(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102607
(43)【公開日】2023-07-25
(54)【発明の名称】車両用視認装置
(51)【国際特許分類】
B60R 1/06 20060101AFI20230718BHJP
【FI】
B60R1/06 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022003196
(22)【出願日】2022-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉坂 賢一
(72)【発明者】
【氏名】市川 智宣
【テーマコード(参考)】
3D053
【Fターム(参考)】
3D053FF22
3D053GG06
3D053GG12
3D053HH14
3D053HH18
3D053HH19
3D053JJ01
3D053JJ03
3D053KK02
(57)【要約】
【課題】視認機構の振動を抑制する。
【解決手段】ドアミラー装置10では、格納機構14によってミラー36が回動される。また、ポンプ44のピストンが移動されて、エアが排出される。ここで、ピストンの移動方向が車両前後方向に対し非平行にされている。このため、ピストンの移動によりミラー36に回動力が作用されることを抑制でき、ミラー36の振動を抑制できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の乗員の視認を補助する視認機構と、
前記視認機構を支持し、動作されて前記視認機構が車両前側又は車両後側に回動される回動機構と、
ピストンが移動可能に設けられると共に、前記ピストンの移動方向が車両前後方向に対し非平行にされ、前記ピストンが移動されて流体が送出されるポンプと、
を備える車両用視認装置。
【請求項2】
車両の乗員の視認を補助する視認機構と、
前記視認機構を支持し、動作されて前記視認機構が回動される回動機構と、
前記回動機構に連結されると共に、ピストンが移動可能に設けられ、前記ピストンが移動されて流体が送出されるポンプと、
を備える車両用視認装置。
【請求項3】
前記ポンプが前記回動機構と一体にされる請求項1又は請求項2記載の車両用視認装置。
【請求項4】
前記回動機構に連結され、前記ポンプが一体にされる連結部材を備える請求項1又は請求項2記載の車両用視認装置。
【請求項5】
前記回動機構に被支持位置において支持されると共に、前記ポンプが被支持位置より前記視認機構回動径方向内側に配置され、動作されて前記視認機構が補助する乗員の視認の方向が変更される調整機構を備える請求項1~請求項4の何れか1項記載の車両用視認装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の乗員の視認を視認機構が補助する車両用視認装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の車両用視認装置では、支持機構がカメラユニットを支持しており、ポンプがカメラユニットへの洗浄液を送出する。
【0003】
ここで、このような車両用視認装置において、支持機構の動作によりカメラユニットが回動されると共に、支持機構がポンプを支持する場合には、カメラユニットの振動を抑制できるのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、視認機構の振動を抑制できる車両用視認装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様の車両用視認装置は、車両の乗員の視認を補助する視認機構と、前記視認機構を支持し、動作されて前記視認機構が車両前側又は車両後側に回動される回動機構と、ピストンが移動可能に設けられると共に、前記ピストンの移動方向が車両前後方向に対し非平行にされ、前記ピストンが移動されて流体が送出されるポンプと、を備える。
【0007】
本発明の第2態様の車両用視認装置は、車両の乗員の視認を補助する視認機構と、前記視認機構を支持し、動作されて前記視認機構が回動される回動機構と、前記回動機構に連結されると共に、ピストンが移動可能に設けられ、前記ピストンが移動されて流体が送出されるポンプと、を備える。
【0008】
本発明の第3態様の車両用視認装置は、本発明の第1態様又は第2態様の車両用視認装置において、前記ポンプが前記回動機構と一体にされる。
【0009】
本発明の第4態様の車両用視認装置は、本発明の第1態様又は第2態様の車両用視認装置において、前記回動機構に連結され、前記ポンプが一体にされる連結部材を備える。
【0010】
