン基、ベンゾイミダゾール基、ベンゾオキサゾール基、カルバゾール基またはジベンゾフラン基でありうる。
【0034】
他の具現例によれば、前記化学式1において、環CY1ないし環CY4は、互いに同一でありうる。
【0035】
他の具現例によれば、前記化学式1において、環CY2及び環CY3は、いずれもベンゼン基でありうる。
【0036】
他の具現例によれば、前記化学式1において、環CY1ないし環CY4は、いずれもベンゼン基でありうる。
【0037】
前記化学式1において、T1は、*-(L1)a1-(R1)b1であり、T2は、*-(L2)a2-(R2)b2であり、T3は、*-(L3)a3-(R3)b3であり、T4は、*-(L4)a4-(R4)b4であり、T5は、*-(L5)a5-(R5)b5であり、T6は、*-(L6)a6-(R6)b6であり、*は、隣接した原子との結合サイトでありうる。
【0038】
前記化学式1において、c1ないしc4は、互いに独立して、0ないし10の整数でありうる。
【0039】
c1ないしc4は、それぞれ、T1ないしT4の個数を意味する。例えば、c1が2以上の整数である場合、2以上のT1は、互いに同一であるか、あるいは異なるのでありうる。例えば、c2が2以上の整数である場合、2つ以上のT2は、互いに同一であるか、あるいは異なるのでありうる。例えば、c3が2以上の整数である場合、2つ以上のT3は、互いに同一であるか、あるいは異なるのでありうる。例えば、c4が2以上の整数である場合、2つ以上のT4は、互いに同一であるか、あるいは異なるのでありうる。
【0040】
一具現例によれば、前記化学式1において、c1及びc4は、互いに独立して、0ないし4の整数であり、c2及びc3は、互いに独立して、0ないし3の整数でありうる。
【0041】
前記化学式1において、B1、及びL1ないしL6は、互いに独立して、単結合、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のC5-C30炭素環基、または少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のC1-C30ヘテロ環基でありうる。
【0042】
前記化学式1において、n1、及びa1ないしa6は、互いに独立して、0ないし3の整数でありうる。
【0043】
例えば、n1、及びa1ないしa6は、それぞれB1、及びL1ないしL6の個数を意味する。例えば、n1が2以上の整数である場合、2つ以上のB1は、互いに同一であるか、あるいは異なるのでありうる。例えば、a1が2以上の整数である場合、2つ以上のL1は、互いに同一であるか、あるいは異なるのでありうる。例えば、a2が2以上の整数である場合、2つ以上のL2は、互いに同一であるか、あるいは異なるのでありうる。例えば、a3が2以上の整数である場合、2つ以上のL3は、互いに同一であるか、あるいは異なるのでありうる。例えば、a4が2以上の整数である場合、2つ以上のL4は、互いに同一であるか、あるいは異なるのでありうる。例えば、a5が2以上の整数である場合、2つ以上のL5は、互いに同一であるか、あるいは異なるのでありうる。例えば、a6が2以上の整数である場合、2つ以上のL6は、互いに同一であるか、あるいは異なるのでありうる。
【0044】
例えば、n1が0である場合、B1は単結合でありうる。B1が単結合である場合、B1と共有結合によって連結された2つの元素が互いに直接に単結合によって連結されうる。例えば、a1が0である場合、L1は単結合でありうる。L1が単結合である場合、L1と共有結合によって連結された2つの元素が互いに直接に単結合によって連結されうる。例えば、a2が0である場合、L2は単結合でありうる。L2が単結合である場合、L2と共有結合によって連結された2つの元素が互いに直接に単結合によって連結されうる。例えば、a3が0である場合、L3は単結合でありうる。L3が単結合である場合、L3と共有結合によって連結された2つの元素が互いに直接に単結合によって連結されうる。例えば、a4が0である場合、L4は単結合でありうる。L4が単結合である場合、L4と共有結合によって連結された2つの元素が互いに直接に単結合によって連結さうれる。例えば、a5が0である場合、L5は単結合でありうる。L5が単結合である場合、L5と共有結合によって連結された2つの元素が互いに直接に単結合によって連結されうる。例えば、a6が0である場合、L6は単結合でありうる。L6が単結合である場合、L6と共有結合によって連結された2つの元素が互いに直接に単結合によって連結されうる。
【0045】
一具現例によれば、前記化学式1において、B1は、単結合;あるいは、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のベンゼン基、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のナフタレン基、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のアントラセン基、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のフェナントレン基、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のベンゾキノリン基、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のベンゾイソキノリン基、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のフェナントリジン基、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のベンゾイミダゾール基、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のベンゾオキサゾール基、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のカルバゾール基、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のジベンゾフラン基、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のフルオレン基、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のジベンゾチオフェン基、または少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のジベンゾシロール基;でありうる。
【0046】
一具現例によれば、前記化学式1において、B1は、単結合;あるいは、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のベンゼン基、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のナフタレン基、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のフェナントレン基、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のベンゾキノリン基、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のベンゾイソキノリン基、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のフェナントリジン基、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のベンゾイミダゾール基、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のベンゾオキサゾール基、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のカルバゾール基、または少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のジベンゾフラン基;でありうる。
【0047】
一具現例によれば、前記化学式1において、B1は、単結合でありうる。
【0048】
一具現例によれば、前記化学式1において、n1は、0または1でありうる。
【0049】
一具現例によれば、前記化学式1において、n1は0であるか、n1は1であり、B1は単結合でありうる。
【0050】
一具現例によれば、前記化学式1において、
L1ないしL6は、互いに独立して、単結合;あるいは
フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、ナフチレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、インダセニレン基、アセナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、ルビセニレン基、コロネニレン基、オバレニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、ベンゾイソキノリニレン基、ジベンゾキノリニレン基、ジベンゾイソキノリニレン基、ビフェニレン基、フェニルピリジニレン基、フェナントロレン基、フェナントリジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、ジベンゾキノレニレン基、ビピリジニレン基またはピリジニレン基;あるいは
【0051】
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロへキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、へプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、ベンゾイソキノリニル基、ジベンゾキノリニル基、ジベンゾイソキノリニル基、ビフェニル基、フェニルピリジニル基、フェナントロニル基、フェナントリジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ジベンゾキノル基、ビピリジニル基、ピリジニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)、-P(=O)(Q31)(Q32)、またはそれらの組み合わせで置換もしくは非置換の、フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、ナフチレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、インダセニレン基、アセナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、ルビセニレン基、コロネニレン基、オバレニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、ベンゾイソキノリニレン基、ジベンゾキノリニレン基、ジベンゾイソキノリニレン基、ビフェニレン基、フェニルピリジニレン基、フェナントロレン基、フェナントリジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、ビピリジニレン基、ジベンゾキノレニレン基またはピリジニレン基;でありうる。
【0052】
他の具現例によれば、前記化学式1において、
L1ないしL6は、互いに独立して、単結合;あるいは
フェニレン基、ナフチレン基、スピロ-アントラセンフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、ベンゾイソキノリニレン基、ジベンゾキノリニレン基、ジベンゾイソキノリニレン基、ビフェニレン基、フェニルピリジニレン基、フェナントリジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、フェナントロレン基、ジベンゾキノレニレン基、ビピリジニレン基またはピリジニレン基;あるいは、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロへキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、スピロ-アントラセンフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、ベンゾイソキノリニル基、ジベンゾキノリニル基、ジベンゾイソキノリニル基、ビフェニル基、フェニルピリジニル基、フェナントロニル基、フェナントリジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ジベンゾキノル基、ビピリジニル基、ピリジニル基、またはそれらの組み合わせで置換もしくは非置換の、フェニレン基、ナフチレン基、スピロ-アントラセンフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、ベンゾイソキノリニレン基、ジベンゾキノリニレン基、ジベンゾイソキノリニレン基、ビフェニレン基、フェニルピリジニレン基、フェナントロニレン基、フェナントリジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、ジベンゾキノレニレン基、ビピリジニレン基またはピリジニレン基;でありうる。
【0053】
他の具現例によれば、前記化学式1において、
L1ないしL6は、互いに独立して、単結合;あるいは
フェニレン基、ナフチレン基、フェナントレニレン基、カルバゾリレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ジベンゾシロリレン基、ベンゾキノリニレン基、ベンゾイソキノリニレン基、フェナントリジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基またはベンゾオキサゾリレン基;あるいは、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロへキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾシロリル基、ベンゾキノリニル基、ベンゾイソキノリニル基、フェナントリジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、またはそれらの組み合わせで置換もしくは非置換の、フェニレン基、ナフチレン基、フェナントレニレン基、カルバゾリレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ジベンゾシロリレン基、ベンゾキノリニレン基、ベンゾイソキノリニレン基、フェナントリジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基またはベンゾオキサゾリレン基;でありうる。
【0054】
他の具現例によれば、前記化学式1において、L1ないしL4は、いずれも単結合でありうる。
【0055】
他の具現例によれば、前記化学式1において、L5及びL6は、互いに独立して、単結合、あるいはフェニレン基、ナフチレン基、フェナントレニレン基、カルバゾリレン基、ジベンゾフラニレン基、ベンゾキノリニレン基、ベンゾイソキノリニレン基、フェナントリジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基またはベンゾオキサゾリレン基;あるいは、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロへキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ベンゾキノリニル基、ベンゾイソキノリニル基、フェナントリジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、またはそれらの組み合わせで置換もしくは非置換の、フェニレン基、ナフチレン基、フェナントレニレン基、カルバゾリレン基、ジベンゾフラニレン基、ベンゾキノリニレン基、ベンゾイソキノリニレン基、フェナントリジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基またはベンゾオキサゾリレン基;でありうる。
