(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102702
(43)【公開日】2023-07-25
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/16 20060101AFI20230718BHJP
G10L 15/32 20130101ALI20230718BHJP
G10L 15/10 20060101ALI20230718BHJP
G10L 15/00 20130101ALI20230718BHJP
【FI】
G06F3/16 650
G06F3/16 690
G10L15/32 220Z
G10L15/10 200W
G10L15/00 200T
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022003371
(22)【出願日】2022-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(72)【発明者】
【氏名】新井 裕達
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数のエージェント機能部が存在する場合における音声依頼の煩雑さを解消させる情報処理装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】利用者からの音声による依頼に応答する情報を提示する情報処理装置100において、応答取得部は、依頼を受付けた複数のエージェント機能部の各々が依頼に対する複数の応答情報を取得する。依頼先検出部は、依頼先とするエージェント機能部を指定する指定情報を音声から検出する。判定部は、複数のエージェント機能部のうち、指定情報により依頼先とされたエージェント機能部の応答情報及び指定情報により依頼先とされなかった非依頼先エージェント機能部の応答情報の各々が依頼に対応可能か否かを判定する。提示制御部は、依頼先エージェント機能部の応答情報に基づく第1応答を利用者に提示させ、判定結果に応じて、非依頼先エージェント機能部の応答情報に基づく第2応答を、第1応答に加えて提示させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者からの音声による依頼に応答する情報を提示する情報処理装置であって、
前記依頼を受付けた複数のエージェント機能部の各々が前記依頼に対する応答として出力する、複数の応答情報を取得する応答取得部と、
前記利用者が前記依頼の依頼先とするエージェント機能部を指定する指定情報を前記音声から検出する依頼先検出部と、
前記複数のエージェント機能部のうち、前記指定情報により依頼先とされた依頼先エージェント機能部の前記応答情報、および、前記指定情報により依頼先とされなかった非依頼先エージェント機能部の前記応答情報の各々が前記依頼に対応可能か否かを判定する判定部と、
前記依頼先エージェント機能部の前記応答情報に基づく第1応答を前記利用者に提示させる提示制御部と、
を備え、
前記提示制御部は、前記判定部による判定結果に応じて、前記非依頼先エージェント機能部の前記応答情報に基づく第2応答を、前記第1応答に加えて前記利用者に提示させる
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
複数の前記情報処理装置が通信可能に接続された場合には、
前記依頼先検出部は、前記複数のエージェント機能部として、自装置に紐付けられるエージェント機能部、および、他の情報処理装置に紐付けられるエージェント機能部のうち、いずれか1つのエージェント機能部を、依頼先のエージェント機能部として指定する前記指定情報が前記音声に含まれているか否かを検出し、前記指定情報を検出した場合には、自装置に紐付けられるエージェント機能部に対して前記依頼に対する応答処理を実行させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記他の情報処理装置に紐付けられるエージェント機能部を識別する識別情報の登録を受け付ける受付部をさらに有し、
前記依頼先検出部は、前記識別情報に基づいて、前記他の情報処理装置に紐付けられるエージェント機能部を認識する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記応答取得部は、自装置に紐付けられるエージェント機能部、および、前記他の情報処理装置に紐付けられるエージェント機能部のうち、前記依頼先エージェント機能部の前記応答情報と、前記非依頼先エージェント機能部の前記応答情報とを取得する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記提示制御部は、前記複数のエージェント機能部のうち、前記依頼先エージェント機能部のみ前記依頼に対応可能であると判定された場合には、前記第2応答を前記利用者に提示させない
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記提示制御部は、前記依頼先エージェント機能部が前記依頼に対応可能、かつ、前記非依頼先エージェント機能部も前記依頼に対応可能であると判定された場合には、前記第2応答を前記第1応答に加えて前記利用者に提示させる
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記提示制御部は、前記依頼先エージェント機能部と、前記非依頼先エージェント機能部との間で所定の条件が満たされるか否かに応じて、前記第2応答を前記第1応答に加えて前記利用者に提示させる
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記提示制御部は、前記第1応答よりも前記第2応答の方が、含まれる情報量が多いと判定された場合には、前記第2応答を前記第1応答に加えて前記利用者に提示させる
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記提示制御部は、前記依頼先エージェント機能部と、前記非依頼先エージェント機能部との間で比較された利用頻度に応じて、前記第2応答を前記第1応答に加えて前記利用者に提示させる
ことを特徴とする請求項7または8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記提示制御部は、これまでに行われた依頼において、前記指定情報により依頼先とされた回数に基づき、前記依頼先エージェント機能部よりも、前記非依頼先エージェント機能部の方が、利用頻度が高いと判定された場合には、前記第2応答を前記第1応答に加えて前記利用者に提示させる
ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記提示制御部は、今回の依頼の内容と類似する内容の依頼であって、これまでに行われた依頼において、前記指定情報により依頼先とされた回数に基づき、前記依頼先エージェント機能部よりも、前記非依頼先エージェント機能部の方が、利用頻度が高いと判定された場合には、前記第2応答を前記第1応答に加えて前記利用者に提示させる
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記判定部は、1の利用者によってこれまでに行われた依頼において、前記指定情報により依頼先とされた回数に基づき、前記依頼先エージェント機能部よりも、前記非依頼先エージェント機能部の方が、利用頻度が高いか否かを判定する
ことを特徴とする請求項10または11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記判定部は、複数の異なる利用者によってこれまでに行われた依頼において、前記指定情報により依頼先とされた回数に基づき、前記依頼先エージェント機能部よりも、前記非依頼先エージェント機能部の方が、利用頻度が高いか否かを判定する
ことを特徴とする請求項10~12のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記提示制御部は、前記非依頼先エージェント機能部が前記依頼に対応可能であると判定された場合には、前記依頼先エージェント機能部の状況を説明する前置きのメッセージ情報に続けて、前記第2応答を前記第1応答に加えて前記利用者に提示させる
ことを特徴とする請求項6~13のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記提示制御部は、前記依頼先エージェント機能部が前記依頼に対応不可能である一方、前記非依頼先エージェント機能部が前記依頼に対応可能であると判定された場合には、前記第2応答を前記利用者に提示させる
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記提示制御部は、前記依頼先エージェント機能部、および、前記非依頼先エージェント機能部の双方が前記依頼に対応不可能であると判定された場合には、対応可能なエージェント機能部が存在しないことを示すメッセージ情報であって、前記依頼先エージェント機能部を主体とする内容のメッセージ情報を前記利用者に提示させる
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項17】
利用者からの音声による依頼に応答する情報を提示する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記依頼を受付けた複数のエージェント機能部の各々が前記依頼に対する応答として出力する、複数の応答情報を取得する応答取得工程と、
前記利用者が前記依頼の依頼先とするエージェント機能部を指定する指定情報を前記音声から検出する依頼先検出工程と、
前記複数のエージェント機能部のうち、前記指定情報により依頼先とされた依頼先エージェント機能部の前記応答情報、および、前記指定情報により依頼先とされなかった非依頼先エージェント機能部の前記応答情報の各々が前記依頼に対応可能か否かを判定する判定工程と、
前記依頼先エージェント機能部の前記応答情報に基づく第1応答を前記利用者に提示させる提示制御工程と、
を含み、
前記提示制御工程は、前記判定工程による判定結果に応じて、前記非依頼先エージェント機能部の前記応答情報に基づく第2応答を、前記第1応答に加えて前記利用者に提示させる
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項18】
利用者からの音声による依頼に応答する情報を提示する情報処理装置によって実行される情報処理プログラムであって、
前記依頼を受付けた複数のエージェント機能部の各々が前記依頼に対する応答として出力する、複数の応答情報を取得する応答取得手順と、
前記利用者が前記依頼の依頼先とするエージェント機能部を指定する指定情報を前記音声から検出する依頼先検出手順と、
前記複数のエージェント機能部のうち、前記指定情報により依頼先とされた依頼先エージェント機能部の前記応答情報、および、前記指定情報により依頼先とされなかった非依頼先エージェント機能部の前記応答情報の各々が前記依頼に対応可能か否かを判定する判定手順と、
前記依頼先エージェント機能部の前記応答情報に基づく第1応答を前記利用者に提示させる提示制御手順と、
を前記情報処理装置に実行させ、
前記提示制御手順は、前記判定手順による判定結果に応じて、前記非依頼先エージェント機能部の前記応答情報に基づく第2応答を、前記第1応答に加えて前記利用者に提示させる
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者と対話を行うことで、利用者に適した情報を提供するエージェント機能に関する技術が提案されている。
【0003】
