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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102291
(43)【公開日】2023-07-24
(54)【発明の名称】光線療法用照明エンジン
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/06 20060101AFI20230714BHJP
【FI】
A61N5/06 B
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023030177
(22)【出願日】2023-02-28
(62)【分割の表示】P 2021055671の分割
【原出願日】2016-03-30
(31)【優先権主張番号】62/146,124
(32)【優先日】2015-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517316638
【氏名又は名称】ゼリゴ ヘルス,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガメリン,アンドレ エス.
(72)【発明者】
【氏名】グロス,マーティン シー.
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,ジャック
(72)【発明者】
【氏名】マクニッシュ,ウィリアム ジャック ザ・サード
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082PA03
4C082PC01
4C082PE10
4C082PG05
4C082PG11
4C082PG14
4C082PG15
4C082PJ30
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本明細書には、光線療法を被験体に送達するための装置、システム、および方法が記載される。
【解決手段】光線療法用照明エンジン100は、他のコンポーネントと組み合わせられて、光線療法処置を被験体に提供する光線療法システムを形成する。光線療法システムは、リモートコンピューティング装置と通信するように構成される照明エンジンを含む携帯用システムとして実施され得る。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光線療法用照明エンジンであって、
a.第1および第2の表面を有する熱伝導性コア基板;
b.光線療法用の成分である波長を含む光を放射するための複数の発光ダイオード(LED)であって、複数のLEDから熱を吸収するための熱伝導性コア基板の第1の表面に連結するように構成される、複数の発光ダイオード(LED);
c.放射された光を反射させるための複数のLEDに機能的に連結された複数の光反射板であって、それによって、被験体への光線療法の処置のために光を皮膚表面の方へと向ける、複数の光反射板;
d.熱伝導性コア基板の第1の表面の少なくとも一部を覆うように位置付けられた窓;
e.熱伝導性コア基板の第1の表面に連結されたカラーであって、皮膚表面に係合するように及び皮膚表面および周囲の領域から放射された光の漏れを制限するように適合された、カラー;および
f.熱伝導性コア基板の第2の表面に連結されたヒートシンクであって、熱伝導性コア基板から離れて熱を伝導するように構成且つ適合された、ヒートシンクを含む、光線療法用照明エンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<相互参照>
本出願は、2015年4月10日に出願された、米国仮特許出願第62/146,124の利益を主張するものであり、これはその全体が引用により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
光線療法は、被験体の病変、疾患、または疾病を処置するための、自然の太陽光または人工光源によって発生された光のいずれかへの被験体の暴露である。光の特定の波長またはある範囲の波長は、特定の病変、疾患または疾病に最適な治療を提供することが分かった。UVB範囲は、特に治療域の波長の例である。
【0003】
発光ダイオードは、光線療法による使用に適した波長領域で光を発生させるために使用され得る光源である。発光ダイオードは、起動されたときに発光する、2リードの(two-lead)半導体光源を含む。適切な電圧が発光ダイオードのリードに加えられるときに、エネルギーは光子の形態で放出される。現代の発光ダイオードは、UVB範囲の波長を含む紫外線領域の波長を含む、様々な波長の光子を放出するように構成され得る。
【0004】
光線療法は現在、皮膚病、睡眠障害、および精神疾患を含む、一連の障害および疾患を処置するために使用されている。
【発明の概要】
【0005】
本明細書には、被験体に対する光線療法のための、光を送る装置、システム、および方法が記載される。本明細書に記載される装置、システム、および方法は、とりわけ、光線療法のそれらの送達モード、処置部位に投与された光の均一性、達成可能な光出力のパワー、および比較的低い生産費の点から、光線療法の送達に適している。
【0006】
本明細書に記載される送達モードは、本明細書に記載される装置、システム、および方法が携帯端末で実施され得るという点で適している。従来の光線療法を提供する装置は、大きく、扱いにくく、それ故、携帯用の使用に適していない。携帯用の使用は、例えば、被験体にとっての使用の容易さの点から好適なモードであるために利点があり、さらに、例えば、被験体が処置を必要とする領域に治療を向けられるために更なる利点がある。携帯用の使用は、少なくとも部分的に、光線療法を提供する際の発光ダイオードの使用の適合性が要因で達成可能である。発光ダイオードは、典型的に1平方ミリメートル未満である、非常に小さなダイサイズを有している。個別包装された発光ダイオードも小さく、典型的に15平方ミリメートル未満であるサイズを有している。発光ダイオードはまた、低圧の電子機器で駆動され得るという利点を有し、それによって、パワーエレクトロニクス機器のサイズを縮小し、装置をバッテリー駆動の電源で容易に駆動することができるという利点を有している。発光ダイオードの小さなサイズによって、直径またはサイズが比較的小さいアレイにおける発光ダイオードの使用が可能となり、他の比較的小さなコンポーネントと組み合わせて、携帯用の使用に適した特有の光線療法装置を形成することができる。
