(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102568
(43)【公開日】2023-07-25
(54)【発明の名称】操作バルブ
(51)【国際特許分類】
F16K 3/26 20060101AFI20230718BHJP
【FI】
F16K3/26 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022003127
(22)【出願日】2022-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】591068218
【氏名又は名称】麓技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】山本 涼平
【テーマコード(参考)】
3H053
【Fターム(参考)】
3H053AA25
3H053BA03
3H053BC01
3H053BC03
3H053BD03
3H053DA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ボールバルブを除外した簡易な構造の操作バルブを提供する。
【解決手段】操作バルブ100は、流体の流路21が内側に設けられた胴部111と、前記流路21の入口22が設けられた頭部112と、前記流路の出口23が設けられた脚部113と含む棒状のバルブ110と、前記胴部を収容する収容体120と、前記収容体とネジ結合し、前記バルブを前記バルブの伸長方向に駆動する操作ダイヤル130と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流路が内側に設けられた胴部と、前記流路の入口が設けられた頭部と、前記流路の出口が設けられた脚部と含む棒状のバルブと、
前記胴部を収容する収容体と、
前記収容体とネジ結合し、前記バルブを前記バルブの伸長方向に駆動する操作ダイヤルと、
を有する操作バルブ。
【請求項2】
前記操作ダイヤルは、前記伸長方向に回転しながら移動して前記バルブを前記伸長方向に駆動し、
前記入口は、前記頭部の頭部側面に設けられ、前記操作ダイヤルの移動に応じて、前記収容体から出没する、
ことを特徴とする請求項1に記載の操作バルブ。
【請求項3】
前記脚部と前記操作ダイヤルとを連結する連結リングを含み、
前記操作ダイヤルは、前記連結リングを介して、前記入口を前記収容体に埋没する方向に前記バルブを移動させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の操作バルブ。
【請求項4】
前記胴部の胴部側面に前記操作ダイヤル側への前記流体の侵入を封止する第1封止リングが設けられている、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の操作バルブ。
【請求項5】
前記頭部の頭部側面に前記収容体の収容体内部への前記流体の侵入を封止する第2封止リングが設けられている、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の操作バルブ。
【請求項6】
前記操作ダイヤルのダイヤル側面及びダイヤル底面を保護し、前記操作ダイヤルと着脱可能な保護キャップを含む、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の操作バルブ。
【請求項7】
前記頭部の頭部側面に前記収容体の収容体内部への前記流体の侵入を封止する第2封止リングが設けられ、
前記収容体は、前記収容体の内部と外部を隔て、かつ、先端の内周面にテーパー面が設けられた隔壁を有し、
前記入口が前記収容体に埋没すると、前記第2封止リングが前記テーパー面の位置で静止する、
ことを特徴とする請求項1に記載の操作バルブ。
【請求項8】
前記操作ダイヤルは、前記伸長方向と同じ方向に伸長する円筒型の操作部を有し、
前記操作部の内周面は、前記脚部の外周面から離隔する、
ことを特徴とする請求項1又は7に記載の操作バルブ。
【請求項9】
前記操作ダイヤルは回転しながら移動し、前記バルブは前記操作ダイヤルの回転とは独立して直線的に移動する、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の操作バルブ。
【請求項10】
前記操作ダイヤルは前記バルブと当接する、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の操作バルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルやホイールローダなどの建設機械、バス、貨物用トラック、ダンプトラック、オンロードトラックなどの運搬車両、定置式の発電機など、ディーゼルエンジンを備える様々な車両や機械が知られている(例えば特許文献1参照)。ディーゼルエンジンの排気ガス中のNOxを浄化するための排気ガス浄化システムとして、尿素水を還元剤として用いてNOxを窒素と水に還元する選択触媒還元(SCR:Selective Catalytic Reduction)システムも知られている(例えば特許文献2参照)。
【0003】