例えば、複数のエージェント機能部のうち、一方のエージェント機能部が搭乗者の要求に対応できず、他方のエージェントがこの要求に対応できる場合には、他方のエージェント機能部を搭乗者に推奨する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記の従来技術では、利用者は、複数のエージェント機能部それぞれに対して音声による依頼を行う必要があるため、同じ内容の依頼を何度も発話しなければならない場合がある。このようなことから、上記の従来技術には、音声による依頼を行う際の煩雑さの点で改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、例えば、複数のエージェント機能部が存在する場合における音声依頼の煩雑さを解消させることができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の情報処理装置は、利用者からの音声による依頼に応答する情報を提示する情報処理装置であって、前記依頼を受付けた複数のエージェント機能部の各々が前記依頼に対する応答として出力する、複数の応答情報を取得する応答取得部と、前記利用者が前記依頼の依頼先とするエージェント機能部を指定する指定情報を前記音声から検出する依頼先検出部と、前記複数のエージェント機能部のうち、前記指定情報により依頼先とされた依頼先エージェント機能部の前記応答情報、および、前記指定情報により依頼先とされなかった非依頼先エージェント機能部の前記応答情報の各々が前記依頼に対応可能か否かを判定する判定部と、前記依頼先エージェント機能部の前記応答情報に基づく第1応答を前記利用者に提示させる提示制御部と、を備え、前記提示制御部は、前記判定部による判定結果に応じて、前記非依頼先エージェント機能部の前記応答情報に基づく第2応答を、前記第1応答に加えて前記利用者に提示させることを特徴とする。
【0008】
請求項17に記載の情報処理方法は、利用者からの音声による依頼に応答する情報を提示する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、前記依頼を受付けた複数のエージェント機能部の各々が前記依頼に対する応答として出力する、複数の応答情報を取得する応答取得工程と、前記利用者が前記依頼の依頼先とするエージェント機能部を指定する指定情報を前記音声から検出する依頼先検出工程と、前記複数のエージェント機能部のうち、前記指定情報により依頼先とされた依頼先エージェント機能部の前記応答情報、および、前記指定情報により依頼先とされなかった非依頼先エージェント機能部の前記応答情報の各々が前記依頼に対応可能か否かを判定する判定工程と、前記依頼先エージェント機能部の前記応答情報に基づく第1応答を前記利用者に提示させる提示制御工程と、を含み、前記提示制御工程は、前記判定工程による判定結果に応じて、前記非依頼先エージェント機能部の前記応答情報に基づく第2応答を、前記第1応答に加えて前記利用者に提示させることを特徴とする。
【0009】
請求項18に記載の情報処理プログラムは、利用者からの音声による依頼に応答する情報を提示する情報処理装置によって実行される情報処理プログラムであって、前記依頼を受付けた複数のエージェント機能部の各々が前記依頼に対する応答として出力する、複数の応答情報を取得する応答取得手順と、前記利用者が前記依頼の依頼先とするエージェント機能部を指定する指定情報を前記音声から検出する依頼先検出手順と、前記複数のエージェント機能部のうち、前記指定情報により依頼先とされた依頼先エージェント機能部の前記応答情報、および、前記指定情報により依頼先とされなかった非依頼先エージェント機能部の前記応答情報の各々が前記依頼に対応可能か否かを判定する判定手順と、前記依頼先エージェント機能部の前記応答情報に基づく第1応答を前記利用者に提示させる提示制御手順と、を前記情報処理装置に実行させるための情報処理プログラムであり、前記提示制御手順は、前記判定手順による判定結果に応じて、前記非依頼先エージェント機能部の前記応答情報に基づく第2応答を、前記第1応答に加えて前記利用者に提示させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図(1)である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図(2)である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る情報処理手順を示すフローチャート(1)である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る情報処理手順を示すフローチャート(2)である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る判定処理の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、第2の実施形態に係る情報処理手順を示すフローチャート(1)である。
【
図8】
図8は、第2の実施形態に係る情報処理手順を示すフローチャート(2)である。
【
図9】
図9は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施形態]
以下に、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)の一例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0012】
<実施形態の概要>
以下では、実施形態を第1の実施形態と第2の実施形態とに分けて説明する。
【0013】
第1の実施形態は、エージェント機能部が指定された状態の音声依頼が入力された場合に、指定されたエージェント機能部が音声依頼に対して対応不可能であっても、音声依頼を再度入力させることなく、他のエージェント機能部による回答を動的に提示するものである。
【0014】
第2の実施形態は、例えば、音声依頼で指定されたエージェント機能部による回答に対して満足できず、利用者が他のエージェント機能部を指定した場合には、音声依頼を再度入力させることなく、他のエージェント機能部による回答を提示するものである。
【0015】
<システム構成>
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理システムの構成を説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。
図1には、実施形態に係る情報処理システムの一例として、情報処理システム1が示される。
【0016】
図1に示すように、情報処理システム1は、情報処理装置100と、エージェント装置300とを備えてよい。また、情報処理装置100と、エージェント装置300とは、ネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。また、
図1に示す情報処理システム1には、任意の数の情報処理装置100と、任意の数のエージェント装置300とが含まれてもよい。
【0017】
情報処理装置100は、利用者からの音声による依頼に応答する情報を提示する情報処理装置の一例である。具体的には、情報処理装置100は、後述する第1の実施形態に係る情報処理装置、および、第2の実施形態に係る情報処理装置の一例である。
【0018】
図1に示すように、情報処理装置100は、車両VExに搭載されてよい。すなわち、情報処理装置100は、車載装置であってよい。
【0019】
具体的には、情報処理装置100は、車両VExに内蔵あるいは積載される専用のナビゲーション装置であってよい。
【0020】
なお、情報処理装置100は、ナビゲーション装置と、録画装置とで構成されてもよい。この一例として、情報処理装置100は、互いに独立したナビゲーション装置および録画装置が通信可能に接続された複合的な装置であってよい。他の例として、情報処理装置100は、ナビゲーション機能と、録画機能とを有する1つの装置であってもよい。
【0021】
また、情報処理装置100は、各種のセンサを備えていてよい。例えば、情報処理装置100は、カメラ、加速度センサ、ジャイロセンサ、GPSセンサ、気圧センサ等の各種センサを備えていてよい。この結果、情報処理装置100は、各種センサによって取得されたセンサ情報に基づいて、利用者の運転を支援するための対話や情報提供を行うことができる。
【0022】
また、利用者は、日常的に使用している携帯型端末装置(例えば、スマートフォン、タブレット型端末、ノート型PC、デスクトップPC、PDA等)に所定のアプリケーションを導入することで、この携帯型端末装置を情報処理装置100と同様に動作させることができる。すなわち、利用者は、自身の携帯型端末装置を車載装置として代用することができる。このようなことから、利用者の所持する携帯型端末装置も実施形態に係る情報処理装置として解することができる。
【0023】
エージェント装置300は、利用者からの音声による依頼に応答するための応答処理を実際に行うサーバ装置である。例えば、エージェント装置300は、後述するエージェント機能部による制御に応じて、応答処理を実行する。また、エージェント装置300と、エージェント機能部とは、サービスごとに対になっていてよく、エージェント機能部の数だけ存在していてよい。
【0024】
例えば、エージェント装置300は、応答処理を行った結果、依頼に対する適切な回答を取得することができなかった場合には、対応不可能であることを示す応答情報をエージェント機能部に返す。一方、エージェント装置300は、応答処理を行った結果、依頼に対する適切な回答を取得することができた場合には、依頼に対する回答を含む応答情報をエージェント機能部に返す。
【0025】
<第1の実施形態>
〔1.機能構成〕
ここからは、第1の実施形態に係る情報処理について説明する。まず、
図2を用いて、第1の実施形態に係る情報処理装置100Aについて説明する。
図2は、第1の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図(1)である。
【0026】
情報処理装置100Aは、第1の実施形態に係る情報処理装置の一例であり、車両VExに備えられる車載装置であるものとする。情報処理装置100Aは、利用者の音声を認識すると、認識結果に基づく応答を含むサービスを提供するエージェント機能を有する。この結果、利用者は、エージェント機能との対話によって各種の運転支援やお役立ち情報の提供を受けることができるようになる。
【0027】
図2に示すように、情報処理装置100Aは、マイク11と、スピーカー12と、アプリ群30Aと、記憶部120と、制御部130Aとを有する。
【0028】
(マイク11について)
マイク11は、車両VEx内で発生した音を集音する。例えば、マイク11は、車両VExの搭乗者が発話したことによる発話音声を集音する。
【0029】
(スピーカー12)
スピーカー12は、音声を出力する出力部に相当する。例えば、スピーカー12は、制御部130Aによる提示制御(出力制御)に応じて、マイク11を介して入力された発話に対応する応答の音声を出力させる。
【0030】
(アプリ群30A)
アプリ群30Aは、運転支援やお役立ち情報に関するサービスを提供するアプリケーション群である。アプリ群30Aに含まれるアプリケーション(以下、「アプリ」と略す)は、それぞれ異なる種別のサービスを提供するものであってもよいし、同一種別のサービスを提供するが性能が異なるといった場合もある。また、アプリ群30Aに含まれる各アプリは、サービスを提供する仲介役のエージェント機能部を有する。また、各アプリ(エージェント機能部)には、当該アプリに対応するサービスを実現するための処理を行うエージェント装置300が紐付けられている。この点について、
図2の例を用いてより具体的に説明する。
【0031】
図2の例によれば、アプリ群30Aには、アプリ30A-1と、アプリ30A-2等が含まれる例が示される。説明の便机上、
