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特開2023-102311ファンフィルタユニットを用いたエアロゾル感染防止システム、ファンフィルタユニット、及びフィルタの取り外し方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102311
(43)【公開日】2023-07-25
(54)【発明の名称】ファンフィルタユニットを用いたエアロゾル感染防止システム、ファンフィルタユニット、及びフィルタの取り外し方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/003 20210101AFI20230718BHJP
   F24F 8/108 20210101ALI20230718BHJP
   F24F 7/10 20060101ALI20230718BHJP
   F24F 9/00 20060101ALI20230718BHJP
   F24F 13/28 20060101ALI20230718BHJP
   A61L 9/16 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
F24F7/003
F24F8/108 110
F24F7/10 Z
F24F7/10 101D
F24F7/10 101Z
F24F9/00 A
F24F8/108 210
F24F13/28
A61L9/16 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002685
(22)【出願日】2022-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000163660
【氏名又は名称】ケンブリッジフィルターコーポレーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 庸平
(72)【発明者】
【氏名】龍 英夫
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 克治
(72)【発明者】
【氏名】北野 耕士
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180DD09
4C180HH05
(57)【要約】
【課題】効率的に感染性エアロゾルへの対策を図る。
【解決手段】エアロゾル感染防止システム10は、室内Rの天井4に埋め込まれた筐体21、室内Rの空気を吸い込むためのファン40、及びファン40よりも室内側に設けられて空気に含まれる感染性エアロゾルを捕捉する交換可能なフィルタ30、を備えたファンフィルタユニット20と、天井4に設けられ、ファンフィルタユニット20内に取り込まれる室内Rの空気が通過する吸込部50と、ファンフィルタユニット20からフィルタ30を経た空気を排出する排出部60と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の天井に埋め込まれた筐体、前記筐体内に設けられ、前記室内の空気を吸い込むためのファン、及び前記ファンよりも前記筐体内の前記室内側に設けられて、前記空気に含まれる感染性エアロゾルを捕捉する交換可能なフィルタ、を備えたファンフィルタユニットと、
前記天井に設けられ、前記ファンフィルタユニット内に取り込まれる前記室内の前記空気が通過する吸込部と、
前記ファンフィルタユニットから前記フィルタを経た前記空気を排出する排出部と、を備え、前記ファンフィルタユニットを用いて前記室内の気流を制御する、ファンフィルタユニットを用いたエアロゾル感染防止システム。
【請求項2】
前記排出部は、
前記ファンフィルタユニットから排出される前記空気を屋外に排出する排気ダクトと、
前記ファンフィルタユニットから排出される前記空気を室内に循環させる循環ダクトと、
前記排気ダクト及び前記循環ダクトに送り込む前記空気の量を調整するダンパと、を備える
請求項1に記載のファンフィルタユニットを用いたエアロゾル感染防止システム。
【請求項3】
前記循環ダクトを介して循環される前記空気を前記室内に吹き出す吹出部が前記天井に設けられ、
前記吹出部は、前記室内を第一側と第二側とに仕切るよう、前記空気を上方から下方に向けてエアカーテン状に吹き出す
請求項2に記載のファンフィルタユニットを用いたエアロゾル感染防止システム。
【請求項4】
前記ファンフィルタユニットは、前記フィルタを下方から係止することで、前記フィルタを前記筐体の内部に支持された状態に拘束する拘束部と、前記拘束部による前記フィルタへの係止を解除する拘束解除操作部と、を有したロック部材を備える
請求項1から3のいずれか一項に記載のファンフィルタユニットを用いたエアロゾル感染防止システム。
【請求項5】
前記ロック部材は、前記筐体の内周面に固定された基端部と、前記基端部から前記筐体の内方に向けて延びる延出部と、前記延出部の先端から下方に延び、前記筐体の内外方向に弾性変形可能な弾性片と、を備え、
前記拘束部は、前記弾性片に、前記筐体の内方に向けて突出するように形成され、
前記拘束解除操作部は、前記弾性片の、前記拘束部よりも下方に形成され、
前記拘束解除操作部を前記筐体の外方に向けて押圧し、前記弾性片を外方に向けて弾性変形させることで、前記拘束部による前記フィルタへの係止が解除される
請求項4に記載のファンフィルタユニットを用いたエアロゾル感染防止システム。
【請求項6】
前記筐体の内周面と前記フィルタの外周部との間を塞ぐように、前記筐体の内周面に接合して設けられ、前記筐体内における前記フィルタの吸込側の空間部と前記フィルタの排出側の空間部とを区画する区画部を備え、
前記区画部は、前記フィルタの下側の高さに設けられている
請求項1から5のいずれか一項に記載のファンフィルタユニットを用いたエアロゾル感染防止システム。
【請求項7】
前記フィルタは、
前記室内の前記空気が通過し、前記空気に含まれる前記感染性エアロゾルを捕捉するフィルタメディアと、
前記フィルタメディアの外周部を囲うように形成された枠材と、を備え、
前記枠材の外周部には、上方に向かって開口し、前記枠材の全周にわたって連続する溝状部が形成され、
前記溝状部の内側には、シール部材が設けられ、
前記区画部には、前記フィルタを収容する開口部が形成され、前記開口部の周縁部には、前記開口部の全周にわたって、下方に向けて突出するリブが形成され、
前記リブが前記シール部材に密着することで、前記吸込側の空間部と前記排出側の空間部とが区画されている
請求項6に記載のファンフィルタユニットを用いたエアロゾル感染防止システム。
【請求項8】
前記フィルタと、前記ファンとが、平面視で異なる位置に配置され、
前記フィルタと前記ファンとの間に、前記フィルタを経た前記空気を前記ファンに送り込む中間流路部が形成されている
請求項1から7のいずれか一項に記載のファンフィルタユニットを用いたエアロゾル感染防止システム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のファンフィルタユニットを用いたエアロゾル感染防止システムにおける前記フィルタの取り外し方法であって、
前記室内側から、前記吸込部を覆うカバーを開き、前記フィルタを露出させることと、
前記室内側から、前記フィルタの下面側を覆う被覆材を前記フィルタに取り付けることと、
