(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102748
(43)【公開日】2023-07-25
(54)【発明の名称】液体熱電変換素子、電気化学ゼーベック係数の制御方法
(51)【国際特許分類】
H10N 10/855 20230101AFI20230718BHJP
H02N 11/00 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
H01L35/22
H02N11/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143805
(22)【出願日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】P 2022002883
(32)【優先日】2022-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】504171134
【氏名又は名称】国立大学法人 筑波大学
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100181722
【弁理士】
【氏名又は名称】春田 洋孝
(72)【発明者】
【氏名】守友 浩
(57)【要約】
【課題】小さな熱流によって、正極と負極に大きな温度差が生じ、高い起電力が得られる液体熱電変換素子、前記液体熱電変換素子の電気化学ゼーベック係数の制御方法を提供する。
【解決手段】第1の電極21と、第2の電極22と、第1の電極21と第2の電極22の間に介在する電解液30と、を備え、電解液30は、有機溶媒と、酸化イオンおよび還元イオンと、を含む、液体熱電変換素子10。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極の間に介在する電解液と、を備え、
前記電解液は、有機溶媒と、酸化イオンおよび還元イオンと、を含み、
前記電解液の熱伝導度は、水の熱伝導度未満である、液体熱電変換素子。
【請求項2】
第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極の間に介在する電解液と、を備え、
前記電解液は、混合溶媒と、酸化イオンおよび還元イオンと、を含み、
前記混合溶媒は、水と少なくとも1種の有機溶媒、または少なくとも異なる2種の有機溶媒を含み、
前記電解液の熱伝導度は、水の熱伝導度未満である、液体熱電変換素子。
【請求項3】
前記有機溶媒は、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブテン、2-ブテン、イソブテン、エチレングリコール、グリセリン、アセトン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネート、テトラヒドロフラン、アセトニトリルおよび酢酸エチルからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の液体熱電変換素子。
【請求項4】
前記電解液の電気化学ゼーベック係数は、1.23mV/K以上3.60mV/K以下である、請求項1または2に記載の液体熱電変換素子。
【請求項5】
請求項1に記載の液体熱電変換素子の電気化学ゼーベック係数の制御方法であって、
前記有機溶媒としてアルコールを用い、前記電解液に水を添加して、前記電解液に含まれる前記酸化イオンおよび前記還元イオンに、水または水酸化物イオンを配位させて、前記電解液の電気化学ゼーベック係数を制御する、電気化学ゼーベック係数の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体熱電変換素子、電気化学ゼーベック係数の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱発電セルは、環境中の温度差を電気エネルギーに変換するエネルギーハーベスト技術の1つである。熱発電セルの性能は、電気化学ゼーベック係数(S)、溶液の電気伝導度(σ)、溶液の熱伝導度(k)で支配されている。従来、電解液に水溶液を用いた熱発電セル(液体熱電変換素子)が精力的に研究されてきた(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
熱発電セルの性能は、性能指数(ZT=S2σT/k)で評価される。このパラメータは、熱効率(発生した電力/デバイスに流れた熱発電セル)を決める。熱発電セルの温度差を支配するパラメータは熱伝導度(k)である。熱伝導度(k)が大きな熱発電セルでは、温度差を印加するには巨大な熱量が必要となる。一方、熱伝導度(k)が小さな熱発電セルでは、環境熱で容易に温度差を得ることができる。
【0004】
温度の異なる高温側電極および低温側電極間に、酸化還元電位が温度によって変化するレドックス対系電解質およびそれを溶解させるための溶媒を有する温度差電池において、レドックス対イオンとして[Fe(CN)6]3-および[Fe(CN)6]4-が用いられ、溶媒として水が用いられることが知られている。また、レドックス対系電解質としてFeBr2、FeBr3またはCuBr、CuBr2が用いられ、溶媒としてベンゾニトリルが用いられることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
温度の異なる高温電極および低温電極間に、酸化還元電位が温度によって変化するレドックス対系電解質およびそれを溶解させるための溶媒を有する温度差電池において、レドックス対系電解質を構成する陽イオンがレドックス対イオンで、その対イオンである陰イオンがBrであり、電極の材料に挿入元素がBrである黒鉛層間化合物を用いることが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
レドックス対と、レドックス対の一方のみを選択的に低温で捕捉し、かつ、高温で放出する捕捉化合物と、イオン性電解質と、第1電極と、第2電極と、を備え、レドックス対が酸化剤活性種と還元剤活性種とからなり、イオン性溶解質が水と有機溶媒とを含む水系溶媒または水からなる熱電変換装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6-176800号公報
【特許文献2】特開平6-251809号公報
【特許文献3】国際公開第2017/155046号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Dai Inoue,Hideharu Niwa,Hiroaki Nitani,and Yutaka Moritomo,Scaling Relation between Electrochemical Seebeck Coefficient for Fe2+/Fe3+ in Organic Solvent and Its Viscosity,Journal of The Physical Society of Japan.90,033602(2021)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来、電解液として水溶液を用いた熱発電セルが精力的に研究されてきた。水溶液の熱伝導度(k)は0.6W/mKであり、液体の中では比較的高い値を示している。そのため、水溶液を用いた熱発電セルは、小さな熱流では、電極間の温度差を大きくすることができない。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、小さな熱流によって、正極と負極に大きな温度差が生じ、高い起電力が得られる液体熱電変換素子、前記液体熱電変換素子の電気化学ゼーベック係数の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は以下の態様を有する。
[1]第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極の間に介在する電解液と、を備え、
前記電解液は、有機溶媒と、酸化イオンおよび還元イオンと、を含み、
前記電解液の熱伝導度は、水の熱伝導度未満である、液体熱電変換素子。
[2]第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極の間に介在する電解液と、を備え、前記電解液は、混合溶媒と、酸化イオンおよび還元イオンと、を含み、
前記混合溶媒は、水と少なくとも1種の有機溶媒、または少なくとも異なる2種の有機溶媒を含み、
前記電解液の熱伝導度は、水の熱伝導度未満である、液体熱電変換素子。
[3]前記有機溶媒は、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブテン、2-ブテン、イソブテン、エチレングリコール、グリセリン、アセトン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネート、テトラヒドロフラン、アセトニトリルおよび酢酸エチルからなる群から選択される少なくとも1種である、[1]または[2]に記載の液体熱電変換素子。
