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特開2023-102448駐車場管理サーバ、駐車場管理方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102448
(43)【公開日】2023-07-25
(54)【発明の名称】駐車場管理サーバ、駐車場管理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20230718BHJP
【FI】
G08G1/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002932
(22)【出願日】2022-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】598121606
【氏名又は名称】三菱地所パークス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】荻田 健之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 創
(72)【発明者】
【氏名】一ノ瀬 智則
(72)【発明者】
【氏名】磯部 俊哉
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181CC02
5H181CC04
5H181CC14
5H181CC17
5H181DD10
5H181EE10
5H181JJ26
5H181KK01
5H181KK07
(57)【要約】
【課題】駐車場内の渋滞を防ぎながらユーザの選択を支援する情報を生成できる駐車場管理サーバを提供する。
【解決手段】駐車場内の各車室に設置された各車室センサから満空情報と車室番号または車室番号に対応するセンサIDを所定の時間間隔毎に受信して、所定時間に亘り満空情報が満室から空室に変わったままであることを示す車室番号について空き車室が発生したとみなして空き車室を特定する空き車室特定部と、駐車場内の車路を区分した区分車路を撮影する車路カメラから映像を受信し、各区分車路に進入する車両である入路車両を特定する入路車両特定部と、所定の区分車路に面する車室群における空き車室の数から、所定の区分車路における入路車両の台数を減算することにより、所定の区分車路に入路してもよい車両の台数である入路許可台数を決定する入路許可台数決定部を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場内の各車室に設置された各車室センサから満空情報と車室番号または車室番号に対応するセンサIDを所定の時間間隔毎に受信して、所定時間に亘り前記満空情報が満室から空室に変わったままであることを示す車室番号について空き車室が発生したとみなして空き車室を特定する空き車室特定部と、
駐車場内の車路を区分した区分車路を撮影する車路カメラから映像を受信し、各区分車路に進入する車両である入路車両を特定する入路車両特定部と、
所定の区分車路に面する車室群における空き車室の数から、前記所定の区分車路における入路車両の台数を減算することにより、前記所定の区分車路に入路してもよい車両の台数である入路許可台数を決定する入路許可台数決定部を含む
駐車場管理サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載の駐車場管理サーバであって、
前記入路許可台数決定部は、
決定された前記入路許可台数を表示させるための情報である表示制御情報を所定の電光表示板に送信する
駐車場管理サーバ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の駐車場管理サーバであって、
前記空き車室特定部は、
各車室に設置された車室車番読取器から車番と車室番号または車室番号に対応する読取器IDを受信し、事前精算機から車番と駐車料金の精算完了を示す精算情報を受信して、所定時間に亘り前記満空情報が満室から空室に変わったままの車室番号について、当該車室番号と対応する車番について精算情報を受信している場合に、当該車室番号について空き車室が発生したとみなして空き車室を特定する
駐車場管理サーバ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の駐車場管理サーバであって、
前記入路車両特定部は、
車路カメラから受信した映像に映っている車両を全て入路車両とみなす
駐車場管理サーバ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の駐車場管理サーバであって、
