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特開2023-102780発泡シート用樹脂組成物および発泡シート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102780
(43)【公開日】2023-07-25
(54)【発明の名称】発泡シート用樹脂組成物および発泡シート
(51)【国際特許分類】
   C08L 61/10 20060101AFI20230718BHJP
   C08K 11/00 20060101ALI20230718BHJP
   C08K 3/013 20180101ALI20230718BHJP
   C08K 3/24 20060101ALI20230718BHJP
   C08L 29/14 20060101ALI20230718BHJP
   C08J 9/04 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
C08L61/10
C08K11/00
C08K3/013
C08K3/24
C08L29/14
C08J9/04 CEZ
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003013
(22)【出願日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】P 2022002815
(32)【優先日】2022-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002141
【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】前田 文寛
【テーマコード(参考)】
4F074
4J002
【Fターム(参考)】
4F074AA44
4F074AA59
4F074AC30
4F074BA91
4F074CB62
4F074DA02
4F074DA20
4F074DA24
4F074DA47
4J002BE062
4J002CC031
4J002DE266
4J002DG046
4J002DJ016
4J002DJ046
4J002DJ056
4J002FA117
4J002FD016
4J002FD327
4J002GC00
4J002GG00
(57)【要約】
【課題】取り扱い性に優れており、金属等の様々な材料に隣接して使用できる発泡シートが得られる樹脂組成物を提供する。
【解決手段】レゾール型フェノール樹脂と、熱膨張性マイクロカプセルと、を含み、液状である、発泡シート用樹脂組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レゾール型フェノール樹脂と、
熱膨張性マイクロカプセルと、
を含み、液状である、発泡シート用樹脂組成物。
【請求項2】
溶剤をさらに含む、請求項1に記載の発泡シート用樹脂組成物。
【請求項3】
E型粘度計を用いて25℃にて測定される当該樹脂組成物の粘度が0.1Pa・s以上2000Pa・s以下である、請求項1に記載の発泡シート用樹脂組成物。
【請求項4】
基材上に塗布して用いられる、請求項1に記載の発泡シート用樹脂組成物。
【請求項5】
基材に含浸して用いられる、請求項1に記載の発泡シート用樹脂組成物。
【請求項6】
レゾール型フェノール樹脂と、
熱膨張性マイクロカプセルと、
を含み、シート状である、発泡シート用樹脂組成物。
【請求項7】
基材上に積層されている、請求項6に記載の発泡シート用樹脂組成物。
【請求項8】
巻回体である、請求項7に記載の発泡シート用樹脂組成物。
【請求項9】
無機充填材をさらに含む、請求項1乃至8いずれか一項に記載の発泡シート用樹脂組成物。
【請求項10】
前記無機充填材が硫酸バリウムである、請求項9に記載の発泡シート用樹脂組成物。
【請求項11】
ポリビニルアセタールをさらに含む、請求項1乃至8いずれか一項に記載の発泡シート用樹脂組成物。
【請求項12】
前記ポリビニルアセタールがポリビニルブチラールである、請求項11に記載の発泡シート用樹脂組成物。
【請求項13】
請求項1乃至8いずれか一項に記載の発泡シート用樹脂組成物の加熱硬化物である、発泡シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡シート用樹脂組成物および発泡シートに関する。
【0002】
