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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102617
(43)【公開日】2023-07-25
(54)【発明の名称】検査結果確認用クリアファイル
(51)【国際特許分類】
   B42F 7/00 20060101AFI20230718BHJP
【FI】
B42F7/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022003215
(22)【出願日】2022-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】000115636
【氏名又は名称】リオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120592
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 崇裕
(74)【代理人】
【識別番号】100184712
【弁理士】
【氏名又は名称】扇原 梢伸
(72)【発明者】
【氏名】中市 健志
(72)【発明者】
【氏名】中島 康貴
(72)【発明者】
【氏名】田中 勇気
(72)【発明者】
【氏名】鹿島(佐藤) 香織
(72)【発明者】
【氏名】和佐野 浩一郎
【テーマコード(参考)】
2C017
【Fターム(参考)】
2C017QA03
2C017QB01
2C017QE00
2C017QF05
(57)【要約】
【課題】検査結果シートを分かりやすく確認することができる技術を提供する。
【解決手段】検査結果確認用クリアファイル10は、聴力検査の結果を示す聴力図42(オージオグラム)が表示された検査結果シート40を収納可能なクリアファイルである。検査結果確認用クリアファイル10は、本体部20と、表示部30とを備えている。本体部20は表シート21及び裏シート22を有し、表シート21と裏シート22との間に検査結果シート40を挟み込んで収納可能である。表示部30は表シート21の表面の中央に形成された四角形状の領域である。表示部30は、本体部20に収納された検査結果シート40の聴力図42と重なる位置に形成されている。表示部30には聴力の参考値を示す参考図31が表示されている。そして、検査結果確認用クリアファイル10の本体部20に検査結果シート40を収納した場合、聴力図42と参考図31とは、重ねて視認可能となる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
聴力検査の結果を示す聴力図が表示された検査結果シートを収納可能な検査結果確認用クリアファイルであって、
表シート及び裏シートを有し、前記表シートと前記裏シートとの間に前記検査結果シートを挟み込んで収納可能な本体部と、
前記表シートの一部に形成され、前記本体部に収納された前記検査結果シートの前記聴力図と重なる位置に形成され、聴力の参考値を示す参考図が表示され、前記聴力図と前記参考図とを重ねて視認可能とする表示部と、
を備える検査結果確認用クリアファイル。
【請求項2】
請求項1に記載の検査結果確認用クリアファイルにおいて、
前記表シートの前記表示部が形成されている領域は、透明であり、
前記表シートの前記表示部が形成されていない領域は、不透明であることを特徴とする検査結果確認用クリアファイル。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の検査結果確認用クリアファイルにおいて、
前記参考図には、年齢別の参考値が表示されていることを特徴とする検査結果確認用クリアファイル。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の検査結果確認用クリアファイルにおいて、
前記参考図には、複数の性別のうち一の性別の参考値が表示されていることを特徴とする検査結果確認用クリアファイル。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の検査結果確認用クリアファイルにおいて、
前記聴力図は、聴力検査の結果が記号或いは線を用いたグラフで表示されており、
前記参考図は、聴力の参考値が記号或いは線を用いたグラフで表示されていることを特徴とする検査結果確認用クリアファイル。
