(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102743
(43)【公開日】2023-07-25
(54)【発明の名称】ロック機構、および、電子装置
(51)【国際特許分類】
H05K 5/03 20060101AFI20230718BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20230718BHJP
H01G 11/78 20130101ALI20230718BHJP
H05K 5/06 20060101ALI20230718BHJP
E05B 65/52 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
H05K5/03 D
H01M50/271 B
H01G11/78
H05K5/06 B
E05B65/52 P
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118574
(22)【出願日】2022-07-26
(31)【優先権主張番号】202210030465.6
(32)【優先日】2022-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】596039187
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DELTA ELECTRONICS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 丁綬
(72)【発明者】
【氏名】林 鴻銓
【テーマコード(参考)】
4E360
5E078
5H040
【Fターム(参考)】
4E360AB12
4E360AB17
4E360AB32
4E360BA04
4E360BB12
4E360BB19
4E360BB22
4E360BC03
4E360BD05
4E360CA02
4E360EA11
4E360EA18
4E360EA24
4E360EC04
4E360EC11
4E360EC14
4E360ED13
4E360ED16
4E360ED17
4E360FA02
4E360FA12
4E360GA02
4E360GA14
4E360GA42
4E360GB95
4E360GB99
5E078AA11
5E078AB01
5E078HA21
5E078HA24
5H040AA14
5H040AS11
5H040CC06
5H040CC16
5H040CC18
5H040CC49
5H040CC53
5H040NN01
(57)【要約】
【課題】ロック機構、および、電子装置を提供する。
【解決手段】第一ハウジングと第二ハウジングを接続するロックデバイスが提供される。第一ハウジング、および、第二ハウジングは、第一方向に沿って配列される。ロック機構は、第一フック、第二フック、可動部材、および、駆動部材を有する。第一フック、および、第二フックは、第一ハウジングに固定されるとともに、それぞれ、第一係合槽、および、第二係合槽を有する。第一係合槽、および、第二係合槽は、第一方向に沿って配列される。可動部は、係合部を有する。駆動部材は、第二ハウジングと可動部材に接続され、且つ、可動部材は、第二ハウジングに相対して移動する。第一ハウジングが、ロック機構により、第二ハウジングに固定されるとき、係合部は、第一係合槽中に収容される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一ハウジングと第二ハウジングを接続するロック機構であって、前記第一ハウジング、および、前記第二ハウジングが、第一方向で配列されるとともに、前記ロック機構は、
前記第一ハウジングに固定されるとともに、第一係合槽を有する第一フックと、
前記第一ハウジングに固定されるとともに、第二係合槽を有し、前記第一係合槽、および、前記第二係合槽が、前記第一方向に沿って配列される第二フックと、
係合部を有する可動部材、および、
前記第二ハウジング、および、前記可動部材に接続されるとともに、前記可動部材を、前記第二ハウジングに相対して移動させ、前記第一ハウジングが、前記ロック機構により、前記第二ハウジングに固定されるとき、 前記係合部は、前記第一係合槽中に収容される駆動部材、
を有することを特徴とするロック機構。
【請求項2】
前記第一方向で、前記第一係合槽は、前記第一ハウジングと前記第二係合槽の間に設置されることを特徴とする請求項1に記載のロック機構。
【請求項3】
前記第一方向と垂直な第二方向で、前記第二係合槽の幅は、前記第一係合槽の前記幅に等しい、あるいは、それより大きいことを特徴とする請求項1に記載のロック機構。
【請求項4】
第三方向で、前記第二係合槽の長さは、前記第一係合槽の長さより大きく、前記第三方向は、前記第一方向、および、前記第二方向に垂直であることを特徴とする請求項3に記載のロック機構。
【請求項5】
前記第一方向で、前記第二係合槽の底部と前記第二フックの一端の間の距離は、前記第一係合槽の底部と前記第二係合槽の前記底部の間の前記距離より大きいことを特徴とする請求項1に記載のロック機構。
【請求項6】
前記第一フックの部分は、前記第二係合槽中に受け入れられることを特徴とする請求項1に記載のロック機構。