加熱により発泡する樹脂組成物に関する技術として、特許文献1(国際公開第2018/074316号)に記載のものがある。同文献には、成膜性樹脂、エポキシ樹脂、特定の有機溶剤、加熱膨張性粒子、及びエポキシ樹脂用の硬化剤成分を含む硬化性樹脂組成物について記載されており(請求項1)、成膜性樹脂がフェノキシ樹脂を含むこと(請求項4)、エポキシ樹脂用の硬化剤成分がイミダゾール誘導体及びジシアンジアミドから選ばれる1種以上を含むこと(請求項5)、ならびに、エポキシ樹脂用の硬化剤成分としてフェノールノボラック、クレゾールノボラック等のノボラック樹脂を用い得ることが記載されている(段落0035)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/074316号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術について本発明者が検討したところ、発泡シートを金属等の様々な材料に隣接して用いることができるかどうかという点、および、樹脂組成物の取り扱い性という点で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、取り扱い性に優れており、金属等の様々な材料に隣接して使用できる発泡シートが得られる樹脂組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、以下の発泡シート用樹脂組成物および発泡シートが提供される。
[1] レゾール型フェノール樹脂と、
熱膨張性マイクロカプセルと、
を含み、液状である、発泡シート用樹脂組成物。
[2] 溶剤をさらに含む、[1]に記載の発泡シート用樹脂組成物。
[3] E型粘度計を用いて25℃にて測定される当該樹脂組成物の粘度が0.1Pa・s以上2000Pa・s以下である、[1]または[2]に記載の発泡シート用樹脂組成物。
[4] 基材上に塗布して用いられる、[1]乃至[3]いずれか一つに記載の発泡シート用樹脂組成物。
[5] 基材に含浸して用いられる、[1]乃至[3]いずれか一つに記載の発泡シート用樹脂組成物。
[6] レゾール型フェノール樹脂と、
熱膨張性マイクロカプセルと、
を含み、シート状である、発泡シート用樹脂組成物。
[7] 基材上に積層されている、[6]に記載の発泡シート用樹脂組成物。
[8] 巻回体である、[7]に記載の発泡シート用樹脂組成物。
[9] 無機充填材をさらに含む、[1]乃至[8]いずれか一つに記載の発泡シート用樹脂組成物。
[10] 前記無機充填材が硫酸バリウムである、[9]に記載の発泡シート用樹脂組成物。
[11] ポリビニルアセタールをさらに含む、[1]乃至[10]いずれか一つに記載の発泡シート用樹脂組成物。
[12] 前記ポリビニルアセタールがポリビニルブチラールである、[11]に記載の発泡シート用樹脂組成物。
[13] [1]乃至[12]いずれか一つに記載の発泡シート用樹脂組成物の加熱硬化物である、発泡シート。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、取り扱い性に優れており、金属等の様々な材料に隣接して使用できる発泡シートが得られる樹脂組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例における熱膨張性マイクロカプセルの全固形分に対する比率と発泡倍率との関係を示す図である。
図2】実施例における鋼板および発泡シートの積層体の構成を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について説明する。各実施形態において、組成物は、各成分をいずれも単独でまたは2種以上を組み合わせて含むことができる。
また、本明細書において、数値範囲を示す「~」は、以上、以下を表し、両端の数値をいずれも含む。
【0010】
(発泡シート用樹脂組成物)
(第一の実施形態)
本実施形態において、発泡シート用樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」とも呼ぶ。)は、液状の組成物であって、レゾール型フェノール樹脂と、熱膨張性マイクロカプセルと、を含む。また、樹脂組成物は溶剤をさらに含んでもよい。
本実施形態における樹脂組成物は、具体的には、加熱硬化により発泡する性質を有する。
【0011】
本実施形態における樹脂組成物は液状であるため、たとえば所望の基材上に適用して用いることができる。
具体的には、樹脂組成物は基材上に塗布して用いられてもよい。基材はたとえばシート状とすることができる。
シート状基材として、たとえば、樹脂組成物を加熱硬化して発泡シートを得る際の加熱乾燥条件に耐え得るものを用いることができる。シート状基材として、具体的には、ポリエステル系フィルム、ポリプロピレン系フィルム、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリスルホン系フィルム、ポリーエーテルケトン系フィルム等が使用される。
【0012】
また、樹脂組成物は、たとえば基材に含浸して用いられてもよい。基材はたとえばシート状とすることができる。
樹脂組成物を含浸させるシート状基材は、たとえば織物、不織布または紙の形態をとる。シート状基材の原料の具体例としては、ガラス繊維や炭素繊維等の無機繊維;アラミド繊維やセルロース等の有機繊維が挙げられる。