【請求項6】
請求項5に記載の検査結果確認用クリアファイルにおいて、
前記参考図の前記グラフの記号或いは線は、半透明であることを特徴とする検査結果確認用クリアファイル。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の検査結果確認用クリアファイルにおいて、
前記本体部には、特定の医療関係者を識別する識別情報が表示されており、
前記参考図は、前記特定の医療関係者が監修する図であることを特徴とする検査結果確認用クリアファイル。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の検査結果確認用クリアファイルにおいて、
前記検査結果シートには、所定情報が表示されており、
前記表シートには、前記所定情報を視認可能とする窓部が形成されていることを特徴とする検査結果確認用クリアファイル。
【請求項9】
請求項8に記載の検査結果確認用クリアファイルにおいて、
前記所定情報は、前記検査結果シートに表示された文字情報或いは記号情報であることを特徴とする検査結果確認用クリアファイル。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の検査結果確認用クリアファイルにおいて、
前記所定情報は、前記聴力図の縦軸又は横軸に表示された数値情報であることを特徴とする検査結果確認用クリアファイル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査結果確認用クリアファイルに関する。
【背景技術】
【0002】
聴力検査装置(オージオメータ)としては、例えば、特許文献1等の技術が知られている。
そして、このような聴力検査装置を利用して聴力検査を受けると、聴力図(オージオグラム)が表示された紙の検査結果シートが出力されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5037735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
検査結果シートの聴力図には、聴力検査の結果が表示されている。聴力検査の結果は、独特のグラフや記号で表示されているため、専門家以外には何を表しているか理解しづらい。このため、検査結果シートだけを見ても、聴力検査の結果がどの程度の聴力の状況であるのか(聴力検査の結果が良い結果であるのか悪い結果であるのか)分かりにくい。
そこで、本発明は、検査結果シートを分かりやすく確認することができる技術の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するため以下の解決手段を採用する。なお、以下の解決手段はあくまで例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0006】
解決手段1:本解決手段の検査結果確認用クリアファイルは、聴力検査の結果を示す聴力図が表示された検査結果シートを収納可能な検査結果確認用クリアファイルであって、表シート及び裏シートを有し、前記表シートと前記裏シートとの間に前記検査結果シートを挟み込んで収納可能な本体部と、前記表シートの一部に形成され、前記本体部に収納された前記検査結果シートの前記聴力図と重なる位置に形成され、聴力の参考値を示す参考図が表示され、前記聴力図と前記参考図とを重ねて視認可能とする表示部と、を備える検査結果確認用クリアファイルである。
【0007】
本解決手段によれば、聴力図と参考図とを重ねて視認可能とする表示部を備えるので、聴力検査の検査結果が、参考値に対してどの程度良いのか悪いのかを一目見て把握することができ、結果として、検査結果シートを分かりやすく確認することができる。
【0008】
解決手段2:本解決手段の検査結果確認用クリアファイルは、上述したいずれかの解決手段において、前記表シートの前記表示部が形成されている領域は、透明であり、前記表シートの前記表示部が形成されていない領域は、不透明であることを特徴とする検査結果確認用クリアファイルである。
【0009】
本解決手段によれば、表示部では検査結果シートの聴力図を透かして見ることができ、表示部以外の部分では検査結果シートのその他の部分を見えないようにすることができるので、利用者の視線を表示部に集中させ、聴力図をより一層確認しやすくすることができる。
