(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102325
(43)【公開日】2023-07-25
(54)【発明の名称】マッサージ装置、及び、マッサージユニット
(51)【国際特許分類】
A61H 1/02 20060101AFI20230718BHJP
【FI】
A61H1/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002715
(22)【出願日】2022-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】000112406
【氏名又は名称】ファミリーイナダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111567
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 寛
(72)【発明者】
【氏名】稲田 二千武
【テーマコード(参考)】
4C046
【Fターム(参考)】
4C046AA09
4C046AA46
4C046BB01
4C046CC12
4C046DD02
4C046DD03
4C046DD15
4C046DD42
4C046EE06
4C046EE10
4C046EE24
4C046EE32
4C046FF22
4C046FF25
(57)【要約】
【課題】ストレッチ効果のあるマッサージを提供し得るマッサージ装置を提供する。
【解決手段】マッサージ装置100は、身体の一部である身体部位を支持する身体支持面と、身体支持面の一部を構成し、身体部位の第1部分が載置される第1面21と、身体部位の第2部分が載置される第2面22と、を有する面部材20と、モータMと、第2面を、モータの駆動によって第1面に対して相対的に動作させることによって、面部材を変形させる駆動機構と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の一部である身体部位を支持する身体支持面と、
前記身体支持面の一部を構成し、前記身体部位の第1部分が載置される第1面と、前記身体部位の第2部分が載置される第2面と、を有する面部材と、
モータと、
前記第2面を、前記モータの駆動によって前記第1面に対して相対的に動作させることによって、前記面部材を変形させる駆動機構と、を備える
マッサージ装置。
【請求項2】
前記身体支持面は座部であり、
前記第1面は前記身体部位の臀部が載置される部材であり、
前記第2面は前記身体部位の太ももが載置される部材である
請求項1に記載のマッサージ装置。
【請求項3】
前記面部材の上面に設置された押圧部材をさらに備え、
前記押圧部材は、
前記第1面の上面に設置された第1押圧部材と、
前記第2面の上面に接して設置された第2押圧部材と、を含む
請求項1又は2に記載のマッサージ装置。
【請求項4】
前記面部材は右用支持面と左用支持面とを含み、
前記駆動機構は、前記モータの駆動を受けて、前記右用支持面の前記第2面と前記左用支持面の前記第2面とをタイミングを異ならせて動作させる
請求項1~3のいずれか一項に記載のマッサージ装置。
【請求項5】
前記第2面の動作は、前記第2面に交差する第1方向の成分と、前記第2面に沿った第2方向の成分と、を有する
請求項1~4のいずれか一項に記載のマッサージ装置。
【請求項6】
前記駆動機構は、
前記モータの駆動を、前記第2面に交差する第1方向の成分に変換して前記第2面に伝える偏心カムと、
前記第2面の前記第1面側の端部を、前記第1方向への移動を不可とし、前記偏心カムの回転軸に平行な軸に対して回転可能に固定する固定部材と、を含む
請求項1~5のいずれか一項に記載のマッサージ装置。
【請求項7】
前記駆動機構を制御するコントローラをさらに備え、
前記コントローラは、
前記第2面の動作の終了時に、前記第2面を前記第1面に対する初期位置とする、よう構成されている
請求項1~6のいずれか一項に記載のマッサージ装置。
【請求項8】
身体を押圧する押圧部材と、
モータの駆動を受けて前記押圧部材を動作させる面部材と、
前記モータの駆動を、前記押圧部材による押圧方向の成分に変換して前記面部材に伝える偏心カムと、
前記面部材の一辺を、前記押圧方向への移動を不可とし、前記偏心カムの回転軸に平行な軸に対して回転可能に固定する固定部材と、を含む
マッサージユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マッサージ装置、及び、マッサージユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2005-313004号公報(以下、特許文献1)は、座部に空気式のマッサージ具が設けられている椅子型マッサージ機を開示している。この椅子型マッサージ機では、マッサージ具は、空気圧によって伸縮動作し、使用者の太ももを押圧するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
臀部から太ももなど、身体部位の一部には、ストレッチによるマッサージが効果的な場合もある。例えば、太ももの裏には、ハムストリングスなどとも呼ばれる大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋などの筋肉があり、これら筋肉のストレッチが有効であることが知られている。本開示では、ストレッチ効果のあるマッサージを提供し得るマッサージ装置、及び、マッサージユニットを提供することを目的とする。
【0005】
ある実施の形態に従うと、マッサージ装置は、身体の一部である身体部位を支持する身体支持面と、身体支持面の一部を構成し、身体部位の第1部分が載置される第1面と、身体部位の第2部分が載置される第2面と、を有する面部材と、モータと、第2面を、モータの駆動によって第1面に対して相対的に動作させることによって、面部材を変形させる駆動機構と、を備える。
