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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102807
(43)【公開日】2023-07-26
(54)【発明の名称】駐停車情報記録システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/005 20060101AFI20230719BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20230719BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20230719BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
G08G1/005
G08G1/0969
G01C21/34
G01C21/26 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022003443
(22)【出願日】2022-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(72)【発明者】
【氏名】大槻 幸平
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB33
2F129BB49
2F129BB66
2F129CC33
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE54
2F129EE67
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF17
2F129FF18
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF37
2F129FF57
2F129FF75
2F129HH12
2F129HH35
5H181AA01
5H181AA21
5H181BB04
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181KK01
5H181KK08
5H181MA42
5H181MC03
5H181MC19
5H181MC27
(57)【要約】
【課題】駐停車位置に至るまでの状況を容易に確認することができる駐停車情報記録システムを提供すること。
【解決手段】駐停車情報記録サーバ2は、走行中の車両前方を撮像した動画を記録する動画受信部202、動画格納部204と、車両が駐停車したことを検出する走行状態判定部220と、走行状態判定部220による駐停車検出時の地点に応じて可変される動画保存期間を設定する保存期間設定部222と、保存期間設定部222によって設定された動画保存期間に対応する駐停車直前の動画を動画格納部204から読み出して直前動画保存部232に保存する直前動画切出し部230とを備えている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行中の車両前方を撮像した動画を記録する録画手段と、
車両が駐停車したことを検出する駐停車検出手段と、
前記駐停車検出手段による駐停車検出時の地点に応じて可変される動画保存期間を設定する保存期間設定手段と、
前記保存期間設定手段によって設定された動画保存期間に対応する駐停車直前の動画を前記録画手段から読み出して保存する直前動画保存手段と、
を備えることを特徴とする駐停車情報記録システム。
【請求項2】
前記動画保存期間は、駐停車検出時の地点が道路上の場合に短く、道路上から外れる場合に長く設定されることを特徴とする請求項1に記載の駐停車情報記録システム。
【請求項3】
前記動画保存期間は、駐停車検出時の地点が道路上の場合には、駐停車前の所定時間あるいは所定距離に対応する時間であり、駐停車検出時の地点が道路から外れる場合には、道路から外れる前の所定時間あるいは所定距離に対応する時間に駐停車までの時間を加えた期間であることを特徴とする請求項1または2に記載の駐停車情報記録システム。
【請求項4】
前記保存期間設定手段は、車両が前記動画保存期間中に特定の挙動を行った場合に前記動画保存期間を延長することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の駐停車情報記録システム。
【請求項5】
前記保存期間設定手段は、車両が前記動画保存期間中に走行する道路の種類に応じて前記動画保存期間を変更することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の駐停車情報記録システム。
【請求項6】
前記保存期間設定手段は、前記動画保存期間を、前記道路の種類が幹線道路の場合に短く、詳細道路の場合に長く設定することを特徴とする請求項5に記載の駐停車情報記録システム。
【請求項7】