【0010】
解決手段3:本解決手段の検査結果確認用クリアファイルは、上述したいずれかの解決手段において、前記参考図には、年齢別の参考値が表示されていることを特徴とする検査結果確認用クリアファイルである。
【0011】
本解決手段によれば、参考図には、年齢別の参考値が表示されているため、年齢に応じた参考値と検査結果とを分かりやすく比較することができる。
【0012】
解決手段4:本解決手段の検査結果確認用クリアファイルは、上述したいずれかの解決手段において、前記参考図には、複数の性別のうち一の性別の参考値が表示されていることを特徴とする検査結果確認用クリアファイルである。
【0013】
本解決手段によれば、参考図には、複数の性別のうち一の性別(男性、女性、その他の性別)の参考値が表示されているため、性別に応じた参考値と検査結果とを分かりやすく比較することができる。
【0014】
解決手段5:本解決手段の検査結果確認用クリアファイルは、上述したいずれかの解決手段において、前記聴力図は、聴力検査の結果が記号或いは線を用いたグラフで表示されており、前記参考図は、聴力の参考値が記号或いは線を用いたグラフで表示されていることを特徴とする検査結果確認用クリアファイルである。
【0015】
本解決手段によれば、記号同士或いは線を用いたグラフ同士を比較することができるので、検査結果の全体像を分かりやすく比較することができる。
【0016】
解決手段6:本解決手段の検査結果確認用クリアファイルは、上述したいずれかの解決手段において、前記参考図の前記グラフの記号或いは線は、半透明であることを特徴とする検査結果確認用クリアファイルである。
【0017】
本解決手段によれば、参考図のグラフの記号或いは線は、半透明であるため、聴力図のグラフの線が見えなくなることがなく、比較を行いやすい。
【0018】
解決手段7:本解決手段の検査結果確認用クリアファイルは、上述したいずれかの解決手段において、前記本体部には、特定の医療関係者を識別する識別情報が表示されており、前記参考図は、前記特定の医療関係者が監修する図であることを特徴とする検査結果確認用クリアファイルである。
【0019】
本解決手段によれば、参考図は、特定の医療関係者が監修する図であるため、参考図の信頼性を向上させることができる。
【0020】
解決手段8:本解決手段の検査結果確認用クリアファイルは、上述したいずれかの解決手段において、前記検査結果シートには、所定情報が表示されており、前記表シートには、前記所定情報を視認可能とする窓部が形成されていることを特徴とする検査結果確認用クリアファイルである。
【0021】
本解決手段によれば、表シートには、所定情報を視認可能とする窓部が形成されているため、検査結果シートを本体部に収納する際の位置決めが行いやすくなる。
【0022】
解決手段9:本解決手段の検査結果確認用クリアファイルは、上述したいずれかの解決手段において、前記所定情報は、前記検査結果シートに表示された文字情報或いは記号情報であることを特徴とする検査結果確認用クリアファイルである。
【0023】
本解決手段によれば、所定情報を文字情報或いは記号情報としているため、検査結果シートに備えられている文字情報或いは記号情報を所定情報として兼用することができる。
【0024】
解決手段10:本解決手段の検査結果確認用クリアファイルは、上述したいずれかの解決手段において、前記所定情報は、前記聴力図の縦軸又は横軸に表示された数値情報であることを特徴とする検査結果確認用クリアファイルである。
【0025】
本解決手段によれば、所定情報を数値情報としているため、聴力図に備えられている数値情報を所定情報として兼用することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、検査結果シートを分かりやすく確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】第1実施形態の検査結果確認用クリアファイル10を示す図である。
図2】第1実施形態の検査結果確認用クリアファイル10を示す底面図である。
図3】第1実施形態の使用前の検査結果シート40を示す図である。
図4】第1実施形態の検査結果が表示された検査結果シート40を示す図である。
図5】第1実施形態の検査結果確認用クリアファイル10に検査結果シート40を収納した状態を示す図である。
