(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102376
(43)【公開日】2023-07-25
(54)【発明の名称】毒物または劇物用包装容器
(51)【国際特許分類】
B65D 85/82 20060101AFI20230718BHJP
B65D 81/05 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
B65D85/82
B65D81/05 500A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002817
(22)【出願日】2022-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】591282766
【氏名又は名称】南海化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106024
【弁理士】
【氏名又は名称】稗苗 秀三
(74)【代理人】
【識別番号】100167841
【弁理士】
【氏名又は名称】小羽根 孝康
(74)【代理人】
【識別番号】100168376
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 清隆
(72)【発明者】
【氏名】南川 季久雄
(72)【発明者】
【氏名】谷 三奈
【テーマコード(参考)】
3E035
3E066
【Fターム(参考)】
3E035AA03
3E035AB05
3E035BA01
3E035BA04
3E035BC02
3E066AA21
3E066AA73
3E066BA05
3E066CA04
3E066GA11
3E066HA04
3E066JA07
3E066KA20
3E066NA60
(57)【要約】
【課題】強度アップを図って、運搬中の安全性を確保する。
【解決手段】劇物用包装容器は、互いに対向する一対の短側壁21および一対の長側壁22と天壁23および底壁24とにより箱状に形成された強化段ボール製の箱体20を有し、箱体20に劇物を収容した複数のプラスチック製ボトル1を収納する。両側の短側壁21とボトル1との間に、緩衝材35が短側壁21に沿って設けられる。緩衝材35は強化段ボールの左右の両側を巻き込んだ構造とされ、緩衝材35の波目の方向が長辺方向とされ、箱体20の波目の方向が短辺方向とされる。緩衝材35を設けることにより、箱体20の四隅を補強でき、ボトル1を箱体20の四隅から離れて配置できる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する一対の短側壁および一対の長側壁と天壁および底壁とにより箱状に形成された強化段ボール製の箱体を有し、箱体に毒物または劇物を収容した複数のプラスチック製ボトルを収納する劇物用包装容器であって、両側の短側壁とボトルとの間に、緩衝材が短側壁に沿って設けられたことを特徴とする毒物または劇物用包装容器。
【請求項2】
緩衝材は強化段ボールの左右の両側を巻き込んで重ねた構造とされ、緩衝材の波目の方向が箱体の波目の方向と直交する方向とされたことを特徴とする請求項1記載の毒物または劇物用包装容器。
【請求項3】
箱体の短側壁に手掛け孔が形成され、前記手掛け孔に連通するように緩衝材に手掛け孔が形成されたことを特徴とする請求項1または2記載の毒物または劇物用包装容器。
【請求項4】
互いに対向する一対の短側壁および一対の長側壁と天壁および底壁とにより箱状に形成された強化段ボール製の箱体を有し、箱体に劇物を収容した複数のプラスチック製ボトルを収納する劇物用包装容器であって、箱体に、各ボトルの首を嵌め込むことによってボトルを固定する2枚の天緩衝材が上下に重ねて設けられ、一方の天緩衝材の波目の方向が他方の天緩衝材の波目の方向と直交する方向とされたことを特徴とする毒物または劇物用包装容器。
【請求項5】
一方の天緩衝材が他方の天緩衝材の上側に配置され、一方の天緩衝材は、周縁から突出した側片を有することを特徴とする請求項4記載の毒物または劇物用包装容器。
【請求項6】
箱体の短側壁には手掛け孔が形成されていないことを特徴とする請求項4または5記載の毒物または劇物用包装容器。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の毒物または劇物用包装容器に収納されるプラスチック製の毒物または劇物用ボトルであって、毒物または劇物を収容する多層構造の中空容器と、中空容器の口部に螺合される不正開封防止機能付きキャップとから構成され、中空容器は、外側から内側にかけて低密度ポリエチレンを含むポリエチレンからなる最外層、ポリエチレン接着層、エチレン-ビニルアルコール共重合体からなるガスバリア層、ポリエチレン接着層によって形成され、キャップは、ガスバリア性を有するパッキンを備え、中空容器の口部の先端に、リブが環状に形成され、キャップを中空容器に装着したとき、リブがパッキンにめり込んで口部を密封することを特徴とする毒物または劇物用ボトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロルピクリンなどの毒物及び劇物取締法で定められた毒物または劇物を収容した複数のボトルを運搬するときに用いる毒物または劇物用包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