前記入路車両特定部は、
前記車路カメラから受信した映像に映っている車両のうち、該当の出庫車両の発生から所定時間以内に該当の空室車室近傍に映っている車両を出庫車両とみなして、入路車両から除外する
駐車場管理サーバ。
【請求項6】
請求項5に記載の駐車場管理サーバであって、
前記入路車両特定部は、
所定の車路カメラから受信した映像に映っている車両のうち出庫車両とみなされた車両が映像に映らなくなった時刻と、前記所定の車路カメラが撮影する区分車路に隣接する区分車路を撮影する車路カメラから受信した映像に車両が映り始めた時刻との差分が所定の閾値以下である場合に、前記隣接する区分車路を撮影する車路カメラに映り始めた車両を出庫車両として追跡し続け、前記隣接する区分車路における入路車両から除外する
駐車場管理サーバ。
【請求項7】
請求項1から4の何れかに記載の駐車場管理サーバであって、
前記入路車両特定部は、
所定の車路カメラから受信した映像に映っている車両の車番認識を実行し、認識された車番に基づいて出庫車両を追跡して、追跡中の出庫車両を入路車両から除外する
駐車場管理サーバ。
【請求項8】
請求項1から4の何れかに記載の駐車場管理サーバであって、
前記入路車両特定部は、
所定の車路カメラから映像、および当該映像に映っている車両の車番認識結果を受信し、受信した車番に基づいて出庫車両を追跡して、追跡中の出庫車両を入路車両から除外する
駐車場管理サーバ。
【請求項9】
駐車場管理サーバが実行する駐車場管理方法であって、
駐車場内の各車室に設置された各車室センサから満空情報と車室番号または車室番号に対応するセンサIDを所定の時間間隔毎に受信して、所定時間に亘り前記満空情報が満室から空室に変わったままであることを示す車室番号について空き車室が発生したとみなして空き車室を特定するステップと、
駐車場内の車路を区分した区分車路を撮影する車路カメラから映像を受信し、各区分車路に進入する車両である入路車両を特定するステップと、
所定の区分車路に面する車室群における空き車室の数から、前記所定の区分車路における入路車両の台数を減算することにより、前記所定の区分車路に入路してもよい車両の台数である入路許可台数を決定するステップを含む
駐車場管理方法。
【請求項10】
コンピュータを請求項1から8の何れかに記載の駐車場管理サーバとして機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場内の車路を区分した区分車路への入路許可台数を決定する駐車場管理サーバ、駐車場管理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
駐車管理装置の従来技術として特許文献1が開示されている。同文献の駐車管理装置は、駐車場スペース内の複数の駐車領域に入場した車両の送受信装置との間で入場時と退場時に情報通信する。駐車管理装置は、駐車/空車情報に基づいて演算処理により当車両の駐車領域を指定し、同時に、駐車場マップ上に当指定領域を他駐車領域に対して識別可能に表示を行なう。駐車管理装置は、走行経路上を走行する車両位置を、位置レーンマーカで検出して駐車場マップ上に表示する。駐車管理装置は、進路方向が分岐するポイントに到達した車両に対しては情報レーンマーカによって、所定の進路方向を指示する。
【0003】
特許文献1の駐車管理装置によれば、駐車/空車情報に基づいた車両の誘導が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-285391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ユーザは必ずしも誘導された車室に駐車するとは限らない。ユーザは限られた空き車室の中で少しでも自分にとって都合がよい車室を選ぼうとする可能性があり、このユーザの試行錯誤、待機行動などが駐車場内の渋滞の要因となっていた。例えば商業施設併設の駐車場であればエレベータ近くの車室を選びたいという要望がある。夏場は屋上フロアの車室は忌避される傾向がある。ユーザが運転に慣れていない場合、人気が高い車室よりも、人や車両の往来が少なく落ち着いて駐車を行うことができる車室が好まれる。
【0006】
そこで本発明では、駐車場内の渋滞を防ぎながらユーザの選択を支援する情報を生成できる駐車場管理サーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の駐車場管理サーバは、空き車室特定部と、入路車両特定部と、入路許可台数決定部を含む。
【0008】
空き車室特定部は、駐車場内の各車室に設置された各車室センサから満空情報と車室番号または車室番号に対応するセンサIDを所定の時間間隔毎に受信して、所定時間に亘り満空情報が満室から空室に変わったままであることを示す車室番号について空き車室が発生したとみなして空き車室を特定する。