図2には、アプリ30A-1、および、アプリ30A-2のみ図示されている。
【0032】
図2の例によれば、アプリ30A-1は、音声エージェント機能として、エージェント機能部301Aを有し、エージェント機能部301Aには、エージェント装置300A-1(エージェント装置300の一例)が紐付けられている。
【0033】
ここで、例えば、アプリ30A-1は、利用者と日常会話を実現する汎用的なアプリケーションであるとすると、エージェント機能部301Aは、利用者からの音声に対する応答処理をエージェント装置300A-1に実行させる。また、エージェント機能部301Aは、応答処理の結果を示す応答情報(対話情報)を利用者に提供させることで、利用者との対話を実現する。
【0034】
また、
図2の例によれば、アプリ30A-2は、音声エージェント機能として、エージェント機能部302Aを有し、エージェント機能部302Aには、エージェント装置300A-2(エージェント装置300の一例)が紐付けられている。
【0035】
例えば、アプリ30A-2は、観光案内を提供するアプリケーションであるとすると、エージェント機能部302Aは、センサ情報に基づく応答処理をエージェント装置300A-2に実行させる。また、エージェント機能部301Aは、応答処理の結果を示す応答情報(観光地情報)を利用者に提供させることで、利用者への観光案内を実現する。
【0036】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、例えば、実施形態に係る情報処理に関するデータやプログラムが記憶されてよい。
【0037】
(制御部130A)
制御部130Aは、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100A内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、実施形態に係る情報処理プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130Aは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0038】
図2に示すように、制御部130Aは、依頼先検出部131Aと、応答取得部132と、判定部133と、提示制御部134と、音声生成部135とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130Aの内部構成は、
図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130Aが有する各処理部の接続関係は、
図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0039】
(依頼先検出部131A)
依頼先検出部131Aは、利用者から音声による依頼(以下、「第1の依頼」と表記する場合がある)を受け付けた場合に、エージェント機能部301Aおよび302Aのうち、第1の依頼の依頼先とするエージェント機能部を指定する第1の指定情報を音声から検出する。
【0040】
図2の例では、第1の指定情報は、エージェント機能部301Aおよび302Aそれぞれに対して予め定められている所定のワードであってよい。
【0041】
例えば、エージェント機能部301Aに定められている第1の指定情報は、エージェント機能部301Aの名称を示すウエイクワードであってよい。
図2には、エージェント機能部301Aの名称が「NA1」である例が示されている。よって、エージェント機能部301Aに対応する第1の指定情報は、第1のウエイクワード「NA1」であってよい。
【0042】
同様に、エージェント機能部302Aに定められている第1の指定情報は、エージェント機能部302Aの名称を示すウエイクワードであってよい。
図2には、エージェント機能部302Aの名称が「NA2」である例が示されている。よって、エージェント機能部302Aに対応する第1の指定情報は、第1のウエイクワード「NA2」であってよい。
【0043】
依頼先検出部131Aは、発話による音声を認識すると、認識した音声をテキストに変換する。そして、依頼先検出部131Aは、変換によって得られたテキストに基づく意図解析により、この音声が依頼の音声であるか否かを判定する。例えば、依頼先検出部131Aは、所定のコマンドを示すキーワード(例えば、「~は?」、「調べて」、「行きたい」、「電話して」等)と、依頼内容を指し示すキーワード(例えば、「天気」、「お店」等)とがテキスト中に含まれている場合には、認識した音声が依頼の音声であると判定するとともに、依頼内容を示す依頼内容情報を取得することができる。
【0044】
また、依頼先検出部131Aは、依頼の音声であると判定した場合には、エージェント機能部301Aおよび302Aのうち、取得した依頼内容情報が示す依頼内容(第1の依頼)の依頼先とするエージェント機能部を指定する第1の指定情報が依頼の音声に含まれているか否かを検出する。
図2の例では、依頼先検出部131Aは、音声から取得した変換テキストに、第1のウエイクワード「NA1」、または、第1のウエイクワード「NA2」が含まれているか否かを検出する。
【0045】
例えば、「エージェントNA1、明日の天気は?」という音声が入力されたとする。係る場合、依頼先検出部131Aは、「エージェントNA1、明日の天気は?」を示すテキストに基づいて、この音声が依頼の音声であると判定するとともに、音声依頼の内容として「明日の天気の調査」を認識することができる。また、依頼先検出部131Aは、第1のウエイクワード「NA1」を検出する。
【0046】
また、依頼先検出部131Aは、依頼の音声から第1の指定情報を検出した場合には、この依頼の音声によって示される音声依頼すなわち第1の依頼に対する応答処理を、エージェント機能部301Aおよび302Aに対して実行させる。上記例のように、「エージェントNA1、明日の天気は?」という音声が入力されたとする。係る場合、依頼先検出部131Aは、第1のウエイクワード「NA1」によって依頼先とされた依頼先エージェント機能部301Aだけでなく、第1のウエイクワード「NA1」によって依頼先とされなかった非依頼先エージェント機能部302Aに対しても第1の依頼に対する応答処理を実行させる。このように、依頼先検出部131Aは、依頼の音声から第1の指定情報を検出した場合には、自装置である情報処理装置100Aに紐付けられる全てのエージェント機能部に対して、第1の依頼に対する応答処理を実行させる。
【0047】
エージェント機能部301Aは、依頼先検出部131Aからの制御に応じて、エージェント装置300A-1に対して第1の依頼に対する応答処理を実行させてよい。エージェント機能部302Aは、依頼先検出部131Aからの制御に応じて、エージェント装置300A-2に対して第1の依頼に対する応答処理を実行させてよい。
【0048】
以下の説明では、第1の指定情報により依頼先とされたエージェント機能部をエージェント機能部301A(依頼先エージェント機能部301A)とし、第1の指定情報により依頼先とされなかったエージェント機能部をエージェント機能部302A(非依頼先エージェント機能部302A)として説明する。
【0049】
(応答取得部132について)
応答取得部132は、依頼先検出部131Aによる制御に応じて、エージェント機能部301Aが第1の依頼に対する応答処理を行った結果を示す応答情報をエージェント機能部301Aから取得する。また、応答取得部132は、依頼先検出部131Aによる制御に応じて、エージェント機能部302Aが第1の依頼に対する応答処理を行った結果を示す応答情報をエージェント機能部302Aから取得する。
【0050】
応答情報には、第1の依頼に対する適切な回答を示す情報、あるいは、第1の依頼を適切に処理することができなかったことを示す情報が含まれてよい。また、応答取得部132は、係る応答情報を判定部133に出力する。
【0051】
(判定部133について)
判定部133は、依頼先エージェント機能部301Aの応答情報、および、非依頼先エージェント機能部302Aの応答情報それぞれが第1の依頼に対応可能か否かを判定する。例えば、判定部133は、第1の依頼に対する適切な回答を示す情報が応答情報に含まれているか、または、第1の依頼を適切に処理することができなかったことを示す情報が応答情報に含まれているかに基づいて、各エージェント機能部が第1の依頼に対応可能か否かを判定してよい。
【0052】
(提示制御部134について)
提示制御部134は、依頼先エージェント機能部301Aの応答情報に基づく応答である第1応答が利用者に提示(出力)されるよう制御する。上記の通り、応答情報には、第1の依頼に対する回答、または、第1の依頼に対応不可能であることを示す情報が含まれる。このようなことから、提示制御部134は、第1の依頼に対する回答が含まれている場合には、この回答を第1の応答として提示させる。一方、提示制御部134は、対応不可能であることを示す情報が含まれている場合には、依頼先エージェント機能部301Aは対応不可能である旨のメッセージを第1の応答として提示させる。
【0053】
また、提示制御部134は、判定部133による判定結果に応じて、非依頼先エージェント機能部302Aの応答情報に基づく応答である第2応答を、第1応答に加えて利用者に提示させてよい。
【0054】
例えば、提示制御部134は、以下に示す4つの判定結果のパターンに応じて、依頼先エージェント機能部301Aの応答情報に基づく第1の応答を提示させるか、または、当該第1の応答と非依頼先エージェント機能部302Aの応答情報に基づく第2の応答とを組み合わせて提示させてよい。
【0055】
1のパターンとしては、依頼先エージェント機能部301A、および、非依頼先エージェント機能部302Aのうち、依頼先エージェント機能部301Aのみ第1の依頼に対応可能であると判定されるという状況が挙げられる。
【0056】
2のパターンとしては、依頼先エージェント機能部301Aが第1の依頼に対応可能、かつ、非依頼先エージェント機能部302Aも第1の依頼に対応可能であると判定されるという状況が挙げられる。
【0057】
3のパターンとしては、依頼先エージェント機能部301Aが第1の依頼に対応不可能である一方、非依頼先エージェント機能部302Aが第1の依頼に対応可能であると判定されるという状況が挙げられる。
【0058】
4のパターンとしては、依頼先エージェント機能部301A、および、非依頼先エージェント機能部302Aの双方が第1の依頼に対応不可能であると判定されるという状況が挙げられる。
【0059】
例えば、提示制御部134は、上記のように応答を提示させる処理として、応答の内容を示す文章を作成し、作成した文章を読み上げる音声を出力するよう音声生成部135を制御してよい。なお、これらの4つのパターンごとの提示制御部134による応答提示処理の詳細については、後述する。
【0060】
(音声生成部135)
音声生成部135は、提示制御部134による制御に応じて、音声を合成し、合成した音声をスピーカー12から出力させる。例えば、音声生成部135は、提示制御部134により作成された文章に基づいて、係る文章を読み上げる音声を合成する。
【0061】
例えば、依頼先エージェント機能部301Aは女性の声V1のエージェントNA1であるとすると、音声生成部135は、女性の声V1で第1の応答の内容を示す文章が読み上げられるような音声を合成してよい。
図2には、依頼先エージェント機能部301Aの応答情報が第1の依頼「明日の天気を調査」に対応可能であると判定されたことに応じて、第1の応答「明日の天気は雨のち曇りです。」が、エージェントNA1の声である女性の声V1でスピーカー12から出力された例が示される。
【0062】