【0056】
一具現例によれば、前記化学式1において、a1ないしa6は、互いに独立して、0または1でありうる。
【0057】
一具現例によれば、前記化学式1において、R1ないしR6は、互いに独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C1-C20アルキル基またはC1-C20アルコキシ基;
【0058】
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD3、-CD2H、-CDH2、-CF3、-CF2H、-CFH2、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C1-C20アルキル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基、ノルボルネニル基、シクロペンテニル基、シクロへキセニル基、シクロヘプテニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、またはそれら任意の組み合わせで置換された、C1-C20アルキル基またはC1-C20アルコキシ基;
【0059】
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD3、-CD2H、-CDH2、-CF3、-CF2H、-CFH2、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基、ノルボルネニル基、シクロペンテニル基、シクロへキセニル基、シクロヘプテニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、C1-C20アルキルフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インデニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、ベンゾイソキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントロリニル基、フェナントリジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾシロリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾシロリル基、ベンゾフルオレニル基、ベンゾカルバゾリル基、ナフトベンゾフラニル基、ナフトベンゾチオフェニル基、ナフトベンゾシロリル基、ジベンゾフルオレニル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジナフトフラニル基、ジナフトチオフェニル基、ジナフトシロリル基、インデノカルバゾリル基、インドロカルバゾリル基、ベンゾフラノカルバゾリル基、ベンゾチエノカルバゾリル基、ベンゾシロロカルバゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)、-P(=O)(Q31)(Q32)、またはそれら任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基、ノルボルネニル基、シクロペンテニル基、シクロへキセニル基、シクロヘプテニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、C1-C20アルキルフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インデニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、ベンゾイソキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントロリニル基、フェナントリジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾシロリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾシロリル基、ベンゾフルオレニル基、ベンゾカルバゾリル基、ナフトベンゾフラニル基、ナフトベンゾチオフェニル基、ナフトベンゾシロリル基、ジベンゾフルオレニル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジナフトフラニル基、ジナフトチオフェニル基、ジナフトシロリル基、インデノカルバゾリル基、インドロカルバゾリル基、ベンゾフラノカルバゾリル基、ベンゾチエノカルバゾリル基、ベンゾシロロカルバゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基;あるいは
【0060】
-Si(Q1)(Q2)(Q3)、-N(Q1)(Q2)、-B(Q1)(Q2)、-C(=O)(Q1)、-S(=O)2(Q1)または-P(=O)(Q1)(Q2);であり、
【0061】
Q1ないしQ3、及びQ31ないしQ33は、互いに独立して、
-CH3、-CD3、-CD2H、-CDH2、-CH2CH3、-CH2CD3、-CH2CD2H、-CH2CDH2、-CHDCH3、-CHDCD2H、-CHDCDH2、-CHDCD3、-CD2CD3、-CD2CD2Hまたは-CD2CDH2;あるいは
重水素、C1-C20アルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、またはそれら任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基またはトリアジニル基;でありうる。
【0062】
他の具現例によれば、前記化学式1において、R1ないしR6は、互いに独立して、水素、重水素、-F、シアノ基、C1-C20アルキル基またはC1-C20アルコキシ基;
重水素、-F、-CD3、-CD2H、-CDH2、-CF3、-CF2H、-CFH2、シアノ基、またはそれら任意の組み合わせで置換された、C1-C20アルキル基またはC1-C20アルコキシ基;
【0063】
重水素、-F、-CD3、-CD2H、-CDH2、-CF3、-CF2H、-CFH2、シアノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基、ノルボルネニル基、シクロペンテニル基、シクロへキセニル基、シクロヘプテニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、C1-C20アルキルフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、チオフェニル基、フラニル基、インデニル基、イソインドリル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾシロリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、ベンゾイソキノリニル基、フェニルピリジニル基、フェナントロニル基、フェナントリジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、またはそれら任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基、ノルボルネニル基、シクロペンテニル基、シクロへキセニル基、シクロヘプテニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、C1-C20アルキルフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、チオフェニル基、フラニル基、インデニル基、イソインドリル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾシロリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、ベンゾイソキノリニル基、フェニルピリジニル基、フェナントロニル基、フェナントリジニル基、ベンゾイミダゾリル基またはベンゾオキサゾリル基;でありうる。
【0064】
他の具現例によれば、前記化学式1において、R1ないしR6は、互いに独立して、水素、重水素、-F、シアノ基またはC1-C20アルキル基;
【0065】
重水素、-F、シアノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、C1-C20アルキルフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾキノリニル基、ベンゾイソキノリニル基、フェナントリジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、またはそれら任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、C1-C20アルキルフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾキノリニル基、ベンゾイソキノリニル基、フェナントリジニル基、ベンゾイミダゾリル基またはベンゾオキサゾリル基;でありうる。
【0066】
他の具現例によれば、前記化学式1において、R1ないしR4は、互いに独立して、水素、重水素、-F、シアノ基またはC1-C20アルキル基であり、
前記化学式1において、R5及びR6は、互いに独立して、重水素、-F、シアノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、C1-C20アルキルフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾキノリニル基、ベンゾイソキノリニル基、フェナントリジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、またはそれら任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、C1-C20アルキルフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾキノリニル基、ベンゾイソキノリニル基、フェナントリジニル基、ベンゾイミダゾリル基またはベンゾオキサゾリル基でありうる。
【0067】
一具現例によれば、前記化学式1は、下記化学式1-1ないし下記化学式1-4で表されうる。
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
前記化学式1-1ないし前記化学式1-4において、
CY1、CY3、CY4、T1、T3、T4、T5、T6、c1、c3、c4、B1及びn1に係わる説明は、本明細書の記載を参照し、
T21は、*-(L21)a21-(R21)b21であり、
T22は、*-(L22)a22-(R22)b22であり、
T23は、*-(L23)a23-(R23)b23であり、
T24は、*-(L24)a24-(R24)b24であり、
*は、隣接した原子との結合サイトであり、
【0073】
L21ないしL24は、互いに独立して、本明細書内のL2に係わる説明を参照し、
a21ないしa24は、互いに独立して、本明細書内のa2に係わる説明を参照し、
R21ないしR24は、互いに独立して、本明細書内のR2に係わる説明を参照し、
b21ないしb24は、互いに独立して、本明細書内のb2に係わる説明を参照する。
【0074】
他の具現例によれば、前記化学式1は、下記化学式1-5ないし下記化学式1-14のうちいずれか1つで表されうる。
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
前記化学式1-5ないし前記化学式1-14において、
CY1、CY4、T1、T4、T5、T6、c1、c4、B1及びn1に係わる説明は、本明細書の記載を参照し、
【0086】
T21は、*-(L21)a21-(R21)b21であり、
T22は、*-(L22)a22-(R22)b22であり、
T23は、*-(L23)a23-(R23)b23であり、
T24は、*-(L24)a24-(R24)b24であり、
T31は、*-(L31)a31-(R31)b31であり、
T32は、*-(L32)a32-(R32)b32であり、
T33は、*-(L33)a33-(R33)b33であり、
T34は、*-(L34)a34-(R34)b34であり、
*は、隣接した原子との結合サイトであり、
【0087】
L21ないしL24は、互いに独立して、本明細書内のL2に係わる説明を参照し、
L31ないしL34は、互いに独立して、本明細書内のL3に係わる説明を参照し、
a21ないしa24は、互いに独立して、本明細書内のa2に係わる説明を参照し、
a31ないしa34は、互いに独立して、本明細書内のa3に係わる説明を参照し、
R21ないしR24は、互いに独立して、本明細書内のR2に係わる説明を参照し、
R31ないしR34は、互いに独立して、本明細書内のR3に係わる説明を参照し、
b21ないしb24は、互いに独立して、本明細書内のb2に係わる説明を参照し、
b31ないしb34は、互いに独立して、本明細書内のb3に係わる説明を参照する。
【0088】
一具現例によれば、前記ヘテロ環化合物の正孔移動度は、0.01cm2/V・sないし0.10cm2/V・sでありうる。例えば、前記ヘテロ環化合物の正孔移動度は、0.04cm2/V・sないし0.06cm2/V・sでありうる。
【0089】
一具現例によれば、前記ヘテロ環化合物は、下記化合物1-1ないし1-15のうち選択されたいずれか1つでありうる:
【0090】
【0091】
本発明の発光素子は、前記ヘテロ環化合物を含む電子阻止層を含むものでありうる。
【0092】
例えば、前記ヘテロ環化合物を含む電子阻止層は、向上した正孔移動度を有し、前記発光素子の駆動電圧を改善することができる。
【0093】
特に、前記ヘテロ環化合物を含む発光素子は、後述する複数の発光ユニットを含む発光素子に含まれた電子阻止層に導入され、前記発光素子の駆動電圧をより改善することができる。
【0094】
前記ヘテロ環化合物の合成方法は、後述する実施例を参照して当業者が認識することができる。
【0095】
一具現例によれば、前記第1電極がアノードであり、前記第2電極がカソードでありうる。
【0096】
一具現例によれば、前記発光素子は、前記発光層と前記第2電極との間に配置された電子輸送領域をさらに含んでもよい。
【0097】
前記正孔輸送領域は、前記電子阻止層以外に、正孔注入層、正孔輸送層、発光補助層、またはそれら任意の組み合わせをさらに含んでもよい。
【0098】
一具現例によれば、前記電子阻止層は、前記中間層と直接接触する(directly contacted )ことができる。
【0099】
他の具現例によれば、前記電子阻止層は、前記発光層と直接接触する(directly contacted)ことができる。
【0100】
前記電子輸送領域は、バッファ層、正孔阻止層、電子調節層、電子輸送層及び電子注入層のうち選択された少なくとも1層を含んでもよい。
【0101】
前記発光層は、赤色光、緑色光、青色光及び/または白色光を放出することができる。例えば、前記発光層は、青色光を放出することができる。前記青色光は、例えば、400nmないし490nmの範囲の最大発光波長を有することができる。前記青色光は、例えば、440nmないし470nmの範囲の最大発光波長を有することができる。
【0102】
さらに他の例として、前記発光層は、ホスト及びドーパントを含むものでありうる。
【0103】
さらに他の例として、前記発光層は、リン光ドーパント、遅延蛍光物質またはそれらの組み合わせを含むものでありうる。例えば、前記発光層は、ホスト及びドーパント以外に、リン光ドーパントをさらに含んでもよい。
【0104】
例えば、前記ドーパントは、遷移金属及びm個の配位子を含み、前記mは、1ないし6の整数であり、前記m個の配位子は、互いに同一であるか、あるいは異なっており、前記m個の配位子のうち少なくとも1つの配位子と前記遷移金属は、炭素-遷移金属結合を介して互いに連結されており、前記炭素-遷移金属結合は、配位結合でありうる。すなわち、前記m個の配位子のうち少なくとも1つの配位子は、カルベン(carbene)配位子でありうる(例えば、下記Ir(pmp)3など)。前記遷移金属は、例えば、イリジウム、白金、オスミウム、パラジウム、ロジウム、金などでありうる。前記発光層及びドーパントに係わるより詳細な説明は、本明細書に記載されたところを参照する。
