(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102797
(43)【公開日】2023-07-26
(54)【発明の名称】ジョイントタップ、延長コード型の電源タップ、及び延長コード型の電源タップセット
(51)【国際特許分類】
H01R 13/518 20060101AFI20230719BHJP
H01R 25/00 20060101ALI20230719BHJP
H01R 13/514 20060101ALI20230719BHJP
H01R 13/56 20060101ALI20230719BHJP
H01R 27/02 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
H01R13/518
H01R25/00 B
H01R25/00 A
H01R13/514
H01R13/56
H01R27/02
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022003424
(22)【出願日】2022-01-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】591220665
【氏名又は名称】株式会社石黒製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100110722
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100213540
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 恵庭
(72)【発明者】
【氏名】大野 泰昭
(72)【発明者】
【氏名】矢島 知幸
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
【Fターム(参考)】
5E021FB07
5E021FC29
5E087JJ08
5E087JJ09
5E087RR28
(57)【要約】
【課題】所定の場所へ着脱自在に取り付け可能であり、しかもコネクタの個数(口数)及び種類の組み合わせをカスタマイズすることが容易な構成のジョイントタップ等を提供する。
【解決手段】所定の場所へ着脱自在に取り付け可能なジョイントタップ(10)であって、複数のコネクタモジュール(14,14,15)を並べて収容する本体フレーム(13)と、複数の前記コネクタモジュール(14,14,15)を両側から挟持するために本体フレーム(13)の両端側に取り付けられる一対のエンドキャップ(18,18)と、予め所定の場所に固定された一対の固定ホルダー(17,17)へ当該ジョイントタップ(10)を着脱自在に取り付けるために一対の前記エンドキャップ(18,18)に設けられる一対の取付機構(20,20)とを備えることを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の場所へ着脱自在に取り付け可能なジョイントタップであって、
複数のコネクタモジュールを並べて収容する本体フレームと、
前記本体フレームに収容された複数の前記コネクタモジュールを挟持するようにして前記本体フレームの両端側に取り付けられる一対のエンドキャップと、
予め所定の場所に固定された一対の固定ホルダーへ当該ジョイントタップを着脱自在に取り付けるために、一対の前記エンドキャップに設けられる一対の取付機構と
を備えることを特徴とするジョイントタップ。
【請求項2】
請求項1に記載のジョイントタップにおいて、
前記本体フレームは、断面略コの字状に形成され、その背面部の上端縁及び下端縁から片持ち状に延伸する上面部及び下面部を備え、
前記背面部には、前記本体フレームに収容された複数の前記コネクタモジュールの各々の差込口又は接続端を露出するための複数の開口部が穿設され、
複数の前記コネクタモジュールが隣接する方向における前記本体フレームの長さ及び前記開口部の個数を適宜変更することにより、当該コネクタモジュールの個数(口数)を増減可能とした
ことを特徴とするジョイントタップ。
【請求項3】
請求項2に記載のジョイントタップにおいて、
前記取付機構は、
前記エンドキャップの上面側に設けられ、前記固定ホルダーをスライド挿入するための案内部と、
前記エンドキャップの内部に配置され、断面略U字状に形成されると共に開口端側が離間する方向に付勢された弾性部材であって、当該弾性部材の開口端側に位置する一方の外側面に形成された係合突起を備えた弾性部材と、
を備え、
前記固定ホルダーへ前記案内部をスライド挿入させることにより、前記弾性部材の付勢力で前記係合突起を前記固定ホルダーの被係合部へ係合させて前記ジョイントタップを前記所定の場所へ配置固定すると共に、前記弾性部材の付勢力に抗して前記被係合部から前記係合突起の係合を解除することにより、当該ジョイントタップを前記所定の場所から取り外せるようにした、
