(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102638
(43)【公開日】2023-07-25
(54)【発明の名称】非接触操作装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0346 20130101AFI20230718BHJP
G06F 3/038 20130101ALI20230718BHJP
G06F 3/0487 20130101ALI20230718BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20230718BHJP
【FI】
G06F3/0346 421
G06F3/038 310Y
G06F3/0487
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022003256
(22)【出願日】2022-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】396020132
【氏名又は名称】株式会社システック
(72)【発明者】
【氏名】香高 孝之
(72)【発明者】
【氏名】大城 巧
(72)【発明者】
【氏名】太田 偉喜
(72)【発明者】
【氏名】坂田 全弘
【テーマコード(参考)】
5B087
5E555
【Fターム(参考)】
5B087AA07
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5E555DC53
5E555DC54
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5E555EA22
5E555FA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】操作具に触れることなく、使用者の指示部の動きに対応して、指示部と操作具の間で所定の間隔を保つように追従し、実動作装置に対応した動作をさせる非接触操作装置を提供する。
【解決手段】非接触操作装置は、使用者の指示部の配置状態を検出する指示部検出手段120と、今検出時の1つ前の配置状態と今検出時の配置状態の差異を算出し、指示部の動きに追従して実動作装置と操作具を動かすための追従シフト量を算出する配置状態算出手段140と、追従処理を行う追従シフト処理手段150と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御手段と、前記制御手段に制御される、
実動作装置と、
使用者が指示に用いる指示部の動きにより、前記実動作装置を非接触状態で動作させるために前記指示部を検出する指示部検出手段と、
前記指示部検出手段の近傍に配置され、前記実動作装置の駆動のための前記指示部による動きを与える操作具と、
前記指示部検出手段が検出した今検出時の配置状態と前記指示部の今検出時の1つ前の検出時の配置状態との差異により追従シフト量を算出する配置状態算出手段と、
前記操作具を前記指示部に追従して前記指示部との所定の間隔を保つように動かし、前記実動作装置を前記指示部に追従して動かすための追従シフト処理手段と、
前記使用者の前記指示部が前記操作具の操作をするモードにあるかないかを前記使用者が指定する、又は/及び、前記操作具の操作をするモードにあるかないかを検出する操作モード指定・検出手段と、
を備え、
算出された前記追従シフト量に基づいて前記操作具と前記実動作装置を前記指示部の動きに追従させて動かすことを特徴とする非接触操作装置。
【請求項2】
前記操作モード指定・検出手段は、フットスイッチ、音声指示によるスイッチによる指定又は/及び、カメラで取得した使用者の前記指示部の画像による検出であることを特徴とする請求項1記載の非接触操作装置。
【請求項3】
前記実動作装置の前記追従した動作確認の結果をもって前記操作具の前記追従を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非接触操作装置。
【請求項4】
前記操作具は、前記制御手段に制御され、ディジタル表示された表示手段の画面内にある表示体であり、前記表示体を介して前記使用者が操作を行うことを可能としたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の非接触操作装置。
【請求項5】
前記表示体である前記操作具の前記指示部との所定の間隔を保った動きは、
前記画面に平行なX軸、Y軸方向に行われ、
前記画面に直角なZ軸方向には、前記指示部を前記表示手段の画面から直角方向に遠ざける場合は、対応して表示された前記操作具のサイズを拡大して、近づける場合は、対応して表示された前記操作具のサイズを縮小することをもって、疑似的にZ方向の動きをあったものとすることを特徴とする請求項4記載の非接触操作装置。