【0007】
達成可能な光出力のパワーはまた、本明細書に記載される装置、システム、および方法に適している。光出力の改善は、例えば、処置時間を短縮させて、それ故、治療コンプライアンスを増大させることが期待されるために利点があり、また、例えば、よりコスト効率の良い処置を提供し得るために利点がある。パワー出力の改善は、少なくとも部分的に、複数の反射板および反射板タイプの使用と組み合わせた熱制御の使用が要因で達成される。発光ダイオードの温度が増加するにつれ発光ダイオードの出力が劇的に低下することは一般的である。幾つかの場合では、この出力は、自己発熱だけからの達成可能なパワーの50%未満に低下し得る。さらに、温度上昇の制御によって、本明細書に記載される装置は、より高い動作温度に関連する効率損失を受けることなく、より高いパワーレベルで発光ダイオードを駆動させることが可能になり得る。加えて、反射板の利用によって、本明細書に記載される装置は、効率が改善された状態で放射された光を標的領域に向けることが可能になり得る。発光ダイオードは、典型的にすべての方向に光を出力し、幾つかの場合では、放射された光が50%を超えて反射板の使用なしで周囲の材料への吸収から失われ得る。
【0008】
本明細書に記載されるシステムおよび装置はまた、生産費の点からも適している。高コストは、一般に光線療法の市場の参入に対する障壁となっている。より低い生産費は、例えば、装置を利用可能なコストで家庭での使用のために提供できるために利点がある。コストの縮小は、少なくとも部分的に、熱制御および反射板の使用からの効率向上が、光線療法に必要な光放射のためのLEDの数の減少を可能にするために達成可能である。
【0009】
具体的には、本明細書には、光線療法用照明エンジン装置が記載され、該光線療法用照明エンジン装置は、第1および第2の表面を有する熱伝導性コア基板、熱伝導性金属コア基板の第1の表面と連結するように構成された複数の発光ダイオード、熱伝導性金属コア基板の第1の表面と連結された複数の光反射板、熱伝導性コア基板の第1の表面と連結されたカラー、カラーに連結された及び熱伝導性コア基板の少なくとも一部を覆うように位置付けられた窓、および熱伝導性金属コア基板の第2の表面に連結されたヒートシンクを含む。
【0010】
本明細書にはまた、光線療法システムが記載され、該光線療法システムは、熱伝導性コア基板および熱伝導性コア基板に連結するように構成された複数の発光ダイオードを含む照明エンジン、複数の発光ダイオードを駆動させるように構成された1つ以上の電流ドライバー、電流ドライバーに連結されたマイクロプロセッサであって、電流ドライバーの電流出力を制御する、マイクロプロセッサ、マイクロプロセッサに連結されたユーザーインターフェースであって、ユーザーに複数の発光ダイオードの制御を提供するように構成された、ユーザーインターフェース、およびマイクロプロセッサに連結された無線受信器を含む。
【0011】
本明細書にはまた、光線療法装置を熱的に調整する方法が記載され、該方法は、光線療法システムを被験体に提供する工程であって、該光線療法システムが、複数の発光ダイオードに連結された熱伝導性コア基板、熱伝導性コア基板に熱的または物理的に連結されるサーミスタ、および検索可能なデータ記憶メモリに連結される又はそれを含むマイクロプロセッサを含む工程、およびサーミスタを用いて光線療法システムの操作中に温度データを記録する工程を含む。該方法はまた、マイクロプロセッサを用いて、温度データに基づき、複数の発光ダイオードからの光放射の持続時間および複数の発光ダイオードに供給された動力量の少なくとも1つを調節する工程、および検索可能なデータ記憶メモリを使用して温度データを記憶する工程を含む。
【0012】
<引用による組み込み>
本明細書で言及されるすべての公報、特許、および特許出願は、個々の公報、特許、特許出願が引用によって組み込まれるように具体的且つ個別に示される程度まで、引用によって本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本明細書に記載される装置、システム、および方法の新しい特徴は、添付の請求項において詳細に明記される。本明細書に記載される装置、システム、および方法の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される実施形態を明記する以下の詳細な説明と、添付図面とを引用することによって得られるであろう。
【0014】
図1A図1Aは、本明細書に記載される光線療法システムの一実施形態の正面斜視図を示す。
図1B図1Bは、本明細書に記載される光線療法システムの一実施形態の平面傾斜図を示す。
図2図2は、本明細書に記載される照明エンジンの一実施形態の平面傾斜図を示す。
図3図3は、照明エンジンの一実施形態の正面断面図を示す。
図4図4は、本明細書に記載される照明エンジンの一実施形態の分解図を示す。
図5図5は、本明細書に記載される熱伝導性コア基板の平面概略図である。
図6図6は、照明エンジン装置と組み合わさって本明細書に記載される光線療法システムを形成するコンポーネントの概略図である。
