(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023001027
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】単一光ファイバーの色識別
(51)【国際特許分類】
G01M 11/02 20060101AFI20221222BHJP
【FI】
G01M11/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022072062
(22)【出願日】2022-04-26
(31)【優先権主張番号】63/212,415
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/230,249
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/697,217
(32)【優先日】2022-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502101180
【氏名又は名称】サブコム,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リジョイ イサック
(72)【発明者】
【氏名】マーシャ アン スパルディング
(72)【発明者】
【氏名】ブライス カリアー
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルディン パライソ
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ ジェイ. ルー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】単一光ファイバー色標識を提供する。光ファイバーケーブル中の光ファイバーの色を特定するためのシステムおよび技術を提供する。
【解決手段】分光光度計カメラは、光ファイバーの色値を取得することができる。光ファイバーアダプターは、分光光度計カメラの視界に光ファイバーケーブルの単一光ファイバーを操作可能に保持する。メモリには、プロセッサにより実行されるとき、光ファイバー色を識別することができる命令が記憶されている。色値を多くの基準色の色値と比較してもよい。各基準色の色値に対して色合わせスコア値を生成してもよい。スコア値が最も近い一対の色合わせスコアについて信頼性値を取得してもよい。信頼性値に基づいて、基準色のうちの1つが光ファイバーの色として識別されてもよい。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサにより、分光光度計カメラから光ファイバーケーブル中の光ファイバーの色値を取得することと、
前記光ファイバーの色値を、複数の基準色のうちの各基準色の色値と比較することであって、各基準色は独特な色値を有することと、
比較の結果に基づいて、前記複数の基準色のうちの各基準色の色値に対して、前記光ファイバーの色値について色合わせスコアを生成することであって、各基準色の色値は基準色ごとに異なり、且つ前記色合わせスコアがスコア値を持っていることと、
スコア値が最も近い一対の色合わせスコアの信頼性値を取得することと、
前記信頼性値に基づいて、前記複数の基準色のうちの1つを前記光ファイバーの色として識別することと、を含む
方法。
【請求項2】
前記色合わせスコアを生成することは、
第1アルゴリズムを用いて第1色合わせスコアを特定することと、
第2アルゴリズムを用いて第2色合わせスコアを特定することと、をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1色合わせスコアを特定することは、
データベースに記憶されている複数の色エントリーのうちの各色エントリーを用いて、前記光ファイバーの取得された色値の第1色合わせスコアを特定すること、を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1色合わせスコアを特定することは、
取得された色値に対して、色座標空間内の3つの座標間のユークリッド距離を測定すること、を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第2色合わせスコアを特定することは、
取得された色値を用いて反射スペクトル値を取得すること、を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記信頼性値に基づいて、前記複数の基準色のうちの1つを前記光ファイバーの色として識別することは、
どの基準色が最も大きい信頼性値を持っているかを判定することと、
前記最も大きい信頼性値を持っている基準色を、前記光ファイバーケーブルの色として示すことと、をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
基準色値に最も近い合わせスコアを持っている2つの色合わせスコアの比率を生成することと、
前記比率を前記信頼性値として指定することと、をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
分光光度計カメラと、
前記分光光度計カメラの視界に、光ファイバーケーブルの単一光ファイバーを操作可能に保持する光ファイバーアダプターと、
プロセッサと、
命令が記憶されているメモリと、を備え、
前記命令が前記プロセッサにより実行されるとき、前記プロセッサに、
前記分光光度計カメラから前記光ファイバーケーブル中の単一光ファイバーの色値を取得することと、
前記単一光ファイバーの色値を、複数の基準色のうちの各基準色の色値と比較することであって、各基準色は独特な色値を有することと、
比較の結果に基づいて、前記複数の基準色のうちの各基準色の色値に対して、前記単一光ファイバーの取得された色値について色合わせスコアを生成することであって、各基準色の色値は基準色ごとに異なり、且つ前記色合わせスコアがスコア値を持っていることと、
スコア値が最も近い一対の色合わせスコアの信頼性値を取得することと、
前記信頼性値に基づいて、前記複数の基準色のうちの1つを前記単一光ファイバーの色として識別することと、を実行させる、
システム。
【請求項9】
前記色合わせスコアを生成するとき、前記命令は、さらに、前記プロセッサに、
第1アルゴリズムを用いて第1色合わせスコアを特定することと、
第2アルゴリズムを用いて第2色合わせスコアを特定することと、を実行させる