【0105】
【0106】
一具現例によれば、前記発光素子は、前記第1電極と前記中間層との間に配置されたm個の発光ユニット、隣接した前記発光ユニット間に介在された(m-1)個の電荷生成ユニット、及び前記発光ユニットのうち、前記中間層と隣接した発光ユニットと前記中間層との間に配置された電荷生成ユニット;前記第2電極と前記中間層との間に配置されたn個の発光ユニット、隣接した前記発光ユニット間に介在された(n-1)個の電荷生成ユニット、及び前記発光ユニットのうち、前記中間層と隣接した発光ユニットと前記中間層との間に配置された電荷生成ユニット;またはそれらの組み合わせを含むのでありうる。
【0107】
例えば、前記発光ユニットは、発光層を含んでもよい。例えば、前記電荷生成ユニットは、n型電荷生成層及びp型電荷生成層を含んでもよい。
【0108】
例えば、前記m及びnは、互いに独立して、1ないし3の整数でありうる。
【0109】
例えば、mが1である場合、第1電極、第1発光ユニット、第1電荷生成ユニット及び中間層が順に配置されうる。例えば、mが2である場合、第1電極、第1発光ユニット、第1電荷生成ユニット、第2発光ユニット、第2電荷生成ユニット及び中間層が順に配置されうる。例えば、mが3である場合、第1電極、第1発光ユニット、第1電荷生成ユニット、第2発光ユニット、第2電荷生成ユニット、第3発光ユニット、第3電荷生成ユニット及び中間層が順に配置されうる。
【0110】
ここで、前記第1発光ユニットは第1色光を放出し、前記第2発光ユニットは第2色光を放出し、前記第3発光ユニットは第3色光を放出し、前記第1色光の最大発光波長、前記第2色光の最大発光波長、及び前記第3色光の最大発光波長が、互いに同一であるか、あるいは異なるのでありうる。
【0111】
一具現例によれば、前述の電子阻止層は、前記第1電極と前記第1発光ユニットとの間、前記第2発光ユニットと前記第1電荷生成ユニットとの間、前記第3発光ユニットと前記第2電荷生成ユニットとの間、前記第3電荷生成ユニットと前記中間層との間、またはそれら任意の組み合わせに配置されうる。
【0112】
例えば、nが1である場合、中間層、第4電荷生成ユニット、第4発光ユニット及び第2電極が順に配置されうる。例えば、nが2である場合、中間層、第4電荷生成ユニット、第4発光ユニット、第5電荷生成ユニット、第5発光ユニット及び第2電極層が順に配置されうる。例えば、nが3である場合、中間層、第4電荷生成ユニット、第4発光ユニット、第5電荷生成ユニット、第5発光ユニット、第6電荷生成ユニット、第6発光ユニット及び第2電極が順に配置されうる。
【0113】
このとき、前記第4発光ユニットは、第4色光を放出し、前記第5発光ユニットは、第5色光を放出し、前記第6発光ユニットは、第6色光を放出し、前記第4色光の最大発光波長、前記第5色光の最大発光波長、及び前記第6色光の最大発光波長が互いに同一であるか、あるいは異なっている。
【0114】
一具現例によれば、前述の電子阻止層は、前記第4電荷生成ユニットと前記第4発光ユニットとの間、前記第5電荷生成ユニットと前記第5発光ユニットとの間、前記第6電荷生成ユニットと第6発光ユニットとの間、またはそれら任意の組み合わせに配置されうる。
【0115】
一具現例によれば、前記m個の発光ユニットまたは前記n個の発光ユニットのうちの少なくとも1つは、青色光を放出することができる。
【0116】
他の具現例によれば、前述の電子阻止層は、前記青色光を放出した発光ユニットと前記第1電極との間に配置され、前記電子阻止層は、前記青色光を放出した発光ユニットと直接に接触する(directly contacted)ことができる。この場合、青色光を放出する発光ユニットが複数である場合、前記発光素子は、前記青色光を放出する発光ユニットと、発光ユニットと直接接触する複数の電子阻止層とを含むものでありうる。
【0117】
他の具現例によれば、前記m個の発光ユニットまたは前記n個の発光ユニットのうちのいずれか1つは、緑色光を放出することができる。
【0118】
他の具現例によれば、前記緑色光を放出する発光ユニットと、前述の電子阻止層とは直接に接触しない。例えば、緑色光を放出する発光ユニットは、前述の電子阻止層を含まない。
【0119】
他の具現例によれば、前記m個の発光ユニットまたは前記n個の発光ユニットのうちのいずれか1つは、緑色光を放出し、残りの発光ユニットは、青色光を放出することができる。
【0120】
他の具現例によれば、前記m個の発光ユニットまたは前記n個の発光ユニットのうち、第2電極と隣接した発光ユニットは、緑色光を放出し、残りの発光ユニットは、青色光を放出することができる。
【0121】
他の側面による電子装置は、前記発光素子を含む。
【0122】
一具現例によれば、前記電子装置は、薄膜トランジスタをさらに含み、
前記薄膜トランジスタは、ソース電極及びドレイン電極を含み、
前記発光素子の第1電極が、前記薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極のうち少なくとも1つと電気的に連結されうる。
【0123】
一具現例によれば、前記電子装置は、カラーフィルタ、色変換層、タッチスクリーン層、偏光層、またはそれら任意の組み合わせをさらに含んでもよい。
【0124】
一具現例によれば、前記電子装置は、量子ドットをさらに含んでもよい。例えば、前記電子装置は、色変換層を含み、前記色変換層は、量子ドットを含んでもよい。
【0125】
本明細書において、「中間層」は、前記発光素子において、第1電極と第2電極との間に配置された単一及び/または複数の全ての層を示す用語である。
【0126】
[
図1に係わる説明]
図1は、本発明の一具現例による発光素子10の断面図を概略的に示すものである。前記発光素子10は、第1電極110、中間層130及び第2電極150を含む。
【0127】
以下、
図1を参照して、本発明の一具現例による発光素子10の構造及び製造方法について説明すれば、以下の通りである。
【0128】
[第1電極110]
図1の第1電極110の下方、または第2電極150の上方には、基板がさらに配置されうる。前記基板としては、ガラス基板またはプラスチック基板を使用することができる。あるいは、前記基板は、可撓性基板であり、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルイミド、またはそれらの任意の組み合わせといった、耐熱性及び耐久性に優れるプラスチックを含んでもよい。
【0129】
前記第1電極110は、例えば、前記基板の上部に、第1電極用物質を、蒸着法またはスパッタリング法などを利用して提供することによって形成されうる。前記第1電極110がアノードである場合、第1電極用物質として、正孔注入が容易な高仕事関数物質を利用することができる。
【0130】
前記第1電極110は、反射型電極、半透過型電極または透過型電極でありうる。透過型電極である第1電極110を形成するために、第1電極用物質として、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、またはそれら任意の組み合わせを利用することができる。あるいは、半透過型電極または反射型電極である第1電極110を形成するために、第1電極用物質として、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、アルミニウム・リチウム(Al-Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム・インジウム(Mg-In)、マグネシウム・銀(Mg-Ag)、またはそれら任意の組み合わせを利用することができる。
【0131】
前記第1電極110は、単一層からなる(consist of)単層構造、または複数の層を含む多層(積層)構造を有することができる。例えば、前記第1電極110は、ITO/Ag/ITOの3層構造を有することができる。
【0132】
[中間層130]
前記第1電極110の上方には、中間層130が配置されている。前記中間層130は、発光層を含む。
【0133】
前記中間層130は、前記第1電極110と前記発光層との間に配置された正孔輸送領域(hole transport region)、及び前記発光層と前記第2電極150との間に配置された電子輸送領域(electron transport region)をさらに含んでもよい。
【0134】
前記中間層130は、各種有機物以外に、有機金属化合物のような金属含有化合物、量子ドットのような無機物などもさらに含んでもよい。
【0135】
一方、前記中間層130は、i)前記第1電極110と前記第2電極150との間に順次に積層されている2つ以上の発光単位(emitting unit)、及びii)前記2つの発光単位の間に配置された電荷生成層(charge generation layer)を含んでもよい。前記中間層130が前述のような発光単位及び電荷生成層を含む場合、前記発光素子10は、タンデム(tandem)発光素子でありうる。
【0136】
[中間層130における正孔輸送領域]
前記正孔輸送領域は、i)単一物質からなる(consist of)単一層からなる(consist of)単層構造、ii)複数の互いに異なる物質を含む単一層からなる(consist of)単層構造、またはiii)複数の互いに異なる物質を含む複数の層を含む多層(積層)構造を有することができる。
【0137】
前記正孔輸送領域は、電子阻止層を含む。
【0138】
前記正孔輸送領域は、正孔注入層、正孔輸送層、発光補助層、またはそれら任意の組み合わせをさらに含んでもよい。
【0139】
例えば、前記正孔輸送領域は、第1電極110から順に積層された正孔注入層/正孔輸送層/発光補助層/電子阻止層、正孔注入層/発光補助層/電子阻止層、正孔輸送層/発光補助層/電子阻止層、または正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層の多層構造を有することができる。
【0140】
前記正孔輸送領域は、下記化学式201で表される化合物、下記化学式202で表される化合物、またはそれら任意の組み合わせ(any combination thereof)を含んでもよい:
【0141】
【0142】
【0143】
前記化学式201及び202において、
L201ないしL204は、互いに独立して、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aでもって置換もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
【0144】
L205は、*-O-*’、*-S-*’、*-N(Q201)-*’、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC1-C20アルキレン基、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のC2-C20アルケニレン基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
【0145】
xa1ないしxa4は、互いに独立して、0ないし5の整数のうち1つであり、
xa5は、1ないし10の整数のうち1つであり、
R201ないしR204、及びQ201は、互いに独立して、少なくとも1つのR10aで置換されたか、もしくは非置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
【0146】
R201とR202は、選択的に、単結合、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のC1-C5アルキレン基、または少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のC2-C5アルケニレン基を介して互いに連結され、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のC8-C60多環基(例えば、カルバゾール基など)を形成することができ(例えば、下記化合物HT16などを参照する)、
【0147】
R203とR204は、選択的に、単結合、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のC1-C5アルキレン基、または少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のC2-C5アルケニレン基を介して互いに連結され、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のC8-C60多環基を形成することができ、
na1は、1ないし4の整数のうち1つでありうる。
【0148】
例えば、前記化学式201及び202それぞれは、下記化学式CY201ないしCY217で表された基のうち少なくとも1つを含んでもよい:
【0149】
【0150】
前記化学式CY201ないしCY217において、R10b及びR10cに係わる説明は、それぞれ本明細書内のR10aに係わる説明を参照し、環CY201ないし環CY204は、互いに独立して、C3-C20炭素環基またはC1-C20ヘテロ環基であり、前記化学式CY201ないしCY217のうちの少なくとも1つの水素は、本明細書に記載されているようなR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のままでありうる。
【0151】
一具現例によれば、前記化学式CY201ないしCY217において、環CY201ないし環CY204は、互いに独立して、ベンゼン基、ナフタレン基、フェナントレン基またはアントラセン基でありうる。
【0152】
他の具現例によれば、前記化学式201及び202のそれぞれは、前記化学式CY201ないしCY203で表された基(原子団)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0153】
さらに他の具現例によれば、前記化学式201は、前記化学式CY201ないしCY203で表された基のうちの少なくとも1つ、及び前記化学式CY204ないしCY217で表された基のうちの少なくとも1つをそれぞれ含んでもよい。
【0154】
さらに他の具現例によれば、前記化学式201において、xa1は1であり、R201は、前記化学式CY201ないしCY203のうちの1つで表された基であり、xa2は、0であり、R202は、前記化学式CY204ないしCY207のうちの1つで表された基でありうる。
【0155】
さらに他の具現例によれば、前記化学式201及び202のそれぞれは、前記化学式CY201ないしCY203で表された基を含まなくてもよい。
【0156】
さらに他の具現例によれば、前記化学式201及び202のそれぞれは、前記化学式CY201ないしCY203で表された基を含まず、前記化学式CY204ないしCY217で表された基のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0157】
さらに他の例として、前記化学式201及び202のそれぞれは、前記化学式CY201ないしCY217で表された基を含まなくてもよい。
【0158】
例えば、前記正孔輸送領域は、下記化合物HT1ないしHT46のうちの1つ、m-MTDATA(4,4',4''-Tris[(3methylphenyl)phenylamino]triphenylamine)、TDATA(4,4',4''-トリス(N,N-ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン)、2-TNATA(4,4',4''-トリス(N,N-2-ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン)、NPB(NPD;N,N'-Di(1-ナフチル)-N,N'-ジフェニル-(1,1'-ビフェニル)-4,4'-ジアミン)、β-NPB、TPD、spiro-TPD、spiro-NPB、メチル化された-NPB、TAPC(1,1-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)-シクロヘキサン)、HMTPD(N,N,N’,N’-テトラ-(3-メチルフェニル)-3,3’-ジメチルベンジジン)、4,4’,4”-トリス(N-カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Pani/DBSA)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Pani/CSA)、ポリアニリン/ポリ(4-スチレンスルホネート)(PANI/PSS)、またはそれら任意の組み合わせを含みうる:
【0159】
【0160】
【0161】
【0162】
【0163】
【0164】
【0165】
【0166】
【0167】
前記正孔輸送領域の厚みは、約50Åないし約10,000Å、例えば、約100Åないし約4,000Åでありうる。前記正孔輸送領域が、正孔注入層、正孔輸送層、またはそれら任意の組み合わせを含む場合、前記正孔注入層の厚みは、約100Åないし約9,000Å、例えば、約100Åないし約1,000Åであり、前記正孔輸送層の厚みは、約50Åないし約2,000Å、例えば、約100Åないし約1,500Åでありうる。前記正孔輸送領域、前記正孔注入層及び前記正孔輸送層の厚みが、前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満足すべき正孔輸送特性を得ることができる。
【0168】
前記発光補助層は、発光層から放出される光の波長による光学的共振距離を補償し、光放出効率を上昇させる役割を行う層であり、前記電子阻止層は、発光層から正孔輸送領域への電子漏れ(leakage)を防止する役割を行う層である。
【0169】
前記電子阻止層は、前述の化学式1で表されるヘテロ環化合物を含んでもよい。
【0170】
前述の正孔輸送領域に含まれる物質が発光補助層に含まれうる。前述の正孔輸送領域に含まれる物質が電子阻止層にさらに含まれうる。
【0171】
[p型ドーパント]
前記正孔輸送領域は、前述のような物質以外に、導電性の向上のために、電荷生成物質を含んでもよい。前記電荷生成物質は、前記正孔輸送領域内に、均一に、または不均一に分散されている(例えば、電荷生成物質からなる(consist of)単一層の形態)のでありうる。
【0172】
前記電荷生成物質は、例えば、p型ドーパントでありうる。
【0173】
例えば、前記p型ドーパントのLUMOエネルギーレベルは、-3.5eV以下でありうる。
【0174】
一具現例によれば、前記p型ドーパントは、キノン誘導体、シアノ基含有化合物、元素EL1含有化合物及び元素EL2含有化合物、またはそれらの任意の組み合わせを含みうる。
【0175】
前記キノン誘導体の例は、TCNQ、F4-TCNQなどを含みうる。
【0176】
前記シアノ基含有化合物の例は、HAT-CN(1,4,5,8,9,11-ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリル)、下記化学式221で表された化合物などを含みうる。
【0177】
【0178】
【0179】
前記化学式221において、
R221ないしR223は、互いに独立して、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
前記R221ないしR223のうち少なくとも1つは、互いに独立して、シアノ基;-F;-Cl;-Br;-I;シアノ基、-F、-Cl、-Br、-I、またはそれらの任意の組み合わせでもって置換されたC1-C20アルキル基;あるいは、シアノ基、-F、-Cl、-Br、-I、またはそれらの任意の組み合わせでもって置換された、C3-C60炭素環基またはC1-C60ヘテロ環基でありうる。
【0180】
前記元素EL1含有化合物及び前記元素EL2含有化合物において、元素EL1は、金属、半金属、またはそれらの組み合わせであり、元素EL2は、非金属、半金属、またはそれら組み合わせでありうる。
【0181】
前記金属の例は、アルカリ金属(例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)など)、アルカリ土類金属(例えば、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)など)、遷移金属(例えば、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、テクネチウム(Tc)、レニウム(Re)、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)など)、遷移後金属(例えば、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、スズ(Sn)など)、ランタニド金属(例えば、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテニウム(Lu)など)などを含んでもよい。
【0182】
前記半金属の例は、シリコン(Si)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)などを含んでもよい。
【0183】
前記非金属の例は、酸素(O)、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、Iなど)などを含んでもよい。
【0184】
例えば、前記元素EL1含有化合物及び前記元素EL2含有化合物は、金属酸化物、金属ハロゲン化物(例えば、金属フッ化物、金属塩化物、金属臭化物、金属ヨウ化物など)、半金属ハロゲン化物(例えば、半金属フッ化物、半金属塩化物、半金属臭化物、半金属ヨウ化物など)、金属テルリド、またはそれら任意の組み合わせを含んでもよい。
【0185】
前記金属酸化物の例は、タングステン酸化物(例えば、WO、W2O3、WO2、WO3、W2O5など)、バナジウム酸化物(例えば、VO、V2O3、VO2、V2O5など)、モリブデン酸化物(MoO、Mo2O3、MoO2、MoO3、Mo2O5など)、レニウム酸化物(例えば、ReO3など)などを含んでもよい。
【0186】
前記金属ハロゲン化物の例は、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、遷移金属ハロゲン化物、遷移後金属ハロゲン化物、ランタニド金属ハロゲン化物などを含んでもよい。
【0187】
前記アルカリ金属ハロゲン化物の例は、LiF、NaF、KF、RbF、CsF、LiCl、NaCl、KCl、RbCl、CsCl、LiBr、NaBr、KBr、RbBr、CsBr、LiI、NaI、KI、RbI、CsIなどを含んでもよい。
【0188】
前記アルカリ土類金属ハロゲン化物の例は、BeF2、MgF2、CaF2、SrF2、BaF2、BeCl2、MgCl2、CaCl2、SrCl2、BaCl2、BeBr2、MgBr2、CaBr2、SrBr2、BaBr2、BeI2、MgI2、CaI2、SrI2、BaI2などを含んでもよい。
【0189】
前記遷移金属ハロゲン化物の例は、チタンハロゲン化物(例えば、TiF4、TiCl4、TiBr4、TiI4など)、ジルコニウムハロゲン化物(例えば、ZrF4、ZrCl4、ZrBr4、ZrI4など)、ハフニウムハロゲン化物(例えば、HfF4、HfCl4、HfBr4、HfI4など)、バナジウムハロゲン化物(例えば、VF3、VCl3、VBr3、VI3など)、ニオブハロゲン化物(例えば、NbF3、NbCl3、NbBr3、NbI3など)、タンタルハロゲン化物(例えば、TaF3、TaCl3、TaBr3、TaI3など)、クロムハロゲン化物(例えば、CrF3、CrCl3、CrBr3、CrI3など)、モリブデンハロゲン化物(例えば、MoF3、MoCl3、MoBr3、MoI3など)、タングステンハロゲン化物(例えば、WF3、WCl3、WBr3、WI3など)、マンガンハロゲン化物(例えば、MnF2、MnCl2、MnBr2、MnI2など)、テクネチウムハロゲン化物(例えば、TcF2、TcCl2、TcBr2、TcI2など)、レニウムハロゲン化物(例えば、ReF2、ReCl2、ReBr2、ReI2など)、鉄ハロゲン化物(例えば、FeF2、FeCl2、FeBr2、FeI2など)、ルテニウムハロゲン化物(例えば、RuF2、RuCl2、RuBr2、RuI2など)、オスミウムハロゲン化物(例えば、OsF2、OsCl2、OsBr2、OsI2など)、コバルトハロゲン化物(例えば、CoF2、CoCl2、CoBr2、CoI2など)、ロジウムハロゲン化物(例えば、RhF2、RhCl2、RhBr2、RhI2など)、イリジウムハロゲン化物(例えば、IrF2、IrCl2、IrBr2、IrI2など)、ニッケルハロゲン化物(例えば、NiF2、NiCl2、NiBr2、NiI2など)、パラジウムハロゲン化物(例えば、PdF2、PdCl2、PdBr2、PdI2など)、白金ハロゲン化物(例えば、PtF2、PtCl2、PtBr2、PtI2など)、銅ハロゲン化物(例えば、CuF、CuCl、CuBr、CuIなど)、銀ハロゲン化物(例えば、AgF、AgCl、AgBr、AgIなど)、金ハロゲン化物(例えば、AuF、AuCl、AuBr、AuIなど)などを含んでもよい。
【0190】
前記遷移後金属ハロゲン化物の例は、亜鉛ハロゲン化物(例えば、ZnF2、ZnCl2、ZnBr2、ZnI2など)、インジウムハロゲン化物(例えば、InI3など)、スズハロゲン化物(例えば、SnI2など)などを含んでもよい。
【0191】
前記ランタニド金属ハロゲン化物の例は、YbF、YbF2、YbF3、SmF3、YbCl、YbCl2、YbCl3、SmCl3、YbBr、YbBr2、YbBr3、SmBr3、YbI、YbI2、YbI3、SmI3などを含んでもよい。
【0192】
前記半金属ハロゲン化物の例は、アンチモンハロゲン化物(例えば、SbCl5など)などを含んでもよい。
【0193】
前記金属テルリドの例は、アルカリ金属テルリド(例えば、Li2Te、Na2Te、K2Te、Rb2Te、Cs2Teなど)、アルカリ土類金属テルリド(例えば、BeTe、MgTe、CaTe、SrTe、BaTeなど)、遷移金属テルリド(例えば、TiTe2、ZrTe2、HfTe2、V2Te3、Nb2Te3、Ta2Te3、Cr2Te3、Mo2Te3、W2Te3、MnTe、TcTe、ReTe、FeTe、RuTe、OsTe、CoTe、RhTe、IrTe、NiTe、PdTe、PtTe、Cu2Te、CuTe、Ag2Te、AgTe、Au2Teなど)、遷移後金属テルリド(例えば、ZnTeなど)、ランタニド金属テルリド(例えば、LaTe、CeTe、PrTe、NdTe、PmTe、EuTe、GdTe、TbTe、DyTe、HoTe、ErTe、TmTe、YbTe、LuTeなど)などを含んでもよい。
【0194】
[中間層130における発光層]
前記発光素子10がフルカラー発光素子である場合、発光層は、個別副画素別に、赤色発光層、緑色発光層及び/または青色発光層にもパターニングされる。前記発光層のうち少なくとも1層は、前述のような量子ドットを含んでもよい。例えば、前記緑色発光層が量子ドットを含む量子ドット発光層であり、前記青色発光層及び前記赤色発光層が、各々、有機化合物を含む有機発光層でありうる。
【0195】
または、前記発光層は、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層のうちの2つ以上の層が接触されたり離隔されたりして積層された構造を有することができる。前記2つ以上の発光層のうちの少なくとも1層の発光層は、量子ドットを含む量子ドット発光層であり、残りの発光層は、有機化合物を含む有機発光層でありうるなど、多様な変形が可能である。
【0196】
[中間層130における電子輸送領域]
前記電子輸送領域は、i)単一物質からなる(consist of)単一層からなる(consist of)単層構造、ii)複数の互いに異なる物質を含む単一層からなる(consist of)単層構造、またはiii)複数の互いに異なる物質を含む複数の層を含む多層構造を有することができる。
【0197】
前記電子輸送領域は、前述のような金属酸化物層を含んでもよい。
【0198】
または、前記電子輸送領域は、例えば、ZnO、TiO2、WO3、SnO2、In2O3、Nb2O5、Fe2O3、CeO2、SrTiO3、Zn2SnO4、BaSnO3、In2S3、ZnSiO、PC60BM、PC70BM、MgドーピングされたZnO(ZnMgO)、AlドーピングされたZnO(AZO)、GaドーピングされたZnO(GZO)、InドーピングされたZnO(IZO)、AlドーピングされたTiO2、GaドーピングされたTiO2、InドーピングされたTiO2、AlドーピングされたWO3、GaドーピングされたWO3、InドーピングされたWO3、AlドーピングされたSnO2、GaドーピングされたSnO2、InドーピングされたSnO2、MgドーピングされたIn2O3、AlドーピングされたIn2O3、GaドーピングされたIn2O3、MgドーピングされたNb2O5、AlドーピングされたNb2O5、GaドーピングされたNb2O5、MgドーピングされたFe2O3、AlドーピングされたFe2O3、GaドーピングされたFe2O3、InドーピングされたFe2O3、MgドーピングされたCeO2、AlドーピングされたCeO2、GaドーピングされたCeO2、InドーピングされたCeO2、MgドーピングされたSrTiO3、AlドーピングされたSrTiO3、GaドーピングされたSrTiO3、InドーピングされたSrTiO3、MgドーピングされたZn2SnO4、AlドーピングされたZn2SnO4、GaドーピングされたZn2SnO4、InドーピングされたZn2SnO4、MgドーピングされたBaSnO3、AlドーピングされたBaSnO3、GaドーピングされたBaSnO3、InドーピングされたBaSnO3、MgドーピングされたIn2S3、AlドーピングされたIn2S3、GaドーピングされたIn2S3、InドーピングされたIn2S3、MgドーピングされたZnSiO、AlドーピングされたZnSiO、GaドーピングされたZnSiO、InドーピングされたZnSiO、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0199】
前記電子輸送領域は、バッファ層、正孔阻止層、電子調節層、電子輸送層、電子注入層、またはそれら任意の組み合わせを含んでもよい。このとき、前記バッファ層、正孔阻止層、電子調節層、電子輸送層または電子注入層が前記金属酸化物層であるか、あるいは前記バッファ層、正孔阻止層、電子調節層及び電子輸送層の任意の組み合わせのうち少なくとも1層が前記金属酸化物層でありうる。
【0200】
例えば、前記電子輸送領域は、発光層から順に積層された電子輸送層/電子注入層、正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層、電子調節層/電子輸送層/電子注入層、またはバッファ層/電子輸送層/電子注入層などの構造を有することができる。
【0201】
前記電子輸送領域(例えば、前記電子輸送領域における、バッファ層、正孔阻止層、電子調節層または電子輸送層)は、少なくとも1つのπ電子欠乏性含窒素C1-C60環式基を含む金属非含有(metal-free)化合物を含んでもよい。
【0202】
例えば、前記電子輸送領域は、下記化学式601で表された化合物を含んでもよい。
【0203】
<化601>
[Ar601]xe11-[(L601)xe1-R601]xe21
【0204】
前記化学式601において、
Ar601及びL601は、互いに独立して、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
【0205】
xe11は、1、2または3であり、
xe1は、0、1、2、3、4または5であり、
R601は、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のC3-C60炭素環基、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基、-Si(Q601)(Q602)(Q603)、-C(=O)(Q601)、-S(=O)2(Q601)または-P(=O)(Q601)(Q602)であり、
【0206】
前記Q601ないしQ603に係わる説明は、それぞれ本明細書内のQ1に係わる説明を参照し、
xe21は、1、2、3、4または5であり、