上述した尿素水を貯える尿素水タンクも知られている。この尿素水タンクの下面部には、尿素水を排出するためのネジ孔とドレンプラグが設けられている。ドレンプラグをネジ孔から取り外すことにより、尿素水タンクの尿素水を排出することができる(例えば特許文献3参照)。なお、尿素水は-10℃付近で凍結することが知られている(例えば特許文献4参照)。
【0004】
ところで、大型の建設機械に尿素水タンクが搭載される場合には、30~150L(リットル)の尿素水を貯える大きな尿素水タンクが搭載されることが多い。このような尿素水タンクに貯蔵される尿素水の品質チェックを行う際に、ドレンプラグを取り外すと、大量の尿素水が噴出し、品質チェックに不便である。
【0005】
このため、ドレンプラグに代えて、尿素水タンクに操作バルブを取り付けることがある。操作バルブは尿素水の流量を調整することができる。操作バルブを尿素水タンクに取り付けることで、200~500mL(ミリリットル)程度の少量の尿素水を品質チェックのために抜き取ることができる。
【0006】
なお、操作バルブとしては、例えば球状の弁体であるボールバルブを収容する弁室が設けられた操作バルブが知られている(例えば特許文献5参照)。また、ボールバルブが閉じると弁室内に液体が溜まるが、弁室内に溜まったこの液体の体積が凍結によって膨張しても、ボールバルブ等の圧壊を回避し、操作バルブの故障を防ぐ技術も知られている(例えば特許文献6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2016/092665号
【特許文献2】特開2017-089389号公報
【特許文献3】国際公開第2018/179342号
【特許文献4】特開2003-020936号公報
【特許文献5】実開平5-083560号公報
【特許文献6】特開2016-006346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ボールバルブを備えた操作バルブに上述した技術を搭載すれば、操作バルブを寒冷地で使用し、尿素水の体積が凍結により膨張しても、操作バルブの故障を防ぐことができる。しかしながら、上述した技術を操作バルブに搭載すると、操作バルブの構造が複雑化し、結果的に、操作バルブの製品コストが増加する可能性がある。
【0009】
そこで、本発明では、ボールバルブを除外した簡易な構造の操作バルブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る操作バルブは、流体の流路が内側に設けられた胴部と、前記流路の入口が設けられた頭部と、前記流路の出口が設けられた脚部と含む棒状のバルブと、前記胴部を収容する収容体と、前記収容体とネジ結合し、前記バルブを前記バルブの伸長方向に駆動する操作ダイヤルと、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る操作バルブによれば、ボールバルブを除外した簡易な構造の操作バルブとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1(a)は尿素水タンクの底壁に取り付けられた第1実施形態に係る操作バルブのバルブ閉状態の一例を示す第1斜視図である。
図1(b)は尿素水タンクの底壁に取り付けられた第1実施形態に係る操作バルブのバルブ閉状態の一例を示す第2斜視図である。
図1(c)は尿素水タンクの底壁に取り付けられた第1実施形態に係る操作バルブのバルブ閉状態の一例を示すZ1-Z1断面図である。
【
図2】
図2(a)は第1実施形態に係る操作バルブの分解斜視図の一例である。
図2(b)は第1実施形態に係る操作バルブのZ2-Z2分解断面図の一例である。
【
図3】
図3(a)は第1実施形態に係る操作バルブのバルブ閉状態の一例を示す斜視図である。
図3(b)は第1実施形態に係る操作バルブのバルブ閉状態の一例を示すZ3-Z3断面図である。
【
図4】
図4(a)は尿素水タンクの底壁に取り付けられた第1実施形態に係る操作バルブのバルブ開状態の一例を示す第1斜視図である。
図4(b)は尿素水タンクの底壁に取り付けられた第1実施形態に係る操作バルブのバルブ開状態の一例を示す第2斜視図である。
図4(c)は尿素水タンクの底壁に取り付けられた第1実施形態に係る操作バルブのバルブ開状態の一例を示すZ4-Z4断面図である。
【
図5】
図5(a)は尿素水タンクの底壁に取り付けられた第2実施形態に係る操作バルブのバルブ閉状態の一例を示す第1斜視図である。
図5(b)は尿素水タンクの底壁に取り付けられた第2実施形態に係る操作バルブのバルブ閉状態の一例を示す第2斜視図である。
図5(c)は尿素水タンクの底壁に取り付けられた第2実施形態に係る操作バルブのバルブ閉状態の一例を示すZ5-Z5断面図である。
【
図6】
図6(a)は第2実施形態に係る操作バルブの分解斜視図の一例である。
図6(b)は第2実施形態に係る操作バルブのZ6-Z6分解断面図の一例である。
【
図7】
図7(a)は第2実施形態に係る操作バルブのバルブ閉状態の一例を示す斜視図である。
図7(b)は第2実施形態に係る操作バルブのバルブ閉状態の一例を示すZ7-Z7断面図である。
【
図8】