前記被覆材により下面側が覆われた前記フィルタを前記筐体から取り外すことと、
を含むフィルタの取り外し方法。
【請求項10】
室内の天井に埋め込まれる筐体、前記筐体内に設けられ、前記室内の空気を吸い込むためのファン、及び前記ファンよりも前記筐体内の前記室内側に設けられて、前記空気に含まれる感染性エアロゾルを捕捉する交換可能なフィルタ、を備えた感染性エアロゾル対策用のファンフィルタユニットであって、
前記フィルタを下方から係止することで、前記フィルタを前記筐体の内部に支持された状態に拘束する拘束部と、前記拘束部による前記フィルタへの係止を解除する拘束解除操作部と、を有したロック部材を備える感染性エアロゾル対策用のファンフィルタユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファンフィルタユニットを用いたエアロゾル感染防止システム、ファンフィルタユニット、及びフィルタの取り外し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
診察室、病室等の室内における感染症対策が望まれている。室内における感染症対策として、室内に浮遊する粒子をフィルタで捕捉する手法がある。例えば、室内の空気を吸い込むファンと、ファンで吸い込んだ空気に含まれる粒子を捕捉するフィルタと、フィルタを経た空気を排気する排出部と、を筐体内に備えたファンフィルタユニットが用いられている。
このようなファンフィルタユニットは、床置き型のものが主流である。しかし、床置き型のファンフィルタユニットは、室内の床の一部を占有するため、室内スペースの有効利用の妨げとなる。また、当然ながら、室内に設置された什器等と干渉するような場所には設置することができないので、設置場所が限定されてしまうため、有効な気流制御を行うことができない。
【0003】
これに対し、例えば特許文献1には、室内と室外とを仕切る仕切部に取り付けられた筐体と、筐体内に設けられたフィルタと、筐体の室内側に設けられた空気吸込口と、筐体の室外側に設けられた排出部材と、空気吸込口から室内の空気を吸込み、吸い込んだ室内空気の一部または全部を排出部材から室外へ排出するファンと、を備えた構成が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示された構成においても、設置場所が室内と室外とを仕切る仕切壁に限られてしまうため、汚染した空気を有効に排気することができない。
【0004】
上記のようなファンフィルタユニットは、感染性ウィルスを含んだ粒子(以下、これを感染性エアロゾルと称する)が多いところに設置するのが望ましい。しかし、床や仕切壁に設置される種類のファンフィルタユニットは、上記のように設置場所が限定されるので、感染性エアロゾルが多いと考えられる、感染性エアロゾルを効率的に捕捉することができるような場所に、常に設置できるわけではない。
特に、感染性エアロゾルは、感染症の感染者の呼気に多く含まれ、人体発熱等により生じる上昇気流にのって、室内で天井に向けて上昇する。これに対し、床や仕切壁に配置されたファンフィルタユニットでは、感染性エアロゾルを効率良く回収してフィルタに通すのが難しい。
感染性エアロゾルへの対策を効率的に図ることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-164147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、効率的に感染性エアロゾルへの対策を図ることができる、ファンフィルタユニットを用いたエアロゾル感染防止システム、フィルタの取り外し方法、及びファンフィルタユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明のファンフィルタユニットを用いたエアロゾル感染防止システムは、室内の天井に埋め込まれた筐体、前記筐体内に設けられ、前記室内の空気を吸い込むためのファン、及び前記ファンよりも前記筐体内の前記室内側に設けられて、前記空気に含まれる感染性エアロゾルを捕捉する交換可能なフィルタ、を備えたファンフィルタユニットと、前記天井に設けられ、前記ファンフィルタユニット内に取り込まれる前記室内の前記空気が通過する吸込部と、前記ファンフィルタユニットから前記フィルタを経た前記空気を排出する排出部と、を備え、前記ファンフィルタユニットを用いて前記室内の気流を制御する。
このような構成によれば、ファンの作動により、室内の空気は、吸込部からファンフィルタユニットに吸い込まれて、ファンよりも室内側に設けられたフィルタを通過する。フィルタにより、室内の空気に含まれる感染性エアロゾルが捕捉される。フィルタを通過した空気は、ファンフィルタユニットから排出部により排出される。
このようなエアロゾル感染防止システムにおいては、ファンフィルタユニットが天井に埋め込まれているため、設置するに際し、室内に設置された什器等と干渉しない。したがって、設置自由度が高まり、感染性エアロゾルが多いと考えられる場所の付近に設けて、効率的に感染性エアロゾルを補足することができる可能性が高まる。
特に、感染性エアロゾルは、感染症の感染者の呼気に多く含まれ、人体発熱等により生じる上昇気流にのって、室内で天井に向けて上昇する。上記のように、ファンフィルタユニットが、天井に埋め込まれ、なおかつ吸込部が天井に設けられているため、天井に向けて上昇した感染性エアロゾルを効率良くファンフィルタユニット内に吸い込むことができる。
更に、ファンフィルタユニットは天井に設けられるため、既に説明したように、設置位置が大きくは限定されない。このため、例えば感染症の感染者の直上等、効果的に感染性エアロゾルを補足することができるような位置に、ファンフィルタユニットを設置することができる。
このようにして、効率的に感染性エアロゾルへの対策を図ることが可能となる。
【0008】
本発明の一態様においては、前記排出部は、前記ファンフィルタユニットから排出される前記空気を屋外に排出する排気ダクトと、前記ファンフィルタユニットから排出される前記空気を室内に循環させる循環ダクトと、前記排気ダクト及び前記循環ダクトに送り込む前記空気の量を調整するダンパと、を備える。
このような構成によれば、ダンパにより、排気ダクト及び循環ダクトに送り込む空気の量を調整することで、フィルタを経た空気の全量を、排気ダクトを通して屋外に排出したり、フィルタを経た空気の一部を屋外に排出しつつ、浄化された残部を室内に循環させたりすることが可能となる。
【0009】
本発明の別の態様においては、前記循環ダクトを介して循環される前記空気を前記室内に吹き出す吹出部が前記天井に設けられ、前記吹出部は、前記室内を第一側と第二側とに仕切るよう、前記空気を上方から下方に向けてエアカーテン状に吹き出す。
このような構成によれば、フィルタを経た空気を、天井に設けた吹出部から下方に向けてエアカーテン状に吹き出すことによって、室内を、第一側と第二側とに、空気により緩やかに、仕切ることができる。このような吹出部を、室内の適切な位置に設けて、第一側と第二側の一方に感染症の感染者を、他方に感染症の感染者に関わる人を、それぞれ位置せしめることで、感染症の感染者に関わる人に、感染者から、感染性エアロゾルが直接、到達することが抑えられる。
【0010】