前記Ar601、L601及びR601のうち少なくとも1つは、互いに独立して、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のπ電子欠乏性含窒素C1-C60環式基でありうる。
【0207】
例えば、前記化学式601において、xe11が2以上である場合、2以上のAr601は、単結合を介して互いに連結されうる。
【0208】
他の例として、前記化学式601において、Ar601は、置換もしくは非置換のアントラセン基でありうる。
【0209】
さらに他の例として、前記電子輸送領域は、下記化学式601-1で表された化合物を含んでもよい:
【0210】
【0211】
前記化学式601-1において、
X614は、NまたはC(R614)であり、X615は、NまたはC(R615)であり、X616は、NまたはC(R616)であり、X614ないしX616のうち少なくとも1つは、Nであり、
【0212】
L611ないしL613に係わる説明は、それぞれ前記L601に係わる説明を参照し、
xe611ないしxe613に係わる説明は、それぞれ前記xe1に係わる説明を参照し、
R611ないしR613に係わる説明は、それぞれ前記R601に係わる説明を参照し、
【0213】
R614ないしR616は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のC3-C60炭素環基、または少なくとも1つのR10aでもって置換されたか、もしくは非置換のC1-C60ヘテロ環基でありうる。
【0214】
例えば、前記化学式601及び601-1において、xe1、及びxe611ないしxe613は、互いに独立して、0、1または2でありうる。
【0215】
前記電子輸送領域は、下記化合物ET1ないしET45のうちの1つ、2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(BCP)、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(Bphen)、Alq3、BAlq、TAZ、NTAZ、またはそれら任意の組み合わせを含んでもよい:
【0216】
【0217】
【0218】
【0219】
【0220】
【0221】
【0222】
【0223】
前記電子輸送領域の厚みは、約100Åないし約5,000Å、例えば、約160Åないし約4,000Åでありうる。前記電子輸送領域が、バッファ層、正孔阻止層、電子調節層、電子輸送層、またはそれら任意の組み合わせを含む場合、前記バッファ層、正孔阻止層または電子調節層の厚みは、互いに独立して、約20Åないし約1,000Å、例えば、約30Åないし約300Åであり、前記電子輸送層の厚みは、約100Åないし約1,000Å、例えば、約150Åないし約500Åでありうる。前記バッファ層、正孔阻止層、電子調節層、電子輸送層及び/または電子輸送領域の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満足すべき電子輸送特性を得ることができる。
【0224】
前記電子輸送領域(例えば、前記電子輸送領域における電子輸送層)は、前述のような物質以外に、金属含有物質をさらに含んでもよい。
【0225】
前記金属含有物質は、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、またはそれら任意の組み合わせを含んでもよい。前記アルカリ金属錯体の金属イオンは、Liイオン、Naイオン、Kイオン、RbイオンまたはCsイオンでもあり、前記アルカリ土類金属錯体の金属イオンは、Beイオン、Mgイオン、Caイオン、SrイオンまたはBaイオンでありうる。前記アルカリ金属錯体及び前記アルカリ土類金属錯体の金属イオンに配位された配位子は、互いに独立して、ヒドロキシキノリン、ヒドロキシイソキノリン、ヒドロキシベンゾキノリン、ヒドロキシアクリジン、ヒドロキシフェナントリジン、ヒドロキシフェニルオキサゾール、ヒドロキシフェニルチアゾール、ヒドロキシフェニルオキサジアゾール、ヒドロキシフェニルチアジアゾール、ヒドロキシフェニルピリジン、ヒドロキシフェニルベンゾイミダゾール、ヒドロキシフェニルベンゾチアゾール、ビピリジン、フェナントロリン、シクロペンタジエン、またはそれら任意の組み合わせを含んでもよい。
【0226】
例えば、前記金属含有物質は、Li錯体を含んでもよい。前記Li錯体は、例えば、下記化合物ET-D1(LiQ)またはET-D2を含んでもよい:
【0227】
【0228】
前記電子輸送領域は、第2電極150からの電子注入を容易にする電子注入層を含んでもよい。前記電子注入層は、前記第2電極150と直接(directly)接触することができる。
【0229】
前記電子注入層は、i)単一物質からなる(consist of)単一層からなる(consist of)単層構造、ii)複数の互いに異なる物質を含む単一層からなる(consist of)単層構造、またはiii)複数の互いに異なる物質を含む複数の層を有する多層構造を有することができる。
【0230】
前記電子注入層は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属含有化合物、アルカリ土類金属含有化合物、希土類金属含有化合物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体、またはそれら任意の組み合わせを含んでもよい。
【0231】
前記アルカリ金属は、Li、Na、K、Rb、Cs、またはそれら任意の組み合わせを含んでもよい。前記アルカリ土類金属は、Mg、Ca、Sr、Ba、またはそれら任意の組み合わせを含んでもよい。前記希土類金属は、Sc、Y、Ce、Tb、Yb、Gd、またはそれら任意の組み合わせを含んでもよい。
【0232】
前記アルカリ金属含有化合物、前記アルカリ土類金属含有化合物及び前記希土類金属含有化合物は、前記アルカリ金属、前記アルカリ土類金属及び前記希土類金属それぞれの、酸化物、ハロゲン化物(例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物など)、テルリド、またはそれら任意の組み合わせを含んでもよい。
【0233】
前記アルカリ金属含有化合物は、Li2O、Cs2O、K2Oのようなアルカリ金属酸化物、LiF、NaF、CsF、KF、LiI、NaI、CsI、KIのようなアルカリ金属ハロゲン化物、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。前記アルカリ土類金属含有化合物は、BaO、SrO、CaO、BaxSr1-xO(xは、0<x<1を満足する実数である)、BaxCa1-xO(xは、0<x<1を満足する実数である)のようなアルカリ土類金属化合物を含んでもよい。前記希土類金属含有化合物は、YbF3、ScF3、Sc2O3、Y2O3、Ce2O3、GdF3、TbF3、YbI3、ScI3、TbI3、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。または、前記希土類金属含有化合物は、ランタニド金属テルリドを含んでもよい。前記ランタニド金属テルリドの例は、LaTe、CeTe、PrTe、NdTe、PmTe、SmTe、EuTe、GdTe、TbTe、DyTe、HoTe、ErTe、TmTe、YbTe、LuTe、La2Te3、Ce2Te3、Pr2Te3、Nd2Te3、Pm2Te3、Sm2Te3、Eu2Te3、Gd2Te3、Tb2Te3、Dy2Te3、Ho2Te3、Er2Te3、Tm2Te3、Yb2Te3、Lu2Te3などを含んでもよい。
【0234】
前記アルカリ金属錯体、前記アルカリ土類金属錯体及び前記希土類金属錯体は、i)前述のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属のイオンのうち1つ、及びii)前記金属イオンと結合した配位子として、例えば、ヒドロキシキノリン、ヒドロキシイソキノリン、ヒドロキシベンゾキノリン、ヒドロキシアクリジン、ヒドロキシフェナントリジン、ヒドロキシフェニルオキサゾール、ヒドロキシフェニルチアゾール、ヒドロキシフェニルオキサジアゾール、ヒドロキシフェニルチアジアゾール、ヒドロキシフェニルピリジン、ヒドロキシフェニルベンゾイミダゾール、ヒドロキシフェニルベンゾチアゾール、ビピリジン、フェナントロリン、シクロペンタジエン、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0235】
前記電子注入層は、前述のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属含有化合物、アルカリ土類金属含有化合物、希土類金属含有化合物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体、またはそれら任意の組み合わせのみからなるか、あるいは有機物(例えば、前記化学式601で表された化合物)をさらに含んでもよい。
【0236】
一具現例によれば、前記電子注入層は、i)アルカリ金属含有化合物(例えば、アルカリ金属ハロゲン化物)からなる(consist of)か、ii)a)アルカリ金属含有化合物(例えば、アルカリ金属ハロゲン化物);及びb)アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、またはそれら任意の組み合わせ;からなる。例えば、前記電子注入層は、KI:Yb共蒸着層、RbI:Yb共蒸着層などでありうる。
【0237】
前記電子注入層が有機物をさらに含む場合、前述のアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属含有化合物、アルカリ土類金属含有化合物、希土類金属含有化合物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体、またはそれら任意の組み合わせは、前記有機物を含むマトリックスに、均一または不均一に分散されている。
【0238】
前記電子注入層の厚みは、約1Åないし約100Å、約3Åないし約90Åでありうる。前記電子注入層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満足すべき電子注入特性を得ることができる。
【0239】
[第2電極150]
前述のような中間層130の上部には、第2電極150が配置されている。前記第2電極150は、電子注入電極であるカソードでありうるが、ここで、前記第2電極150用物質としては、低い仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物、またはそれら任意の組み合わせを使用することができる。
【0240】
前記第2電極150は、リチウム(Li)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム・リチウム(Al-Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム・インジウム(Mg-In)、マグネシウム・銀(Mg-Ag)、イッテルビウム(Yb)、銀・イッテルビウム(Ag-Yb)、ITO、IZO、またはそれら任意の組み合わせを含んでもよい。前記第2電極150は、透過型電極、半透過型電極または反射型電極でありうる。
【0241】
前記第2電極150は、単一層である単層構造、または複数の層を有する多層構造を有することができる。
【0242】
[キャッピング層]
第1電極110の外側には、第1キャッピング層が配置され、かつ/または第2電極150の外側には、第2キャッピング層が配置されうる。具体的には、前記発光素子10は、第1キャッピング層、第1電極110、中間層130及び第2電極150が順に積層された構造;第1電極110、中間層130、第2電極150及び第2キャッピング層が順に積層された構造;または第1キャッピング層、第1電極110、中間層130、第2電極150及び第2キャッピング層が順に積層された構造を有することができる。
【0243】
発光素子10の中間層130において、発光層から生成された光は、半透過型電極または透過型電極である第1電極110及び第1キャッピング層を経て外部に取り出され、発光素子10の中間層130において、発光層から生成された光は、半透過型電極または透過型電極である第2電極150及び第2キャッピング層を経て外部に取り出されうる。
【0244】
前記第1キャッピング層及び前記第2キャッピング層は、補強干渉の原理により、外部発光効率を向上させる役割を行うことができる。それにより、前記発光素子10の光抽出効率が上昇し、前記発光素子10の発光効率が向上されうる。
【0245】
前記第1キャッピング層及び前記第2キャッピング層のそれぞれは、1.6以上の屈折率(at 589nm)を有する物質を含んでもよい。
【0246】
前記第1キャッピング層及び前記第2キャッピング層は、互いに独立して、有機物を含む有機キャッピング層、無機物を含む無機キャッピング層、または有機物及び無機物を含む複合キャッピング層でありうる。
【0247】
前記第1キャッピング層及び前記第2キャッピング層のうちの少なくとも1層は、互いに独立して、炭素環化合物、ヘテロ環化合物、アミン基含有化合物、ポルフィン誘導体(porphine derivatives)、フタロシアニン誘導体(phthalocyanine derivatives)、ナフタロシアニン誘導体(naphthalocyanine derivatives)、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、またはそれら任意の組み合わせを含んでもよい。前記炭素環化合物、前記ヘテロ環化合物及び前記アミン基含有化合物は、選択的に、O、N、S、Se、Si、F、Cl、Br、I、またはそれら任意の組み合わせを含む置換基によって置換されうる。一具現例によれば、前記第1キャッピング層及び前記第2キャッピング層のうち少なくとも1層は、互いに独立して、アミン基含有化合物を含んでもよい。
【0248】
例えば、前記第1キャッピング層及び前記第2キャッピング層のうちの少なくとも1層は、互いに独立して、前記化学式201で表された化合物、前記化学式202で表された化合物、またはそれら任意の組み合わせを含んでもよい。
【0249】
他の具現例によれば、前記第1キャッピング層及び前記第2キャッピング層のうちの少なくとも1層は、互いに独立して、前記化合物HT28ないしHT33のうちの1つ、下記化合物CP1ないしCP6のうち1つ、β-NPB、またはそれら任意の化合物を含んでもよい:
【0250】
【0251】
[フィルム]
前記化学式1で表される縮合環化合物は、各種フィルムにも含まれる。従って、他の側面によれば、前記化学式1で表される縮合環化合物を含むフィルムが提供されうる。前記フィルムは、例えば、光学部材(または、光制御手段)(例えば、カラーフィルタ、色変換部材、キャッピング層、光取出効率向上層、選択的光吸収層、偏光層、量子ドット含有層など)、遮光部材(例えば、光反射層、光吸収層など)、保護部材(例えば、絶縁層、誘電体層など)などでありうる。
【0252】
[電子装置]
前記発光素子は、各種電子装置にも含まれる。例えば、前記発光素子を含む電子装置は、発光装置、認証装置などでありうる。
【0253】
前記電子装置(例えば、発光装置)は、前記発光素子以外に、i)カラーフィルタ、ii)色変換層、またはiii)カラーフィルタ及び色変換層をさらに含んでもよい。前記カラーフィルタ及び/または色変換層は、発光素子から放出される光の少なくとも1つの進行方向上にも配される。例えば、前記発光素子から放出される光は、青色光または白色光でありうる。前記発光素子に係わる説明は、前述のところを参照する。一具現例によれば、前記色変換層は、量子ドットを含んでもよい。前記量子ドットは、例えば、本明細書に記載されたような量子ドットでありうる。
【0254】
前記電子装置は、第1基板を含んでもよい。前記第1基板は、複数の副画素領域を含み、前記カラーフィルタは、前記複数の副画素領域それぞれ対応する複数のカラーフィルタ領域を含み、前記色変換層は、前記複数の副画素領域それぞれ対応する複数の色変換領域を含んでもよい。
【0255】
前記複数の副画素領域同士の間に、画素定義膜が配置され、それぞれの副画素領域が定義される。
【0256】