【0009】
入路車両特定部は、駐車場内の車路を区分した区分車路を撮影する車路カメラから映像を受信し、各区分車路に進入する車両である入路車両を特定する。
【0010】
入路許可台数決定部は、所定の区分車路に面する車室群における空き車室の数から、所定の区分車路における入路車両の台数を減算することにより、所定の区分車路に入路してもよい車両の台数である入路許可台数を決定する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の駐車場管理サーバによれば、駐車場内の渋滞を防ぎながらユーザの選択を支援する情報を生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1の駐車場管理システムの装置構成を示すブロック図。
図2】実施例1の駐車場管理サーバの機能構成を示すブロック図。
図3】実施例1の駐車場管理サーバの動作を示すフローチャート。
図4】車室番号と精算情報を車番で結びつける場合の空き車室判定方法を示す図。
図5】出庫車両の追跡例1を示す図。
図6】出庫車両の追跡例2を示す図。
図7】出庫車両を入路車両に含める場合の入路許可台数の例を示す図。
図8】出庫車両を入路車両に含めない場合の入路許可台数の例を示す図。
図9】コンピュータの機能構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例0014】
以下、実施例1の説明で用いる用語の説明を行う。
【0015】
<駐車場管理サーバ1>
駐車場管理サーバ1は、本実施例に登場する駐車場を管理、制御するサーバであり、ネットワークを介して後述する装置と接続される。駐車場管理サーバ1は例えば汎用コンピュータなどで実現できる。
【0016】
<車室車番読取器2>
車室車番読取器2は、駐車場内の各車室に設置され、該当の車室に駐車した車両の車番を読み取る。車室車番読取器2は場合により省略可能である。車室車番読取器2は、1台で複数車室の車番を判定できるものであってもよい。車室車番読取器2として例えば車番認識カメラ等を用いればよい。
【0017】
<車室センサ3>
車室センサ3は、駐車場内の各車室に設置され、満空情報と車室番号(または車室番号に対応するセンサID)を所定の時間間隔毎に駐車場管理サーバ1に送信する。車室センサ3は、車室車番読取器2と兼用であってもよい。1台の車室センサで複数の車室の状態を検知する機器であってもよい。車室センサ3として例えば磁気式、赤外線式などのセンサや車両と文字を認識するカメラなどを用いればよい。
【0018】
<事前精算機4>
事前精算機4は、ユーザの駐車料金精算処理に応じて車番(あるいは車番と紐付いた駐車券ID)と駐車料金の精算完了を示す精算情報を駐車場管理サーバ1に送信する。例えば事前精算機4は、ユーザが挿入した駐車券のIDを読み取ってこれに対応する車番を駐車場管理サーバ1に問い合わせ、該当の車番と対応する精算情報と共に駐車場管理サーバ1に送信すればよい。あるいは事前精算機4は、駐車券IDとこれに対応する精算情報を駐車場管理サーバ1に送信し、駐車場管理サーバ1は、受信した駐車券IDと紐付いた車番と、受信した精算情報とを対応付けてもよい。事前精算機4は、例えば参考非特許文献1に開示された車番認証システムで使用されている一般的な事前精算機でよい。
【0019】
(参考非特許文献1:「Parking Solutions-商品サービス-車番認証システム」、Parking Solutions Co.,Ltd.、<URL:https://www.parking-s.co.jp/buisiness/numberplate.html>)事前精算機4は場合により本実施例の駐車場管理システムの構成要件から除外してもよい。
【0020】
<ゲート車番読取器5>
ゲート車番読取器5は、駐車場の入場ゲートに設置され、駐車場に入場する車両の車番を読み取る。ゲート車番読取器5は、読み取った車番と対応して発行された駐車券のIDである駐車券IDを、駐車場管理サーバ1に送信する。ゲート車番読取器5は、例えば参考非特許文献1に開示された車番認証システムで使用されている駐車券発行機相当の機器でよい。ゲート車番読取器5は場合により本実施例の駐車場管理システムの構成要件から除外してもよい。
【0021】
<車路カメラ6>
車路カメラ6は、駐車場内の車路を区分した区分車路を撮影し続ける。車路カメラ6は、撮影した映像を駐車場管理サーバ1に送信する。車路カメラ6はミリ波レーダーであってもよい。
【0022】
<区分車路・基幹車路>
