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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102486
(43)【公開日】2023-07-25
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 51/02 20220101AFI20230718BHJP
   H04L 51/043 20220101ALI20230718BHJP
   G06Q 10/10 20230101ALI20230718BHJP
   G06Q 50/00 20120101ALI20230718BHJP
【FI】
H04L51/02
H04L51/043
G06Q10/10
G06Q50/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002998
(22)【出願日】2022-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】510153607
【氏名又は名称】Talknote株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】小池 温男
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】組織内におけるユーザ同士のコミュニケーションの利便性を向上させること。
【解決手段】会社に属する複数の社員の夫々により操作される複数のユーザ端末2-1乃至2-nと通信をする情報処理装置のユーザ関連情報取得部51は、複数のユーザのうち所定ユーザに関する会社のコミュニケーションポリシー、上司・部下の関係、部下は上司からのメッセージを既読、部下は外出して商談中等といった情報を、ユーザ関連情報として1以上取得する。フィードバック報知部52は、ユーザ関連情報に対するフィードバック情報として、ユーザ関連情報に基づく商談が終わったら重視からのメッセージへ返信を返したほうが良いとのアドバイスを含む情報を、ユーザ関連情報に基づく商談予定の終了時間の直後といったタイミングで、所定ユーザを含む複数のユーザのうち1人以上の夫々のユーザ端末にAIボットのメッセージとしてポップアップして報知する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の組織に属する複数のユーザの夫々により操作される複数のユーザ端末と通信をする情報処理装置であって、
前記複数のユーザのうち所定ユーザに関する情報を、ユーザ関連情報として1以上取得するユーザ関連情報取得手段と、
前記ユーザ関連情報に対するフィードバック情報として、当該ユーザ関連情報に基づく所定の内容を含む情報を、当該ユーザ関連情報に基づく所定のタイミングで、前記所定ユーザを含む前記複数のユーザのうち1人以上の夫々の前記ユーザ端末に報知するフィードバック報知手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザ関連情報取得手段は、
前記所定ユーザを示す感情情報を、前記ユーザ関連情報として取得し、
前記フィードバック報知手段は、
前記複数のユーザのうち、前記所定ユーザに関連する他ユーザに対して報知すべき所定の内容であって、前記所定ユーザの前記感情情報に基づく所定の内容を含む情報を、前記フィードバック情報として当該他ユーザの前記ユーザ端末に報知する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ユーザ関連情報取得手段は、
前記所定ユーザが前記ユーザ端末を介して前記情報処理装置にアクセスした際における当該所定ユーザの状態を示すコンテクスト情報を、前記ユーザ関連情報として取得し、
前記フィードバック報知手段は、
前記コンテクスト情報が示す前記状態に応じた前記所定ユーザの取るべき行動の選択肢を含む情報を、前記フィードバック情報として前記所定ユーザの前記ユーザ端末に報知し、
前記ユーザ関連情報は、さらに、
前記所定ユーザの前記ユーザ端末に対する操作により前記選択肢の中から選択された行動を示す選択行動情報を、前記ユーザ関連情報として取得し、
前記フィードバック報知手段は、さらに、
前記選択行動情報が示す前記行動が一定時間実施されない場合、当該一定時間の経過後の所定タイミングに、前記選択行動情報が示す前記行動の実施を前記所定ユーザに促す内容を含む情報を、前記フィードバック情報として前記所定ユーザの前記ユーザ端末に報知する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ユーザ関連情報取得手段は、
前記所定ユーザと、前記複数のユーザのうち第1他ユーザとの夫々が自身の前記ユーザ端末を用いて所定コミュニ―ケーションを所定期間中にしていることを示す情報を、前記ユーザ関連情報として取得し、
前記情報処理装置は、前記所定ユーザの前記ユーザ端末と前記第1他ユーザの前記ユーザ端末との間の情報の授受が所定の管理のもとに置かれている場合、前記所定コミュニケーションにおける情報の授受を当該所定の管理から外す情報管理手段をさらに備え、
前記フィードバック報知手段は、
前記ユーザ関連情報が示す前記所定期間に前記所定コミュニケーションが行われた旨の情報を、前記フィードバック情報として前記複数のユーザのうち第2他ユーザ(例えば上司)の前記ユーザ端末に報知する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ユーザ関連情報取得手段は、
前記所定ユーザが特定の状態となったことを示すコンテクスト情報を、前記ユーザ関連情報として取得し、
前記フィードバック報知手段は、
前記コンテクスト情報に基づく所定の内容を含む情報を、前記フィードバック情報として前記所定ユーザの前記ユーザ端末に報知する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ユーザ関連情報取得手段は、
前記所定ユーザによる前記ユーザ端末に対する1以上の操作の内容を示す操作情報を、前記ユーザ関連情報として取得し、
前記フィードバック報知手段は、
前記操作情報に基づく所定の内容を含む情報を、前記フィードバック情報として前記所定ユーザの前記ユーザ端末に報知する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ユーザ関連情報取得手段は、
前記所定ユーザによる前記ユーザ端末に対する1以上の操作の内容を示す操作情報を、前記ユーザ関連情報として取得し、
前記フィードバック報知手段は、
前記操作情報に基づく所定の内容を含む情報を、前記フィードバック情報として前記複数のユーザのうち他ユーザの前記ユーザ端末に報知する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記ユーザ関連情報取得手段は、