【請求項6】
前記操作具に、前記指示部による前記画面に平行な面内の動きと前記画面に直角なZ軸方向の動きとの操作のモードに替えて、
前記画面に平行なX軸又はY軸からの傾斜、又は/及び、前記画面に直角なZ軸からの傾斜を与えるためのモードにする傾斜操作モードの指定、又は/及び、前記指示部の操作が傾斜操作モードであることの検出の対応を行う傾斜操作モード手段を有することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の非接触操作装置。
【請求項7】
前記操作具は傾斜表示具を有し、前記傾斜表示具を表示画面上で、前記操作具の中心位置又は所定の位置からの差を有する位置に表示することで、前記傾斜表示具が前記画面に平行なX軸又はY軸からの傾斜と、前記画面に直角なZ軸からの傾斜とを表すことで、前記操作具の傾斜のある動きを可能としたことを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1つに記載の非接触操作装置。
【請求項8】
前記表示手段の画面内に前記操作具の画像と前記実動作装置の画像とを有したことで、前記使用者の操作の確認を容易にしたことを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか1つに記載の非接触操作装置。
【請求項9】
前記操作具は、前記制御手段に制御された機械要素によるものであり、前記機械要素により前記使用者が操作を行うことを可能としたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の非接触操作装置。
【請求項10】
前記機械要素に前記指示部検出手段を取り付け、前記指示部の動きに追従して、前記指示部検出手段が動くことで、前記指示部検出手段が前記操作具の代替をすることを特徴とする請求項9記載の非接触操作装置。
【請求項11】
前記指示部の動きと前記実動作装置の動きの量的関係を必要な倍率で決めることを可能としたことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1つに記載の非接触操作装置。
【請求項12】
前記操作モード指定・検出手段は、X、Y、Zの軸のうち、操作時のずれをなくすために任意の軸を固定する或いは、動かす軸を指定する操作軸固定手段を有することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1つに記載の非接触操作装置。
【請求項13】
前記実動作装置は、無影灯であることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1つに記載の非接触操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は可動の操作具が使用者である操作者の接触によらず、操作者の指示部の動きに対応して所定の間隔を有して追従し、その移動に対応して実動作装置を動作させる非接触操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図7は、従来の装置を示す図である。7-A、7-Bは、特許文献1、特許文献2に示されるものであり、両者ともコンピュータ等の入力支援装置で、表示面のアイコン等のマーカの選択などの所定操作の特定を行うものであり、特許文献2のものは、非接触の目的で表示面の前に所定の距離離して仮想的に存在させた所定の面(仮想タッチパネル)を想定し、利用者の部位が所定の面から離れる距離に基づいて、マーカを任意に分割した複数の形状間を大きく離間させ、距離が小さいほど、複数の形状間を小さく離間させるものである。これに対して、特許文献1のものは、ディスプレイの画面に従って非接触操作を行えるユーザーインターフェースで、ユーザの特定部位が所定の基準位置で滞留の状態にあった後、移動の状態になった場合、所定の入力操作をしたと特定するもので、アイコン等の特定・選択等の処理を行うものである。
7-Cは、特許文献3に示されたものであり、特許文献2との違いは、遠隔操作が加わっている点である。すなわち、自身の装置とは異なる離れた場所にある遠隔表示制御装置の表示画面上のマウス等のポインターの動きを遠隔かつ非接触で制御するもので、ユーザが視認可能な三次元空間に空中画像として表示させる画像結像プレートを有する筐体と、ユーザの手の動きを検出し、ジェスチャ操作を認識する3Dセンサと制御ユニットを備えるものである。
7-Dは、特許文献4に示されたものであり、ユーザーインターフェースの画像表示装置であって、ユーザの手とユーザの手を検出するセンシング部との距離に応じて、ユーザの操作を検出し、検出結果に基づき表示装置に表示される画像を制御するものである。