一方、非依頼先エージェント機能部302Aは男性の声V2のエージェントN2であるとすると、音声生成部135は、男性の声V2で第2の応答の内容を示す文章が読み上げられるような音声を合成してよい。
【0063】
〔2.機能構成の変形例〕
利用者は、例えば、携帯型端末装置(例えば、スマートフォン、タブレット型端末、ノート型PC、デスクトップPC、PDA等)に所定のアプリケーションを導入することで、この携帯型端末装置を情報処理装置100と同様に動作させることができる。
【0064】
図3には、利用者が、自身のスマートフォンに所定のアプリケーションを導入することで、車載装置である情報処理装置100Aが有する機能の一部(全てでもよい)をスマートフォンに実現させた例が示される。具体的には、
図3には、情報処理装置100Aが有する機能の一部が実現されたスマートフォンである情報処理装置100Bが示される。
【0065】
この結果、情報処理装置100Aと、情報処理装置100Bとは、例えば、近距離無線通信等により互いの存在を認識できるようになる。このように、利用者は、情報処理システム1のうち、自身の範囲に対応するシステムM11に対して、任意の携帯型端末装置を任意の数追加することができる。
【0066】
以下では、情報処理装置100Aと情報処理装置100Bとが近距離無線通信によって接続されている場合を例に各装置について説明する。
図3は、第1の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図(2)である。
【0067】
〔3.機能構成〕
ここからは、
図3を用いて、第1の実施形態に対応する変形例に係る情報処理装置100Bについて説明する。また、情報処理装置100BがシステムM11に追加されていることに応じた情報処理装置100Aの動作についても併せて説明する。
【0068】
情報処理装置100Bは、第1の実施形態に係る情報処理装置の一例であり、車載装置である情報処理装置100Aに相当する一部の機能を有するスマートフォンである。情報処理装置100Bは、利用者の音声を認識すると、認識結果に基づく応答を含むサービスを提供するエージェント機能を有する。この結果、利用者は、エージェント機能との対話によって各種の運転支援やお役立ち情報の提供を受けることができるようになる。
【0069】
図3に示すように、情報処理装置100Bは、マイク11と、アプリ群30Bと、制御部130Bとを有する。マイク11は、情報処理装置100Aのものと同様であるため説明を省略する。また、
図3では不図示であるが、情報処理装置100Bは、記憶部120に相当する記憶部を有していてよい。
【0070】
(アプリ群30B)
アプリ群30Bは、運転支援やお役立ち情報に関するサービスを提供するアプリケーション群である。アプリ群30Bに含まれるアプリは、それぞれ異なる種別のサービスを提供するものであってもよいし、同一種別のサービスを提供するが性能が異なるといった場合もある。また、アプリ群30Bに含まれる各アプリは、サービスを提供する仲介役のエージェント機能部を有する。また、各アプリ(エージェント機能部)には、当該アプリに対応するサービスを実現するための処理を行うエージェント装置300が紐付けられている。この点について、
図3の例を用いてより具体的に説明する。
【0071】
図3の例によれば、アプリ群30Bには、アプリ30B-1等が含まれる例が示される。説明の便机上、
図3には、1つのアプリ30B-1のみ図示されている。また、
図3の例によれば、アプリ30B-1は、音声エージェント機能として、エージェント機能部301Bを有し、エージェント機能部301Bには、エージェント装置300B-1(エージェント装置300の一例)が紐付けられている。
【0072】
ここで、例えば、アプリ30B-1は、利用者と特定の話題に特化した専門会話を実現するアプリケーションであるとすると、エージェント機能部301Bは、利用者からの音声に対する応答処理をエージェント装置300B-1に実行させる。また、エージェント機能部301Bは、応答処理の結果を示す応答情報(専門情報)を利用者に提供させることで、利用者との対話を実現する。
【0073】
(制御部130B)
制御部130Bは、CPUやMPU等によって、情報処理装置100B内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、実施形態に係る情報処理プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130Bは、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0074】
図3に示すように、制御部130Bは、依頼先検出部131Bと、登録受付部136Bとを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130Bの内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130Bが有する各処理部の接続関係は、
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0075】
(登録受付部136B/登録受付部136A)
例えば、情報処理装置100Bから見て情報処理装置100Aは、他の情報処理装置100といえる。また、情報処理装置100Aから見て情報処理装置100Bも、他の情報処理装置100といえる。このように、複数の情報処理装置100が近距離無線通信等で通信可能に接続される場合に備えて、情報処理装置100Bは、登録受付部136Bを有してよい。
【0076】
また、複数の情報処理装置100が近距離無線通信等で通信可能に接続される場合に備えて、情報処理装置100Aも、
図3に示すように、登録受付部136Aをさらに有してよい。
【0077】
登録受付部136Bは、情報処理装置100Aに紐付けられるエージェント機能部301Aおよび302Aを識別する識別情報の登録を受け付けることができる。例えば、登録受付部136Bは、エージェント機能部301Aの名称「NA1」を示すウエイクワードと、エージェント機能部302Aの名称「NA2」を示すウエイクワードとを識別情報として受け付けてよい。これにより、後述する依頼先検出部131Bは、接続先の情報処理装置100Aにはどのようなエージェント機能部が紐付けられているかを認識することができるようになる。
【0078】
一方、登録受付部136Aは、情報処理装置100Bに紐付けられるエージェント機能部301Bを識別する識別情報の登録を受け付けることができる。ここで、
図3には、エージェント機能部301Bの名称が「NA3」である例が示されている。係る場合、登録受付部136Aは、エージェント機能部301Bの名称「NA3」を示すウエイクワードを識別情報として受け付けてよい。これにより、依頼先検出部131Aは、接続先の情報処理装置100Bにはどのようなエージェント機能部が紐付けられているかを認識することができるようになる。
【0079】
(依頼先検出部131B/依頼先検出部131A)
依頼先検出部131Bは、情報処理装置100Aの依頼先検出部131Aに対応する処理部であり、依頼先検出部131Aと同様の機能を有してよい。
【0080】
また、依頼先検出部131Bは、登録受付部136Bによって識別情報の登録が受け付けられていることにより、接続先の情報処理装置100Aには、エージェントNA1というエージェント機能部301Aと、エージェントNA2というエージェント機能部302Aとが紐付けられていることを認識している。
【0081】
係る場合、依頼先検出部131Bは、利用者から音声による依頼(第1の依頼)を受け付けた場合に、自装置である情報処理装置100Bに紐付けられるエージェント機能部301B、他装置である情報処理装置100Aに紐付けられるエージェント機能部301Aおよび302Aのうち、第1の依頼の依頼先とするエージェント機能部を指定する第1の指定情報を音声から検出する。
【0082】
図3の例では、第1の指定情報は、エージェント機能部301A、302Aおよび301Bそれぞれに対して予め定められているウエイクワードであってよい。
【0083】
具体的には、エージェント機能部301Aに定められている第1の指定情報は、エージェント機能部301Aの名称を示すウエイクワードであってよい。すなわち、エージェント機能部301Aに対応する第1の指定情報は、第1のウエイクワード「NA1」である。
【0084】
また、エージェント機能部302Aに定められている第1の指定情報は、エージェント機能部302Aの名称を示すウエイクワードであってよい。すなわち、エージェント機能部302Aに対応する第1の指定情報は、第1のウエイクワード「NA2」である。
【0085】
また、
図3の例によれば、エージェント機能部301Bに対応する第1の指定情報は、第1のウエイクワード「NA3」であってよい。
【0086】
依頼先検出部131Bは、発話による音声を認識すると、認識した音声をテキストに変換する。そして、依頼先検出部131Bは、変換によって得られたテキストに基づく意図解析により、この音声が依頼の音声であるか否かを判定する。例えば、依頼先検出部131Bは、意図解析の結果から依頼内容も認識することができる。
【0087】
また、依頼先検出部131Bは、依頼の音声であると判定した場合には、エージェント機能部301A、302Aおよび301Bのうち、認識した依頼内容(第1の依頼)の依頼先とするエージェント機能部を指定する第1の指定情報が依頼の音声に含まれているか否かを検出する。
図3の例では、依頼先検出部131Bは、音声から取得した変換テキストに、第1のウエイクワード「NA1」、第1のウエイクワード「NA2」、第1のウエイクワード「NA3」のいずれかが含まれているか否かを検出する。
【0088】
例えば、「エージェントNA1、明日の天気は?」という音声が入力されたとする。係る場合、依頼先検出部131Bは、「エージェントNA1、明日の天気は?」を示すテキストに基づいて、この音声が依頼の音声であると判定するとともに、音声依頼の内容として「明日の天気の調査」を認識することができる。また、依頼先検出部131Bは、第1のウエイクワード「NA1」を検出する。
【0089】
また、依頼先検出部131Bは、依頼の音声から第1の指定情報を検出した場合には、この依頼の音声によって示される音声依頼すなわち第1の依頼に対する応答処理を、エージェント機能部301Bに対して実行させる。上記例のように、「エージェントNA1、明日の天気は?」という音声が入力されたとする。係る場合、依頼先検出部131Bは、第1のウエイクワード「NA1」によって依頼先とされなかった非依頼先エージェント機能部301Bに対しても第1の依頼に対する応答処理を実行させる。このように、依頼先検出部131Bは、依頼の音声から第1の指定情報を検出した場合には、自装置である情報処理装置100Bに紐付けられる全てのエージェント機能部に対して、第1の依頼に対する応答処理を実行させる。
【0090】
エージェント機能部301Bは、依頼先検出部131Bからの制御に応じて、エージェント装置300B-1に対して第1の依頼に対する応答処理を実行させてよい。
【0091】
なお、上記例のように、依頼先検出部131Bが処理を行うことに並行して、依頼先検出部131Aも
図2で説明したように動作することになる。ただし、情報処理装置100BがシステムM11に追加されている係る例では、依頼先検出部131Aは、エージェント機能部301A、302Aおよび301Bのうち、第1の依頼の依頼先とするエージェント機能部を指定する第1の指定情報が依頼の音声に含まれているか否かを検出することになる。
【0092】
以下の説明では、第1の指定情報により依頼先とされたエージェント機能部をエージェント機能部301A(依頼先エージェント機能部301A)とし、第1の指定情報により依頼先とされなかったエージェント機能部をエージェント機能部302Aおよび301B(非依頼先エージェント機能部X)として説明する。また、以降の処理は、情報処理装置100A側で行われてよい。
