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特開2023-102764相分離器、および相分離器の組み立て方法
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  • 特開-相分離器、および相分離器の組み立て方法 図1
  • 特開-相分離器、および相分離器の組み立て方法 図2
  • 特開-相分離器、および相分離器の組み立て方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102764
(43)【公開日】2023-07-25
(54)【発明の名称】相分離器、および相分離器の組み立て方法
(51)【国際特許分類】
   B64G 1/52 20060101AFI20230718BHJP
   B64G 1/66 20060101ALI20230718BHJP
   B01D 45/08 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
B64G1/52
B64G1/66 Z
B01D45/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203820
(22)【出願日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】17/574,089
(32)【優先日】2022-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500107762
【氏名又は名称】ハミルトン・サンドストランド・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】HAMILTON SUNDSTRAND CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー エム.ストレンジ
【テーマコード(参考)】
4D031
【Fターム(参考)】
4D031AB02
4D031AB23
4D031BA07
4D031BB10
4D031EA01
(57)【要約】
【課題】 相分離器、およびその組み立て方法を提供する。
【解決手段】 相分離器は、入口ダクトの入口を含み、入口は、入口ダクトと直列に配置された二相流源から二相流を受け取る。二相流は、気体及び液体を含む。相分離器はまた、入口ダクトの出口に配置された液体透過膜を含み、液体透過膜は、液体を通過させて捕捉し、同時に気体をわきにそらして、液体透過膜の周りに気体の環状流を生み出す。出口ダクトの出口は、液体から分離されて気体の環状流を成す気体を排出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口ダクトの入口であって、前記入口は、前記入口ダクトと直列に配置された二相流源から二相流を受け取るように構成され、前記二相流は気体及び液体を含む、前記入口ダクトの前記入口と、
前記入口ダクトの出口に配置された液体透過膜であって、前記液体透過膜は、前記液体を通過させて捕捉し、同時に前記気体をわきにそらして、前記液体透過膜の周りに前記気体の環状流を生み出すように構成される、前記液体透過膜と、
前記液体から分離されて前記気体の前記環状流を成す前記気体を排出するように構成された出口ダクトの出口と、
を備える、相分離器。
【請求項2】
前記二相流源は、宇宙で使用される凝縮器であり、前記気体は空気であり、前記液体は水である、請求項1に記載の相分離器。
【請求項3】
膜フレームをさらに備え、前記液体透過膜は、前記膜フレームの中央部分に配置される、請求項1に記載の相分離器。
【請求項4】
前記膜フレームの前記液体透過膜とは反対側に配置された液体回収ループをさらに備え、前記液体回収ループは、前記液体透過膜を通過した前記液体を捕捉するように構成される、請求項3に記載の相分離器。
【請求項5】
前記液体回収ループを前記出口ダクトの入口から分離するバックプレートをさらに備える、請求項4に記載の相分離器。
【請求項6】
前記液体透過膜を前記入口ダクトの出口から分離する膜保持器をさらに備える、請求項5に記載の相分離器。
【請求項7】
前記バックプレートは、前記膜フレームを介して前記膜保持具に固定される、請求項6に記載の相分離器。
【請求項8】
前記膜フレームの外側部分であって、前記液体透過膜に隣接する前記中央部分の外側に、開口部をさらに備える、請求項3に記載の相分離器。
【請求項9】
前記開口部は、前記気体の前記環状流の圧力降下に基づいて、構成及び配置される、請求項8に記載の相分離器。
【請求項10】
前記相分離器は受動的であり、前記二相流は前記二相流源内のファンによってのみ動かされる、請求項1に記載の相分離器。
【請求項11】
相分離器の組み立て方法であって、