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1色合わせスコアを特定するとき、前記命令は、さらに、前記プロセッサに、
複数の色エントリーを有するデータベースにアクセスすることであって、前記複数の色エントリーのうちの各色エントリーが対応する色値を持っていることと、
前記複数の色エントリーのうちの各色エントリーを用いて、前記単一光ファイバーの取得された色値の第1色合わせスコアを特定することと、を実行させる、
請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1色合わせスコアを特定するとき、前記命令は、さらに、前記プロセッサに、
取得された色値に対して、色座標空間内の3つの座標間のユークリッド距離を測定すること、を実行させる、
請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2色合わせスコアを特定するとき、前記命令は、さらに、前記プロセッサに、
取得された色値を用いて反射スペクトル値を取得すること、を実行させる、
請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記信頼性値に基づいて前記1つの基準色を認識するとき、前記命令は、さらに、前記プロセッサに、
どの基準色が最も大きい信頼性値を持っているかを判定することと、
前記最も大きい信頼性値を持っている基準色を前記光ファイバーケーブルの色として示すことと、を実行させる、
請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記命令は、さらに、前記プロセッサに、
基準色値に最も近い合わせスコアを持っている2つの色合わせスコアの比率を生成することと、
前記比率を前記信頼性値として指定することと、を実行させる、
請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
コンピュータにより実行されるとき、前記コンピュータに、請求項1に記載の方法における各ステップを実行させる命令を含んでいる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
グローバル通信(音声およびデータの両方)は、主に、海底光ファイバーケーブルを介して伝送されている。より高いネットワーク容量に対する要求の高まりにより、システムプロバイダは、光ファイバーの数がますます増えた海底ケーブルおよび他の技術を設計することを進めている。ケーブル内の光ファイバーの数を制限する要因の1つは、大量の他の光ファイバーから特定光ファイバーを識別する能力である。ケーブル中の光ファイバーは、ケーブルシステム内で操作可能にするように、一意に識別できる必要がある。独特な色で各光ファイバーを着色することにより、独特な識別が達成されている。近年、18パス以上の光ファイバー数を持っている海洋横断ケーブルシステムが一般的となる。ケーブルオペレーターは、各本の光ファイバーを色で視覚的に識別するように訓練されている。しかし、この人間による視覚的識別プロセスは、特に、独特な色の数が12種を超えて増加する場合、エラー(このようなエラーを修正するには非常に費用がかかる可能性がある)を引き起こす可能性がある。
【0002】
色の分別に寄与する技術の1つは、重複な色に、リングのような識別子を適用することである。しかし、このような光ファイバー上のマイクロベンド損失の増加を引き起こす可能性がある。増分が小さい光ファイバーの減衰は、システムの長さ上の配線損失を引き起こす可能性がある。リピータの追加により、コストの増加と、システム全体の効率低下をもたらす可能性が高い。
【0003】
そのため、信頼性が高く、非破壊的で、ユーザに友好的な方式で、単一ストランドの光ファイバー(特に、高光ファイバー数のケーブル)上の色を一意に識別することができる解決手段は、リング標識又は類似の解決手段による性能劣化の潜在的な問題がなく、海底ケーブルの光ファイバー数を拡大することの主な問題の1つに対処することができる。光ファイバー識別プロセスを定量化する解決手段を実現すると、人為的ミスの要因を対処することで、品質が向上し、最終的にコストメリットも得られる。
【0004】
色分光光度計は、色測定の様々な応用に広く用いられている。これらのデバイスは、可視スペクトルの各波長でサンプルの表面から反射された光の強度を測定する。発光体(光源)のデータ値および対象である反射率は、色を表す3つの値の集合として扱われている。このような測定の精度は、デバイスのレンズのアパーチャーで捉えられた反射光量の影響を受ける。そのため、サンプルの表面積は、正確な色の読み取り値を得るには、重要な役割を果たしている。
【0005】
しかし、ケーブル業界は、伝統的に、光ファイバーオペレーターの主観的な分析(人の目)に頼って光ファイバーの色を判別する。異なる色を持っている大量の光ファイバーを有するケーブルでは、従来技術を使用して12色を超える場合の分別はますます困難になってきている。
【0006】
伝統的に、海底ケーブル中の光ファイバーの数が少ない(12本又はそれ以下)。ケーブルオペレーターを、視覚的に12種の独特な色を識別するように訓練するのは比較的簡単な任務である。必要に応じて、スプライシング又は修理ステーションでのエラーを最小限に抑えるために、色版が基準として使用されている。(通常、比較的短い分岐セグメントでの)光ファイバーの数が比較的多い場合、一部の光ファイバーがリングでマーク付けられる。そのため、各光ファイバー色を識別するニーズは、1本の光ファイバー上の色を測定するメカニズムを考慮することなく、大部分が満たされている。
【0007】
光ファイバー上の色を測定するための一般的な技術は、これらの色を互いに積み重ねることにより、色分光光度計のアパーチャーをカバーするのに十分な大きさの表面積を有するアレイを形成することである。(一部の特殊用途では、最小のアパーチャーサイズは、直径約8mmである)。このような方法は、光ファイバーサプライヤにより使用される場合があるが、(ケーブル敷設や海底展開など)ほとんどの現場操作では実用的な解決手段ではない。複数本の光ファイバーをアレイに積み重ねるには、最低1メートルの余分光ファイバーが必要であり、該余分光ファイバーは、光ファイバーアレイを構築するために、より短い長さに切断され、その後、色分光光度計を使用して該光ファイバーアレイを測定する。通常、ケーブルオペレーターがこの長さの余分光ファイバーを用意している可能性が低い。また、光ファイバーアレイを構築すると、測定ごとにかなりの時間が追加され、時間に敏感な現場や工場の操作には実用的ではない。