本発明の第5態様の車両用視認装置は、本発明の第1態様~第4態様の何れか1つの車両用視認装置において、前記回動機構に被支持位置において支持されると共に、前記ポンプが被支持位置より前記視認機構回動径方向内側に配置され、動作されて前記視認機構が補助する乗員の視認の方向が変更される調整機構を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1態様の車両用視認装置では、回動機構が視認機構を支持しており、視認機構が車両の乗員の視認を補助すると共に、回動機構が動作されて視認機構が車両前側又は車両後側に回動される。また、ポンプのピストンが移動されて、流体が送出される。
【0012】
ここで、ピストンの移動方向が車両前後方向に対し非平行にされる。このため、ピストンの移動により視認機構に回動力が作用されることを抑制でき、視認機構の振動を抑制できる。
【0013】
本発明の第2態様の車両用視認装置では、回動機構が視認機構を支持しており、視認機構が車両の乗員の視認を補助すると共に、回動機構が動作されて視認機構が回動される。また、ポンプのピストンが移動されて、流体が送出される。
【0014】
ここで、ポンプが回動機構に連結される。このため、ピストンの移動により視認機構に回動力が作用されることを抑制でき、視認機構の振動を抑制できる。
【0015】
本発明の第3態様の車両用視認装置では、ポンプが回動機構と一体にされる。このため、ピストンの移動により視認機構に回動力が作用されることを抑制できる。
【0016】
本発明の第4態様の車両用視認装置では、連結部材が回動機構に連結されおり、ポンプが連結部材と一体にされる。このため、ピストンの移動により視認機構に回動力が作用されることを抑制できる。
【0017】
本発明の第5態様の車両用視認装置では、回動機構に調整機構が被支持位置において支持されると共に、調整機構が動作されて視認機構が補助する乗員の視認の方向が変更される。
【0018】
ここで、ポンプが被支持位置より視認機構回動径方向内側に配置される。このため、ピストンの移動により視認機構に回動力が作用されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るドアミラー装置を示す車両前側から見た背面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るドアミラー装置を示す上側から見た上面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係るドアミラー装置における格納機構及びポンプを示す上側から見た上面図である。
【
図4】本発明の第2実施形態に係るドアミラー装置を示す車両前側から見た背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
図1には、本発明の第1実施形態に係る車両用視認装置としてのドアミラー装置10が車両前側から見た背面図にて示されており、
図2には、ドアミラー装置10が上側から見た上面図にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車幅方向外方(車両左方)を矢印OUTで示し、上方を矢印UPで示している。
【0021】
本実施形態に係るドアミラー装置10は、車両(自動車)におけるサイドドア(フロントサイドドア、図示省略)の上下方向中間部の車両前側端部に設置されて、サイドドアの車外側に配置されている。
【0022】
図1及び
図2に示す如く、ドアミラー装置10には、柱状のステー12が設けられており、ステー12がサイドドアに固定されて、ドアミラー装置10がサイドドアに設置されている。
【0023】
ステー12の上側には、回動機構としての格納機構14(
図3参照)が支持されている。
【0024】
格納機構14には、支持軸としての略円筒状のスタンド16が設けられており、スタンド16がステー12の上側に支持されて、格納機構14がステー12の上側に支持されている。スタンド16の軸方向は、上下方向に略平行にされており、スタンド16の中心軸線Oは、上下方向に略平行にされている。
【0025】
スタンド16には、回動部材としての略矩形箱状の回動ケース18が支持されており、回動ケース18は、下記バイザ30に比し剛性が高くされている。スタンド16は、回動ケース18の下壁に貫通かつ嵌合されており、回動ケース18は、スタンド16を中心軸として格納方向A(車両後側)及び展開方向B(車両前側)に回動可能にされている。
【0026】
回動ケース18内には、最終ギア20(ウォームホイール)が設けられており、最終ギア20は、スタンド16が同軸上に貫通かつ嵌合されると共に、付勢力により回転が制限されている。回動ケース18内には、出力ギア22(ウォーム)が回転可能に支持されており、出力ギア22は、最終ギア20に噛合されて、最終ギア20周りへの回転を規制されている。回動ケース18内には、回動駆動装置としての回動モータ24が固定されており、回動モータ24は、出力ギア22に機械的に連絡されている。回動ケース18内には、板状の回路基板26が固定されており、回路基板26には、回動モータ24が電気的に接続されている。回路基板26は、車両の制御装置28に電気的に接続されており、制御装置28の制御により回動モータ24が駆動されることで、出力ギア22が軸方向周りに回転されつつ最終ギア20の周りを回転されて、回動ケース18が格納方向A及び展開方向Bに回動される。また、回動ケース18に外力が作用されて、最終ギア20が付勢力に抗して回転されることで、回動ケース18が格納方向A及び展開方向Bに回動される。