入口ダクトの入口を配置することであって、前記入口は、前記入口ダクトと直列に配置された二相流源から二相流を受け取り、前記二相流は気体及び液体を含む、前記配置することと、
前記入口ダクトの出口に液体透過膜を配置することであって、前記液体透過膜は、前記液体を通過させて捕捉し、同時に前記気体をわきにそらして、前記液体透過膜の周りに前記気体の環状流を生み出すように構成される、前記配置することと、
出口ダクトの出口を配置することであって、前記出口は、前記液体から分離されて前記気体の環状流を成す前記気体を排出する、前記配置することと、
を含む、前記方法。
【請求項12】
前記入口を前記配置することは、宇宙で使用される凝縮器に、前記気体が空気であり前記液体が水である前記二相流源として、前記入口ダクトを接続することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
膜フレームを配置することをさらに含み、前記液体透過膜は、前記膜フレームの中央部分に配置される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記液体透過膜を通過した前記液体を捕捉するように、前記膜フレームの前記液体透過膜とは反対側に配置された液体回収ループを配置することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記液体回収ループを前記出口ダクトの入口から分離するバックプレートを配置することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記液体透過膜を前記入口ダクトの出口から分離する膜保持器を配置することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記膜フレームを介して前記バックプレートを前記膜保持具に固定することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記膜フレームの外側部分であって、前記液体透過膜に隣接する前記中央部分の外側に、開口部を配置することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記開口部を前記配置することは、前記気体の前記環状流の圧力降下に基づく、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記相分離器は受動的であり、前記二相流は前記二相流源内のファンによってのみ動かされる、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例示的な実施形態は、流れ分離の技術に関し、具体的には、受動的インライン環状相分離器に関する。
【背景技術】
【0002】
湿度制御は、数多くのシステム(例えば家庭用空調及び自動車用空調、潜水艦及び宇宙船の環境制御及び生命維持(ECLS)システム)の一部である。除湿には、一般に熱交換器による液体凝縮、液体分離、及び液体回収が含まれる。資源の補充が限られている宇宙で使用する場合、効率的な液体分離及び液体回収が特に重要になり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の目的は、相分離器、およびその組み立て方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態では、相分離器(phase separator)は、入口ダクトの入口を含み、入口は、入口ダクトと直列に配置された二相流源から二相流を受け取る。二相流は、気体及び液体を含む。相分離器はまた、入口ダクトの出口に配置された液体透過膜を含み、液体透過膜は、液体を通過させて捕捉し、同時に気体をわきにそらして、液体透過膜の周りに気体の環状流を生み出す。出口ダクトの出口は、液体から分離されて気体の環状流を成す気体を排出する。
【0005】
付加的または代替的に、二相流源は、宇宙で使用される凝縮器であり、気体は空気であり、液体は水である。
【0006】
付加的または代替的に、相分離器はまた、膜フレームを含み、液体透過膜は、膜フレームの中央部分に配置される。
【0007】
付加的または代替的に、相分離器はまた、膜フレームの液体透過膜とは反対側に配置された液体回収ループを含み、液体回収ループは、液体透過膜を通過した液体を捕捉する。
【0008】
付加的または代替的に、相分離器はまた、液体回収ループを出口ダクトの入口から分離するバックプレートを含む。
【0009】
付加的または代替的に、相分離器はまた、液体透過膜を入口ダクトの出口から分離する膜保持具を含む。
【0010】
付加的または代替的に、バックプレートは、膜フレームを介して膜保持具に固定される。
【0011】
付加的または代替的に、相分離器はまた、膜フレームの外側部分であって、液体透過膜に隣接する中央部分の外側に、開口部を含む。
【0012】