【0008】
これまで、光ファイバー数が比較的少ないケーブルには、必要なニーズの不足(ただし、肉眼では通常、小さな数の色を識別するのに十分である)と、分光光度計の通常2mm以下の表面上の色を測定できないという限制があるため、光ファイバー色を識別する定量化可能な方法は適用されていない。
【0009】
以前の光ファイバー色測定技術は実験室環境に適している。このような条件下では、従来技術を用いて分光光度計で光ファイバーアレイを測定するように、十分な大きさの表面積を持つために、十分な光ファイバー長を使用することができる。また、外径250μmを持っている典型的な有色光ファイバーを利用して、1本の光ファイバーは、非常に小さな表面を提供している。そのため、色分光光度計を用いる標準的な測定技術では、色合わせを介して光ファイバー識別の実用的な方法を提供するには不十分である。
【0010】
高光ファイバー数ケーブル中の各个光ファイバーを正確に識別する自動化技術を持つことは有益である。以下の説明では、各光ファイバーを正確に識別するに使用されることができるシステム、デバイスおよびプロセスの例が提供されている。
【発明の概要】
【0011】
一態様では、光ファイバーの色を特定するための方法が開示されている。この方法は、プロセッサにより、分光光度計カメラから光ファイバーケーブル中の光ファイバーの色値を取得することを含んでもよい。プロセッサは、光ファイバーの色値を、複数の基準色のうちの各基準色の色値と比較してもよく、ただし、各基準色は独特な色値を有する。比較の結果に基づいて、各基準色の色値に対して、光ファイバーの色値について色合わせスコアを生成してもよい。各基準色の色値は各基準色ごとに異なり、且つ色合わせスコアがスコア値を持っている。プロセッサは、スコア値が最も近い一対の色合わせスコアの信頼性値を取得してもよい。信頼性値に基づいて、複数の基準色のうちの1つを光ファイバーの色として識別してもよい。
【0012】
別の態様では、分光光度計カメラと、光ファイバーアダプターと、プロセッサと、メモリと、を備えるシステムが開示されている。このシステムは、分光光度計カメラの視界に光ファイバーケーブルの単一光ファイバーを操作可能に保持するファイバーアダプターをさらに備える。メモリには、命令が記憶されており、前記命令は、プロセッサにより実行されるとき、システムに、プロセッサにより分光光度計カメラから光ファイバーケーブル中の光ファイバーの色値を取得することを実行させる。プロセッサは、光ファイバーの色値を複数の基準色のうちの各基準色の色値と比較し、ただし、各基準色は独特な色値を有する。比較の結果に基づいて、複数の基準色のうちの各基準色の色値に対して、光ファイバーの色値について色合わせスコアを生成してもよく、ただし、各基準色の色値は基準色ごとに異なり、且つ色合わせスコアがスコア値を持っている。スコア値が最も近い一対の色合わせスコアについて信頼性値を取得してもよい。プロセッサは、信頼性値に基づいて、複数の基準色のうちの1つを光ファイバーケーブルの光ファイバーの色として識別してもよい。
【0013】
さらに別の態様では、非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体が提供されている。このコンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、プロセッサにより実行されるとき、プロセッサに、光ファイバーケーブル中の光ファイバーからサンプル色を読み取ることを実行させる命令が含まれている。サンプル色が色値を持っている。プロセッサは、複数種類の色合わせアルゴリズムから色合わせアルゴリズムを選択し、色サンプルの色値を、選択された色合わせアルゴリズムに入力してもよい。選択された色合わせアルゴリズムは、複数の基準色に対して、入力された色値を処理する。プロセッサは、複数種類の基準色のうちの各基準色について色合わせスコアを生成してもよい。最も近い2つの色合わせスコアの比率に基づいて信頼性値を生成してもよい。複数の色合わせアルゴリズムからの別の色合わせアルゴリズムが選択に利用可能であれば、この合わせアルゴリズムに対して、その実行、選択、入力、別の色合わせスコアの生成、および別の信頼性値の生成が繰り返される。他の利用可能な色合わせアルゴリズムが存在しない場合、プロセッサは、生成された信頼性値から最大の信頼性値を特定し、特定された最大の信頼性値に対応する色を光ファイバーケーブル中の光ファイバーの色として選択し、選択された色を示す出力を生成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
特定の要素や動作の検討を簡単に識別するために、符号の(複数の)最高有効位の数は、その要素が最初に導入された図面の番号を指している。
【0015】
【
図1A】単一光ファイバーの色識別に使用されるカメラシステムの例を示している。
【0016】
【
図1B】実施例にかかる
図1Aのカメラのアパーチャーの例を示している。
【0017】
【
図1C】別の実施例にかかる
図1Aのカメラのアパーチャーの他の例を示している。
【0018】
【
図2A】
図1のカメラシステムとともに単一光ファイバーの色識別に使用可能な光ファイバーアダプターの例の上面図を示している。
【0019】
【
図2B】
図2Aの例における光ファイバーアダプターの例の底面図を示している。
【0020】
【
図2C】
図1のカメラシステムとともに単一光ファイバーの色識別に使用可能な光ファイバーアダプターの他の例の上面図を示している。
【0021】
【
図2D】
図1のカメラシステムとともに単一光ファイバーの色識別に使用可能な
図2Cの光ファイバーアダプターの他の例の平面図を示している。
【0022】
【
図2E】
図1のカメラシステムとともに単一光ファイバーの色識別に使用可能な
図2Cの光ファイバーアダプターの他の例の底面図を示している。
【0023】
【
図3】単一光ファイバーの色識別に使用されるように構成されている光ファイバーアダプターを有するカメラシステムの例を示している。
【0024】
【
図4】実施例に開示された主題のプロセスの例をフローチャートで示している。
【0025】
【
図5】実施例にかかる色合わせアルゴリズムの例を示している。
【0026】
【
図6】実施例にかかる色合わせアルゴリズムの他の例を示している。
【0027】
【
図7】基準色エントリーデータベース(L*a*b*)の例を示している。
【0028】
【
図8】実施例にかかる他のプロセスの例をフローチャートで示している。
【0029】