図6】第2実施形態の検査結果確認用クリアファイル10-2を示す平面図である。
図7】第2実施形態の検査結果が表示された検査結果シート40-2を示す図である。
図8】第2実施形態の検査結果確認用クリアファイル10-2に検査結果シート40-2を収納した状態を示す図である。
図9】第3実施形態の検査結果確認用クリアファイル10-3を示す平面図である。
図10】第3実施形態の検査結果確認用クリアファイル10-3に検査結果シート40を収納した状態を示す図である。
図11】第4実施形態の検査結果確認用クリアファイル10-4を示す平面図である。
図12】第4実施形態の検査結果確認用クリアファイル10-4に検査結果シート40を収納した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、第1実施形態の検査結果確認用クリアファイル10を示す平面図である。図2は、第1実施形態の検査結果確認用クリアファイル10を示す底面図である。図3は、第1実施形態の使用前の検査結果シート40を示す図である。図4は、第1実施形態の検査結果が表示された検査結果シート40を示す図である。図5は、第1実施形態の検査結果確認用クリアファイル10に検査結果シート40を収納した状態を示す図である。
【0029】
図1に示すように、検査結果確認用クリアファイル10は、聴力検査の結果を示す聴力図42(オージオグラム)が表示された検査結果シート40(図4参照)を収納可能なクリアファイルである。検査結果確認用クリアファイル10は、本体部20と、表示部30とを備えている。
【0030】
本体部20は、表シート21及び裏シート22を有し、表シート21と裏シート22との間に検査結果シート40(図4参照)を挟み込んで収納可能である。本体部20は、表シート21及び裏シート22による1枚のシートを折り畳んで形成されている。本体部20は、左辺が折り目となっており、下辺が溶着により固定されており、右辺及び上辺が開放するようになっている。
【0031】
表示部30は、表シート21の表面の中央に形成された四角形状の領域である。表示部30は、本体部20に収納された検査結果シート40の聴力図42と重なる位置に形成されている(図5参照)。表示部30には、聴力の参考値を示す参考図31が表示されている。参考値は当該性別の平均的な聴力レベルを元に算出されている。
【0032】
図1に示すように、表シート21の表示部30が形成されている領域E1は、透明である。また、表シート21の表示部30が形成されていない領域E2は、不透明である。図2に示すように、裏シート22は、不透明である。裏シート22には、医療機関の情報や、補聴器販売店の店舗情報等を表示することができる。
【0033】
図1に示すように、参考図31の縦軸には、聴力レベル(dB)が、大きい音の130(dB)から小さい音の-20(dB)までが表示されている。参考図31の横軸には、周波数(Hz)が、低い音の125(Hz)から会話音域の1000(Hz)を間に挟んで高い音の8000(Hz)までが表示されている。
【0034】
第1実施形態の検査結果確認用クリアファイル10は、女性用のクリアファイルであり、表シート21の上部右側には、女性用であることを示す女性用マーク23が表示されている。
【0035】
また、表シート21の右辺の上方には、検査結果シート40を出し入れしやすくするための半円形の第1切り欠き24が形成されている。
さらに、表シート21の右辺の下方には、検査結果確認用クリアファイル10を裂けにくくするための三角形の第2切り欠き25が形成されている。
【0036】
参考図31には、女性用の参考値が表示されている。また、参考図31には、女性の年齢別の参考値が表示されている。具体的には、年齢が10~39歳の参考値と、年齢が40~49歳の参考値と、年齢が50~59歳の参考値と、年齢が60~69歳の参考値と、年齢が70~79歳の参考値と、年齢が80~89歳の参考値と、年齢が90歳以上の参考値とが表示されている。参考図31には、聴力の参考値が線を用いた女性用参考値折れ線グラフG1で表示されている。参考図31の女性用参考値折れ線グラフG1の線は、半透明である。女性用参考値折れ線グラフG1の各線は、年齢別の線に応じて色分けすることができる。
【0037】