【0093】
(応答取得部132について)
応答取得部132は、依頼先検出部131Aによる制御に応じて、エージェント機能部301Aが第1の依頼に対する応答処理を行った結果を示す応答情報をエージェント機能部301Aから取得する。また、応答取得部132は、依頼先検出部131Aによる制御に応じて、エージェント機能部302Aが第1の依頼に対する応答処理を行った結果を示す応答情報をエージェント機能部302Aから取得する。
【0094】
さらに、応答取得部132は、依頼先検出部131Bによる制御に応じて、エージェント機能部301Bが第1の依頼に対する応答処理を行った結果を示す応答情報をエージェント機能部301Bから取得してよい。
【0095】
応答情報には、第1の依頼に対する適切な回答を示す情報、あるいは、第1の依頼を適切に処理することができなかったことを示す情報が含まれてよい。また、応答取得部132は、係る応答情報を判定部133に出力する。
【0096】
(判定部133について)
判定部133は、依頼先エージェント機能部301Aの応答情報、および、非依頼先エージェント機能部Xの応答情報それぞれが第1の依頼に対応可能か否かを判定する。例えば、判定部133は、第1の依頼に対する適切な回答を示す情報が応答情報に含まれているか、または、第1の依頼を適切に処理することができなかったことを示す情報が応答情報含まれているかに基づいて、各エージェント機能部が第1の依頼に対応可能か否かを判定してよい。
【0097】
(提示制御部134/音声生成部135について)
提示制御部134および音声生成部135に関する詳細な説明については、
図2の例と重複するため省略する。
【0098】
簡単には、提示制御部134は、判定部133による判定結果に応じて、非依頼先エージェント機能部Xの応答情報に基づく応答である第2応答を、第1応答に加えて利用者に提示させてよい。
【0099】
また、
図3にも、依頼先エージェント機能部301Aの応答情報が第1の依頼「明日の天気を調査」に対応可能であると判定されたことに応じて、第1の応答「明日の天気は雨のち曇りです。」が、エージェントNA1の声である女性の声V1でスピーカー12から出力された例が示される。
【0100】
なお、情報処理装置100Bもスピーカー12を有してよいが、応答が出力される出力先のスピーカー12は、情報処理装置100A側のものであってよい。情報処理装置100Aのスピーカー12は、典型的には車両に備え付けられた車両スピーカーであってよい。
【0101】
〔4.処理手順〕
続いて、
図4および
図5を用いて、第1の実施形態に係る情報処理の手順について説明する。
図4では、第1の実施形態に係る情報処理の全体像にフォーカスして、第1の実施形態に係る情報処理手順を説明する。一方、
図5では、上述した4つの判定結果のパターンに応じた応答制御にフォーカスして、第1の実施形態に係る情報処理手順を説明する。
【0102】
また、
図4および
図5では、車両VE1(車両VExの一例)に備えられている車載装置である情報処理装置100Aをメインのエージェントとして、車両VE1の利用者U1がサブのエージェントとしてスマートフォンである情報処理装置100BをシステムM11に追加している場面を例に情報処理手順を説明する。
【0103】
また、
図4および
図5の例では、情報処理装置100Aが有するエージェント機能部301Aをその名称を用いて「エージェントNA1」と表記する。また、情報処理装置100Aが有するエージェント機能部302Aをその名称を用いて「エージェントNA2」と表記する。また、情報処理装置100Bが有するエージェント機能部301Bをその名称を用いて「エージェントNA3」と表記する。
【0104】
また、
図4および
図5の例では、第1の指定情報を「第1のWW」と表記する。このようなことから、
図4および
図5の例では、「NA1」、「NA2」および「NA3」の3つのウエイクワードが第1のWWとして予め登録されているものとする。第1のWWは、例えば、利用者U1によって情報処理装置100Aおよび100Bの双方に対して登録されてよい。
【0105】
〔4-1.処理手順(1)〕
図4について説明する。
図4は、第1の実施形態に係る情報処理手順を示すフローチャート(1)である。
【0106】
まず、依頼先検出部131A(および依頼先検出部131B)は、発話による音声を認識したとすると、この音声が依頼の音声であるか否かを判定する。すなわち、依頼先検出部131A(および依頼先検出部131B)は、音声による依頼である音声依頼を受け付けたか否かを判定する(ステップS401)。
【0107】
依頼先検出部131A(および依頼先検出部131B)は、音声依頼を受け付けていないと判定している間は(ステップS401;No)、音声依頼を受け付けたと判定できるまで待機する。
【0108】
一方、依頼先検出部131A(および依頼先検出部131B)は、音声依頼を受け付けたと判定した場合には(ステップS401;Yes)、ステップS402へと進む。
【0109】
ここで、
図4には、利用者U1によって「エージェントNA1、明日の天気は?」という音声が入力された例が示される。係る例では、依頼先検出部131A(および依頼先検出部131B)は、ステップS401において、音声依頼を受け付けたと判定するとともに、音声依頼から「明日の天気の調査」という依頼内容を第1の依頼VR1と認識する。以降の処理手順では、係る例を用いて説明してゆく。
【0110】
例えば、依頼先検出部131A(および依頼先検出部131B)は、登録受付部136A(登録受付部136B)によって登録が受け付けられているエージェントNA1、NA2およびNA3のうち、第1の依頼VR1の依頼先とするエージェントを指定する第1のWW(「NA1」、「NA2」、「NA3」のいずれか)が依頼の音声に含まれているか否かを検出する(ステップS402)。
【0111】
依頼先検出部131A(および依頼先検出部131B)は、第1のWWを検出できなかった場合には(ステップS402;No)、ステップS401へと処理を戻す。
【0112】
一方、依頼先検出部131A(および依頼先検出部131B)は、第1のWWを検出できた場合には(ステップS402;Yes)、自装置に紐付けられるエージェントに対して、第1の依頼VR1に対する応答処理を実行させる(ステップS403)。
【0113】
図4の例では、依頼先検出部131Aは、ステップS402において、第1のWW「NA1」を検出することができるため、ステップS403では、第1のWW「NA1」により依頼先とされた依頼先エージェントNA1に対して第1の依頼VR1に対する応答処理を実行させる。また、依頼先検出部131Aは、第1のWW「NA1」により依頼先とされなかった非依頼先エージェントNA2に対しても第1の依頼VR1に対する応答処理を実行させる。
【0114】
また、依頼先検出部131Bも同様に、ステップS402において、第1のWW「NA1」を検出することができるため、ステップS403では、第1のWW「NA1」により依頼先とされなかった非依頼先エージェントNA3に対して第1の依頼VR1に対する応答処理を実行させる。
【0115】
次に、応答取得部132は、依頼先検出部131A(依頼先検出部131B)による制御に応じて、各エージェントが応答処理を行った結果を示す応答情報を各エージェントから取得する(ステップS404)。具体的には、応答取得部132は、エージェントNA1が第1の依頼VR1に対する応答処理を行った結果を示す応答情報をエージェントNA1から取得する。また、応答取得部132は、エージェントNA2が第1の依頼VR1に対する応答処理を行った結果を示す応答情報をエージェントNA2から取得する。また、応答取得部132は、エージェントNA3が第1の依頼VR1に対する応答処理を行った結果を示す応答情報をエージェントNA3から取得する。
【0116】
次に、判定部133は、依頼先エージェントNA1の応答情報、および、非依頼先エージェントX(非依頼先エージェントNA2およびNA3)の応答情報それぞれが第1の依頼VR1に対応可能か否かを判定する(ステップS405)。
【0117】
そして、提示制御部134は、ステップS405での判定結果に応じた出力制御を行う(ステップS406)。例えば、提示制御部134は、判定結果のパターンに応じて、依頼先エージェントNA1の応答情報に基づく依頼先応答(第1の応答)を出力させるか、または、当該依頼先応答(第1の応答)と非依頼先エージェントXの応答情報に基づく非依頼先応答(第2の応答)とが組み合わせて出力されるよう出力制御する。
【0118】
〔4-2.処理手順(2)〕
続いて、
図5について説明する。
図5は、第1の実施形態に係る情報処理手順を示すフローチャート(2)である。
図5では、
図4のステップS405からS406にかけて行われる応答制御についてより詳細な手順を説明する。
【0119】
まず、判定部133は、依頼先エージェントNA1の応答情報が第1の依頼VR1に対応可能か否かを判定する(ステップS501)。
【0120】
判定部133は、依頼先エージェントNA1の応答情報が第1の依頼VR1に対応可能であると判定した場合には(ステップS501;Yes)、非依頼先エージェントXの応答情報も第1の依頼VR1に対応可能か否かを判定する(ステップS502)。
【0121】
例えば、判定部133は、非依頼先エージェントNA3の応答情報が第1の依頼VR1に対応可能であると判定した場合には(ステップS502;Yes)、依頼先エージェントNA1と、非依頼先エージェントNA3との間で利用頻度を比較することにより、非依頼先エージェントNA3の方が、依頼先エージェントNA1よりも利用頻度が高いか否かを判定する(ステップS503)。
【0122】
提示制御部134は、非依頼先エージェントNA3の方が、依頼先エージェントNA1よりも利用頻度が高いと判定された場合には(ステップS503;Yes)、非依頼先エージェントNA3の応答情報に基づく非依頼先応答(第2の応答)を、依頼先エージェントNA1に基づく依頼先応答(第1の応答)に加えて出力させる(ステップS504)。また、このとき、提示制御部134は、依頼先応答と、非依頼先応答との間に、非依頼先応答を追加する理由のメッセージを挟むようにして、非依頼先応答を依頼先応答に加えて出力させてよい。
【0123】
ここで、判定部133は、ステップS503において、より詳細には以下に説明する4つの判定処理のうち、いずれか1つを行うことができる。そこで、
図6では、4つの判定処理について具体的に説明するとともに、ステップS504での出力制御の一例を示す。
図6は、第1の実施形態に係る判定処理の一例を示す図である。
【0124】
1つ目の判定処理について説明する。例えば、判定部133は、利用者U1によるこれまでの依頼において、第1のWWで依頼先として指定された回数を、今回の依頼先である依頼先エージェントNA1と、今回の非依頼先である非依頼先エージェントNA3との間で比較する。そして、判定部133は、非依頼先エージェントNA3の方が依頼先として指定された回数が多い場合には、非依頼先エージェントNA3の方が利用者U1による各種依頼での利用頻度が高いと判定する。
図4の例によれば、第1の依頼VR1は、明日の天気を調べるよう依頼するものであるが、係る判定処理では、判定部133は、天気調査の依頼だけでなくその他の各種依頼全般において、非依頼先エージェントNA3の方が利用者U1に利用される頻度が高いと判定する。すなわち、今回の非依頼先エージェントであるエージェントNA3の方が、利用者U1にとって総合的には使い慣れたエージェントであると判定する。
【0125】