前記所定ユーザが属する前記所定の組織のポリシー情報を、前記ユーザ関連情報として取得し、
前記フィードバック報知手段は、
前記ポリシー情報に基づく所定の内容を含む情報を、前記フィードバック情報として前記所定ユーザの前記ユーザ端末に報知する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、企業等に属するユーザ間でメッセージを授受することでコミュニケーションを行うツールが存在する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-149600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1を含む従来の技術では、単にメッセージ形式でコミュニケーションを行うことが可能となるに過ぎず、組織内におけるコミュニケーションに対するフィードバック等、利便性の向上が求められている。
【0005】
本発明は、組織内におけるユーザ同士のコミュニケーションの利便性向上を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
所定の組織に属する複数のユーザの夫々により操作される複数のユーザ端末と通信をする情報処理装置であって、
前記複数のユーザのうち所定ユーザに関する情報を、ユーザ関連情報として1以上取得するユーザ関連情報取得手段と、
前記ユーザ関連情報に対するフィードバック情報として、当該ユーザ関連情報に基づく所定の内容を含む情報を、当該ユーザ関連情報に基づく所定のタイミングで、前記所定ユーザを含む前記複数のユーザのうち1人以上の夫々の前記ユーザ端末に報知するフィードバック報知手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、組織内におけるユーザ同士のコミュニケーションの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む情報処理システムが適用されるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の流れの一例を説明する模式図である。
図2図1の本サービスを利用する、会社における上司と部下のメッセージのやり取りにおけるフィードバック情報の一例を示す図である。
図3図1の本サービスを利用する、会社における上司と部下のメッセージのやり取りにおけるフィードバック情報の一例を示す図であって、図2と異なる例である。
図4図1の本サービスを利用する、会社における同僚同士のメッセージのやり取りに関する、上司に対するフィードバック情報の一例を示す図である。
図5図1の本サービスを利用する、会社におけるユーザのトピックへの状態に関する、フィードバック情報の一例を示す図である。
図6図1の本サービスを利用する、会社における上司と部下のメッセージのやり取りにおけるフィードバック情報の一例を示す図であって、図2及び図3と異なる例である。
図7図1の本サービスを利用する、会社におけるユーザのトピックへの状態に関する、フィードバック情報の一例を示す図のうち、図5と異なる例を示す図である。
図8図1の本サービスを利用する、会社における同僚同士のやり取りにおけるフィードバック情報の一例を示す図である。
図9図1乃至図8のサービスの提供のための情報処理システムの構成の例を示す図である。
図10図9の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図11図10のサーバを含む情報処理システムの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図12】本サービスにおいて図11のユーザ端末に表示されるUIの一例を示す図である。
図13】ユーザ間のメッセージの授受に係るUIの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む情報処理システムが適用されるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の流れの一例を説明する模式図である。
【0011】
まず、前提として、本サービスは、会社Cに属するn人(nは1以上の整数値)のユーザU-1乃至U-nに対して、ユーザU-1乃至U-n間におけるメッセージの授受、即ち、テキスト形式でのチャットを利用可能なコミュニケーションツールの提供を行うものである。
本サービスを提供するべく、図示せぬサービス提供者は、サーバ1を管理している。
なお、以下、ユーザU-1乃至U-nの夫々を個々に区別する必要が無い場合、これらをまとめて、「ユーザU」と呼ぶ。また、ユーザU-1乃至U-nのうち特定なユーザUについては、「所定ユーザU-k」(kは1以上nの整数値)と呼ぶ。
【0012】
以下、本サービスの流れの概要について説明する。
まず、ステップST11において、サーバ1は、所定ユーザU-kに関する、1以上のユーザ関連情報を取得する。。
【0013】
所定ユーザU-kのユーザ関連情報とは、所定ユーザU-kに関する各種各様な情報をいう。
具体的には例えば、ユーザ関連情報は、以下の情報を含み得る。
【0014】
例えば、所定ユーザU-kの属性情報は、ユーザ関連情報の一例である。ここで、所定ユーザU-kの「属性」とは、当該所定ユーザU-kの性質や特徴を表すものであり、ユーザU-kに関する氏名、年齢、性別、組織Cにおける肩書等を含む。
【0015】
また例えば、所定ユーザU-kのコンテクスト情報は、ユーザ関連情報の一例である。
ここで、「コンテクスト情報」とは、所定ユーザU-kの内的状態と外的状態とのうち少なくとも1以上の状態を示す情報のことをいう。即ち、1つのコンテクスト情報は、所定ユーザU-kの「内的状態」と「外的状態」とのうちいずれか1つ以上の状態を示す情報となる。
ここで、「内的状態」とは、所定ユーザU-k自体をセンシングの対象とすることで得られた各種の情報により示される、所定ユーザU-kの内部の状態のことをいう。「内的状態」を示す情報には、例えば、測定や調査等により得られた、身長、体重、体温、脈拍、体脂肪率、体型、指紋、声紋、年齢等の所定ユーザU-kの身体的特徴を示す情報が含まれる。また、所定ユーザU-kの体調や感情等の情報や、所定ユーザU-kの行動履歴等も、所定ユーザU-kの内的状態を示す情報に含まれる。
また、「外的状態」とは、所定ユーザU-kの周囲の環境をセンシングの対象とすることで得られた各種の情報により示される、所定ユーザU-kの外部の状態のことをいう。「外的状態」を示す情報には、例えば、所定ユーザU-kが、過去に存在した、現在存在する、又は将来存在し得る場所における、気象(天気、気温、湿度等)の履歴や予報、室温等に関する情報が含まれる。また、外的状態を示す情報には、所定ユーザU-kの空間的又は時間的な配置の位置を示す情報、所定ユーザU-kの周囲の空間的方向と時間的方向のうち、少なくとも1の方向に分布する所定の状態を示す情報等も含まれる。