本体部20(表シート21)の右下の位置には、特定の医療関係者を識別する識別情報26が表示されている。具体的には、識別情報26には、「A医療センター、B研究室、CDE監修」という情報が表示されている。参考図31は、特定の医療関係者、すなわち、A医療センターのB研究室のCDEという人が監修する図である。
【0038】
図3に示すように、検査結果シート40は、ID、氏名、年齢、性別を表示する個人情報表示部41と、検査結果が表示される聴力図42と、右耳及び左耳の3分法、4分法、5分法による平均聴力レベルを表示する平均聴力レベル表示部43と、右耳及び左耳の気導及び骨導の各周波数におけるマスキングノイズレベルを表示するマスキングノイズレベル表示部44とを備えている。
【0039】
図3の検査結果シート40は、検査前のシートであるが、聴力検査が終了すると、図4に示すように、個人情報表示部41に必要事項(ID:GHI、氏名:JKL、年齢:82、性別:女)が表示され、聴力図42に検査結果が表示(印刷)される。
【0040】
また、平均聴力レベル表示部43には、検査結果に基づく数値が表示される。
各分法の平均聴力レベルの計算式は、以下の通りであり、小数点一桁まで表示される。
3分法:(500Hzの聴力レベル+1kHzの聴力レベル+2kHzの聴力レベル)/3
4分法:(500Hzの聴力レベル+2×1kHzの聴力レベル+2kHzの聴力レベル)/4
6分法:(500Hzの聴力レベル+2×1kHzの聴力レベル+2×2kHzの聴力レベル+4kHzの聴力レベル)/6
【0041】
図4の例では、「3分法(右耳)」が「23.3dB」であり、「3分法(左耳)」が「43.3dB」であり、「4分法(右耳)」が「22.5dB」であり、「4分法(左耳)」が「42.5dB」であり、「6分法(右耳)」が「25.0dB」であり、「6分法(左耳)」が「46.6dB」である。
【0042】
なお、図4の例では、マスキングノイズレベル表示部44には情報が表示されていないが、検査の内容によっては、マスキングノイズレベル表示部44にも情報が表示される。
【0043】
図4の聴力図42には、聴力検査の結果が記号(マーク)或いは線を用いたグラフで表示されている。
例えば、右耳の気導の検査結果は、丸印のマークを実線で結んだ右耳気導折れ線グラフG2で表示される。左耳の気導の検査結果は、バツ印のマークを点線で結んだ左耳気導折れ線グラフG3で表示される。なお、ここでは、特に図示していないが、右耳の骨導の検査結果は、逆コの字印のマークにより表示され、左耳の骨導の検査結果は、コの字印のマークにより表示される。
このように、聴力図42には、聴力に関連した各種の情報が表示されるが、参考図31の参考値折れ線グラフG1と比較して、聴力の良否を判定することができる。
【0044】
そして、図5に示すように、検査結果確認用クリアファイル10の本体部20に検査結果シート40を収納した場合、聴力図42と参考図31とは、重ねて視認可能となる。
【0045】
本体部20に検査結果シート40を収納し、検査結果シート40の左下と本体部20の左下とを合わせると、聴力図42と参考図31とが重なるようになっている。すなわち、本体部20の収納空間の左下の箇所から参考図31の外枠の左下の部分までの長さは、検査結果シート40の左下の箇所から聴力図42の130(dB)と125(Hz)との交点までの長さと同一(略同一)となっている。検査結果確認用クリアファイル10の左右方向の幅は検査結果シート40の幅に応じて作成されることがより好ましい。検査結果シート40の上下方向の長さは表示する検査項目や検査結果に応じて異なる場合があるが、その場合でも検査結果シート40の幅は固定されている。そのため、検査結果確認用クリアファイル10の左右方向の幅を検査結果シート40の幅に応じて作成しておくことで、検査結果確認用クリアファイル10に検査結果シート40を挟み込む際に、位置合わせが行いやすくなる。具体的には、検査結果シート40を検査結果確認用クリアファイル10に突き当たるまで差し込むことで、検査結果シート40の上下方向の位置に注意するだけで聴力図42と参考図31とを正しく重ねて視認可能となる。
【0046】
また、聴力図42の外枠の大きさは、参考図31の外枠の大きさよりも大きくなっている。このため、聴力図42と参考図31とを合わせやすくなっており、参考図31の全ての領域に、聴力図42を表示させることができる。
【0047】