本発明の別の態様においては、前記ファンフィルタユニットは、前記フィルタを下方から係止することで、前記フィルタを前記筐体の内部に支持された状態に拘束する拘束部と、前記拘束部による前記フィルタへの係止を解除する拘束解除操作部と、を有したロック部材を備える。
このような構成によれば、ロック部材の拘束部によってフィルタを下方から係止することで、フィルタを筐体の内部に支持された状態に拘束することができる。また、拘束解除操作部を操作して、拘束部によるフィルタの下方からの係止を解除することにより、フィルタを筐体の内部から取り外すことができる。したがって、フィルタの交換作業を容易かつ効率的に行うことができる。
このように、簡単な操作によって、フィルタの交換作業を行うことができるため、交換時に、作業者のフィルタへの接触機会を低減することができる。これにより、フィルタに付着した感染性エアロゾルによる、作業者の感染が低減され、結果として、効率的に感染性エアロゾルへの対策を図ることができる。
【0011】
本発明の別の態様においては、前記ロック部材は、前記筐体の内周面に固定された基端部と、前記基端部から前記筐体の内方に向けて延びる延出部と、前記延出部の先端から下方に延び、前記筐体の内外方向に弾性変形可能な弾性片と、を備え、前記拘束部は、前記弾性片に、前記筐体の内方に向けて突出するように形成され、前記拘束解除操作部は、前記弾性片の、前記拘束部よりも下方に形成され、前記拘束解除操作部を前記筐体の外方に向けて押圧し、前記弾性片を外方に向けて弾性変形させることで、前記拘束部による前記フィルタへの係止が解除される。
このような構成によれば、拘束解除操作部を筐体の外方に向けて押圧し、弾性片を外方に向けて弾性変形させることで、拘束部によるフィルタへの係止が解除される。すると、フィルタの固定が解除されるため、フィルタを筐体の内部から取り外すことができる。
このように、簡単な操作によって、フィルタを筐体の内部から取り外すことができるため、交換時に、作業者のフィルタへの接触機会を低減することができる。これにより、フィルタに付着した感染性エアロゾルによる、作業者の感染が低減され、結果として、効率的に感染性エアロゾルへの対策を図ることができる。
【0012】
本発明の別の態様においては、前記筐体の内周面と前記フィルタの外周部との間を塞ぐように、前記筐体の内周面に接合して設けられ、前記筐体内における前記フィルタの吸込側の空間部と前記フィルタの排出側の空間部とを区画する区画部を備え、前記区画部は、前記フィルタの下側の高さに設けられている。
このような構成によれば、区画部が、筐体の内周面とフィルタの外周部との間を塞ぎ、筐体内におけるフィルタの吸込側の空間部と、フィルタの排出側の空間部とを区画する。このような区画部が、フィルタの下側の高さに設けられているため、ファンフィルタユニットにおける感染性エアロゾルによって汚染される領域を、フィルタの下側よりも下方の小さい範囲に抑え、筐体の内部にまで、汚染された空気が侵入しない構成とすることができる。
【0013】
本発明の別の態様においては、前記フィルタは、前記室内の前記空気が通過し、前記空気に含まれる前記感染性エアロゾルを捕捉するフィルタメディアと、前記フィルタメディアの外周部を囲うように形成された枠材と、を備え、前記枠材の外周部には、上方に向かって開口し、前記枠材の全周にわたって連続する溝状部が形成され、前記溝状部の内側には、シール部材が設けられ、前記区画部には、前記フィルタを収容する開口部が形成され、前記開口部の周縁部には、前記開口部の全周にわたって、下方に向けて突出するリブが形成され、前記リブが前記シール部材に密着することで、前記吸込側の空間部と前記排出側の空間部とが区画されている。
このような構成によれば、フィルタの外側の、全周にわたって、筐体の内周面に設けられた区画部のリブが、フィルタの枠材の外周部に設けられたシール部材に密着することで、区画部と、フィルタの枠材との間がシールされている。これにより、区画部と枠材との隙間を通して、フィルタの排出側の空間部に感染性エアロゾルが侵入し、排出側の空間部が感染性エアロゾルによって汚染されることが抑えられる。
【0014】
本発明の別の態様においては、前記フィルタと、前記ファンとが、平面視で異なる位置に配置され、前記フィルタと前記ファンとの間に、前記フィルタを経た前記空気を前記ファンに送り込む中間流路部が形成されている。
このような構成によれば、フィルタとファンとを平面視で異なる位置に配置しているので、ファンの動作音が直接室内へ伝達されるのが抑制される。また、フィルタとファンとの間に中間流路部を形成することで、ファンと吸込部の間の経路が長くなるため、ファンの動作音が中間流路部で反射、回折して吸込部へと伝わりにくくなる。これらが相乗して、室内へ伝達されるファンの動作音を抑えることができる。
【0015】
また、本発明のフィルタの取り外し方法は、上記のようなファンフィルタユニットを用いたエアロゾル感染防止システムにおける前記フィルタの取り外し方法であって、前記室内側から、前記吸込部を覆うカバーを開き、前記フィルタを露出させることと、前記室内側から、前記フィルタの下面側を覆う被覆材を前記フィルタに取り付けることと、前記被覆材により下面側が覆われた前記フィルタを前記筐体から取り出すことと、を含む。
このような構成によれば、室内側に露出させたフィルタの下面側を被覆材で覆うことで、フィルタの交換作業を行う際に、作業者が不用意にフィルタに触れてしまうのを抑えることができる。このようにして、フィルタの取り外し作業の際における作業者の感染が低減され、結果として、効率的に感染性エアロゾルへの対策を図ることができる。
【0016】
また、本発明のファンフィルタユニットは、室内の天井に埋め込まれる筐体、前記筐体内に設けられ、前記室内の空気を吸い込むためのファン、及び前記ファンよりも前記筐体内の前記室内側に設けられて、前記空気に含まれる感染性エアロゾルを捕捉する交換可能なフィルタ、を備えた感染性エアロゾル対策用のファンフィルタユニットであって、前記フィルタを下方から係止することで、前記フィルタを前記筐体の内部に支持された状態に拘束する拘束部と、前記拘束部による前記フィルタへの係止を解除する拘束解除操作部と、を有したロック部材を備える。
このような構成によれば、ロック部材の拘束部によってフィルタを下方から係止することで、フィルタを筐体の内部に支持された状態に拘束することができる。また、拘束解除操作部を操作して、拘束部によるフィルタの下方からの係止を解除することにより、フィルタを筐体の内部から取り外すことができる。したがって、フィルタの交換作業を容易かつ効率的に行うことができる。
このように、簡単な操作によって、フィルタの交換作業を行うことができるため、交換時に、作業者のフィルタへの接触機会を低減することができる。これにより、フィルタに付着した感染性エアロゾルによる、作業者の感染が低減され、結果として、効率的に感染性エアロゾルへの対策を図ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、効率的に感染性エアロゾルへの対策を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係るエアロゾル感染防止システムの概略構成を示す断面図である。
図2図1のエアロゾル感染防止システムのファンフィルタユニットを示す断面図である。
図3図2のファンフィルタユニットの側面図である。
図4図2のファンフィルタユニットの平面図である。
図5図2のファンフィルタユニットの下部の構成を示す拡大断面図である。