7-Eは、特許文献5に示されたものであり、ポインティング操作に加え、ジェスチャ操作を認識できるもので、ユーザの手が移動したことによる撮像画像中のユーザの手の形状の変化に基づき、ユーザの入力がポイント領域の選択操作かジェスチャ操作かを判定するものである。
いずれも、ユーザーインターフェースの画像表示上のアイコンなどの選択・特定処理に関するものである。
【0003】
7-Fから7-Hは、ユーザーインターフェースの画像表示に関するものではなく、装置を操作するものである。7-Hでは、よく知られた無影灯であり、照明についたハンドル棒を握って動かすことで、灯部をどの位置のどの傾きにも動かすことができる。通常手による操作は簡単であるが、接触により医療等では感染の危険があり、好ましくない欠点がある。
7-Fは、特許文献6に示されたものであり、マスターマニピュレータの操作により操作データを送信して遠隔にスレーブマニピュレータを動かす基本的な遠隔操作に関するものである。
7-Gは、特許文献7に示されたものであり、枠状のフレームの内側に物体検知用の光の格子が形成される光学センサを、その厚さ方向に複数枚積み重ねて形成した3次元センサを用いて、物体の動きを検出して非接触で遠隔操作を行うものである。装置の操作関連の一手段であるが、このようなセンサは、装置全体が複雑かつ大きくなりやすい欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-177313
【特許文献2】特開2014-219938
【特許文献3】特開2018-147054
【特許文献4】特開2013-45217
【特許文献5】特開2014-38527
【特許文献6】特開2001-346808
【特許文献7】特開2013-18074
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の課題は、実動作装置を動かす場合に、これを動かす操作具に触れることなく、使用者の指示部の動きに対応して、指示部と操作具の間で所定の間隔を保つように追従し、実動作装置に対応した動作をさせる非接触操作装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下請求項に沿い記述する。
請求項1記載の発明は、非接触操作装置であって、
制御手段と、前記制御手段に制御される、
実動作装置と、
使用者が指示に用いる指示部の動きにより、前記実動作装置を非接触状態で動作させるために前記指示部を検出する指示部検出手段と、
前記指示部検出手段の近傍に配置され、前記実動作装置の駆動のための前記指示部による動きを与える操作具と、
前記指示部検出手段が検出した今検出時の配置状態と前記指示部の今検出時の1つ前の検出時の配置状態との差異により追従シフト量を算出する配置状態算出手段と、
前記操作具を前記指示部に追従して前記指示部との所定の間隔を保つように動かし、前記実動作装置を前記指示部に追従して動かすための追従シフト処理手段と、
前記使用者の前記指示部が前記操作具の操作をするモードにあるかないかを前記使用者が指定する、又は/及び、前記操作具の操作をするモードにあるかないかを検出する操作モード指定・検出手段と、
を備え、
算出された前記追従シフト量に基づいて前記操作具と前記実動作装置を前記指示部の動きに追従させて動かすことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の非接触操作装置において、
前記操作モード指定・検出手段は、フットスイッチ、音声指示によるスイッチによる指定又は/及び、カメラで取得した使用者の前記指示部の画像による検出であることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の非接触操作装置において、
前記実動作装置の前記追従した動作確認の結果をもって前記操作具の前記追従を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の非接触操作装置において、
前記操作具は、前記制御手段に制御され、ディジタル表示された表示手段の画面内にある表示体であり、前記表示体を介して前記使用者が操作を行うことを可能としたことを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の非接触操作装置において、
前記表示体である前記操作具の前記指示部との所定の間隔を保った動きは、
前記画面に平行なX軸、Y軸方向に行われ、
前記画面に直角なZ軸方向には、前記指示部を前記表示手段の画面から直角方向に遠ざける場合は、対応して表示された前記操作具のサイズを拡大して、近づける場合は、対応して表示された前記操作具のサイズを縮小することをもって、疑似的にZ方向の動きをあったものとすることを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の非接触操作装置において、