クロルピクリンなどの劇物を運搬するとき、特許文献1に記載のように、金属製容器にプラスチック製容器を内装した複合容器が用いられる、あるいはガスバリア性の高いプラスチックを含む多層構造のプラスチック製容器が用いられる。特に、小容量、例えば1kgの劇物の場合、多層構造のプラスチック製のボトルが用いられる。ここで、劇物を収容したボトルを運搬する際、複数のボトルを収納する強化段ボール製の包装容器を使用しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
劇物用の包装容器は、安全性の確認のために性能試験を受けなければならず、この試験に合格する必要がある。ボトルと包装容器との組み合わせ容器では、落下試験や積み重ね試験が行われる。そのため、包装容器には、運搬中の安全性に影響を与えるおそれがあるようなき裂、変形等の損傷がないように、強度が求められる。
【0005】
本発明は、上記に鑑み、強度アップを図って、運搬中の安全性を確保することができる毒物または劇物用包装容器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の毒物または劇物用包装容器は、互いに対向する一対の短側壁および一対の長側壁と天壁および底壁とにより箱状に形成された強化段ボール製の箱体を有し、箱体に毒物または劇物を収容した複数のプラスチック製ボトルを収納し、両側の短側壁とボトルとの間に、緩衝材が短側壁に沿って設けられたものである。緩衝材は強化段ボールの左右の両側を巻き込んで重ねた構造とされ、緩衝材の波目の方向が箱体の波目の方向と直交する方向とされる。
【0007】
包装容器の両側の短側壁側に緩衝材を設けることにより、包装容器の四隅を補強することができるとともに、ボトルが包装容器の四隅から離れて配置されるので、ボトルにかかる衝撃が低減される。
【0008】
また、他の毒物または劇物用包装容器では、箱体に、各ボトルの首を嵌め込むことによってボトルを固定する2枚の天緩衝材が上下に重ねて設けられ、一方の天緩衝材の波目の方向が他方の天緩衝材の波目の方向と直交する方向とされ、一方の天緩衝材が他方の天緩衝材の上側に配置され、一方の天緩衝材は、周縁から突出した側片を有する。箱体の短側壁には手掛け孔が形成されていない。
【0009】
包装容器に衝撃が加わると、波目の方向が異なる2枚の天緩衝材により、衝撃が分散され、包装容器にかかる負荷が軽減される。またボトルが天緩衝材により固定されるので、衝撃が加わってもボトルが傾いたりずれたりすることを防げる。
【0010】
毒物または劇物用包装容器に収納されるプラスチック製の劇物用ボトルは、毒物または劇物を収容する多層構造の中空容器と、中空容器の口部に螺合される不正開封防止機能付きキャップとから構成され、中空容器は、外側から内側にかけて低密度ポリエチレンを含むポリエチレンからなる最外層、ポリエチレン接着層、エチレン-ビニルアルコール共重合体からなるガスバリア層、ポリエチレン接着層によって形成される。最内層に薄いポリエチレン接着層を設けることにより、中空容器の強度が高められるとともに、吸湿による中空容器の寸法変動を抑えて劣化を防げる。キャップは、ガスバリア性を有するパッキンを備え、中空容器の口部の先端に、リブが環状に形成され、キャップを中空容器に装着したとき、リブがパッキンにめり込んで口部を密封する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、包装容器に緩衝材を設けることにより、包装容器にかかる衝撃を軽減でき、耐衝撃性が高まるので、包装容器の強度アップを図れる。これによって、ボトルを保護でき、運搬中の安全性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図10】(a)緩衝材の裏面図、(b)緩衝材の表面図
【
図11】他の実施形態の上面開放した運搬容器の平面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態に係る毒物または劇物用の運搬容器を
図1~3に示す。ここでの毒物または劇物は、毒物及び劇物取締法に定められたものであり、特に劇物のクロルピクリンとされる。運搬容器は、小容量の液剤状の劇物の運搬に使用される組み合わせ容器とされ、劇物を収容するプラスチック製ボトル1と、複数のボトル1を収納する箱状に形成された強化段ボール製の包装容器2とから構成される。
【0014】
図1に示すように、ボトル1は、劇物を収容する多層構造の中空容器3と、中空容器3の口部4に螺合されるキャップ5とから構成され、ポリプロピレン製のキャップ5は、不正開封防止機能付きのものである。