ここで、液状の樹脂組成物をシート状基材に含浸して得られるシート状の樹脂組成物は、具体的には、発泡性抄造体とは異なるものである。
また、シート状の樹脂組成物については、第二の実施形態にて後述する。
次に、樹脂組成物の構成成分について説明する。
【0013】
(レゾール型フェノール樹脂)
レゾール型フェノール樹脂は、フェノール樹脂とアルデヒド類とを、塩基性触媒の存在下で反応させて得られるフェノール樹脂である。
【0014】
レゾール型フェノール樹脂の合成のために使用されるフェノール類としては、フェノール;o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール等のクレゾール類;o-エチルフェノール、m-エチルフェノール、p-エチルフェノール等のエチルフェノール類;イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p-tert-ブチルフェノール等のブチルフェノール類;p-tert-アミルフェノール、p-オクチルフェノール、p-ノニルフェノール、p-クミルフェノール等のアルキルフェノール類;フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、ヨードフェノール等のハロゲン化フェノール類;p-フェニルフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリニトロフェノール等の1価フェノール置換体:1-ナフトール、2-ナフトール等の1価のフェノール類;およびレゾルシン、アルキルレゾルシン、ピロガロール、カテコール、アルキルカテコール、ハイドロキノン、アルキルハイドロキノン、フロログルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタリン等の多価フェノール類等が挙げられる。これらは、単独でかまたは2種以上混合して使用できる。
【0015】
レゾール型フェノール樹脂の合成のために使用されるアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n-ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o-トルアルデヒド、サリチルアルデヒド等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種類以上組み合わせて使用してもよい。また、これらのアルデヒド類の前駆体あるいはこれらのアルデヒド類の溶液を使用することもできる。中でも、製造コストの観点から、ホルムアルデヒド水溶液を使用することが好ましい。
【0016】
レゾール型フェノール樹脂の合成のために使用される塩基性触媒としては、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩;石灰等の酸化物;亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩;リン酸ナトリウム等のリン酸塩;アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ヘキサメチレンテトラミン、ピリジン等のアミン類等が挙げられる。
【0017】
レゾール型フェノール樹脂の合成のために使用される反応溶媒としては、水が一般的であるが、有機溶媒を使用してもよい。このような有機溶媒の具体例としては、アルコール類、ケトン類、芳香族類等が挙げられる。またアルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール(IPA)等のプロピルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。芳香族類の具体例としては、トルエン、キシレン等が挙げられる。
【0018】
また、樹脂組成物において、レゾール型フェノール樹脂が、ポリアセタール変性フェノール樹脂を含んでもよく、好ましくはポリビニルブチラール変性フェノール樹脂を含む。
【0019】
樹脂組成物中のレゾール型フェノール樹脂の含有量は、シート状の樹脂組成物とした際に溶融時の粘度が高くなりすぎるのを抑制する観点、ならびに、発泡シートの耐熱性および機械的強度を向上する観点から、樹脂組成物中の熱膨張性マイクロカプセル以外の全固形分に対して好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは55質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。
また、樹脂組成物の発泡性をより好ましいものとする観点から、樹脂組成物中のレゾール型フェノール樹脂の含有量は、樹脂組成物中の熱膨張性マイクロカプセル以外の全固形分に対して、好ましくは95質量%以下であり、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下である。