2つ目の判定処理について説明する。例えば、判定部133は、利用者U1によるこれまでの類似依頼(第1の依頼VR1と類似する依頼)において、第1のWWで依頼先として指定された回数を、今回の依頼先である依頼先エージェントNA1と、今回の非依頼先である非依頼先エージェントNA3との間で比較する。そして、判定部133は、非依頼先エージェントNA3の方が依頼先として指定された回数が多い場合には、非依頼先エージェントNA3の方が利用者U1による対象依頼での利用頻度が高いと判定する。第1の依頼VR1は、明日の天気を調べるよう依頼するものであるが、係る判定処理では、判定部133は、天気調査の依頼においては、非依頼先エージェントNA3の方が利用者U1に利用される頻度が高いと判定する。すなわち、今回の非依頼先エージェントであるエージェントNA3の方が、天気調査の依頼においては、利用者U1にとって使い慣れたエージェントであると判定する。
【0126】
3つ目の判定処理について説明する。例えば、判定部133は、不特定多数の利用者によるこれまでの依頼において、第1のWWで依頼先として指定された回数を、今回の依頼先である依頼先エージェントNA1と、今回の非依頼先である非依頼先エージェントNA3との間で比較する。そして、判定部133は、非依頼先エージェントNA3の方が依頼先として指定された回数が多い場合には、非依頼先エージェントNA3の方が不特定多数の利用者による各種依頼での利用頻度が高いと判定する。第1の依頼VR1は、明日の天気を調べるよう依頼するものであるが、係る判定処理では、判定部133は、天気調査の依頼だけでなくその他の各種依頼全般において、非依頼先エージェントNA3の方がより多くの利用者に利用される頻度が高いと判定する。すなわち、今回の非依頼先エージェントであるエージェントNA3の方が、一般ユーザにとって総合的に人気が高いエージェントであると判定する。
【0127】
4つ目の判定処理について説明する。例えば、判定部133は、不特定多数の利用者によるこれまでの類似依頼(第1の依頼VR1と類似する依頼)において、第1のWWで依頼先として指定された回数を、今回の依頼先である依頼先エージェントNA1と、今回の非依頼先である非依頼先エージェントNA3との間で比較する。そして、判定部133は、非依頼先エージェントNA3の方が依頼先として指定された回数が多い場合には、非依頼先エージェントNA3の方が不特定多数の利用者による対象依頼での利用頻度が高いと判定する。第1の依頼VR1は、明日の天気を調べるよう依頼するものであるが、係る判定処理では、判定部133は、天気調査の依頼においては、非依頼先エージェントNA3の方がより多くの利用者に利用される頻度が高いと判定する。すなわち、今回の非依頼先エージェントであるエージェントNA3の方が、天気調査の依頼においては、一般ユーザにとって人気が高いエージェントであると判定する。
【0128】
また、
図6に示すように、提示制御部134は、依頼先応答に続いて、理由のメッセージ「エージェントNA3の答えの方がお薦めできます。」が、エージェントNA1の声で出力されるよう制御する。さらに、提示制御部134は、非依頼先応答「明日の天気は雨のち曇りです。また、降水確率は〇〇、風速は××です。」が、エージェントNA3の声で出力されるよう制御する。
【0129】
なお、判定部133は、非依頼先エージェントNA3の応答情報が第1の依頼VR1に対応可能であると判定した場合には(ステップS502;Yes)、上記例のような利用頻度の比較ではなく、依頼先エージェントNA1と、非依頼先エージェントNA3との間で情報量を比較することにより、非依頼先エージェントNA3の方が、依頼先エージェントNA1よりも情報量が多いか否かを判定してもよい(ステップS503)。
【0130】
具体的には、判定部133は、依頼先エージェントNA1の応答情報と、非依頼先エージェントNA3の応答情報との間で、情報量を比較することにより、非依頼先応答の方が依頼先応答よりも情報量が多いか否かを判定してよい。また、提示制御部134は、非依頼先応答の方が依頼先応答よりも情報量が多いと判定された場合には(ステップS503;Yes)、非依頼先応答を依頼先応答に加えて出力させてよい(ステップS504)。
【0131】
図5に説明を戻す。提示制御部134は、非依頼先エージェントXの応答情報が第1の依頼VR1に対応不可能であると判定された場合(ステップS502;No)、つまり、依頼先エージェントNA1のみ対応可能であると判定された場合には、依頼先エージェントNA1の応答情報に基づく依頼先応答のみが出力されるよう制御する(ステップS506)。例えば、提示制御部134は、
図5に示すように、依頼先応答「明日の天気は雨のち曇りです。」が、エージェントNA1の声で出力されるよう制御する。
【0132】
また、提示制御部134は、依頼先エージェントNA1の方が、非依頼先エージェントNA1よりも利用頻度が高い(あるいは、情報量が多い)と判定された場合には(ステップS503;No)、同様に、依頼先エージェントNA1の応答情報に基づく依頼先応答のみが出力されるよう制御してよい(ステップS506)。
【0133】
また、判定部133は、依頼先エージェントNA1の応答情報が第1の依頼VR1に対応不可能であると判定した場合には(ステップS501;No)、非依頼先エージェントXの応答情報が第1の依頼VR1に対応可能か否かを判定する(ステップS507)。
【0134】
提示制御部134は、例えば、非依頼先エージェントNA3の応答情報が第1の依頼VR1に対応可能であると判定された場合(ステップS507;Yes)、つまり、非依頼先エージェントNA3のみ対応可能であると判定された場合には、依頼先エージェントNA1の状況を伝える前置きのメッセージに続けて、非依頼先エージェントNA3の応答情報に基づく非依頼先応答が出力されるよう制御する(ステップS508)。例えば、提示制御部134は、
図5に示すように、前置きのメッセージ「私には対応できません。エージェントNA3に任せます。」が、エージェントNA1の声で出力されるよう制御する。また、提示制御部134は、非依頼先応答「明日の天気は雨のち曇りです。」が、エージェントNA3の声で出力されるよう制御する。
【0135】
一方、提示制御部134は、非依頼先エージェントXの応答情報も第1の依頼VR1に対応不可能であると判定された場合(ステップS507;No)、つまり、依頼先エージェントNA1、および、非依頼先エージェントXの双方が第1の依頼VR1に対応不可能であると判定された場合には、対応可能なエージェントが存在しないことを示すメッセージ情報であって、依頼先エージェントNA1を主体とする内容のメッセージ情報が出力されるよう制御する(ステップS509)。例えば、提示制御部134は、
図5に示すように、「私は対応できません。エージェントNA2もNA3もわからないそうです。」が、エージェントNA1の声で出力されるよう制御する。
【0136】
<第2の実施形態>
〔1.機能構成〕
引き続き、第2の実施形態に係る情報処理について説明する。第2の実施形態に係る情報処理では、
図2および
図3で説明した第1の実施形態に係る機能構成を採用することができる。例えば、第2の実施形態に係る情報処理は、車載装置である情報処理装置100Aのみで実現されてよい。また、第2の実施形態に係る情報処理は、情報処理装置100B等の他の情報処理装置が情報処理装置100Aに接続されることで生成された利用者専用のシステムM11において、複数の情報処理装置100の間で実現されてもよい。
【0137】
ここで、第1の実施形態では、情報処理装置100Aは、第1の指定情報により依頼先とされた依頼先エージェント機能部、および、第1の指定情報により依頼先とされなかった非依頼先エージェント機能部が第1の依頼に対応可能か否かを判定していた。また、情報処理装置100Aは、判定結果に応じて、依頼先エージェント機能部に対応する第1の応答に加えて、非依頼先エージェント機能部に対応する第2の応答を提示していた。
【0138】
しかし、第2の実施形態では、情報処理装置100Aは、第1の指定情報により依頼先とされた依頼先エージェント機能部(第1のエージェント機能部)が第1の依頼に対応可能か否かに拘わらず、依頼先エージェント機能部から取得された応答情報に基づく第1の応答のみを提示する。すなわち、第2の実施形態では、情報処理装置100Aは、依頼先エージェント機能部、および、非依頼先エージェント機能部が第1の依頼に対応可能か否かを判定する処理を行わない。
【0139】
そこで、第2の実施形態では、情報処理装置100Aは、上記のように第1の応答が提示された後に、依頼先エージェント機能部以外のいずれかのエージェント機能部を新たな依頼先として指定する第2の指定情報を含む所定の音声コマンドが利用者により発話されたか否かを検出する。そして、情報処理装置100Aは、所定の音声コマンドが検出された場合には、第2の指定情報で指定されるエージェント機能部(第2のエージェント機能部)から第1の依頼に対する応答として取得した第2の応答を利用者に提示させる。
【0140】
以下では、
図3の例を用いて、第2の実施形態に係る情報処理装置100Aについてより具体的に説明する。また、情報処理装置100BがシステムM11に追加されていることに応じた情報処理装置100Bの動作についても併せて説明する。
【0141】
(依頼先検出部131A/依頼先検出部131B)
依頼先検出部131Aは、音声依頼を受け付けた場合には、エージェント機能部301A、302Aおよび301Bのうち、音声依頼から認識した依頼内容(第1の依頼)の依頼先とするエージェント機能部を指定する第1の指定情報が依頼の音声に含まれているか否かを検出する。
【0142】
依頼先検出部131Aは、第1の指定情報を検出した場合には、第1の依頼に対する応答処理を、エージェント機能部301Aおよび302Aに対して実行させる。
【0143】
依頼先検出部131Bも同様に、音声依頼を受け付けた場合には、エージェント機能部301A、302Aおよび301Bのうち、第1の依頼の依頼先とするエージェント機能部を指定する第1の指定情報が依頼の音声に含まれているか否かを検出する。
【0144】
依頼先検出部131Bは、第1の指定情報を検出した場合には、第1の依頼に対する応答処理を、エージェント機能部301Bに対して実行させる。
【0145】
(応答取得部132)
応答取得部132は、依頼先検出部131Aによる制御に応じて、エージェント機能部301Aが第1の依頼に対する応答処理を行った結果を示す応答情報をエージェント機能部301Aから取得する。また、応答取得部132は、依頼先検出部131Aによる制御に応じて、エージェント機能部302Aが第1の依頼に対する応答処理を行った結果を示す応答情報をエージェント機能部302Aから取得する。
【0146】
さらに、応答取得部132は、依頼先検出部131Bによる制御に応じて、エージェント機能部301Bが第1の依頼に対する応答処理を行った結果を示す応答情報をエージェント機能部301Bから取得してよい。
【0147】
第1の実施形態では、応答取得部132は、各エージェント機能部から取得した応答情報を判定部133に出力することで判定処理を行わせていた。しかし、上述した通り、第2の実施形態では、判定部133による判定処理は行われない。したがって、第2の実施形態では、応答取得部132は、各エージェント機能部から取得した応答情報を提示制御部134に出力してよい。また、このようなことから、第2の実施形態に係る情報処理装置100Aは、判定部133を有せずともよい。
【0148】
以下の説明では、第1の指定情報により依頼先とされたエージェント機能部をエージェント機能部301A(依頼先エージェント機能部301A)とし、第1の指定情報により依頼先とされなかったエージェント機能部をエージェント機能部302Aおよび301B(非依頼先エージェント機能部X)として説明する。
【0149】
(提示制御部134)