[4]前記電解液の電気化学ゼーベック係数は、1.23mV/K以上3.60mV/K以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の液体熱電変換素子。
[5][1]~[4]のいずれかに記載の液体熱電変換素子の電気化学ゼーベック係数の制御方法であって、
前記有機溶媒としてアルコールを用い、前記電解液に水を添加して、前記電解液に含まれる前記酸化イオンおよび前記還元イオンに、水または水酸化物イオンを配位させて、前記電解液の電気化学ゼーベック係数を制御する、電気化学ゼーベック係数の制御方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、小さな熱流によって、正極と負極に大きな温度差が生じ、高い起電力が得られる液体熱電変換素子、前記液体熱電変換素子の電気化学ゼーベック係数の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る液体熱電変換素子を示す模式図である。
【
図2】実施例1において、正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示す図である。
【
図3】実施例1において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図4】実施例2において、正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示す図である。
【
図5】実施例2において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図6】実施例3において、正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示す図である。
【
図7】実施例3において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図8】実施例4において、正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示す図である。
【
図9】実施例4において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図10】比較例1において、正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示す図である。
【
図11】比較例1において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図12】実施例6において、正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示す図である。
【
図13】実施例6において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図14】実施例10において、正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示す図である。
【
図15】実施例10において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図16】実施例11において、正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示す図である。
【
図17】実施例11において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図18】実施例12において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図19】実施例13において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図20】実施例14において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図21】実施例15において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図22】実施例16において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図23】実施例17において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図24】実施例18において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図25】実施例19において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図26】実施例20において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図27】実施例21において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図28】実施例1-9、実施例12-21、比較例1-4において、還元イオンおよび酸化イオンの濃度と電解液の電気化学ゼーベック係数の関係を示す図である。
【
図29】実施例1-9、実施例12-21、比較例1-4において、還元イオンおよび酸化イオンの濃度と電解液の電気伝導率の関係を示す図である。
【
図30】実施例1-9、実施例12-21、比較例1-4において、還元イオンおよび酸化イオンの濃度と電解液のパワーファクターの関係を示す図である。
【
図31】実施例1-9、実施例12-21、比較例1-4において、還元イオンおよび酸化イオンの濃度と電解液の無次元性能指数の関係を示す図である。
【
図32】実施例22において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図33】実施例23において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図34】実施例24において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図35】実施例25において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図36】実施例26において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図37】実施例27において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図38】実施例28において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図39】実施例29において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図40】実施例30において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図41】実施例31において、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを示す図である。
【
図42】実施例22-31において、還元イオンおよび酸化イオンの濃度と電解液の電気化学ゼーベック係数の関係を示す図である。
【
図43】実施例22-31において、還元イオンおよび酸化イオンの濃度と電解液の電気伝導率の関係を示す図である。
【
図44】実施例22-31において、還元イオンおよび酸化イオンの濃度と電解液のパワーファクターの関係を示す図である。
【
図45】実施例22-31において、還元イオンおよび酸化イオンの濃度と電解液の無次元性能指数の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の液体熱電変換素子、前記液体熱電変換素子の電気化学ゼーベック係数の制御方法の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0015】
[熱発電セル]
以下、本発明の一実施形態に係る液体熱電変換素子について、図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態の液体熱電変換素子を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態の液体熱電変換素子10は、第1の電極21と、第2の電極22と、電解液30と、を備える。本実施形態の液体熱電変換素子10は、電解液30を、第1の電極21と第2の電極22で挟んでいる。言い換えれば、第1の電極21と第2の電極22は、電解液30を介して対向している。また、液体熱電変換素子10は、第1の電極21、第2の電極22および電解液30を収容する容器(筐体)40を有していてもよい。容器40を設けることにより、電解液30が漏れないように液体熱電変換素子10全体をシールすることができる。