【0006】
ある実施の形態に従うと、マッサージユニットは、身体を押圧する押圧部材と、モータの駆動を受けて押圧部材を動作させる面部材と、モータの駆動を、押圧部材による押圧方向の成分に変換して面部材に伝える偏心カムと、面部材の一辺を、押圧方向への移動を不可とし、偏心カムの回転軸に平行な軸に対して回転可能に固定する固定部材と、を含む。
【0007】
更なる詳細は、後述の実施形態として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態に係るマッサージ装置の概略構成図である。
【
図2】
図2は、マッサージ装置に備えられる太ももマッサージユニットの概略構造を表した図である。
【
図3】
図3は、太ももマッサージユニットを左側から見た概略図である。
【
図4】
図4は、太ももマッサージユニットの第2面の動きを説明するための概略図である。
【
図5】
図5は、太ももマッサージユニットの第2面の動きを説明するための概略図である。
【
図6】
図6は、マッサージ装置の機能ブロック図である。
【
図7】
図7は、マッサージ装置での動作の一例を表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<1.マッサージ装置、及び、マッサージユニットの概要>
【0010】
(1)実施の形態に係るマッサージ装置は、身体の一部である身体部位を支持する身体支持面と、身体支持面の一部を構成し、身体部位の第1部分が載置される第1面と、身体部位の第2部分が載置される第2面と、を有する面部材と、モータと、第2面を、モータの駆動によって第1面に対して相対的に動作させることによって、面部材を変形させる駆動機構と、を備える。
【0011】
第2面を、モータの駆動によって第1面に対して相対的に動作させることによって、マッサージ装置では、第1部分に対して第2部分の位置を変化させるよう動作する。その動作により、マッサージ装置では、第2部分を第1部分に対してストレッチさせることができる。その結果、第2部分に対してストレッチ効果のあるマッサージを行うことができる。
【0012】
(2)好ましくは、身体支持面は座部であり、第1面は身体部位の臀部が載置される部材であり、第2面は身体部位の太ももが載置される部材である。これにより、太ももに対してストレッチ効果のあるマッサージを行うことができる。
【0013】
(3)好ましくは、マッサージ装置は、面部材の上面に設置された押圧部材をさらに備え、押圧部材は、第1面の上面に設置された第1押圧部材と、第2面の上面に接して設置された第2押圧部材と、を含む。第1押圧部材,第2押圧部材によって、それぞれ、第1部分及び第2部分に、さらに、押圧によるマッサージを行うことができるとともに、第1部分と第2部分とに異なるマッサージを行うことができる。
【0014】
(4)好ましくは、面部材は右用支持面と左用支持面とを含み、駆動機構は、モータの駆動を受けて、右用支持面の第2面と左用支持面の第2面とをタイミングを異ならせて動作させる。これにより、身体部位の右側と左側とに異なるタイミングでのストレッチ効果のあるマッサージを行うことができる。
【0015】
(5)好ましくは、第2面の動作は、第2面に交差する第1方向の成分と、第2面に沿った第2方向の成分と、を有する。第1方向の成分と第2方向の成分とを有することで、第2面は、例えば先端が円弧を描くような自然なマッサージ動作を行うことができる。これにより、第2部分に対してストレッチ効果のあるマッサージを行うことができる。
【0016】
(6)好ましくは、駆動機構は、モータの駆動を、第2面に交差する第1方向の成分に変換して第2面に伝える偏心カムと、第2面の第1面側の端部を、第1方向への移動を不可とし、偏心カムの回転軸に平行な軸に対して回転可能に固定する固定部材と、を含む。これにより、第2面は、例えば、第2面に交差する第1方向の成分と、第2面に沿った第2方向の成分と、を有するような動作を行うようになる。その結果、自然なマッサージ動作を行うことができる。
【0017】
(7)好ましくは、マッサージ装置は、駆動機構を制御するコントローラをさらに備え、コントローラは、第2面の動作の終了時に、第2面を第1面に対する初期位置とする、よう構成されている。初期位置は、例えば、第2面が第1面と高さがそろう位置などとすることができる。これにより、マッサージ動作の終了時に、ユーザがマッサージ装置から離れやすい状態とすることができる。
【0018】
(8)実施の形態に係るマッサージユニットは、身体を押圧する押圧部材と、モータの駆動を受けて押圧部材を動作させる面部材と、モータの駆動を、押圧部材による押圧方向の成分に変換して面部材に伝える偏心カムと、面部材の一辺を、押圧方向への移動を不可とし、偏心カムの回転軸に平行な軸に対して回転可能に固定する固定部材と、を含む。
【0019】
第2面を、モータの駆動によって第1面に対して相対的に動作させることによって、マッサージ装置では、第1部分に対して第2部分の位置を変化させるよう動作する。その動作により、マッサージ装置では、第2部分を第1部分に対してストレッチさせることができる。その結果、第2部分に対してストレッチ効果のあるマッサージを行うことができる。
【0020】
<2.マッサージ装置、及び、マッサージユニットの例>
【0021】
図1は、本実施の形態に係るマッサージ装置100の概略構成図である。マッサージ装置100は、ユーザの身体に刺激を与えることによってマッサージを提供する装置であって、一例として、ユーザが着座して用いるチェア型、つまり、マッサージチェアであってよい。以降の例では、マッサージ装置100はマッサージチェアとする。以降の説明において、左右、上下、及び前後は、マッサージ装置100に着座したユーザから見た左右、上下、及び前後を指す。
【0022】