図8(a)は尿素水タンクの底壁に取り付けられた第2実施形態に係る操作バルブのバルブ開状態の一例を示す第1斜視図である。
図8(b)は尿素水タンクの底壁に取り付けられた第2実施形態に係る操作バルブのバルブ開状態の一例を示す第2斜視図である。
図8(c)は尿素水タンクの底壁に取り付けられた第2実施形態に係る操作バルブのバルブ開状態の一例を示すZ8-Z8断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0014】
(第1実施形態)
図1(a)~(c)に示すように、第1実施形態に係る操作バルブ100は尿素水タンクの底壁10に設けられているドレン口11に取り付けられる。
図1(a)~(c)では尿素水タンクの底壁10の一部が示されている。尿素水タンクは尿素水を溜める容器である。ドレン口11は尿素水タンクに溜められた尿素水を排出する開口である。尿素水は、流体の一例であって、尿素を水に溶解した水溶液である。尿素水は建設機械や運搬車両等に搭載されるディーゼルエンジンの排気ガス中のNOxを浄化する際の還元剤として使用される。
図1(c)に示すように、ドレン口11の内周には雌ネジS1が設けられている。
【0015】
操作バルブ100は、棒状のバルブ(以下、スティックバルブという)110と、バルブボディ120と、操作ダイヤル130と、保護キャップ140とを備えている。バルブボディ120は、収容体の一例であって、スティックバルブ110の胴部を収容する。バルブボディ120の先端部の外周面には雄ネジS2が設けられている。雄ネジS2はドレン口11の雌ネジS1とネジ結合する。これにより、尿素水タンクの底壁10に操作バルブ100を機械的に取り付けることができる。
【0016】
図2を参照して、操作バルブ100の詳細について説明する。
【0017】
図2(a)及び(b)に示すように、スティックバルブ110は胴部111と頭部112と脚部113とを一体的に含んでいる。頭部112は胴部111の直上に位置する。脚部113は胴部111の直下に位置する。すなわち、胴部111は頭部112と脚部113に挟まれている。
図2(a)に示すように、スティックバルブ110の形状は円柱である。
【0018】
胴部111の内側には尿素水の流路21が設けられている。詳細は後述するが、脚部113の内側にも流路21が設けられている。流路21はスティックバルブ110の伸長方向と同じ方向に伸長する。胴部111の先端に位置する胴部側面21Aには周方向に周回するリング溝21Bが設けられている。リング溝21BにはOリング21Cが取り付けられる。
【0019】
Oリング21Cは、第1封止リングの一例であって、バルブボディ120の内部への尿素水の侵入を封止(シール)する。Oリング21Cにより、バルブボディ120の内部への尿素水の侵入が困難になる。胴部111の後端は胴部111の先端より狭い外径を有する。すなわち、胴部111の後端と胴部111の先端との間には段差51がある。段差51はリング溝21Bの深さと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0020】
頭部112には流路21の入口22が設けられている。この入口22は頭部112の頭部側面22Aに設けられている。また、この頭部側面22Aには周方向に周回するリング溝22Bが設けられている。リング溝22BにはOリング22Cが取り付けられる。Oリング22Cは、第2封止リングの一例であって、バルブボディ120の内部への尿素水の侵入を封止する。2つのOリング21C,22Cにより、バルブボディ120の内部への尿素水の侵入が極めて困難になる。すなわち、バルブボディ120の内部への尿素水の侵入を防止又は抑止することができる。頭部112の先端には円盤型の天蓋部22Dが設けられている。天蓋部22Dは頭部112の後端の外径より広い外径を有する。したがって、頭部112の先端と頭部112の後端との間には段差52がある。
【0021】
脚部113の内側には胴部111の流路21が延伸する。脚部113の側面と胴部111の後端の側面は平面的(フラット)である。脚部113の底面には流路21の出口23が設けられている。脚部113の後端に位置する脚部側面23Aには周方向に周回するリング溝23Bが設けられている。リング溝23BにはCリング23Cが取り付けられる。Cリング23Cは、連結リングの一例であって、脚部113と操作ダイヤル130とを連結する。
【0022】
バルブボディ120はバルブ収容部121とダイヤル収容部122とを一体的に含んでいる。バルブ収容部121は内部にバルブボディ120の中心軸方向と同じ方向に伸長する円柱形状の第1空洞部31Aを有する。すなわち、バルブ収容部121の形状は筒状である。このため、バルブ収容部121はバルブ収容部121の内部と外部を隔てる隔壁31Bを有する。隔壁31Bの内径は胴部側面21Aの外径とほぼ同じである。このため、第1空洞部31Aにスティックバルブ110の胴部111を挿入することができる。隔壁31Bの外周面の先端には雄ネジS2が設けられている。上述したように、雄ネジS2はドレン口11の雌ネジS1とネジ結合する。
【0023】
隔壁31Bの後端にはガスケット載置部31Cが設けられている。ガスケット載置部31Cにはリング型のガスケット31Dが載置される。これにより、操作バルブ100と尿素水タンクに取り付けた際の尿素水の漏出を抑えることができる。なお、ガスケット31Dに代えて、Oリングを使用してもよい。