なお、本明細書において「時間」とは、本来的な概念である「幅」を示すものに限らず、「そのとき」を示す概念として、「時刻」や「タイミング」も含まれるものとする。このため、「時間的な配置の位置を示すデータ」には、例えば過去の所定タイミングにおける時刻や、現在時刻等が含まれる。
なお、ユーザU-kのコンテクスト情報を取得する具体的手法は特に限定されないが、例えば、ユーザU-kの操作するユーザ端末(例えば、図11のユーザ端末2)から入力できるようにしてもよい。また、別途管理されている外部サーバ等から取得できるようにしてもよい。
【0016】
また例えば、所定ユーザU-kによるユーザ端末(例えば、図11のユーザ端末2)に対する操作内容を示す情報は、ユーザ関連情報の一例である。ここで、「操作内容」とは、ユーザ端末に対して所定ユーザU-kにより入力操作された内容(例えばテキスト入力されたならば当該テキストの文章等)の他、他のユーザUのユーザ端末から送信されてきた情報(例えば後述のメッセージ等)を受信して閲覧する操作をした場合には当該情報の内容や、ユーザ端末が備える各種センサにより取得された内容を含む(即ち、上述のコンテクスト情報となり得るものも含む)。具体的には例えば、所定ユーザU-kがユーザ端末をもちいた文字列のタイピングや、タップ操作の内容や、所定ユーザU-kがユーザ端末を操作する際の加速度センサの情報や温度センサの情報(コンテクスト情報の一例)なども含まれ得る。
【0017】
また例えば、n人のユーザU-1乃至U-nが属している組織(ここでは、会社Cや、会社C内の部や課等の組織)の情報は、ユーザ関連情報の一例である。ここで、「属している組織の情報」とは、所定ユーザU-kが属している組織の組織構成や、複数のユーザUの間の組織内における関係性(例えば、上司・部下の関係や、同じプロジェクトに属しているか否か等の関係性)を含む。
【0018】
図1の例においては、メッセージ情報と、コミュニケーションポリシー情報がユーザ関連情報に含まれている。
メッセージ情報は、複数のユーザUの間でなされたメッセージの情報でっあて、上述の所定ユーザU-kによるユーザ端末に対する操作内容を示す情報の一例である。
コミュニケーションポリシー情報は、会社Cにおいて設定されているコミュニケーションにおける所定のルール(ポリシー)であって、上述のユーザUが属している組織の情報の一例である。
【0019】
そして、ステップST12において、ステップST11において取得された所定ユーザU-kのユーザ関連情報に対するフィードバック情報がサーバ1から出力される。
即ち、フィードバック情報は、所定ユーザU-kのユーザ関連情報に基づく所定の内容を含む情報であり、当該ユーザ関連情報に基づく所定のタイミングで、所定ユーザU-kを含むユーザU1乃至Unのううち1人以上のユーザ端末に送信される。
ここで、所定ユーザU-kのユーザ関連情報に基づく所定の内容とは、ユーザ関連情報に基づいて生成される、送信先のユーザUにとって有益な各種各様な情報である。例えば、所定ユーザU-kが部下の場合には、商談が終了したら上司からのメッセージへ返信を返したほうが良い等のアドバイスが、当該所定ユーザU-kに対して送信されるフィードバック情報の一例である。
また、フィードバック情報の送信タイミングは、所定ユーザU-kのユーザ関連情報に基づいて決定される、送信先のユーザUにとって適切なタイミングであり、例えば上述のアドバイスがフィードバック情報として送信されるタイミングは、例えば当該商談予定の終了時間の直後である。
また、ユーザ端末に送信されたフィードバック情報の提示形態は特に限定されず、例えば部下のユーザ端末の画面にAIボットのメッセージとしてポップアップさせる形態等をとることができる。
【0020】
以下、図2乃至図8を用いて、ユーザ関連情報と、フィードバック情報の例について、本サービスが利用される具体的な状況の例を交えつつ説明する。
【0021】
図2は、図1の本サービスを利用する、会社における上司と部下のメッセージのやり取りにおけるフィードバック情報の一例を示す図である。
図2の説明において、ユーザU-21は会社Cにおける上司であり、ユーザU-22は会社CにおけるユーザU-21の部下であるものとして説明する。
【0022】
まず、ステップST21において、上司であるユーザU-21は、部下であるユーザU-22に対してメッセージ(問合せ)を行う。
具体的には、ユーザU-21は、12:00に、「昨日の商談はどうだった?」とメッセージ(問合せ)を行っている。
ユーザU-22は、12:00において、後で当該メッセージ(問合せ)に対して返事のメッセージを行おうと考え、返信をしなかった。
【0023】
次に、ステップST22において、ユーザU-21は、14:00に、2時間前に行ったメッセージ(問合せ)に対する応答が無いことを確認し、感情として返信が遅いことに対する苛立ちを感じた。この感情(ここでは苛立ち)を示す情報(以下、「感情情報」と呼ぶ)は、例えばユーザU-21のユーザ端末において、ユーザU-21の心拍数や操作(例えば、入力されたチャットの語調や操作の乱暴さ)等から取得可能である。この感情情報は、ユーザU-21のコンテクスト情報の一例、即ち、ユーザ関連情報の一例である。
この感情情報は、ユーザU-21のユーザ端末からサーバ1に送信される。即ち、上司たるユーザU-21が、ユーザ関連情報の取得対象となる所定ユーザU-kの一例である。
【0024】
次に、ステップS23において、ユーザU-21の返信が遅いことに対する苛立ちの感情(感情情報)に基づいて、サーバ1のAI(Artificial Intelligence)が、「早く返事をした方が良いですよ」というフィードバック情報を生成して、ユーザU-22のユーザ端末に送信する。
即ち、「早く返事をした方が良いですよ」というフィードバック情報は、所定ユーザU-k(図2の例では上司たるユーザU-21)に関連する他ユーザ(図2の例では部下たるU-22)に対して報知すべき所定の内容であって、前記所定ユーザの感情情報(図2の例では苛立ちの感情を示す情報)に基づく所定の内容の一例である。
そして、このとき、ユーザU-22は、14:30まで別の商談に参加しているものとする。この場合、ステップS23におけるフィードバック情報の送信は、ユーザU-21のユーザ関連情報に基づく適切なタイミングに行われる。即ち、ユーザU-21のユーザ関連情報とは、昨日の商談に対する報告が遅いことに対する部下への苛立ちの感情情報であることから、例えば図2の例では、ユーザU-22の別の商談が終了したタイミングで送信されている。
【0025】
これにより、ユーザU-21は、別の商談が終わったタイミングユーザU-21からのメッセ―ジ(問合せ)に対する返事のメッセージを行うべき旨のフィードバックを得ることができるため、再度返事を失念したりせずに、適切にユーザU-21に返事をすることができる。即ち、ユーザU-21の感情(返信が遅いことに対する苛立ち)に応じた対応をすることが可能となるのである。