【0020】
(熱膨張性マイクロカプセル)
熱膨張性マイクロカプセル(以下、単に「熱膨張性カプセル」とも呼ぶ。)は、加熱により膨張、発泡する性質を有するマイクロカプセルであり、具体的には、揮発性の液体発泡材を、ガスバリア性を有する熱可塑性シェルポリマーによりマイクロカプセル化した粒子である。
熱膨張性マイクロカプセルは、次のようなメカニズムにより、発泡材として機能するものである。すなわち、加熱によりカプセルの外殻が軟化しつつ、カプセルに内包した液体発泡材が気化し圧力が増加する。その結果、粒子が膨張し、中空球状粒子(熱膨張性マイクロカプセルの発泡粒子)が形成される。
【0021】
上記液体発泡材としては、たとえば、ノルマルペンタン、イソペンタン、イソブタン、イソプロパンといった低沸点の炭化水素が挙げられる。
上記熱可塑性シェルポリマーとしては、たとえば、ポリアクリロニトリル、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン-メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニリデン-エチルメタクリレート、アクリロニトリル-メチルメタクリレート共重合体およびアクリロニトリル-エチルメタクリレートからなる群から選択される一種または二種以上が挙げられる。
【0022】
熱膨張性マイクロカプセルの市販品の例として、エクスパンセルシリーズ(日本フィライト社製);マツモトマイクロスフェアーF-65D(ドライタイプ、平均粒子径12~18μm)等のマイクロスフェアーFシリーズ、マツモトマイクロスフェアーFN-100SSD(ドライタイプ、平均粒子径6~11μm)等のマイクロスフェアーFNシリーズ(以上、松本油脂製薬社製);アドバンセルEML-101(平均粒子径12~18μm)等のアドバンセルシリーズ(積水化学工業社製);クレハマイクロスフィアーシリーズ(クレハ社製)が挙げられる。
【0023】
熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径は、樹脂組成物の発泡性向上の観点から、たとえば3μm以上であり、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上である。
また、発泡シートの強度向上の観点から、熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径は、たとえば30μm以下であり、好ましくは25μm以下、好ましくは20μm以下である。
【0024】
樹脂組成物中の熱膨張性マイクロカプセルの含有量は、発泡シートの密度を低くする観点から、樹脂組成物中の全固形分に対して、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、さらにより好ましくは3質量%以上である。
また、発泡シートの強度向上の観点から、樹脂組成物中の熱膨張性マイクロカプセルの含有量は、樹脂組成物中の全固形分に対して、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは35質量%以下である。
【0025】
(その他の成分)
本実施形態において、樹脂組成物はレゾール型フェノール樹脂および熱膨張性マイクロカプセル以外の成分をさらに含んでもよい。
また、樹脂組成物はレゾール型フェノール樹脂以外の樹脂をさらに含んでもよい。
たとえば、樹脂組成物はレゾール型フェノール樹脂以外の熱硬化性樹脂をさらに含んでもよい。
樹脂組成物を用いて得られるシートにタックが生じるのを抑制し、かかるシートをたとえば孔部によりスムーズに挿入する観点から、樹脂組成物は好ましくはエポキシ樹脂を含まない。
また、樹脂組成物を用いて得られる発泡シートに隣接する部材の材料の選択の自由度を高め、たとえばCu等の金属材料に隣接してより安定に用いることができる観点から、樹脂組成物は好ましくはノボラック型フェノール樹脂を含まない。
【0026】
また、樹脂組成物は熱可塑性樹脂をさらに含んでもよい。本実施形態の樹脂組成物を用いてシート状の樹脂組成物をより安定的に得る観点、得られるシート状の樹脂組成物の機械強度および可撓性を向上する観点から、樹脂組成物は好ましくはポリビニルアセタールをさらに含み、より好ましくはポリビニルブチラール(PVB)をさらに含む。
【0027】
樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量は、発泡シートの機械強度および可撓性を向上する観点から、樹脂組成物中の熱膨張性マイクロカプセル以外の全固形分に対して好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上、さらにより好ましくは20質量%以上である。