【0024】
ダイヤル収容部122は内部にバルブボディ120の中心軸方向と同じ方向に伸長する円柱形状の第2空洞部32Aと第3空洞部32Dを有する。第3空洞部32Dはダイヤル収容部122の先端に位置する。すなわち、第3空洞部32Dは第1空洞部31Aの直下に位置する。第2空洞部32Aは第1空洞部31Aより広い外径を有する。第3空洞部32Dは第2空洞部32Aより広い外径を有する。したがって、第3空洞部32Dは第1空洞部31Aより広い外径を有する。
【0025】
ダイヤル収容部122の形状は筒状である。このため、ダイヤル収容部122はダイヤル収容部122の内部と外部を隔てる隔壁32Bを有する。第3空洞部32Dは第1空洞部31Aより広い外径を有するため、ダイヤル収容部122の隔壁32Bとバルブ収容部121の隔壁31Bとの間には段差53がある。
【0026】
隔壁32Bの内周面には周方向に周回する雌ネジS3が設けられている。隔壁32Bにおける先端と後端の間に位置する隔壁中央部には六角形状のボルト部32Cが隔壁32Bと一体的に設けられている。ボルト部32Cを2本の手指で挟んで時計回りにバルブボディ120を回転させることで、バルブボディ120を尿素水タンクの底壁10に取り付けることができる。なお、必要に応じて、ボルト部32Cを六角スパナなどの工具で挟んで時計回りにバルブボディ120を回転させてもよい。
【0027】
操作ダイヤル130は内部に操作ダイヤル130の中心軸方向と同じ方向に伸長する円柱形状の第4空洞部41Aを有する。すなわち、操作ダイヤル130の形状は筒状である。このため、操作ダイヤル130は操作ダイヤル130の内部と外部を隔てる隔壁41Bを有する。隔壁41Bの内周面は一端と他端で同じ内径を有する。すなわち、第4空洞部41Aは一端から他端にかけて同じ内径を有する。第4空洞部41Aにはスティックバルブ110の胴部111の後端と脚部113が挿入される。スティックバルブ110の胴部111の後端と脚部113の外周面の外径は隔壁41Bの内周面の内径とほぼ同じである。スティックバルブ110が第4空洞部41Aに挿入されると、段差51が胴部111の先端の挿入を阻害し、段差51が操作ダイヤル130の隔壁41Bの天面に当接する。
【0028】
隔壁41Bの外周面は一端と他端で異なる外径を有する。隔壁41Bの一端は隔壁41Bの他端の外径より広い外径を有する。このため、隔壁41Bは外周面に段差54を有する。隔壁41Bの外径はダイヤル収容部122の隔壁32Bの内径とほぼ同じである。隔壁41Bの外周面の一端には雄ネジS4が設けられている。このため、バルブボディ120の第2空洞部32Aに操作ダイヤル130の一端をネジ結合することができる。
【0029】
図2(a)に示すように、操作ダイヤル130の他端の外周面は対向する一対の湾曲面41Cと、対向する一対の平面41Dとを含んでいる。一対の平面を2本の手指で挟んで操作ダイヤル130を回動させることで、バルブボディ120と操作ダイヤル130とのネジ結合を締めたり緩めたりすることができる。
【0030】
保護キャップ140は異物や水滴の付着から操作ダイヤル130のダイヤル側面及びダイヤル底面を保護するキャップである。異物としては例えば砂や埃などがある。水滴としては例えば尿素水や雨水などがある。異物が付着すると、操作ダイヤル130の回動が難しくなる可能性がある。また、水滴が付着して凍結しても、操作ダイヤル130の回動が難しくなる可能性がある。保護キャップ140により操作ダイヤル130の露出状態を回避でき、異物や水滴の付着を抑制することができる。結果的に、操作ダイヤル130の操作性を向上することができる。なお、保護キャップ140により例えば工具との接触による操作ダイヤル130の損傷も回避することができる。
【0031】
保護キャップ140は内部に保護キャップ140の中心軸方向と同じ方向に伸長する円柱形状の長孔部61Aを有する。すなわち、保護キャップ140の形状は有底の円筒である。長孔部61Aに操作ダイヤル130の後端は収容される。保護キャップ140の内底にはOリング61Bが配置される。Oリング61Bは操作ダイヤル130の出口23の周囲に位置する脚部底壁23Dと当接する(併せて
図1(c)参照)。Oリング61Bは操作ダイヤル130の脚部底壁23Dと保護キャップ140との直接的な接触を回避する。これにより、操作ダイヤル130による保護キャップ140の損傷を抑制することができる。
【0032】
保護キャップ140の開口側の内径は操作ダイヤル130の隔壁41Bの外径とほぼ同じである。保護キャップ140の開口側の内周には周方向に周回する雌ネジS5が設けられている。保護キャップ140の雌ネジS5は操作ダイヤル130の雄ネジS4とネジ結合する。したがって、保護キャップ140を操作ダイヤル130と着脱可能である。言い換えれば、保護キャップ140を操作ダイヤル130から取り外すことができ、また、操作ダイヤル130に取り付けることができる。なお、操作ダイヤル130の雄ネジS4は保護キャップ140の雌ネジS5だけでなく、バルブボディ120の雌ネジS3ともネジ結合されるため、雄ネジS4は雌ネジS3,S5に共用される。