前記保存期間設定手段は、前記動画保存期間を、前記道路の種類が幅員の広い道路あるいは車線数が多い道路の場合に短く、幅員の狭い道路あるいは車線数の少ない道路の場合に長く設定することを特徴とする請求項5に記載の駐停車情報記録システム。
【請求項8】
駐停車検出時の地点が道路上にあるか否かを判定する道路上判定手段をさらに備えることを特徴とする請求項2または3に記載の駐停車情報記録システム。
【請求項9】
前記道路上判定手段は、地図上の道路形状に車両の走行軌跡を合わせるマップマッチングができなくなったときに、駐停車検出時の地点が道路上から外れたと判定することを特徴とする請求項8に記載の駐停車情報記録システム。
【請求項10】
前記直前動画保存手段に保存された駐停車直前の動画を読み出して再生する動画再生手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の駐停車情報記録システム。
【請求項11】
前記動画再生期間における車両の走行軌跡を記録する走行軌跡記録手段と、
前記走行軌跡記録手段に記録された走行軌跡に基づいて、前記動画再生手段による動画再生開始時における車両の位置および/または車両の方位をその周辺地図とともに表示する地図表示手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の駐停車情報記録システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐停車時の状況を動画で撮影する駐停車情報記録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、移動体が所定の目的地に対して所定の距離以内に接近し、かつ道路から外れたことを確認したときに、画像記憶部に、撮影部によって撮影された画像の記憶を開始させるようにした駐車位置探索支援装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。これにより、自車の駐車位置を容易に把握することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-65902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1に開示された駐車位置探索支援装置では、道路から外れたときに撮影(録画)が開始されるため、道路上に駐停車するような場合にその駐停車位置に至るまでの状況を確認することができないという問題があった。また、敷地内に道路がある団地群のような場所に進入する場合についても同様であり、敷地内に進入するまでの状況を確認することができない。例えば、運送会社等において新人ドライバーに駐停車位置を教えるために、録画された映像を見せても、駐停車位置に到達するために必要な目印となる建物や看板などを確認することはできない。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、駐停車位置に至るまでの状況を容易に確認することができる駐停車情報記録システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の駐停車情報記録システムは、走行中の車両前方を撮像した動画を記録する録画手段と、車両が駐停車したことを検出する駐停車検出手段と、駐停車検出手段による駐停車検出時の地点に応じて可変される動画保存期間を設定する保存期間設定手段と、保存期間設定手段によって設定された動画保存期間に対応する駐停車直前の動画を録画手段から読み出して保存する直前動画保存手段とを備えている。
【0007】
駐停車に至るまでの車両前方を撮像した動画を保存しているため、駐停車位置に至るまでの状況が容易に確認できる。また、動画の保存時期間を駐停車地点に応じて可変しているため、駐停車地点の状況に応じた保存期間の確保が可能になる。例えば、ベテランドライバーが事前に走行した際に動画保存期間に対応する動画を保存しておいて、その後、この動画を新人ドライバーに見せることにより、新人ドライバーは、実際に同じ経路を走行する前に、駐停車位置に至るまでの状況を頭に入れることができる。
【0008】
また、上述した動画保存期間は、駐停車検出時の地点が道路上の場合に短く、道路上から外れる場合に長く設定されることが望ましい。具体的には、上述した動画保存期間は、駐停車検出時の地点が道路上の場合には、駐停車前の所定時間あるいは所定距離に対応する時間であり、駐停車検出時の地点が道路から外れる場合には、道路から外れる前の所定時間あるいは所定距離に対応する時間に駐停車までの時間を加えた期間であることが望ましい。これにより、道路上から外れて建物の敷地内を走行するような場合は動画の保存期間を長くすることができ、道路上を走行中と道路上から外れた場合の両方の状況確認が可能となる。
【0009】
また、上述した保存期間設定手段は、車両が動画保存期間中に特定の挙動を行った場合に動画保存期間を延長することが望ましい。これにより、駐停車位置までの走行経路が単純でない場合に動画の保存期間を長くして、駐停車に至るまでの状況確認を確実に行うことが可能となる。