前記カラーフィルタは、複数のカラーフィルタ領域、及び複数のカラーフィルタ領域間に配された遮光パターンをさらに含み、前記色変換層は、複数の色変換領域、及び複数の色変換領域間に配された遮光パターンをさらに含んでもよい。
【0257】
前記複数のカラーフィルタ領域(または、複数の色変換領域)は、第1色光を放出する第1領域、第2色光を放出する第2領域、及び/または第3色光を放出する第3領域を含み、前記第1色光、前記第2色光及び/または前記第3色光は、互いに異なる最大発光波長を有することができる。例えば、前記第1色光は、赤色光であり、前記第2色光は緑色光であり、前記第3色光は、青色光でありうる。例えば、前記複数のカラーフィルタ領域(または、複数の色変換領域)は、量子ドットを含んでもよい。具体的には、前記第1領域は、赤色量子ドットを含み、前記第2領域は、緑色量子ドットを含み、前記第3領域は、量子ドットを含まない。該量子ドットに係わる説明は、本明細書に記載されたところを参照する。前記第1領域、前記第2領域及び/または前記第3領域は、それぞれ散乱体をさらに含んでもよい。
【0258】
例えば、前記発光素子は、第1光を放出し、前記第1領域は、前記第1光を吸収し、第1-1色光を放出し、前記第2領域は、前記第1光を吸収し、第2-1色光を放出し、前記第3領域は、前記第1光を吸収し、第3-1色光を放出することができる。ここで、前記第1-1色光、前記第2-1色光及び前記第3-1色光は、互いに異なる最大発光波長を有することができる。具体的には、前記第1光は、青色光でありうる、前記第1-1色光は、赤色光でありうる、前記第2-1色光は、緑色光でありうる、前記第3-1色光は、青色光でありうる。
【0259】
前記電子装置は、前述のような発光素子以外に、薄膜トランジスタをさらに含んでもよい。前記薄膜トランジスタは、ソース電極、ドレイン電極及び活性層を含み、前記ソース電極及び前記ドレイン電極のうちのいずれか1つと、前記発光素子の第1電極及び第2電極のうちのいずれか1つは、電気的に連結されうる。
【0260】
前記薄膜トランジスタは、ゲート電極、ゲート絶縁膜などをさらに含んでもよい。
【0261】
前記活性層は、結晶質シリコン、非晶質シリコン、有機半導体、酸化物半導体などを含んでもよい。
【0262】
前記電子装置は、発光素子を密封する密封部をさらに含んでもよい。前記密封部は、前記カラーフィルタ及び/または色変換層と、前記発光素子との間に配されうる。前記密封部は、前記発光素子からの光が外部に取り出されるようにしながら、同時に、前記発光素子に外気及び水分が浸透することを遮断する。前記密封部は、透明なガラス基板またはプラスチック基板を含む密封基板でありうる。前記密封部は、有機層及び/または無機層を1層以上含む薄膜封止層でありうる。前記密封部が薄膜封止層である場合、前記電子装置は、フレキシブルでありうる。
【0263】
前記密封部上には、前記カラーフィルタ及び/または色変換層の外に、前記電子装置の用途に応じて、多様な機能層が追加して配置されうる。前記機能層の例は、タッチスクリーン層、偏光層などを含んでもよい。前記タッチスクリーン層は、減圧式タッチスクリーン層、静電式タッチスクリーン層または赤外線式タッチスクリーン層でありうる。前記認証装置は、例えば、生体(例えば、指先、瞳など)の生体情報を利用して、個人を認証する生体認証装置でありうる。
【0264】
前記認証装置は、前述のような発光素子以外に、生体情報収集手段をさらに含んでもよい。
【0265】
前記電子装置は、各種ディスプレイ、光源、照明、パソコン(PC)(例えば、モバイル型パソコン)、携帯電話、デジタルカメラ、電子手帳、電子辞典、電子ゲーム機、医療機器(例えば、電子体温計、血圧計、血糖計、脈拍計測装置、脈波計測装置、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、プロジェクタなどに応用されうる。
【0266】
[
図2及び
図3に係わる説明]
図2は、本発明の一具現例による発光装置の断面図である。
【0267】
図2の発光装置は、基板100、薄膜トランジスタ(TFT)、発光素子及び発光素子を密封する封止部300を含む。
【0268】
前記基板100は、可撓性基板、ガラス基板または金属基板でありうる。前記基板100上には、バッファ層210が配置されうる。前記バッファ層210は、基板100を介する不純物の浸透を防止し、基板100の上に、平坦な面を提供する役割を行うことができる。
【0269】
前記バッファ層210上には、薄膜トランジスタ(TFT)が配置されうる。前記薄膜トランジスタ(TFT)は、活性層220、ゲート電極240、ソース電極260及びドレイン電極270を含んでもよい。
【0270】
前記活性層220は、シリコンまたはポリシリコンといった無機半導体、有機半導体または酸化物半導体を含み、ソース領域、ドレイン領域及びチャネル領域を含む。
【0271】
前記活性層220の上方には、活性層220とゲート電極240とを絶縁するためのゲート絶縁膜230が配置され、ゲート絶縁膜230の上方には、ゲート電極240が配置されうる。
【0272】
前記ゲート電極240の上方には、層間絶縁膜250が配置されうる。前記層間絶縁膜250は、ゲート電極240とソース電極260との間、及びゲート電極240とドレイン電極270との間に配置されて、それらを絶縁する役割を行う。
【0273】
前記層間絶縁膜250上には、ソース電極260及びドレイン電極270が配置されうる。層間絶縁膜250及びゲート絶縁膜230は、活性層220のソース領域及びドレイン領域が露出されるように形成されうるのであり、そのような活性層220が露出された、ソース領域及びドレイン領域に接するように、ソース電極260及びドレイン電極270が配置されうる。
【0274】
そのような薄膜トランジスタ(TFT)は、発光素子に電気的に連結され、発光素子を駆動させることができ、パッシベーション層280で覆われて保護される。パッシベーション層280は、無機絶縁膜、有機絶縁膜、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。パッシベーション層280上には、発光素子が具備される。前記発光素子は、第1電極110、中間層130及び第2電極150を含む。
【0275】
前記第1電極110は、パッシベーション層280上に配置されうる。パッシベーション層280は、ドレイン電極270の全体を覆わずに、所定領域を露出させるように配置されうるのであり、露出されたドレイン電極270と連結されるように、第1電極110が配置されうる。
【0276】
前記第1電極110上に、絶縁物を含む画素定義膜290が配置されうる。画素定義膜290は、第1電極110の所定領域を露出させ、露出された領域に中間層130が形成されうる。画素定義膜290は、ポリイミド系またはポリアクリル系の有機膜でありうる。
図2には、図示されていないが、中間層130のうちの一部以上の層は、画素定義膜290上部にまで延長され、共通層形態に配置されうる。
【0277】
前記中間層130上には、第2電極150が配置され、第2電極150上には、キャッピング層170が追加して形成されうる。キャッピング層170は、第2電極150を覆うように形成されうる。
【0278】
前記キャッピング層170上には、封止部300が配置されうる。封止部300は、発光素子上に配され、水分や酸素から発光素子を保護する役割を行うことができる。封止部300は、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸化物(SiOx)、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、またはそれら任意の組み合わせを含む無機膜;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエチレンスルホネート、ポリオキシメチレン、ポリアリレート、ヘキサメチルジシロキサン、アクリル系樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸など)、エポキシ樹脂(例えば、AGE(aliphatic glycidyl ether)など)、またはそれらの任意の組み合わせを含む有機膜;または無機膜と有機膜との組み合わせを含んでもよい。
【0279】
図3は、本発明の他の具現例による発光装置の断面図である。
【0280】
図3の発光装置は、封止部300の上方に、遮光パターン500及び機能性領域400が追加して配置されているという点を除いては、
図2の発光装置と同一の発光装置である。前記機能性領域400は、i)カラーフィルタ領域、ii)色変換領域、またはiii)カラーフィルタ領域と色変換領域との組み合わせでありうる。一具現例によれば、
図3の発光装置に含まれた発光素子は、タンデム発光素子でありうる。
【0281】
[製造方法]
前記正孔輸送領域に含まれた各層、発光層、及び電子輸送領域に含まれた各層は、それぞれ、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB(Langmuir-Blodgett)法、インクジェットプリンティング法、レーザプリンティング法、レーザ熱転写(LITI:laser induced thermal imaging)法といった多様な方法を利用し、所定領域に形成されうる。
【0282】
該真空蒸着法により、前記正孔輸送領域に含まれる各層、発光層、及び、電子輸送領域に含まれる各層を、それぞれ形成する場合、蒸着条件は、例えば、約100ないし約500℃の蒸着温度、約10-8ないし約10-3torrの真空度、及び約0.01ないし約100Å/secの蒸着速度の範囲内において、形成する層に含まれる材料、及び形成する層の構造を考慮して選択されうる。
【0283】
[用語の定義]
本明細書において、C3-C60炭素環基は、炭素のみからなるC3-C60環式基を意味し、C1-C60ヘテロ環基は、炭素以外に、ヘテロ原子をさらに含むC1-C60環式基を意味する。前記C3-C60炭素環基、及び前記C1-C60ヘテロ環基のそれぞれは、1個の環からなる単環基、または2つ以上の環が互いに縮合されている多環基でありうる。例えば、前記C1-C60ヘテロ環基の環形成原子数は、3ないし61個でありうる。
【0284】
本明細書において、環式基は、前記C3-C60炭素環基、及び前記C1-C60ヘテロ環基をいずれも含む。
【0285】
本明細書において、π電子過剰C3-C60環式基(π electron-rich C3-C60cyclic group)は、環形成モイエティであり、*-N=*’を含まないC3-C60環式基を意味し、π電子欠乏性含窒素C1-C60環式基(π electron-deficient nitrogen-containing C1-C60 cyclic group)は、環形成モイエティであり、*-N=*’を含むC1-C60ヘテロ環基を意味する。
【0286】
例えば、
前記C3-C60炭素環基は、i)グループT1、またはii)2以上のグループT1が互いに縮合された縮合環基(例えば、シクロペンタジエン基、アダマンタン基、ノルボルナン基、ベンゼン基、ペンタレン基、ナフタレン基、アズレン基、インダセン基、アセナフチレン基、フェナレン基、フェナントレン基、アントラセン基、フルオランテン基、トリフェニレン基、ピレン基、クリセン基、ペリレン基、ペンタフェン基、ヘプタレン基、ナフタセン基、ピセン基、ヘキサセン基、ペンタセン基、ルビセン基、コロネン基、オバレン基、インデン基、フルオレン基、スピロ-ビフルオレン基、ベンゾフルオレン基、インデノフェナントレン基またはインデノアントラセン基)でありうるのであり、
【0287】
前記C1-C60ヘテロ環基は、i)グループT2、ii)2以上のグループT2が互いに縮合された縮合環基、またはiii)1以上のグループT2と、1以上のグループT1とが互いに縮合された縮合環基(例えば、ピロール基、チオフェン基、フラン基、インドール基、ベンゾインドール基、ナフトインドール基、イソインドール基、ベンゾイソインドール基、ナフトイソインドール基、ベンゾシロール基、ベンゾチオフェン基、ベンゾフラン基、カルバゾール基、ジベンゾシロール基、ジベンゾチオフェン基、ジベンゾフラン基、インデノカルバゾール基、インドロカルバゾール基、ベンゾフロカルバゾール基、ベンゾチエノカルバゾール基、ベンゾシロロカルバゾール基、ベンゾインドロカルバゾール基、ベンゾカルバゾール基、ベンゾナフトフラン基、ベンゾナフトチオフェン基、ベンゾナフトシロール基、ベンゾフロジベンゾフラン基、ベンゾフロジベンゾチオフェン基、ベンゾチエノジベンゾチオフェン基、ピラゾール基、イミダゾール基、トリアゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、オキサジアゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、チアジアゾール基、ベンゾピラゾール基、ベンズイミダゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイソキサゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾイソチアゾール基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、ピリダジン基、トリアジン基、キノリン基、イソキノリン基、ベンゾキノリン基、ベンゾイソキノリン基、キノキサリン基、ベンゾキノキサリン基、キナゾリン基、ベンゾキナゾリン基、フェナントロリン基、シンノリン基、フタラジン基、ナフチリジン基、イミダゾピリジン基、イミダゾピリミジン基、イミダゾトリアジン基、イミダゾピラジン基、イミダゾピリダジン基、アザカルバゾール基、アザフルオレン基、アザジベンゾシロール基、アザジベンゾチオフェン基、アザジベンゾフラン基など)でありうるのであり、
【0288】
前記π電子過剰C3-C60環式基は、i)グループT1、ii)2以上のグループT1が互いに縮合された縮合環基、iii)グループT3、iv)2以上のグループT3が互いに縮合された縮合環基、またはv)1以上のグループT3と、1以上のグループT1とが互いに縮合された縮合環基(例えば、前記C3-C60炭素環基、1H-ピロール基、シロール基、ボロール基、2H-ピロール基、3H-ピロール基、チオフェン基、フラン基、インドール基、ベンゾインドール基、ナフトインドール基、イソインドール基、ベンゾイソインドール基、ナフトイソインドール基、ベンゾシロール基、ベンゾチオフェン基、ベンゾフラン基、カルバゾール基、ジベンゾシロール基、ジベンゾチオフェン基、ジベンゾフラン基、インデノカルバゾール基、インドロカルバゾール基、ベンゾフロカルバゾール基、ベンゾチエノカルバゾール基、ベンゾシロロカルバゾール基、ベンゾインドロカルバゾール基、ベンゾカルバゾール基、ベンゾナフトフラン基、ベンゾナフトチオフェン基、ベンゾナフトシロール基、ベンゾフロジベンゾフラン基、ベンゾフロジベンゾチオフェン基、ベンゾチエノジベンゾチオフェン基など)でありうるのであり、
【0289】
前記π電子欠乏性の含窒素C1-C60環式基は、i)グループT4、ii)2以上のグループT4が互いに縮合された縮合環基、iii)1以上のグループT4と、1以上のグループT1とが互いに縮合された縮合環基、iv)1以上のグループT4と、1以上のグループT3とが互いに縮合された縮合環基、またはv)1以上のグループT4、1以上のグループT1、及び1以上のグループT3が互いに縮合された縮合環基(例えば、ピラゾール基、イミダゾール基、トリアゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、オキサジアゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、チアジアゾール基、ベンゾピラゾール基、ベンズイミダゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイソキサゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾイソチアゾール基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、ピリダジン基、トリアジン基、キノリン基、イソキノリン基、ベンゾキノリン基、ベンゾイソキノリン基、キノキサリン基、ベンゾキノキサリン基、キナゾリン基、ベンゾキナゾリン基、フェナントロリン基、シンノリン基、フタラジン基、ナフチリジン基、イミダゾピリジン基、イミダゾピリミジン基、イミダゾトリアジン基、イミダゾピラジン基、イミダゾピリダジン基、アザカルバゾール基、アザフルオレン基、アザジベンゾシロール基、アザジベンゾチオフェン基、アザジベンゾフラン基など)でありうるのであり、