提示制御部134は、依頼先エージェント機能部301Aの応答情報に基づく応答である第1応答が利用者に提示(出力)されるよう制御する。応答情報には、第1の依頼に対する回答、または、第1の依頼に対応不可能であることを示す情報が含まれてよい。このようなことから、提示制御部134は、第1の依頼に対する回答が含まれている場合には、この回答を第1の応答として提示させる。一方、提示制御部134は、対応不可能であることを示す情報が含まれている場合には、依頼先エージェント機能部301Aは対応不可能である旨のメッセージを第1の応答として提示させる。
【0150】
ここで、提示制御部134は、非依頼先エージェント機能部Xの応答情報に基づく応答(第1の応答以外の他の応答)については提示させない。その代わり、提示制御部134は、依頼先エージェント機能部301Aの応答情報以外の他の応答情報、すなわち非依頼先エージェント機能部Xの応答情報を保存しておく。例えば、提示制御部134は、非依頼先エージェント機能部Xの応答情報を記憶部120に格納しておく。
【0151】
(依頼先検出部131A/提示制御部134)
依頼先検出部131Aは、非依頼先エージェント機能部Xの応答情報(他の応答情報)が保存されている状態(換言すると、第1の応答が利用者に提示された後の状態)において、依頼先エージェント機能部301A以外のいずれかのエージェント機能部を新たな依頼先として指定する第2の指定情報を含む所定の音声コマンドが利用者により発話されたか否かを検出する。具体的には、依頼先検出部131Aは、非依頼先エージェント機能部302Aおよび301Bのいずれかを新たな依頼先として指定する第2の指定情報を含む所定の音声コマンドが利用者により発話されたか否かを検出する。
【0152】
ここで、第2の指定情報は、第1の指定情報と同様に、エージェント機能部301A、302Aおよび301Bそれぞれに対して予め定められているウエイクワードであってよい。
【0153】
例えば、エージェント機能部301Aに定められている第2の指定情報は、エージェント機能部301Aの名称を示すウエイクワードであってよい。よって、エージェント機能部301Aに対応する第2の指定情報は、第2のウエイクワード「NA1」であってよい。
【0154】
また、エージェント機能部302Aに定められている第2の指定情報は、エージェント機能部302Aの名称を示すウエイクワードであってよい。よって、エージェント機能部302Aに対応する第2の指定情報は、第2のウエイクワード「NA2」であってよい。
【0155】
また、エージェント機能部301Bに定められている第2の指定情報は、エージェント機能部301Bの名称を示すウエイクワードであってよい。よって、エージェント機能部301Bに対応する第2の指定情報は、第2のウエイクワード「NA3」であってよい。
【0156】
また、所定の音声コマンドは、依頼先を変えて第1の依頼に対する応答処理を再度実行するよう指示する内容の所定のフレーズであってよい。具体的な一例を挙げると、所定のフレーズは、「同じ質問」、「頼む」、「さっきのは?」等であってよい。
【0157】
例えば、「エージェントNA3、同じ質問」という音声が入力されたとする。係る場合、依頼先検出部131Aは、「エージェントNA3、同じ質問」を示すテキストに基づいて、第2のウエイクワード「NA3」と、フレーズ「同じ質問」とで構成される音声コマンドを検出することができる。また、この結果、依頼先検出部131A、第1の指定情報により第1の依頼の依頼先とされていたエージェント機能部301Aに代わる、新たな依頼先として、エージェント機能部301Bを認識することができる。
【0158】
以下の説明では、第2の指定情報によって、第1の依頼に対する新たな依頼先とされたエージェント機能部をエージェント機能部301B(新依頼先エージェント機能部301B)として説明する。なお、係る例では、新依頼先エージェント機能部301Bは、第2の指定情報に対応する第2のエージェント機能部の一例といえる。
【0159】
提示制御部134は、依頼先検出部131Aにより第2の指定情報を含む所定の音声コマンドが検出された場合には、記憶部120に保存されている応答情報のうち、新依頼先エージェント機能部301Bの応答情報を取得する。そして、提示制御部134は、新依頼先エージェント機能部301Bの応答情報に基づく応答である新依頼先応答(第2の応答)を、第1の依頼に対する応答として利用者に提示させる。
【0160】
例えば、提示制御部134は、新依頼先応答を提示させる処理として、応答の内容を示す文章を作成し、作成した文章を読み上げる音声を出力するよう音声生成部135を制御してよい。
【0161】
(音声生成部135)
音声生成部135は、提示制御部134による制御に応じて、音声を合成し、合成した音声をスピーカー12から出力させる。例えば、音声生成部135は、提示制御部134により作成された文章に基づいて、係る文章を読み上げる音声を合成する。
【0162】
例えば、新依頼先エージェント機能部301Bは男性の声V3のエージェントNA3であるとすると、音声生成部135は、男性の声V3で新依頼先応答の内容を示す文章が読み上げられるような音声を合成してよい。
【0163】
例えば、新依頼先エージェント機能部301Bの応答情報が、第1の依頼「明日の天気を調査」に対する適切な回答を示すものであれば、音声生成部135は、新依頼先応答「明日の天気は雨のち曇りです。」が男性の声V3で読み上げられるような音声を合成してよい。
【0164】
一方、新依頼先エージェント機能部301Bの応答情報が、第1の依頼「明日の天気を調査」に対応不可能なものであれば、音声生成部135は、新依頼先応答「私は対応できません。」が男性の声V3で読み上げられるような音声を合成してよい。
【0165】
〔2.変形例〕
第2の実施形態において、上記例では、第1の指定情報により依頼先とされた依頼先エージェント機能部301Aだけでなく、非依頼先エージェント機能部Xも第1の依頼に対する応答処理を行うよう制御され、この結果、非依頼先エージェント機能部Xの応答情報については、第2の指定情報の検出に備えて保存される例を示した。
【0166】
しかしながら、第1の指定情報により依頼先とされた依頼先エージェント機能部301Aのみが第1の依頼に対する応答処理を行うように制御し、第2の指定情報が検出された後に、第2の指定情報により新たな依頼先とされたエージェント機能部に対して第1の依頼に対する応答処理を行わせてもよい。以下では、第2の実施形態に対応する変形例に係る情報処理について説明する。
【0167】
具体的には、第1の指定情報により依頼先とされたエージェント機能部をエージェント機能部301A(依頼先エージェント機能部301A)とし、第1の指定情報により依頼先とされなかったエージェント機能部をエージェント機能部302Aおよび301B(非依頼先エージェント機能部X)として変形例を説明する。
【0168】
変形例では、依頼先検出部131Aは、音声依頼を受け付けた場合には、音声依頼から認識した第1の依頼の内容を示す依頼内容情報を保存しておく。例えば、依頼先検出部131Aは、第1の依頼の内容を示す依頼内容情報を記憶部120に格納しておく。
【0169】
また、依頼先検出部131Aは、第1の依頼に対する応答処理を依頼先エージェント機能部301Aに対して実行させる。一方、依頼先検出部131Aは、非依頼先エージェント機能部302Aについては第1の依頼に対する応答処理を行わせない。また、依頼先検出部131Bは、非依頼先エージェント機能部301Bについて第1の依頼に対する応答処理を行わせない。
【0170】
この結果、応答取得部132は、依頼先検出部131Aによる制御に応じて、依頼先エージェント機能部301Aが第1の依頼に対する応答処理を行った結果を示す応答情報をエージェント機能部301Aから取得する。
【0171】
そして、提示制御部134は、依頼先エージェント機能部301Aの応答情報に基づく応答である第1応答が利用者に提示(出力)されるよう制御する。
【0172】
ここで、依頼先検出部131Aは、依頼内容情報が保存されている状態(換言すると、第1の応答が利用者に提示された後の状態)において、依頼先エージェント機能部301A以外のいずれかのエージェント機能部を新たな依頼先として指定する第2の指定情報を含む所定の音声コマンドが利用者により発話されたか否かを検出する。具体的には、依頼先検出部131Aは、非依頼先エージェント機能部302Aおよび301Bのいずれかを新たな依頼先として指定する第2の指定情報を含む所定の音声コマンドが利用者により発話されたか否かを検出する。
【0173】
依頼先検出部131Aは、第2の指定情報を含む所定の音声コマンドを検出した場合には、保存している依頼内容情報に基づいて、新依頼先エージェント機能部301Bに対して第1の依頼に対する応答処理を実行させる。
【0174】
この結果、応答取得部132は、依頼先検出部131Bによる制御に応じて、新依頼先エージェント機能部301Bが第1の依頼に対する応答処理を行った結果を示す応答情報を新依頼先エージェント機能部301Bから取得する。
【0175】
提示制御部134は、新依頼先エージェント機能部301の応答情報に基づく応答である新依頼先応答(第2の応答)を、第1の依頼に対する応答として利用者に提示させる。
【0176】
〔3.処理手順〕
続いて、
図7および
図8を用いて、第2の実施形態、およびその変形例に係る情報処理の手順について説明する。
図7では、応答情報が保存される場合(第2の実施形態)における情報処理手順を説明する。一方、
図8では、依頼内容情報が保存される場合(第2の実施形態の変形例)における情報処理手順を説明する。
【0177】
また、
図7および
図8では、車両VE1(車両VExの一例)に備えられている車載装置である情報処理装置100Aをメインのエージェントとして、車両VE1の利用者U1がサブのエージェントとしてスマートフォンである情報処理装置100BをシステムM11に追加している場面を例に情報処理手順を説明する。
【0178】
また、
図7および
図8の例では、情報処理装置100Aが有するエージェント機能部301Aをその名称を用いて「エージェントNA1」と表記する。また、情報処理装置100Aが有するエージェント機能部302Aをその名称を用いて「エージェントNA2」と表記する。また、情報処理装置100Bが有するエージェント機能部301Bをその名称を用いて「エージェントNA3」と表記する。
【0179】
また、
図7および
図8の例では、第1の指定情報を「第1のWW」と表記する。このようなことから、
図7および
図8の例では、「NA1」、「NA2」および「NA3」の3つのウエイクワードが第1のWWとして予め登録されているものとする。第1のWWは、例えば、利用者U1によって情報処理装置100Aおよび100Bの双方に対して登録されてよい。
【0180】
また、
図7および
図8の例では、第2の指定情報を「第2のWW」と表記する。このようなことから、
図7および
図8の例では、「NA1」、「NA2」および「NA3」の3つのウエイクワードが第2のWWとして予め登録されているものとする。第2のWWは、例えば、利用者U1によって情報処理装置100Aおよび100Bの双方に対して登録されてよい。
【0181】
〔3-1.処理手順(1)〕
まずは、
図7について説明する。
図7は、第2の実施形態に係る情報処理手順を示すフローチャート(1)である。
【0182】
図7に示すように、第2の実施形態に係る情報処理(応答情報が保存されるパターン)では、一部が第1の実施形態に係る情報処理に共通する。この共通する部分が、
図7のステップS401~S404に対応する。ステップS401~S404については、
図4で説明した通りであるため、
図7での説明を省略する。そして、
図7に示す第2の実施形態に係る情報処理は、
図4のステップS404に続いて行われてよいものである。
【0183】
ステップS404の時点で、応答取得部132は、第1のWW「NA1」により依頼先とされた依頼先エージェントNA1に対応する応答情報をエージェントNA1から取得している。また、応答取得部132は、第1のWW「NA1」により依頼先とされなかった非依頼先エージェントNA2に対応する応答情報をエージェントNA2から取得している。また、応答取得部132は、第1のWW「NA1」により依頼先とされなかった非依頼先エージェントNA3に対応する応答情報をエージェントNA2から取得している。