図7図7は、本明細書に記載される実施形態に従って装置およびシステムを使用する方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書には、光線療法を被験体に提供するための装置、システムおよび方法が記載される。本明細書に開示される発明概念の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、発明概念が、それらの適用において、以下の説明で明記される又は図面で例証されるコンポーネントの構造、実験、例示的データ、及び/又は配置の詳細に限定されないことが理解されるべきである。本明細書に開示された及び請求された発明概念は、他の実施形態が可能であるか、あるいは様々な方法で実施または実行することが可能である。また、本明細書で利用される語法および用語が、説明目的のみであり、いかなる方法であっても限定するように見なされるべきでないことが理解されるべきである。
【0016】
記載された主題の実施形態の以下の詳細な説明では、発明概念についてのより徹底的な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が明記される。しかしながら、本開示内の発明概念が、これらの具体的な詳細なしで実施され得ることは当業者に明白だろう。他の例では、本開示を不必要に複雑にすることを回避するために、周知の特徴は詳細に記載されていない。
【0017】
さらに、他に明確に言及されていない限り、「または(or)」は、包含的論理和および排他的論理和を指す。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aは真であり(または存在し)Bは偽である(または存在しない)、Aは偽であり(または存在せず)Bは真である(または存在する)、およびAとBの両方は真である(または存在する)。
【0018】
さらに、「a」または「an」の使用は、本明細書の実施形態の要素およびコンポーネントについて記載するために利用される。これは単に便宜上行われ、発明概念の一般的な意味を与える。この説明は、1つ又は少なくとも1つを含むように読み取られるべきであり、単数形はまた、他の意味が明確でない限り、複数形も含む。
【0019】
本明細書で使用される用語「被験体」は、ヒト被験体または任意の動物被験体を指し得る。
【0020】
最後に、本明細書で使用されるように、「一実施形態(one embodiment)」または「一実施形態(an embodiment)」への参照は、実施形態に関して記載される特定の要素、特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。明細書中の様々な箇所における句「一実施形態では(in one embodiment)」の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているとは限らない。
【0021】
本明細書には、光線療法を被験体に提供するための装置、システムおよび方法が記載される。一実施形態では、光線療法装置は照明エンジンを含む。照明エンジンは、光線療法を被験体に送達するように構成された1つ以上の発光ダイオードを含む。
【0022】
一実施形態では、照明エンジンは、熱伝導性コア基板に連結された1つ以上の発光ダイオードを含む。熱伝導性コア基板は、金属または非金属の材料を含み得る。一実施形態では、熱伝導性コア基板はアルミニウムを含む。熱伝導性金属コア基板としての使用に適した金属の他の限定しない例は、銅、金、鉄、鉛、ニッケル、銀。およびチタンの他に、これらの金属の互いの合金、および他の金属を含む。一実施形態では、熱伝導性材料はセラミックを含む。一実施形態では、熱伝導性コア基板は厚さがおよそ1mmである。一実施形態では、熱伝導性コア基板の厚さは、0.5mmから5mmの範囲である。一実施形態では、熱伝導性コア基板の厚さは、0.5mmから10mmの範囲である。一実施形態では、熱伝導性コア基板の熱伝導率は、1W/mKから5W/mKの範囲である。
【0023】
一実施形態において、1以上の発光ダイオードが、熱伝導性コア基板と連結されている。複数の発光ダイオードは、例えば少なくとも1つのベアダイの発光ダイオードを含んでもよい。複数の発光ダイオードは全体的に、例えば、非ベアダイの発光ダイオードを含んでもよい。複数の発光ダイオードは全体的に、例えばベアダイの発光ダイオードを含んでもよい。ベアダイの発光ダイオードは、発光ダイオードと共に典型的に使用される付加的な包装が無い発光ダイオードを含む。ベアダイの発光ダイオードの典型的な利益は、非ベアダイの発光ダイオードと比較すると、LED接合部への熱伝導を阻害する材料が存在しないことである。ベアダイの発光ダイオードの他の典型的な利益は、非ベアダイの発光ダイオードと比較すると、典型的な発光ダイオードの包装に関連して、エネルギー効率が改善されること、及び熱限界が存在しないことである。ベアダイの発光ダイオードの別の典型的な利益は、非ベアダイの発光ダイオードと比較すると、LEDの光出力を低減又は抑制する材料が存在しないことである。一実施形態において、複数の発光ダイオードは、熱伝導性コア基板の表面上のアレイに配置される。一実施形態において、複数の光透過性カバーが、前記発光ダイオードと空気との間の内部屈折からの光損失を減少させるために、空隙を生じさせることなく前記発光ダイオードに直接接触した状態で位置付けられる。一実施形態において、光透過性カバーは、シリコーン、又はシリコーンをベースとする製剤で構成される。
【0024】
一実施形態において、1以上の発光ダイオードが、熱伝導性コア基板に直接連結されている。発光ダイオードは、例えば熱伝導性コア基板に発光ダイオードを直接接合させることにより、熱伝導性コア基板に直接連結されていてもよい。他の実施形態において、発光ダイオードは、伝導性エポキシにより取り付けられるか、又は焼結過程の使用により融合される。
【0025】
一実施形態において、1以上の発光ダイオードが、熱伝導性コア基板に順番に連結される導体パッドに連結されている。一実施形態において、導体パッドは、熱伝導性コア基板から導体パッドを電気的に絶縁させるために、薄い誘電体層により熱伝導性コア基板から分離されている。
【0026】
一実施形態において、導体パッドは、発光ダイオードの領域よりも実質的に広い及び/又は大きな領域を有している。大きな導体パッド領域の典型的な利益は、熱が導体パッドから誘電体媒質を通り、熱伝導性コア基板へと移動するための、より大きな領域を提供することである。この実施形態において、発光ダイオードにより生成された熱は、発光ダイオードから熱伝導性コア基板へと直接移動するのではなく、導体パッドの表面を介して分散する。