【
図9】
図1~
図8に参照して説明した例を実施するに使用可能な色合わせシステムの機能ブロック図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0030】
開示されたシステム、デバイス、およびプロセスは、従来の比色学技術を適用して光ファイバーの非常に小さい表面上の色を識別するための新規的技術を提供している。解決手段は、コスト効果が高く、精密なセットアップが必要なく、即時の結果を提供し、信頼性が高く、非破壊的で、約2インチ未満の光ファイバー長が必要となるように、現場応用向けに最適化されている。
【0031】
本明細書に提示される定量化方法は、光ファイバー色を識別するために人間のオペレーターに過度に依存することを排除し、エラーを大幅に低減することができる。これにより、クロススプライスを最小限に抑えることで、時間およびコストを大幅に節約し、全体的な生産品質を向上させる。
【0032】
ここで説明される実施例は、(光ファイバーアレイを構築するために、少なくとも約1メートルの犠牲光ファイバーリードおよび大量のオペレーター時間を必要とする)従来のアレイによる光ファイバー色測定とは異なり、光ファイバーのサンプル調製をほとんど必要としないという利点を有する。
【0033】
本明細書に概説される技術は、色分光光度計がどのようにして単一光ファイバー上の色を一意に識別するために使用できるかを説明している。
【0034】
ここで説明される解決手段は、工場又はケーブル搬送環境での使用に適している方法(快速的、携帯的、および使いやすい)で1本の光ファイバーの色を正確に識別するメカニズムである。
図1Aは、単一光ファイバーの色識別に使用されるカメラシステムの例を示している。測定メカニズムは、色分光光度計カメラ(例えば、コニカミノルタのセンシングカメラ(Konica Minolta Sensing camera 100)による改造型CM-700dなど)に構築された光ファイバー保持デバイスと、色合わせアルゴリズムの組み合わせとを含み、この色合わせアルゴリズムは、測定を各色の予定値のデータベースに合わせることで光ファイバー色を識別する。カメラシステム100は、カメラ102と、アパーチャー104と、ネジ106と、を備えてもよい。アパーチャー104は、カメラの視界を光ファイバーケーブルの光ファイバーのサンプリングに適しているサイズに制限するように構成されているカスタマイズのアパーチャーである。ネジ106は、アパーチャー104の周囲のカラー105をカメラ102に取り付ける。カラー105は、円形の同心皿又はその類似物であってもよい。
【0035】
一例として、分光光度計(例えば、カメラ102など)は、三次元CIE矩形色空間におけるL*(輝度)、a*(赤-緑)、およびb*(青-黄)の3つの値で表すことにより色を定量化する。もちろん、RGB、HSV、HSL、YPbPrなどの他の色空間を使用してもよい。加えて、分光光度計カメラ102は、毎回のサンプルに測定された400nmと700nm(可視光範囲)の間の波長ごとの反射光の量である分光光度曲線も記録する。L*、a*、b*の値と、規定の光ファイバーサンプル測定の分光光度曲線データの値の両方は、いずれも取得された色値データを、光ファイバーケーブルを構築する際に使用される各光ファイバー色ごとの所定の基準値を有するルックアップテーブルと合わせることで、光ファイバー色を特定するために使用されることができる。例として、光ファイバーケーブルに使用される光ファイバーの色には、レッド、ブルー、イエロー、ブラウン、グリーン、オレンジ、バイオレット、ブラック、ローズ、アクア、オリーブ、ホワイト、ライム、タン、マゼンタ、グレイ、ナチュラル、ダークグリーン、ラベンダー、パープル、スカイブルー、ピンク、ピーチ、サフランが含まれてもよい。
【0036】
図1Bは、
図1Aの分光光度計カメラとともに使用されるアパーチャーを持つキャップの上方のカラーの例を示している。アパーチャーを持つキャップ108は、色分光光度計カメラ光源(例えば、
図1AのKonica Minolta Sensingカメラ100の改造型CM-700dなど)の上方に締め付けられてもよい。カラーは、保持要素(この例では、ネジ116)を介してキャップ108に操作可能に取り付けられてもよい。アパーチャー110は、約2mmの直径を有してもよい。アパーチャー110の2 mm直径は、単一光ファイバーをサンプリングするためのカメラ110の視界を制限するように選択されている。
【0037】
図1Cは、
図1Aの分光光度計カメラとともに使用されるアパーチャーの他の例を示している。キャップ108と同様、キャップ112は、色分光光度計の光源(例えば、
図1AのKonica Minolta Sensingカメラ100の改造型CM-700dなど)の上方に締め付けられてもよい。カラーは、保持要素(この例では、ネジ116)を介してキャップ108に操作可能に取り付けられてもよい。アパーチャー112は、約1mm×約3 mmのサイズを有してもよい。アパーチャー112のサイズは、単一光ファイバーをサンプリングするためのカメラ110の視界を制限するように選択されてもよい。
【0038】
図2Aは、
図1Aのカメラシステムとともに単一光ファイバーの色識別に使用可能な光ファイバーアダプターの例の上面図を示している。アダプターシステム200は、光ファイバーアダプター202と、保持要素206とを備える。光ファイバー204は、光ファイバーアダプター202の各側における開口208を通過するように配置されている。いくつかの例では、複数の保持要素206があってもよい。示される例では、3つの保持要素206があってもよく、3つの保持要素は、光ファイバーアダプター202中または上の磁性体、くぼみ、低接着性の接着剤点等であってもよい。保持要素206は、アパーチャー(例えば、
図1Aのアパーチャー104など)の上方で一定の圧力を維持するように操作可能である。
【0039】
光ファイバーアダプター202は、円形として示され、
図1Aのアパーチャー104も円形であるが、カメラ102の視界を光ファイバー204の直径に対してサンプリングするように制限するように構成されているカスタマイズされたアパーチャーである。
【0040】
図2Bは、
図2Aの例における光ファイバーアダプターの例の底面図を示している。光ファイバーアダプター202は、キャップ210を備え、このキャップにより、光ファイバーアダプター202がアパーチャー104の上方に装着され、保持要素206および光ファイバー溝212によって適切な位置に保持されている。光ファイバー溝212は、光ファイバー204が光ファイバー溝212内に位置するように示されている。