ここで、図5に示す検査結果シート40には、図4に示す82歳の女性の検査結果が表示されている。そして、右耳気導折れ線グラフG2は、80~89歳の参考値折れ線グラフG1よりも上側にある。このため、右耳に関しては、同年代の女性よりも気導純音聴力が良いことが分かる。一方、左耳気導折れ線グラフG3は、80~89歳の参考値折れ線グラフG1よりも下側にある。このため、左耳に関しては、同年代の女性よりも気導純音聴力が悪いことが分かる。
【0048】
以上説明したように、第1実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)第1実施形態によれば、聴力図42と参考図31とを重ねて視認可能とする表示部30を備えるので、聴力検査の検査結果が、参考値に対してどの程度良いのか悪いのかを一目見て把握することができ、結果として、検査結果シート40を分かりやすく確認することができる。
【0049】
(2)第1実施形態によれば、表示部30では検査結果シート40の聴力図42を透かして見ることができ、表示部30以外の部分では検査結果シート40のその他の部分を見えないようにすることができるので、利用者の視線を表示部30に集中させ、聴力図42をより一層確認しやすくすることができる。
【0050】
(3)第1実施形態によれば、参考図31には、年齢別の参考値が表示されているため、年齢に応じた参考値と検査結果とを分かりやすく比較することができる。
【0051】
(4)第1実施形態によれば、参考図31には、女性用の参考値が表示されているため、性別に応じた参考値と検査結果とを分かりやすく比較することができる。
【0052】
(5)第1実施形態によれば、線を用いたグラフ同士を比較することができるので、検査結果の全体像を分かりやすく比較することができる。
【0053】
(6)第1実施形態によれば、参考図31の参考値折れ線グラフG1の線は、半透明であるため、聴力図42の右耳気導折れ線グラフG2の線や左耳気導折れ線グラフG3の線が見えなくなることがなく、比較を行いやすい。
【0054】
(7)第1実施形態によれば、参考図31は、特定の医療関係者が監修する図であるため、参考図31の信頼性を向上させることができる。
【0055】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態と同様の内容については説明を省略する。
図6は、第2実施形態の検査結果確認用クリアファイル10-2を示す平面図である。図7は、第2実施形態の検査結果が表示された検査結果シート40-2を示す図である。図8は、第2実施形態の検査結果確認用クリアファイル10-2に検査結果シート40-2を収納した状態を示す図である。
第1実施形態と第2実施形態との異なる点は、主に、女性用が男性用に変更されている点である。
【0056】
図6に示すように、第2実施形態の検査結果確認用クリアファイル10-2は、男性用のクリアファイルであり、表シート21の上部右側には、男性用であることを示す男性用マーク27が表示されている。
【0057】
参考図31-2には、男性用の参考値が表示されている。また、参考図31-2には、男性の年齢別の参考値が表示されている。具体的には、年齢が10~29歳の参考値と、年齢が30~39歳の参考値と、年齢が40~49歳の参考値と、年齢が50~59歳の参考値と、年齢が60~69歳の参考値と、年齢が70~79歳の参考値と、年齢が80~89歳の参考値と、年齢が90歳以上の参考値とが表示されている。参考図31-2は、聴力の参考値が線を用いた男性用参考値折れ線グラフG4で表示されている。参考図31-2の男性用参考値折れ線グラフG4の線は、半透明である。男性用参考値折れ線グラフG4の各線は、年齢別の線に応じて色分けすることができる。このように、女性用の参考値と男性用の参考値とは異なっている。
【0058】
そして、聴力検査が終了すると、図7に示すように、個人情報表示部41に必要事項(ID:MNO、氏名:PQR、年齢:32、性別:男)が表示され、聴力図42に検査結果が表示(印刷)される。
【0059】
また、平均聴力レベル表示部43には、検査結果に基づく数値が表示される。各分法の平均聴力レベルの計算式は、上述した通りである。
【0060】
図7の例では、「3分法(右耳)」が「3.3dB」であり、「3分法(左耳)」が「18.3dB」であり、「4分法(右耳)」が「2.5dB」であり、「4分法(左耳)」が「17.5dB」であり、「6分法(右耳)」が「3.3dB」であり、「6分法(左耳)」が「18.3dB」である。