前記操作具に、前記指示部による前記画面に平行な面内の動きと前記画面に直角なZ軸方向の動きとの操作のモードに替えて、
前記画面に平行なX軸又はY軸からの傾斜、又は/及び、前記画面に直角なZ軸からの傾斜を与えるためのモードにする傾斜操作モードの指定、又は/及び、前記指示部の操作が傾斜操作モードであることの検出の対応を行う傾斜操作モード手段を有することを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項4から請求項6のいずれか1つに記載の非接触操作装置において、前記操作具は傾斜表示具を有し、前記傾斜表示具を表示画面上で、前記操作具の中心位置又は所定の位置からの差を有する位置に表示することで、前記傾斜表示具が前記画面に平行なX軸又はY軸からの傾斜と、前記画面に直角なZ軸からの傾斜とを表すことで、前記操作具の傾斜のある動きを可能としたことを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項4から請求項7のいずれか1つに記載の非接触操作装置において、前記表示手段の画面内に前記操作具の画像と前記実動作装置の画像とを有したことで、前記使用者の操作の確認を容易にしたことを特徴とする。
【0014】
請求項9記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の非接触操作装置において、前記操作具は、前記制御手段に制御された機械要素によるものであり、前記機械要素により前記使用者が操作を行うことを可能としたことを特徴とする。
【0015】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の非接触操作装置において、
前記機械要素に前記指示部検出手段を取り付け、前記指示部の動きに追従して、前記指示部検出手段が動くことで、前記指示部検出手段が前記操作具の代替をすることを特徴とする。
【0016】
請求項11記載の発明は、請求項1から請求項10のいずれか1つに記載の非接触操作装置において、前記指示部の動きと前記実動作装置の動きの量的関係を必要な倍率で決めることを可能としたことを特徴とする。
【0017】
請求項12記載の発明は、請求項1から請求項11のいずれか1つに記載の非接触操作装置において、前記操作モード指定・検出手段は、X、Y、Zの軸のうち、操作時のずれをなくすために任意の軸を固定する或いは、動かす軸を指定する操作軸固定手段を有することを特徴とする。
【0018】
請求項13記載の発明は、請求項1から請求項12のいずれか1つに記載の非接触操作装置において、前記実動作装置は、無影灯であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
以上の様に構成されているので、本発明による非接触操作装置は、実動作装置を動かす場合に、これを動かす操作具に触れることなく、使用者の指示部の動きに対応して、指示部と操作具の間で所定の間隔を保つように追従し、実動作装置に対応した動作をさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明にかかる非接触操作装置の構成の一実施態様を示す図である。
【
図2】本発明にかかる非接触操作装置の動作フローの一実施態様を示す図である。
【
図3】本発明にかかる非接触操作装置で機械要素を介した操作の一実施態様を示す図である。
【
図4】本発明にかかる非接触操作装置で表示手段を介した操作の一実施態様を示す図である。
【
図5】本発明にかかる非接触操作装置の表示手段を介した操作の詳細を示す図である。
【
図6】本発明にかかる非接触操作装置の表示手段での操作具の傾斜を表示する一実施態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明にかかる非接触操作装置の構成の一実施態様を示す図である。
本図を説明する前に、従来の装置を再度例に説明する。例えば、
図7の7-Hに示すものでは、ハンドルを握って動かすと無影灯の接続可動部が動いて位置を変えることができる。ハンドルを通じて接続可動部に力が加わり動きができるからである。これに対して、本願の装置では、このような例えば無影灯のような装置をハンドルに触れることなく、例えばハンドルに対応する操作具に手を近づけ(非接触状態で)、操作開始をすれば、あたかも操作具を握って動かすように、手の動きに沿って、操作具が手との所定の間隔を保ち手の動きに追従して動作し、同様に実動作装置が動作するものである。
【0022】