【0010】
また、上述した保存期間設定手段は、車両が動画保存期間中に走行する道路の種類に応じて動画保存期間を変更することが望ましい。特に、上述した保存期間設定手段は、動画保存期間を、道路の種類が幹線道路の場合に短く、詳細道路の場合に長く設定することが望ましい。あるいは、上述した保存期間設定手段は、動画保存期間を、道路の種類が幅員の広い道路あるいは車線数が多い道路の場合に短く、幅員の狭い道路あるいは車線数の少ない道路の場合に長く設定することが望ましい。これにより、駐停車位置を見つけにくい道路については動画の保存期間を長くすることができる。
【0011】
また、駐停車検出時の地点が道路上にあるか否かを判定する道路上判定手段をさらに備えることが望ましい。具体的には、上述した道路上判定手段は、地図上の道路形状に車両の走行軌跡を合わせるマップマッチングができなくなったときに、駐停車検出時の地点が道路上から外れたと判定することが望ましい。これにより、動画保存期間の可変設定が容易となる。
【0012】
また、上述した直前動画保存手段に保存された駐停車直前の動画を読み出して再生する動画再生手段をさらに備えることが望ましい。これにより、動画記録時の車両の運転者以外の利用者が、任意のタイミングで、駐停車位置に至るまでの状況を確認することが可能となる。
【0013】
また、上述した動画再生期間における車両の走行軌跡を記録する走行軌跡記録手段と、走行軌跡記録手段に記録された走行軌跡に基づいて、動画再生手段による動画再生開始時における車両の位置および/または車両の方位をその周辺地図とともに表示する地図表示手段とをさらに備えることが望ましい。これにより、動画再生時に位置の確認が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態の駐停車情報記録システムの構成を示す図である。
図2】車載装置の構成を示す図である。
図3】駐停車情報記録サーバの構成を示す図である。
図4】再生装置の構成を示す図である。
図5】車載装置の動作手順を示す流れ図である。
図6】駐停車情報記録サーバの動作手順を示す流れ図である。
図7】再生装置の動作手順を示す流れ図である。
図8】再生装置の再生動作に伴う表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を適用した一実施形態の駐停車情報記録システムについて、図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、一実施形態の駐停車情報記録システムの構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態の駐停車情報記録システムは、車両に搭載された車載装置1と、車載装置1から送られてくる動画等を受信して保存する駐停車情報記録サーバ2と、駐停車情報記録サーバ2に保存された動画等を読み出して再生する再生装置3とを含んで構成されている。車載装置1と駐停車情報記録サーバ2はネットワーク4を介して接続されている。また、駐停車情報記録サーバ2と再生装置3はネットワーク4を介して接続されている。
【0017】
本実施形態の駐停車情報記録システムは、例えば、宅配便等のベテランドライバーが新人ドライバーに、配達先に荷物を届ける際の車両の駐停車位置を動画を用いて教えることを想定している。ベテランドライバーが運転中に動画を撮影し、駐停車時点よりも前の所定期間分(この所定期間が「動画保存期間」であり、駐停車した地点に応じてその長さが可変設定される)の動画を駐停車情報記録サーバ2に保存する。新人ドライバーは、再生装置3を用いて、駐停車情報記録サーバ2に保存されている動画を読み出して再生することにより、配達先ごとに異なる車両の駐停車位置を学習することができる。
【0018】
図2は、車載装置1の構成を示す図である。図2に示すように、車載装置1は、ドライブレコーダ100、ナビゲーション装置110、通信部120、アップロード処理部130、操作部140を備えている。
【0019】
ドライブレコーダ100は、車両前方を撮影可能な位置に取り付けられており、カメラで撮影した映像(動画)を撮影した時刻とともに記録する。
【0020】
ナビゲーション装置110は、算出した自車位置周辺の地図画像を表示したり、経路探索、経路誘導、施設検索などのナビゲーション動作を行う。自車位置については、GPS信号に基づいて検出した自車位置に対してマップマッチング処理を行うことにより、道路に沿った位置となるように修正が行われる。車両の位置が道路上にあるか否かは、マップマッチング処理が成功したか否かを確認することにより知ることができる。また、ナビゲーション動作に必要な地図データ(ナビゲーション装置110に内蔵してもよいが、外部の地図配信サーバ等から必要な範囲をその都度入手するようにしてもよい)には、道路の種類(幹線道路/詳細道路、幅員などの属性情報)が含まれている。