図1を参照して、マッサージ装置100は、主として、ユーザが着座する座部2と、座部2の後部にリクライニング可能に設けられたユーザが凭れる背凭れ部3と、座部2の前部に上下揺動可能に設けられたユーザの下肢を支持するフットレスト4と、背凭れ部3の上部前面に設けられたユーザの頭及び/又は首を支持する枕部5と、座部2の左右両側には肘掛け部6(アームレスト)と、背凭れ部3の左右両側には側壁部7と、を有している。
【0023】
座部2、背凭れ部3、フットレスト4、枕部5、肘掛け部6、及び側壁部7は、ユーザの身体の一部である身体部位を支持する身体支持部として機能する。座部2の上面、背凭れ部3のユーザ側の表面、肘掛け部6の上面などは、ユーザの身体の一部である身体部位を支持する身体支持面を構成する。
【0024】
身体支持部2~7の各所には、ユーザの身体に対するマッサージ動作を実行するための動作機構であるマッサージユニットが複数、設けられている。マッサージユニットは、駆動機構によって駆動され、身体支持部に支持された身体部位に押圧を伴うマッサージを行う。
【0025】
詳しくは、座部2には、主に太ももに対するマッサージ動作を実行するための太ももマッサージユニット2Aが設けられている。背凭れ部3には、主に、首から腰に対するマッサージ動作を実行するためのメカマッサージユニット8が設けられている。フットレスト4には、左右に、主にふくらはぎ、及び、足裏に対するマッサージ動作を実行するための足マッサージユニット4A,4Bが設けられている。肘掛け部6には、左右に、主に腕に対するマッサージ動作を実行するための腕マッサージユニット6A,6Bが設けられている。側壁部7には、左右に、主に肩から上腕側方の「肩ぐう」とも呼ばれる位置に対するマッサージ動作を実行するための肩マッサージユニット7A,7Bが設けられている。また、座部2の下方には、ポンプユニット9が設けられている。
【0026】
図2は、太ももマッサージユニット2Aの概略構造を表した図である。
図2は、太ももマッサージユニット2Aを左斜め上から見た図である。
図3は、太ももマッサージユニット2Aを、
図2の矢印Eに示される、左側から見た図である。
【0027】
図2を参照して、太ももマッサージユニット2Aは、身体支持面の一部を構成する面部材20を有する。面部材20は、ユーザの太もも及び臀部を支持するとともに、その一部がユーザの身体の一部を押圧することによってユーザの身体にマッサージを行う。太ももマッサージユニット2Aによる押圧方向A(第1方向)は、
図1~
図3において矢印で表された、上に向かう向きである。
【0028】
詳しくは、面部材20は、身体部位の第1部分が載置される第1面21と、身体部位の第2部分が載置される第2面22と、を有する。押圧方向Aは、第1面21及び第2面22に対して交差する方向である。
【0029】
第1部分は例えば臀部であって、第1面21は、ユーザの臀部が載置される部材である。第1面21は、第2面22の後方側に設けられている。そのため、第1面21に臀部が載置されると、第2面22には太ももが載置される。すなわち、第2部分は例えば太ももであって、第2面22は、ユーザの太ももが載置される部材である。面部材20が第1面21と第2面22とを有することによって、臀部と太ももとを異なる位置とするマッサージを行うことができる。
【0030】
面部材20は右用支持面と左用支持面とを含む。すなわち、第1面21は、右側に配置された右用第1面21Rと、左側に配置された左用第1面21Lとを含み、第2面22は、右側に配置された右用第2面22Rと、左側に配置された左用第2面22Lとを含む。右用第1面21Rはユーザの右臀部を支持し、左用第1面21Lはユーザの左臀部を支持する。右用第2面22Rはユーザの右太ももを支持し、左用第2面22Lはユーザの左太ももを支持する。これにより、各部を異なる位置とするマッサージを行うことができる。
【0031】
太ももマッサージユニット2Aは、動力源であるモータMと、モータMの駆動を受けて面部材20を動作させる駆動機構と、を有する。駆動機構は、モータMの駆動を伝播させる部材の一例として、ウォームギア28Aと、ウォームホイル28Bと、を含む。ウォームギア28Aは、モータMの回転軸に取り付けられている。モータMの回転軸の軸方向は、押圧方向Aと平行である。ウォームホイル28Bは、軸25R,25Lの軸方向が方向Bと平行になり、歯車がウォームギア28Aに直角に噛み合うように配置されている。方向Bは、第2面22に沿った方向であって、第2面22の左から右に向かう向きとする。これにより、モータMの回転方向が90°変換される。
【0032】
図2の例では、太ももマッサージユニット2Aの駆動源は1つのモータMとし、モータMの回転を右用第2面22R及び左用第2面22Lに伝えるものとする。この場合、ウォームホイル28Bの軸25R,25Lは、方向Bと平行に左右に長く、それぞれの端部が第2面22R,22Lの下方に位置している。端部には、それぞれ、モータMの回転を押圧方向Aの動作に変換する部材の一例として、偏心カム24R,24Lが取り付けられている。従って、偏心カム24R,24Lは、それぞれ、第2面22R,22Lの下方に位置している。
【0033】
他の例として、太ももマッサージユニット2Aは、駆動源として、右用第2面22R,左用第2面22Lそれぞれに回転を伝える2つのモータを有していてもよい。その場合、各モータは右用第2面22R,左用第2面22Lそれぞれに接続されて回転を伝えると共に、それぞれの回転が独立して制御される。これにより、右用第2面22R,左用第2面22Lの動作を独立して制御できる。
【0034】
偏心カム24R,24Lは、一例として、円板カムとする。偏心カム24R,24Lは、軸25R,25Lの回転に従って、軸25R,25Lとの接合部分を回転中心241R,241Lとして、方向Bに平行な軸を回転軸として回転する。回転中心241R,241Lは、それぞれ、円板カムの中心Оr,Ol(エル)から偏心して設けられている。これにより、偏心カム24R,24Lは、押圧方向Aに平行する面、つまり、第2面22に直角な面内において回転する。偏心カム24R,24Lの回転は、それぞれ、ボールベアリングなどのベアリングを介して駆動部材29R,29Lに伝えられる。