【0033】
操作バルブ100に保護キャップ140が取り付けられた状態(
図1(c)に示す状態)から、保護キャップ140が取り外されると、
図3(a)及び(b)に示すように、操作ダイヤル130が部分的に露出する。保護キャップ140は周方向反時計回りに回転させることにより、操作ダイヤル130から取り外すことができる。
【0034】
ここで、
図3(b)に示すように、スティックバルブ110における天蓋部22Dの段差52(併せて
図2(b)参照)はバルブボディ120の隔壁31Bと当接しており、スティックバルブ110の入口22はバルブボディ120に埋没する。このように、バルブボディ120によって入口22が閉塞するため、流路21への尿素水の流入が阻まれる。すなわち、入口22がバルブボディ120に埋没することにより、操作バルブ100は閉じられる。天蓋部22Dと隔壁31Bとの当接面から尿素水がバルブボディ120の内部に侵入する可能性は少ないが、仮に尿素水が侵入しても、Oリング22Cによりバルブボディ120の内部(具体的には入口22)への尿素水の侵入を封止することができる。このように、操作バルブ100は閉じられると、尿素水タンクから操作バルブ100の内部への尿素水の流入を停止することができる。
【0035】
なお、
図3(b)に示すように、スティックバルブ110と操作ダイヤル130はCリング23Cにより連結が維持されて、これにより、スティックバルブ110の段差51(併せて
図2(b)参照)と操作ダイヤル130の隔壁41Bの天頂面が当接する。Cリング23Cによる連結と、スティックバルブ110と操作ダイヤル130の当接とによって、スティックバルブ110と操作ダイヤル130の相対的な位置関係は維持される。この結果、操作ダイヤル130の移動に応じて、スティックバルブ110は操作ダイヤル130の移動に連動する。
【0036】
図4(a)乃至(c)に示すように、操作ダイヤル130を時計回りに回動させると、バルブボディ120の雌ネジS3と操作ダイヤル130の雄ネジS4のネジ締結が締まり、操作ダイヤル130が尿素水タンクの方向に回転しながら上昇する。すなわち、操作ダイヤル130はスティックバルブ110の伸長方向に回転しながら移動する。
【0037】
図4(c)に示すように、スティックバルブ110の段差51と操作ダイヤル130の隔壁41Bの天頂面は当接しているため、操作ダイヤル130の上昇により、操作ダイヤル130はスティックバルブ110を押し上げる。すなわち、操作ダイヤル130はスティックバルブ110をスティックバルブ110の伸長方向に駆動する。これにより、スティックバルブ110の天蓋部22Dがバルブボディ120の隔壁31Bから離れ、入口22が出現する。この結果、入口22に尿素水が流入し、流路21を流通して、出口23から流出する。
【0038】
なお、操作ダイヤル130の上昇は、操作ダイヤル130の隔壁41Bの天頂面がバルブボディ120の段差53(併せて
図2(b)参照)に当接することによって停止する。また、操作ダイヤル130は回転しながら移動するが、スティックバルブ110は操作ダイヤル130の回転とは独立して直線的に移動する。これにより、スティックバルブ110に取り付けられる2つのOリング21C,22Cの劣化を抑えることができる。
【0039】
ここで、入口22への尿素水の流入と併せて、スティックバルブ110の外周面とバルブボディ120の内周面との当接面から尿素水がバルブボディ120の内部に侵入する可能性は少ないが、仮に尿素水が侵入しても、Oリング21Cにより操作ダイヤル130側への尿素水の侵入を封止することができる。このように、操作バルブ100が開かれても、尿素水タンクから流出する尿素水の操作ダイヤル130側への侵入を防ぐことができる。したがって、尿素水が第3空洞部32Dに滞留して凍結したり、操作ダイヤル130の雄ネジS4に付着して凍結したりすることが原因で操作ダイヤル130の操作性が低減することを回避することができる。
【0040】
以上、操作バルブ100が閉じたバルブ閉状態から操作バルブ100が開いたバルブ開状態に遷移するまでの一連の流れを説明したが、この一連の流れを逆に実施することにより、バルブ開状態からバルブ閉状態に遷移することができる。
【0041】
例えば、操作ダイヤル130を周方向反時計回りに回動させると、バルブボディ120の雌ネジS3と操作ダイヤル130の雄ネジS4のネジ締結が緩まり、操作ダイヤル130が尿素水タンクから離れる方向に回転しながら下降する。操作ダイヤル130はCリング23Cを介してスティックバルブ110と連結されているため、操作ダイヤル130が下降すると、スティックバルブ110も下降する。すなわち、操作ダイヤル130はCリング23Cを介して入口22をバルブボディ120に埋没する方向にスティックバルブ110を移動させる。
【0042】
このように、操作ダイヤル130の移動に応じて、入口22はバルブボディ120から出現したり埋没したりする。言い換えれば、操作ダイヤル130の移動に応じて、入口22はバルブボディ120から出没する。
【0043】
以上説明したように、第1実施形態に係る操作バルブ100ではボールバルブが除外されている。このように、尿素水が凍結する可能性があっても、尿素水の凍結に対して、ボールバルブを除外した簡易な構造の操作バルブ100とすることができる。
