(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102445
(43)【公開日】2023-07-25
(54)【発明の名称】耐震補強金具
(51)【国際特許分類】
E04B 1/58 20060101AFI20230718BHJP
E04G 23/02 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
E04B1/58 G
E04G23/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002927
(22)【出願日】2022-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】513263097
【氏名又は名称】株式会社齋藤工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100140866
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 武史
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 良樹
【テーマコード(参考)】
2E125
2E176
【Fターム(参考)】
2E125AA33
2E125AB13
2E125AB17
2E125AC18
2E125BD01
2E125CA01
2E125CA14
2E176AA09
2E176BB29
(57)【要約】
【課題】ブレスが引っ張られた場合に、建築物の構造部材の外面と耐震補強金具との接続部分に生ずる力の偏りを防止することが可能な耐震補強金具を提供する。
【解決手段】耐震補強金具1は、建築物500の構造部材520に設けられ、構造部材520の外面520aに固定され互いに交差して配置される一対のブレス20の端部側が接続される固定部10を備え、固定部10は、構造部材520の外面520aに固定されるベース部11と、ベース部11に固定されるブレス受け底部121と、ブレス受け底部121から立設し、ブレスが挿通するブレス挿通孔122aが形成され、ブレス20の一端が連結されるブレス受け壁部122と、を有するブレス受け部12と、を備え、ブレス挿通孔122aは、ブレス20が挿通する方向から視て、ブレス受け底部121の中心側に配置されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の構造部材に設けられる耐震補強金具であって、
前記構造部材の外面に固定され、互いに交差して配置される一対のブレスの端部側が接続される固定部を備え、
前記固定部は、
前記構造部材の前記外面に固定されるベース部と、
前記ベース部に固定されるブレス受け底部と、前記ブレス受け底部から立設し、前記ブレスが挿通するブレス挿通孔が形成され、前記ブレスの一端が連結されるブレス受け壁部と、を有するブレス受け部と、を備え、
前記ブレス挿通孔は、前記ブレスが挿通する方向から視て、前記ブレス受け底部の中心側に配置されている耐震補強金具。
【請求項2】
前記ブレス受け壁部は、
前記ブレス挿通孔が形成され、前記ブレスが挿通する方向に面する第1壁部と、
前記第1壁部に接続され、前記第1壁部の両端側から、前記第1壁部と直交する方向に延びる第2壁部と、を備える請求項1に記載の耐震補強金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の構造部材に設けられる耐震補強金具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基礎の上に設けられる土台、土台の上から立設される柱、柱に架けられる梁等の構造部材を備える建築物を耐震補強する場合、互いに対向する構造部材の仕口同士をブレスによって連結する。これにより、建築物の横揺れに対する強度が向上する。
【0003】
このような耐震補強を行うための耐震補強金具として、発明者は、一対のブレスの両端が連結される固定部において、建築物の構造部材の外面に固定され、円板形状に形成されたベース底部と、ベース底部の外縁から外面と直交する方向に延び、円筒形状に形成されたベース壁部と、を有するベース部と、ベース底部を挟んで構造部材に固定されるブレス受け底部と、ブレス受け底部の外縁近傍から外面と直交する方向に突出し、ブレスが挿通するブレス挿通孔が形成されたブレス受け壁部と、を有し、ブレス受け部が、ベース壁部の内部に挿通され、ベース固定部により、ベース部に対する任意の位置で、ベース部に固定されることで、外面とブレス挿通孔との距離を調整可能である耐震補強金具を提案している(特許文献1参照)。
【0004】
このような耐震補強金具によれば、構造部材の外面とブレスとの距離を調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1の耐震補強金具は、ブレスが引っ張られた場合、ブレスからの引っ張り力を、ブレス受け底部の外縁近傍から突出するブレス受け壁部で受けることになる。このため、固定部(ブレス受け底部)の外縁近傍に力が加わり、建築物の構造部材の外面に固定されたベース底部に加わる力に偏りが生ずる。このため、ブレスが引っ張られた場合に、建築物の構造部材の外面と耐震補強金具との接続部分に偏った力が生ずるおそれがある。
【0007】