このように、本サービスでは、ユーザU-21の感情情報に対するフィードバック情報がユーザU-22に提供されるのである。
【0026】
図3は、図1の本サービスを利用する、会社における上司と部下のメッセージのやり取りにおけるフィードバック情報の一例を示す図であって、図2と異なる例である。
図3の説明において、上述の図2と同様に、ユーザU-21は会社Cにおける上司であり、ユーザU-22は会社CにおけるユーザU-21の部下であるものとして説明する。
また、図3の説明において、前提として、図2のステップST21の段階を経ているものとする。即ち、ユーザU-21は、ユーザU-22に対してメッセージ(問合せ)を既に行っているものとする。
ユーザU-22は、12:00において、会議に出席している。
そこで、ステップS31において、ユーザU-22が会議に出席しているというコンテクスト情報が、サーバ1に取得される。サーバ1は、当該コンテクスト情報をユーザU-22のユーザ端末や、ユーザU-22の組織におけるスケジュール管理システム等から取得可能である。このコンテクスト情報は、ユーザ関連情報の一例である。
【0027】
次に、ステップST32において、サーバ1は、ユーザU-22に対して、選択肢を提示する。具体的には図3に示すように、「1.会議中のため一言だけ返信する」「2.会議が終わったら返信する」といった選択肢を、サーバ1はユーザU-22に対して提示する。
次に、ステップST32において、ユーザU-22は、選択肢から行動を選択する。即ち、サーバ1は、ユーザU-22から選択行動を取得する。
この感情情報は、ユーザU-21のユーザ端末からサーバ1に送信される。即ち、上司たるユーザU-21が、ユーザ関連情報の取得対象となる所定ユーザU-kの一例である。
【0028】
次に、ステップS34において、サーバ1ユーザU-21の返信が遅いことに対する苛立ちの感情(感情情報)に基づいて、サーバ1のAIが、「会議が終わったので返信しましょう」というフィードバック情報を生成して、ユーザU-22のユーザ端末に送信する。
【0029】
ここで、ユーザU-22は、コンテクスト情報に基づいた取るべき行動の選択肢を提示されるため、当該コンテクスト情報の状況において、どのような選択肢が好適であるのかを把握することができる。また、サーバ1により選択行動に応じたフィードバック情報が得られるので、適切にその行動を実施することができるようになる。これにより、ユーザU-22は、より良いコミュニケーションを身に着けることができるようになる。
また、ユーザU-22は、フィードバック情報が得られることを前提とするため、行動について一定時間で実施すべき内容をタスクとして登録して管理する必要がないという利便性を享受することができる。
このように、本サービスでは、ユーザU-22のコンテクスト情報に対するフィードバック情報がユーザU-22に提供されるのである。
【0030】
図4は、図1の本サービスを利用する、会社における同僚同士のメッセージのやり取りに関する、上司に対するフィードバック情報の一例を示す図である。
図4の説明において、ユーザU-31及びU-32は会社Cにおける同僚の関係にあり、ユーザU-33は会社CにおけるユーザU-31及びU-32の上司であるものとして説明する。
【0031】
まず、ステップST41において、同僚であるユーザU-41及びユーザU-42に対して相互にメッセージ(趣味の話、雑談)を行う。
具体的には、ユーザU-41は、昼休みである12:00に、「来月釣りに行かない?」とメッセージ(趣味の話、雑談)を行っている。図示はしないが、ユーザU-42は、ユーザU-41からのメッセージ(趣味の話、雑談)に返答をしている。
上述のメッセージ(趣味の話、雑談)の内容は、サーバ1により取得される。
また、サーバ1により取得されたこのメッセージ(趣味の話、雑談)は、会社Cにおける業務上の連絡等ではないため、上司や人事部等からの管理対象からは除外される。その結果、メッセージ(趣味の話、雑談)そのものは管理されず、ユーザU-41及びU-42が昼休みに雑談をしていたという事実がサーバ1により管理される。
このような情報は、ユーザU-41及びU-42のコンテクスト情報の一例、即ち、ユーザ関連情報の一例である。
【0032】
次に、ステップS42において、ユーザU-41及びU-42が昼休みに雑談をしていたという情報に基づいて、サーバ1のAIが、「U-41さんとU-42さんが昼休みに雑談をしていたようです」というフィードバック情報を生成して、ユーザU-43のユーザ端末に送信する。
【0033】
ここで、同僚であるユーザU-41とユーザU-42との具体的なコミュニケーションは管理されないものの、当該コミュニケーションが行われた旨(趣味の話、雑談がなされた旨)が管理される。これにより、上司たるユーザU-43は、ユーザU-41とユーザU-42が雑談をする仲であることを把握することができる。即ち、ユーザU-41とU-42とのメッセージがなされた時間を雑談時間と捉え、その雑談の内容が上司たるユーザU-43に対して秘密のまま、ユーザU-41とユーザU-42とがコミュニケーションをとる仲であるとポジティブに評価される環境が構築される。
【0034】
図5は、図1の本サービスを利用する、会社におけるユーザのトピックへの状態に関する、フィードバック情報の一例を示す図である。
図5の説明において、ユーザU-51及びU-52は会社Cにおける従業員であり、ユーザU-51は会社Cにおけるイベント(ここでは懇親会)がある旨を案内しているものとして説明する。
【0035】
まず、ステップST51において、イベントが有る旨を案内しようとしているユーザU-51は、本サービスのトピックを投稿する。
具体的には、ユーザU-51は、12:00に、「懇親会のお知らせ」とトピックの投稿を行っている。
ユーザU-52は、13:00において、トピックを確認したものの、モチベーションダウン、気持ちよく仕事ができていないために懇親会に参加する気にならなかったため、いいねを押さなかった。なお、図5に示すユーザU-52のユーザ端末2における「(未)」の表示は、ユーザU-52自身がいいねを押していない状況である旨を示している。
【0036】
次に、ステップST52において、サーバ1は、投稿から4時間が経過し、勤務時間の終了(定時)が近付いている17時にもかかわらずユーザU-52によっていいねが押されていない旨等をユーザU-52のコンテクスト情報として取得する。このユーザU-21のコンテクスト情報は、ユーザ関連情報の一例である。
また、サーバ1には、これまで同様のトピック等についてもユーザU-52がいいねを押していない旨(コンテクスト情報)が取得され、蓄積されている。
【0037】
次に、ステップS53において、ユーザU-52によっていいねが押されていない旨等(蓄積されたコンテクスト情報)に基づいて、サーバ1のAIが、「気になることがありますか?」というフィードバック情報を生成して、ユーザU-52のユーザ端末に送信する。
【0038】