【0021】
通信部120は、ネットワーク4を介して駐停車情報記録サーバ2との間で各種データの送受信処理を行う。
【0022】
アップロード処理部130は、ドライブレコーダ100で車両前方を撮影した映像(動画)を撮影した時刻とともに駐停車情報記録サーバ2に常時送信する処理を行う。また、アップロード処理部130は、ナビゲーション装置110において検出された自車位置やマップマッチングの成否を示す情報、車両が駐停車したか否かの情報(キースイッチのオン/オフ)などが含まれる走行軌跡情報を常時(あるいは所定の時間間隔で)駐停車情報記録サーバ2に送信する処理を行う。
【0023】
操作部140は、車両走行の目的地となる配達先の情報を入力するためのものであり、ベテランドライバー等によって操作される。この情報は、後に、記録した駐停車情報を読み出して再生する際のインデックスとするためのものであり、例えば「○○市△△宅」などと入力する場合が考えられる。
【0024】
図3は、駐停車情報記録サーバ2の構成を示す図である。図3に示すように、駐停車情報記録サーバ2は、通信部200、動画受信部202、動画格納部204、走行軌跡受信部210、走行軌跡格納部212、走行状態判定部220、保存期間設定部222、直前動画切出し部230、直前動画保存部232、地図情報作成部240、地図情報格納部242、保存動画送信部250、地図情報送信部260を備えている。
【0025】
通信部200は、ネットワーク4をして車載装置1や再生装置3との間で各種データの送受信処理を行う。
【0026】
動画受信部202は、車載装置1から常時送信されてくる動画と時刻を受信する。受信した動画と時刻は動画格納部204に格納される。走行軌跡受信部210は、車載装置1から送信されてくる走行軌跡情報を受信する。受信した走行軌跡情報は走行軌跡格納部212に格納される。
【0027】
走行状態判定部220は、走行軌跡受信部210によって受信した走行軌跡情報に基づいて、車両の走行位置が道路上から外れたか否か(マップマッチングが失敗したか否か)、車両が駐停車したか否かを判定する。
【0028】
保存期間設定部222は、走行状態判定部220によって車両が駐停車した旨の判定がなされたときに、駐停車時の地点に応じた動画保存期間を設定する。この動画保存期間は、駐停車地点が道路上の場合には短く(例えば、駐停車前の30秒間あるいは300mを走行する時間)、駐停車地点が道路上でない場合(団地の敷地内に進入して駐停車した場合や駐車場に入って駐車した場合など)には長く(例えば、道路から外れる直前の30秒間あるいは300mを走行する時間に道路から外れて駐停車するまでの時間を加算した時間)設定される。
【0029】
直前動画切出し部230は、保存期間設定部222によって設定された動画保存期間に対応する駐停車直前の動画を、動画格納部204に保存されている一連の動画から切り出して直前動画保存部232に保存する。
【0030】
地図情報作成部240は、保存期間設定部222によって設定された動画保存期間に対応する駐停車直前の走行軌跡情報を走行軌跡格納部212から読み出して、再生要求があったときに送信する地図情報を作成し、地図情報格納部242に格納する。例えば、作成される地図情報には、動画保存期間に対応する車両の走行経路や動画開始時の車両の位置/方位などが含まれる。また、この車両の走行経路を含む周辺地図画像を地図情報に含ませるようにしてもよい。
【0031】
保存動画送信部250は、再生装置3から再生要求があったときに、配送先と関連付けられて直前動画保存部232に保存されている動画を読み出して、通信部200を介して再生装置3に向けて送信する。地図情報送信部260は、再生装置3から再生要求があったときに、配送先と関連付けられて地図情報格納部242に格納されている地図情報を読み出して、通信部200を介して再生装置3に向けて送信する。
【0032】
図4は、再生装置3の構成を示す図である。図4に示すように、再生装置3は、通信部300、操作部310、ダウンロード処理部320、動画再生部330、地図情報再生部340、表示装置350を備えている。
【0033】
通信部300は、ネットワーク4を介して駐停車情報記録サーバ2との間で各種データの送受信処理を行う。
【0034】
操作部310は、動画を含む駐停車情報の再生を希望する際に、配送先の情報を含む再生指示を入力するためのものであり、新人ドライバー等によって操作される。
【0035】
ダウンロード処理部320は、操作部310を操作して再生指示が入力されると、配送先の情報を含む再生要求を駐停車情報記録サーバ2に向けて送信する。また、ダウンロード処理部320は、この送信要求に対応して駐停車情報記録サーバ2の保存動画送信部250から送られてくる動画を受信する。さらに、ダウンロード処理部320は、送信要求に対応して駐停車情報記録サーバ2の地図情報送信部260から送られてくる地図情報を受信する。
【0036】