図4に示すように、中空容器3の多層構造は、外側から内側にかけて低密度ポリエチレンを含むポリエチレンからなる最外層6、ポリエチレン接着層7、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)からなるガスバリア層8、ポリエチレン接着層9からなる。そして、中空容器3は、ダイレクトブロー成形により製造される。上記の各層を重ねたパリソンというチューブ状のプラスチックを成形し、パリソンを金型にセットし、空気を吹き込んで中空容器3を成形する。ボトル1の厚みは1.02mm±0.3mmとされ、各層の厚みの割合は、最外層6が89.5±3.0%、ポリエチレン接着層7が4.2±1.5%、ガスバリア層8が2.1±1.0%、ポリエチレン接着層9が4.2±1.5%とされる。なお、ボトル1の部位により、厚みは少し異なる。
【0015】
中空容器3の最外層6は、低密度ポリエチレンを3%混合した高密度ポリエチレンから形成され、低密度ポリエチレンを含むことにより少し柔軟性が付与される。また、最内層に薄いポリエチレン接着層9を設けることにより、中空容器3の強度アップを図れるとともに、液剤からのガスバリア層8の吸湿をブロックすることができる。しかも、薄い層にすることにより、液剤でポリエチレンが膨張しても、寸法変動がほとんどなく、寸法変動による中空容器3の劣化を防ぐことができる。
【0016】
キャップ5の下端に、環状の不正開封防止バンド10が設けられ、キャップ5が緩まないようにされている。これにより、運搬中や保管時にキャップ5が緩んで液剤が漏れることを防ぐことができる。そして、
図5に示すように、キャップ5は、ガスバリア性を有するパッキン11を備えている。パッキン11は、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、シリコンゴム等の柔軟性のある円形のプラスチックシートにエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)のフィルム、フッ素樹脂シート等のガスバリア性の高いフィルムが貼り付けられて形成されたものである。
【0017】
キャップ5を中空容器3に装着したとき、口部4を密封できるようにするために、
図6に示すように、中空容器3の口部4の先端に、リブ12が環状に形成される。リブ12は台形状に形成され、パッキン11に当接する上面が平坦とされ、リブ12がパッキン11にめり込む面積が大きくなって、口部4とパッキン11との密着性が高まる。キャップ5を中空容器3に装着したとき、
図7に示すように、リブ12がパッキン11にめり込み、口部4が密封される。これにより、ボトル1の気密性が高まる。また、
図5、7に示すように、キャップ5の天部の内面の中央に、盛り上がった凸部13が形成され、複数の凹部14が凸部13を取り囲むように形成される。
【0018】
図3、8に示すように、包装容器2の箱体20は、1枚の強化段ボールを折り曲げて箱状に形成され、互いに対向する一対の短側壁21および一対の長側壁22と天壁23および底壁24とを有し、上面が開閉可能とされる。底壁24は、一対の内フラップ25と、一対の外フラップ26と、各フラップ25、26を重ね合わせたときに生じる段差を埋める埋板(図示せず)とから形成される。天壁23も同様の構造である。両側の短側壁21には、手掛け孔27が形成されている。なお、
図8に示すように、箱体20の波目の方向は、展開されたときの箱体20の短辺と平行な方向、すなわち縦目とされる。
【0019】
図2、3に示すように、箱体20の内部には、収納されたボトル1を囲む胴枠30が設けられ、胴枠30に囲まれた底壁24の上面に底パッド31が載せられる。胴枠30内に複数の長仕切32および短仕切33が設置され、ボトル1用に区画され、この上に複数のボトル1が載置される。長仕切32および短仕切33によって、各ボトル1が接触しないように支えられる。なお、天パッド34は、ボトル1を覆うように被せられる。
【0020】
箱体20内には、緩衝材35が装着され、緩衝材35は、両側の短側壁21と胴枠30との間で短側壁21に沿ってそれぞれ設けられる。天パッド34は緩衝材35の上に載せられる。
図9に緩衝材35を組み立てる前の展開された長方形状の強化段ボールを示す。強化段ボールの中央に、短側壁21に対向する外側壁36が形成され、外側壁36を中心にして左右対称に連結壁37、内側壁38、対面壁39、内接壁40が一連に形成される。そして、この強化段ボールの左右の両側を巻き込むように折り曲げて組み立てられ、
図2、10に示すように、緩衝材35は、1枚の長方形状の強化段ボールの左右の両側を巻き込んで重ねた構造とされる。なお、ここでの左右方向は、段ボールの長辺と平行な方向とされ、左右の両端縁が短辺とされる。また、緩衝材35に手掛け孔41a、41bが形成され、胴枠30にも手掛け孔42が形成され、箱体20の手掛け孔27から胴枠30の手掛け孔42まで連通する。なお、緩衝材35の波目の方向は長辺と平行な方向、すなわち横目とされる。
【0021】
緩衝材35は、強化段ボールの左右の両側をコ字状に折り曲げ、さらにコ字状に折り曲げて、左右の両端を外側壁36に重ねることにより、上下面が開放された2つの直方体の筒を左右に並べた構造とされる。外側壁36が箱体20の短側壁21に対向し、左右の内側壁38が胴枠30に対向し、左右の内接壁40が外側壁36に内面側に密接する。左右の連結壁37は包装容器2の長側壁22にそれぞれ対向する。左右の対面壁39同士が密接している。