【0016】
「第1の電極、第2の電極」
第1の電極21および第2の電極22は、特に限定されないが、例えば、炭素系電極、金属電極等が挙げられる。
炭素系電極としては、例えば、グラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレン等から構成される電極が挙げられる。
金属電極としては、例えば、金、白金、銀等から構成される電極が挙げられる。
【0017】
第1の電極21と第2の電極22の距離(間隔)は、5mm以上50mm以下であることが好ましく、7mm以上40mm以下であることがより好ましく、10mm以上30mm以下であることがさらに好ましい。第1の電極21と第2の電極22の距離が前記下限値以上であると、液体熱電変換素子10は起電力を生じやすい。第1の電極21と第2の電極22の距離が前記下限値以上であると、第1の電極21と第2の電極22の間に電流が流れやすく、小さな熱流でも起電力が生じる。
【0018】
「電解液」
電解液30としては、有機溶媒と、酸化イオンおよび還元イオンと、を含む電解液が用いられる。すなわち、電解液30は、酸化イオンおよび還元イオンを有機溶媒に溶解してなるものである。また、電解液30は、混合溶媒と、酸化イオンおよび還元イオンと、を含み、混合溶媒は、水と少なくとも1種の有機溶媒、または少なくとも異なる2種の有機溶媒を含むものであってもよい。
【0019】
電解液30の熱伝導度は、水の熱伝導度未満であることが好ましい。
有機溶媒としては、熱伝導度が水の熱伝導度(0.602W/mK(20℃))未満であるものであれば、特に限定されないが、例えば、メタノール(0.212W/mK)、エタノール(0.183W/mK)、1-プロパノール(0.161W/mK)、2-プロパノール、1-ブテン(0.167W/mK)、2-ブテン、イソブテン(0.134W/mK)、エチレングリコール(0.243W/mK)、グリセリン(0.143W/mK)、アセトン(0.18W/mK)、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネート、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル(0.137W/mK)等が挙げられる。これらの有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0020】
電解液30の電気化学ゼーベック係数は、1.23mV/K以上3.60mV/K以下であることが好ましい。
有機溶媒としては、電気化学ゼーベック係数が1.23mV/K以上3.60mV/K以下のものが好ましい。電気化学ゼーベック係数が1.23mV/K以上3.60mV/K以下の有機溶媒としては、例えば、1-プロパノール(1.24mV/K)、1-ブテン(1.34mV/K)、アセトン(3.60mV/K)、N,N-ジメチルホルムアミド(1.35mV/K)、N-メチル-2-ピロリドン(1.39mV/K)、ジメチルスルホキシド(1.23mV/K)、プロピレンカーボネート(1.78mV/K)、テトラヒドロフラン(2.70mV/K)、アセトニトリル(2.16mV/K)、酢酸エチル(2.57mV/K)等が挙げられる。これらの有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0021】
電解液30は、塩化ナトリウム(NaCl)等の添加剤を含んでいてもよい。
【0022】
「酸化イオン、還元イオン」
酸化イオンとしては、上記有機溶媒に溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、酸化鉄(III)(Fe3+)、シアノ鉄(III)([Fe(CN)6]3-)等が挙げられる。具体的には、酸化イオンを含む塩が用いられ、例えば、過塩素酸鉄(III)(Fe(ClO4)3)、シアノ鉄(III)ナトリウム(Na3[Fe(CN)6])等が挙げられる。
還元イオンとしては、上記有機溶媒に溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、酸化鉄(II)(Fe2+)、シアノ鉄(II)([Fe(CN)6]4-)等が挙げられる。具体的には、還元イオンを含む塩が用いられ、例えば、過塩素酸鉄(II)(Fe(ClO4)2)、シアノ鉄(II)ナトリウム(Na4[Fe(CN)6])等が挙げられる。
【0023】
電解液30における酸化イオンまたは還元イオンの濃度は、特に限定されないが、有機溶媒に対するそれぞれのイオンの溶解度が濃度の上限である。
また、電解液30における酸化イオンの濃度と電解液30における還元イオンの濃度とは等しくてもよく、異なっていてもよい。
【0024】
また、
図1には、液体熱電変換素子10が、第1の電極21、第2の電極22および電解液30を有する1つのユニットから構成されている場合を例示したが、本実施形態はこれに限定されない。本発明の液体熱電変換素子は、複数のユニットを有し、それぞれのユニットが直列に接続されたものであってもよい。直列とは、あるユニットの負極とその隣のユニットの正極を接続するものである。
【0025】
本実施形態の液体熱電変換素子10によれば、第1の電極21と、第2の電極22と、第1の電極21と第2の電極22の間に介在する電解液30と、を備え、電解液30は、有機溶媒と、酸化イオンおよび還元イオンと、を含み、電解液30の熱伝導度は、水の熱伝導度未満であるため、小さな熱流によって、第1の電極21と第2の電極22に大きな温度差が生じ、高い起電力が得られる。
【0026】
本実施形態の液体熱電変換素子10では、電解液30に水よりも熱伝導度が低い有機溶媒を用いることにより、小さな熱流によって、第1の電極21と第2の電極22の間に温度差を設けることができる。その結果、液体熱電変換素子10から高い起電力が得られる。液体熱電変換素子10から得られる起電力は高く、質がよい。例えば、液体熱電変換素子10から100mV程度の起電力が発生すれば、20~30個のユニットを直列に接続することにより、半導体を駆動することができる。また、本実施形態の液体熱電変換素子10は、電解液30に水よりも熱伝導度が低い有機溶媒を用いることにより、有機溶媒の高い電気化学ゼーベック係数と低い熱伝導度を反映して、同じ環境熱の条件で、水溶液を用いた場合よりも高い起電力が得られる。また、例えば、液体熱電変換素子10から20mV程度の起電力が発生すれば、その起電力を既存の昇圧回路で数Vまで昇圧して、半導体を駆動することができる。
【0027】
本実施形態の液体熱電変換素子10は、人体の表面等の小さな熱流から、高い起電力を得ることができる。例えば、液体熱電変換素子10の第1の電極21を人体の表面に接触させて、人体の熱(体温)によって第1の電極21を加温する。一方、液体熱電変換素子10の第2の電極22を人体の表面とは反対側に配置して、人体の熱によって第2の電極22を加温しないようにする。これにより、第1の電極21と第2の電極22の間に温度差を設けて、液体熱電変換素子10から起電力を得る。このように、液体熱電変換素子10は、人体の熱を利用して起電力を得ることができるため、ウェアラブルIoT機器等の電源として利用することができる。
【0028】
また、液体熱電変換素子10は、第1の電極21と第2の電極22の間に温度差を設けることができれば、人体の熱以外の環境温度を用いることができる。
【0029】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0030】
[電気化学ゼーベック係数の制御方法]
本発明の一実施形態に係る電気化学ゼーベック係数の制御方法は、上述の実施形態の液体熱電変換素子の電気化学ゼーベック係数の制御方法であって、前記有機溶媒としてアルコールを用い、前記電解液に水を添加して、前記電解液に含まれる前記酸化イオンおよび前記還元イオンに、水または水酸化物イオンを配位させて、前記電解液の電気化学ゼーベック係数を制御する方法である。
【0031】
電解液に対する水の添加量は、特に限定されず、目的とする電気化学ゼーベック係数に応じて適宜調整する。
【0032】
電解液への水の添加方法は、特に限定されないが、例えば、電解液に所定量の水を滴下する方法、上記酸化イオンや上記還元イオンの起源となる溶質に含まれる水を用いる方法等が挙げられる。
電解液に所定量の水を滴下する方法では、水の添加量(濃度)に伴って、電気化学ゼーベック係数が変化する。詳細には、水の添加量が増加するに伴って、電気化学ゼーベック係数が大きくなり、極大値を取って、その後、減少する。
上記溶質に含まれる水を用いる方法では、溶質の添加量(濃度)に伴って、電気化学ゼーベック係数が変化する。詳細には、溶質の添加量が増加するに伴って、電気化学ゼーベック係数が大きくなり、極大値を取って、その後、減少する。
【0033】