【請求項7】
前記第一フックと前記第二フックは、一体成型の方式で形成されることを特徴とする請求項1に記載のロック機構。
【請求項8】
前記第一ハウジングが、前記ロック機構により、前記第二ハウジングに固定されるとき、前記係合部は、前記第一フックと接触することを特徴とする請求項1に記載のロック機構。
【請求項9】
前記駆動部材であって、
作動部材と、
枢動可能に、前記可動部材と前記作動部材に接続される第一ヒンジ、および、
枢動可能に、前記第二ハウジングと前記作動部材に接続される第二ヒンジ、
を有することを特徴とする請求項1に記載のロック機構。
【請求項10】
前記第一ヒンジは、前記第二ヒンジと平行であることを特徴とする請求項9に記載のロック機構。
【請求項11】
前記第一ハウジングが、前記ロック機構により、前記第二ハウジングに固定されるとき、前記第一ヒンジは、第一位置にあり、前記第二ヒンジは、前記係合部と前記第一ヒンジの間に設置され、前記第一ヒンジが、前記第一位置から第二位置に、前記第二ヒンジの周りで移動する時、前記第一ヒンジが、前記係合部と前記第二ヒンジの間に設置されることを特徴とする請求項9に記載のロック機構。
【請求項12】
電子装置であって、
第一ハウジングと、
前記第一ハウジングに、取り外し可能な方式で接続され、前記第一ハウジングとともに、第一方向で配列される第二ハウジング、および、
ロック部材を有し、前記ロック部材は、
前記第一ハウジングに固定されるとともに、第一係合槽を有する第一フックと、
前記第一ハウジングに固定されるとともに、第二係合槽を有し、前記第一係合槽、および、前記第二係合槽が、前記第一方向に沿って配列される第二フックと、
係合部を有する可動部材、および、
前記第二ハウジングと前記可動部材に接続されるとともに、前記可動部材を、前記第二ハウジングに相対して移動させ、前記第一ハウジングが、前記ロック部材により、前記第二ハウジングに固定されるとき、前記係合部が、前記第一係合槽中に収容される駆動部材、
を有することを特徴とする電子装置。
【請求項13】
収容空間が、前記第一ハウジングと前記第二ハウジングの間に形成され、前記電子装置はさらに、前記収容空間中に収容される電子部材を有し、前記電子部材は、プリント回路板、キャパシタ、および/または、電力成分を有することを特徴とする請求項12に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロック機構に関するものであって、特に、二個のハウジングを接続するロック機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
技術の発展に伴い、各種電子機器、および、機械装置は、すでに、幅広く、工業、あるいは、日常生活中に用いられている。しかし、いくつかの電子機器、および/または、機械装置は、使用上、リスクがある。たとえば、装置は、故障した場合、爆発し、爆発による衝撃力は、電子機器、および、機械装置を受け入れるコンテナのハウジングに直撃し、このハウジングが飛び散る。この破片が人体に直撃する場合、身体的損傷を生じ、さらには、生命を脅かす。よって、上述の問題にどのように取り組むかが重要な課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、ロック機構を提供し、上述の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従来の製品の不足に取り組むため、本発明の一実施形態は、第一ハウジングと第二ハウジングを接続するロックデバイスを提供し、第一ハウジング、および、第二ハウジングは、第一方向に沿って配列される。ロック機構は、第一フック、第二フック、可動部材、および、駆動部材を有する。第一フック、および、第二フックは、第一ハウジングに固定されるとともに、それぞれ、第一係合槽、および、第二係合槽を有する。第一係合槽、および、第二係合槽は、第一方向に沿って配列される。可動部は、係合部を有する。駆動部材は、第二ハウジングと可動部材に接続され、且つ、可動部材は、第二ハウジングに相対して移動する。第一ハウジングが、ロック機構により、第二ハウジングに固定されるとき、係合部は、第一係合槽中に収容される。
【0005】
いくつかの実施形態において、第一方向で、 第一係合槽は、第一ハウジングと第二係合槽の間に設置される。
【0006】
いくつかの実施形態において、第一方向と垂直な第二方向で、第二係合槽の幅は、第一係合槽の幅に等しい、あるいは、それよりより大きい。いくつかの実施形態において、第三方向で、第二係合槽の長さは、第一係合槽の長さより大きく、第三方向は、第一方向と第二方向に垂直である。
【0007】
いくつかの実施形態において、第一方向で、第二係合槽の底部と第二フックの末端間の距離は、第一係合槽の底部と第二係合槽の底部間の距離より大きい。
【0008】
いくつかの実施形態において、第一フックの部分は、第二係合槽中に受け入れられる。
【0009】
いくつかの実施形態において、第一フックと第二フックは、一体成型の方式で形成される。
【0010】
いくつかの実施形態において、第一ハウジングが、ロック機構により、第二ハウジングに固定されるとき、係合部は、第一フックと接触する。
【0011】