本発明は、ブレスが引っ張られた場合に、建築物の構造部材の外面と耐震補強金具との接続部分に生ずる力の偏りを防止することが可能な耐震補強金具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような耐震補強金具を提供する。
【0009】
(1) 建築物の構造部材に設けられる耐震補強金具であって、
前記構造部材の外面に固定され、互いに交差して配置される一対のブレスの端部側が接続される固定部を備え、
前記固定部は、
前記構造部材の前記外面に固定されるベース部と、
前記ベース部に固定されるブレス受け底部と、前記ブレス受け底部から立設し、前記ブレスが挿通するブレス挿通孔が形成され、前記ブレスの一端が連結されるブレス受け壁部と、を有するブレス受け部と、を備え、
前記ブレス挿通孔は、前記ブレスが挿通する方向から視て、前記ブレス受け底部の中心側に配置されている耐震補強金具。
【0010】
(1)の構成によれば、耐震補強金具は、建築物の構造部材の外面に固定され、互いに交差して配置される一対のブレスの端部側が接続される固定部を備える。ここで、本発明における「構造部材」には、建築物の基礎の上に設けられる土台、土台の上から立設される柱、柱に架けられる梁が含まれる。
【0011】
そして、固定部は、ベース部と、ブレス受け部と、を備える。固定部は、ベース部と、ブレス受け部と、を備える。ベース部は、構造部材の外面に固定される。ブレス受け部は、ブレス受け底部と、ブレス受け壁部と、を有する。ブレス受け底部は、ベース部に固定される。ブレス受け壁部は、ブレス受け底部から立設し、ブレスが挿通するブレス挿通孔が形成され、ブレスの一端が連結される。
そして、ブレス挿通孔は、ブレスが挿通する方向から視て、ブレス受け底部の中心側に配置されている。
【0012】
このような構成によれば、ブレスが挿通され、ブレスの一端を固定部に連結するためのブレス挿通孔を、ブレス受け底部の中心側に配置したので、ブレスが引っ張られた場合、その力が、ブレス受け底部の中心側から、構造部材の外面に固定されたベース部に伝達できる。これにより、ブレスが引っ張られた場合、この力を、構造部材の外面に固定されたベース部の端部でなく、中心側で受けることが可能となる。
よって、ブレスが引っ張られた場合に、建築物の構造部材の外面と耐震補強金具との接続部分に生ずる力の偏りを防止することが可能な耐震補強金具を提供できる。
【0013】
(2) 前記ブレス受け壁部は、
前記ブレス挿通孔が形成され、前記ブレスが挿通する方向に面する第1壁部と、
前記第1壁部に接続され、前記第1壁部の両端側から、前記第1壁部と直交する方向に延びる第2壁部と、を備える(1)記載の耐震補強金具。
【0014】
(2)の構成によれば、ブレス受け壁部は、第1壁部と、第2壁部と、を備える。第1壁部は、ブレス挿通孔が形成され、ブレスが挿通する方向に面する。第2壁部は、第1壁部に接続され、第1壁部の両端側から、第1壁部と直交する方向に延びる。
【0015】
このような構成によれば、ブレスと連結され、ブレスが引っ張られた場合、その力を受けるブレス受け壁部を、ブレスが挿通する方向に面する第1壁部と、第1壁部と直交する方向に延びる第2壁部とで、構成したので、ブレス受け壁部の剛性を向上できる。
これにより、ブレスが引っ張られることで、第1壁部で受けた力を、ブレス受け底部を介して、確実に構造部材の外面に固定されたベース部に伝達できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ブレスが引っ張られた場合に、建築物の構造部材の外面と耐震補強金具との接続部分に生ずる力の偏りを防止することが可能な耐震補強金具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る耐震補強金具1が建築物500に適用された状態を示す図である。
【
図2】前記実施形態に係る固定部10の斜視図である。
【
図3】前記実施形態に係る固定部10の分解斜視図である。
【
図4】前記実施形態に係るベース部11の斜視図である。
【
図5】前記実施形態に係るブレス受け部12の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〈耐震補強金具1の構成〉
本発明の実施形態に係る耐震補強金具1の構成を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る耐震補強金具1が建築物500に適用された状態を示す図である。
【0019】
建築物500は、地盤に設けられた基礎510の上に構造部材520が設けられ、構造部材520の外面520aに外壁材530が取り付けられている。構造部材520には、基礎510の上に設けられる土台521、土台521の上から立設される柱522、柱522に架けられる梁523が含まれる。本実施形態の説明において、土台521と柱522との接合部や、柱522と梁523との接合部を仕口525と言う。なお、耐震補強金具1は、構造部材520の外面520aに直接的に設けてもよいし、外壁材530の上から、外壁材530を介して、構造部材520の外面520aに間接的に設けてもよい。
【0020】
耐震補強金具1は、構造部材520において、外壁材530が取り付けられる外面に固定される複数の固定部10と、両端が一対の固定部10にそれぞれ連結され、互いに交差して配置される一対のブレス20と、を備える。なお、複数の固定部10は、構造部材520の任意の位置に固定されてもよいが、仕口525に固定されるのが望ましい。