動画再生部330は、ダウンロード処理部320で受信した動画を再生し、その内容を表示装置350に表示する。地図情報再生部340は、ダウンロード処理部320で受信した地図情報を再生(描画)し、その内容を表示装置350に表示する。
【0037】
上述した車載装置1、動画受信部202、動画格納部204が録画手段に、走行状態判定部220が駐停車検出手段、道路上判定手段に、保存期間設定部222が保存期間設定手段に、直前動画切出し部230、直前動画保存部232が直前動画保存手段に、車載装置1、走行軌跡受信部210、走行軌跡格納部212が走行軌跡記録手段に、ダウンロード処理部320、動画再生部330、表示装置350が動画再生手段に、ダウンロード処理部320、地図情報再生部340、表示装置350が地図表示手段にそれぞれ対応する。
【0038】
本実施形態の駐停車情報記録システムはこのような構成を有しており、次にその動作を説明する。
【0039】
図5は、車載装置1の動作手順を示す流れ図である。車両が走行を開始すると、アップロード処理部130は、以後のアップロード動作に先立って走行開始通知を駐停車情報記録サーバ2に送信する(ステップ100)。この走行開始通知には、荷物の配送先の情報も含まれる。
【0040】
その後、アップロード処理部130は、ドライブレコーダ100で車両前方を撮影した映像と時刻を送信する動画アップロード動作(ステップ102)と、ナビゲーション装置110において検出された走行軌跡情報を送信する走行軌跡アップロード動作(ステップ104)を行う。
【0041】
また、アップロード処理部130は、車両が駐停車したか否か(キースイッチがオフになったか否か)を判定し(ステップ106)する。駐停車していない場合には否定判断が行われ、ステップ102に戻ってアップロード動作が継続される。また、車両が駐停車した場合にはステップ106の判定において肯定判断が行われ、アップロード処理部130は、駐停車通知を駐停車情報記録サーバ2に送信する(ステップ108)。
【0042】
図6は、駐停車情報記録サーバ2の動作手順を示す流れ図である。動画受信部202は、車載装置1から送られてくる走行開始通知を受信したか否かを判定する(ステップ200)。未受信の場合には否定判断が行われ、この判定が繰り返される。なお、この判定は走行軌跡受信部210やその他の制御部等が行ってもよい。
【0043】
走行案内通知を受信した場合にはステップ200の判定において肯定判断が行われる。以後、動画受信部202による動画と時刻の受信および動画格納部204への格納動作(動画記録動作)(ステップ202)と、走行軌跡受信部210による走行軌跡情報の受信および走行軌跡格納部212への格納動作(走行軌跡記録動作)(ステップ204)が行われる。
【0044】
また、走行状態判定部220は、車両が駐停車したか否かを判定する(ステップ206)。駐停車しない場合には否定判断が行われ、ステップ202に戻って格納動作以降が継続される。また、車両が駐停車するとステップ206の判定において肯定判断が行われる。
【0045】
また、走行状態判定部220は、駐停車位置が道路上か否かを判定する(ステップ208)。道路上に駐停車した場合には肯定判断が行われる。この場合には、保存期間設定部222は、駐停車位置が道路上である場合の短い動画保存期間(例えば駐停車前の30秒間)を設定し、直前動画切出し部230は、この動画保存期間分の駐停車直前の動画を、動画格納部204に保存されている一連の動画から切り出して直前動画保存部232に保存する(ステップ210)。
【0046】
また、駐停車位置が道路上にない場合には、ステップ208の判定において否定判断が行われる。この場合には、保存期間設定部222は、駐停車位置が道路上でない場合の長い動画保存期間(例えば車両の走行位置が道路上から外れる直前の30秒間に、道路上から外れてから駐停車するまでの時間を加えた時間)を設定し、直前動画切出し部230は、この動画保存期間分の駐停車直前の動画を、動画格納部204に保存されている一連の動画から切り出して、荷物の配送先と関連付けた状態で直前動画保存部232に保存する(ステップ212)。
【0047】
また、地図情報作成部240は、保存期間設定部222によって設定された動画保存期間に対応する駐停車直前の地図情報を作成して、荷物の配送先と関連付けた状態で地図情報格納部242に格納する(ステップ214)。このようにして、車両が走行を開始してから駐停車するまでの一連の記録動作が行われる。
【0048】
図7は、再生装置3の動作手順を示す流れ図である。ダウンロード処理部320は、操作部310の操作による再生指示が行われたか否かを判定する(ステップ300)。再生指示が行われない場合には否定判断が行われ、この判定が繰り返される。また、荷物の配達先が指定された再生指示が行われた場合にはステップ300の判定において肯定判断が行われる。この場合には、ダウンロード処理部320は、再生要求を駐停車情報記録サーバ2に向けて送信する(ステップ302)。
【0049】