また、発泡シートの耐熱性向上の観点から、樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量は、樹脂組成物中の熱膨張性マイクロカプセル以外の全固形分に対して、好ましくは40質量%以下であり、より好ましくは35質量%以下である。
【0028】
また、樹脂組成物は無機充填材をさらに含んでもよい。
無機充填材として、たとえば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、シリカおよびマイカからなる群から選択される一種または二種以上が挙げられる。発泡シートの高温での剥離性向上の観点から、無機充填材は好ましくは硫酸バリウムである。
【0029】
樹脂組成物の発泡性向上の観点から、無機充填材の比重は好ましくは3以上であり、また、好ましくは6以下である。
【0030】
無機充填材の平均粒子径は、樹脂組成物の発泡性向上の観点から、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは2μm以下であり、また、たとえば0.1μm以上であってもよい。
【0031】
樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、発泡シートの高温での剥離性向上の観点から、樹脂組成物中の全固形分に対して、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上である。
また、樹脂組成物の発泡性向上の観点から、樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、樹脂組成物中の全固形分に対して、好ましくは45質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは35質量%以下である。
【0032】
(溶媒)
また、樹脂組成物は好ましくは溶媒をさらに含む。
溶媒の具体例として、水、有機溶媒、水と有機溶媒の混合溶媒が挙げられる。有機溶媒として、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール(IPA)、ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、トルエン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類およびこれらの混合物が挙げられる。樹脂組成物中にポリビニルブチラール等のポリビニルアセタールを配合する際の溶解性向上の観点、および、マイクロカプセルの溶媒への耐性向上の観点から、溶媒は好ましくはアルコール類を含み、より好ましくはイソプロパノールを含む。
【0033】
樹脂組成物中の溶媒の含有量は、たとえば、樹脂組成物中の溶媒以外の成分を除いた残部である。
また、樹脂組成物中の溶媒の含有量は、成膜により適正な粘度を得る観点から、樹脂組成物全体に対して好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。
また、塗工時の揮発量が過多になることにより表面に気泡が発生し平滑な表面が得られなくなることを抑制する観点から、樹脂組成物中の溶媒の含有量は、樹脂組成物全体に対して好ましくは70質量%以下であり、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。
【0034】
また、25℃における樹脂組成物の粘度は、シート状の樹脂組成物を得る際の製造安定性向上の観点から、好ましくは0.1Pa・s以上であり、より好ましくは1Pa・s以上、さらに好ましくは5Pa・s以上である。
また、樹脂組成物の取り扱い容易性を高める観点から、25℃における樹脂組成物の粘度は、好ましくは2000Pa・s以下であり、より好ましくは1000Pa・s以下、さらに好ましくは500Pa・s以下、さらにより好ましくは100Pa・s以下である。
【0035】
ここで、樹脂組成物の粘度は、E型粘度計(たとえば東機産業社製 RE85U)を用いて、25℃、回転数50rpmまたは20rpm、コーンプレートの種類3°×R12にて測定される。
【0036】
本実施形態における樹脂組成物は、たとえば、レゾール型フェノール樹脂、熱膨張性マイクロカプセルおよび適宜他の成分を攪拌容器内で攪拌混合して得られる。
【0037】
本実施形態における樹脂組成物は、レゾール型フェノール樹脂および熱膨張性マイクロカプセルを組み合わせて含むものであるため、N,N'-ジニトロソペンタメチレンテトラミン等の化学発泡剤をそのまま配合して得られる樹脂組成物に比べて、発泡時のアミンガス等の発生を抑制することができる。このため、樹脂組成物が適用される基材を金属等の様々な材料から選択することができ、隣接部材の材料の選択の自由度に優れている。
また、シート状に成形する際のBステージ化が可能であるため、取り扱いが容易であり、たとえば表面にタックが生じるのを抑制することも可能となる。