【0027】
一実施形態において、導体パッドは熱伝導性金属を含む。熱伝導性金属としての使用に適した金属の限定されない例は、銅、スズ、金、鉄、鉛、ニッケル、銀、及びチタン、同様に、これら金属を互いに合わせた合金や、他の金属を含む。
【0028】
一実施形態において、導体パッドの領域は、約6平方ミリメートル、又は、発光ダイオード上の接触領域の約50倍である。一実施形態において、導体パッドの領域は約10平方ミリメートルである。一実施形態において、導体パッドの領域は約9平方ミリメートルである。一実施形態において、導体パッドの領域は約8平方ミリメートルである。一実施形態において、導体パッドの領域は約7平方ミリメートルである。一実施形態において、導体パッドの領域は約5平方ミリメートルである。一実施形態において、導体パッドの領域は約4平方ミリメートルである。一実施形態において、導体パッドの領域は約3平方ミリメートルである。一実施形態において、導体パッドの領域は約2平方ミリメートルである。一実施形態において、導体パッドの領域は約1平方ミリメートルである。
【0029】
一実施形態において、複数の発光ダイオードが、複数のストリングに配置される。発光ダイオードの各ストリングは、例えば別々に駆動されてもよく、或いは、例えば各ストリングにおける電流は整合されてもよい。一実施形態において、各ストリングの駆動電流は、照明エンジンの出力時に光学的均一性を改善するために独立して調節される。
【0030】
一実施形態において、1以上の発光ダイオードは、処置される光線療法標的領域に対して引っ込められるように位置付けられる。引っ込められた発光ダイオードは、例えば標的とされた皮膚表面に送達される前に、引っ込められた空間内で共に混ざる光を生成する。別の実施形態において、発光ダイオードは、標的とされた表面上で均一な強度の光を生成するために、互いに対して実質的に等距離で配置される。別の実施形態において、標的とされた表面上で均一な強度の光を生成する方式で、反射板が位置付けられ且つ角度を付けられる。
【0031】
一実施形態において、照明エンジンは更に1以上の反射板を含む。1以上の反射板は、例えばアルミニウムなどの反射する金属を含んでもよい。1以上の反射板は、反射コーティングで覆われた材料を含んでもよい。反射板は例えば、表面上に堆積されたアルミニウム膜を備えたポリマーを含んでもよい。
【0032】
一実施形態において、1以上の円錐形の反射板は、1以上の発光ダイオードとの1対1の関係性を有しており、ここで熱伝導性基板の表面上の各発光ダイオードは、円錐形の反射板の内部に位置付けられる。代替的に又は付加的に、複数の発光ダイオードは、周囲に反射板を備えた領域の内部に位置してもよい。
【0033】
一実施形態において、複数の円錐形の反射板は互いに接続され、卵ケースと同様の形状及び構成を持つ単一ユニットを形成する。
【0034】
一実施形態において、照明エンジンは更にハウジングを含み、該ハウジングには少なくとも1つの開口部又は孔がある。一実施形態において、熱伝導性コア基板はハウジング内に位置しており、発光ダイオードが開口部又は孔に関連して引っ込められるようにハウジング上の開口部又は孔に関連して引っ込められる。ハウジングの内壁は反射板で覆われていてもよい。ハウジングの内壁は反射板を含んでもよい。ハウジングの内壁は反射コーティングを含んでもよい。ハウジングの内面上の反射板は、熱伝導性コア基板に対して垂直に位置していてもよく、又は代替的に反射板は、熱伝導性コア基板に対する角度で位置していてもよい。
【0035】
一実施形態において、照明エンジンは更に、ハウジングの開口部又は孔に位置する窓を含む。一実施形態において、窓は、発光ダイオードの全体のアレイを覆うように位置付けられ、且つ大きさを調節される。窓は例えばアクリルを含んでもよい。窓は例えば溶融シリカを含んでもよい。一実施形態において、窓はUV透過性である。
【0036】
一実施形態において、窓は、特定範囲内の光だけが透過するような光のフィルターを含む。例えば、この実施形態における窓は、UVB波長で光を透過するように構成されていてもよい。例えば、この実施形態における窓は、300-320ナノメートルの範囲での波長を持つ光を透過するように構成されていてもよい。一実施形態において、窓は、所望の波長外の光に対して減衰する(attenuative)。この実施形態において、減衰は、例えば吸収性の光コーティングにより窓をコーティングすることによって達成される場合がある。代替的に、減衰は一連の光学干渉コーティングにより達成されてもよい。代替的に又は付加的に、この実施形態において、窓の材料は、材料に固有の性質をフィルター処理するために選択される場合もある。代替的に又は付加的に、この実施形態において、窓の厚みは、材料の厚みに関連した性質をフィルター処理するために選択される場合もある。
【0037】
一実施形態において、照明エンジンは更に、例えば被験体の皮膚表面上で処置領域を定義するカラーを含む。カラーは、窓が決して被験体と直接接触しないように窓よりも上方に伸長しているが、むしろカラーは、被験体の皮膚表面との接触が有効な処置に望まれる場合に被験体の皮膚表面に接触することができるように構成されている。一実施形態において、カラーは、ハウジングの壁から直接伸長し、ここで窓は、ハウジングの壁が窓を越えて伸長するようにハウジング内に位置付けられる。一実施形態において、カラーはハウジングと同じ材料を含む。一実施形態において、カラーは軟性の生体適合材料(例えばシリコーン)を含む。一実施形態において、カラーは、体輪郭に一致する可撓性材料を含む。一実施形態において、カラーは、発光ダイオードにより放たれた光が送達される領域を定義する。一実施形態において、カラーは、内壁により定義された処置領域と、外壁により定義された認識された処置領域とを区別する重要性を低減するための薄い壁を含む。