ことを特徴とするジョイントタップ。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のジョイントタップにおいて、
前記上面部及び前記下面部の互いに対向する内側面には案内レール部が設けられ、前記コネクタモジュールに設けられた凸状又は凹状の縁部を当該案内レールに沿わせることにより、当該コネクタモジュールを前記本体フレームへスライド挿入できるようにした、
ことを特徴とするジョイントタップ。
【請求項5】
請求項4に記載のジョイントタップにおいて、
前記案内レールは、前記本体フレームの反り止め部材を兼ねている
ことを特徴とするジョイントタップ。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のジョイントタップにおいて、
上面側の前記案内レール及び下面側の前記案内レール部は、上下非対称な形状に設定されると共に、これに対応するように前記コネクタモジュールの縁部の上面側及び下面側も上下非対称な形状に設定されており、これにより前記コネクタモジュールが上下反転した状態で本体フレームへ挿入されるのを防止するようにした
ことを特徴とするジョイントタップ。
【請求項7】
請求項2から6のいずれか1項に記載のジョイントタップにおいて、
複数の前記コネクタモジュールのいずれか1つは、電源コード付きコンセントモジュールであり、
前記コンセントモジュールに対応する前記開口部の内側には、当該コンセントモジュールから電源コードへの接続端が断線するのを防止するための抜け止め機構が配置される
ことを特徴とするジョイントタップ。
【請求項8】
請求項7に記載のジョイントタップにおいて、
前記抜け止め機構は、
前記コンセントモジュールから伸びる前記電源コードを保持する断面略U字状の保持部を備えた抜け止め部材と、
前記抜け止め部材に取り付けられる保持部材であって、前記抜け止め部材と係合するフックによって、前記保持部に保持された前記電源コード押圧して固定する保持部材と
を備えることを特徴とするジョイントタップ。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載のジョイントタップにおいて、
前記本体フレームへ収容される複数の前記コネクタモジュールの個数(口数)及び種類の組み合わせは、任意に選定可能である
ことを特徴とするジョイントタップ。
【請求項10】
請求項9に記載のジョイントタップにおいて、
前記本体フレームへ収容される複数の前記コネクタモジュールは、コンセントモジュール、USBモジュール、LANコネクタモジュール、HDMI(登録商標)コネクタモジュールから選定された少なくとも2つ以上のコネクタモジュールである
ことを特徴とするジョイントタップ。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載のジョイントタップと、
複数の前記コネクタモジュールの少なくとも1つとしてのコンセントモジュールと
を備え、
前記コンセントモジュールが先端側にコンセントプラグを設けた電源コード付きコンセントモジュールである
ことを特徴とする延長コード型の電源タップ。
【請求項12】
請求項11に記載の延長コード型の電源タップと、
前記ジョイントタップを前記所定の場所に着脱自在に取り付けるための一対の前記固定ホルダーと、
を備えることを特徴とする延長コード型の電源タップセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のコネクタを並べて配置したジョイントタップに関し、更に詳しくは、電源コード付きコンセントを備えた延長コード型の電源タップ及び延長コード型の電源タップセットに関する。尚、本願明細書では、複数のコネクタを並べて配置したフレームの全体を「ジョイントタップ」と称し、コネクタの少なくとも1つとしてコンセントを配置したジョイントタップのことを「電源タップ」と称す。電源タップは、一般に「テーブルタップ」と称されることもある。
【背景技術】
【0002】
複数のコンセントを並べて配置した電源タップ(いわゆるテーブルタップ)が知られている(特許文献1,2,3を参照)。例えば特許文献1には、スマートフォンなどのモバイルデバイスを充電するためのUSB充電ポートを備えたテーブルタップが開示されている。また、特許文献2には、テーブルタップに専用の制御部を予め搭載しておき、ディスプレイ又はテレビジョン受信機などの再生装置の電源ケーブルに対する電源供給のタイミング及び再生装置のメイン電源を投入するタイミングを制御するシステムが開示されている。また、特許文献3には、家具に固定されたタップとコードをマグネットで接続することにより、足が掛かった場合にコードがタップから分離するようにして電気機器の転倒防止を図ったテーブルタップが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3197970号公報