【0022】
外側壁36に、手掛け孔41aが形成され、内側壁38から対面壁39、内接壁40にかけて手掛け孔41bが形成される。外側壁36の下部に左右一対の舌片43が形成され、左右の内接壁40の下部に切欠部44が形成され、舌片43が切欠部44に嵌め込まれることにより、内接壁40が外側壁36から離れないように保持される。
【0023】
連結壁37には、折り曲げやすくするためにスリット45が形成され、複数のスリット45が上下方向に並んでいる。上下のスリット45をつなぐように折り目46が形成され、連結壁37で折り曲げたとき、複数の傾斜部47が互い違いに形成され、傾斜部47の上下の端面同士が接触する。対面壁39にも同様にスリット48が形成され、複数の傾斜部49が形成される。左右の傾斜部49が互い違いに上下方向に重なり合うことにより、折り曲げて一連の側壁となった左右の内側壁38が開かないように保持され、上下方向の強度が上がる。
【0024】
このような左右の両側を2回折り曲げて、両側を巻き込んだ構造の緩衝材35では、波目の方向が横目であるので、水平方向に変形しにくく、複数の傾斜部47,49により鉛直方向に変形しにくく、しかも左右の中央に対面壁39を設けることにより、左右からの圧縮に強くなるとともに、内側および外側からの衝撃にも強くなる。また、箱体20の波目の方向と緩衝材35の波目の方向とが直交しているので、衝撃を分散できる。したがって、緩衝材35を箱体20の短側壁21に沿って設けることにより、箱体20の四隅が補強されることになり、包装容器2の強度アップを図ることができ、さらに包装容器2の四隅からボトル1を離して収納できるので、包装容器2に衝撃が加わっても、ボトル1への衝撃を軽減して、ボトル1を保護できる。これにより、運搬容器の落下試験において、ボトル1からの液剤の漏洩がなく、包装容器2の天面のかどの対角落下でも運送中の安全性に影響を与えるような損傷はなく、運搬容器の性能試験に合格するものであった。また、緩衝材35にも手掛け孔を形成することにより、運搬容器を持ち運ぶときに手掛け孔にかかる荷重が分散され、手掛け孔が裂けることを防げる。
【0025】
他の実施形態の運搬容器を
図11、12に示す。包装容器2の箱体20に、各ボトル1の首を嵌め込むことによってボトル1を固定する2枚の天緩衝材50、51が装着される。各天緩衝材50、51は、胴枠30内に上下に重ねて設けられる。箱体20は、全周の寸法以外は上記実施形態のものと同じであるが、手掛け孔は形成されていない。
【0026】
下側に配置される下側天緩衝材50は、
図13に示すように、四隅がカットされた長方形状とされ、ボトル1の首が嵌まる孔52が複数形成されている。上側に配置される上側天緩衝材51は、
図14に示すように、四方の周縁から突出した側片53を有する長方形状とされ、ボトル1の首が嵌まる孔54が複数形成されている。下側天緩衝材50は、上側天緩衝材51よりも少しだけ縦横の寸法が大とされる。そして、上側天緩衝材51の波目の方向と下側天緩衝材50の波目の方向とは直交する方向とされる。例えば、上側天緩衝材51の波目の方向が短辺と平行な方向(縦目)とされ、下側天緩衝材50の波目の方向が長辺と平行な方向(横目)とされる。なお、上側天緩衝材51の波目の方向を横目、下側天緩衝材50の波目の方向を縦目としてもよい。
【0027】
箱体20の胴枠30内に収納された複数のボトル1の首に下側天緩衝材50が嵌められ、その上に上側天緩衝材51が嵌められ、上側天緩衝材51の側片53の上に天パッド34が載せられる。上側天緩衝材51の側片53は、胴枠30に当接し、各天緩衝材50、51ががたつかないようになっている。また、箱体20が閉じた状態で上下方向の振動が加わったとき、上側天緩衝材51の側片53は天パッド34を介して天壁23に抑えられるので、ボトル1が上下方向に移動することを抑制できる。
【0028】
このように、上下の天緩衝材50、51を各ボトル1に嵌め込むことにより、ボトル1を固定することができ、衝撃によってボトル1が傾いたりずれたりすることを防止できる。これにより、ボトル1の移動によって箱体20が損傷することを防げる。また、各天緩衝材50、51の波目の方向が交差しているので、衝撃を分散させることができ、箱体20の四隅にかかる負荷を軽減でき、包装容器2の強度を高めることになる。また、包装容器2に手掛け孔を設けないことにより、手掛け孔から亀裂が生じることがなくなり、包装容器2の損傷を防げる。
【0029】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。上記の運搬容器において運搬される毒物または劇物は、クロルピクリンに限らず法律によって定められた他の毒物または劇物であってもよい。
【符号の説明】
【0030】
1 ボトル
2 包装容器
3 中空容器
4 口部
5 キャップ
11 パッキン
12 リブ
20 箱体
21 短側壁
22 長側壁
23 天壁
24 底壁
27 手掛け孔
35 緩衝材
36 外側壁
37 連結壁
38 内側壁
39 対面壁
40 内接壁
50 下側天緩衝材
51 上側天緩衝材