付加的または代替的に、開口部は、気体の環状流の圧力降下に基づいて、構成及び配置される。
【0013】
付加的または代替的に、相分離器は受動的であり、二相流は二相流源内のファンによってのみ動かされる。
【0014】
別の実施形態では、相分離器を組み立てる方法は、入口ダクトの入口を配置することを含み、入口は、入口ダクトと直列に配置された二相流源から二相流を受け取る。二相流は、気体及び液体を含む。方法はまた、入口ダクトの出口に液体透過膜を配置することを含み、液体透過膜は、液体を通過させて捕捉し、同時に気体をわきにそらして、液体透過膜の周りに気体の環状流を生み出す。方法はさらに、出口ダクトの出口を配置することを含み、出口は、液体から分離されて気体の環状流を成す気体を排出する。
【0015】
付加的または代替的に、入口を配置することは、宇宙で使用される凝縮器を、気体が空気であり液体が水である二相流源として、入口ダクトと接続することを含む。
【0016】
付加的または代替的に、方法はまた、膜フレームの中央部分に液体透過膜を配置することを含む。
【0017】
付加的または代替的に、方法はまた、液体透過膜を通過した液体を捕捉するように、膜フレームの液体透過膜とは反対側に液体回収ループを配置することを含む。
【0018】
付加的または代替的に、方法はまた、液体回収ループを出口ダクトの入口から分離するバックプレートを配置することを含む。
【0019】
付加的または代替的に、方法はまた、液体透過膜を入口ダクトの出口から分離する膜保持具を配置することを含む。
【0020】
付加的または代替的に、方法はまた、膜フレームを介してバックプレートを膜保持具に固定することを含む。
【0021】
付加的または代替的に、方法はまた、膜フレームの外側部分であって、液体透過膜に隣接する中央部分の外側に、開口部を配置することを含む。
【0022】
付加的または代替的に、開口部を配置することは、気体の環状流の圧力降下に基づく。
【0023】
付加的または代替的に、相分離器は受動的であり、二相流は二相流源内のファンによってのみ動かされる。
【0024】
下記の説明は、決して限定と見なされるべきではない。添付図面に関して、同様の要素には同様の番号が付される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】1つ以上の実施形態による、受動的インライン環状相分離器を含むシステムの等角図である。
図2】1つ以上の実施形態による、相分離器を含むシステムの分解立体図である。
図3】1つ以上の実施形態による、相分離器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
開示される装置及び方法の1つ以上の実施形態の詳細説明が、限定ではなく例示として、図を参照しながら本明細書に提示される。
【0027】
前述のように、湿度制御は、数多くの環境で重要なプロセスとなり得る。湿度制御に関わるプロセスは、宇宙環境で水及び呼吸可能な空気を再生するために、特に重要であり得る。本明細書で詳述されるシステム及び方法の実施形態は、受動的インライン環状相分離器に関する。相分離器は、例えば凝縮器により排出される二相流(例えば空気と水の流れ)を分離して、相のそれぞれを回収し再利用するように、凝縮器と直列に配置され得る。具体的には、二相流は、液体(例えば水)を捕捉する凝縮液体回収ループの外側周囲を流れる気体(例えば空気)の環状流に、分離される。相分離器の配置により、受動的(すなわち無動力)構成が容易になる。すなわち、インライン二相流源(例えば凝縮器)内のファンのみが、二相流を駆動する、すなわち動かす。
【0028】
図1は、1つ以上の実施形態による、受動的インライン環状相分離器110を含むシステム100の等角図である。例示的なインライン二相流源120は、凝縮器125である。図1を参照すると、相分離器110の一部である液体回収ループ220の部分が見える。インライン二相流源120から相分離器110に入った二相流から分離された気体(例えば空気)は、相分離器110の出口275から出る。宇宙環境では、例えば出口275の気体は、居住環境またはエアロック内に再循環される空気であり得る。さらに、液体回収ループ220を介して回収された液体は、再利用のために捕捉された水であり得る。
【0029】
図2は、1つ以上の実施形態による、相分離器110を含むシステム100の分解立体図である。液体透過膜210は、液体(例えば水または水性液体)に対して透過性があり、液体は液体透過膜210を通過して、液体回収ループ220に至り、回収される。液体透過膜210及び液体回収ループ220は、膜フレーム230の外側部分の開口部240を妨げないように、膜フレーム230の中央部分内の両側にサイズ設定及び配置される。液体透過膜210は、気体の流れは受け付けず、代わりに、気体の流れを膜フレーム230の開口部240にそらす。よって、膜フレーム230、及び膜フレーム230の中央に液体透過膜210を配置することにより、二相流は、外側周囲を流れる気体の環状流に分割されやすくなる。