【特許文献2】特開2009-260730号公報
【特許文献3】特開2014-56802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年は卓上で使用されるOA機器の数や種類も多様化しているので、上述したテーブルタップ(電源タップ)その他のジョイントタップに要求されるコンセントの口数やコネクタ種類も多様化されるようになってきた。しかしながら、ジョイントタップに搭載されるコンセントの口数やコネクタ種類を変更するためには、タップ自体の設計変更を要し、特に、家具へ固定されるジョイントタップの場合には固定部分の設計変更を来す場合があった。
【0005】
そこで本発明は、所定の場所へ着脱自在に取り付け可能であり、しかもコネクタの個数(口数)及び種類の組み合わせをカスタマイズすることが容易な構成のジョイントタップ、延長コード型の電源タップ、及び延長コード型の電源タップセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために請求項1に記載の本発明は、所定の場所へ着脱自在に取り付け可能なジョイントタップであって、複数のコネクタモジュールを並べて収容する本体フレームと、前記本体フレームに収容された複数の前記コネクタモジュールを挟持するようにして前記本体フレームの両端側に取り付けられる一対のエンドキャップと、予め所定の場所に固定された一対の固定ホルダーへ当該ジョイントタップを着脱自在に取り付けるために、一対の前記エンドキャップに設けられる一対の取付機構とを備えることを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決するために請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のジョイントタップにおいて、前記本体フレームは、断面略コの字状に形成され、その背面部の上端縁及び下端縁から片持ち状に延伸する上面部及び下面部を備え、前記背面部には、前記本体フレームに収容された複数の前記コネクタモジュールの各々の差込口又は接続端を露出するための複数の開口部が穿設され、複数の前記コネクタモジュールが隣接する方向における前記本体フレームの長さ及び前記開口部の個数を適宜変更することにより、当該コネクタモジュールの個数(口数)を増減可能としたことを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決するために請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載のジョイントタップにおいて、前記取付機構は、前記エンドキャップの上面側に設けられ、前記固定ホルダーをスライド挿入するための案内部と、前記エンドキャップの内部に配置され、断面略U字状に形成されると共に開口端側が離間する方向に付勢された弾性部材であって、当該弾性部材の開口端側に位置する一方の外側面に形成された係合突起を備えた弾性部材と、を備え、前記固定ホルダーへ前記案内部をスライド挿入させることにより、前記弾性部材の付勢力で前記係合突起を前記固定ホルダーの被係合部へ係合させて前記ジョイントタップを前記所定の場所へ配置固定すると共に、前記弾性部材の付勢力に抗して前記被係合部から前記係合突起の係合を解除することにより、当該ジョイントタップを前記所定の場所から取り外せるようにしたことを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するために請求項4に記載の本発明は、請求項2又は3に記載のジョイントタップにおいて、前記上面部及び前記下面部の互いに対向する内側面には案内レール部が設けられ、前記コネクタモジュールに設けられた凸状又は凹状の縁部を当該案内レールに沿わせることにより、当該コネクタモジュールを前記本体フレームへスライド挿入できるようにしたことを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するために請求項5に記載の本発明は、請求項4に記載のジョイントタップにおいて、前記案内レールは、前記本体フレームの反り止め部材を兼ねていることを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するために請求項6に記載の本発明は、請求項4又は5に記載のジョイントタップにおいて、上面側の前記案内レール及び下面側の前記案内レール部は、上下非対称な形状に設定されると共に、これに対応するように前記コネクタモジュールの