【0041】
操作例では、被測定光ファイバー(204)は、光ファイバーアダプター(202)における開口208を螺合方式で通過する。アダプターにおける光ファイバー溝212は、円形アパーチャー(4)のすぐ上方にある。これにより、光ファイバーサンプル(1)が円形アパーチャー(4)上方に再度配置できるようにする。光ファイバーアダプター202のキャップ210の不透明な内面は、光ファイバー表面外部の領域が光ファイバー204のサンプリングに影響を与えないように効果的に遮蔽されることを確保するように操作する。光ファイバーアダプター202は、例えば
図3に示される302のように、分光光度計2mmアパーチャーに配置されている。
【0042】
図2Cは、
図1Aのカメラシステムとともに単一光ファイバーの色識別に使用可能な光ファイバーアダプターの他の例の上面図を示している。
【0043】
光ファイバーアダプター214は、光ファイバー溝216と、ガイド218とを備える。ガイド218により、作業者が単一光ファイバー(本例では非図示)を光ファイバー溝216に挿入することができる。光ファイバー溝216に、単一光ファイバーを有する光ファイバーアダプター214は、分光光度計カメラ(例えば、開示される例に示されているカメラ)に取り付けられてもよい。光ファイバーアダプター214は、他の例で示されるように、修正されたアパーチャーの分光光度計カメラの視界に単一光ファイバーを保持するように操作可能である。
【0044】
図2Dは、
図1Aのカメラシステムとともに単一光ファイバーの色識別に使用可能な
図2Cの光ファイバーアダプターの他の例の平面図を示している。光ファイバーアダプター214が示され、ただし、光ファイバー溝216が見えるとともに、ガイド218は光ファイバーアダプター214の側部における凹部として示されている。ガイド218により、光ファイバーが光ファイバー溝216内に位置決めして保持されることができる。
【0045】
図2Eは、
図1Aのカメラシステムとともに単一光ファイバーの色識別に使用可能な
図2Cの光ファイバーアダプターの他の例の底面図を示している。光ファイバーアダプター214の底面図には、光ファイバーアダプター214の上面側における光ファイバー溝216が示され、ただし、嵌合突条部220の一部は、光ファイバーアダプター214の側部下方に位置する。嵌合突条部220により、光ファイバーアダプター214が先の例に示す分光光度計カメラにしっかりと位置決めされることができる。
【0046】
もちろん、光ファイバーアダプター214の他の構成は、サンプリングされる単一光ファイバーの一貫性のある正確な識別を可能にするのに十分なサンプリングを可能にする位置に光ファイバーを保持することを目的として利用されてもよい。
【0047】
図3は、単一光ファイバーの色識別に使用されるように構成されている光ファイバーアダプターを有するカメラシステムの例を示している。均一に着色されたハウジングである光ファイバーアダプター304により、光ファイバー306が適切な位置に保持され、光ファイバー306が色分光光度計カメラ102(例えば、Konica CM-700d)の2 mmアパーチャー302上方に常に配置されている。保持要素(例えば206)は、光ファイバーアダプター304をネジ(前の例に示される)と位置合わせるために使用される。光ファイバーアダプターの黒い背景で単一光ファイバー測定を行ってもよい。本例では、次に、合わせアルゴリズムを用いて測定された値を塗りつぶした基準色測定データのルックアップテーブルと合わせる。以下、他の図面を参照しながら測定技術および合わせアルゴリズムの両方について説明する。
【0048】
図4は、実施例に開示された主題のプロセスのフローチャートを示している。プロセス400のステップは、プロセッサにより実行可能であり、このプロセッサは、1つ又は複数のアルゴリズムを用いて基準色のデータベースのうち最も近い合わせを見つけることにより光ファイバーサンプルの色を特定するように操作可能である。
図5および
図6に示されるように、
図5および
図6を参照しながらプロセス400において使用可能な2つのアルゴリズムの例について説明する。例えば、プロセッサは、プロセッサにより実行されるとき、プロセッサにプロセス400を実装させるプログラミングコードをアクセスすることができる。プログラミングコードは、メモリに記憶されている(それらの全ては、以後の例に示され説明される)。
【0049】
ステップ402において、プロセッサは、光ファイバーケーブル中の光ファイバーからサンプル色を読み取ってもよく、ただし、サンプル色が色値を持っている。色値は、L*a*b*色値であってもよく、例えば、赤について24.722、11.480、および3.862であってもよく、又は、他の色について類似する値であってもよい。
【0050】
ステップ404において、プロセッサは、単一光ファイバーに使用される色合わせを特定するために、複数種類の色合わせアルゴリズムから色合わせアルゴリズムを選択してもよい。
【0051】
ステップ406において、色合わせアルゴリズムの選択後、プロセッサは、色値を選択された色合わせアルゴリズムに入力してもよい。選択された色合わせアルゴリズムは、複数の基準色に対して入力色値を処理し、複数の基準色中の各基準色について色合わせスコアを生成する。
【0052】
ステップ408において、プロセッサは、2つの最も近い合わせた色の色合わせスコアの比率に基づいて信頼性値を生成してもよい。例えば、プロセッサは、比率が最も近い合わせスコアのうちの2つを用いて信頼性値を特定してもよい。信頼性値は、どのように色の差を測定するかを示す例である。以下、信頼性値の生成についてより詳細に説明する。
【0053】
ステップ410において、プロセッサは、複数の色合わせアルゴリズムからの他の色合わせアルゴリズムが選択に利用可能であるかどうかを特定することで、他の色合わせアルゴリズムを選択してもよい。ステップ410での特定に対する応答が「YES」である場合、プロセス400はステップ414に進んでもよい。
【0054】
ステップ414において、プロセッサは、色値を他の選択された色合わせアルゴリズムに入力して、他の選択された色合わせアルゴリズムを用いて他の色合わせスコアを生成してもよい。プロセッサは、他の選択された色合わせアルゴリズムから出力された他の色合わせスコアを用いて他の信頼性値を生成してもよい。他の利用可能な色合わせアルゴリズムが存在しない場合、各色合わせプロセスからの対応色合わせスコアに基づいて生成された各信頼性値を評価してもよい。