一実施形態において、カラーは、カラーにより定義される処置領域よりも大きな領域の均一な処置を促進するために、正方形又は長方形として形成され、ここで被験体は、処置される全領域を覆うために長方形又は正方形に形成された処置領域が互いに都合良く位置合わせされるように各領域が処置された後に、装置を移動させることができる。一実施形態において、カラーは反射板と並べられてもよい。カラーは反射板を含んでもよい。カラーは反射コーティングを含んでもよい。一実施形態において、カラーの内面上の反射板は、窓を介して1以上の発光ダイオードにより放たれた均一な列の光を最適に送達する角度で位置付けられる。一実施形態において、カラーは、カラー(及び故に装置)が皮膚と接触している時間を示す、1以上のセンサーを含むか、又は該センサーに連結されている。この実施形態において、皮膚との接触を示すセンサーからの信号は、装置が光線療法を行うことを可能にし、及び、装置がもはや皮膚に接触していないことを示す信号は、装置が光線療法を行うことをできなくする場合もある。一実施形態において、センサーは、カラーを押し下げることにより起動される機械スイッチである。
【0038】
一実施形態において、照明エンジンはヒートシンクを含む。一実施形態において、ヒートシンクは、1以上の発光ダイオードが連結されている熱伝導性コア基板の表面とは反対にある、熱伝導性コア基板の表面上に位置付けられる。ヒートシンクは、伝導を介して環境に対し熱を交換するように構成される。ヒートシンクは例えば、例えばアルミニウムなどの熱伝導性金属などの熱伝導性材料を含んでもよい。ヒートシンクは例えば、熱伝導性プラスチックも含んでもよい。一実施形態において、ヒートシンクは筐体に連結されている。別の実施形態において、ヒートシンクは筐体の一部を形成する。一実施形態において、サーマルコンパウンドが、熱的結合を支援するために熱伝導性金属コア基板とヒートシンクとの間に適用される。一実施形態において、ヒートシンクは、熱伝導性コア基板内に位置付けられ、一般的にヒートパイプとして知られている相変化アセンブリを含んでいる。
【0039】
一実施形態において、ヒートシンクは、熱伝導性コア基板に面している表面とは反対のヒートシンクの表面上に位置するファンに連結されている。
【0040】
本明細書にはまた、1以上の付加的なコンポーネントと連結される照明エンジンを含む、光線療法システムが記載される。1以上の付加的なコンポーネントは、マイクロプロセッサ、回収可能なメモリを含むコンピュータ可読記憶媒体、電流ドライバー、ディスプレイを含むか又はそれに連結されているグラフィックユーザーインターフェース、サーミスタ、送信器、及び受信器を含み得る。
【0041】
電流ドライバーは、発光ダイオードの別個のストリングを個々に駆動するよう構成されるように、複数のチャネルを含んでもよい。ストリングを駆動させるのに、又は調節機構がシステムの出力時に光の放出の均一性を改善するのを可能にするのに必要な電圧を制限するために、発光ダイオードをストリングへと分離させることが望ましいこともある。一実施形態において、電流ドライバーは、複数のチャネルの各々を介して駆動される電流を整合させるように構成される。一実施形態において、電流ドライバーは、発光ダイオードのストリング内の短絡又は開路を検出するように構成される。一実施形態において、各ストリングの駆動電流は、光放出の均一性の最適化を促進するように別々に調節可能である。
【0042】
ユーザーインターフェースはディスプレイを含んでもよい。ユーザーインターフェースは代替的に又は付加的に、ボタン、スイッチ、又はトグルを含んでもよい。一実施形態において、ユーザーは、ユーザーインターフェースを使用して、記憶された処置、又は処置のシーケンスを開始してもよい。処置は例えば、処置部位に意図される光線療法の用量又は期間を含む場合もある。一実施形態において、ディスプレイはユーザーに、現行の処置部位、及び処置の残り時間を示す。
【0043】
送信器は、無線でコンピューティング装置にデータを送信するように構成される。無線で送信された信号の限定されない例は、例えば、RF信号、超音波、Wi-Fi(商標)信号、又はBluetooth(登録商標)信号を含み得る。一実施形態において、送信器は、処置データを含む無線信号を送信する。処置データは、被験体に施されるレジメンを含み得る。処置データは代替的に又は付加的に、例えば被験体が照明エンジンを介して以前に光線療法を受けたデータを含む、スケジュールデータを含んでもよい。照明エンジンから無線で送信された信号を受信するコンピューティング装置は、リモートサーバーを含んでもよい。照明エンジンから無線で送信された信号を受信するコンピューティング装置は、例えばスマートフォン、タブレットコンピュータ、又はラップトップコンピュータなどのモバイルコンピューティング装置を含んでいてもよい。
【0044】
受信器は、コンピューティング装置から無線データを受信するように構成される。無線で受信された信号の限定されない例は、例えば、RF信号、超音波、Wi-Fi(商標)信号、又はBluetooth(登録商標)信号を含み得る。
【0045】
受信された無線データは、指示された処置部位及び用量、構成情報、及び他のプログラム情報を含んでいてもよい。例えば、無線で受信された通信は、指示された処置シーケンスのために装置のユーザーインターフェースを可能にし得る。
【0046】
サーミスタは、例えば熱伝導性金属コア材料に連結されていてもよい。「サーミスタ」は、本明細書で使用される用語として、サーミスタ、抵抗温度装置、熱電対、又は温度測定集積回路であり得る、任意の温度測定装置を指すものであり得る。サーミスタは、例えば、熱伝導性金属コア材料又は発光ダイオードの温度を表わす温度を測定する。発光ダイオードの発光は、発光ダイオードを介して駆動されるパワー、及び発光ダイオードの温度に直接関連する。発光ダイオードの温度は、サーミスタにより測定され、且つマイクロプロセッサへと伝達されてもよい。
【0047】
一実施形態において、光線療法システムは更に、発光の測定及び較正のために、複数の発光ダイオードと光学窓との間に位置する光パワー測定装置を含んでいてもよい。