図6図5のフィルタの取付構造を示す拡大断面図である。
図7A】本発明の実施形態に係るフィルタの取り外し方法の手順を示す図であり、カバーを開いた状態を示す断面図である。
図7B図7Aのようにカバーを開いた状態で、下方から見えるフィルタの下面図である。
図8A】フィルタの下面に粘着テープを貼り付けた状態を示す断面図である。
図8B図8Aの状態におけるフィルタの下面図である。
図9A】フィルタの下面を被覆材で覆った状態を示す断面図である。
図9B図9Aの状態におけるフィルタの下面図である。
図10】フィルタを取り外した状態を示す断面図である。
図11】取り外したフィルタを、ビニール袋に収納した状態を示す図である。
図12】ファンフィルタユニットにおける汚染範囲を示す断面図である。
図13】本発明の変形例に係るエアロゾル感染防止システムのファンフィルタユニットの概略構成を示す断面図である。
図14図13のファンフィルタユニットの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明によるファンフィルタユニットを用いたエアロゾル感染防止システムを実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
本発明の実施形態に係るエアロゾル感染防止システムの概略構成を示す断面図を図1に示す。図2は、図1のエアロゾル感染防止システムのファンフィルタユニットを示す断面図である。図3は、図2のファンフィルタユニットの側面図である。図4は、図2のファンフィルタユニットの平面図である。図5は、図2のファンフィルタユニットの下部の構成を示す拡大断面図である。
図1に示されるように、エアロゾル感染防止システム10は、ファンフィルタユニット20と、吸込部50と、排出部60と、吹出部70と、を備えている。エアロゾル感染防止システム10は、例えば、感染症の感染者の診察を行う医療施設の診察室に適用され、ファンフィルタユニット20を用いて室内の気流を制御する。後にその他の変形例として説明するように、エアロゾル感染防止システム10は、医療関連施設に限らず、感染症に感染した可能性のある利用者が立ち入る、店舗、施設等に設置してもよい。例えば、エアロゾル感染防止システム10を、店舗や施設の利用者と、店員等とが対面する、ロビー内のカウンター、テーブル等の上方の天井に設けて、後に説明するように、店員と利用者を仕切るようなエアカーテン状の気流を形成するようにしてもよい。
ファンフィルタユニット20は、診察室の天井4に埋め込まれて設置されている。より詳細には、天井4は、天井スラブ4sと、その下に吊りボルト(図示無し)等によって吊り支持された天井パネル4pを備えており、ファンフィルタユニット20は天井スラブ4sと天井パネル4pの間の空間に設けられて、吊りボルト4bにより天井スラブ4sから吊り支持されている。
ファンフィルタユニット20は、筐体21と、フィルタ30と、ファン40と、を主に備えている。
【0020】
図2図4に示されるように、筐体21は、直方体状をなしている。筐体21は、四方を囲む側壁21sと、四方の側壁21s上に設けられた天板21tと、を備えている。図2図5に示されるように、筐体21の下端部には、四方の側壁21sの内側に、下方に向かって開口する吸込口51が形成されている。筐体21の下端部には、四方の側壁21sから外方に向かって突出する下部フランジ21fが形成されている。
筐体21の内周面21gには、所定の厚さを有したパネル状の消音材22が設けられている。消音材22を筐体21の内周面21gを形成する側壁21sや天板21tに沿って設けることで、筐体21内で発生する気流により生じる音や、ファン40の作動音を低減する。
筐体21は、天井パネル4pに形成された天井開口4hに下方から挿入され、下部フランジ21fを天井開口4hの周縁部に下方から突き当てるように位置づけられて設けられている。
【0021】
図2に示されるように、筐体21内には、筐体21内に水平方向に延在して、筐体21内を上下に仕切る仕切板24が設けられている。仕切板24の中央部は開口している。
ファン40は、筐体21内の、仕切板24の上方に、図示されない固定板などにより固定されて、配置されている。ファン40は、筐体21に内蔵されたモータ(図示無し)によって作動し、下側に設けられた円筒状のベルマウス27を通して、仕切板24よりも下方から上方に向かう気流を発生させる。これにより、室内Rの空気が吸込口51から筐体21内に吸い込まれる。
ベルマウス27の下側の部分は、上側よりも拡径するように構成されている。
筐体21の内周面21gと同様に、仕切板24の表面にも、消音材22が設けられている。
仕切板24と、次に説明するフィルタ30の間の位置には、中央が開口された消音プレート23が設けられている。
【0022】
フィルタ30は、筐体21内の、仕切板24の下方に配置されている。フィルタ30は、ファン40よりも室内R側に、特に本実施形態においてはファン40の下方に、設けられている。図5に示されるように、フィルタ30は、フィルタメディア31と、フィルタメディア31の外周部を囲うように形成された枠材32と、を備えている。
フィルタメディア31は、室内Rの空気が通過し、室内Rの空気に含まれる感染性エアロゾルを捕捉する。フィルタメディア31としては、本実施形態においてはHEPAフィルタが用いられている。フィルタメディア31は、上方から見て矩形状で、上下方向に所定の厚さを有している。
【0023】
図6は、図5のフィルタの取付構造を示す拡大断面図である。
枠材32は、例えば、金属製、樹脂製の板状材からなる。枠材32は、4枚の板部32gが、フィルタメディア31の四方の側面を覆うように形成されている。図6に示されるように、板部32gの下端部には、外方に向かって張り出すフィルタフランジ32fが一体に形成されている。フィルタフランジ32fには、上方に向かって突出する一対の壁部32v、32wが形成されている。一対の壁部32v、32wは、板部32gと平行に設けられている。一方の壁部32vは、他方の壁部32wよりも、内側に、すなわち板部32g側に設けられている。一対の壁部32v、32wは、枠材32の全周にわたって連続して形成されている。これにより、枠材32の外周部に、上方に向かって開口し、枠材32の全周にわたって連続する溝状部32mが形成されている。溝状部32m内には、柔軟性、及び弾力性を有する、ウレタンや、シリコン製の、ゼリー状のゲル等が充填されることで形成された、シール部材33が配置されている。シール部材33は、上記以外の、他の材料で形成されていても構わない。
【0024】
筐体21は、区画部28を備えている。区画部28は、筐体21の内周面21gに接合されている。区画部28は、板状で、下方から見て矩形状の、フィルタ30が収容される開口部28hが形成されている。これにより、区画部28は、図5に示されるように断面視したときに、フィルタフランジ32fの上方において、筐体21の内周面21gから、筐体21の内側に、フィルタ30に向けて、突出するように設けられている。フィルタ30は、開口部28hの内側に収容される。区画部28は、下方から見て、筐体21の内周面21gとフィルタ30の枠材32の外周部との間を塞ぐように設けられている。区画部28は、フィルタ30の下側の高さに、より詳細にはフィルタ30の上下方向における中間の高さよりも下方の位置に、フィルタフランジ32fに近接して設けられている。区画部28は、筐体21内におけるフィルタ30の吸込側(下側)の空間部S1とフィルタ30の排出側(上側)の空間部S2とを区画している。区画部28は、平面視したときに、区画部28とフィルタフランジ32fとがオーバーラップするように、設けられている。