【0061】
図7の聴力図42には、聴力検査の結果が線を用いたグラフで表示されている。
例えば、右耳の気導の検査結果は、丸印のマークを実線で結んだ右耳気導折れ線グラフG5で表示される。左耳の気導の検査結果は、バツ印のマークを点線で結んだ左耳気導折れ線グラフG6で表示される。
【0062】
そして、図8に示すように、検査結果確認用クリアファイル10-2の本体部20に検査結果シート40-2を収納した場合、聴力図42と参考図31-2とは、重ねて視認可能となる。
【0063】
ここで、図8に示す検査結果シート40-2には、図7に示す32歳の男性の検査結果が表示されている。そして、右耳気導折れ線グラフG5は、30~39歳の参考値折れ線グラフG4よりも上側にある。このため、右耳に関しては、同年代の男性よりも気導純音聴力が良いことが分かる。一方、左耳気導折れ線グラフG6は、30~39歳の参考値折れ線グラフG4よりも下側にある。このため、左耳に関しては、同年代の男性よりも気導純音聴力が悪いことが分かる。
【0064】
このように、第2実施形態によれば、参考図31-2には、男性用の参考値が表示されているため、性別に応じた参考値と検査結果とを分かりやすく比較することができるという効果がある。
【0065】
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態と同様の内容については説明を省略する。
図9は、第3実施形態の検査結果確認用クリアファイル10-3を示す平面図である。図10は、第3実施形態の検査結果確認用クリアファイル10-3に検査結果シート40を収納した状態を示す図である。
第1実施形態と第3実施形態との異なる点は、主に、表示部30が大きくなっている点である。
【0066】
具体的には、図9に示すように、第3実施形態の検査結果確認用クリアファイル10-3では、表示部30の左側部に、上下方向に帯状に延びた追加透明部50が形成されている。
【0067】
このため、図10に示すように、検査結果確認用クリアファイル10-3の本体部20に検査結果シート40を収納した場合、聴力図42と参考図31とが、重ねて視認可能となるだけでなく、聴力図42の縦軸に表示された数値情報が追加透明部50を通して視認可能となる。
【0068】
このように、第3実施形態によれば、聴力図42の縦軸に表示された数値情報が追加透明部50を通して視認可能となるため、検査結果シート40に表示されている情報を利用しながら、聴力図42と参考図31とを比較することができる。
【0069】
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態と同様の内容については説明を省略する。
図11は、第4実施形態の検査結果確認用クリアファイル10-4を示す平面図である。図12は、第4実施形態の検査結果確認用クリアファイル10-4に検査結果シート40を収納した状態を示す図である。
第1実施形態と第4実施形態との異なる点は、主に、第1実施形態には存在していなかった窓部60が存在している点である。この窓部60は、位置決めの機能を果たしている。
【0070】
具体的には、図11に示すように、第4実施形態の検査結果確認用クリアファイル10-4の表シート21には、検査結果シート40の所定情報を視認可能とする窓部60が形成されている。窓部60は、参考図31の横軸の数値情報の「500(Hz)」と「2000(Hz)」との間に形成されている。
【0071】
検査結果シート40には、所定情報が表示されている。所定情報は、聴力図42の横軸に表示された「1000」の数値情報70(図12参照)である。
【0072】
そして、図12に示すように、検査結果確認用クリアファイル10-4の本体部20に検査結果シート40を収納する場合には、検査結果シート40の「1000」の数値情報70を窓部60から覗かせるように配置することで、しっかりと位置決めをしながら、検査結果確認用クリアファイル10-4の本体部20に検査結果シート40を収納することができる。
【0073】
このように、第4実施形態によれば、表シート21には、数値情報70を視認可能とする窓部60が形成されているため、検査結果シート40を本体部20に収納する際の位置決めが行いやすくなる。