図1において、実動作装置110と、使用者の手、指、頭部など指示部の動きにより、これを非接触状態で動作させるために指示部を検出する指示部検出手段120と、好ましくは、指示部検出手段の近傍に配置され、実動作装置の駆動のための指示部による動きを与える操作具130と、指示部検出手段120が検出した指示部の操作具130又は指示部検出手段120に対する今検出時の配置状態と今検出時の1つ前の検出時の配置状態の差異を算出し、指示部の動きに追従して実動作装置を動かすための追従シフト量を算出する配置状態算出手段140と、算出された追従シフト量に基づいて実動作装置110を追従して動かし、同時に操作具130を指示部に追従して指示部との所定の間隔を保ち動かすための追従シフト処理手段150と好ましくは表示手段160と、使用者の指示部が操作具の操作をするモードにあるかないかを使用者が指定する、又は/及び、操作具の操作をするモードにあるかないかを検出する操作モード指定・検出手段180と、これらを制御する制御手段190と、を備える。尚、実動作装置110は伝達手段170を介して動かす場合もある。
【0023】
尚、指示部検出手段120は、指示部の画像を取得するカメラ又は/及び、赤外線センサ、レーザーセンサなどの測距手段を使用できる。配置状態算出手段140は、上記の指示部検出手段120のデータから今検出時と今検出時の1つ前の検出時の配置状態の差異を算出するものである。細やかな追従をするには、例えば0.1秒など適当な時間間隔で指示部検出と配置状態算出を行い、追従シフト処理を行う。
操作モード指定・検出手段180の例として、フットスイッチ、音声指示によるスイッチなどの手を使わないスイッチを使い操作モードをON/OFFする指定や、カメラで画像取得した使用者の手や指や頭部で所定の動作(ジェスチャー)を検出した場合に操作モードのON/OFFとすることができる。
【0024】
図2は、本発明にかかる非接触操作装置の動作フローの一実施態様を示す図である。
1)操作モードON/OFFかの判定を行う。操作モードがONの状態では、
2)指示部(操作者の)検出を行う。
3)今検出時と今検出時の1つ前の検出時の操作具と指示部の配置状態(移動方向、移動距離、傾斜角差等)算出し、相対配置を一定に保つための追従シフト量を求める。
4)実動作装置駆動・操作具駆動などの追従シフト処理/表示処理を行う。
適当な時間間隔で1)に戻り繰り返す。
【0025】
図3は、本発明にかかる非接触操作装置で機械要素を介した操作の一実施態様を示す図である。3-Aでは、X、Y、Z、又は/及びθ方向(回転・傾き)に可動な実動作装置110の機械要素のうえにある操作具130を指示部で操作する場合であり、指示部を指示部検出手段120が検出して、前記の配置状態算出と追従シフト処理を機械要素を介して行うものである。3-Bでは、3軸以上の回転可動なアーム接続の機械要素により構成されている場合であり、その他は3-Aと同じである。いずれも、追従シフト処理を
図1に示した制御手段190の制御により、機械要素が有する可動要素を電気的に動かすことで行われる。
尚、カメラ等の指示部検出手段120は、操作具130の代わりになることができる。その場合には、カメラ等の指示部検出手段120が指示部を追従して動くようにするので、
指示部検出手段120自体が、可動の機械要素上に設置されていることが必要である。
【0026】
図4は、本発明にかかる非接触操作装置で表示手段を介した操作の一実施態様を示す図である。操作具130が、ディジタル表示された表示手段の画面内にある表示体であり、これを操作する。
4-Aに示すように、表示手段の画面の操作具130(操作画面内のマーカ等(〇印))を非接触で操作するので、指示部検出手段120は、指示部を検出するために、表示手段160自体又はその周辺に取り付けられている方が好ましい。操作画面内の操作具130としてのマーカに対して指示部である人体のこの例では使用者の指を例えば斜め下に動かすと、前述したように、操作具130としてのマーカに対する今検出時の1つ前の検出時(点線で示す)と今検出時(実線で示す)の指示部の配置の差異を算出して、これに基づいて、実動作装置110を動かし、マーカも指示部に追従して所定の配置状態を保つように追従シフト処理手段150がシフト動作を行う。この例では、画面の右側に実動作装置110の画像が表示されていてシフト動作を実感することもできる。4-Bでは、A点からB点への指示部の移動により、初期にはa点にあったマーカが、b点に移動し、最終的に大きな実線のマーカになっている。マーカのサイズが各点で小から大に変わっているのは、Z方向(マーカ表示から直角方向)に離れ、使用者側に近づいていることを示す。従って、この図では、X、Y、Z方向の移動があることを示している。4-Cには、表示面から直角方向に離れる(使用者に近くなる)ほど、操作具130の役目をするマーカを大きく表示することを示している。指示部を使用者側に近づけて操作具130を使用者に近づけるほど、使用者の目には操作具130が大きく見えるという観点に合わせた表示である。