縁部の上面側及び下面側も上下非対称な形状に設定されており、これにより前記コネクタモジュールが上下反転した状態で本体フレームへ挿入されるのを防止するようにしたことを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するために請求項7に記載の本発明は、請求項2から6のいずれか1項に記載のジョイントタップにおいて、複数の前記コネクタモジュールのいずれか1つは、電源コード付きコンセントモジュールであり、前記コンセントモジュールに対応する前記開口部の内側には、当該コンセントモジュールから電源コードへの接続端が断線するのを防止するための抜け止め機構が配置されることを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決するために請求項8に記載の本発明は、請求項7に記載のジョイントタップにおいて、前記抜け止め機構は、前記コンセントモジュールから伸びる前記電源コードを保持する断面略U字状の保持部を備えた抜け止め部材と、前記抜け止め部材に取り付けられる保持部材であって、前記抜け止め部材と係合するフックによって、前記保持部に保持された前記電源コード押圧して固定する保持部材とを備えることを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決するために請求項9に記載の本発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載のジョイントタップにおいて、前記本体フレームへ収容される複数の前記コネクタモジュールの個数(口数)及び種類の組み合わせは、任意に選定可能であることを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決するために請求項10に記載の本発明は、請求項9に記載のジョイントタップにおいて、前記本体フレームへ収容される複数の前記コネクタモジュールは、コンセントモジュール、USBモジュール、LANコネクタモジュール、HDMI(登録商標)コネクタモジュールから選定された少なくとも2つ以上のコネクタモジュールであることを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するために請求項11に記載の本発明は、請求項1から10のいずれか1項に記載のジョイントタップと、複数の前記コネクタモジュールの少なくとも1つとしてのコンセントモジュールとを備え、前記コンセントモジュールが先端側にコンセントプラグを設けた電源コード付きコンセントモジュールであることを特徴とする延長コード型の電源タップを提供する。
【0017】
上記課題を解決するために請求項12に記載の本発明は、請求項11に記載の延長コード型の電源タップと、前記ジョイントタップを前記所定の場所に着脱自在に取り付けるための一対の前記固定ホルダーとを備えることを特徴とする延長コード型の電源タップセットを提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るジョイントタップは、複数のコネクタモジュールを並べて収容する本体フレームと、前記本体フレームに収容された複数の前記コネクタモジュールを挟持するようにして前記本体フレームの両端側に取り付けられる一対のエンドキャップと、予め所定の場所に固定された一対の固定ホルダーへ当該ジョイントタップを着脱自在に取り付けるために、一対の前記エンドキャップに設けられる一対の取付機構とを備えるので、一対の前記エンドキャップが複数のコネクタモジュールを挟持する機能と、一対の固定ホルダーへジョイントタップを固定する機能とを併せ持つことになる。よって、基本的には、複数のコネクタモジュールが隣接する方向における本体フレームの長さを変更するだけで、複数のコネクタモジュールの個数(口数)の増減を行うことが可能であり、一対のエンドキャップ及び一対の取付機構の設計変更を要しない。したがって、本発明に係るジョイントタップは、所定の場所へ着脱自在に取り付け可能であり、しかもコネクタの個数(口数)及び種類の組み合わせをカスタマイズすることが容易という効果を奏する。
本発明に係る延長コード型の電源タップ又は延長コード型の源タップセットは、本発明に係るジョイントタップを利用するので、当該ジョイントタップと同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る電源タップセットを説明する斜視図である(口数2の場合)。
【
図2】
図2は、コネクタモジュールとしてコンセントモジュール及びUSBモジュールを備えた電源タップセットを説明する斜視図である(口数2の場合)。
【
図3】
図3は、電源タップセットに含まれる電源タップを所定の場所へ取り付ける方法を説明する斜視図である(口数3の場合)。