区分車路は、駐車場内の車路を例えば交差点、分岐点、コーナーなどで区分(分割)したものである。区分(分割)された全ての車路を各区分車路として扱ってもよいが、区分された車路が何れの車両も使用する重要な車路である場合や、区分された車路が車室に面していない場合に、これらの区分された車路を基幹車路と定義して区分車路から除外してもよい。基幹車路の例として図7に基幹車路1~4をドットハッチングで囲んで表した。
【0023】
同図に区分車路の例として区分車路1~3を示す。同図に示すように、何れの車両も必ず使用する車路というわけではなく、かつ車室に面している車路を、隣接する交差点、分岐点、コーナーを該当区分車路の始点・終点として区分して区分車路として扱えば好適である。
【0024】
<電光表示板7>
電光表示板7は、各区分車路の入口などに、ユーザから見えやすい位置に設置される(図7参照)。電光表示板7は、入路許可台数を表示させるための情報である表示制御情報を駐車場管理サーバ1から受信し、表示制御情報に従った表示を実行する。電光表示板7は場合により省略可能である。
【0025】
<駐車場管理システムの装置構成>
図1に示すように、本実施例の駐車場管理システムは、駐車場管理サーバ1と、車室車番読取器2(場合により省略可)と、車室センサ3と、事前精算機4(場合によりシステムから除外可)と、ゲート車番読取器5(場合によりシステムから除外可)と、車路カメラ6と、電光表示板7(場合により省略可)を含む。駐車場管理サーバ1以外の装置の詳細についてはすでに説明した。
【0026】
<駐車場管理サーバ1の機能構成>
図2に示すように本実施例の駐車場管理サーバ1は、空き車室特定部11と、入路車両特定部12と、入路許可台数決定部13を含む。以下、図3を参照して各機能構成の詳細な動作を説明する。
【0027】
<空き車室特定部11>
空き車室特定部11は次の何れかの方法で空き車室を特定する(S11)。
【0028】
[特定方法1]
空き車室特定部11は、各車室センサ3から満空情報と車室番号または車室番号に対応するセンサIDを所定の時間間隔毎に受信して、所定時間に亘り満空情報が満室から空室に変わったままであることを示す車室番号について空き車室が発生したとみなして空き車室を特定する。特定方法1を用いる場合には、車室車番読取器2を省略し、事前精算機4、ゲート車番読取器5をシステムから除外することができる。
【0029】
[特定方法2]
図4に示すように、空き車室特定部11は、各車室センサ3から満空情報と車室番号または車室番号に対応するセンサIDを所定の時間間隔毎に受信し、車室車番読取器2から車番と車室番号または車室番号に対応する読取器IDを受信し、事前精算機4から車番または車番と紐付いた駐車券IDと精算情報を受信して、所定時間に亘り満空情報が満室から空室に変わったままの車室番号について、当該車室番号と対応する車番について精算情報を受信している場合に、当該車室番号について空き車室が発生したとみなして空き車室を特定する。特定方法2を用いる場合には、車室車番読取器2、事前精算機4、ゲート車番読取器5を駐車場管理システムに組み込む必要がある。
【0030】
<入路車両特定部12>
入路車両特定部12は車路カメラ6から映像を受信し、次のいずれかの方法で各区分車路に進入する車両である入路車両を特定する。(S12)。
【0031】
[特定方法1]
入路車両特定部12は、車路カメラ6から受信した映像に映っている車両を全て入路車両とみなす。この方法では、映像に映っている車両に関しては、出庫車両/入庫車両を区別せず、全て入路車両として取り扱う。
【0032】
[特定方法2]
入路車両特定部12は、車路カメラ6から受信した映像に映っている車両のうち、該当の出庫車両の発生から所定時間以内に該当の空室車室近傍に映っている車両を出庫車両とみなして、入路車両から除外してもよい。この方法では、映像に映っている車両に関しては、出庫車両とみなされた車両は除外され、それ以外の車両を入路車両として取り扱う。
【0033】
[特定方法3]
特定方法2をさらに拡張した方法として特定方法3がある。図5に示すように、入路車両特定部12は、所定の車路カメラ6-x1から受信した映像に映っている車両のうち出庫車両とみなされた車両が映像に映らなくなった(同図の例では映像に映る車両の台数1→0)時刻と、車路カメラ6-x1が撮影する区分車路に隣接する区分車路を撮影する車路カメラ6-x2から受信した映像に車両が映り始めた(同図の例では映像に映る車両の台数0→1)時刻との差分が所定の閾値以下である場合に、車路カメラ6-x2に映り始めた車両を出庫車両として追跡し続け、隣接する区分車路における入路車両から除外する。
【0034】
≪出庫車両が判別不能となった場合≫