【0290】
前記グループT1は、シクロプロパン基、シクロブタン基、シクロペンタン基、シクロヘキサン基、シクロヘプタン基、シクロオクタン基、シクロブテン基、シクロペンテン基、シクロペンタジエン基、シクロヘキセン基、シクロヘキサジエン基、シクロヘプテン基、アダマンタン基、ノルボルナン(または、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン)基、ノルボルネン基、ビシクロ[1.1.1]ペンタン基、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン基、ビシクロ[2.2.2]オクタン基、またはベンゼン基であり、
【0291】
前記グループT2は、フラン基、チオフェン基、1H-ピロール基、シロール基、ボロール基、2H-ピロール基、3H-ピロール基、イミダゾール基、ピラゾール基、トリアゾール基、テトラゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、オキサジアゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、チアジアゾール基、アザシロール基、アザボロール基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、ピリダジン基、トリアジン基、テトラジン基、ピロリジン基、イミダゾリジン基、ジヒドロピロール基、ピペリジン基、テトラヒドロピリジン基、ジヒドロピリジン基、ヘキサヒドロピリミジン基、テトラヒドロピリミジン基、ジヒドロピリミジン基、ピペラジン基、テトラヒドロピラジン基、ジヒドロピラジン基、テトラヒドロピリダジン基、または、ジヒドロピリダジン基であり、
【0292】
前記グループT3は、フラン基、チオフェン基、1H-ピロール基、シロール基またはボロール基であり、
【0293】
前記グループT4は、2H-ピロール基、3H-ピロール基、イミダゾール基、ピラゾール基、トリアゾール基、テトラゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、オキサジアゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、チアジアゾール基、アザシロール基、アザボロール基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、ピリダジン基、トリアジン基またはテトラジン基でありうる。
【0294】
本明細書において、環式基、C3-C60炭素環基、C1-C60ヘテロ環基、π電子過剰C3-C60環式基またはπ電子欠乏性含窒素C1-C60環式基という用語は、当該用語が使用された化学式の構造により、任意の環式基に縮合されている基、一価基または多価基(例えば、二価基、三価基、四価基など)でありうる。例えば、「ベンゼン基」は、ベンゾ基、フェニル基、フェニレン基などでありうるが、それは、「ベンゼン基」が含まれた化学式の構造により、当業者が容易に理解することができるのである。
【0295】
例えば、一価C3-C60炭素環基及び一価C1-C60ヘテロ環基の例は、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C1-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基及び一価非芳香族ヘテロ縮合多環基を含み、二価C3-C60炭素環基及び一価C1-C60ヘテロ環基の例は、C3-C10シクロアルキレン基、C1-C10ヘテロシクロアルキレン基、C3-C10シクロアルケニレン基、C1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、C6-C60アリーレン基、C1-C60ヘテロアリーレン基、二価非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは非置換の二価非芳香族ヘテロ縮合多環基を含んでもよい。
【0296】
本明細書において、C1-C60アルキル基は、C1-C60線状またはC1-C60分枝状の脂肪族炭化水素一価基を意味し、その具体例には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、3-ペンチル基、sec-イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基などが含まれる。本明細書において、C1-C60アルキレン基は、前記C1-C60アルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0297】
本明細書において、C2-C60アルケニル基は、C2-C60アルキル基の中間または末端に、1以上の炭素・炭素二重結合を含む一価炭化水素基を意味し、その具体例には、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基などが含まれる。本明細書において、C2-C60アルケニレン基は、前記C2-C60アルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0298】
本明細書において、C2-C60アルキニル基は、C2-C60アルキル基の中間または末端に、1以上の炭素・炭素三重結合を含む一価炭化水素基を意味し、その具体例には、エチニル基、プロピニル基などが含まれる。本明細書において、C2-C60アルキニレン基は、前記C2-C60アルキニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0299】
本明細書において、C1-C60アルコキシ基は、-OA101(ここで、A101は、前記C1-C60アルキル基である)の化学式を有する一価基を意味し、その具体例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基などが含まれる。
【0300】
本明細書において、C3-C10シクロアルキル基は、C3-C10一価飽和炭化水素環式基を意味し、その具体例には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基(または、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基)、ビシクロ[1.1.1]ペンチル基、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基などが含まれる。本明細書において、C3-C10シクロアルキレン基は、前記C3-C10シクロアルキル基と同一の構造を有する二価基を意味する。
【0301】
本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルキル基は、炭素原子以外に、少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子としてさらに含むC1-C10一価環式基を意味し、その具体例には、1,2,3,4-オキサトリアゾリジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフェニル基などが含まれる。本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルキレン基は、前記C1-C10ヘテロシクロアルキル基と同一の構造を有する二価基を意味する。
【0302】
本明細書において、C3-C10シクロアルケニル基は、C3-C10一価環式基であり、環内に、少なくとも1つの炭素・炭素二重結合を有するが、芳香族性(aromaticity)を有さない基を意味し、その具体例には、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基などが含まれる。本明細書において、C3-C10シクロアルケニレン基は、前記C3-C10シクロアルケニル基と同一の構造を有する二価基を意味する。
【0303】
本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基は、炭素原子以外に、少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子としてさらに含むC1-C10一価環式基であり、環内に、少なくとも1つの二重結合を有する。前記C1-C10ヘテロシクロアルケニル基の具体例には、4,5-ジヒドロ-1,2,3,4-オキサトリアゾリル基、2,3-ジヒドロフラニル基、2,3-ジヒドロチオフェニル基などが含まれる。本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルケニレン基は、前記C1-C10ヘテロシクロアルケニル基と同一の構造を有する二価基を意味する。
【0304】
本明細書において、C6-C60アリール基は、C6-C60炭素環芳香族系を有する一価基を意味し、C6-C60アリーレン基は、C6-C60炭素環芳香族系を有する二価基を意味する。前記C6-C60アリール基の具体例には、フェニル基、ペンタレニル基、ナフチル基、アズレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘプタレニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基などが含まれる。前記C6-C60アリール基及びC6-C60アリーレン基が2以上の環を含む場合、前記2つ以上の環は、互いに縮合されうる。
【0305】
本明細書において、C1-C60ヘテロアリール基は、炭素原子以外に、少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子としてさらに含み、C1-C60ヘテロ環芳香族系を有する一価基を意味し、C1-C60ヘテロアリーレン基は、炭素原子以外に、少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子としてさらに含み、C1-C60ヘテロ環芳香族系を有する二価基を意味する。前記C1-C60ヘテロアリール基の具体例には、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、ベンゾキノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾイソキノリニル基、キノキサリニル基、ベンゾキノキサリニル基、キナゾリニル基、ベンゾキナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントロリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基などが含まれる。前記C1-C60ヘテロアリール基及びC1-C60ヘテロアリーレン基が2以上の環を含む場合、2つ以上の環は、互いに縮合されうる。
【0306】
本明細書において、一価非芳香族縮合多環基は、2つ以上の環が互いに縮合されており、環形成原子として炭素のみを含み、分子全体が非芳香族性(non-aromaticity)を有する一価基(例えば、炭素数8ないし60を有する)を意味する。前記一価非芳香族縮合多環基の具体例には、インデニル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、インデノフェナントレニル基、インデノアントラセニル基などが含まれる。本明細書において、二価非芳香族縮合多環基は、前記一価非芳香族縮合多環基と同一の構造を有する二価基を意味する。
【0307】
本明細書において、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基は、2つ以上の環が互いに縮合されており、環形成原子として炭素原子以外に、少なくとも1つのヘテロ原子をさらに含み、分子全体が非芳香族性を有する一価基(例えば、炭素数1ないし60を有する)を意味する。前記一価非芳香族ヘテロ縮合多環基の具体例には、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、インドリル基、ベンゾインドリル基、ナフトインドリル基、イソインドリル基、ベンゾイソインドリル基、ナフトイソインドリル基、ベンゾシロリル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、アザカルバゾリル基、アザフルオレニル基、アザジベンゾシロリル基、アザジベンゾチオフェニル基、アザジベンゾフラニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾピラゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、イミダゾトリアジニル基、イミダゾピラジニル基、イミダゾピリダジニル基、インデノカルバゾリル基、インドロカルバゾリル基、ベンゾフロカルバゾリル基、ベンゾチエノカルバゾリル基、ベンゾシロロカルバゾリル基、ベンゾインドロカルバゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、ベンゾナフトフラニル基、ベンゾナフトチオフェニル基、ベンゾナフトシロリル基、ベンゾフロジベンゾフラニル基、ベンゾフロジベンゾチオフェニル基、ベンゾチエノジベンゾチオフェニル基などが含まれる。本明細書において、二価非芳香族ヘテロ縮合多環基は、前記一価非芳香族ヘテロ縮合多環基と同一の構造を有する二価基を意味する。
【0308】
本明細書において、C6-C60アリールオキシ基は、-OA102(ここで、A102は、前記C6-C60アリール基である)を示し、前記C6-C60アリールチオ基は、-SA103(ここで、A103は、前記C6-C60アリール基である)を示す。
【0309】
本明細書において、C7-C60アリールアルキル基は、-A104A105(ここで、A104は、C1-C54アルキレン基であり、A105は、C6-C59アリール基である)を示し、本明細書において、C2-C60ヘテロアリールアルキル基は、-A106A107(ここで、A106は、C1-C59アルキレン基であり、A107は、C1-C59ヘテロアリール基である)を示す。
【0310】
本明細書において、「R10a」は、
重水素(-D)、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基またはニトロ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C3-C60炭素環基、C1-C60ヘテロ環基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C7-C60アリールアルキル基、C2-C60ヘテロアリールアルキル基、-Si(Q11)(Q12)(Q13)、-N(Q11)(Q12)、-B(Q11)(Q12)、-C(=O)(Q11)、-S(=O)2(Q11)、-P(=O)(Q11)(Q12)、またはそれら任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、またはC1-C60アルコキシ基;
【0311】
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C60炭素環基、C1-C60ヘテロ環基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C7-C60アリールアルキル基、C2-C60ヘテロアリールアルキル基、-Si(Q21)(Q22)(Q23)、-N(Q21)(Q22)、-B(Q21)(Q22)、-C(=O)(Q21)、-S(=O)2(Q21)、-P(=O)(Q21)(Q22)、またはそれら任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C3-C60炭素環基、C1-C60ヘテロ環基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C7-C60アリールアルキル基、またはC2-C60ヘテロアリールアルキル基;あるいは