【
図4】
図4は、電源タップセットの分解図である(口数2の場合)。
【
図5】
図5は、
図4とは異なる視点から見た電源タップセットの分解図である(口数2の場合)。
【
図6】
図6(A)~
図6(F)は、電源タップに収容されるコネクタモジュールのバリエーションを列記した図である(口数2~4の場合)。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照ししつつ本発明に係るジョイントタップ、電源タップ及び電源タップセットの好ましい一実施形態について説明する。
【0021】
1.電源タップセットの概略構成
先ず、
図1,
図3を参照して本実施形態に係る電源タップセットの概略構成について説明する。
図1は本実施形態に係る電源タップセットを説明する斜視図(口数2の場合)、
図3は電源タップセットに含まれる電源タップを所定の場所へ取り付ける方法を説明する斜視図(口数3の場合)である。
【0022】
図1に示すとおり、本実施形態の電源タップセット1は、ジョイントタップの一種である延長コード型の電源タップ10を備えている。この電源タップ10は、コネクタモジュールとしての電源コード12付きコンセントモジュール14と、その電源コード12の先端側に設けられたコンセントプラグ11を備えている。なお、
図1に示した電源タップ10には、もう一つのコネクタモジュールとして電源コード無しのコンセントモジュール14’が備えられている。
【0023】
更に、電源タップセット1には、
図3に示すとおり、電源タップ10を所定の場所へ着脱自在に取り付けるための一対の固定ホルダー17,17が備えられる。一対の固定ホルダー17,17は、例えば机の天板裏などの適宜の場所に所定の間隔で予めボルトで固定され、電源タップ10は固定ホルダー17,17に着脱自在に取り付けられて固定される。
【0024】
一対の固定ホルダー17,17は、左右対称な形状をした部材であり、個々の固定ホルダー17には、下方側から所定の場所(天板裏)に向けてボルトを挿通するためのボルト孔17C,17Cが設けられている。
【0025】
なお、電源タップ10の仕様は、例えば、定格電圧125V、定格電流15A、電源コード12の長さ3m、合計1500Wまで使用可能に設定されているが、もちろんこれに限るものではない。
【0026】
2.コネクタモジュールの個数及び種類の組み合わせ
次に、
図1,
図2、
図6を参照してコネクタモジュールの個数及び種類の組み合わせについて説明する。
図2はコネクタモジュールとしてコンセントモジュール及びUSBモジュールを備えた電源タップセットを説明する斜視図(口数2の場合)、
図6(A)~
図6(F)は、電源タップに収容されるコネクタモジュールのバリエーションを列記した図(口数2~4の場合)である。
【0027】
図1,
図2、
図6に示すとおり、電源タップ10へ収容される複数のコネクタモジュールの口数及び種類の組み合わせは、任意に選定可能である。よって、例えば、製造者は、電源タップセット1の納入先や使用者からの要望に応じて、口数及び種類の組み合わせを適宜に選定し、電源タップ10のカスタマイズを行うことができる。
【0028】
例えば、電源タップ10へ収容されるのは、コンセントモジュール14、USBモジュール15、LANコネクタモジュール、HDMI(登録商標)コネクタモジュールなどの各種のコネクタモジュールから選定された少なくとも2つ以上のコネクタモジュールである。いうまでもないが、コネクタモジュールの種類は必ずしもこれらに限定されるものではなく、適宜のコネクタを備えたコネクタモジュールを選定することが可能である、
【0029】
また、USBモジュールとしては、例えばUSB充電用のコネクタ(要電源)と、USB接続用のコネクタ(電源不要)との2種類から選定することが可能である。更に、USBモジュールとしては、例えばUSB-C規格に準拠したUSB-Cモジュールと、USB3.0規格に準拠したUSB3.0モジュールとの2種類から選定することが可能である。
【0030】
図1の例では、コネクタモジュールの種類の組み合わせは、コンセントモジュール14同士の組み合わせであるが、例えば
図2に示すとおり、コンセントモジュール14及びUSBモジュール15の組み合わせとすることも可能である。
図2の符号15AはUSBポートであり、
図2の符号14Aはプラグ差込口である。
【0031】
また、
図1の例では、電源タップ10の口数(コネクタモジュールの個数)は「2」であるが、例えば
図6(C)~(F)に示すとおり、「3」以上に拡張することも可能である。
【0032】
なお、電源タップ10に収容されるコネクタモジュールの個数(口数)や配列を変更(交換)し易くするために、各種のコネクタモジュールの間では、少なくとも幅サイズ(後述する本体フレーム13の長手方向のサイズ)が共通に設定されていることが好ましい。