【0035】
駆動部材29R,29Lは、それぞれ、第2面22R,22Lの下面に接続されている。詳しくは、
図3を参照して、駆動部材29Lは接続部291Lを有し、第2面22Lの下面に設けられた接続部221Lと回転中心222Lに対して回転可能に接続されている。接続部291Lと接続部221Lとの接続によって、第2面22Lは、駆動部材29Lに対して方向Bに固定されている。
【0036】
好ましくは、接続部221Lは、第2面22Lの前方に近い位置に設けられている。より好ましくは、接続部221Lは、第2面22Lの前方の端部に設けられている。これにより、後述の動作において偏心カム24Lの動作が効率的に第2面22Lの動作に変換される。
【0037】
第2面22R,22Lは、それぞれ、支持部22Ra,22Laを有する。支持部22Ra,22Laは、それぞれ、第2面22R,22Lの後方の端部に設けられている。支持部22Ra,22Laは、それぞれ、後述する接続部271を介して固定部材27に支持されている。固定部材27は、第2面22R,22Lと接続する接続部271と、第2面22R,22Lを方向B及び方向C(第2方向)に移動不可に固定する固定部273と、を有する。方向Cは、第2面22に沿った方向であって、第2面22の前から後に向かう向きとする。
【0038】
第2面22R,22Lは、それぞれ、支持部22Ra,22Laによって、第2面22に直角な面内において、回転中心272を中心とした第2面22R,22Lの回転可能に接続部271と接続されている。なお、第1面21R,21Lは、図示されない固定部材によって、各方向への移動不可に固定されている。
【0039】
太ももマッサージユニット2Aは、面部材20の上面に配置された押圧部30を有する。押圧部30は、エアセル31,32を含み、ユーザの太もも及び臀部を押圧する。詳しくは、押圧部30は、カバー35内に配置された第1エアセル31、及び、第2エアセル32を含む。エアセル31,32は、エアの給排気により膨張収縮する空気袋であって、エアを給排気することでユーザの身体部位を押圧するための押圧部材の一例である。
【0040】
第1エアセル31は、カバー35内において第1面21の上面に設置される。詳しくは、第1エアセル31Rはカバー35内において第1面21Rの上面に設置され、第1エアセル31Lはカバー35内において第1面21Lの上面に設置される。第1面21は、第1エアセル31Lの反力を受ける。そのため、第1エアセル31Lは、押圧方向Aにユーザの臀部を押圧する。
【0041】
第1エアセル31は、カバー35内において第1面21の上面に設置された第1クッション材33に内包されている。これにより、ユーザの臀部には第1エアセル31による押圧力が第1クッション材33を介して伝えられる。そのため、ユーザの臀部に対して緩やかな押圧力を与えることができる。
【0042】
第2エアセル32は、カバー35内において第2面22の上面に設置される。詳しくは、第2エアセル32Rはカバー35内において第2面22Rの上面に設置され、第2エアセル32Lはカバー35内において第2面22Lの上面に設置される。第2面22は、第2エアセル32の反力を受ける。そのため、第2エアセル32は、押圧方向Aにユーザの太ももを押圧する。
【0043】
カバー35内において第2エアセル32の上面には、第2クッション材34が配置されている。そのため、第2エアセル32は、カバー35内において第2クッション材34の下側に配置されている。これにより、第2エアセル32には、第2面22の動きが伝わりやすくなる。その結果、第2エアセル32は、第2面22の動きと連動して動きやすくなり、ユーザの太ももに対して効果的なマッサージを行うことができる。
【0044】
面部材20の上面にエアセル31,32が配置されることによって、後述の面部材20の動作によりエアセル31,32がユーザの身体部位に押し付けられる方向に移動する。そのため、より強い押圧力をユーザの身体に与えることができる。
【0045】
第2面22は、モータMの駆動に従って第1面21に対して相対的に動作する。
図4及び
図5は、第2面22の動作を説明するための図である。
図4は、太ももマッサージユニット2Aを、
図2の矢印Eに示される、左側から見た図において、第2面22Lの動きを説明するための概略図である。
図5は、偏心カム24Lが基準位置(第1位置)から90°ずつ回転した状態の面部材20を左斜め上から見た図であって、押圧部30を省略して概略的に表した図である。
【0046】
図4及び
図5において、第1面(21L-1,21R-1)~(21L-4,21R-4)、及び、第2面(22L-1,22R-1)~(22L-4,22R-4)は、それぞれ、偏心カム24R,24Lの回転角度θが0°、90°、180°、270°であるときの第1面21及び第2面22の位置を表している。
【0047】
図4は、左用第2面22L-1,22L-2,22L-3,22L-4の位置関係を表した図であって、実線で示された左用第2面22L-1,22L-3に対して、左用第2面22L-2,22L-4を点線にて重ねて示した図である。
図4において、左用第2面22L-1,22L-2,22L-3,22L-4それぞれの外縁に位置する同一の点P1,P2,P3,P4が示されている。
【0048】
回転角度θは、円板カムの中心Оr,Olの、初期位置からの回転角度を表している。初期位置は、一例として、
図5の左上に表された状態とする。詳しくは、初期位置は、円板カムの中心Оrと回転中心241Rとを含む直線T1、及び、円板カムの中心Olと回転中心241Lとを含む直線T2が、いずれも方向Cと平行であり、回転中心241Rから中心Оrへの向きと、回転中心241Lから中心Olへの向きとが180°異なる、中心Оr,Olの回転中心241R,241Lに対する位置を指す。回転角度θは、円板カムの中心Оr,Olと回転中心241R,241Lとを含む直線が、それぞれ、直線T1,T2に対してなす角度を指す。