【0027】
回動ケース18には、被覆体としての略直方体形箱状のバイザ30が支持されている。回動ケース18には、バイザ30内の車幅方向内側かつ下側の部分が固定されており、バイザ30は、回動ケース18から車幅方向外側及び上側に延出されている。
【0028】
バイザ30の車両後側部分には、略直方体形箱状のバイザボディ30Aが設けられており、バイザボディ30A内は、車両前側に開放されている。バイザボディ30Aの車両後側壁には、略直方体状の収容凹部30Bが形成されており、収容凹部30Bは、車両後側に開放されている。収容凹部30Bの底壁(車両前側壁)には、略矩形状の開放孔30Cが貫通形成されており、開放孔30Cは、収容凹部30Bを車両前側に開放させている。バイザ30の車両前側部分には、バイザカバー30Dが設けられており、バイザカバー30Dは、バイザボディ30A内を車両前側から被覆している。
【0029】
回動ケース18には、連結部材としての略板状のブラケット32が支持されており、ブラケット32は、バイザ30内に収容されると共に、バイザ30に比し剛性が高くされている。回動ケース18には、ブラケット32の車幅方向内側かつ下側の端部が固定されて一体にされており、ブラケット32は、回動ケース18の上側から車幅方向外側に延出されている。
【0030】
ブラケット32の車幅方向外側部分には、調整機構としての鏡面調整機構34が支持されており、鏡面調整機構34は、バイザボディ30Aの開放孔30Cを介して収容凹部30Bに挿入されている。鏡面調整機構34は、車幅方向外側かつ上側、車幅方向外側かつ下側及び車幅方向内側かつ上側における被支持位置34Aにおいて、ブラケット32にネジ締結されて支持されており、車幅方向外側かつ下側の被支持位置34Aは、最も車幅方向外側の被支持位置34Aにされている。
【0031】
鏡面調整機構34の車両後側には、視認機構としての略矩形板状のミラー36が支持されており、ミラー36は、バイザボディ30Aの収容凹部30Bに収容されている。ミラー36の表側は、車両後側に向けられて、バイザ30の車両後側に露出されており、車両の乗員がミラー36の反射光を目視することで、乗員の車両後側の視認が補助される。鏡面調整機構34が電動又は手動により動作された際には、ミラー36が上下方向及び車幅方向において傾動されることで、ミラー36の表側の向き(鏡面の向き)が調整されて、ミラー36が補助する乗員の視認の方向が変更される。
【0032】
バイザ30内の車幅方向中間における下端部には、視認機構としての下カメラ38が支持されており、下カメラ38のレンズ38Aは、バイザ30(バイザカバー30D)の開口を介して下側に露出されている。下カメラ38は、制御装置28に電気的に接続されており、下カメラ38は、制御装置28の制御により、レンズ38Aを介して下側を撮像する。
【0033】
バイザ30内の車幅方向外側における下端部には、視認機構としての外カメラ40が支持されており、外カメラ40のレンズ40Aは、バイザ30(バイザカバー30D)の開口を介して車幅方向外側に露出されている。外カメラ40は、制御装置28に電気的に接続されており、外カメラ40は、制御装置28の制御により、レンズ40Aを介して車幅方向外側を撮像する。
【0034】
制御装置28には、モニタ42が電気的に接続されており、モニタ42は、車両の車室に配置されると共に、下カメラ38が撮像した画像及び外カメラ40が撮像した画像を制御装置28の制御により表示する。このため、モニタ42に表示される下カメラ38が撮像した画像及び外カメラ40が撮像した画像を乗員が目視することで、それぞれ乗員の下側及び車幅方向外側の視認が補助される。
【0035】
格納機構14の回動ケース18には、ポンプ44(
図3参照)が支持されている。
【0036】
ポンプ44には、箱状のケース46が設けられており、ケース46は、回動ケース18に固定されて一体にされている。ケース46内は、車両後側に開放されており、ケース46内は、回動ケース18によって閉鎖されている。
【0037】
ケース46内には、駆動装置としてのモータ48が固定されており、モータ48は、ケース46の車両後側への開放部分から回動ケース18の車両前側壁を貫通されて、回動ケース18の回路基板26に電気的に接続されている。ケース46内には、駆動部材としてのポンプギア50が回転可能に支持されており、ポンプギア50の径方向中間部には、円柱状の接続軸50Aが突出されて設けられている。ポンプギア50には、モータ48が機械的に連絡されており、制御装置28の制御によりモータ48が駆動されることで、ポンプギア50が回転される。