いくつかの実施形態において、駆動部材は、作動部材、第一ヒンジ、および、第二ヒンジを有する。第一ヒンジは、枢動可能に、可動部材と作動部材に接続され、第二ヒンジは、枢動可能に、第二ハウジングと作動部材に接続される。第一ヒンジは、第二ヒンジに平行である。第一ハウジングが、ロック機構により、第二ハウジングに固定されるとき、第一ヒンジは、第一位置にあり、第二ヒンジは、係合部と第一ヒンジの間に設置される。第一ヒンジが、第一位置から第二位置に、第二ヒンジの周りで移動する時、第一ヒンジは、係合部と第二ヒンジの間に設置される。
【0012】
本発明の一実施形態はさらに、電子装置を提供し、電子装置は、第一ハウジング、第二ハウジング、および、上述のロック機構を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明のロック機構により、各種電子機器、および、機械装置の安全性が向上する。
【0014】
添付図面を参照し、後続の詳細な記述と例を読むことにより、本発明が十分に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態による電子装置を示す概略図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるロック機構の正面図である。
【
図4A】本発明の一実施形態による第一ヒンジが第一位置にあることを示す概略図である。
【
図4B】本発明の一実施形態による第一ヒンジが、第一位置から第二位置に移動することを示す概略図である。
【
図5A】本発明の一実施形態による第一フックが断裂したとき、係合部が第二係合槽中に収容されることを示す概略図である。
【
図5B】本発明の一実施形態による第一フックが断裂し、且つ、第一ハウジングが第二ハウジングに結合されることを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の電子装置、および、ロック機構の実施形態が、以下で詳細に討論される。しかし、理解できることは、実施形態は、多くの適当な発明概念を提供し、幅広く、様々な具体的状況の中で具体化される。説明される特定の実施形態は、単に、特定の方法で、実施形態を使用することを説明することを目的とするとともに、本発明の範囲を制限するものではない。
【0017】
特に定義されない限り、ここで用いられる全用語(技術、および、科学用語を含む)は、当業者により理解されるものと同じ意義を有する。さらに、通常用いられる辞典で定義される用語は、特に定義されない限り、従来の技術の文脈中のそれらの意義と一致する意味を有するものとして解釈され、且つ、理想化、あるいは、過度に正式に解釈されるべきではない。
【0018】
以下の開示は、多くの異なる実施形態、あるいは、例を提供して、提供される主題の異なる特徴を実施する。特定の例のコンポーネンツ、および、配置が以下で記載されて、本発明を簡潔にする。これらは、もちろん、単なる例であり、限定することを意図しない。たとえば、記載中の、第一特徴が第二特徴上に形成されるというのは、第一特徴、および、第二特徴が直接接触して形成される実施形態を有し、また、追加特徴が、第一特徴と第二特徴間に形成され、第一特徴、および、第二特徴が直接接触していない実施形態も有している。さらに、記述を容易にするために、空間的相対用語、たとえば、 “下” “下方” “下部” “上” “上方” “上部” 等が用いられて、図面中で説明される一素子、あるいは、特徴ともう一つの素子、あるいは、特徴間の関係を記述する。空間的相対用語は、図面中で示される方位に加えて、使用中、あるいは、操作中の装置の異なる方位を包含することを目的とする。装置は正しい方向に置かれ(90度、あるいは、その他の方位で回転)、且つ、ここで用いられる空間的相対記述子は同様に解釈される。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態による電子装置Cを示す概略図であり、
図2は、
図1の線A―Aに沿った断面図である。
図1、および、
図2に示されるように、電子装置Cは、第一ハウジング10、第二ハウジング20、少なくとも一つのロック機構30、および、少なくとも一つの電子部材40を有し、第一ハウジング10は、取り外し可能な方式で、第二ハウジング20に接続され、収容空間Sが、それらの間に形成される。電子部材40は、収容空間S中に収容される。たとえば、電子部材40は、バッテリー、変圧器、モーター、内燃エンジン、プリント回路基板、キャパシタ、および/または、電力成分 (たとえば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ (IGBT)、あるいは、金属酸化物半導体 (MOS)トランジスタを有するが、これらに制限されない)を有する。第一ハウジング10と第二ハウジング20が互いに結合されるとき、それらは、ロック機構30により互いに固定される。ロック機構30はさらに、収容空間中の電子機器と機械装置が故障し、且つ、爆発を発生したとき、第一ハウジング10、あるいは、第二ハウジング20が脱離するのを防止する。
【0020】
図3は、
図1のロック機構30の正面図である。
図1~
図3を参照すると、ロック機構30は、固定部材100、駆動部材200、および、可動部材300を有する。
【0021】