【0038】
(第二の実施形態)
本実施形態において、発泡シート用樹脂組成物は、シート状の組成物であって、レゾール型フェノール樹脂と、熱膨張性マイクロカプセルと、を含む。また、樹脂組成物は、第一の実施形態において前述した液状の樹脂組成物をシート状に成形して得られるものであってもよい。樹脂組成物は、好ましくは半硬化(Bステージ)状態である。
本実施形態においても、樹脂組成物は、具体的には、加熱硬化により発泡する性質を有する。
【0039】
樹脂組成物は、たとえば基材上に積層されていてよい。また、樹脂組成物は長尺状であってもよく、巻回体であってもよい。
基材としては、たとえば第一の実施形態にて前述したものを用いることができる。
【0040】
ここで、本実施形態における樹脂組成物は、具体的には、発泡性抄造体とは異なるものである。このとき、発泡抄造体は繊維を含む全体が発泡するのに対し、本実施形態におけるシート状の組成物における繊維層は膨らまず表層のみが膨らむことから、基材強度が保たれるので好ましい。
また、樹脂組成物が基材に含浸してなるものであるとき、樹脂組成物中の繊維の含有量は、樹脂組成物の可撓性向上の観点、および、発泡抄造体は繊維を含む全体が発泡するのに対し、本実施形態におけるシート状の組成物における繊維層は膨らまず表層のみが膨らむため基材強度が保たれるので好ましいという観点から、樹脂組成物全体に対して好ましくは80質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下である。
また、樹脂組成物の強度向上の観点から、樹脂組成物中の繊維の含有量は、樹脂組成物全体に対してたとえば3質量%以上であってもよい。
【0041】
また、樹脂組成物は、たとえば以下の積層構造を有する積層体中に配置されていてもよい。このとき、樹脂組成物はたとえば粘着層であってもよい。
積層体1:シート状基材/樹脂組成物
積層体2:基材/樹脂組成物/剥離シート
積層体2において、剥離シートは好ましくは樹脂組成物の基材と反対の面に接して設けられる。剥離シートとして、たとえば第一の実施形態において前述したシート状基材と同じものを用いることができる。
【0042】
次に、樹脂組成物の構成成分を説明する。
レゾール型フェノール樹脂および熱膨張性マイクロカプセルとしては、それぞれ、たとえば第一の実施形態にて前述のものを用いることができる。また、これらの全固形分に対する含有量についても、それぞれ、たとえば第一の実施形態にて前述の態様とすることができる。
【0043】
また、樹脂組成物はレゾール型フェノール樹脂および熱膨張性マイクロカプセル以外の成分をさらに含んでもよい。
樹脂組成物はレゾール型フェノール樹脂以外の樹脂をさらに含んでもよく、レゾール型フェノール樹脂以外の樹脂およびその含有量について、たとえば第一の実施形態にて前述の態様とすることができる。
また、樹脂組成物はたとえば無機充填材をさらに含んでもよく、無機充填材についてもたとえば第一の実施形態で前述の態様を採用することができる。
また、樹脂組成物は好ましくは溶媒を含まない。
【0044】
本実施形態における樹脂組成物は、たとえばレゾール型フェノール樹脂および熱膨張性マイクロカプセルを含むワニス状の樹脂組成物を基材上に適用してシート状に成形することにより得られる。
さらに具体的には、レゾール型フェノール樹脂および熱膨張性マイクロカプセルならびに溶媒を含むワニス状の樹脂組成物をシート状等に塗布し、加熱処理により溶媒を除去してシート状に成形し、その後加熱処理によりBステージ状態(半硬化状態)にすることにより作製される。
溶媒およびシート状基材として、たとえば第一の実施形態にて前述のものを用いることができる。
【0045】
樹脂組成物の厚さは、発泡シートの強度向上の観点から、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以上、さらにより好ましくは30μm以上である。
また、発泡前の状態である樹脂組成物の狭部への適用性向上の観点から、樹脂組成物の厚さは、好ましくは500μm以下であり、より好ましくは200μm以下、さらに好ましくは100μm以下である。
また、樹脂組成物が長尺状であるとき、たとえば幅10mm以上2000mm以下としてもよい。
【0046】
本実施形態においても、第一の実施形態と同様の効果が得られる。また、本実施形態における樹脂組成物はシート状であるため、所望の形状にカットして使用すればよく、より簡便に発泡シートを得ることができる。
【0047】
(発泡シート)
発泡シートは、発泡シート用樹脂組成物の加熱硬化物であり、さらに具体的には、発泡シート用樹脂組成物の完全硬化物(Cステージ状態)である。また、発泡シートは、熱膨張性マイクロカプセルが発泡してなる気泡が上記硬化物中に分散した気泡構造を有する。
【0048】