【0021】
本実施形態において、固定部10は、土台521及び梁523において、互いに隣接する2本の柱522の軸線上に、それぞれ固定されている。
図2は、前記実施形態に係る固定部10の斜視図であり、
図3は、前記実施形態に係る固定部10の分解斜視図である。
【0022】
固定部10は、構造部材520の外面520aに固定されるベース部11と、ベース部11の内部に配置され、ブレス20が固定されるブレス受け部12と、ベース部11と構造部材520の接続部分を保護する保護部13と、を備える。また、固定部10は、ベース部11及びブレス受け部12の少なくとも一部を覆うカバー部(図示無し)を備えてもよい。
【0023】
図4は、前記実施形態に係るベース部11の斜視図である。
ベース部11は、ベース底部111と、ベース壁部112と、ベース固定部113と、を有する。
【0024】
ベース底部111は、構造部材520の外面520a(
図3参照)に固定され、板形状であり、正面(外面520aに対面する方向)から見て円形状に形成されている。なお、ベース底部111は、正面から見て円形状に限らず、四角形等の任意の形状とすることができる。
また、ベース底部111は、ベース壁部112の外側に突出するベース底突出部111aを有する。
【0025】
ベース底突出部111aには、ベース部11を構造部材520に固定するための固定部材(例えば、ビスやボルト)が挿通する複数のベース部固定用孔111b(
図4に示すベース底突出部111aにおける円形状の部分)が、ベース底部111の外周に沿って形成されている。
複数のベース部固定用孔111bは、ベース底部111の外周に沿って、所定間隔で配置してもよいし、ベース底部111に、より引っ張り荷重が掛かる部分に密集させて形成させてもよい。
【0026】
ベース壁部112は、ベース底部111から構造部材520の外面520aと直交する方向に延び、筒形状に形成されている。また、ベース壁部112には、先端から、ベース底部111に固定された基端側に向かって欠き込まれ、ブレス20が挿通する欠き込み112aが形成されている。また、ベース壁部112には、ベース底部111の中心を挟んで、欠き込み112aに対向する位置に、先端から、ベース底部111に固定された基端側に向かって欠き込まれ、ブレス20のナット22(後述する
図5参照)を締めるための工具を挿通可能な欠き込み112bが形成されている。なお、本実施形態において、ベース壁部112は、円筒形状に形成されているが、これに限らず、筒形状であれば、正面から見て矩形の筒形状等の任意の形状とすることができる。
【0027】
ベース固定部113は、基端がベース底部111に固定され、ベース底部111からベース壁部112が延びる方向に延び、ねじ山が形成されたボルト部113aと、ボルト部113aに螺合するナット部113bと、を有する。ベース固定部113は、ベース壁部112の内側に、複数設けられており、所定間隔で配置してもよいし、ブレス受け部12に、より引っ張り荷重が掛かる部分(例えば、ブレス20が配置される欠き込み112a近傍)に密集させて形成させてもよい。なお、ベース固定部113は、複数に限らす、所定の強度が確保できれば、例えば、1つだけ設けてもよい。
【0028】
ボルト部113aは、例えば、ベース底部111に溶接されたナットと、基端側が螺合することで、ベース底部111に固定される。
【0029】
ナット部113bは、例えば、1つのボルト部113aに2つ設けられる。この場合、2つのナット部113bにより、後述するブレス受け部12のブレス受け底部121を挟持することで、ブレス受け部12をベース部11に固定する。
【0030】
ベース固定部113は、ブレス受け部12を、ベース部11に対する任意の位置で、ベース部11に固定する。詳細には、ボルト部113aのナット部113bにおける位置(ボルト部113aのベース底部111からの距離)を変えることで、ブレス受け部12のベース部11に対する位置(ブレス受け部12の構造部材520の外面520aからの距離)を調整可能となる。
【0031】
図5は、前記実施形態に係るブレス受け部12の斜視図である。
ブレス受け部12は、ブレス受け底部121と、ブレス受け壁部122と、を有する。
【0032】
ブレス受け底部121は、ベース壁部112(
図4参照)に囲まれた部分と略同じ形状の板形状(例えば、円板形状)に形成され、ベース部11に固定される。ブレス受け底部121には、ブレス受け部12がベース壁部112の内部に挿通された状態において、ベース固定部113が配置された位置に対応する位置に、ベース固定部113のボルト部113aが挿通可能であり、ナット部113bが挿通不可能である内径の挿通孔121aが形成されている。
【0033】
ブレス受け壁部122は、ブレス受け底部121から立設し、ブレス20が挿通するブレス挿通孔122aが形成され、ブレス20の一端が連結される。ブレス受け壁部122は、第1壁部122Aと、第2壁部122Bと、を備える。
【0034】
第1壁部122Aは、ブレス挿通孔122aが形成され、ブレス20が挿通する方向に面する。第1壁部122Aは、ブレス20が挿通する方向から視て、ブレス受け底部121の中心側に配置されている。これにより、ブレス挿通孔122aは、ブレス20が挿通する方向から視て、ブレス受け底部の中心側に配置される。