【0044】
(第2実施形態)
次に、
図5乃至
図8を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態で説明した操作バルブ100と同様の構成には同一の又は対応する符号を付し、その説明を省略する。
【0045】
図5(a)~(c)に示すように、第2実施形態に係る操作バルブ200も、第1実施形態と同様に、尿素水タンクの底壁10に設けられたドレン口11に取り付けられる。操作バルブ200は、スティックバルブ210と、バルブボディ220と、操作ダイヤル230とを備えている。バルブボディ220は、収容体の一例であって、スティックバルブ210の胴部を収容する。
図5(c)に示すように、バルブボディ220の先端部の外周面には雄ネジS6が設けられている。雄ネジS6はドレン口11の雌ネジS1とネジ結合する。これにより、尿素水タンクの底壁10に操作バルブ200を機械的に取り付けることができる。
【0046】
図6を参照して、操作バルブ200の詳細について説明する。
【0047】
図6(a)及び(b)に示すように、スティックバルブ210は胴部211と頭部212と脚部213とを一体的に含んでいる。頭部212は胴部211の直上に位置する。脚部213は胴部211の直下に位置する。すなわち、胴部211は頭部212と脚部213に挟まれている。
図6(a)に示すように、スティックバルブ210の形状は頭部212の一部を除き円柱である。
【0048】
胴部211の内側には尿素水の流路21が設けられている。脚部213の内側にも流路21が設けられている。流路21はスティックバルブ210の伸長方向と同じ方向に伸長する。胴部211の先端に位置する胴部側面21Aには周方向に周回するリング溝21Bが設けられている。リング溝21BにはOリング21Cが取り付けられる。
【0049】
Oリング21Cは、第1封止リングの一例であって、バルブボディ220の内部への尿素水の侵入を封止する。Oリング21Cにより、バルブボディ220の内部への尿素水の侵入が困難になる。胴部211の後端は胴部211の先端より狭い外径を有する。すなわち、胴部211の後端と胴部211の先端との間には段差51がある。
【0050】
頭部212には流路21の入口22が設けられている。この入口22は頭部212の頭部側面22Aに設けられている。また、この頭部側面22Aには周方向に周回するリング溝22Bが設けられている。リング溝22BにはOリング22Cが取り付けられる。Oリング22Cは、第2封止リングの一例であって、バルブボディ220の内部への尿素水の侵入を封止する。2つのOリング21C,22Cにより、バルブボディ220の内部への尿素水の侵入が極めて困難になる。すなわち、バルブボディ220の内部への尿素水の侵入を防止又は抑止することができる。頭部212の先端には円盤型の天蓋部22Dが設けられている。天蓋部22Dは頭部212の後端の外径より広い外径を有する。したがって、頭部112の先端と頭部112の後端との間には段差52がある。
【0051】
なお、
図6(a)に示すように、第2実施形態に係る天蓋部22Dには、第1実施形態と異なり、天蓋部22Dの中心を基準に対向する2つの張出部22Eが一体的に設けられている。このため、段差52は天蓋部22Dから張出部22Eまで連続する。2つの張出部22Eの側面はいずれも円弧状に湾曲し、2つの張出部22Eの厚みは天蓋部22Dの厚みと同じである。詳細は後述するが、2つの張出部22Eはバルブボディ220の先端に離隔して設けられた2つの円弧壁31Eの間に収容される。
【0052】
脚部213の内側には胴部211の流路21が延伸する。第1実施形態と異なり、脚部213の先端側面には胴部側面21Aの外径と同じ外径を有する突起23Eが設けられている。したがって、脚部213の側面と胴部211の後端の側面は平面的でない。脚部213の底面には流路21の出口23が設けられている。突起23Eと出口23の間に位置する脚部213の脚部側面23Aには周方向に周回する雄ネジS7が設けられている。詳細は後述するが、雄ネジS7は操作ダイヤル230の内側に設けられた雌ネジS8とネジ結合する。
【0053】
バルブボディ220はバルブ収容部221とダイヤル収容部222とを一体的に含んでいる。バルブ収容部221は内部にバルブボディ220の中心軸方向と同じ方向に伸長する円柱形状の第1空洞部31Aを有する。すなわち、バルブ収容部221の形状は筒状である。このため、バルブ収容部221はバルブ収容部221の内部と外部を隔てる隔壁31Bを有する。隔壁31Bの内径は胴部側面21A及び突起23Eの外径とほぼ同じである。このため、第1空洞部31Aにスティックバルブ210の胴部211を挿入することができる。
【0054】
隔壁31Bの先端に位置する内周面にはテーパー面31Gが設けられている。また、隔壁31Bの先端に位置する天頂面には2つの円弧壁31Eが設けられている。2つの円弧壁31Eの伸長方向はバルブボディ220の伸長方向と同じである。2つの円弧壁31Eは周方向に等しい間隔で離れている。したがって、2つの円弧壁31Eの間には2つの隙間がある。これらの隙間の一方に上述した2つの張出部22Eの一方が収容され、これらの隙間の他方に上述した2つの張出部22Eの他方が収容される。