【0030】
二相流は、インライン二相流源120から、入口ダクト260の入口265を介して、相分離器110に入る。膜保持具215は、入口ダクト260の出口267で、液体透過膜210を入口ダクト260から分離する。固体バックプレート250は、液体回収ループ220を出口ダクト270の入口277から分離する。示されるように、バックプレート250は、膜フレーム230を介して(例えばネジ201及びナット202により)膜保持具215に固定され、膜フレーム230の両側に液体透過膜210及び液体回収ループ220を一緒に保持する。膜保持具215とバックプレート250との間の構成要素が入口ダクト260と出口ダクト270との間に保持されるように、入口ダクト260の出口267は、出口ダクト270の入口277に固定される。
【0031】
膜フレーム230の開口部240を通る環状流を介して通過する気体が、バックプレート250により妨げられず、出口ダクト270の出口275を通り抜けるように、バックプレート250のサイズは、液体透過膜210及び液体回収ループ220のサイズに応じて決定される。図2が示すように、膜保持具215及びバックプレート250は、入口ダクト260と出口ダクト270との間で、液体透過膜210、膜フレーム230、及び液体回収ループ220を挟む。
【0032】
例示では、液体透過膜、膜フレーム230、バックプレート250、及び他の構成要素は、略正方形の形状を有するものとして示される。入口ダクト260の入口265は、インライン二相流源120と一致しなければならない。しかし、入口ダクト260の出口267から出口ダクト270の出口275までの相分離器110の構成要素は、円形、楕円形、長方形、または任意の他の形状であってもよい。開口部240による液体透過膜210の外側周囲の環状気体流が促進されるように、液体透過膜210は、その形状に関係なく、サイズが決定され、膜フレーム230と一致しなければならない。開口部240のサイズ、数、及び配置は、圧力降下を最小限に抑えるために、予想される気体の流量に基づいて選択され得る。
【0033】
図3は、1つ以上の実施形態による、相分離器110の断面図である。示されるように、気体及び液体(例えば空気及び水)の二相流は、入口ダクト260の入口265を介して相分離器110に入る。入口ダクト260と出口ダクト270との間で、液体は、液体透過膜210を通過して、液体回収ループ220に至り、ここで液体は捕捉される。液体透過膜210を通過できない気体は、代わりに、図示されるように、膜フレーム230の外縁の辺りで液体透過膜210の外側にある膜フレーム230の開口部240を通過する。この気体は、出口275を介して、出力ダクト270及び相分離器110を出る。
【0034】
液体透過膜210の周りの気体の環状流路により、圧力降下は最小に抑えられる。これは、相分離器110が受動的であることを可能にし、インライン二相流源120からの気体の流れの推進力を生かして、両相を相分離器110に引き込み通過させる。環状気体流構成及び結果得られる比較的低い圧力降下により、システム110の配向(例えば左右ではなく上下)に関係なく、及び環境(例えば宇宙)に関係なく、相分離器110の受動的動作が可能になる。
【0035】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、本開示を限定する意図はない。本明細書で使用される単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数形も含むことが意図される。用語「備える/含む(comprises)」及び/または「備えている/含んでいる(comprising)」は、本明細書で使用される時、述べられる特徴、構成要素、ステップ、動作、要素、及び/または成分の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、構成要素、ステップ、動作、要素、成分、及び/またはそれらのグループの存在もしくは追加を除外しないことが、さらに理解されよう。
【0036】
本開示は1つ以上の例示的な実施形態を参照して説明されているが、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な変更が加えられてもよく、本開示の要素は均等物で置き換えられてもよいことが、当業者には理解されよう。さらに、特定の状況または材料を本開示の教示に適応させるために、本開示の本質的範囲から逸脱することなく、多くの修正が加えられてもよい。よって、本開示は、本開示を実行するために想到される最適の形態として開示される特定の実施形態に限定されるのではなく、本開示は、特許請求の範囲に入るすべての実施形態を含むことが意図される。
図1
図2
図3