【0048】
マイクロプロセッサは、電流ドライバー、ディスプレイ、ユーザーインターフェース、サーミスタ、及び無線の送信器並びに受信器を含むが、これらに限定されない他のコンポーネントに連結されていてもよい。マイクロプロセッサは、マイクロプロセッサと他のコンポーネントとの間の一方向且つ双方向の通信を可能にするような方法で、他のコンポーネントに連結されていてもよい。マイクロプロセッサから電流ドライバーへの通信は、例えばチャネルを介して電流を流す場合がある。電流ドライバーからマイクロプロセッサへの通信は、例えば、検出された短絡又は開路を識別する場合がある。一実施形態において、マイクロプロセッサから電流ドライバーへと通信される信号は、電流ドライバーをオンにする、又はオフにする場合がある。一実施形態において、マイクロプロセッサは、一連の処置を介してディスプレイにユーザーを誘導させてもよい。ユーザーインターフェースは、マイクロプロセッサへの処置コマンドを開始させるための被験体制御を提供してもよい。一実施形態において、マイクロプロセッサはサーミスタから温度データを受信する。
【0049】
一実施形態において、システム出力は、システムの動作の範囲にわたりシステムの光出力と温度を測定すること、及び装置のメモリにおけるこの較正情報を保存することにより較正される。別の実施形態において、システム出力は、1以上の動作温度でシステムの光出力と温度を測定すること、及び出力表に記入するために既知の動作情報を使用することにより較正される。別の実施形態において、サーミスタにより測定された温度は、照明エンジンの既知の又は測定された出力特性に従って処置時間を調節するために、マイクロプロセッサにより使用される。例えば、システムが40℃のサーミスタ温度で100mW、及び45℃のサーミスタ温度で90mWを出力するように較正される場合、その後40℃で100mWのパワーに意図される60秒の処置は、サーミスタ温度が45℃を示す、より暖かい日に66秒間実行される。
【0050】
一実施形態において、マイクロプロセッサは、例えば被験体又は処置のデータを含み得るデータを、無線送信器を介して送信させる。一実施形態において、受信器により受信される情報はマイクロプロセッサへと伝達され、ここで、受信された信号は、例えば施される治療条件のプログラムを含み得る。マイクロプロセッサは、送受信された信号をコードする又はデコードするように構成されてもよい。例えば、被験体の情報又は処置データは、例えば患者の私的なデータを保護するために、マイクロプロセッサによりコードされ又はデコードされてもよい。一実施形態において、受信されたコマンドは、マイクロプロセッサにより処理される信号を含む。コマンドは例えば、1以上の発光ダイオード又は1以上の発光ダイオードのストリングへの電流の流れを止めるための信号を含んでもよい。マイクロプロセッサは、メモリを含むコンピュータ可読記憶媒体を含むか、又はそれに連結されていてもよい。コンピュータ可読記憶媒体は例えば、被験体の識別データ、治療データ、又はパフォーマンスデータを保存し得る。
【0051】
一実施形態において、受信器により受信されたデータは、別の光線療法装置又は光線療法装置の集団により生成されたデータを含む。例えば、光線療法装置の集団からの光パフォーマンスデータが受信され、マイクロプロセッサへと伝達され、その後、例えば特定の使用条件下で経時的なLED出力分解を調整するための調節といった調節を行うためにマイクロプロセッサにより使用される場合がある。
【0052】
一実施形態において、光線療法システムは、1以上のバッテリーによりパワーを供給される。一実施形態において、バッテリーの電圧は、発光ダイオードのストリングへとパワーを供給するように上昇される(boosted)。一実施形態において、バッテリーによりパワーを供給された照明エンジンは、携帯端末を含む。照明エンジンに使用される1以上のバッテリーは、再充電可能なバッテリーでもよい。
【0053】
一実施形態において、光線療法システムは充電ポート又はドッキングステーションと連結し、これらは、充電ポートと照明エンジンが連結されている場合に、1以上の再充電可能なバッテリーを再充電するように構成される。一実施形態において、ドッキングステーションは更に、発光の測定及び較正のための光パワー測定装置を含む。
【0054】
図1Aと1Bは、本明細書に記載される実施形態に従う照明エンジン(100)の実施形態の図式表示を示す。図1Aと1Bに示される装置は、携帯端末(100)を含む。図1Aは装置(100)の正面斜視図である。図1Aは窓(102)を示している。窓(102)は、装置(100)のハウジング中の開口部内に位置している。窓(102)は、1以上の発光ダイオード(図示せず)と連結される熱伝導性コア基板の光生成領域を覆うように位置付けられる。窓(102)は、治療用ではない光波長をフィルター処理する又は減衰させるように構成され得る。同様に、窓(102)は、例えば300-320ナノメートルの波長の範囲内の光といった、所望の波長での光を高度に透過するように構成されてもよい。円錐形の反射板(104)は、他の円錐形の反射板の単一ユニットの一部であってもよい。図1Aに示される実施形態において、円錐形の反射板(104)を含む、合計16の円錐形の反射板が存在し、これらは卵ケースと同様の様式で接続されている。少なくとも1つの発光ダイオード(図示せず)が、円錐形の反射板のそれぞれ1つの中に位置している。装置(100)のハウジングの全開口部の周囲に適合されるカラー(106)は、窓(102)を越えて伸長している。カラー(106)は、湾曲した体表面に適合するよう一致するように構成され、且つ、被験体の皮膚表面との接触が有効な処置に望まれる場合に被験体の皮膚表面と快適に接触するのに適切でもある、圧縮可能な材料を含んでもよい。例えば、被験体の皮膚の領域を処置するために使用された時、装置(100)は、カラー(106)の外縁が被験体の皮膚に直接接触するような方法で、被験体の皮膚の領域に対して保持されるように構成される。