発泡シートは、たとえば前述の発泡シート用樹脂組成物を加熱硬化して得られる。加熱硬化は、具体的には、樹脂組成物が完全硬化する条件とすることができ、さらに具体的には、100~200℃程度の温度下で、3分~3時間程度の時間、加熱することにより実施することができる。
【0049】
発泡シートの厚さは、強度向上の観点から、好ましくは10μm以上であり、より好ましくは50μm以上、さらに好ましくは100μm以上、さらにより好ましくは200μm以上である。
また、発泡シートの軽量化の観点から、樹脂組成物の厚さは、好ましくは2000μm以下であり、より好ましくは1000μm以下、さらに好ましくは500μm以下である。
【0050】
本実施形態において、発泡シートは、第一または第二の樹脂組成物の加熱硬化物であるため、樹脂組成物の取り扱いに優れており、好ましい発泡構造を有し、金属等の様々な材料に隣接して使用できる。
発泡シートは、たとえば、モータ等の電動機を構成するロータやステータにおいて、マグネット、コイル等の部材を対応する孔部等の所定の位置に固定する部材として好適に用いることができる。
【0051】
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【実施例0052】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0053】
(実施例1)
本実施形態では、液状の樹脂組成物を調製した。
撹拌装置、還流冷却器および温度計を備えた反応装置に、フェノール(P:100質量部)、37%ホルマリン水溶液(F:121質量部)(F/Pモル比=1.4)、27%アンモニア水溶液3.3質量部 トリエチルアミン3質量部を添加し、還流条件下で40分間反応させた。その後、91kPaの減圧条件下で脱水を行いながら系内の温度が70℃に達したところでイソプロパノール(42質量部)を加えて、80℃で2時間反応させ、レゾール型フェノール樹脂(表1中、「フェノール樹脂」)を得た。
これに、イソプロパノール(120質量部)、ポリビニルブチラール樹脂(表1中、「PVB」、計算分子量40,000、積水化学工業製、エスレックBM-1)(22質量部)を加えて溶解させて混合し、ポリビニルブチラール変性フェノール樹脂ワニスを得た。樹脂ワニスに固形分中30%となるように熱膨張性マイクロカプセル:アドバンセルEML101、積水化学工業社製を加えて攪拌した。
以上により、本例の液状の樹脂組成物を得た。樹脂組成物の配合および粘度を表1に示す。表1中、「樹脂ワニス中の固形分RC」は、樹脂ワニス中の固形分すなわち樹脂ワニス中の溶媒以外の成分の合計(質量部)である。
【0054】
【表1】
【0055】
(粘度の測定方法)
樹脂組成物の粘度は、E型粘度計(東機産業社製 RE85U)を用いて、25℃、回転数50rpm、コーンプレートの種類3°×R12にて行った。
【0056】
(実施例2)
本例では、実施例1で得られた液状の樹脂組成物を用いてシート状の樹脂組成物を製造した。
離型フィルム(製品名:セパニウム20M2S-S、東洋アルミニウム社製上に、実施例1で得られた樹脂ワニスを、スキージーを用いて厚み1ミル(25.4μm)で塗布し、乾燥機中で80℃、10分乾燥し、乾燥後厚み53μmのシート状の樹脂組成物を得た。
また、得られた樹脂組成物に、90℃に温めた鉄板を押しつけて冷却したところ、樹脂組成物を鉄板に転写し、また、離型フィルムを剥離することができた。
【0057】
(実施例3)
本例では、実施例2で得られたシート状の樹脂組成物を加熱硬化し発泡シートを得た。
すなわち、樹脂組成物が転写された鉄板を、乾燥機中、80℃にて10分予熱した後、5℃/分の昇温速度で130℃に昇温し、130℃に30分保持することにより、発泡シートを得た。得られた発泡シートの厚さは209μmであった。
【0058】
(実施例4)
本例では、種々の熱膨張性マイクロカプセルを用いて液状の樹脂組成物を調製し、発泡シートとしたときの発泡倍率を測定した。
実施例1にて前述の方法にてポリビニルブチラール変性フェノール樹脂ワニスを得た。これに、以下の熱膨張性マイクロカプセルA~Cのいずれかを加えて攪拌し、樹脂組成物を得た。熱膨張性マイクロカプセルの添加量は、上記レゾール型フェノール樹脂の固形分に対して、3、5、10、20または30質量%とした。
熱膨張性マイクロカプセルA(図1中「EML-101」):アドバンセルEML-101(積水化学工業社製、平均粒子径12~18μm)
熱膨張性マイクロカプセルB(図1中「F-65D」):マツモトマイクロスフェアーF-65D(松本油脂製薬社製、ドライタイプ、平均粒子径12~18μm)
熱膨張性マイクロカプセルC(図1中「FN-100SSD」):マツモトマイクロスフェアーFN-100SSD(松本油脂製薬社製、ドライタイプ、平均粒子径6~11μm)
【0059】
得られた樹脂組成物を厚さ35μm~45μmのシート状に塗工した。その後、以下の条件で加熱し、発泡シートを得た。
予熱条件:80℃、10分