【0055】
ステップ410での特定に対する応答が「NO」である場合、他の色合わせアルゴリズムが利用できないので、このプロセスは、ステップ412に進んでもよい。ステップ412において、プロセッサは、特定された最高信頼性値に対応する色を光ファイバーケーブル中の光ファイバーの色として選択してもよい。プロセッサは、選択された色を示す出力を生成してもよい。
【0056】
代替的には、信頼性値の特定の代わりに、色合わせスコアは、異なる色合わせアルゴリズム間で正規化してもよい。代替の色合わせアルゴリズムは、プロセッサにより、光ファイバー色のサンプルを測定することで色基準データベース(例えばColor[ ])を作成又は取得するステップを含んでもよい。色が基準データベースに対応すると、プロセッサにより使用されることができるようになる。光ファイバーが適切な位置にあると検出されたとき、プロセッサは、ユーザの入力に応答して、又は自動的に、試験対象の光ファイバーサンプルに対して色測定を行うように操作可能であってよい。プロセッサは、第1色合わせアルゴリズム(他の図を参照)を用いて最も近い合わせ色Xおよび対応する合わせスコア_Xを特定してもよい。プロセッサは、色名Xおよび合わせスコア_Xの値(例えば、バイオレットおよび85)を返してもよい。代替例では、プロセッサは、第2色合わせアルゴリズムを用いて最も近い合わせ色を特定してもよい。第2色合わせアルゴリズムにおいて、プロセッサは、最も近い合わせ色名Yおよび対応する合わせスコア_Y(例えば、ラベンダーおよび83)を特定してもよい。色を特定するために、プロセッサは、合わせスコア_Xと合わせスコア_Yとを評価又は比較してもよい。評価又は比較の結果に基づいて、プロセッサは、色を光ファイバーの色として選択し、選択された色を示す出力を生成してもよい。例えば、(合わせスコア_X >合わせスコア_Y)の場合、選択された色= Xとなる。そうでなければ、選択された色= Yとなる。このロジックおよび上記の結果を用いて、バイオレットの合わせスコア= 85に対して、ラベンダーの合わせスコアが83となる。この場合、光ファイバーの選択された色は、バイオレットとなる。他の操作例では、アルゴリズム1は、最も近い合わせ色をピーチ(スコア:0.1)およびピンク(スコア2)として与えている。色アルゴリズム1の場合、信頼性スコア= 2/0.1=20。同じ光ファイバーに対して、アルゴリズム2は、最も近い合わせ色をピンク(スコア:0.5)およびマゼンタ(スコア:1)として与えている。信頼性スコア= 1/0.5 = 2。そのため、プロセッサは、アルゴリズム1からの最高信頼性スコアに基づいて合わせ色がピーチであることを特定することができる。
【0057】
他の色合わせアルゴリズムを使用してもよく、
図5を参照しながら他の例について説明する。
【0058】
図5は、実施例にかかる色合わせアルゴリズムの他の例を示している。プロセス500は、第1又は第2色合わせアルゴリズムとして使用される色合わせアルゴリズムの例である。プロセッサは、プロセッサにより実行されるとき、プロセッサにプロセス500を実装させるプログラミングコードにアクセスすることができる。プログラミングコードは、メモリに記憶されている(それらの全ては、以後の例に示され説明される)。プロセッサにより実行されるとき、プロセス500は、プロセッサがL*、a*、b*値および反射スペクトル空間値S[λ
0]からなる3つの座標間のユークリッド距離を測定することで、最も近い色合わせを特定できるようにし、ただし、S[λ
0]は、最大スペクトル応答を返す波長λ
0での反射率値である。もちろん、上記のような他の色空間を使用してもよい。
【0059】
N個の色エントリーのデータベース502には、色座標値(例えば、L*a*b*)と、反射スペクトル空間値S[λ1-λN]とを含んでもよい。ステップ504において、プロセッサは、Li*、ai*、bi*と、S[λi]の値を有する測定された色サンプルを受信してもよい。ステップ506において、プロセッサは、データベースにおける各色1-Nの色合わせスコアを算出してもよく、ただし、"i"はデータベースにおける各対応色[1~N]に対応する色合わせスコアである。
【0060】
プロセッサは、色合わせスコアを以下のように算出してもよい。色合わせScorei = sqrt((a*-ai
*)2+(b*-bi
*)2+(S[λ0]-Si[λ0])2)、ただし、添え字'i'=1~N、ただし、Nは、色基準データベースにおけるエントリーの合計であり、反射スペクトル空間値S[λ0]は、被測定色サンプルの所定の波長λ0での反射率値であり、且つSi[λ0]は、色エントリーデータベースからの基準色の反射スペクトル値である。
【0061】
本例では、プロセッサは、算出された色合わせScoreiに基づいて、色エントリーデータベースからの色を最も近い合わせから最も合わせないColor[1-N]までランキングしてもよく、ただし、最小の色合わせスコアは、測定された色サンプルがN個の色エントリーの色エントリーデータベース502における基準色に最も近い合わせに対応する。この例を続けると、合わせ色は色Xであってもよい(例えば、合わせ色X =Color [1])。例えば、Color [1]は、9である合わせ色スコアを有してもよい。プロセッサは、次の最小合わせ色スコア(即ち、11である色合わせスコア)を有する別の色を特定してもよい。そして、プロセッサは、使用最小合わせ色スコアおよび次の最小合わせ色スコアを用いて、アルゴリズムにより使用される最終スコアである色合わせスコアを特定してもよい。例えば、プロセッサは、N個の色エントリーの色エントリーデータベース502における色X又はColor [1]の2つの最も近い合わせ色の合わせ色スコアの比率をとることで、合わせ色スコアを特定してもよく、合わせ色スコア_X = Scorei[2]/Scorei[1]。
【0062】
該アルゴリズムは、N個の色エントリーのデータベース502における各色1-Nに対して同じ操作を実行する。プロセス500の出力(最低値を生成する合わせ色スコアの比率)は、プロセス400に使用されるために提供されてもよい。例えば、アルゴリズムの結果は、プロセス400中のステップ412のような、プロセッサによりさらに処理されるために出力されてもよい。
【0063】
図6は、実施例にかかる色合わせアルゴリズムの他の例を示している。プロセス600に従って実施された色合わせアルゴリズムは、プロセッサが2つの色の反射スペクトルを用いて2色に合わせることができるようにするために操作可能である。プロセッサは、プロセッサにより実行されるとき、プロセッサにプロセス600を実装させるプログラミングコードをアクセスすることができる。プログラミングコードは、メモリに記憶されてもよい(それらの全ては、以後の例に示され説明される)。