【0035】
第2壁部122Bは、第1壁部122Aに接続され、第1壁部122Aの両端側から、それぞれ第1壁部122Aと直交する方向に、ブレス受け底部121の外縁近傍まで延びる。
【0036】
図3に示すように、ブレス受け部12は、このような構成により、ベース壁部112の内部に挿通される。このとき、ブレス受け底部121の挿通孔121aに、ベース固定部113のボルト部113aが挿通し、ベース底部111からの距離が調整された1つ目のナット部113bに、ブレス受け底部121が当接する。そして、この状態で、もう1つのナット部113bをボルト部113aに螺合させ、2つのナット部113bの間で、ブレス受け底部121を挟持する。
【0037】
保護部13は、板形状であり、正面(外面520aに対面する方向)から見て円形状に形成されている。保護部13は、正面から見たベース底部111の外径より大きい外径で形成されている。また、保護部13は、中心に、正面から見て円形状の保護部孔13aが形成されている。保護部孔13aは、正面から見たベース壁部112の外径より大きい外径で形成されている。
【0038】
保護部13は、このような構成により、ベース部11が構造部材520に取り付けられた状態で、保護部孔13aにベース壁部112が挿通され、ベース底突出部111aを覆うようにベース部11に取り付けられる。保護部13の外縁と外面520aとの間は、シールされる。
【0039】
図5に戻って、ブレス20は、少なくとも両端側において螺子山が形成された棒状体21と、棒状体21の両端側において棒状体21と螺合するナット22と、を備える。棒状体21は、その両端側がそれぞれブレス受け部12のブレス受け壁部122の第1壁部122Aに形成されたブレス挿通孔122aに挿通される。ナット22は、ブレス挿通孔122aの内径より大きい外径で形成され、ブレス挿通孔122aに挿通された棒状体21の端部に螺合される。また、第1壁部122Aとナット22との間に、スプリングワッシャーを設けることで、棒状体21に所定のテンションを掛けることが可能となり、棒状体21のテンションが緩むのを防止できる。
【0040】
〈耐震補強金具1の取り付け方法〉
次に、耐震補強金具1を建築物500に取り付ける手順について説明する。本実施形態の説明では、耐震補強金具1をある柱522と他の柱522間に、耐震補強金具1を取り付ける場合について説明する。まず、土台521とある柱522との仕口525、ある柱522と梁523との仕口525、土台521と他の柱522との仕口525及び他の柱522と梁523との仕口525の4箇所の仕口525に固定部10のベース部11を配置する。そして、土台521とある柱522との仕口525に配置したベース部11と、他の柱522と梁523との仕口525に配置したベース部11と、の向きを合わせ、これらのベース部11を構造部材520に固定する。また、土台521と他の柱522との仕口525に配置したベース部11と、ある柱522と梁523との仕口525に配置したベース部11と、の向きを合わせ、これらのベース部11を構造部材520に固定する。ここで、2つのベース部11の向きを合わせるとは、具体的には、例えば、2つのベース部11にそれぞれ形成された欠き込み112aが互いに対向するように、ベース部11を回転させて調整する。
【0041】
次に、保護部13を、保護部孔13aにベース壁部112を挿通させ、ベース底突出部111aを覆うようにベース部11に取り付ける。
【0042】
次に、外壁材530の厚さ等に応じて(外壁材530にブレス20が接触しないように)、ベース固定部113における1つ目のナット部113bの位置を調整し、ベース壁部112の内部に、ブレス受け部12を挿通し、ブレス受け底部121の挿通孔121aに、ベース固定部113のボルト部113aを挿通し、調整された1つ目のナット部113bに、ブレス受け底部121を当接させる。そして、もう1つのナット部113bをボルト部113aに螺合させ、2つのナット部113bの間で、ブレス受け底部121を挟持する。
【0043】
次に、ブレス受け部12のブレス受け壁部122の第1壁部122Aに形成されたブレス挿通孔122aにブレス20の棒状体21の端部を挿入し、この棒状体21の端部にナット22を螺合させる。ナット22を回転させ、ブレス20に所定の張力をかける。
【0044】
最後に、保護部13の外縁と外面520aとの間をシールし、ベース部11及びブレス受け部12に、カバー部を被せ、カバー部と外壁材530との間に防水処理を行う。
【0045】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0046】
1 耐震補強金具
10 固定部
11 ベース部
12 ブレス受け部
13 保護部
13a 保護部孔
20 ブレス
21 棒状体
22 ナット
111 ベース底部
111a ベース底突出部
111b ベース部固定用孔
112 ベース壁部
112a 欠き込み
112b 欠き込み
113 ベース固定部
113a ボルト部
113b ナット部
121 ブレス受け底部
121a 挿通孔
122 ブレス受け壁部
122A 第1壁部
122B 第2壁部
122a ブレス挿通孔
500 建築物
510 基礎
520 構造部材
520a 外面
521 土台
522 柱
523 梁
525 仕口
530 外壁材