【0184】
このような状態において、提示制御部134は、依頼先エージェントNA1の応答情報以外の応答情報(非依頼先エージェントNA2およびNA3それぞれの応答情報)については記憶部120において保存しておく(ステップS705)。
【0185】
そして、提示制御部134は、依頼先エージェントNA1の応答情報に基づく応答である依頼先応答を出力させる(ステップS706)。
【0186】
依頼先検出部131Aは、ステップS706の出力制御が行われてから所定期間(例えば、10秒程度)が経過するまでの間に、依頼先エージェントNA1以外のいずれかのエージェントを新たな依頼先として指定する第2のWWを含む音声コマンドが利用者U1により発話されたか否かを検出する(ステップS707)。具体的には、依頼先検出部131Aは、非依頼先エージェントNA2およびNA3のいずれかを新たな依頼先として指定する第2のWW(「「NA2」または「NA3」)を含む音声コマンドが利用者U1により発話されたか否かを検出する。
【0187】
依頼先検出部131Aは、所定期間が経過するまでの間に、第2のWWを含む音声コマンドを検出できなかった場合には(ステップS707;No)、この時点で処理を終了し、ステップS401へと処理を戻してよい。
【0188】
一方、提示制御部134は、所定期間が経過するまでの間に、第2のWWを含む音声コマンドが検出された場合には(ステップS707;Yes)、記憶部120に保存されている応答情報のうち、第2のWWにより第1の依頼VR1の新たな依頼先として指定される新依頼先エージェントの応答情報を取得する(ステップS708)。
【0189】
ここで、
図7には、利用者によって「エージェントNA3、同じ質問」という音声が入力された例が示される。係る例では、依頼先検出部131Aは、ステップS707において、第2のWW「NA3」と、フレーズ「同じ質問」とで構成される音声コマンドを検出することができる。また、この結果、依頼先検出部131Aは、第1の依頼VR1に対する新たな依頼先として、エージェントNA3を認識することができる。また、依頼先検出部131Aは、第1の依頼VR1の依頼先が、エージェントNA1からNA3へと変更された旨を提示制御部134に通知してよい。以降の処理手順では、係る例を用いて説明してゆく。
【0190】
そうすると、提示制御部134は、ステップS708において、第2のWWにより新たな依頼先とされた新依頼先エージェントNA3の応答情報を、記憶部120に保存されている応答情報の中から取得する。
【0191】
そして、提示制御部134は、新依頼先エージェントNA3の応答情報に基づく応答である新依頼先応答を第1の依頼VR1に対する応答として出力させる(ステップS709)。
【0192】
例えば、音声生成部135は、提示制御部134による制御に応じて、音声を合成し、合成した音声を、情報処理装置100A側のスピーカー12から出力させる。
【0193】
例えば、新依頼先エージェントNA3の応答情報が、第1の依頼VR1「明日の天気を調査」に対する適切な回答を示すものであれば、音声生成部135は、新依頼先応答「明日の天気は雨のち曇りです。」が男性の声V3で読み上げられるような音声をスピーカー12から出力させることができる。
【0194】
一方、新依頼先エージェントNA3の応答情報が、第1の依頼VR1「明日の天気を調査」に対応不可能なものであれば、音声生成部135は、新依頼先応答として「私は対応できません。」が男性の声V3で読み上げられるような音声をスピーカー12から出力させることができる。
【0195】
ここまで、
図7を用いて、第2の実施形態に係る情報処理手順を説明した。このような手順によれば、依頼先エージェントだけでなく、非依頼先エージェントも並行して応答処理を行うことで、各エージェントの応答情報が予め保存されることになる。このような場合、第2のWWが検出されると、第2のWWに対応するエージェントに応答処理を行わせることなく、第2のWWに対応するエージェントの応答を出力させることができるため、応答までの時間を短縮することができるようになる。
【0196】
また、
図7に示す情報処理手順によれば、利用者U1は、エージェントNA1からの回答に満足できなかったとしても、音声依頼を再度入力することなく第2のWWを用いるだけで、第2のWWに対応するエージェントによる回答を得ることができるようになる。
【0197】
〔3-2.処理手順(2)〕
次に、
図8について説明する。
図8は、第2の実施形態に係る情報処理手順を示すフローチャート(2)である。
【0198】
図8に示すように、第2の実施形態の変形例に係る情報処理(依頼内容情報が保存されるパターン)では、一部が第1の実施形態に係る情報処理に共通する。この共通する部分が、
図7のステップS401およびS402に対応する。ステップS401およびS402については、
図4で説明した通りであるため、
図8での説明を省略する。そして、
図8に示す第2の実施形態に係る情報処理は、
図4のステップS402に続いて行われてよいものである。
【0199】
まず、ステップS402が行われた時点で、
図8の例によれば、依頼先検出部131Aは、第1のWW「NA1」により、第1の依頼VR1の依頼先として、エージェントNA1を認識している。
【0200】
このような状態において、依頼先検出部131Aは、第1の依頼VR1の内容を示す依頼内容情報を記憶部120に保存しておく(ステップS803)。
【0201】
また、依頼先検出部131Aは、第1の依頼VR1に対する応答処理を依頼先エージェントNA1に対して実行させる(ステップS804)。一方、依頼先検出部131Aは、非依頼先エージェントNA2に対しては第1の依頼VR1に対する応答処理を行わせない。また、依頼先検出部131Bは、非依頼先エージェントNA3に対して第1の依頼VR1に対する応答処理を行わせない。
図7の例では、依頼先エージェントNA1だけでなく、非依頼先エージェントNA2およびNA3も応答処理を行っていた点で異なる。
【0202】
応答取得部132は、依頼先検出部131Aによる制御に応じて、依頼先エージェントNA1が第1の依頼VR1に対する応答処理を行った結果を示す応答情報をエージェントNA1から取得する(ステップS805)。
【0203】
そして、提示制御部134は、依頼先エージェントNA1の応答情報に基づく応答である依頼先応答を出力させる(ステップS806)。
【0204】
依頼先検出部131Aは、ステップS806の出力制御が行われてから所定期間(例えば、10秒程度)が経過するまでの間に、依頼先エージェントNA1以外のいずれかのエージェントを新たな依頼先として指定する第2のWWを含む音声コマンドが利用U1者により発話されたか否かを検出する(ステップS807)。具体的には、依頼先検出部131Aは、非依頼先エージェントNA2およびNA3のいずれかを新たな依頼先として指定する第2のWW(「「NA2」または「NA3」)を含む音声コマンドが利用者U1により発話されたか否かを検出する。
【0205】
依頼先検出部131Aは、所定期間が経過するまでの間に、第2のWWを含む音声コマンドを検出できなかった場合には(ステップS807;No)、この時点で処理を終了し、ステップS401へと処理を戻してよい。
【0206】
一方、依頼先検出部131Aは、所定期間が経過するまでの間に、第2のWWを含む音声コマンドを検出した場合には(ステップS807;Yes)、保存している依頼内容情報に基づいて、第2のWWにより第1の依頼VR1の新たな依頼先として指定される新依頼先エージェントに対して第1の依頼VR1に対する応答処理を実行させる(ステップS808)。
【0207】
ここで、
図8には、利用者によって「エージェントNA3、同じ質問」という音声が入力された例が示される。係る例では、依頼先検出部131Aは、ステップS807において、第2のWW「NA3」と、フレーズ「同じ質問」とで構成される音声コマンドを検出することができる。また、この結果、依頼先検出部131Aは、第1の依頼VR1に対する新たな依頼先として、エージェントNA3を認識することができる。以降の処理手順では、係る例を用いて説明してゆく。
【0208】
そうすると、依頼先検出部131Aは、ステップS808において、第2のWWにより新たな依頼先とされた新依頼先エージェントNA3に対して第1の依頼VR1に対する応答処理を実行させる。
【0209】
応答取得部132は、依頼先検出部131Aによる制御に応じて、新依頼先エージェントNA3が第1の依頼VR1に対する応答処理を行った結果を示す応答情報をエージェントNA3から取得する(ステップS809)。
【0210】
そして、提示制御部134は、新依頼先エージェントNA3の応答情報に基づく応答である依頼先応答を第1の依頼VR1に対する応答として出力させる(ステップS810)。
【0211】
ここまで、
図8を用いて、第2の実施形態に係る情報処理手順を説明した。このような手順によれば、第2のWWが検出されると、第2のWWに対応するエージェントのみに応答処理を行わせるため、効果的にリソースを確保することができるようになる。
【0212】
また、
図8に示す情報処理手順によれば、利用者U1は、エージェントNA1からの回答に満足できなかったとしても、音声依頼を再度入力することなく第2のWWを用いるだけで、第2のWWに対応するエージェントによる回答を得ることができるようになる。
【0213】
<その他>
〔1.ハードウェア構成〕
また、上述してきた情報処理装置100(例えば、情報処理装置100A、100B)は、例えば、
図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図9は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0214】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0215】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0216】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイ等の出力装置、及び、キーボード等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0217】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0218】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130(例えば、制御部130A、130B)の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0219】
〔2.その他〕
また、上記各実施形態において説明した処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0220】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0221】
また、上記各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0222】
<まとめ>
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0223】
1 情報処理システム
30 アプリ群
100 情報処理装置
120 記憶部
130 制御部
131 依頼先検出部
132 応答取得部
133 判定部
134 提示制御部
135 音声生成部
300 エージェント装置