固定部材100は、第一ハウジング10に固定されるとともに、第一フック110、および、第二フック120を有する。第一フック110、および、第二フック120は、それぞれ、第一係合槽111、および、第二係合槽121を形成する。注意すべきことは、第一フック110と第二フック120が結合されるとき、それらは、第一ハウジング10と第二ハウジング20の配列方向に沿って配列されることである。よって、第一ハウジング10と第二ハウジング20が結合されるとき、それらは第一方向D1に沿って配列されるので、第一フック110と第二フック120は、第一方向D1に沿って配列される。これにより、第一係合槽111と第二係合槽121は、第一方向D1に沿って配列される。
【0022】
第一フック110と第二フック120は、第一ハウジング10から、下方に延伸し、第二フック120は、第一フック110よりさらに下方に延伸する。これにより、第一方向D1で、第一係合槽111は、第一ハウジング10と第二係合槽121の間に設置される。
【0023】
この実施形態中、第一方向D1と垂直な第二方向D2において、第二係合槽121の幅W2は、第一係合槽111の幅W1と等しいか、あるいは、それより大きい。第一方向D1と第二方向D2に垂直な第三方向D3で、第二係合槽121の長さL2は、第一係合槽111の長さL1より大きい。
【0024】
図2と
図3に示されるように、 この実施形態において、第二フック120の末端E2は上方に延伸して、第一フック110の末端E1と照準、あるいは、超過する。つまり、第一方向D1で、第二フック120の末端E2と第二係合槽121の底部B2間の距離は、第一係合槽111の底部B1と第二係合槽121の底部B2間の距離より大きい。さらに、窪み部分122が第二フック120上に形成され、第一フック110の末端E1は、この窪み部分122中に受け入れられる。よって、第一フック110の少なくとも一部が、第二係合槽121中に受け入れられる。
【0025】
この実施形態において、第一フック110と第二フック120は、単一プレートを有する固定部材100を切断、および/または、湾曲させることにより形成されるので、それらは、一体成型の方式で形成される。いくつかの実施形態において、第一フック110と第二フック120は、二個の分離した部材であり、且つ、それぞれ、第一ハウジング10に固定される。
【0026】
図1~
図3を参照すると、駆動部材200は、作動部材210、第一ヒンジ220、および、第二ヒンジ230を有し、可動部材300は、本体310、係合部320、および、ケース330を有する。第一ヒンジ220は、可動部材300のケース330を通過するとともに、枢動可能に、本体310と作動部材210に接続される。第一ヒンジ220と第二ヒンジ230は、互いに平行である。
【0027】
可動部材300の本体310は縦材である。本体310の一端は、枢動可能に、第一ヒンジ220に接続されるとともに、本体310のもう一端は、係合部320に接続される。この実施形態において、係合部320は円柱体である。係合部320の外観は制限されず、且つ、必要に応じて調整される。ケース330は、本体310をカバーして、本体310の外部オブジェクトからの衝撃、および、ダメージの発生を防止する。
【0028】
ロック機構30の作動方法が以下で説明される。
図4Aに示されるように、第一ハウジング10が、ロック機構30により、第二ハウジング20に固定されるとき、係合部320は、第一係合槽111中に収容されるとともに、第一フック110と接触し、第一ヒンジ220は、第一位置に位置し、第二ヒンジ230は、係合部320と第一ヒンジ220の間に設置される。
【0029】
図4Bに示されるように、ユーザーが、第二ハウジング20から第一ハウジング10を分離したい場合、作動部材210を引いて、第一ヒンジ220を、第一位置から第二位置に、第二ヒンジ230の周りで移動させる。この時、第一方向D1で、第一ヒンジ220は、係合部320と第二ヒンジ230間に設置されるので、係合部320が、第一係合槽111から釈放されるとともに、ユーザーは、第一ハウジング10と第二ハウジング20を分離することができる。
【0030】
ユーザーが、ロック機構30を用いて、第一ハウジング10と第二ハウジング20を固定したいとき、第一ハウジング10と第二ハウジング20を接続した後、作動部材210を押して、第一ヒンジ220を、第二位置から第一位置に、第二ヒンジ230の周りで移動させればよい(
図4A)。
【0031】
図5Aに示されるように、電子部材40 (たとえば、バッテリー、変圧器、モーター、内燃エンジン、プリント回路板、キャパシタ、および/または、電力成分 (たとえば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ (IGBT)、あるいは、金属酸化物半導体(MOS)トランジスタ))が故障、および、爆発したとき、生成されたガスは、第一フック110を断裂させる。第一ハウジング10は、生成されたガスのせいで、第二ハウジング20から離れるので、可動部材300の係合部320は、第二係合槽121に進入し、且つ、第二フック120と接触する。
【0032】