【0049】
偏心カム24R,24Lは、モータMの回転を受けて、第2面22R,22Lに直交する面内であって、第2面22内の押圧方向A及び方向Cの成分を有する回転動作を行う。偏心カム24R,24Lの回転動作は、ボールベアリングなどのベアリングを介して駆動部材29R,29Lに伝えられる。
【0050】
図4を参照して、駆動部材29Lは、固定部材27によって方向Cが固定されている第2面22Lに接続されていることによって、方向Cに平行な方向の移動が制約される。駆動部材29Lは、第2面22Lに対して第2面22に直交する面内において回転可能であるため、駆動部材29Lは、第2面22Lを上下に上げ下げする。その結果、第2面22Lは、押圧方向Aに略平行に上下動する。
【0051】
駆動機構によって、駆動部材29R,29Lに伝えられた偏心カム24R,24Lの回転が、第2面22R,22Lの押圧方向Aの動作に変換される。モータMの回転を受けて偏心カム24R,24Lが連続的に回転することによって、偏心カム24R,24Lの回転が、押圧方向Aへの動作、及び、押圧方向Aと逆向きの動作とに交互に変換される。そのため、第2面22R,22Lの動作は、それぞれ、支持部22La,22Raを支点として上下方向に往復する揺動動作となる。言い換えると、駆動機構は、モータMの回転を上下方向に往復する揺動動作に変換する変換機構として機能する。
【0052】
第2面22Lが、それぞれ、支持部22Laの回転中心272を支点として上下方向に往復する揺動動作を行うことにより、
図4の示されたように、回転角度θが0°から180°に変化するときには、点P1,P2,P1は第1軌跡L1で上下に変化し、回転角度θが180°から360°(0°)に変化するときには、点P1,P3,P1は第2軌跡L2で上下に変化する。
【0053】
一例として、回転角度θが0°であるときの第2面22R,22Lの位置を基準位置とする。基準位置は、
図5の例では、右用第2面22Rと左用第2面22Lとが、いずれも、第1面21R,21Lと一致した状態とする。
【0054】
回転角度θが0°から90°に変化するとき、右用第2面22Rは押圧方向Aと逆向きに移動する動作M1を行い、左用第2面22Lは押圧方向Aに移動する動作M2を行う。回転角度θが90°から180°に変化するとき、右用第2面22Rは押圧方向Aに移動する動作M3を行い、左用第2面22Lは押圧方向Aと逆向きに移動する動作M4を行う。回転角度θが180°から270°に変化するとき、右用第2面22Rは押圧方向Aに移動する動作M5を行い、左用第2面22Lは押圧方向Aと逆向きに移動する動作M6を行う。回転角度θが270°から0°に変化するとき、右用第2面22Rは押圧方向Aと逆向きに移動する動作M7を行い、左用第2面22Lは押圧方向Aに移動する動作M8を行う。このとき、第1面21は移動不可に固定されているので、第2面22は、第1面21に対して相対的に動作している。
【0055】
詳しくは、偏心カム24R,24Lが連続的に回転することによって、右用第2面22Rは押圧方向Aに平行な方向に右用第2面22R-1→右用第2面22R-2→右用第2面22R-3→右用第2面22R-4→右用第2面22R-1と変化するよう動作する。また、偏心カム24R,24Lが連続的に回転することによって、左用第2面22Lは押圧方向Aに平行な方向に左用第2面22L-1→左用第2面22L-2→左用第2面22L-3→左用第2面22L-4→左用第2面22L-1と変化するよう動作する。
【0056】
右用第2面22R-1→右用第2面22R-2→右用第2面22R-3→右用第2面22R-4→右用第2面22R-1、及び、左用第2面22L-1→左用第2面22L-2→左用第2面22L-3→左用第2面22L-4→左用第2面22L-1と変化する動作は、支持部22Ra,22Laの回転中心272を支点とした揺動運動である。すなわち、第2面22R,22Lは、第2面に交差する押圧方向Aに平行な方向の成分と、方向Cと平行な前後方向の成分と、を有する動作を行う。
【0057】
第1面21R,21Lが固定され、第2面22R,22Lが揺動動作を行うことによって、ユーザの臀部が固定された状態で、太ももに対する押圧状態、非押圧状態が繰り返される。そのため、ユーザの身体は、臀部が固定された状態で、太ももが臀部より上下に移動するようになる。これにより、太ももの裏側は臀部と同じ高さのときよりも伸びる。従って、太ももマッサージユニット2Aがこのような動作を行うことで、太ももに対してストレッチ効果のあるマッサージを提供することができる。
【0058】
偏心カム24R,24Lを、それぞれ、第2面22R,22Lに対して、回転中心241Rの円板カムの中心Оrに対する位置と、回転中心241Lの円板カムの中心Olに対する位置とが異なるよう接続することによって、偏心カム24Rと偏心カム24Lとの回転を異ならせることができる。その結果、第2面22R,22Lを、タイミングを異ならせて動作させることができる。
【0059】
図5の例では、直線T1と直線T2との向きが一致し、回転中心241Rから中心Оrへの向きと、回転中心241Lから中心Olへの向きとが180°異なることによって、右用第2面22Rと左用第2面22Lとは、上下方向に反対に動作する。これにより、ユーザの太ももは臀部に対して左右交互に持ち上げられる。そのため、ユーザは掛け足をするような自然な動作で太もものストレッチを行うことができる。
【0060】
図6は、マッサージ装置100の機能ブロック図である。
図6を参照して、マッサージ装置100は制御装置10を含む。制御装置10は、プロセッサ11とメモリ12とを有するコンピュータで構成される。プロセッサ11は各部に接続され、各部を制御する。プロセッサ11は、一部の機能が、後述するタブレット200に搭載されたプロセッサ(図示せず)によって実現されてもよい。