つまり、被験体(又は他の誰か)は、被験体の皮膚に対して装置(100)を保持し、それにより、標的領域(即ち、処置領域)にわたり窓(100)を直接位置付ける方法で、カラー(106)が被験体の皮膚に接触する。一旦、処置される皮膚の領域にわたって保持されると、発光ダイオード(図示せず)により発せられた光は、窓(102)を通って、処置される皮膚領域に到達する。カラー(106)は、その内面上に反射板、又は反射コーティングを含んでいてもよい。装置(100)が被験体の皮膚表面と接触して保持されている場合、カラー(106)は処置の表面領域を定義し、ここで、処置される領域は実質的に、カラー(106)の境界により定義される同じ領域を含む。図1Bは、装置(100)の平面図を示す。ディスプレイスクリーン(108)は、グラフィカルユーザーインターフェースを形成するためにユーザー制御部に連結され得るデジタルディスプレイを含んでいてもよい。ユーザー制御部(112)は、運転スイッチとして図1Bに示されている。しかし、本明細書に記載されるように、ユーザー制御部(112)の多数の他の実施形態は、本明細書に記載されるシステム、装置、及び方法との使用に適している。ハンドル(110)は、図1Bに示されるように、被験体又は別の人に、装置(100)を保持する一方で被験体の皮膚表面に接触した状態で装置(100)を位置付けるための都合の良い方法を提供する。
【0055】
図2は、本明細書に記載される実施形態に従う照明エンジン装置(200)の平面斜視図の実施形態を示す。窓(202)は、発光ダイオード(図示せず)、熱伝導性基板材料(図示せず)、及び反射板錐体(反射板錐体(204)を含む)の上に位置している。この実施形態において、反射板錐体(204)は、他の相互接続された反射板錐体を含む、より大きなユニットの一部である。ヒートシンク(214)は、熱伝導性基板材料(図示せず)と反射板錐体(反射板錐体(204)を含む)の真下に位置している。装置が作動されると、ヒートシンク(214)は、発光ダイオード及び熱伝導性基板材料から離れて熱を受動的に放出する。この実施形態において、ヒートシンク(214)は、ヒートシンク(214)よりも下に直接位置しているファン(216)(ファンのハウジングが示される)に連結されている。ファン(216)は、発光ダイオード及び熱伝導性基板材料を含む装置を活発的に冷却するよう機能する。ファン(216)は、装置(200)にパワーを供給するバッテリー又は他の電源(図示せず)によりパワーを供給されてもよい。
【0056】
図3は、本明細書に記載される実施形態に従う照明エンジン装置(300)の実施形態の正面断面部分の模式図を示す。カラー(306)は窓(302)を越えて伸長している。カラー(306)は、反射板(328)を含むか、又はそれに連結されていてもよい。反射板(328)は、装置(300)のハウジングの内壁から、カラー(306)に沿って窓(302)を越えるまで連続的に伸長している。カラー(306)はまた、カラー(306)が被験体の皮膚表面に接触する時に、信号を送信する接触センサー(330)を含むか、又はそれに連結されていてもよい。熱伝導性コア基板(318)は、発光ダイオード(発光ダイオード(324)を含む)のアレイ、及び錐体反射板(錐体反射板(326)を含む)よりも下に位置している。ヒートシンク(320)は、本明細書に記載されるように、熱伝導性コア基板(318)よりも下に位置している。ファン(322)は、本明細書に記載されるように、ヒートシンク(320)よりも下に位置している。
【0057】
図4は、本明細書に記載される実施形態に従う照明エンジン装置(400)の実施形態の分解図を示す。カラー(406)は、窓(402)の周囲に適合するフレームと共に示されている。反射する内面を持つ窓スペーサー(432)は、反射板錐体(404)から窓(402)を分離している。窓スペーサー(432)は、発光ダイオードが標的とされた処置部位に対して引っ込められるように、発光ダイオードのアレイと窓(402)との間に空間をもたらす。引っ込められた発光ダイオードから発せられた光は、窓スペーサー(432)の内面上の反射板と同様に、円錐形の反射板(404)によって、窓スペーサー(432)によりもたらされる空間内に集中する。発光ダイオードのアレイにおける1以上の発光ダイオードからの光を集中させるための空間の提供により、装置により送達される光は、標的とされた処置部位のレベルで均質となる。装置のハウジングの一部は、本明細書に記載されるような窓スペーサー(432)を含んでいてもよい。本明細書に記載されるような熱伝導性コア基板(418)は、円錐形反射板(404)とヒートシンク(420)との間に位置する。ヒートシンク(420)とファン(422)は、本明細書に記載されるような熱伝導性コア基板(418)の下にそれぞれ位置した状態で示されている。
【0058】
図5は、本明細書に記載される実施形態に従う熱伝導性コア基板(518)の平面概略図である。1以上の発光ダイオード(534)が、本明細書に記載されるような導体パッド(536)の上に位置している。熱伝導性コア基板(518)の表面上の発光ダイオードは、アレイを形成してもよい。導体パッド(536)1つにつき、1つの発光ダイオード(534)が存在してもよく、又は代替的に、発光ダイオード(534)は複数の導体パッド(536)の上に位置してもよい。サーミスタ(538)は、本明細書に記載されるように、熱伝導性コア基板(518)の上に位置した状態で示されている。サーミスタ(538)は、示されるような熱伝導性コア基板(518)の中心に、又は、熱伝導性コア基板(518)に相対した別の位置に位置してもよい。
【0059】