区画部28の開口部28hの周縁部には、下方に向けて突出するリブ28rが形成されている。リブ28rは、開口部28hの周縁部の全周にわたって連続して形成されている。
フィルタ30は、枠材32を開口部28hの内側に下方から挿入し、フィルタフランジ32fに設けられたシール部材33を、区画部28の開口部28hの周縁部に対して下方から突き当てた状態で、次に説明するロック部材29によって支持される。このとき、区画部28のリブ28rは、シール部材33に食い込む、又はシール部材33に形成されたスリットに嵌め込まれることで、区画部28とフィルタ30との間が密着する。これにより、吸込側の空間部S1と排出側の空間部S2の間が区画され、これらの空間S1、S2の間のシール性が高められている。
【0025】
区画部28の下側には、フィルタ30を区画部28の開口部28hに装着した状態に拘束するためのロック部材29が配置されている。ロック部材29は、開口部28hの周方向に間隔を開けて複数設けられている。本実施形態において、ロック部材29は、開口部28hにおいて互いに対向する2辺に、それぞれ、計2個が設けられている。各ロック部材29は、金属板等から形成され、筐体21の側壁21sの内周面21gに固定された基端部29bと、基端部29bから筐体21の内方に向けて延びる延出部29cと、延出部29cの先端から下方に延び、筐体21の内外を結ぶ方向(図5図6において左右方向)に弾性変形可能な弾性片29dを一体に有している。弾性片29dの上部は、フィルタフランジ32fの外縁に位置する外側の壁部32wに対向し、壁部32wに沿って当接するように設けられている。弾性片29dは、筐体21の内方に向けて突出するように形成された拘束部29tと、拘束部29tから下方に延びるように、拘束部29tよりも下方に形成された拘束解除操作部29sと、を一体に有している。拘束解除操作部29sは、下方に向かうにしたがって、吸込口51の外方に向かって斜めに延びるように形成されている。
【0026】
このようなロック部材29は、所謂板バネとして作用する。
より詳細には、ロック部材29は、拘束部29tがフィルタフランジ32fを下方から係止することで、区画部28の開口部28hの内側に配置されたフィルタ30の下方への脱落を拘束する。これにより、ロック部材29は、フィルタ30を、筐体21の内部に支持する。
フィルタ30を取り外すときには、ロック部材29の拘束解除操作部29sの各々を、外側に向かって押圧する。すると、弾性片29dが外方に向かって弾性変形し、拘束部29tによるフィルタ30の係止が解除される。係止が解除されて、下方から支持されなくなる。これにより、フィルタ30を区画部28の開口部28hから下方に取り外すことが可能となる。
フィルタ30を取り付けるときには、フィルタ30を、下方から複数のロック部材29の弾性片29dの内側に挿入する。各ロック部材29の弾性片29dは、下方に向かって斜め外方に延びているので、フィルタ30は、複数のロック部材29の弾性片29dの内側に容易に挿入できる。フィルタ30をさらに上方に押し上げると、フィルタフランジ32fの外側の壁部32wが拘束部29tに下方から突き当たり、弾性片29dが外方に押し広げられるように弾性変形する。フィルタ30を、その下面が拘束部29tよりも上となるような位置まで押し上げると、外方に押し広げられるように弾性変形していた弾性片29dの、弾性変形から復元しようとする復元力により、拘束部29tがフィルタ30の側へと移動して、拘束部29tがフィルタフランジ32fの下方に位置づけられる。これにより、拘束部29tがフィルタフランジ32fの下方からフィルタフランジ32fを係止し、フィルタ30が支持される状態となる。
このようにして、フィルタ30は、ロック部材29によって、筐体21内に、着脱可能に支持されている。
【0027】
図5に示すように、吸込部50は、天井4に設けられ、ファンフィルタユニット20内に室内Rの空気を取り込む。吸込部50内には、ファンフィルタユニット20内に取り込まれる室内Rの空気が通過する。吸込部50は、筐体21に形成された吸込口51と、カバー52とを備えている。
カバー52は、吸込口51及び天井開口4hを、下方から覆うように設けられている。カバー52は、下方から見て矩形の板状で、上下に貫通する多数のパンチング孔(図示無し)が形成されている。カバー52は、下部フランジ21fに連結されたカバー基部52aと、カバー基部52aに回動自在に連結されたカバー開閉部52bと、を備えている。カバー基部52aは、天井開口4hの一辺に沿って延び、天井4の下面に沿うよう設けられている。カバー開閉部52bは、カバー基部52aにヒンジ(図示無し)を介して回動可能に連結されている。カバー開閉部52bは、カバー基部52a側を中心として、下方の室内R側に向けて、片開きに開閉可能に構成されている。カバー開閉部52bは、工具を用いずに手作業で回転可能なローレットビス53により、カバー基部52aが設けられた側と反対側の下部フランジ21fに連結されている。
【0028】
図2図4に示されるように、筐体21の上部には、ファン40の作動により室内Rから筐体21内に取り込まれた空気を筐体21の外部に排出する排出口61が形成されている。本実施形態において、排出口61は、筐体21の二つの側壁21sから外方に延びるように形成されている。
排出部60は、ファンフィルタユニット20からフィルタ30を経た空気を排出する。図1に示されるように、排出部60は、排気ダクト65と、循環ダクト67と、を備えている。排気ダクト65は、一方の排出口61に接続され、ファンフィルタユニット20から排出される空気を屋外に排出する。循環ダクト67は、他方の排出口61に接続され、ファンフィルタユニット20から排出される空気を室内Rに循環させる。
排出口61の各々の内部には、排出口61内の流路を開閉するダンパ62が設けられている。ダンパ62を開閉することで、排気ダクト65及び循環ダクト67に送り込む空気の量が調整される。
室内Rの天井4や壁5には、排気ダクト65から屋外に排出された空気と同量の、外気、又は予め浄化処理された清浄な空気を、外部(屋外や廊下等)から室内Rに導入する吸気口(図示無し)が形成されている。
循環ダクト67は、天井4に設けられた吹出部70に接続されている。吹出部70は、循環ダクト67を介して循環される空気を室内Rに吹き出す。吹出部70は、室内Rを第一側R1と第二側R2とに仕切るよう、空気を上方から下方に向けてエアカーテン状の気流Afとして吹き出す。このような気流Afにより、室内Rを第一側R1と第二側R2とに仕切ることができる。例えば、室内Rが診察室等として用いられる場合には、感染者等の患者Hpの上方に吸込部50を設けるようにしたうえで、第一側R1に医療従事者Hdが位置し、第二側R2に感染者等の患者Hpが位置するように気流Afが吹き出される位置に、吹出部70を配置するのが好ましい。
【0029】