【0055】
隔壁31Bの後端にはガスケット載置部31Cが設けられている。ガスケット載置部31Cにはリング型のガスケット31Dが載置される。これにより、操作バルブ100と尿素水タンクに取り付けた際の尿素水の漏出を抑えることができる。隔壁31Bの後端の内周面にはリング溝31Fが設けられている。リング溝31FにはCリング23Gが取り付けられる。詳細は後述するが、Cリング23Gはスティックバルブ210の移動量を規制する。スティックバルブ210の移動量を規制することで、スティックバルブ210の天蓋部22D及び張出部22Eの一体的な移動を精度良く制御することができる。言い換えれば、スティックバルブ210の開閉を精度良く制御することができる。
【0056】
ダイヤル収容部222は内部にバルブボディ220の中心軸方向と同じ方向に伸長する円柱形状の第2空洞部32Aと第5空洞部32Eを有する。第5空洞部32Eはダイヤル収容部222の先端に位置する。第5空洞部32Eはリング溝31Fより下に位置する第1空洞部31Aと連続する。すなわち、第5空洞部32Eは第1空洞部31Aの直下に位置する。第5空洞部32Eの外径は第1空洞部31Aの外径と同じである。第2空洞部32Aは第5空洞部32Eより広い外径を有する。
【0057】
ダイヤル収容部222の形状は筒状である。このため、ダイヤル収容部222はダイヤル収容部222の内部と外部を隔てるボルト部32Cを有する。ボルト部32Cは隔壁31Bと一体的に設けられている。第2空洞部32Aは第5空洞部32Eより広い外径を有するため、ダイヤル収容部222のボルト部32Cとバルブ収容部221の隔壁31Bとの間には段差55がある。ボルト部32Cを2本の手指で挟んで時計回りにバルブボディ220を回転させることで、バルブボディ220を尿素水タンクの底壁10に取り付けることができる。
【0058】
第2空洞部32Aに対応するボルト部32Cの内周面には周方向に周回するリング溝32Fが設けられている。リング溝32FにはCリング23Fが取り付けられる。詳細は後述するが、Cリング23Fは操作ダイヤル230の位置を固定し、操作ダイヤル230の回転以外の動作を規制する。
【0059】
操作ダイヤル230は無底円筒型の結合部231を含んでいる。また、操作ダイヤル230はスティックバルブ210の伸長方向と同じ方向に伸長する有底円筒型の操作部232を含んでいる。操作ダイヤル230は結合部231と操作部232とを一体的に含んでいる。結合部231と操作部232は異なる外径を有する。具体的には、結合部231の外径は操作部232の外径より狭くなっている。また、結合部231と操作部232は異なる内径を有する。具体的には、結合部231の内径は操作部232の後端側の内径より狭くなっている。なお、操作部232の先端側の内径は結合部231の内径と同じである。このため、操作部232は中心部に開口を有する円盤型の底部を有する。
【0060】
結合部231はダイヤル収容部222に結合することができる。操作部232はスティックバルブ210を開閉させる際に操作される。例えば、操作部232を2本の手指で挟んで時計回りや反時計回りに回転させることで、スティックバルブ210を開いたり閉じたりすることができる。
【0061】
結合部231の内周面には雌ネジS8が設けられている。操作部232の先端側の内周面にも雌ネジS8が設けられている。結合部231及び操作部232にはスティックバルブ210の脚部213が部分的に挿入され、脚部213の雄ネジS7が結合部231及び操作部232の雌ネジS8とネジ結合する。結合部231の外周面にはリング溝41Eが設けられている。リング溝41Eには上述したCリング23Fが取り付けられる。すなわち、Cリング23Fはリング溝41Eとリング溝32Fに挟まれる。このように、Cリング23Fが結合部231のリング溝41Eとダイヤル収容部222のリング溝32Fの両方に取り付けられることにより、操作ダイヤル230の位置が固定され、操作ダイヤル230の回転以外の動作を規制される。
【0062】
ここで、
図7(a)及び(b)に示すように、スティックバルブ210が閉じた状態では、天蓋部22D及び張出部22Eは円弧壁31Eの高さより低い高さに位置する。この状態では、
図7(b)に示すように、天蓋部22Dの一部と張出部22Eの一方又は両方に跨る段差52と隔壁31Bの天頂面が当接する。これにより、スティックバルブ210の入口22はバルブボディ220に埋没する。このように、バルブボディ220によって入口22が閉塞するため、流路21への尿素水の流入が阻まれる。すなわち、入口22がバルブボディ220に埋没することにより、操作バルブ200は閉じられる。
【0063】
また、
図7(b)に示すように、スティックバルブ210が閉じた状態では、Oリング22Cが隔壁31Bのテーパー面31Gで静止する。したがって、第1実施形態のように、Oリング22Cが第1空洞部31Aにまで潜り込む場合に比べて、スティックバルブ210を閉じる際の操作を軽い力で行うことができる。さらに、スティックバルブ210が閉じられた状態では、段差51とCリング23Gが当接する。ここで、上述したように、段差52と隔壁31Bの天頂面が当接することにより、スティックバルブ210の下方への移動を規制することができる。一方で、このように、段差51とCリング23Gが当接することによっても、スティックバルブ210の下方への移動を規制することもできる。なお、スティックバルブ210の下方はスティックバルブ210が尿素水タンクから離れる方向である。