本実施形態の電気化学ゼーベック係数の制御方法では、有機溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコールが好ましい。
【0034】
本実施形態の電気化学ゼーベック係数の制御方法では、電解液に水を添加することにより、電解液に含まれる酸化イオンおよび還元イオンに水または水酸化物イオンを配位させることにより、電解液の電気化学ゼーベック係数を制御することができる。また、電解液に含まれる有機溶媒として、アルコールを用いることにより、より多くの水または水酸化物イオンを酸化イオンおよび還元イオンに配位させることができる。電気化学ゼーベック係数は、通常、電解液における溶質の濃度が増加するに伴って減少する。本実施形態の電気化学ゼーベック係数の制御方法では、電解液に含まれる有機溶媒としてアルコールを用いることにより、電解液における溶質の濃度が増加するに伴って、電気化学ゼーベック係数が一旦、上昇し、極大値を取って、その後、減少する。従って、本実施形態の電気化学ゼーベック係数の制御方法では、電解液に水を添加することにより、電解液に含まれる酸化イオンおよび還元イオンによれば、電解液の電気化学ゼーベック係数を最大化することができる。
【0035】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【実施例0036】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0037】
[実施例1]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、1.0mol/LのFe(ClO
4)
2と1.0mol/LのFe(ClO
4)
3とを含むアセトンを用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。正極および負極に熱電対を装着して、正極および負極の温度を測定した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。結果を
図2に示す。
図2の正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた結果、1.97mV/Kであった。結果を
図28に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図3に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図3に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。その結果、電気伝導率は12.01mS/cmであった。結果を
図29に示す。
また、下記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図30に示す。
PF=α
2×σ (1)
さらに、下記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図31に示す。
ZT=α
2×σ×T/κ (2)
上記の式(2)において、Tは電解液の絶対温度、κは電解液の熱伝導率を表す。
【0038】
[実施例2]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.7mol/LのFe(ClO
4)
2と0.7mol/LのFe(ClO
4)
3とを含むアセトンを用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。正極および負極に熱電対を装着して、正極および負極の温度を測定した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。結果を
図4に示す。
図4の正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた結果、2.32mV/Kであった。結果を
図28に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図5に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図5に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。その結果、電気伝導率は15.10mS/cmであった。結果を
図29に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図30に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図31に示す。
【0039】
[実施例3]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.5mol/LのFe(ClO
4)
2と0.5mol/LのFe(ClO
4)
3とを含むアセトンを用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。正極および負極に熱電対を装着して、正極および負極の温度を測定した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。結果を
図6に示す。
図6の正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた結果、2.43mV/Kであった。結果を
図28に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図7に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図7に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。その結果、電気伝導率は14.58mS/cmであった。結果を
図29に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図30に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図31に示す。
【0040】
[実施例4]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.3mol/LのFe(ClO
4)
2と0.3mol/LのFe(ClO
4)
3とを含むアセトンを用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。正極および負極に熱電対を装着して、正極および負極の温度を測定した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。結果を
図8に示す。
図8の正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた結果、2.50mV/Kであった。結果を
図28に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図9に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図9に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。その結果、電気伝導率は13.36mS/cmであった。結果を
図29に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図30に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図31に示す。
【0041】
[実施例5]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.1mol/LのFe(ClO
4)
2と0.1mol/LのFe(ClO
4)
3とを含むアセトンを用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。正極および負極に熱電対を装着して、正極および負極の温度を測定した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図28に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図29に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図30に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図31に示す。
【0042】
[比較例1]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.5mol/LのFe(ClO
4)
2と0.5mol/LのFe(ClO
4)