昇温:5℃/分(140℃および150℃の時)、7.5℃/分(170℃の時)
保持温度:140℃、150℃または170℃
保持時間:30分
得られた発泡シートの厚さを測定し、発泡倍率を算出した。全固形分に対する熱膨張性マイクロカプセルの配合比率と発泡倍率との関係を図1に示す。
【0060】
図1より、熱膨張性マイクロカプセルA~Cを含む樹脂組成物は、いずれも、十分な発泡倍率を示すものであった。
【0061】
また、図1に示した一部の樹脂組成物について、発泡シートの破断強度を測定した。
まず、離型フィルム(製品名:TV212、東洋紡社製)上に、樹脂組成物を、スキージーを用いて厚み80μm~150μmで塗布し、乾燥機中で70℃、10分乾燥し、乾燥後厚み40μmのシート状の樹脂組成物を得た。
幅2.5cm、長さ10cmの鋼板(後述する図2の鋼板101)の一方の端から長さ方向に10.0mm空けて、得られたシート状の樹脂組成物(幅2.5cm、長さ10.0mm)3枚重ねて配置した。シート状の樹脂組成物に隣接して、他方の端部側に、長さ1cm、厚さ200μmのSUS製スペーサを配置した。スペーサ上にもう1枚の鋼板(後述する図2の鋼板103)を、スペーサの端部からスペーサおよび樹脂組成物の全体を覆うように長さ方向にずらして対向配置し、固定した。
得られた積層体を、乾燥機中、80℃にて10分予熱した後、5℃/分の昇温速度で150℃に昇温し、150℃に30分保持することにより、発泡シート(後述する図2の発泡シート105)を得た。2枚の鋼板の間が発泡シートにより充填されたことが確認された。
図2は、スペーサを引き抜いた後の鋼板および発泡シートの積層体の構成を模式的に示す断面図である。
【0062】
スペーサを引き抜き厚鋼板の両端を保持し、引張試験をおこない破断点強度(MPa)を測定した(室温25℃、試験速度:0.5mm/min)。
【0063】
【表2】
【0064】
表2より、得られた発泡シートは、いずれも十分な引張強度を有するものであった。
【0065】
(実施例5)
本例では、無機充填材を含む樹脂組成物(実施例5-1~5-7)を調製し、シート状に塗布して発泡シートを得た。配合および評価結果を表3および表4に示す。
表3および表4に記載の樹脂組成物において、以下の成分を用いた。以下のレジン1およびレジン2は、実施例1にて前述の方法にて製造したポリビニルブチラール変性フェノール樹脂ワニスを、溶剤(IPA)にて以下の各RCに調整したものである。
レジン1:樹脂ワニス中の固形分RC=50%
レジン2:樹脂ワニス中の固形分RC=45%
硫酸バリウム:以下のものを用いた。
・B-30:堺化学工業社製、表面処理グレード、平均粒子径0.3μm
・B-34:堺化学工業社製、表面処理グレード、平均粒子径0.3μm
・B-55:堺化学工業社製、高白色度グレード、平均粒子径0.6μm
・沈降性100:堺化学工業社製、標準品、平均粒子径0.6μm
熱膨張性マイクロカプセルC:マツモトマイクロスフェアーFN-100SSD(松本油脂製薬社製、ドライタイプ、平均粒子径6~11μm)
【0066】
(塗布)
まず、基材である離型フィルム(製品名:TV212、東洋紡社製)上に、樹脂組成物を、スキージーを用いて厚み80μm~150μmで塗布し、乾燥機中で70℃、10分乾燥し、乾燥後厚み40μmのシート状の樹脂組成物を得た。剥離シートとして離型フィルム(製品名:TV212、東洋紡社製)を積層し、積層体を得た。
このとき、基材である離型フィルム(製品名:TV212、東洋紡社製)にハジキなく塗工できると「〇」(良好)とした。
【0067】
(タック性)
塗布後に手で触った際に樹脂の付着はないが粘着性(タック性)があり剥離シートを重ねることができる場合を「低い」とした。
【0068】
(基材である離型フィルムの剥離性)
「塗布」の項で前述した積層体の樹脂組成物側を80℃に温めた鉄板を押しつけて冷却し、樹脂組成物を鉄板に転写した。その後、基材である離型フィルムの剥離性について評価した。評価基準を以下に示す。
○:離型フィルムが、樹脂組成物を鉄板からはがずことなく剥離可能
△:樹脂組成物が鉄板からはがれ、離型フィルム側に付着する
【0069】
(粘度)
表4に記載の回転数にて実施例1に準じて測定した。
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
表3および表4より、実施例5-1~5-7の樹脂組成物およびシートは、いずれも、好ましい塗布性およびタック性を有するものであり、十分な発泡倍率を示した。
また、実施例5-1~5-7で得られたシート状の樹脂組成物は、いずれも、25℃における基材である離型フィルムの剥離性に優れたものであり、十分な実用性を有するものであった。さらに、実施例5-2~5-7では、高温(40℃)においても、基材である離型フィルムの剥離性により優れていた。
【符号の説明】
【0073】
100 積層体
101 鋼板
103 鋼板
105 発泡シート
図1
図2