図6は、光線療法システムを形成するための、本明細書に記載される照明エンジンと組み合わさるコンポーネントの略図である。マイクロプロセッサ(650)は、本明細書に記載されるように、メモリを含むコンピュータ可読媒体(646)を含むか、又はそれに連結されていてもよい。コンピュータ可読媒体(646)はソフトウェアとデータを保存するように構成される。コンピュータ可読媒体(646)に保存されたソフトウェアは、マイクロプロセッサ(650)により実行され得、且つ、例えばグラフィックユーザーインターフェース(640)、又は例えば電流ドライバー(644)などの他のコンポーネントに対し、マイクロプロセッサがどのように影響を及ぼすのかを定義する場合がある。コンピュータ可読媒体(646)に保存されたデータは、被験体識別情報又は処置情報を含んでもよい。グラフィックユーザーインターフェース(640)は、ディスプレイ(642)を更に含むか、又はそれに連結されていてもよい。マイクロプロセッサ(650)は、ディスプレイ(642)上で出力を制御するように構成されてもよい。被験体によりグラフィックユーザーインターフェース(640)に入力されたデータとコマンドは、マイクロプロセッサ(650)へと送信される。同様に、本明細書に記載されるように、マイクロプロセッサ(650)は電流ドライバー(644)からデータを制御且つ受信する。サーミスタ(648)は、本明細書に記載されるように、マイクロプロセッサ(650)へと温度データを送信する。また、本明細書に記載されるように、受信器(652)はマイクロプロセッサ(650)へとデータとコマンドを送信し、及び本明細書に記載されるように、マイクロプロセッサ(650)は送信器(654)へとデータを送信する。
【0060】
図7は、本明細書に記載される装置及びシステムを使用する方法(700)の略図である。
【0061】
工程(702)において、被験体には、本明細書に記載される光線療法システムが提供され、該光線療法システムは、マイクロプロセッサ、メモリを含むコンピュータ可読媒体、グラフィックユーザーインターフェース及びディスプレイ、電流ドライバー、サーミスタ、受信器、及び送信器を含む、付加的なコンポーネントと共に本明細書に記載される照明エンジンを含む。
【0062】
工程(704)において、被験体により入力された識別情報が受信される。識別情報は例えば、被験体の名前、パスワード、又は暗証番号を含んでもよい。被験体は、グラフィックユーザーインターフェースへと識別情報を入力し、次に識別情報は、記憶のためにマイクロプロセッサ及びコンピュータ可読媒体へと送信される。
【0063】
工程(706)において、治療レジメン又は他の治療情報の1つ以上が受信される。治療レジメンは例えば、光線療法処置の期間、送達される光の強さ、又は処置される部位を含み得る。治療情報は例えば、治療歴、処置のスケジュール、又は他の非光線療法処置の指示を含み得る。被験体は、グラフィックユーザーインターフェースを介して治療レジメン又は治療情報を入力又は選択してもよい。被験体はグラフィックユーザーインターフェースを使用して治療レジメンを選択且つ起動してもよく、ここで治療レジメンは例えば、光線療法期間又は強度を含み、これは次に、記憶のためにマイクロプロセッサ及びコンピュータ可読媒体へと送信される。代替的に又は付加的に、例えば遠方の医療従事者により受信器へと送信される治療レジメン又は治療情報などの、治療レジメン又は治療情報は、リモートコンピューティング装置から受信されてもよい。
【0064】
工程(708)において、被験体は、標的とされた処置領域に接して本明細書に記載される光線療法システムを保持するよう指示される。
【0065】
工程(710)において、接触センサーは、被験体の皮膚表面に接触する時に、マイクロプロセッサへと信号を送信する。本明細書に記載される光線療法システムが被験体の皮膚表面に接触していることを示す、接触センサーから受信された信号は、マイクロプロセッサに光線療法のための照明エンジンの実行を可能にさせる。
【0066】
工程(712)において、光線療法は、例えば、被験体が運転スイッチを押して、例えば処置の終了をディスプレイが示すまで光線療法システムが処置領域に接する状態を維持することにより、施される。代替的に又は付加的に、別の人は、被験体のために装置を保持してもよく、又は、例えばスタンド又はクランプなどの機械装置が固定位置において光線療法システムを保持するために使用され得る。
【0067】
工程(714)において、被験体は、処置期間が完了したと通知される。被験体は、例えば可聴音、又はディスプレイスクリーン上に表示されたメッセージなど、多くの方法で通知されてもよい。
【0068】
工程(716)において、一旦指示された治療時間が経過すると、処置はマイクロプロセッサにより止められる。光線療法装置はまた、装置がもはや処置領域に接していないことを示す信号が、接触センサーから受信される場合に、治療の提供を停止することになる。
【0069】
工程(718)において、識別情報又は治療情報の1つ以上が、送信器を介して光線療法システムからコンピューティング装置へと送信される。治療情報は例えば、処置の持続時間、処置される位置、又は他の処置に関連するデータを含んでもよい。コンピューティング装置は、例えばリモートサーバーなどのリモートコンピューティング装置を含んでもよい。代替的に又は付加的に、コンピュータは、ラップトップ、タブレット、又はスマートフォンなどの被験体のコンピューティング装置を含んでもよい。
【0070】
工程(720)において、被験体は、処置領域が全て処置されるまで、処置される別の領域へと装置を移動させる。
【0071】
本明細書に記載されるシステム、装置、及び方法の好ましい実施形態が、本明細書に示され且つ記載されてきた一方で、このような実施形態がほんの一例として提供されることは、当業者に明白であろう。多数の変形、変更、及び置換は、本明細書に記載される主題から逸脱することなく、当業者によって現在想到されこととなる。本明細書に記載されるシステム、装置、及び方法の実施形態の様々な代替案が、本明細書に記載されるシステム、装置、及び方法を実行する際に利用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義するものであり、この特許請求の範囲及びその同等物の範囲内の方法及び構造は、それにより包含されることが、意図されている。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】