3とを含む純水を用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。正極および負極に熱電対を装着して、正極および負極の温度を測定した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。結果を
図10に示す。
図10の正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた結果、1.557mV/Kであった。結果を
図28に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図11に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図11に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。その結果、電気伝導率は88.34mS/cmであった。結果を
図29に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図30に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図31に示す。
【0043】
[比較例2]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.7mol/LのFe(ClO
4)
2と0.7mol/LのFe(ClO
4)
3とを含む純水を用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。正極および負極に熱電対を装着して、正極および負極の温度を測定した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図28に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図29に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図30に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図31に示す。
【0044】
[比較例3]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.3mol/LのFe(ClO
4)
2と0.3mol/LのFe(ClO
4)
3とを含む純水を用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。正極および負極に熱電対を装着して、正極および負極の温度を測定した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図28に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図29に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図30に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図31に示す。
【0045】
[比較例4]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.1mol/LのFe(ClO
4)
2と0.1mol/LのFe(ClO
4)
3とを含む純水を用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。正極および負極に熱電対を装着して、正極および負極の温度を測定した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図28に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図29に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図30に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図31に示す。
【0046】
[実施例6]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.5mol/LのFe(ClO
4)
2と0.5mol/LのFe(ClO
4)
3とを含むアセトニトリルを用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。正極および負極に熱電対を装着して、正極および負極の温度を測定した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。結果を
図12に示す。
図12の正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた結果、2.14mV/Kであった。結果を
図28に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図13に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図13に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。その結果、電気伝導率は21.14mS/cmであった。結果を
図29に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図30に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図31に示す。
【0047】
[実施例7]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.7mol/LのFe(ClO
4)
2と0.7mol/LのFe(ClO
4)
3とを含むアセトニトリルを用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。正極および負極に熱電対を装着して、正極および負極の温度を測定した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図28に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図29に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図30に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図31に示す。
【0048】
[実施例8]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.3mol/LのFe(ClO
4)
2と0.3mol/LのFe(ClO
4)
3とを含むアセトニトリルを用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。正極および負極に熱電対を装着して、正極および負極の温度を測定した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図28に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図29に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図30に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図31に示す。
【0049】
[実施例9]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.1mol/LのFe(ClO
4)
2と0.1mol/LのFe(ClO
4)
3とを含むアセトニトリルを用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。正極および負極に熱電対を装着して、正極および負極の温度を測定した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図28に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図29に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図30に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図31に示す。
【0050】
[実施例10]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.5mol/LのFe(ClO
4)
2と0.5mol/LのFe(ClO
4)
3とを含むテトラヒドロフランを用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。正極および負極に熱電対を装着して、正極および負極の温度を測定した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。結果を