また、第4実施形態によれば、所定情報を数値情報70としているため、聴力図42に備えられている数値情報を所定情報として兼用することができる。
【0074】
〔変形形態〕
本発明は、上述した各実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。
(1)表示部30は、透明な領域の例で説明したが、少なくとも一部が孔であってもよい。なお、表示部30を孔にする場合であっても、女性用参考値折れ線グラフG1に対応する部分は孔にはせずに残す必要がある。
(2)表シート21及び裏シート22は、全体が透明であってもよい。
【0075】
(3)参考図31には、年齢別の参考値を表示する例で説明したが、全年齢に共通した1つの参考値だけを表示するようにしてもよい。
(4)参考図31には、男性又は女性の参考値を表示する例で説明したが、男女で共通した1つの参考値だけを表示するようにして、男女兼用の検査結果確認用クリアファイルとしてもよい。
【0076】
(5)聴力図42には、聴力検査の結果が線を用いたグラフによって表示される例で説明したが、グラフではなく点(プロット)のみを表示してもよい。
(6)参考図31グラフの線は、不透明であってもよい。
【0077】
(7)識別情報26は、表示しなくてもよい。
(8)聴力図42の外枠の大きさは、参考図31の外枠の大きさと同じであってもよく、参考図31の外枠の大きさよりも小さくてもよい。
【0078】
(9)第3実施形態の追加透明部50は、表示部30の左側に形成する例で説明したが、表示部30の下側だけに形成してもよく、表示部30の左側及び表示部30の下側に形成してもよい。
【0079】
(10)第4実施形態では、窓部60を1つ形成する例で説明したが、窓部60を複数形成することも可能である。例えば、検査結果シート40の聴力図42の横軸に対応する位置に1箇所形成し、検査結果シート40の聴力図42の縦軸に対応する位置に1箇所形成することにより、位置決めの精度を向上させることができる。窓部60の形状は、四角形状に限らず、円形状やL字形状等であってもよい。窓部60は、孔であってもよく、透明な領域であってもよい。
【0080】
(11)検査結果シート40のサイズは、製造業者によって異なることがあるため、検査結果シート40のサイズに合わせて複数のサイズの検査結果確認用クリアファイルを用意することができる。
(12)所定情報は、数値情報ではなく、検査結果シートや聴力図に表示された文字情報或いは記号情報であってもよい。また、所定情報は、位置決め用の専用のマークであってもよい。このようにすれば、検査結果シートや聴力図に備えられている文字情報或いは記号情報を所定情報として兼用することができる。
(13)女性用参考値折れ線グラフG1や男性用参考値折れ線グラフG4は、線だけでなく記号を含んでいてもよい。
(14)検査結果シート40のサイズと検査結果確認用クリアファイルのサイズが合わない場合には、検査結果確認用クリアファイルを開いて1枚のシート状にし、検査結果シート40と重ね合わせて使用することができる。1枚のシート状になっている場合には、聴力検査の結果を示す聴力図は検査結果シート40に記載されたものに限らず、コンピュータのモニタ画面に表示された聴力図などにも重ね合わせて使用することができる。なお、コンピュータのモニタ画面内に聴力図と参考図とを表示してその画面内で聴力図と参考図とを重ねる機能を実現しても良い。
【符号の説明】
【0081】
10 検査結果確認用クリアファイル
10-2 検査結果確認用クリアファイル
10-3 検査結果確認用クリアファイル
10-4 検査結果確認用クリアファイル
20 本体部
21 表シート
22 裏シート
23 女性用マーク
24 第1切り欠き
25 第2切り欠き
26 識別情報
27 男性用マーク
30 表示部
31 参考図
31-2 参考図
40 検査結果シート
40-2 検査結果シート
41 個人情報表示部
42 聴力図
43 平均聴力レベル表示部
44 マスキングノイズレベル表示部
50 追加透明部
60 窓部
70 数値情報
G1 女性用参考値折れ線グラフ
G2 右耳気導折れ線グラフ
G3 左耳気導折れ線グラフ
G4 男性用参考値折れ線グラフ
G5 右耳気導折れ線グラフ
G6 左耳気導折れ線グラフ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12