【0033】
3.電源タップの構成
次に、
図2,
図4,
図5を参照して電源タップ10の構成について説明する。
図2はコネクタモジュールとしてコンセントモジュール及びUSBモジュールを備えた電源タップセットを説明する斜視図(口数2の場合)、
図4は電源タップセット1の分解図(口数2の場合)、
図5は
図4とは異なる視点から見た電源タップセット1の分解図(口数2の場合)である。ここでは、
図2の例のように電源タップ10の口数は「2」であり、電源タップ10に収容されるコネクタモジュールの種類の組み合わせがコンセントモジュール14及びUSBモジュール15である場合を想定する。
【0034】
図2,
図4,
図5に示すとおり、電源タップ10は、本体フレーム13と、一対の樹脂製のエンドキャップ18,18と、一対の取付機構20,20とを備えている。
【0035】
本体フレーム13は、複数のコネクタモジュール(ここでは、コンセントモジュール14及びUSBモジュール15)を並べて収容する断面略コの字状のフレームである。本体フレーム13の背面部13Bの上端縁及び下端縁から片持ち状に延伸するようにして上面部13U及び下面部13Dが設けられており、その背面部13Bには、本体フレーム13に収容された複数のコネクタモジュール(ここでは、コンセントモジュール14及びUSBモジュール15)の各々の差込口又は接続端を露出するための複数の開口部13F,13F(
図5)が等サイズ・等間隔で設けられている。
図5に示された2つの開口部13F,13Fのうち、左側の開口部13Fは、コンセントモジュール14から電源コード12への接続端を露出するため(電源コード12を挿通するため)の開口部であり、右側の開口部13Fは、USBモジュール15の背面側の差込口(USBポート)15Aを露出するための開口部である。したがって、本実施形態の電源タップ10は、コネクタモジュール(コンセントモジュール14及びUSBモジュール15など)が隣接する方向における本体フレーム13の長さ及び開口部13Fの個数を変更するだけで、コネクタモジュールの個数(口数)を適宜に増減することができる。
【0036】
一対のエンドキャップ18,18は、複数のコネクタモジュール(ここでは、コンセントモジュール14及びUSBモジュール15)を両側から挟持するために本体フレーム13の両端側に嵌合するようにして取り付けられるキャップである。これら一対のエンドキャップ18,18は左右対称な形状をしている。
【0037】
一対の取付機構20は、予め所定の場所に固定された一対の固定ホルダー17,17(
図3)へ電源タップ10を着脱自在に取り付けるために、一対のエンドキャップ18,18に設けられる機構である。一対の取付機構20,20も左右対称な形状をしている。
【0038】
なお、コネクタモジュール(ここでは、コンセントモジュール14及びUSBモジュール15)の筐体、エンドキャップ18,18、及び取付機構20,20並びに固定ホルダー17,17は、例えば樹脂製であり、本体フレーム13は、例えば金属製である。特に、本体フレーム13は、例えばアルミニウムなどの金属板の押し出し成型により製造することが可能であり、押し出成型により、適宜の長さの本体フレーム13を容易に製造することができる。そして、このように、本体フレーム13を金属製で構成することで、コネクタモジュールの個数(口数)の増減に容易に対応することができる。例えば、予め多数の開口部13Fが等間隔で形成された長尺状の本体フレームを予め用意しておき、これを適宜にカットすれば、必要な口数の本体フレーム13を即座に準備することができるからである。しかも、金属製の本体フレーム13のカットした部分(エッジ)を樹脂製のエンドキャップ18,18でカバーすれば、エッジの処理に時間を要さずとも安全性を確保できるという利点もある。なお、各部材を形成する材質は一例であり、適宜の材質を採用かのうであることはいうまでもない。
【0039】
4.ワンタッチ取付機構の構成
次に、
図4,
図5を参照して一対の取付機構20の構成について説明する。ここでは一方の取付機構20の構成について説明し、他方の取付機構20の構成についてはその説明を省略する。
【0040】
図4,
図5に示すとおり、取付機構20は、案内部18A及び弾性部材20Bを備える。案内部18Aは、固定ホルダー17をスライド挿入(
図3)するためにエンドキャップ18の上面側に設けられた溝部であり、弾性部材20Bは、エンドキャップ18の内部に配置され、断面略U字状に形成されると共に開口端側が離間する方向に付勢された弾性部材である。この弾性部材20Bの開口端側に位置する一方の外側面には、係合突起20Cが形成されている。
【0041】
使用者は、電源タップ10を把持し、