図14に示す。
図14の正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた結果、2.79mV/Kであった。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図15に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図15に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。その結果、電気伝導率は5.848mS/cmであった。
【0051】
[実施例11]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.5mol/LのFe(ClO
4)
2と0.5mol/LのFe(ClO
4)
3とを含む酢酸エチルを用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。正極および負極に熱電対を装着して、正極および負極の温度を測定した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。結果を
図16に示す。
図16の正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた結果、2.14mV/Kであった。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図17に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図17に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。その結果、電気伝導率は8.31mS/cmであった。
【0052】
[実施例12]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.1mol/LのFe(ClO
4)
2と0.1mol/LのFe(ClO
4)
3とを含むメタノールを用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図28に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図18に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図18に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図29に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図30に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図31に示す。
【0053】
[実施例13]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.3mol/LのFe(ClO
4)
2と0.3mol/LのFe(ClO
4)
3とを含むメタノールを用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図28に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図19に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図19に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図29に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図30に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図31に示す。
【0054】
[実施例14]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.5mol/LのFe(ClO
4)
2と0.5mol/LのFe(ClO
4)
3とを含むメタノールを用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図28に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図20に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図20に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図29に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図30に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図31に示す。
【0055】
[実施例15]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.7mol/LのFe(ClO
4)
2と0.7mol/LのFe(ClO
4)
3とを含むメタノールを用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図28に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図21に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図21に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図29に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図30に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図31に示す。
【0056】
[実施例16]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、1.0mol/LのFe(ClO
4)
2と1.0mol/LのFe(ClO
4)
3とを含むメタノールを用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図28に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図22に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図22に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図29に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図30に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図31に示す。
【0057】
[実施例17]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.1mol/LのFe(ClO
4)
2と0.1mol/LのFe(ClO
4)
3とを含むエタノールを用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図28に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図23に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図23に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図29に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図30に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図31に示す。
【0058】
[実施例18]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.3mol/LのFe(ClO
4)
2と0.3mol/LのFe(ClO
4)
3とを含むエタノールを用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図28に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図24に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図24に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図29に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図30に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図31に示す。