【0064】
振幅の変動を解決するために、例えば、光ファイバーアダプターに基づいて、比較されたスペクトルは、最初に正規化される。そして、2つの正規化スペクトル間のユークリッド距離、反射スペクトルの平均値、および反射スペクトルの振幅範囲(max~min)の3つのパラメータを用いて色比較を行う。正規化およびその後の色合わせの詳細を
図6に示す。
【0065】
本例では、S[λ]は、異なる波長での反射率値のアレイを示している。max(S[λ])は、最大の反射率値であり、min(S[λ])は、最小の反射率値である。この2つの値は、異なる波長にある(スペクトルが平坦な線でない限り、通常はそうではない)。測定色サンプルステップ602において、プロセッサは、被測定光ファイバーサンプルの測定色サンプルを受信してもよい。測定された色サンプルには、色空間L*、a*、b*値および反射スペクトル空間値S[λ0]が含んでもよく、ただし、S[λ0]は、最大スペクトル応答を返す波長λ0での反射率値である。もちろん、上記のような他の色空間を使用してもよい。反射スペクトル604は、ステップ602で測定された色サンプルから取得されてもよい。正規化ステップ606において、プロセッサは、(クラウド606/614に示されるように)以下の式により被測定光ファイバーサンプルの正規化反射率S'[λ]を特定されてもよい。S'[λ] = (S[λ]-Avg_S)/(Range_S/2)、ここで、Avg_S = average(S[λ])、且つRange_Sは、最大反射率値と最小反射率値間の差である(例えば、Range_S = max(S[λ])-min (S[λ]))。
【0066】
基準スペクトルの正規化614において、プロセッサは、色エントリーを有するデータベース610における色エントリーの正規化反射率値をさらに特定する。色エントリーを有するデータベース610には、測定色サンプルおよびそれに合わせた基準色が含んでもよい。例えば、色エントリーを有するデータベース610における各色'j'に対して、プロセッサは、色合わせアルゴリズムを実装するためのコードを実行することにより、正規化反射率S'j[λ]、平均反射率(Avg_Sj)、および反射率範囲(Range_Sj)を算出する。この特定は、反射スペクトル正規化ステップ606の特定と同様である。
【0067】
測定された色サンプルの正規化ステップ606および基準スペクトルの正規化614の結果に対して、プロセッサは、データベースにおける各色'j'の色合わせスコアを以下のように算出してもよい。Scorej = ΔSj
* (1 + ΔAvg + ΔRange)、ただし、ΔSj = Σ(S'[λ] - S'j[λ])2、ΔAvg = abs (Avg_S - Avg_Sj)、およびΔRange = abs (Range_S - Range_Sj)。
【0068】
色合わせの取得に応答して、プロセッサは、算出されたScorejに基づいて色を最も近い合わせから最も合わせない(例えばColor [j])までランキングしてもよい。最小のスコアは、最も近い合わせに対応する。例えば、最小のスコアは、色Yに使用されてもよい(例えば、合わせ色Y =Color [3])。本例では、Color [3]は、例えば8である合わせ色スコアを有してもよい。プロセッサは、次の最小合わせ色スコア(即ち、10である色合わせスコア)を有する別の色を特定してもよい。そして、プロセッサは、最小合わせ色スコアおよび次の最小合わせ色スコアを用いて、アルゴリズムにより使用される最終スコアである色合わせスコアを特定してもよい。例えば、プロセッサは、N個の色エントリーのデータベース502における色Y又はColor [3]の2つの最も近い合わせ色の合わせ色スコアの比率をとることで、合わせ色スコアを特定してもよく、合わせスコア_Y =Scorej[4]/Score j[3]。
【0069】
該アルゴリズムは、N個の色エントリーのデータベース610における各色1-Nに対して同じ操作を実行する。プロセス600の出力(最低値を生成する合わせ色スコアの比率)は、プロセス400に使用されるために提供されてもよい。例えば、アルゴリズムの結果は、プロセス400中のステップ412のような、プロセッサによりさらに処理されるために出力されてもよい。
【0070】
図7は、基準色エントリーデータベース(L*a*b*)の例を示している。基準光ファイバー色のサンプルデータベースは、光ファイバーケーブルに使用可能な光ファイバーの色のデーブルを有してもよい。色のうちの全部又は一部を有する光ファイバーは、光ファイバーケーブルに存在してもよい。例えば、一部の光ファイバーケーブルは、6本の光ファイバーを有してもよく、その他の光ファイバーケーブルは、12又は24本の光ファイバーを有してもよい。例として、光ファイバーケーブルに使用される光ファイバーの色には、レッド、ブルー、イエロー、ブラウン、グリーン、オレンジ、バイオレット、ブラック、ローズ、アクア、オリーブ、ホワイト、ライム、タン、マゼンタ、グレイ、ナチュラル、ダークグリーン、ラベンダー、パープル、スカイブルー、ピンク、ピーチ、サフランが含んでもよい。色名に隣接する列におけるL*a*b*値は基準値であり、測定されたサンプル色値が、色合わせおよび評価のために、これらの基準値と比較されている。
【0071】
図8は、実施例にかかる別のプロセスの例をフローチャートで示している。ブロック802では、プロセス800を実行するプロセッサは、光ファイバーケーブルの色値を取得する。
【0072】
ブロック804では、プロセッサは、光ファイバーケーブルの色値を複数の基準色のうちの各基準色の色値と比較し、ただし、各基準色は独特な色値を有するように操作可能である。
【0073】
ブロック806では、プロセッサは、比較の結果に基づいて、複数の基準色のうちの各基準色の色値に対して、光ファイバーケーブルの色値の色合わせスコアを生成し、ただし、各基準色の色値は基準色ごとに異なり、且つ色合わせスコアがスコア値を持っている。例えば、色合わせスコアを生成することは、第1アルゴリズムを用いて第1色合わせスコアを特定することと、第2アルゴリズムを用いて第2合わせスコアを特定することと、をさらに含む。本例では、第1色合わせスコアを特定するとき、プロセスは、複数の色エントリーを有するデータベースにアクセスしてもよく、ただし、複数の色エントリーのうちの各色エントリーが色値を持っている。複数の色エントリーのうちの各色エントリーに対して、光ファイバーの取得された色値の第1色合わせスコアを特定してもよい。また、第1色合わせスコアを特定することは、取得された色値について、色座標空間における3つの座標間のユークリッド距離を測定すること、又は取得された色値を用いて反射スペクトル値を取得すること、を含んでもよい。