図3の方向D1に向かって移動させながら所定の場所に固定された固定ホルダー17へ案内部18Aをスライド挿入する。スライド挿入に伴い、弾性部材20Bの上面側は徐々に下方に押圧されるが、その挿入量が一定量を超えると、弾性部材20Bの付勢力によって係合突起20Cが固定ホルダー17に設けられた被係合部17Aへと係合し、その結果として電源タップ10が所定の場所へ配置固定される(ワンタッチ取付機構)。
【0042】
そして、電源タップ10が固定ホルダー17に固定されている状態(
図3)で、使用者が弾性部材20Bの付勢力に抗して係合突起20Cを手指で押し下げる(
図4の方向D2)と、被係合部17Aから係合突起20Cの係合が解除されるので、当該電源タップ10を所定の場所から取り外すことが可能になる。
【0043】
5.タップ組立用のスライド構造
次に、
図4,
図5を参照してタップ組立用のスライド構造について説明する。
図4,
図5に示すとおり、本体フレーム13の上面部13U及び下面部13Dの互いに対向する内側面には、複数のコネクタモジュール(ここでは、コンセントモジュール14及びUSBモジュール15)が隣接する方向にかけて長い案内レール部13E,13Eがそれぞれ設けられている。例えば案内レール部13E,13Eは、本体フレーム13と同じ材質からなり、本体フレーム13と一体成型により形成されている。具体的には、上面部13Uの開放端側には内側に向かって突出した凸部が形成され、それよりも背面部13B側には断面略J字状の鍵状の凹部が形成されている。一方、下面部13Dの開放端側の内側には断面略J字状の鍵状の凹部が形成されており、それよりも背面部13B側には内側に向かって突出した凸部が形成されている。
【0044】
その一方で、本体フレーム13に収容される複数のコネクタモジュール(ここでは、コンセントモジュール14及びUSBモジュール15)には、当該案内レール部13E,13Eに係合するような凸状又は凹状の縁部E,Eがそれぞれ設けられている。
【0045】
したがって、本実施形態の電源タップ10を組立てる際には、複数のコネクタモジュール(ここでは、コンセントモジュール14及びUSBモジュール15)の縁部E,Eを案内レール部13E,13Eに沿わせつつ、これらコネクタモジュール(ここでは、コンセントモジュール14及びUSBモジュール15)を順次にスライド挿入(装填)するだけで、本体フレーム13の適正な位置へ適正な姿勢で当該コネクタモジュール(ここでは、コンセントモジュール14及びUSBモジュール15)を順次に配置することができる。
【0046】
しかも、案内レール13E,13Eを本体フレーム13の上面部13U及び下面部13Dに設けておけば、本体フレーム13の剛性を高めることができるので、仮にコネクタモジュールの口数が多い場合であっても(
図6(E),(F))、本体フレーム13の反りが生じるという不都合を回避できるという効果もある。
【0047】
更に、本実施形態の電源タップ10においては、上述したとおり、上面側の案内レール部13E及び下面側の案内レール部13Eは上下非対称な形状に設定されており、これに対応するようにしてコネクタモジュール(ここでは、コンセントモジュール14及びUSBモジュール15)の縁部E,Eの上面側及び下面側も同様な上下非対称な形状に設定されている。これによって、コネクタモジュール(ここでは、コンセントモジュール14及びUSBモジュール15)が上下反転姿勢で本体フレーム13へ挿入されるのを防止することができる。したがって、製造者が電源タップ10の組立てに失敗する確率を抑え、製造の効率化を図ることができる。
【0048】
6.断線防止構造
次に、
図4,
図5を参照して電源コードの断線防止構造について説明する。
上述したとおり、本実施形態の電源タップ10においては、複数のコネクタモジュール(ここでは、コンセントモジュール14及びUSBモジュール15)のいずれか1つは電源コード12付きコンセントモジュール14である。
【0049】
そして、本実施形態の電源タップ10においては、コンセントモジュール14に対応する開口部13Fの内側に、当該コンセントモジュール14から電源コード12への接続端が断線するのを防止するための抜け止め機構19が配置されている。
【0050】
抜け止め機構19は、電源コード12の元端側を左右両側から挟持する抜け止め部材19A及び保持部材19Bを備えている。一方の部材である抜け止め部材19Aは、コンセントモジュール14から伸びる電源コード12を保持する断面略U字状の保持部19Cを備えている。他方の部材である保持部材19Bは、抜け止め部材19Aに取り付けられる保持部材であって、抜け止め部材19Aと係合するフック19Dによって、保持部19Cに保持された電源コード12を押圧して固定する。
【0051】