このようなエアロゾル感染防止システム10においては、ファン40を作動させることにより、室内Rの空気が、カバー52のパンチング孔を通り、吸込部50の吸込口51からファンフィルタユニット20の筐体21内に吸い込まれる。ここで、吸込部50が、天井4に設けられているので、感染者の呼気に多く含まれ、人体発熱等により生じる上昇気流にのって上昇する感染性エアロゾルは、室内Rの空気に含まれて、室内Rの空気とともに、効率良く吸込部50から吸い込まれる。フィルタ30の外側は、区画部28とフィルタフランジ32fによって区画されているため、吸込部50から吸い込まれた室内Rの空気は、フィルタ30の外側を通り得ず、フィルタ30のフィルタメディア31を通過する。これにより、室内Rの空気に含まれる感染性エアロゾルが捕捉される。フィルタ30を通過し、感染性エアロゾルが所定の基準以下のレベルに除去された空気は、ファンフィルタユニット20から排出部60により排出される。
ファンフィルタユニット20から排出される空気は、ダンパ62を適宜開閉操作することで、全量を、排気ダクト65を通して屋外に排出するモードと、一部を、排気ダクト65を通して屋外に排出し、残部を、循環ダクト67を通して吹出部70から室内Rに循環させるモード、及び、フィルタ30を経た空気の全量を、循環ダクト67を通して室内Rに循環させるモードとを、切替可能となっている。
ここで、ファン40の作動は、室内Rに設けられたリモートコントローラ(図示無し)によって遠隔操作可能となっている。
室内Rから排気ダクト65を介して屋外に空気が排出される場合においては、それに相当する量の空気が、例えば図1に矢印Ahとして示されるように、診察室に隣接する廊下H等の共用部から供給される。
【0030】
次に、上記したようなファンフィルタユニット20において、フィルタ30を交換する際の、フィルタ30の取り外し方法について説明する。
図7Aは、本発明の実施形態に係るフィルタの取り外し方法の手順を示す図であり、カバーを開いた状態を示す断面図である。図7Bは、図7Aのようにカバーを開いた状態で、下方から見えるフィルタの下面図である。図8Aは、フィルタの下面に粘着テープを貼り付けた状態を示す断面図である。図8Bは、図8Aの状態におけるフィルタの下面図である。図9Aは、フィルタの下面を被覆材で覆った状態を示す断面図である。図9Bは、図9Aの状態におけるフィルタの下面図である。図10は、フィルタを取り外した状態を示す断面図である。図11は、取り外したフィルタを、ビニール袋に収納した状態を示す図である。
図7Aに示すように、フィルタ30を取り外すには、まず、室内R側から、カバー52のカバー開閉部52bを開く。これには、ローレットビス53(図5参照)を手で回転させて、下部フランジ21fとの連結を解除する。次いでカバー開閉部52bを下方に開く。このとき、カバー開閉部52bは、カバー基部52aにヒンジを介して連結されているので、カバー開閉部52bを取り外して下方の床に置く等の作業が不要である。これにより、フィルタ30が下方に向けて露出される。
【0031】
次に、図8A図8Bに示すように、フィルタ30のフィルタフランジ32fの下面に、室内R側から、例えばブチルテープ等の粘着テープ100を貼り付ける。粘着テープ100は、フィルタメディア31の周囲を囲うように貼り付ける。続いて、図9A図9Bに示すように、矩形状のビニールシート等の被覆材101の外周部を、粘着テープ100に貼り付けることで、被覆材101をフィルタ30に取り付ける。図9Bにおいては、貼り付けられた被覆材101を通して、奥側に位置するフィルタメディア31や粘着テープ100が視認されるように図示されている。この被覆材101により、感染性エアロゾルが付着している可能性のある、フィルタメディア31の下面側が室内R側から覆われるので、交換作業中に感染性エアロゾルがフィルタメディア31から脱落して室内Rに飛散したり、作業者が感染性エアロゾルに接触したりすることが抑制される。
なお、外周部に粘着テープ100が貼り付けられた被覆材101を予め用意しておき、粘着テープ100をフィルタフランジ32fの下面に貼り付けることで、被覆材101でフィルタ30の下面側を覆うようにしてもよい。
【0032】
その後、各ロック部材29の拘束解除操作部29sを外側に向かって押圧し、拘束部29tによるフィルタ30の係止を解除する。このとき、ロック部材29は、工具等を用いずに手で容易に操作可能である。フィルタ30の係止を解除すると、フィルタ30が、下方から支持されなくなる。作業者は、この状態から、図10に示すように、フィルタ30を区画部28の開口部28hから下方に引き出すことで、被覆材101により下面側が覆われたフィルタ30を筐体21から取り外す。図11に示すように、取り外したフィルタ30は、ビニール袋102内に収めた後に密封し、室内Rから搬出し、所定の処理方法で廃棄処理する。
また、新たなフィルタ30を、フィルタ30を取り外すときと逆の手順で、ファンフィルタユニット20に装着する。より詳細には、新しいフィルタ30を区画部28の開口部28hに位置づけて、上方へと移動させる。フィルタ30を、その下面が拘束部29tよりも上となるような位置まで押し上げると、拘束部29tがフィルタフランジ32fの下方からフィルタフランジ32fを係止し、フィルタ30がロック部材29に支持される。その後、カバー開閉部52bを閉じて、ローレットビス53を回転させ、下部フランジ21fと連結させる。
以上の操作により、フィルタ30の交換作業が完了する。
【0033】
上述したようなファンフィルタユニットを用いたエアロゾル感染防止システム10は、室内Rの天井4に埋め込まれた筐体21、筐体21内に設けられ、室内Rの空気を吸い込むためのファン40、及びファン40よりも筐体21内の室内R側に設けられて、空気に含まれる感染性エアロゾルを捕捉する交換可能なフィルタ30、を備えたファンフィルタユニット20と、天井4に設けられ、ファンフィルタユニット20内に取り込まれる室内Rの空気が通過する吸込部50と、ファンフィルタユニット20からフィルタ30を経た空気を排出する排出部60と、を備え、ファンフィルタユニット20を用いて室内Rの気流を制御する。
このような構成によれば、ファン40の作動により、室内Rの空気は、吸込部50からファンフィルタユニット20に吸い込まれて、ファン40よりも室内R側に設けられたフィルタ30を通過する。フィルタ30により、室内Rの空気に含まれる感染性エアロゾルが捕捉される。フィルタ30を通過した空気は、ファンフィルタユニット20から排出部60により排出される。
このようなエアロゾル感染防止システム10においては、ファンフィルタユニット20が天井4に埋め込まれているため、設置するに際し、室内Rに設置された什器等と干渉しない。したがって、設置自由度が高まり、感染性エアロゾルが多いと考えられる場所の付近に設けて、効率的に感染性エアロゾルを補足することができる可能性が高まる。
特に、感染性エアロゾルは、感染症の感染者の呼気に多く含まれ、人体発熱等により生じる上昇気流にのって、室内Rで天井4に向けて上昇する。上記のように、ファンフィルタユニット20が、天井4に埋め込まれ、なおかつ吸込部50が天井4に設けられているため、天井4に向けて上昇した感染性エアロゾルを効率良くファンフィルタユニット20内に吸い込むことができる。
更に、ファンフィルタユニット20は天井4に設けられるため、既に説明したように、設置位置が大きくは限定されない。このため、例えば感染症の感染者の直上等、効果的に感染性エアロゾルを補足することができるような位置に、ファンフィルタユニット20を設置することができる。
このようにして、効率的に感染性エアロゾルへの対策を図ることが可能となる。
【0034】