【0038】
ポンプギア50の接続軸50Aには、接続部材としての長尺板状のロッド52の一端部が回転可能に接続されており、ロッド52は、ケース46の車幅方向外側壁を移動可能に貫通している。
【0039】
ケース46の車幅方向外側には、略有底円筒状のシリンダ54が支持されており、シリンダ54は、ケース46及び回動ケース18に固定されて一体にされている。シリンダ54の軸方向は、略車幅方向にされており、シリンダ54内は、車幅方向内側に開放されて、ロッド52が挿入可能にされている。シリンダ54の車幅方向外側壁(底壁)には、略円筒状の排出筒54Aが一体形成されており、排出筒54Aは、シリンダ54から前方に延出されると共に、内部がシリンダ54内に連通されている。排出筒54Aには、チューブ(図示省略)が接続されており、チューブの先端部(ノズル)は、ミラー36の表側、下カメラ38のレンズ38A表側又は外カメラ40のレンズ40A表側に向けられている。
【0040】
シリンダ54内には、略円板状のピストン56が同軸上に嵌合されており、ピストン56は、シリンダ54内を同軸上に移動可能にされると共に、シリンダ54内の車幅方向外側に加圧室58を形成する。
【0041】
ピストン56の後側には、断面L字状の接続片56Aが一体に設けられており、接続片56Aの基端側部分は、ピストン56から車幅方向内側に突出されている。接続片56Aの先端側部分には、ロッド52の他端部が回転可能に接続されており、ポンプギア50が回転されることで、ロッド52がポンプギア50の接続軸50A及び接続片56Aに対し回転されつつ車幅方向の内側及び外側に往復移動されて、ピストン56がシリンダ54内を車幅方向の内側及び外側に往復移動される。
【0042】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0043】
以上の構成のドアミラー装置10では、格納機構14が電動で動作される際に、回動モータ24が駆動されて、出力ギア22が最終ギア20の周りを回転されることで、回動ケース18がスタンド16を中心軸として回動されて、回動ケース18と一体にバイザ30(ブラケット32、鏡面調整機構34、ミラー36、下カメラ38及び外カメラ40を含む)が回動される。また、回動ケース18が格納方向A(車両後側)に回動されて、バイザ30が格納されると共に、回動ケース18が展開方向B(車両前側)に回動されて、バイザ30が展開(復帰)される。
【0044】
格納機構14が手動で動作される際には、バイザ30への外力が回動ケース18に作用されて、最終ギア20が付勢力に抗して回転されることで、回動ケース18がスタンド16を中心軸として回動されて、回動ケース18と一体にバイザ30(ブラケット32、鏡面調整機構34、ミラー36、下カメラ38及び外カメラ40を含む)が回動される。
【0045】
また、ポンプ44では、モータ48が駆動されて、ポンプギア50が回転されることで、ロッド52が車幅方向の内側及び外側に往復移動されて、ピストン56がシリンダ54内を車幅方向の内側及び外側に往復移動される。また、ピストン56が車幅方向内側に移動されて、シリンダ54内の加圧室58(ピストン56より車幅方向外側)にエアが吸入される。そして、ピストン56が車幅方向外側に移動されて、加圧室58のエアが加圧されることで、シリンダ54の排出筒54A内からチューブ内にエアが排出(圧出)される。このため、チューブの先端部(ノズル)からミラー36の表側、下カメラ38のレンズ38A表側又は外カメラ40のレンズ40A表側にエアが噴射されて、ミラー36の表側、下カメラ38のレンズ38A表側又は外カメラ40のレンズ40A表側が洗浄される。
【0046】
ここで、ポンプ44のピストン56の移動方向が、略車幅方向にされて、車両前後方向に対し非平行にされている。このため、ピストン56の移動によりバイザ30に車両前後方向(バイザ30のスタンド16を中心とした回動方向)への回動力が作用されることを抑制できて、ピストン56の移動によりミラー36、下カメラ38及び外カメラ40に回動力が作用されることを抑制でき、ミラー36、下カメラ38及び外カメラ40の振動を抑制できる。これにより、ミラー36、下カメラ38及び外カメラ40による乗員の視認性が低下することを抑制できる。
【0047】
また、ポンプ44のケース46が剛性が高い回動ケース18と一体にされている。このため、ピストン56の移動により回動ケース18が振動されることを抑制できて、ピストン56の移動によりミラー36、下カメラ38及び外カメラ40に回動力が作用されることを抑制でき、ミラー36、下カメラ38及び外カメラ40の振動を抑制できる。
【0048】