このように、ユーザU-52がモチベーションダウン、気持ちよく仕事ができていないといった、特定の状態にある場合、その状態がユーザU-52の「いいね」の回数減少、メッセージ入力の回数減少といった行動に反映される。サーバ1は、このような行動をコンテクスト情報として取得し、人事部や上司からの声掛けに相当するフィードバック情報を生成し、ユーザU-52に報知することができる。これにより、ユーザU-52が特定のモチベーションダウンといった特定の状態に陥った場合に、そのユーザU-52に対して組織として、例えば人事部や上司からの何らかのアクションに相当する、フィードバックを行うことができる。これにより、組織におけるユーザのコミュニケーションが改善する。
【0039】
図6は、図1の本サービスを利用する、会社における上司と部下のメッセージのやり取りにおけるフィードバック情報の一例を示す図であって、図2及び図3と異なる例である。
図3の説明において、上述の図2と同様に、ユーザU-21は会社Cにおける上司であり、ユーザU-22は会社CにおけるユーザU-21の部下であるものとして説明する。
また、図3の説明において、前提として、図2のステップST21の段階を経ているものとする。即ち、ユーザU-21は、ユーザU-22に対してメッセージ(問合せ)を既に行っているものとする。
【0040】
まず、ステップST61において、上司であるユーザU-21は、部下であるユーザU-22に対してメッセージ(問合せ)を行う。
具体的には、ユーザU-21は、8月16日の12:00に、「月末の会議の準備は順調?」とメッセージ(問合せ)を行っている。
ユーザU-22は、12:00において、お盆の夏季休暇中だったため、休み明けに返事のメッセージを行おうと考え、返信をしなかった。
上述のメッセージ(問合せ)の内容は、サーバ1により取得される。
【0041】
次に、ステップS62において、ユーザU-21がお盆の夏季休暇である8月16日にメッセージ(問合せ)をしていたという情報に基づいて、サーバ1のAIが、「お盆に仕事のSNSメッセージをするのは元旦に仕事のメッセージを送るのと同じですよ」というフィードバック情報を生成して、ユーザU-43のユーザ端末に送信する。
【0042】
このように、例えば、上司であるユーザU-21が、お盆の夏季休暇中であることを考慮せずにSNS等のメッセージの送信操作を送信した場合に、その操作の内容が組織におけるコミュニケーションとして適切であるか否かといった所定の内容が、ユーザU-21にフィードバックされる。ユーザU-21が、組織においてどのような身分であっても(例えば、本来注意されずらい上司や社長といった立場であっても)、組織におけるコミュニケーションとしての妥当性といった世の中の常識を知る機会となるフィードバックが可能となる。即ち、組織内におけるユーザ同士のコミュニケーションの利便性を向上させることができる。
【0043】
図7は、図1の本サービスを利用する、会社におけるユーザのトピックへの状態に関する、フィードバック情報の一例を示す図のうち、図5と異なる例を示す図である。
図5の説明において、ユーザU-51及びU-52は会社Cにおける従業員であり、ユーザU-51は会社Cにおけるイベント(ここでは社員旅行)の写真の共有を案内しているものとして説明する。
【0044】
まず、ステップST71において、社員旅行の写真の共有をしようとしているユーザU-51は、本サービスのトピックを投稿する。
具体的には、ユーザU-51は、12:00に、「社員旅行の写真共有のお知らせ」とトピックの投稿を行っている。
ユーザU-52や図示せぬユーザUは、トピックを閲覧し、共有された写真(アルバム)を閲覧したり、いいねを押したりする。
【0045】
次に、ステップST72において、サーバ1は、ユーザU-52がいいねを押した旨等をユーザU-52の操作情報として取得する。このユーザU-52の操作情報は、ユーザU-52のコンテクスト情報であって、ユーザ関連情報の一例である。
また、サーバ1は、同様に図示せぬユーザU-52がいいねを押した旨等をユーザUの夫々のコンテクスト情報として取得する。
【0046】
次に、ステップS73において、ユーザU-52を含むユーザUによって多くのいいねが押されている旨等(蓄積されたコンテクスト情報)に基づいて、サーバ1のAIが、「社員旅行の写真共有が好評です」というフィードバック情報を生成して、ユーザU-51のユーザ端末に送信する。
【0047】
このように、ユーザUによる社員旅行・忘年会のアルバムへのアクセス率が所定の閾値を超えたといった操作情報に基づいて、社員旅行の写真(アルバム)の人気が高く帰属意識の向上に役立っている、といった所定の内容を含む情報を、フィードバック情報としてユーザU-51等のユーザ端末に報知することができる。
これにより、ユーザU-51は、ユーザUにおける所定の内容(例えば、所定ユーザが帰属意識の向上を示す)の実現ができているか否かを評価できるようになる。さらに他ユーザは、所定の内容(ポジティブな内容)の実現に向けて、又は、(ネガティブな内容が)実現しないように行動をとることができるようになる。即ち、組織内におけるユーザ同士のコミュニケーションの利便性を向上させることができる。
【0048】
図8は、図1の本サービスを利用する、会社における同僚同士のやり取りにおけるフィードバック情報の一例を示す図である。
図8の説明において、ユーザU-31及びU-32は会社Cにおける同僚の関係にあり、ユーザU-33は会社CにおけるユーザU-31及びU-32の上司であるものとして説明する。
また、サーバ1は、予め会社Cにおいて議事録のトピックの内容を確認したらいいねを押す、というコミュニケーションポリシーを会社Cのポリシー情報として取得しているものとする。ポリシー情報は、ユーザUに関する情報であって、ユーザ関連情報の一例である。
【0049】
まず、ステップST81において、議事録を共有しようとしているユーザU-31は、本サービスのトピックとして、議事録を投稿する。
具体的には、ユーザU-31は、12:00に、「議事録の共有」というトピックの投稿を行っている。
ユーザU-52や図示せぬユーザUは、トピックを閲覧し、共有された議事録(トピック)を閲覧したり、いいねを押したりする。
【0050】
次に、ステップST82において、サーバ1は、投稿から4時間が経過し、勤務時間の終了(定時)が近付いている17時にもかかわらずユーザU-52によっていいねが押されていない旨等をユーザU-52のコンテクスト情報として取得する。このユーザU-21のコンテクスト情報は、ユーザ関連情報の一例である。
また、サーバ1には、他のトピック等についてもユーザU-52がいいねを押していない旨(コンテクスト情報)が取得され、蓄積されている。
【0051】
次に、ステップS53において、ユーザU-52によっていいねが押されていない旨等(蓄積されたコンテクスト情報)に基づいて、サーバ1のAIが、「いいねを押していないトピックが3つあります」というフィードバック情報を生成して、ユーザU-52のユーザ端末に送信する。