特に、本実施形態のエアロゾル感染防止システム10においては、ファン40とフィルタ30が一つの筐体21内に一体として実現されたファンフィルタユニット20を使用しているため、例えばファンやフィルタを、天井4に、個別の装置として設置するような場合に比べると、設置が容易となり、全体的な導入コストを抑えることができる。
また、ファンフィルタユニット20は天井4に埋め込まれるため、設置に際し、室内Rを占有することがない。
【0035】
また、排出部60は、ファンフィルタユニット20から排出される空気を屋外に排出する排気ダクト65と、ファンフィルタユニット20から排出される空気を室内Rに循環させる循環ダクト67と、排気ダクト65及び循環ダクト67に送り込む空気の量を調整するダンパ62を、備える。
このような構成によれば、ダンパ62により、排気ダクト65及び循環ダクト67に送り込む空気の量を調整することで、フィルタ30を経た空気の全量を、排気ダクト65を通して屋外に排出したり、フィルタ30を経た空気の一部を屋外に排出しつつ、浄化された残部を室内Rに循環させたりすることが可能となる。
【0036】
感染性エアロゾル対策という観点においては、フィルタ30を経た空気の全量を、排気ダクト65を通して屋外に排出するのが、本来であれば望ましい。しかし、この場合においては、排気量に相当する量の、外部から室内Rへの給気が必要となるため、多くのエネルギーが必要である。
したがって、例えば、エネルギーを抑えたいような場合においては、フィルタ30を経た空気の一部を屋外に排出しつつ、残部を室内Rに循環させるように運用することができる。
このように、上記のような構成においては、消費するエネルギーと、感染性エアロゾル対策の効率性との、バランスをとるような運用が可能となる。
【0037】
また、循環ダクト67を介して循環される空気を室内Rに吹き出す吹出部70が天井4に設けられ、吹出部70は、室内Rを第一側R1と第二側R2とに仕切るよう、空気を上方から下方に向けてエアカーテン状に吹き出す。
このような構成によれば、フィルタ30を経た空気を、天井4に設けた吹出部70から下方に向けてエアカーテン状に吹き出すことによって、室内Rを、第一側R1と第二側R2とに、空気により緩やかに、仕切ることができる。このような吹出部70を、室内Rの適切な位置に設けて、第一側R1と第二側R2の一方に感染症の感染者を、他方に感染症の感染者に関わる人を、それぞれ位置せしめることで、感染症の感染者に関わる人に、感染者から、感染性エアロゾルが直接、到達することが抑えられる。
【0038】
また、ファンフィルタユニット20は、フィルタ30を下方から係止することで、フィルタ30を筐体21の内部に支持された状態に拘束する拘束部29tと、拘束部29tによるフィルタ30への係止を解除する拘束解除操作部29sと、を有したロック部材29を備える。
このような構成によれば、ロック部材29の拘束部29tによってフィルタ30を下方から係止することで、フィルタ30を筐体21の内部に支持された状態に拘束することができる。また、拘束解除操作部29sを操作して、拘束部29tによるフィルタ30の下方からの係止を解除することにより、フィルタ30を筐体21の内部から取り外すことができる。したがって、フィルタ30の交換作業を容易かつ効率的に行うことができる。
このように、簡単な操作によって、フィルタ30の交換作業を行うことができるため、交換時に、作業者のフィルタ30への接触機会を低減することができる。これにより、フィルタ30に付着した感染性エアロゾルによる、作業者の感染が低減され、結果として、効率的に感染性エアロゾルへの対策を図ることができる。
【0039】
また、ロック部材29は、筐体21の内周面21gに固定された基端部29bと、基端部29bから筐体21の内方に向けて延びる延出部21cと、延出部21cの先端から下方に延び、筐体21の内外方向に弾性変形可能な弾性片29dと、を備え、拘束部29tは、弾性片29dに、筐体21の内方に向けて突出するように形成され、拘束解除操作部29sは、弾性片29dの、拘束部29tよりも下方形成され、拘束解除操作部29sを筐体21の外方に向けて押圧し、弾性片29dを外方に向けて弾性変形させることで、拘束部29tによるフィルタ30への係止が解除される。
このような構成によれば、拘束解除操作部29sを筐体21の外方に向けて押圧し、弾性片29dを外方に向けて弾性変形させることで、拘束部29tによるフィルタ30の係止が解除される。すると、フィルタ30の固定が解除されるため、フィルタ30を筐体21の内部から取り外すことができる。
このように、簡単な操作によって、フィルタ30を筐体21の内部から取り外すことができるため、交換時に、作業者のフィルタ30への接触機会を低減することができる。これにより、フィルタ30に付着した感染性エアロゾルによる、作業者の感染が低減され、結果として、効率的に感染性エアロゾルへの対策を図ることができる。
【0040】
また、筐体21の内周面21gとフィルタ30の外周部との間を塞ぐように、筐体21の内周面21gに接合して設けられ、筐体21内におけるフィルタ30の吸込側の空間部S1とフィルタ30の排出側の空間部S2とを区画する区画部28を備え、区画部28は、フィルタ30の下側の高さに設けられている。
このような構成によれば、区画部28が、筐体21の内周面21gとフィルタ30の外周部との間を塞ぎ、筐体21内におけるフィルタ30の吸込側の空間部S1と、フィルタ30の排出側の空間部S2とを区画する。このような区画部28が、フィルタ30の下側の高さに設けられているため、図12に示されるように、ファンフィルタユニット20における感染性エアロゾルによって汚染される領域Dを、フィルタ30の下側よりも下方の小さい範囲に抑え、筐体21の内部にまで、汚染された空気が侵入しない構成とすることができる。
【0041】
また、フィルタ30は、室内Rの空気が通過し、空気に含まれる感染性エアロゾルを捕捉するフィルタメディア31と、フィルタメディア31の外周部を囲うように形成された枠材32と、を備え、枠材32の外周部には、上方に向かって開口し、枠材32の全周にわたって連続する溝状部32mが形成され、溝状部32mの内側には、シール部材33が設けられ、区画部28には、フィルタ30を収容する開口部28hが形成され、開口部28hの周縁部には、開口部28hの全周にわたって、下方に向けて突出するリブ28rが形成され、リブ28rがシール部材33に密着することで、吸込側の空間部S1と排出側の空間部S2とが区画されている。
このような構成によれば、フィルタ30の外側の、全周にわたって、筐体21の内周面21gに設けられた区画部28のリブ28rが、フィルタ30の枠材32の外周部に設けられたシール部材33に密着することで、区画部28と、フィルタ30の枠材32との間がシールされている。これにより、区画部28と枠材32との隙間を通して、フィルタ30の排出側の空間部S2に感染性エアロゾルが侵入し、フィルタ30の排出側の空間部S2が感染性エアロゾルによって汚染されることが抑えられる。
【0042】
また、上述したようなフィルタ30の取り外し方法は、上記のようなエアロゾル感染防止システム10におけるフィルタ30の取り外し方法であって、室内R側から、吸込部50を覆うカバーを開き、フィルタ30を露出させることと、室内R側から、フィルタ30の下面側を覆う被覆材101をフィルタ30に取り付けることと、被覆材101により下面側が覆われたフィルタ30を筐体21から取り外すことと、を含む。