【0059】
[実施例19]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.5mol/LのFe(ClO
4)
2と0.5mol/LのFe(ClO
4)
3とを含むエタノールを用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図28に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図25に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図25に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図29に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図30に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図31に示す。
【0060】
[実施例20]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.7mol/LのFe(ClO
4)
2と0.7mol/LのFe(ClO
4)
3とを含むエタノールを用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図28に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図26に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図26に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図29に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図30に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図31に示す。
【0061】
[実施例21]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、1.0mol/LのFe(ClO
4)
2と1.0mol/LのFe(ClO
4)
3とを含むエタノールを用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図28に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図27に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図27に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図29に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図30に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図31に示す。
【0062】
図28に示す結果から、有機溶媒としてメタノールまたはエタノールを用いた場合、電解液の電気化学ゼーベック係数αがFe(ClO
4)
2とFe(ClO
4)
3の濃度に応じて変化し、Fe(ClO
4)
2とFe(ClO
4)
3の濃度が0.5mol/L~0.7mol/Lの範囲で、電解液の電気化学ゼーベック係数αが極大となることが分かった。
図29に示す結果から、有機溶媒としてメタノールまたはエタノールを用いた場合、電解液の電気化学ゼーベック係数αがFe(ClO
4)
2とFe(ClO
4)
3の濃度に応じて変化し、Fe(ClO
4)
2とFe(ClO
4)
3の濃度が0.5mol/L~0.7mol/Lの範囲で、電解液の電気伝導率σが極大となることが分かった。
図30に示す結果から、有機溶媒としてメタノールまたはエタノールを用いた場合、電解液のパワーファクター(PF)がFe(ClO
4)
2とFe(ClO
4)
3の濃度に応じて変化し、Fe(ClO
4)
2とFe(ClO
4)
3の濃度が0.5mol/L~0.7mol/Lの範囲で、電解液のパワーファクター(PF)が極大となることが分かった。
図31に示す結果から、有機溶媒としてメタノールまたはエタノールを用いた場合、電解液の無次元性能指数(ZT)がFe(ClO
4)
2とFe(ClO
4)
3の濃度に応じて変化し、Fe(ClO
4)
2とFe(ClO
4)
3の濃度が0.5mol/L~0.7mol/Lの範囲で、電解液の無次元性能指数(ZT)が極大となることが分かった。
【0063】
[実施例22]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.1mol/LのFe(ClO
4)
2と0.1mol/LのFe(ClO
4)
3とを含む混合溶媒(メタノール:純水=1:1(質量比)を用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図42に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図32に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図32に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図43に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図44に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図45に示す。
【0064】
[実施例23]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.3mol/LのFe(ClO
4)
2と0.3mol/LのFe(ClO
4)
3とを含む混合溶媒(メタノール:純水=1:1(質量比)を用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図42に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図33に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図33に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図43に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図44に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図45に示す。
【0065】
[実施例24]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.5mol/LのFe(ClO
4)
2と0.5mol/LのFe(ClO
4)
3とを含む混合溶媒(メタノール:純水=1:1(質量比)を用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図42に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図34に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図34に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図43に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図44に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図45に示す。
【0066】
[実施例25]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.7mol/LのFe(ClO
4)
2と0.7mol/LのFe(ClO
4)
3とを含む混合溶媒(メタノール:純水=1:1(質量比)を用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図42に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図35に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図35に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図43に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図44に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図45に示す。