【0052】
このように、ユーザU-52が内容を確認した場合にいいねを押すといったコミュニケーションポリシーを守ることを前提として、当該コミュニケーションポリシーを鑑みれば行うべき行動をフィードバック情報を生成し、ユーザU-52に報知することができる。これにより、ユーザU-52が確認した(既読)にもかかわらずいいねを押していない場合や、ユーザU-52が確認すべきトピックを確認していない(未読)の場合に、そのユーザU-52に対して会社Cのコミュニケーションポリシーを守るための行動の提案をフィードバックを行うことができる。これにより、組織におけるユーザのコミュニケーションが改善する。
【0053】
以上、図2乃至図8を用いて、ユーザ関連情報と、フィードバック情報の例について、本サービスが利用される具体的な状況の例を交えつつ説明した。
以下、図9乃至図11を用いて、上述の本サービスを提供する情報処理システムの構成等について説明する。
【0054】
図9は、図1乃至図8のサービスの提供のための情報処理システムの構成の例を示す図である。
【0055】
図9に示す情報処理システムは、サーバ1と、ユーザ端末2-1乃至2-nとがインターネット等の所定のネットワークNWを介して相互に接続されることで構成される。
【0056】
上述したように、サーバ1は、サービス提供者により管理される情報処理装置である。
ユーザ端末2-1乃至2-nの夫々は、ユーザU-1乃至U-nの夫々により操作される情報処理装置である。
また、本実施形態において、ユーザ端末2-1乃至2-n間で行われるデータ等の授受は、基本的にサーバ1を介して行われる。
【0057】
図10は、図9の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0058】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0059】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0060】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0061】
入力部16は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。
出力部17は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
【0062】
記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNWを介して他の装置(図3の例ではユーザ端末2-1乃至2-n)との間で通信を行う。
【0063】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア31は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0064】
なお、図示はしないが、図9の情報処理システムのユーザ端末2-1乃至2-nは、図10に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有している。
また、ユーザ端末2-1乃至2-nは、図10に示すハードウェア構成に加えて、各種センサ等を有している。
【0065】
図11は、図10のサーバを含む情報処理システムの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図2の例と対応付けながら、サーバ1の機能的構成について説明する。
図2の本サービスを提供する際には、サーバ1のCPU11において、少なくとも、ユーザ関連情報取得部51と、フィードバック報知部52とが機能する。
サーバ1の記憶部18の一領域には、ユーザ関連情報DB80が設けられている。
【0066】
ユーザ関連情報取得部51は、n人のユーザUのうち所定ユーザU-kに関する情報を、ユーザ関連情報として1以上取得する。ユーザ関連情報取得部51は、ユーザ関連情報をユーザ関連情報DB80に格納して管理する。
【0067】
図2の例のおいては、ユーザ関連情報取得部51は、ユーザU-21とユーザU-22の関係が上司と部下であるという関係性の情報をユーザ関連情報として取得する。
また、ユーザ関連情報取得部51は、ユーザU-21からユーザU-22に送信したメッセージ(問合せ)の情報(「昨日の商談はどうだった?」というメッセージ)の情報をユーザ関連情報として取得する。
また、ユーザ関連情報取得部51は、ユーザU-21による感情として返信が遅いことに対する苛立ちを、ユーザ関連情報として取得する。
また、ユーザ関連情報取得部51は、ユーザU-21によるメッセージにたいして、ユーザU-22による当該メッセージ(問合せ)に対して返事のメッセージがなされていない旨を、ユーザ関連情報として取得する。
また、ユーザ関連情報取得部51は、ユーザU-22が14:30まで別の商談に参加している旨を、ユーザ関連情報として取得する。
【0068】
フィードバック報知部52は、ユーザ関連情報に対するフィードバック情報として、ユーザ関連情報に基づく所定の内容を含む情報を、ユーザ関連情報に基づく所定のタイミングで、所定ユーザU-kを含むn人のユーザUのうち1人以上の夫々のユーザ端末2に報知する。
【0069】
具体的には例えば、フィードバック報知部52は、「早く返事をした方が良いですよ」というフィードバック情報を、以下のタイミングにおいてユーザU-22に放置する。
即ち、フィードバック報知部52は、ユーザU-22が14:30まで別の商談に参加しているというユーザ関連情報に基づいて、放置のタイミング14:30とする。
このように、サーバ1は、ユーザ関連情報を取得し、フィードバック情報の報知を行うことができるのである。
【0070】
なお、フィードバック報知部52は、ユーザ関連情報取得部51がユーザ関連情報を取得したことをトリガとして、フィードバック情報をユーザ端末2に報知してもよい。また、例えば、フィードバック報知部52は、所定のタイミングでユーザ関連情報DB80からユーザ管理情報を取得してもよい。
【0071】
以上、図9乃至図11を用いて、上述の本サービスを提供する情報処理システムの構成等について説明した。
以下、図12及び図13を用いて、上述の本サービスにおけるUI(User Interface)について説明する。
【0072】
図12は、本サービスにおいて図11のユーザ端末に表示されるUIの一例を示す図である。
図12に示す画面Gは、ユーザUに利用されるユーザ端末2に表示される、基本的なUIである。
図12に示す画面Gには、グループ領域GRと、メッセージ領域MSと、タスク領域TAと、フィード領域FEと、絞込検索領域SBと、コメント領域COとを含んでいる。
【0073】