したがって、電源タップ10を所定の場所へ取り付け、コンセントプラグ11を商用電源に接続した状態において、万一、電源コード12に足などが掛かり、電源コード12が引っ張られた場合であっても、電源コード12とコンセントモジュール14との接続端が断線する事故を防ぐことができる。
【0052】
7.実施形態の効果
以上説明したとおり、本実施形態に係る延長コード型の電源タップ10は、複数のコネクタモジュール(ここでは、コンセントモジュール14及びUSBモジュール15)を並べて収容する本体フレーム13と、本体フレーム13に収容された複数のコネクタモジュール(ここでは、コンセントモジュール14及びUSBモジュール15)を挟持するようにして本体フレームの両端側に取り付けられる一対のエンドキャップ18,18と、予め所定の場所に固定された一対の固定ホルダー17,17へ当該ジョイントタップを着脱自在に取り付けるために、一対の前記エンドキャップ18,18に設けられる一対の取付機構20,20とを備えるので、一対のエンドキャップ18,18が複数のコネクタモジュール14,15を両側から挟持する機能と一対の固定ホルダー17,17へ電源タップ10を固定する機能とを併せ持つことになる。よって、基本的には、複数のコネクタモジュール(ここでは、コンセントモジュール14及びUSBモジュール15)が隣接する方向における本体フレーム13の長さを適宜に変更するだけで、複数のコネクタモジュールの個数(口数)の増減を行うことが可能であり、一対のエンドキャップ18,18及び一対の取付機構20の設計変更を要しない。したがって、本実施形態に係る電源タップ10は、所定の場所へ着脱自在に取り付け可能であり、しかもコネクタモジュールの個数(口数)及び種類の組み合わせをカスタマイズすることが容易である。
そして、本実施形態に係る電源タップセット1は、本発明に係る電源タップ10を利用しているので、当該電源タップ10と同様の効果を奏する。
【0053】
8.コネクタモジュールのバリエーション
最後に、
図6を参照してコネクタモジュールのバリエーションを幾つか説明する。
図6(A)~
図6(F)は、電源タップ10に収容されるコネクタモジュールのバリエーションを列記した図である(口数2~4の場合)。
【0054】
上述した何れかの実施形態では、電源タップ10に収容されるコネクタモジュールの組み合わせを種々に変更することが可能であり、例えば
図6(A)~(F)のいずれかにすることもできる。
【0055】
図6(A)は、
図1の例と同様の2つのコンセントモジュールの組み合わせであり、
図6(B)は、
図2の例と同様の1つのコンセントモジュールと1つのUSB-Cモジュールとの組み合わせであり、
図6(C)は、2つのコンセントモジュールと1つのUSB-Cモジュールとの組み合わせであり、
図6(D)は、1つのコンセントモジュールと2つのUSB-Cモジュールとの組み合わせであり、
図6(E)は、2つのコンセントモジュールと2つのUSB3.0モジュールとの組み合わせであり、
図6(F)は、1つのコンセントモジュールと2つのUSB-Cモジュールとの組み合わせである。
【0056】
また、上述した何れかの実施形態では、コンセントモジュールを少なくとも1つ含むジョイントタップ(すなわち電源タップ10)について説明したが、ジョイントタップにコンセントモジュールを含めないこととしてもよい。例えば、USBモジュール、LANコネクタモジュール、HDMI(登録商標)コネクタモジュールから選定された少なくとも2つのモジュールを本体フレーム13に収容してもよい。
【0057】
また、上述した何れかの実施形態において、2以上のコンセントモジュール14を本体フレーム13に収容する場合には(例えば
図6(C),(E),(F))、いずれか1つのコンセントモジュールを電源コード付きコンセントモジュールとし、他のコンセントモジュールへは当該電源コード付きコンセントモジュールを介して電力が供給されるものとする。また、その場合には、他のコンセントモジュールの背面側を露出させる必要がないため、本体フレーム13の対応する開口部には、例えば樹脂製のカバー(目隠し)を嵌め込むようにしてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 電源タップセット
10 電源タップ(ジョイントタップの一例)
11 コンセントプラグ
12 電源コード
13 本体フレーム
13B 背面部
13E 案内レール部
13F 開口部
13U 上面部
13D 下面部
14 電源コード付きのコンセントモジュール
14’ 電源コード無しのコンセントモジュール
14A プラグ差込口
15 USBモジュール
15A 差込口(USBポート)
17 固定ホルダー
17A 被係合部
17C ボルト孔
18 エンドキャップ
18A 案内部
19 抜け止め機構
19A 抜け止め部材
19B 保持部材
19C 保持部
20 取付機構
20B 弾性部材
20C 係合突起
E 縁部