さらに、ポンプ44のケース46が回動ケース18と一体にされて、ピストン56がスタンド16に接近されている。このため、ピストン56の移動によりバイザ30がスタンド16を中心として回動されることを抑制できて、ピストン56の移動によりミラー36、下カメラ38及び外カメラ40に回動力が作用されることを抑制でき、ミラー36、下カメラ38及び外カメラ40の振動を抑制できる。
【0049】
しかも、ポンプ44が鏡面調整機構34のブラケット32への最も車幅方向内側の被支持位置34A(車幅方向内側かつ上側の被支持位置34A)より車幅方向内側に配置されて、ピストン56がスタンド16に接近されている。このため、ピストン56の移動によりバイザ30がスタンド16を中心として回動されることを抑制できて、ピストン56の移動によりミラー36、下カメラ38及び外カメラ40に回動力が作用されることを抑制でき、ミラー36、下カメラ38及び外カメラ40の振動を抑制できる。
【0050】
[第2実施形態]
図4には、本発明の第2実施形態に係る車両用視認装置としてのドアミラー装置70が車両前側から見た背面図にて示されている。
【0051】
本実施形態に係るドアミラー装置70は、上記第1実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0052】
図4に示す如く、本実施形態に係るドアミラー装置70では、ポンプ44がブラケット32の車幅方向内側かつ上側に支持されており、ポンプ44のケース46は、ブラケット32に固定されて一体にされている。また、ポンプ44では、シリンダ54の軸方向(ピストン56の移動方向)がスタンド16の中心軸線Oに対し垂直に配置されている。
【0053】
ここで、本実施形態でも、上記第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0054】
特に、剛性が高いブラケット32が剛性が高い回動ケース18と一体にされており、ポンプ44のケース46がブラケット32と一体にされている。このため、ピストン56の移動によりブラケット32及び回動ケース18が振動されることを抑制できて、ピストン56の移動によりミラー36、下カメラ38及び外カメラ40に回動力が作用されることを抑制でき、ミラー36、下カメラ38及び外カメラ40の振動を抑制できる。
【0055】
さらに、ポンプ44のケース46がブラケット32と一体にされて、ピストン56がスタンド16に接近されている。このため、ピストン56の移動によりバイザ30がスタンド16を中心として回動されることを抑制できて、ピストン56の移動によりミラー36、下カメラ38及び外カメラ40に回動力が作用されることを抑制でき、ミラー36、下カメラ38及び外カメラ40の振動を抑制できる。
【0056】
しかも、ポンプ44が鏡面調整機構34のブラケット32への車幅方向外側の被支持位置34A(少なくとも車幅方向外側かつ下側の被支持位置34A)より車幅方向内側に配置されて、ピストン56がスタンド16に接近されている。このため、ピストン56の移動によりバイザ30がスタンド16を中心として回動されることを抑制できて、ピストン56の移動によりミラー36、下カメラ38及び外カメラ40に回動力が作用されることを抑制でき、ミラー36、下カメラ38及び外カメラ40の振動を抑制できる。
【0057】
なお、上記第1実施形態及び第2実施形態では、ポンプ44がエアを排出する。しかしながら、ポンプ44は流体(気体又は液体)を排出すればよい。
【0058】
さらに、上記第1実施形態及び第2実施形態では、ポンプ44のケース46が回動ケース18又はブラケット32に固定される。しかしながら、ポンプ44のケース46が回動ケース18又はブラケット32と一体形成されてもよい。
【0059】
また、上記第1実施形態及び第2実施形態では、ポンプ44のシリンダ54の軸方向(ピストン56の移動方向)が略車幅方向にされる。しかしながら、ポンプ44のシリンダ54の軸方向(ピストン56の移動方向)は何れの方向であってもよい。
【0060】
さらに、上記第1実施形態及び第2実施形態では、鏡面調整機構34(調整機構)がミラー36の表側の向きを調整する。しかしながら、調整機構が下カメラ38のレンズ38A表側の向き又は外カメラ40のレンズ40A表側の向きを調整してもよい。
【0061】
また、上記第1実施形態及び第2実施形態では、ドアミラー装置10、70(車両用視認装置)に視認機構としてミラー36、下カメラ38及び外カメラ40が設けられる。しかしながら、車両用視認装置に視認機構としてミラーのみ又はカメラのみが設けられてもよい。
【符号の説明】
【0062】
10・・・ドアミラー装置(車両用視認装置)、14・・・格納機構(回動機構)、32・・・ブラケット(連結部材)、34・・・鏡面調整機構(調整機構)、34A・・・被支持位置、36・・・ミラー(視認機構)、38・・・下カメラ(視認機構)、40・・・外カメラ(視認機構)、44・・・ポンプ、56・・・ピストン、70・・・ドアミラー装置(車両用視認装置)