【0074】
ブロック808では、プロセッサは、スコア値最も近い一対の色合わせスコアの信頼性値を取得する。ブロック808のプロセスは、基準プロセス400および500に説明される信頼性値を取得するためのプロセスと同様であってもよい。
【0075】
ブロック810では、プロセッサは、信頼性値に基づいて複数の基準色の基準色のうちの1つを光ファイバーケーブルの色として識別してもよい。例えば、信頼性値に基づいて基準色のうちの1つを識別することは、どの基準色が最大信頼性値を持っているかを特定し、最大信頼性値を持っている基準色を光ファイバーケーブルの色として示すことを含んでもよい。別の例では、識別することは、基準色値に最も近い合わせスコアを持っている2つの色合わせスコアの比率を生成し、該比率を信頼性値として指定することを含んでもよい。他の技術特徴は、以下の図面、説明および請求項から当業者には明らかである。
【0076】
図9は、
図1A~
図8に参照して説明した例を実施するに使用可能な色合わせシステムの機能ブロック図を示している。色合わせシステム900は、分光光度計カメラ902と、プロセッサ904と、入出力デバイス906と、メモリ908と、を備える。メモリ908には、少なくとも色エントリーデータベース910と、プログラミングコード912とが含まれている。
【0077】
分光光度計カメラ902は、
図1Aのカメラ102および
図3のキャップ付きカメラシステム300のような、光ファイバーケーブルの光ファイバーから色データを抽出するように操作可能なカメラシステム100であってもよい。前の例に説明されるように、分光光度計カメラ902は、前の例に説明された、単一光ファイバーのサンプリングを実現するように操作可能な光ファイバーアダプターを備えてもよい。
【0078】
本例では、プロセッサ904は、
図1A~
図8の例に参照して説明される光ファイバーの色識別プロセスを提供するために、プログラミングコード912を実行するように操作可能である。例えば、メモリ908には、プロセッサ904により実行されるとき、プロセス400、500、600および800を実装するプログラミングコード912が記憶されてもよい。また、メモリ908は、N個の色エントリー(例えば
図7の例に示される色)のデータベースである色エントリーデータベース910が記憶されてもよい。色エントリーデータベース910における各色エントリーは、L*a*b*色空間値および反射スペクトル空間値のような、各色エントリーの色空間値を含んでもよい。また、N個の色エントリーのそれぞれは、光ファイバーケーブルの1つ又は複数の構成に使用される光ファイバーの色に対応する。光ファイバーケーブルは、例えば6、12又は24本の光ファイバーを有してもよい。プログラミングコード912は、初期の例(例えば
図5および
図6の例など)に参照して説明される複数種類の色合わせアルゴリズムをさらに含んでもよい。
【0079】
入出力デバイス906は、モバイルデバイス、タブレット・演算デバイス、ラップトップ・コンピュータ、専用演算デバイスなどのタッチパネル・ディスプレイであってもよい。代替的に、入出力デバイス906は、キーボード、タッチパネル、マウスなどに結合されている表示デバイスであってもよい。プロセッサは、入出力デバイス906を介して、色エントリーデータベース910又は色合わせアルゴリズムにおける構成およびパラメータの変化を受信するように操作可能である。
【0080】
以上、
図1A~
図5に参照して説明されるデバイス、装置又はシステムにおける様々な要素は、様々なハードウェア要素、ソフトウェア要素、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。ハードウェア要素の例には、構造部件、論理デバイス、コンポーネント、プロセッサ、マイクロプロセッサ、回路、プロセッサ、回路要素(例えば、トランジスタ、抵抗器、コンデンサ、インダクタなど)、集積回路、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit,ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(programmable logic device,PLD)、デジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor,DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array,FPGA)、記憶手段、論理ゲート、レジスタ、半導体デバイス、チップ、マイクロチップ、チップセットなど、が含んでもよい。ソフトウェア元件の例には、ソフトウェアコンポーネント、プログラム、アプリ、コンピュータプログラム、アプリケーション、システムプログラム、ソフトウェア開発プログラム、機器プログラム、オペレーティングシステムソフトウェア、ミドルウェア、ファームウェア、ソフトウェアモジュール、ルーチン、サブルーチン、関数、方法、プロセス、ソフトウェアインタフェース、アプリケーションインタフェース(application program interface,API)、命令セット、演算コード、コンピュータコード、コードセグメント、コンピュータコードセグメント、ワード、値、符号、又はそれらの任意の組み合わせが含んでもよい。
【0081】
本明細書では、ケーブルおよびケーブルジョイントの改良された検出のための新規且つユニークな技術が開示されている。本開示の範囲は、本明細書に説明された具体例により限定されるものではない。実際、本明細書に記載されるものに加えて、本開示の他の様々な例および改良は、前述の説明および図面から当業者には明らかである。
【0082】
したがって、このような他の例および改良は、本開示の範囲内に入ることが意図されたる。さらに、本開示は、特定環境における特定の目的で特定の実施形態の文脈で本明細書に記載されたが、当業者は、その有用性はこれに限定されず、本開示は任意の数の目的のために任意の数の環境において有益に実施可能であることを認識するであろう。そのため、特許請求の範囲は、本明細書に記載される本開示の全ての広さおよび精神を考慮して解釈されるべきである。
【外国語明細書】