例えば図6に例示するように、車路カメラ6-x1が撮影する区分車路に出庫車両が1台映っており、この出庫車両が西から東に移動している場合であって、車路カメラ6-x4が撮影する区分車路に入庫車両が1台映っており、この入庫車両が北から南に移動している場合、車路カメラ6-x1が撮影する区分車路の東側に隣接する区分車路を撮影する車路カメラ6-x3に車両が映り始め、ほぼ同時に車路カメラ6-x4が撮影する区分車路の南側に隣接する区分車路を撮影する車路カメラ6-x2に車両が映り始めた場合、出庫車両が車路カメラ6-x3側に進行したのか、それとも車路カメラ6-x2側に進行したのかが判別できなくなる可能性がある。
【0035】
この場合、入路許可台数を厳しく判定したい場合には、判別不能となった以降の該当車両をいずれも入庫車両として扱い、追跡を続行すればよい。入路許可台数を緩く判定したい場合には、判別不能となった以降の該当車両をいずれも出庫車両として扱い、追跡を続行すればよい。
【0036】
[特定方法4]
特定方法2、3は、車路において車番を特定、追跡できないときに有効な方法である。一方、車路カメラ6の映像の解像度が十分にあり、車両のナンバープレートを撮影できる場合であって、駐車場管理サーバ1で映像を用いた車番認識を実行させることができる場合には、特定方法4が有効である。特定方法4において、入路車両特定部12は、所定の車路カメラ6から受信した映像に映っている車両の車番認識を実行し、認識された車番に基づいて出庫車両を追跡して、追跡中の出庫車両を入路車両から除外する。
【0037】
[特定方法5]
車路カメラ6が車番を認識する機能を備えている場合には、特定方法5が有効である。特定方法5において、入路車両特定部12は、所定の車路カメラ6から映像、および当該映像に映っている車両の車番認識結果を受信し、受信した車番に基づいて出庫車両を追跡して、追跡中の出庫車両を入路車両から除外する。
【0038】
<入路許可台数決定部13>
入路許可台数決定部13は、所定の区分車路に面する車室群における空き車室の数から、所定の区分車路における入路車両の台数を減算することにより、所定の区分車路に入路してもよい車両の台数である入路許可台数を決定する(S13)。
【0039】
このとき、入路許可台数決定部13は、決定された入路許可台数を表示させるための情報である表示制御情報を所定の電光表示板7に送信し、電光表示板7が入路許可台数の表示を行ってもよい。他のパターンとして、駐車場管理サーバ1は、決定した入路許可台数を表示させるための情報をWEBサーバに送信し、WEBサーバがWEBページ上に入路許可台数の表示を行ってもよい。
【0040】
≪出庫車両を入路車両に含める場合の入路許可台数の例≫
上述の入路車両特定部12の[特定方法1]、映像に映っている車両を全て入路車両とみなす方法と対応している。出庫車両を入路車両に含める場合は、最もシンプルに入路許可台数が決定される。
【0041】
例えば図7の区分車路1に面する車室群における空き車室は2つであり、区分車路1を撮影する車路カメラ6には1台の入路車両(同図の斜線ハッチングを施した長方形で表した出庫車両)が確認できる。従って、入路許可台数は2-1=1台となる。
【0042】
同図の区分車路2に関しては、区分車路2に面する車室群における空き車室は2つであり、区分車路2を撮影する車路カメラ6には入路車両が映っていない。従って、入路許可台数は2-0=2台となる。
【0043】
同図の区分車路3に関しては、区分車路3に面する車室群における空き車室は1つであり、区分車路3を撮影する車路カメラ6には1台の入路車両(同図の白抜き長方形で表した入庫車両)が確認できる。従って、入路許可台数は1-1=0台となる。
【0044】
≪出庫車両を入路車両に含めない場合の入路許可台数の例≫
上述の入路車両特定部12の[特定方法2]~[特定方法5]、映像に映っている車両のうち、出庫車両を除外して、出庫車両以外の車両を入路車両とみなす方法と対応している。
【0045】
例えば図8の区分車路1に面する車室群における空き車室は2つであり、区分車路1を撮影する車路カメラ6には2台の出庫車両と、1台の入路車両が確認できる。出庫車両は除外され、入路許可台数は2-1=1台となる。
【0046】
同図の区分車路2に関しては、区分車路2に面する車室群における空き車室は2つであり、区分車路2を撮影する車路カメラ6には2台の出庫車両が確認できる。出庫車両は除外され、入路許可台数は2-0=2台となる。
【0047】
同図の区分車路3に関しては、区分車路3に面する車室群における空き車室は1つであり、区分車路3を撮影する車路カメラ6には1台の出庫車両、1台の入路車両が確認できる。出庫車両は除外され、入路許可台数は1-1=0台となる。