【0061】
メモリ12は、プログラム121を記憶している。プログラム121は、プロセッサ11にマッサージ装置100のマッサージ動作の制御を実行させるためのプログラムである。プロセッサ11は、後述するタブレット200からの操作信号に従ってプログラム121を実行する。これにより、プロセッサ11は、マッサージコントローラとして機能する。
【0062】
マッサージ装置100は、マッサージユニットである太ももマッサージユニット2Aを含む。太ももマッサージユニット2Aは、1又は複数のモータからなるモータMを有する。モータMは太ももマッサージユニット2Aにマッサージ動作を行わせるアクチュエータの一例であって、マッサージユニットを駆動させる駆動機構に含まれる。太ももマッサージユニット2Aは、モータMを駆動させる駆動回路41を含む。駆動回路41は、プロセッサ11からの制御信号に従ってモータMの駆動を制御する。
【0063】
太ももマッサージユニット2Aが、駆動源として、右用第2面22R,左用第2面22Lそれぞれに回転を伝える2つのモータを有している場合、太ももマッサージユニット2Aは、2つのモータそれぞれを駆動させる2つの駆動回路を含んでもよい。この場合、2つの駆動回路は、それぞれ、プロセッサ11からの制御信号に従って独立してモータを制御する。これにより、右用第2面22R,左用第2面22Lの動作が独立して制御される。例えば、右用第2面22R用のモータは正転、左用第2面22L右用のモータは反転させるなどによって、右用第2面22Rの動作と左用第2面22Lの動作とを様々に異ならせることができる。
【0064】
プロセッサ11は、一例として、ユーザの体型や凝り程度などの身体情報、タブレット200からの操作信号などに基づいて駆動回路41の駆動量を決定し、決定した駆動量でモータMの駆動を制御する。駆動量は、例えば、モータMの回転速度や駆動時間などである。これにより、ユーザの太ももに対して、ユーザの身体情報やユーザ操作に応じたマッサージを行うことができる。
【0065】
太ももマッサージユニット2Aは、駆動回路42~45を含む。駆動回路42~45は、それぞれ、エアセル31R,31L,32R,32Lに後述するポンプユニット9からのエアを給排気するための電磁弁を駆動させる。駆動回路42~45及び電磁弁は、太ももマッサージユニット2Aにマッサージ動作を行わせるアクチュエータの一例であって、マッサージユニットを駆動させる駆動機構に含まれる。駆動回路42~45は、プロセッサ11からの制御信号に従って電磁弁の開閉を制御する。これにより、エアセル31R,31L,32R,32Lへの給排気が制御される。
【0066】
太ももマッサージユニット2Aが駆動回路42~45を有することで、プロセッサ11は、エアセル31R,31L,32R,32Lを独立して駆動させることができる。その結果、プロセッサ11は、右用第2面22Rと左用第2面22Lとの揺動運動に対してエアセル1R,31L,32R,32Lの状態を様々にさせることができる。
【0067】
一例として、エアセル32R,32Lについて、プロセッサ11は、右用第2面22Rと左用第2面22Lとを動作させる際、すなわち、駆動回路41に動作させている際に、エアセル32R,32Lいずれに対しても給気を行わないように駆動回路44,45を制御してもよい。これにより、右用第2面22Rと左用第2面22Lとの揺動動作の際にエアセル32R,32Lは膨張しなくなる。その結果、右用第2面22R及び左用第2面22Lによる押圧力をユーザの太ももにダイレクトに与えることができる。
【0068】
他の例として、プロセッサ11は、右用第2面22Rと左用第2面22Lとを動作させる際、すなわち、駆動回路41に動作させている際に、エアセル32R,32Lに対して給気し、排気しないように駆動回路44,45を制御してもよい。これにより、右用第2面22Rと左用第2面22Lとの揺動動作の際にエアセル32R,32Lは膨張した状態となる。その結果、右用第2面22R及び左用第2面22Lによる押圧力をエアセル32R,32Lを介してユーザの太ももに与えることができ、ユーザに穏やかなマッサージを行うことができる。
【0069】
他の例として、プロセッサ11は、右用第2面22Rと左用第2面22Lとを動作させる際、すなわち、駆動回路41に動作させている際に、エアセル32R,32Lの膨張と非膨張とを第2面22R,22Lの動作と連動させるように駆動回路44,45を制御してもよい。連動させることは、例えば、押圧方向Aの向きに移動した側の第2面22上のエアセルを膨張した状態とし、他方のエアセルを非膨張の状態とする、などであってよい。これにより、右用第2面22Rと左用第2面22Lとの揺動動作にエアセル32R,32Lの膨張と非膨張とが連動するようになる。その結果、より押圧力を与えられたり、押圧力を抑えたり、ユーザに効果的なマッサージを行うことができる。
【0070】
また、一例として、エアセル31R,31Lについて、プロセッサ11は、右用第2面22Rと左用第2面22Lとを動作させる際、すなわち、駆動回路41に動作させている際に、エアセル31R,31Lいずれに対しても給気を行わないように駆動回路42,43を制御してもよい。これにより、右用第2面22Rと左用第2面22Lとの揺動動作の際にエアセル31R,31Lは膨張しなくなる。その結果、右用第2面22R及び左用第2面22Lによる押圧力をユーザの太ももに与えている際に、ユーザの上体はやや後傾姿勢となる。そのため、ユーザの太ももへの負担を減らすことができる。
【0071】