【0064】
スティックバルブ210が閉じた状態で、操作ダイヤル230を時計回りに回動させると、スティックバルブ210の雄ネジS7と操作ダイヤル230の雌ネジS8のネジ結合により、スティックバルブ210が尿素水タンクの方向に上昇する。これにより、
図8(a)乃至(c)に示すように、スティックバルブ210が開いた状態になる。張出部22Eは2つの円弧壁31Eの間に収容されているため、操作ダイヤル230を時計回りに回動させても、張出部22Eの回転は規制され、張出部22Eは2つの円弧壁31Eによってガイドされながら上昇する。このように、スティックバルブ210は操作ダイヤル230の回転とは独立して直線的に上昇する。スティックバルブ210は直線的に上昇するため、スティックバルブ210に取り付けられる2つのOリング21C,22Cの劣化を抑えることができる。より詳しくは、Oリング21C,22Cが回転しながら上昇する場合に比べて、Oリング21C,22Cの劣化を抑えることができる。
【0065】
スティックバルブ210が開いた状態では、天蓋部22D及び張出部22Eは円弧壁31Eの高さと同等の高さに位置する。具体的には、
図8(b)及び(c)に示すように、天蓋部22Dの一部と張出部22Eに連続する段差52と隔壁31Bの天頂面が離隔する。これにより、スティックバルブ210の入口22が開放される。このように、入口22が開放されることによって、入口22を通じて流路21に尿素水が流入する。すなわち、入口22が開放されることにより、操作バルブ200は開かれる。
【0066】
また、スティックバルブ210が開いた状態では、突起23Eの天面(又は側面)とCリング23Gが当接する。これにより、スティックバルブ210の上方への移動を規制することができる。なお、スティックバルブ210の上方はスティックバルブ210が尿素水タンクに近づく方向である。
【0067】
ここで、
図8(a)及び(c)に示すように、操作ダイヤル230の操作部232の後端側の内周面は、スティックバルブ210の脚部213の外周面から離隔する。第1実施形態では、操作ダイヤル130の湾曲面41Cや平面41Dを2本の手指で挟んで操作ダイヤル130を回動させるが(
図3(a)参照)、この際、操作ダイヤル130の雄ネジS4に手指が接触することにより、例えば手指の皮膚が切れる可能性がある。また、第1実施形態では、操作ダイヤル130の湾曲面41Cや平面41Dがスティックバルブ110の出口23に近いため、手指が尿素水で汚れる可能性もある。
【0068】
しかしながら、第2実施形態によれば、操作ダイヤル230の操作部232の内周面は、スティックバルブ210の脚部213の外周面から離隔するため、これらの可能性を回避することができる。すなわち、第2実施形態であれば、手指の皮膚が切れる可能性や手指が尿素水で汚れる可能性を低下させることができる。その他、操作ダイヤル230の外径が第1実施形態に係る操作ダイヤル130の外径より大きいため、操作ダイヤル130に比べて操作ダイヤル230の操作性が向上する。
【0069】
以上説明したように、第2実施形態に係る操作バルブ200でもボールバルブが除外されている。このように、尿素水が凍結する可能性があっても、尿素水の凍結に対して、ボールバルブを除外した簡易な構造の操作バルブ200とすることができる。なお、以上の説明では、操作バルブ200が閉じたバルブ閉状態から操作バルブ200が開いたバルブ開状態に遷移するまでの一連の流れを説明したが、この一連の流れを逆に実施することにより、バルブ開状態からバルブ閉状態に遷移することができる。
【0070】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0071】
例えば、スティックバルブ110,210、バルブボディ120,220、及び操作ダイヤル130,230の材料としては、尿素水に対応するため、耐腐食性の強いステンレス(例えばSUS316)を使用することが望ましい。一方、操作ダイヤル130,230については直接的には尿素水に触れないため、軽量化の観点から樹脂を使用してもよい。なお、保護キャップ140についてはステンレスであってもよいし、樹脂であってもよい。
【0072】
また、上述した実施形態では、流体の一例として尿素水を用いて説明したが、流体は飲料水であってもよいし、可燃性や不可燃性のガスであってもよい。飲料水としては例えば、水、清涼飲料水、アルコール飲料などがある。この場合、尿素水タンクに代えて、飲料水やガスの容器を操作バルブ100,200の取付対象として採用すればよい。
【符号の説明】
【0073】
10 尿素水タンクの底壁
21C,22C Oリング
23C,23F,23G Cリング
100,200 操作バルブ
110,210 スティックバルブ
120,220 バルブボディ
130,230 操作ダイヤル
232 操作部
140 保護キャップ