【0048】
上述したように本実施例の駐車場管理システム、駐車場管理サーバ1によれば、区分車路毎に、区分車路に入路してもよい車両の台数である入路許可台数を決定することとしたため、駐車場内の渋滞を防ぎながらユーザの選択を支援する情報を生成できる。
【0049】
また、入路許可台数を表示させるための情報である表示制御情報を所定の電光表示板7に送信することにより、ユーザの選択を支援する情報をわかりやすく提示し、駐車場内の渋滞を防ぐことができる。
【0050】
また、車路カメラ6から受信した映像に映っている車両を全て入路車両とみなすことにより、エラーに対して頑健かつシンプルに入路許可台数を決定することができる。
【0051】
また、車路カメラ6から受信した映像に映っている車両のうち、出庫車両を入路車両から除外することにより、駐車場の実態に即した情報を生成することができ、当該情報を利用することにより、駐車場内の渋滞をより緩和することができる。
【0052】
<補記>
本発明の装置は、例えば単一のハードウェアエンティティとして、キーボードなどが接続可能な入力部、液晶ディスプレイなどが接続可能な出力部、ハードウェアエンティティの外部に通信可能な通信装置(例えば通信ケーブル)が接続可能な通信部、CPU(Central Processing Unit、キャッシュメモリやレジスタなどを備えていてもよい)、メモリであるRAMやROM、ハードディスクである外部記憶装置並びにこれらの入力部、出力部、通信部、CPU、RAM、ROM、外部記憶装置の間のデータのやり取りが可能なように接続するバスを有している。また必要に応じて、ハードウェアエンティティに、CD-ROMなどの記録媒体を読み書きできる装置(ドライブ)などを設けることとしてもよい。このようなハードウェア資源を備えた物理的実体としては、汎用コンピュータなどがある。
【0053】
ハードウェアエンティティの外部記憶装置には、上述の機能を実現するために必要となるプログラムおよびこのプログラムの処理において必要となるデータなどが記憶されている(外部記憶装置に限らず、例えばプログラムを読み出し専用記憶装置であるROMに記憶させておくこととしてもよい)。また、これらのプログラムの処理によって得られるデータなどは、RAMや外部記憶装置などに適宜に記憶される。
【0054】
ハードウェアエンティティでは、外部記憶装置(あるいはROMなど)に記憶された各プログラムとこの各プログラムの処理に必要なデータが必要に応じてメモリに読み込まれて、適宜にCPUで解釈実行・処理される。その結果、CPUが所定の機能(上記、…部、…手段などと表した各構成要件)を実現する。
【0055】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、上記実施形態において説明した処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されるとしてもよい。
【0056】
既述のように、上記実施形態において説明したハードウェアエンティティ(本発明の装置)における処理機能をコンピュータによって実現する場合、ハードウェアエンティティが有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記ハードウェアエンティティにおける処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0057】
上述の各種の処理は、図9に示すコンピュータの記録部10020に、上記方法の各ステップを実行させるプログラムを読み込ませ、制御部10010、入力部10030、出力部10040などに動作させることで実施できる。
【0058】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM(Random Access Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP-ROM(Electrically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
【0059】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0060】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0061】
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、ハードウェアエンティティを構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9