他の例として、プロセッサ11は、右用第2面22Rと左用第2面22Lとを動作させる際、すなわち、駆動回路41に動作させている際に、エアセル31R,31Lに対して給気し、排気しないように駆動回路42,43を制御してもよい。これにより、右用第2面22Rと左用第2面22Lとの揺動動作の際にエアセル31R,31Lは膨張した状態となる。その結果、右用第2面22R及び左用第2面22Lによる押圧力をユーザの太ももに与えている際に、ユーザの上体はやや前傾姿勢となる。そのため、効果的なマッサージを行うことができる。
【0072】
マッサージ装置100は、ポンプユニット9を含む。ポンプユニット9は、ポンプ93、及び、ポンプ93の駆動を制御する駆動回路91を含み、各マッサージユニットに含まれるエアセルに対してエアを給排気する。ポンプ93は、ポンプユニット9を動作させるアクチュエータの一例である。駆動回路91は、プロセッサ11からの制御信号に従ってポンプ93の駆動を制御して、エアセルに対するエアの給排気を制御する。
【0073】
マッサージ装置100は、マッサージユニットであるメカマッサージユニット8を含む。メカマッサージユニット8は、マッサージ部材として、上下両端部に施療子の設けられた、左右で対をなすアーム(図示せず)と、左右の施療子を近接離反させる揉み動作、及び左右の施療子を交互にユーザ側へ進退させる叩き動作を行わせる駆動回路(図示せず)と、を有する。駆動回路は、プロセッサ11からの制御信号に従ってマッサージ部材の駆動を制御する。
【0074】
メカマッサージユニット8は、図示しないセンサを有し、アームが肩などの所定の揺動位置となったことを検出することでユーザの体型情報を得るように構成されていてもよい。検出された肩などの所定位置を示す信号はプロセッサ11に入力される。プロセッサ11は、所定位置を基準として、その他の部位(首、背中、腰等)の位置を計算により求め、ユーザの体型を検出する。
【0075】
マッサージ装置100は、マッサージユニットである腕マッサージユニット6A,6B、肩マッサージユニット7A,7B、及び、足マッサージユニット4A,4Bを含む。各マッサージユニット6A,6B、7A,7B、及び、4A,4Bは、押圧部材の一例として図示しないエアセル、及び、その駆動回路を含む。駆動回路は、エアセルにポンプユニット9からのエアを給排気するための電磁弁を駆動させる。駆動回路及び電磁弁は、各マッサージユニット6A,6B、7A,7B、及び、4A,4Bにマッサージ動作を行わせるアクチュエータの一例であって、マッサージユニットを駆動させる駆動機構に含まれる。駆動回路は、プロセッサ11からの制御信号に従って電磁弁の開閉を制御する。これにより、エアセルへの給排気が制御される。
【0076】
マッサージ装置100は、マッサージユニットであるセンサユニット14を有する。センサユニット14は、マッサージ動作の程度や、ユーザの状態を検出するための、図示しないセンサを有する。具体的に、センサは、アクチュエータの動作量を検出したり、エアセルの内圧を検出したりする。センサは、各マッサージユニットに配置されていてもよい。センサユニット14でのセンシング結果を示す信号は、プロセッサ11に入力される。
【0077】
マッサージ装置100は、マッサージユニットであるリクライニングユニット18を有する。リクライニングユニット18は、マッサージ動作に従って背凭れ部3の角度を変化させるユニットであり、角度を変化させるための、図示しないアクチュエータと、その駆動回路とを含む。駆動回路は、プロセッサ11からの制御信号に従ってアクチュエータの駆動を制御する。
【0078】
マッサージ装置100は、ユーザ操作を受け付ける操作部の一例としてのタブレット200を有する。タブレット200は、マッサージ装置100と一体の装置であってもよいし、マッサージ装置100から独立した別の装置であってもよい。タブレット200は、ユーザの操作入力を受け付けて、操作を表す操作信号をプロセッサ11に入力する。タブレット200はプロセッサ11からの制御信号に従って情報を出力してもよい。タブレット200の出力する情報は、ディスプレイ(図示せず)への画像の表示であってもよいし、スピーカ(図示せず)からの音声出力であってもよいし、それらの両方であってもよい。
【0079】
プロセッサ11は、プログラム121を実行することでマッサージコントローラとして機能し、動作制御処理111を実行する。動作制御処理111は、選択された、又は、予め規定されたマッサージ動作を各マッサージユニットに行わせるために、各マッサージユニットの動作を制御することを含む。
【0080】
好ましくは、動作制御処理111は、マッサージ動作終了時の制御を含む。マッサージ動作終了時の制御は、一例として、第2面22R,22Lを基準位置に復帰する処理を含む。基準位置は、例えば、第2面22R,22Lの押圧方向Aの高さが同じとなる位置であって、第2面22R,22Lの位置が
図5の第2面22R-1,22L-1となる回転角度θが0°であるときの位置である。これにより、マッサージ動作終了時に太ももの高さが同じになる。その結果、マッサージ装置100から立ち上がりやすくなる。
【0081】
このとき、プロセッサ11は、現在の回転角度θを取得し、現在の回転角度θに基づいて必要な駆動回路41の制御量を決定する。現在の回転角度θは、一例として、センサユニット14が回転角度θを検出するための図示しないセンサを含み、センサユニット14から検出結果を示すセンサ信号を受け取ることによって取得されてもよい。現在の回転角度θは、他の例として、太ももマッサージユニット2Aの動作時間と、単位時間当たりの動作量とから算出されてもよい。
【0082】
なお、基準位置は、他の位置であってもよいし、ユーザが任意に設定や変更が可能であってもよい。これにより、マッサージ動作終了時に太ももの高さがそれぞれ、ユーザの立ち上がりやすい高さとなる。その結果、マッサージ装置100から立ち上がりやすくなる。
【0083】
マッサージ動作終了時の制御は、一例として、座部2からの離席をアシストする処理を含んでもよい。離席をアシストする処理は、例えば、エアセル31R,31Lに対して給気し、排気しないように駆動回路42,43を制御することであってよい。これにより、マッサージ動作終了時にユーザの臀部が押し上げられるようになる。その結果、マッサージ装置100から立ち上がりやすくなる。