このような構成によれば、室内R側に露出させたフィルタ30の下面側を被覆材101で覆うことで、フィルタ30の交換作業を行う際に、作業者が不用意にフィルタ30に触れてしまうのを抑えることができる。このようにして、フィルタ30の取り外し作業の際における作業者の感染が低減され、結果として、効率的に感染性エアロゾルへの対策を図ることができる。
【0043】
また、本発明のファンフィルタユニット20は、室内Rの天井4に埋め込まれる筐体21、筐体21内に設けられ、室内Rの空気を吸い込むためのファン40、及びファン40よりも筐体21内の室内R側に設けられて、空気に含まれる感染性エアロゾルを捕捉する交換可能なフィルタ30、を備えた感染性エアロゾル対策用のファンフィルタユニット20であって、フィルタ30を下方から係止することで、フィルタ30を筐体21の内部に支持された状態に拘束する拘束部29tと、拘束部29tによるフィルタ30への係止を解除する拘束解除操作部29sと、を有したロック部材29を備える。
このような構成によれば、ロック部材29の拘束部29tによってフィルタ30を下方から係止することで、フィルタ30を筐体21の内部に支持された状態に拘束することができる。また、拘束解除操作部29sを操作して、拘束部29tによるフィルタ30の下方からの係止を解除することにより、フィルタ30を筐体21の内部から取り外すことができる。したがって、フィルタ30の交換作業を容易かつ効率的に行うことができる。
このように、簡単な操作によって、フィルタ30の交換作業を行うことができるため、交換時に、作業者のフィルタ30への接触機会を低減することができる。これにより、フィルタ30に付着した感染性エアロゾルによる、作業者の感染が低減され、結果として、効率的に感染性エアロゾルへの対策を図ることができる。
【0044】
上記のようなエアロゾル感染防止システム10は、設置対象の建物の施工時に構築することが、もちろん可能である。また、建物の施工後に、建物の運用をいったん開始した後であっても、エアロゾル感染防止システム10を構築することが可能である。いずれの場合であっても、エアロゾル感染防止システム10を構築するとともに、ファンフィルタユニット20の近傍に適切な大きさの点検口を開設することにより、容易に導入することができる。
【0045】
(実施形態の変形例)
なお、本発明のエアロゾル感染防止システム10は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、ファンフィルタユニット20において、フィルタ30の上方にファン40が配置され、平面視でフィルタ30とファン40とが重なる位置に配置されている構成としたが、これに限らない。
図13図14に示すように、本変形例における、エアロゾル感染防止システム10のファンフィルタユニット20Bは、筐体91と、フィルタ30と、ファン40と、を主に備えている。
筐体91は、平面視で長方形状をなしている。筐体91の長手方向の一端側には、吸込部50、フィルタ30が設けられている。ファン40は、筐体91の長手方向の他端側に配置されている。このようにして、ファンフィルタユニット20Bにおいては、フィルタ30と、ファン40とが、平面視で異なる位置に配置されている。筐体91内には、フィルタ30とファン40との間に、フィルタ30を経た空気をファン40に送り込む中間流路部95が形成されている。中間流路部95には、途中に、屈曲部97等が適宜形成されている。
筐体91の内側表面や、中間流路部95を形成する壁面の各々には、図13に破線で示されるように、上記実施形態と同様に消音材22が設けられている。
【0046】
このように、本変形例のファンフィルタユニット20Bにおいては、フィルタ30と、ファン40とが、平面視で異なる位置に配置され、フィルタ30とファン40との間に、フィルタ30を経た空気をファン40に送り込む中間流路部95が形成されている。
このような構成によれば、フィルタ30とファン40とを平面視で異なる位置に配置しているので、ファン30の動作音が直接室内Rへ伝達されるのが抑制される。また、フィルタ30とファン40との間に中間流路部95を形成することで、ファン40と吸込部50の間の経路が長くなるため、ファン30の動作音が中間流路部95で反射、回折して吸込部50へと伝わりにくくなる。これらが相乗して、室内Rへ伝達されるファン30の動作音を抑えることができる。
【0047】
また、フィルタ30とファン40とを上下に配置する構成に比較し、ファンフィルタユニット20Bの高さを抑えることができるため、天井裏スペースの高さが少ない場合であっても、ファンフィルタユニット20Bを設置することが可能となる。
【0048】
(その他の変形例)
また、上記実施形態では、ロック部材29の構成について説明したが、例えば、ロック部材29をフィルタ30側に備えるようにしてもよい。また、同様の機能を有するのであれば、弾性片29dを有するロック部材29に代えて、適宜他の構成のロック部材29を用いるようにしてもよい。この場合も、作業の容易性を確保するため、工具を用いずに手作業でフィルタ30の着脱が行えるようにするのが好ましい。
また、上記実施形態では、循環ダクト67、吹出部70を通して、フィルタ30を経た空気の一部を室内Rに循環させるようにしたが、循環ダクト67、吹出部70を廃した構成とし、フィルタ30を経た空気の全部を屋外に排出するようにしてもよい。また、フィルタ30を経た空気の全量を、循環ダクト67を通して室内Rに循環させるようにしてもよい。
また、循環ダクト67、吹出部70を通して、フィルタ30を経た空気を室内Rに循環させる場合、吹出部70を室内Rの天井4の複数個所に設けるようにしてもよい。
また、吹出部70の設置場所は、適宜変更することが可能であり、例えば、室内Rへの出入口等に設けるようにしてもよい。
また、室内Rの用途は、感染者の診察等を行う診察室に限らず、感染者が収容される病室であってもよい。さらに、エアロゾル感染防止システム10は、医療関連施設に限らず、感染症に感染した可能性のある利用者が立ち入る、店舗、施設等に設置してもよい。例えば、店舗や施設の利用者と、店員等とが対面する、ロビー内のカウンター、テーブル等の上方の天井4に吹出部70を設けて、店員と利用者を仕切るようなエアカーテン状の気流を形成するように、エアロゾル感染防止システム10を設置してもよい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0049】
4 天井 32m 溝状部
10 エアロゾル感染防止システム 33 シール部材
20、20B ファンフィルタユニット 40 ファン
21、91 筐体 50 吸込部
21g 内周面 52 カバー
28 区画部 60 排出部
28h 開口部 62 ダンパ
28r リブ 65 排気ダクト
29 ロック部材 67 循環ダクト
29b 基端部 70 吹出部
29c 延出部 95 中間流路部
29d 弾性片 101 被覆材
29s 拘束解除操作部 R 室内
29t 拘束部 R1 第一側
30 フィルタ R2 第二側
31 フィルタメディア S1 吸込側の空間部
32 枠材 S2 排出側の空間部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
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図14