グループ領域GRには、組織内におけるグループの一覧が表示される。後述するフィードやコメントは、グループ毎に投稿され、管理される。組織(例えば、企業)においては、トピックや組織毎にグループを設定することで、組織のメンバ(ユーザU)は、グループという単位で1つのトピックに対して話し合うことができる。
【0074】
メッセージ領域MSには、ユーザU間でのチャット形式でのやりとり(メッセージのやりとり)を可能とするユーザの群又は組織が表示される。ユーザは、メッセージを用いて、個別にチャット形式でのやりとり(コミュニケーション)をすることができる。
【0075】
タスク領域TAには、ユーザUが実施すべき内容(タスク)が、期限の分類と共に表示される。タスク領域TAは、図12の例に示す、後述するフィードを閲覧できる状態以外の画面においても、表示されるのが好適である。タスクが常に目につく場所に配置されることにより、ユーザは業務の抜け漏れを防止することができる。
【0076】
フィード領域FEには、トピック領域TOと、後述するコメント領域COとが含まれている。
トピック領域TOには、ユーザにより投稿された内容が投稿に対するコメント等と組み合わせたトピック単位で表示される。
【0077】
図13は、ユーザ間のメッセージの授受に係るUIの一例を示す図である。
図13に示す画面は、上司であるユーザU(図2の例におけるユーザU-21)からのメッセージが表示された画面であって、部下であるユーザU(図2の例におけるユーザU-22)が利用するユーザ端末2に表示される画面である。なお、図13の例において、上司であるユーザUの名前は「〇〇〇〇」である。
【0078】
図13(A)に示すように、部下であるユーザUは、上司であるユーザUから、15時10分に、報告を求めるメッセージを受け取っている。
ここで、部下であるユーザUは、商談に参加していたため、上司であるユーザUへ返事をしなかったとする。
この場合、部下であるユーザUに対して、AIボットからのメッセージとして図13(B)に示すメッセージが表示される。
【0079】
即ち、図13(A)に示すように、部下であるユーザUは、AIボットからのメッセージとして、「上司〇〇さんからの問合せから1時間が経過しました。商談が終わったら、」
【0080】
以上本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0081】
例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図11の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図6の例に限定されない。また、機能ブロック及びデータベースの存在場所も、図11に特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバ1の機能ブロックやデータベースをユーザ端末2や図示せぬ他の情報処理装置等に移譲させてもよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0082】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0083】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。
【0084】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0085】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば、図11のサーバ1)は、
所定の組織(例えば、会社C)に属する複数のユーザ(例えば社員たるユーザU-1乃至U-n)の夫々により操作される複数のユーザ端末(例えば、図11のユーザ端末2-1乃至2-n)と通信をする情報処理装置であって、
前記複数のユーザのうち所定ユーザに関する情報(例えば、会社Cのコミュニケーションポリシー、上司・部下の関係、部下は上司からのメッセージを既読、部下は外出して商談中等)を、ユーザ関連情報として1以上取得するユーザ関連情報取得手段(例えば、図11のユーザ関連情報取得部51)と、
前記ユーザ関連情報に対するフィードバック情報として、当該ユーザ関連情報に基づく所定の内容(例えば、商談が終わったら、重視からのメッセージへ返信を返したほうが良いとのアドバイス)を含む情報を、当該ユーザ関連情報に基づく所定のタイミング(例えば当該商談予定の終了時間の直後)で、前記所定ユーザを含む前記複数のユーザのうち1人以上の夫々の前記ユーザ端末に報知(例えば部下のスマホにAIボットのメッセージとしてポップアップ)するフィードバック報知手段(例えば、図11のフィードバック報知部52)と、
を備えれば足りる。
これにより、組織内におけるユーザ同士のコミュニケーションにおいて、ユーザ関連情報に基づいて、適切なフィードバック情報が生成され、ユーザに報知される。即ち、組織内におけるユーザ同士のコミュニケーションの利便性を向上させることができる。
【0086】
更に、前記ユーザ関連情報取得手段は、
前記所定ユーザ(例えば、部下にメッセージを送った上司)が前記ユーザ端末を介して前記情報処理装置にアクセスした際に抱いた感情(例えば、部下の返信が遅いことに対する苛立ち)を示す感情情報を、前記ユーザ関連情報として取得し、
前記フィードバック報知手段は、
前記複数のユーザのうち、前記所定ユーザに関連する他ユーザ(例えば、上司がメッセージを送った部下)に対して報知すべき所定の内容であって、前記所定ユーザの前記感情情報に基づく所定の内容(例えば、早く返信を返したほうが良いとのアドバイス)を含む情報を、前記フィードバック情報として当該他ユーザの前記ユーザ端末に報知(例えば、AIボットのメッセージとしてのポップアップ)する、ことができる。
これにより、所定ユーザ(例えば、上司)のコミュニケーション力が未熟であっても、他ユーザ(例えば、部下)に対する期待をAIが成り代わって他ユーザにフィードバック(例えば、AIからのメッセージとして)報知できる。その結果、他ユーザにとっては所定ユーザ本人に言われたものとはならない。これにより、他ユーザは、無用に落ち込むことなく、即ち、助かったとの思いで返信をすることができるようになる。また、所定ユーザは、面倒なフィードバック(リマインド等)を行う必要がなくなる。即ち、組織内におけるユーザ同士のコミュニケーションの利便性を向上させることができる。
【0087】
更に、前記ユーザ関連情報取得手段は、
前記所定ユーザ(例えば、会議に出席しているメンバー)が前記ユーザ端末を介して前記情報処理装置にアクセスした際における当該所定ユーザの状態(例えば、ユーザの外的状態の一例である会議中)を示すコンテクスト情報を、前記ユーザ関連情報として取得し、
前記フィードバック報知手段は、
前記コンテクスト情報が示す前記状態に応じた前記所定ユーザの取るべき行動の選択肢(例えば、「会議が終わったら返信します」を返す)を含む情報を、前記フィードバック情報として前記所定ユーザの前記ユーザ端末に報知し、