【0067】
[実施例26]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.9mol/LのFe(ClO
4)
2と0.9mol/LのFe(ClO
4)
3とを含む混合溶媒(メタノール:純水=1:1(質量比)を用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図42に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図36に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図36に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図43に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図44に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図45に示す。
【0068】
[実施例27]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.1mol/LのFe(ClO
4)
2と0.1mol/LのFe(ClO
4)
3とを含む混合溶媒(メタノール:純水=1:3(質量比)を用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図42に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図37に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図37に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図43に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図44に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図45に示す。
【0069】
[実施例28]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.3mol/LのFe(ClO
4)
2と0.3mol/LのFe(ClO
4)
3とを含む混合溶媒(メタノール:純水=1:3(質量比)を用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図42に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図38に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図38に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図43に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図44に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図45に示す。
【0070】
[実施例29]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.5mol/LのFe(ClO
4)
2と0.5mol/LのFe(ClO
4)
3とを含む混合溶媒(メタノール:純水=1:3(質量比)を用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図42に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図39に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図39に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図43に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図44に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図45に示す。
【0071】
[実施例30]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.7mol/LのFe(ClO
4)
2と0.7mol/LのFe(ClO
4)
3とを含む混合溶媒(メタノール:純水=1:3(質量比)を用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図42に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図40に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図40に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図43に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図44に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図45に示す。
【0072】
[実施例31]
白金電極を正極および負極とし、電解液として、0.9mol/LのFe(ClO
4)
2と0.9mol/LのFe(ClO
4)
3とを含む混合溶媒(メタノール:純水=1:3(質量比)を用いて、液体熱電変換素子を作製した。正極および負極にペルチェ素子を装着して、正極および負極の温度を制御した。
ペルチェ素子により正極および負極の温度を制御して、電極間に温度差を設けて、電極間に温度差に対して発生する起電力を測定した。正極と負極の温度差と液体熱電変換素子の起電力の関係を示すグラフの傾きから、電解液の電気化学ゼーベック係数αを求めた。結果を
図42に示す。
また、一方の電極(例えば、正極)を25℃に保ち、他方の電極(例えば、負極)を55℃に保って、液体熱電変換素子の電気伝導率σを測定した。液体熱電変換素子に外部抵抗を接続して、液体熱電変換素子に流れる電流を制御し、
図41に示すように、電流と電圧の関係と、電流と電力の関係とを測定した。
図41に示す電流量と電圧降下の関係から、電気伝導率σを測定した。結果を
図43に示す。
また、上記の式(1)に基づいて、電解液のパワーファクター(PF)を算出した。結果を
図44に示す。
さらに、上記の式(2)に基づいて、電解液の無次元性能指数(ZT)を算出した。結果を
図45に示す。
【0073】
図42に示す結果から、メタノールと純水の混合溶媒を用いた場合、電解液の電気化学ゼーベック係数αがFe(ClO
4)
2とFe(ClO
4)
3の濃度に応じて変化し、Fe(ClO
4)
2とFe(ClO
4)
3の濃度が0.5mol/L~0.7mol/Lの範囲で、電解液の電気化学ゼーベック係数αが極大となることが分かった。
図43に示す結果から、メタノールと純水の混合溶媒を用いた場合、電解液の電気化学ゼーベック係数αがFe(ClO
4)
2とFe(ClO
4)
3の濃度に応じて変化し、Fe(ClO
4)
2とFe(ClO
4)
3の濃度が0.5mol/L~0.7mol/Lの範囲で、電解液の電気伝導率σが極大となることが分かった。
図44に示す結果から、メタノールと純水の混合溶媒を用いた場合、電解液のパワーファクター(PF)がFe(ClO
4)
2とFe(ClO
4)
3の濃度に応じて変化し、Fe(ClO
4)
2とFe(ClO
4)
3の濃度が0.5mol/L~0.7mol/Lの範囲で、電解液のパワーファクター(PF)が極大となることが分かった。
図45に示す結果から、メタノールと純水の混合溶媒を用いた場合、電解液の無次元性能指数(ZT)がFe(ClO
4)
2とFe(ClO
4)
3の濃度に応じて変化し、Fe(ClO
4)
2とFe(ClO
4)
3の濃度が0.5mol/L~0.7mol/Lの範囲で、電解液の無次元性能指数(ZT)が極大となることが分かった。
本発明の液体熱電変換素子は、供給電源や一次電池必要を用いることなく、永続的に情報を送受信および中継することができるウェアラブルIoT機器等に利用可能である。本発明の電気化学ゼーベック係数の制御方法は、液体熱電変換素子の電解液の電気化学ゼーベック係数を最大化することができるため、高い起電力が得られる液体熱電変換素子の作製に寄与することができる。