第二係合槽121の幅W2と長さL2が、第一係合槽111の幅W1と長さL1より大きいので、第二フック120は、第一フック110よりもさらに大きい圧力に耐えることができる。さらに、第一フック110が断裂し、且つ、第一ハウジング10がガスの作用を受けて移動する時、第一ハウジング10は、低位置にある第二フック120により留められて、ギャップGが、第一ハウジング10と第二ハウジング20中に形成される。ガスはゆっくりと、ギャップGから排出されるとともに、第一ハウジング10上の衝撃力が徐々に減少する。これにより、第一ハウジング10が、直接、第二ハウジング20から脱離するのを防止することができる。
【0033】
この実施形態中の第二フック120の末端E2は、上方に延伸して、第一フック110末端E1と照準する、あるいは、超過するとともに、第一フック110の部分が、第二係合槽121中に収容されるので、第一フック110が断裂時、係合部320は、直接、第二係合槽121に進入することができ、係合部320が第二係合槽121に進入しない状況が防止される。
【0034】
図5Bを参照すると、上述のガスの排出プロセスが終了する時、第一ハウジング10が、第二ハウジング20との接続状態に戻る。注意すべきことは、この実施形態の第二フック120の末端E2は、上方に延伸して、第一フック110の末端E1と照準する、あるいは、超過するので、係合部320は、依然として、第二係合槽121中に位置することである。ロック機構30は、第二ハウジング20に相対する第一方向D1、第二方向D2、および、第三方向D3で、第一ハウジング10の移動範囲を制限することができる。よって、第一フック110が断裂後、第一ハウジング10が、第二ハウジング20から脱離しないように確保する。
【0035】
さらに、電子部材40に電気的に接続される電源スイッチ (図示しない)が、電子装置Cの第一ハウジング10、あるいは、第二ハウジング20上に設置される。電源スイッチはさらに、電子装置Cから離れた特定の位置中に設置されるとともに、電子部材40に電気的に接続される。ガスの排出が終了し、ユーザーが、電子部材40を交換したいとき、ユーザーは、電源スイッチを起動して、電源をオフにするとともに、電子部材40の操作を停止し、その後、第一ハウジング10を開いて、電子部材40を交換し、漏電と関連する危険を回避する。
【0036】
総合すると、第一ハウジングと第二ハウジングを接続するロック機構が提供される。第一ハウジング、および、第二ハウジングは、第一方向に沿って配列される。ロック機構は、第一フック、第二フック、可動部材、および、駆動部材を有する。第一フック、および、第二フックは、第一ハウジングに固定され、且つ、それぞれ、第一係合槽、および、第二係合槽を有する。第一係合槽、および、第二係合槽は、第一方向に沿って配列される。可動部は、係合部を有する。駆動部材は、第二ハウジングと可動部材に接続され、且つ、可動部材は、第二ハウジングに相対して移動する。第一ハウジングが、ロック機構により、第二ハウジングに固定されるとき、係合部は、第一係合槽中に収容される。さらに、上述のロック機構を有する電子装置も提供される。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態、および、それらの長所が詳細に記述されているが、注意すべきことは、本発明の精神と範囲を逸脱しない限り、各種変化、置換、および、修正が可能であることである。たとえば、当業者なら理解できるように、ここで開示される多くの特徴、機能、プロセス、および、材料は、本発明の範囲内で変化する可能性がある。さらに、本発明の範囲は、明細書中で記述される特定の実施形態のプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、および、ステップに制限することを意図しない。当業者なら、本発明から分かるように、現行の、あるいは、将来発展するプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、あるいは、ステップは、ここで開示される対応する実施形態が、ほぼ同じ機能を実行する、あるいは、ほぼ同じ結果を達成すれば、本発明にしたがって用いることができる。したがって、本発明の保護範囲は、このようなプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、あるいは、ステップを有する。さらに、添付のクレームの範囲は、広義の解釈が認められるべきであり、このような修正、および、類似する配置すべてを包含する。
【0038】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の思想を脱しない範囲内で各種の変形を加えることができる。
【符号の説明】
【0039】
10…第一ハウジング
20…第二ハウジング
30…ロック機構
40…電子部材
100…固定部材
110…第一フック
111…第一係合槽
120…第二フック
121…第二係合槽
122…窪み部分
200…駆動部材
210…作動部材
220…第一ヒンジ
230…第二ヒンジ
300…可動部材
310…本体
320…係合部
330…ケース
B1…第一係合槽の底部
B2…第二係合槽の底部
C…電子裝置
D1…第一方向
D2…第二方向
D3…第三方向
E1…第一フックの末端
E2…第二フックの末端
G…ギャップ
L1…長さ
L2…長さ
S…収容空間
W1…幅
W2…幅