前記ユーザ関連情報は、さらに、
前記所定ユーザの前記ユーザ端末に対する操作により前記選択肢の中から選択された行動を示す選択行動情報を、前記ユーザ関連情報として取得し、
前記フィードバック報知手段は、さらに、
前記選択行動情報が示す前記行動が一定時間実施されない場合、当該一定時間の経過後の所定タイミングに、前記選択行動情報が示す前記行動の実施を前記所定ユーザに促す内容(即ち、リマインド、例えばタスクの自動登録)を含む情報を、前記フィードバック情報として前記所定ユーザの前記ユーザ端末に報知する、ことができる。
これにより、所定ユーザは、取るべき行動を選択し、それを実施することができるようになる。即ち、所定ユーザは、より良いコミュニケーションを実施することができるようになる。また、所定ユーザは一定時間で実施すべき内容を登録して管理する必要がなく、自動的なタスクを生成して管理させることができる。即ち、組織内におけるユーザ同士のコミュニケーションの利便性を向上させることができる。
【0088】
さらに、前記ユーザ関連情報取得手段は、
前記所定ユーザと、前記複数のユーザのうち第1他ユーザとの夫々が自身の前記ユーザ端末を用いて所定コミュニケーション(例えば、趣味の話)を所定期間中にしていることを示す情報(例えば、雑談していたという情報)を、前記ユーザ関連情報として取得し、
前記情報処理装置は、前記所定ユーザの前記ユーザ端末と前記第1他ユーザの前記ユーザ端末との間の情報の授受が所定の管理のもとに置かれている場合、前記所定コミュニケーションにおける情報の授受を当該所定の管理から外す情報管理手段をさらに備え、
前記フィードバック報知手段は、
前記ユーザ関連情報が示す前記所定期間に前記所定コミュニケーションが行われた旨の情報を、前記フィードバック情報として前記複数のユーザのうち第2他ユーザ(例えば上司)の前記ユーザ端末に報知する、ことができる。
これにより、所定ユーザと第1他ユーザとの具体的なコミュニケーションは管理されないものの、当該コミュニケーションが行われた旨が管理される。これにより、第2他ユーザは、所定ユーザと第1他ユーザとが何かしらコミュニケーション(例えば、雑談)をする仲であることを把握することができる。即ち、所定期間を雑談時間と捉え、その雑談の内容が第2他ユーザ(例えば、上司)に対して秘密のまま、所定ユーザと第1他ユーザとがコミュニケーションをとる仲であるとポジティブに評価することができる。即ち、組織内におけるユーザ同士のコミュニケーションの利便性を向上させることができる。
【0089】
更に、前記ユーザ関連情報取得手段は、
前記所定ユーザが特定の状態(例えば、モチベーションダウン、気持ちよく仕事ができていない)となったことを示すコンテクスト情報(例えば、「いいね」の回数減少、メッセージ入力の回数減少を示す情報)を、前記ユーザ関連情報として取得し、
前記フィードバック報知手段は、
前記コンテクスト情報に基づく所定の内容(例えば、気になることがありますか?やタップして悩みを話してみませんか?)を含む情報を、前記フィードバック情報として前記所定ユーザの前記ユーザ端末に報知する、ことができる。
これにより、組織において、所定ユーザが特定の状態(例えば、モチベーションダウン)において、当該所定ユーザに対して組織としての何らかのアクション(例えば、人事部や上司からの声掛け)を行うことができる。即ち、組織内におけるユーザ同士のコミュニケーションの利便性を向上させることができる。
【0090】
更に、前記ユーザ関連情報取得手段は、
前記所定ユーザによる前記ユーザ端末に対する1以上の操作の内容(例えば、8月16日のLINE送信)を示す操作情報を、前記ユーザ関連情報として取得し、
前記フィードバック報知手段は、
前記操作情報に基づく所定の内容(例えば、お盆に仕事のLINEをするのは元旦に仕事のメッセージを送るのと同じですよ)を含む情報を、前記フィードバック情報として前記所定ユーザの前記ユーザ端末に報知する、ことができる。
これにより、所定ユーザの操作の内容が組織におけるコミュニケーションとして適切であるか否かといった所定の内容が、当該所定ユーザにフィードバックされる。即ち、所定ユーザが、組織においてどのような身分であっても(例えば、上司や社長といった立場であっても)、組織におけるコミュニケーションとしての妥当性といった世の中の常識を知る機会となるフィードバックが可能となる。即ち、組織内におけるユーザ同士のコミュニケーションの利便性を向上させることができる。
【0091】
更に、前記ユーザ関連情報取得手段は、
前記所定ユーザによる前記ユーザ端末に対する1以上の操作の内容(例えば、社員旅行・忘年会のアルバムへのアクセス率が所定の閾値を超えた)を示す操作情報を、前記ユーザ関連情報として取得し、
前記フィードバック報知手段は、
前記操作情報に基づく所定の内容(例えば、○○のアルバムの人気が高く帰属意識の向上に役立っていますよ)を含む情報を、前記フィードバック情報として前記複数のユーザのうち他ユーザ(例えば、社長、社員旅行や忘年会のアルバムを管理する総務担当者)の前記ユーザ端末に報知する、ことができる。
これにより、他ユーザは、所定ユーザによりどのような操作がなされたのかを把握することが可能となる。その結果、他ユーザは、所定の内容(例えば、所定ユーザが帰属意識の向上を示す)の実現ができているか否かを評価できるようになる。さらに他ユーザは、所定の内容(ポジティブな内容)の実現に向けて、又は、(ネガティブな内容が)実現しないように行動をとることができるようになる。即ち、組織内におけるユーザ同士のコミュニケーションの利便性を向上させることができる。
【0092】
更に、前記ユーザ関連情報取得手段は、
前記所定ユーザが属する前記所定の組織のポリシー情報(例えば、メッセージ内容を確認したらどんどん「いいね」で答える、内容に本当に共感したときにのみ「いいね」をタップ)を、前記ユーザ関連情報として取得し、
前記フィードバック報知手段は、
前記ポリシー情報に基づく所定の内容(例えば、内容を確認した旨を「いいね」で回答しますか? 今週タップできる「いいね」はあと3個です)を含む情報を、前記フィードバック情報として前記所定ユーザの前記ユーザ端末に報知する、ことができる。
これにより、所定ユーザは、組織のポリシーの範囲で、所定の内容(例えば、「いいね」で回答するといった行動の内容)を実現しているかを確認することができる。即ち例えば、ポリシーとしてコミュニケーションすべき場合には、コミュニケーションの抜け漏れ防止が実現できる。即ち、組織内におけるユーザ同士のコミュニケーションの利便性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0093】
1・・・サーバ、2・・・ユーザ端末、11・・・CPU、20・・・ドライブ、31・・・リムーバブルディスク、51・・・ユーザ関連情報取得部、52・・・フィードバック報知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13