【0084】
図7は、マッサージ装置100での動作の一例を表したフローチャートである。
図7の動作は、制御装置10によって制御されることによって行われる動作である。すなわち、プロセッサ11がタブレット200からの操作信号に従ってメモリ12に記憶されているプログラム121を読み出して実行することによって動作制御処理111が行われる。
【0085】
図7を参照して、初めに、プロセッサ11は、タブレット200などから、マッサージ装置100のユーザについてのユーザ情報の入力を受け付ける(ステップS101)。ユーザ情報は、例えば、ユーザの性別、年齢帯、などである。これにより、ユーザに関連付けて、提供したマッサージに関する情報を記憶させることが可能になる。その結果、例えば、マッサージの提案や課金などに有用に用いられ得るデータを構築することができる。
【0086】
次に、プロセッサ11は、必要なマッサージユニットを動作させることによって、ユーザの体型を検出する(ステップS103)。例えば、プロセッサ11は、メカマッサージユニット8を起動させてセンシング結果を得ることによって、ユーザの体型を検出することができる。これにより、プロセッサ11は、以降の動作パラメータの設定においてユーザの体型を用いることができる。
【0087】
次に、プロセッサ11は、ユーザの体型やタブレット200からの操作信号などに基づいて動作パラメータを設定する(ステップS107)。動作パラメータは、例えば、マッサージの位置やエアセルの押圧力、などである。それにより、必要なアクチュエータの動作量が決定される。その結果、ユーザの体型やユーザ操作に応じたマッサージ動作を行わせることが可能になる。次に、プロセッサ11は、設定した動作パラメータを用いて、マッサージユニットの動作を制御する(ステップS109)。これにより、マッサージ動作が行われる。
【0088】
プロセッサ11は、マッサージ動作中、センサユニット14のセンサからセンシング結果を得る(ステップS111)。プロセッサ11は、必要に応じて(ステップS113でYES)、センシング結果に応じて実行させる動作を変更する(ステップS115)。また、タブレット200からユーザ操作を受け付けた場合も(ステップS117でYES)、プロセッサ11は、ユーザ操作に応じて、実行させる動作を変更する(ステップS115)。
【0089】
プロセッサ11は、マッサージ動作が終了するまで、ステップS109~S117を繰り返す(ステップS119でNO)。好ましくは、マッサージ動作が終了すると(ステップS119でYES)、プロセッサ11は、マッサージ動作終了時の制御を行う(ステップS121)。すなわち、プロセッサ11は、第2面22R,22Lを基準位置に復帰させるように、回転角度θを予め規定するように駆動回路41を制御する(ステップS123)。次に、プロセッサ11は、エアセル31R,31Lに対して給気し、排気しないように駆動回路42,43を制御する(ステップS125)。
【0090】
プロセッサ11がステップS123,S125を実行することによって、第2面22R,22Lの位置が、例えば押圧方向Aの高さが同じとなる位置である基準位置となる。また、エアセル31R,31Lが膨張した状態となり、ユーザの臀部を押圧する。これにより、ユーザのマッサージ装置100から離席がアシストされる。
【0091】
<3.付記>
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0092】
2 :座部
2A :太ももマッサージユニット
3 :背凭れ部
4 :フットレスト
4A :足マッサージユニット
4B :足マッサージユニット
5 :枕部
6 :肘掛け部
6A :腕マッサージユニット
6B :腕マッサージユニット
7 :側壁部
7A :肩マッサージユニット
7B :肩マッサージユニット
8 :メカマッサージユニット
9 :ポンプユニット
10 :制御装置
11 :プロセッサ
12 :メモリ
14 :センサユニット
18 :リクライニングユニット
20 :面部材
21 :第1面
21L :左用第1面
21L-1 :左用第1面
21L-2 :左用第1面
21L-3 :左用第1面
21L-4 :左用第1面
21R :右用第1面
21R-1 :右用第1面
21R-2 :右用第1面
21R-3 :右用第1面
21R-4 :右用第1面
22 :第2面
22L :左用第2面
22La :支持部
22L-2 :左用第2面
22L-3 :左用第2面
22L-4 :左用第2面
22R :右用第2面
22R-1 :右用第2面
22R-2 :右用第2面
22R-3 :右用第2面
22R-4 :右用第2面
22Ra :支持部
24L :偏心カム
24R :偏心カム
25L :軸
25R :軸
27 :固定部材
28A :ウォームギア
28B :ウォームホイル
29L :駆動部材
29R :駆動部材
30 :押圧部
31 :第1エアセル
31L :第1エアセル
31R :第1エアセル
32 :第2エアセル
32L :第2エアセル
32R :第2エアセル
33 :第1クッション材
34 :第2クッション材
35 :カバー
41 :駆動回路
42 :駆動回路
43 :駆動回路
44 :駆動回路
45 :駆動回路
61 :プロセッサ
91 :駆動回路
93 :ポンプ
100 :マッサージ装置
111 :動作制御処理
121 :プログラム
200 :タブレット
221L :接続部
222L :回転中心
241L :回転中心
241R :回転中心
271 :接続部
272 :回転中心
273 :固定部
291L :接続部
A :押圧方向
B :方向
C :方向
E :矢印
L1 :第1軌跡
L2 :第2軌跡
M :モータ
Ol :中心
θ :回転角度
Оr :中心