-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)または-P(=O)(Q31)(Q32);でありうる。
【0312】
本明細書において、Q1ないしQ3、Q11ないしQ13、Q21ないしQ23、及びQ31ないしQ33は、互いに独立して、水素;重水素;-F;-Cl;-Br;-I;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;C1-C60アルキル基;C2-C60アルケニル基;C2-C60アルキニル基;C1-C60アルコキシ基;あるいは、重水素、-F、シアノ基、C1-C60アルキル基、C1-C60アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、またはそれら任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C3-C60炭素環基、C1-C60ヘテロ環基;C7-C60アリールアルキル基;または、C2-C60ヘテロアリールアルキル基;でありうる。
【0313】
本明細書において、ヘテロ原子は、炭素原子を除いた任意の原子を意味する。前記ヘテロ原子の例は、O、S、N、P、Si、B、Ge、Se、またはそれら任意の組み合わせを含む。
【0314】
本明細書において、第三列遷移金属(third-row transition metal)は、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)及び金(Au)などを含む。
【0315】
本明細書において、「Ph」は、フェニル基を意味し、「Me」は、メチル基を意味し、「Et」は、エチル基を意味し、「ter-Bu」または「But」は、tert-ブチル基を意味し、「OMe」は、メトキシ基を意味する。
【0316】
本明細書において、「ビフェニル基」は、「フェニル基で置換されたフェニル基」を意味する。前記「ビフェニル基」は、置換基が「C6-C60アリール基」である「置換されたフェニル基」の範囲内に属する。
【0317】
本明細書において、「ターフェニル基」は、「ビフェニル基で置換されたフェニル基」を意味する。前記「ターフェニル基」は、置換基が「C6-C60アリール基で置換されたC6-C60アリール基」である「置換されたフェニル基」の範囲内に属する。
【0318】
本明細書において、*及び*’は、他の定義がない限り、当該化学式またはモイエティ(moiety)において、隣接原子との結合サイトを意味する。
【0319】
以下において、合成例及び実施例を挙げ、本発明の一具現例による化合物及び発光素子について、より具体的に説明する。下記合成例において、「Aの代わりにBを使用した」という表現において、Aのモル当量とBのモル当量は、互いに同一である。
【0320】
[実施例]
<発光素子の製作>
[実施例1]
ITO 300Å/Ag 50Å/ITO 300Å(アノード)を上面に予め形成しておいたガラス基板を、50mm×50mm×0.7mmのサイズにカットし、イソプロピルアルコールと純水とを順次に利用してそれぞれ15分間超音波洗浄した後、30分間紫外線を照射し、オゾンに露出させて洗浄してから、真空蒸着装置に前記ガラス基板を設置した。
【0321】
前記基板の上に、正孔注入層としてHATCN(1,4,5,8,9,11-ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリル)を、50Åの厚みに真空蒸着した。次いで、正孔輸送性化合物としてNPB(N,N′-Di(1-ナフチル)-N,N′-ジフェニル-(1,1′-ビフェニル)-4,4′-ジアミン)を600Åの厚みに真空蒸着することで、正孔輸送層を形成した。次いで、前記正孔輸送層の上に下記compound 1を50Åの厚みに真空蒸着し、電子阻止層を形成した。compound 1(9-フェニル-9H,9'H-3,3'-ビカルバゾール)は、2つのNフェニルカルバゾールが3位同士で結合された形のビスカルバゾールである。
【0322】
前記電子阻止層上に、第1ホストとしてのBlue Host_1と、ドーパントとしてのBlue Dopantとを重量比99:1で同時に蒸着することで、100Å厚の第1発光層を形成し、前記第1発光層上に、第2ホストとしてのBlue Host_2と、ドーパントとしてのBlue Dopantとを重量比99:1で同時に蒸着することで、100Å厚の第2発光層を形成した。
【0323】
次いで、T2Tを50Åの厚みに蒸着し、正孔阻止層を形成した後、TPM-TAZとLiqとを重量比5:5で蒸着することで、200Å厚の電子輸送層を形成した。
【0324】
次いで、BCPとLiとを99:1の重量比で共蒸着することで、50Å厚のn型電荷生成層を形成してから、前記n型電荷生成層上にHAT-CNを50Åの厚みに蒸着することで、p型電荷生成層を形成した。
【0325】
前記p型電荷生成層上にNPBを600Åの厚みに蒸着し、正孔輸送層を形成し、前記正孔輸送層の上部にcompound 1を50Åの厚みに真空蒸着し、電子阻止層を形成した。
【0326】
前記電子阻止層上に、第1ホストとしてのBlue Host_1と、ドーパントとしてのBlue Dopantとを重量比99:1で同時に蒸着することで、100Å厚の第1発光層を形成し、また、前記第1発光層上に、第2ホストとしてのBlue Host_2と、ドーパントとしてのBlue Dopantとを重量比99:1で同時に蒸着することで、100Å厚の第2発光層を形成した。
【0327】
次いで、T2Tを50Åの厚みに蒸着し、正孔阻止層を形成した後、TPM-TAZとLiqとを重量比5:5で蒸着することで、300Å厚の電子輸送層を形成した。
【0328】
次いで、BCPとLiとを99:1の重量比で共蒸着することで、50Å厚のn型電荷生成層を形成し、また、前記n型電荷生成層上にHAT-CNを50Åの厚みに蒸着することで、p型電荷生成層を形成した。
【0329】
前記p型電荷生成層上にNPBを600Åの厚みに蒸着することで、正孔輸送層を形成し、また、前記正孔輸送層の上にcompound 1を50Åの厚みに真空蒸着することで、電子阻止層を形成した。
【0330】
前記電子阻止層上に、第1ホストとしてのBlue Host_1とドーパントとしてのBlue Dopantとを重量比99:1で同時蒸着することで、100Å厚の第1発光層を形成し、また、前記第1発光層上に、第2ホストとしてのBlue Host_2とドーパントとしてのBlue Dopantとを重量比99:1で同時に蒸着することで、100Å厚の第2発光層を形成した。
【0331】
次いで、T2Tを50Åの厚みに蒸着し、正孔阻止層を形成した後、TPM-TAZとLiqとを重量比5:5で蒸着することで、300Å厚の電子輸送層を形成した。
【0332】
次いで、Ybを10Åの厚みに蒸着した後、AgとMgとを9:1の重量比で100Åの厚みに共蒸着することで、カソードを形成し、また、CPLを蒸着することで、600Å厚のキャッピング層を形成させて、タンデム型発光素子を製作した。
【0333】
【0334】
【0335】
[比較例1]
compound 1の代わりにTCTA(4,4’,4”-トリス(N-カルバゾリル)トリフェニルアミン)を使用した点を除いては、実施例1と同一の方法で発光素子を製作した。
【0336】
[実施例2]
ITO 300Å/Ag 50Å/ITO 300Å(アノード)を上面に予め形成しておいたガラス基板を、50mm×50mm×0.7mmのサイズにカットし、イソプロピルアルコールと純水とを順次に利用してそれぞれ15分間超音波洗浄した後、30分間紫外線を照射し、オゾンに露出させて洗浄してから、真空蒸着装置に前記ガラス基板を設置した。
【0337】
前記基板の上に、正孔注入層としてHATCNを50Åの厚みに真空蒸着した。次いで、正孔輸送性化合物としてNPBを600Åの厚みに真空蒸着することで、正孔輸送層を形成した。次いで、前記正孔輸送層の上にTCTAを50Åの厚みに真空蒸着することで、電子阻止層を形成した。
【0338】
前記電子阻止層上に、第1ホストとしてのBlue Host_1と、ドーパントとしてのBlue Dopantとを重量比99:1で同時に蒸着することで、100Å厚の第1発光層を形成し、また、前記第1発光層上に、第2ホストとしてのBlue Host_2と、ドーパントとしてのBlue Dopantとを重量比99:1で同時に蒸着することで、100Å厚の第2発光層を形成した。
【0339】
次いで、T2Tを50Åの厚みに蒸着し、正孔阻止層を形成した後、TPM-TAZとLiqとを重量比5:5で蒸着することで、200Å厚の電子輸送層を形成した。
【0340】
次いで、BCPとLiとを99:1の重量比で共蒸着し、50Å厚のn型電荷生成層を形成し、前記n型電荷生成層上にHAT-CNを50Åの厚みに蒸着することで、p型電荷生成層を形成した。
【0341】
前記p型電荷生成層上にNPBを600Åの厚みに蒸着し、正孔輸送層を形成し、前記正孔輸送層の上にTCTA(4,4’,4”-トリス(N-カルバゾリル)トリフェニルアミン)を50Åの厚みに真空蒸着することで、電子阻止層を形成した。
【0342】
前記電子阻止層上に、第1ホストとしてのBlue Host_1と、ドーパントとしてのBlue Dopantとを重量比99:1で同時に蒸着することで、100Å厚の第1発光層を形成し、また、前記第1発光層上に、第2ホストとしてのBlue Host_2と、ドーパントとしてのBlue Dopantとを重量比99:1で同時に蒸着することで、100Å厚の第2発光層を形成した。
【0343】
次いで、T2Tを50Åの厚みに蒸着することで、正孔阻止層を形成した後、TPM-TAZとLiqとを重量比5:5で蒸着することで、300Å厚の電子輸送層を形成した。
【0344】
次いで、BCP及びLiを99:1の重量比で共蒸着することで、50Å厚のn型電荷生成層を形成し、前記n型電荷生成層上にHAT-CNを50Åの厚みに蒸着することで、p型電荷生成層を形成した。
【0345】
前記p型電荷生成層上にNPBを600Åの厚みに蒸着することで、正孔輸送層を形成し、前記正孔輸送層の上部にcompound 1を50Åの厚みに真空蒸着することで、電子阻止層を形成した。
【0346】
前記電子阻止層上に、第1ホストとしてのBlue Host_1と、ドーパントとしてのBlue Dopantとを重量比99:1で同時に蒸着することで、100Å厚の第1発光層を形成し、また、前記第1発光層上に、第2ホストとしてのBlue Host_2と、ドーパントとしてのBlue Dopantとを重量比99:1で同時に蒸着することで、100Å厚の第2発光層を形成した。
【0347】
次いで、T2Tを50Åの厚みに蒸着することで、正孔阻止層を形成した後、TPM-TAZとLiqとを重量比5:5で蒸着することで、300Å厚の電子輸送層を形成した。
【0348】
次いで、BCP及びLiを99:1の重量比で共蒸着することで、50Å厚のn型電荷生成層を形成し、また、前記n型電荷生成層上にHAT-CNを50Åの厚みに蒸着することで、p型電荷生成層を形成した。
【0349】
前記p型電荷生成層上にNPBを600Åの厚みに蒸着することで、正孔輸送層を形成した。
【0350】
前記電子阻止層上に、Green Host_1及びGreen Host_2を含むホスト(重量比1:1)と、Green Dopantを含むドーパントとを重量比99:1で同時に蒸着することで、200Å厚の発光層を形成した。
【0351】
次いで、TPM-TAZ及びLiqを重量比5:5で蒸着することで、300Å厚の電子輸送層を形成した。
【0352】
次いで、Ybを10Åの厚みに蒸着した後、Ag及びMgを9:1の重量比で100Åの厚みに共蒸着することで、カソードを形成し、また、CPLを蒸着することで、700Å厚のキャッピング層を形成して、タンデム型発光素子を製作した。
【0353】
【0354】
【0355】
[比較例2]
compound 1の代わりにTCTAを使用した点を除いては、実施例2と同一の方法で発光素子を製作した。
【0356】
[評価例1]
前記の実施例1~2及び比較例1~2で製作された発光素子の1000cd/m2での駆動電圧、発光効率(Cd/A)、寿命(T97)及び輝度について、Keithley SMU(Source-Measure Unit) 236、輝度計(candela meter)PR650、及びTransient EL(electroluminescence)を利用して測定し、その結果を表1にそれぞれ示した。実施例1の結果は、比較例1を基準とし、実施例2の結果は、比較例2を基準として、それぞれ相対的な値を測定した。ここで、寿命(T97)は、輝度が初期輝度の97%に達するまでの時間(hr)の尺度である
【0357】
[評価例2]:正孔移動度
HAT-CN(5nm)、正孔移動度を測定する化合物(Compound 1またはTCTA)(50nm)、HAT-CN(5nm)、Ag(5nm)、AgMg(100nm)をITO電極(80nm)上に、この順に、かっこ内に記載の厚みとなるように積層することで、ITO(80nm)構造のHOD(Hole Only Device)を作製した。compound 1(化合物 1)とTCTAの正孔移動度は、Gurney-Mott理論を上記HODに適用することによって評価された。
【0358】
【0359】
前記表1から、実施例1及び2の発光素子は、比較例1及び2の発光素子に比べて、駆動電圧が減少することを確認することができた。
【0360】
好ましい一実施形態によると、下記のとおりである。
【0361】
本件の背景及び課題は下記(i)~(v)のとおりである。
(i) 有機発光素子は、精細性、応答性及び色再現性が高く、低電力駆動が可能であり、フレキシブルディスプレイも実現できることから、パネルディスプレイに広く用いられている。
【0362】
(ii) 近年、特には、スマートフォンなどのモバイル機器において、1回の充電で使用可能な時間を長くすることが求められており、一層の低電力化が求められている。
【0363】
(iii) このため、一般に、有機発光層と、これを挟む電極との間には、正孔輸送層や電子輸送層などの多数の層が配置される。特に、有機発光層とアノード電極との間に配置される正孔輸送層には、逆方向への電子の移動を防止するための電子阻止層を配置することが行われている。
【0364】
(iv) 特許文献1には、電子阻止層などの材料として、アリール基またはヘテロアリール基をコアとして、これに、2つのカルバゾール基が9位(N位)で結合した化合物と、フラーレンをコアとして、これに、ジベンゾフラン基が9位(N位)で結合した化合物などとを混合して用いることなどにつき提案されている。
【0365】
(v) 一方、特許文献2~3には、有機発光素子の各層を構成する材料として、アリール基などをコアとして、2つのカルバゾール基が結合した化合物を用いることにつき、一般的な開示がなされている。
【0366】
本件発明者らは、鋭意検討する中で、青色発光素子に用いる正孔輸送層について、特にこの中の電子阻止層について改善の余地があることを見出した。
【0367】
そして、多種の化合物種についての実験やシミュレーションを繰り返す中で、下記A1またはA2の化合物種が好ましいことを見出した。これらを電子阻止層に用いると、正孔輸送層中での正孔移動度を向上させることができるため、発光素子(特には青色発光素子)の駆動電圧を低減することができる。
また、この場合、好ましくは、下記A3~A4とすることができる。
【0368】
A1 2つのカルバゾール基が、それらのベンゼン環部分で(すなわち2~4位にて)、直接に(単結合で)結合されるとともに、各カルバゾール基の9位(N位)が、アリール基またはヘテロアリール基で置換された形のビカルバゾール化合物(9,9’-(hetero)aryl bicarbazole)を用いる。
【0369】
A2 具体的には、本願記化合物1-1~1-15(請求項10)から選択して用いることができる。
【0370】
A3 正孔輸送層中の少なくとも一層の電子阻止層は、青色発光層に直接に接触する。
【0371】
A4 一例にて、発光層には、本願実施例で用いたBlue Host_1やBlue Host_2など、または、これに類似の化合物種を用いることができる。
【符号の説明】
【0372】
10 発光素子
110 第1電極
130 中間層
150 第2電極