【0027】
図5は、本発明にかかる非接触操作装置の表示手段を介した操作の詳細を示す図である。
使用者の指示部の今検出時の1つ前の検出時(点線表示)と今検出時(実線表示)による操作具130としてのマーカの表示状態を示す。
5-Aでは、指示部を表示面からZ方向にΔZだけ遠ざけている場合で、対応してマーカ(操作具)のサイズが拡大している。5-Bは、5-Aとは逆の場合であり、表示面に指示部が近づく場合である。5-Cでは、Z方向は変わらず(マーカサイズは不変)に、ΔXとΔYだけ画面に平行に(X方向、Y方向)移動している場合である。5-Dは、X方向、Y方向、Z方向とも変わる場合であり、5-Aと5-Cの両者がある場合である。
【0028】
図6は、本発明にかかる非接触操作装置の表示手段での操作具の傾斜を表示する一実施態様を示す図である。
6-Aには、表示画面内の操作具130を示す。この例では、画面の右側から左に向かって下側に向かって、使用者に近づきながら移動している。それに加えて、最終位置(実線も円)の位置で、画面上でこの例ではY軸(X軸でもよい)からα、Z軸からβの角度で操作具130が傾いたことを、傾斜表示具131の位置で表している。6-Bや6-Dに示すように、Z軸からの傾斜角βは、円の中心位置で傾斜無し、円周上は、例えば、90°(又は180°)。その間で角度配分する。この例では、円の中心位置を傾斜無しとして、基準にして中心位置から離れた差を持った位置により傾斜を表しているが、円の中心位置以外に他の所定の位置を基準にしてもよいことは勿論である。
尚、円でない他の形状、例えば、八角形などのような多角形での表現も可能であるが、円が一番適当である。
又、6-Cのように、円を表示しないで、中心位置(傾斜なしの基準位置)と円周に当たる位置を表す円周代替端での表示も可能である。
尚、使用者が傾斜の操作を行う場合に必要なこととして、指示部の動きにより、傾斜させなければならない。そのためには、傾斜操作モード手段200を操作モード指定・検出手段又は、指示部検出手段120、その他に設けて、以下の動作をさせる。
例えば、フットスイッチを1回踏むと操作モードとなり、指示部の動きで、表示画面に平行なX軸、Y軸面内の動きができるが、操作モード内で、踏み続けると、傾斜操作モード手段200がこれを検出して傾斜操作モードになり、指示部の動きは、X軸、Y軸面内の動きでは無く、表示画面に直角なZ軸からの傾斜の動きにすることができる。傾斜操作モードを解除したい場合は、踏み続けているフットスイッチを開放することで行える。操作モードを解除したい場合は、「チョンチョン」という感じの短い時間間隔でフットスイッチを2回連続で踏む。尚、フットスイッチを使わない例として、音声での傾斜操作モード指定や「小指等の特定の指を立てた状態、いわゆる、ジェスチャの状態では、傾斜操作モードであると規定して、指示部検出手段120の出力から、当該ジェスチャを傾斜操作モード手段200が検出して、操作により傾斜操作の対応をすることもできる。
【0029】
尚、指示部の動きと実動作装置の動きの量的関係を1対1だけでなく、所定の又は随時与える必要な倍率で決めることが可能なので好都合である。すなわち、実動作装置の動きを指示部の動きより大きく(大振りな動作向き)又は小さく(精密な動作向き)できるということである。これは、特に、表示手段を介した操作の場合は容易となる。
更に、指示部の動きに追従した実動作装置の動きは、上記の倍率の記述にあるように移動量や移動の方向などが操作具の動作と違う場合も当然含まれる。例えば、実動作が操作具より大きな移動量(上記倍率)で、反対向きに移動する場合も含むということである。
又、遠隔にある実動作装置がシフト処理を行った実施結果信号を制御装置が受け、実施確認のもとに、操作具の追従の表示を行わせることもできる。
尚、操作モードにある場合に操作を終了・中断するなどの待機モードは、操作モードをOFFすることと同じ操作になる。
尚、操作モード指定・検出手段の操作モード指定に、X、Y、Zの軸のうち、操作時のずれをなくすために任意の軸を固定する或いは、動かす軸を指定する操作軸固定手段を有すると好都合である。
【産業上の利用可能性】
【0030】
以上のように本発明にかかる非接触操作装置は、実動作装置を動かす場合に、これを動かす操作具に触れることなく、使用者の指示部の動きに対応して、指示部と操作具の間で所定の間隔を保つように追従し、実動作装置に対応した追従動作をさせることができるので、産業上利用して極めて好都合である。
【0031】
110 実動作装置
120 指示部検出手段
130 操作具
131 傾斜表示具
140 配置状態算出手段
150 追従シフト処理手段
160 表示手段
170 伝達手段
180 操作モード指定・検出手段
190 制御手段
200 傾斜操作モード手段