その後、ダウンロード処理部320は、この送信要求に対応して駐停車情報記録サーバ2の保存動画送信部250から送られてくる動画を受信し、動画再生部330は、受信した動画を再生してその内容を表示装置350に表示する(ステップ304)。また、ダウンロード処理部320は、送信要求に対応して駐停車情報記録サーバ2の地図情報送信部260から送られてくる地図情報を受信し、地図情報再生部340は、受信した地図情報を再生してその内容を表示装置350に表示する(ステップ306)。例えば、地図画像上に動画保存期間に対応する車両の走行経路や動画開始時の車両の位置や方位を含ませた地図情報が表示される。なお、地図画像自体は、駐停車情報記録サーバ2から送られてくるようにしてもよいし、再生装置3が地図配信サーバ(図示せず)等から入手するようにしてもよい。また、動画再生(ステップ304)と地図情報再生(ステップ306)は必ずしもも順番で行う必要はない。例えば、最初に地図情報を表示させて走行経路の概要を理解した上で、動画再生を行う場合などが考えられる。また、どちらか一方の再生動作のみを行うようにしてもよい。
【0050】
図8は、再生装置3の再生動作に伴う表示例を示す図である。図8に示す例では、表示装置350の画面に地図情報が示されている。この画面は左右に2分割されており、右分割画面には、荷物の配送先に関する情報と動画再生を指示するための「動画」ボタンが含まれる。また、左分割画面には、動画保存期間に対応する走行経路Sと動画開始時の車両の位置と方位(撮像の向きを示す画像C)が確認可能な地図画像が含まれている。右分割画面内の「動画」ボタンを押すことにより、動画再生部330による動画再生を開始することができる。
【0051】
このように、本実施形態の駐停車情報記録システムでは、駐停車に至るまでの車両前方を撮像した動画を保存しているため、駐停車位置に至るまでの状況を容易に確認することができる。また、動画の保存時期間を駐停車地点に応じて可変しているため、駐停車地点の状況に応じた保存期間の確保が可能になる。例えば、駐停車地点が道路上の場合に短く、道路上から外れる場合に長く設定している。具体的には、駐停車地点が道路上の場合には、駐停車前の所定時間あるいは所定距離に対応する時間を動画の保存期間とし、駐停車地点が道路から外れる場合には、道路から外れる前の所定時間あるいは所定距離に対応する時間に駐停車までの時間を加えた期間を動画の保存期間としている。これにより、道路上から外れて建物の敷地内を走行するような場合は動画の保存期間を長くすることができ、道路上を走行中と道路上から外れた場合の両方の状況確認が可能となる。
【0052】
また、地図上の道路形状に車両の走行軌跡を合わせるマップマッチングができなくなったときに、駐停車地点が道路上から外れたと判定することにより、この判定を確実に行うことができ、これにより、動画保存期間の可変設定が容易となる。
【0053】
また、駐停車情報記録サーバ2にネットワーク4を介して接続された再生装置3を用いて、駐停車直前の動画を読み出して再生することができるため、動画記録時の車両の運転者(ベテランドライバー)以外の利用者(例えば、新人ドライバー)が、任意のタイミングで、駐停車位置に至るまでの状況を確認することが可能となる。
【0054】
同様に、再生装置3を用いて、動画再生開始時における車両の位置および/または車両の方位などをその周辺地図とともに表示することができるため、動画再生時に位置の確認が容易となる。
【0055】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、駐停車位置が道路上の場合の動画保存期間や、道路から外れる場合の外れる前の動画保存期間を一定(例えば30秒)としたが、保存期間設定部222は、これらの動画保存期間中に特定の挙動が行われた場合に動画保存期間を延長するようにしてもよい。例えば、特定の挙動としては、動画保存期間(動画保存期間よりも短い時間や距離を設定してもよい)内における車両の右左折動作(ステアリングの回転角度変化やウインカー動作の有無などにより判断が可能であり、これらに関する情報が走行軌跡情報に含まれるものとする)が考えられる。また、右左折動作が行われた場合には、右左折時点よりも直前の動画保存期間が一定(例えば30秒)となるように、保存動画の開始タイミングを早い方にずらすことが望ましい。これにより、駐停車位置までの走行経路が単純でない場合に動画の保存期間を長くして、駐停車に至るまでの状況確認を確実に行うことが可能となる。
【0056】
また、保存期間設定部222は、車両が動画保存期間中に走行する道路の種類に応じて動画保存期間を変更するようにしてもよい。例えば、上述した動画保存期間(駐停車位置が道路上の場合の動画保存期間や、道路から外れる場合の外れる前の動画保存期間)を、道路の種類が幹線道路の場合に短く、詳細道路の場合に長く設定することが考えられる。あるいは、動画保存期間を、道路の種類が幅員の広い道路あるいは車線数が多い道路の場合に短く、幅員の狭い道路あるいは車線数の少ない道路の場合に長く設定するようにしてもよい。これにより、駐停車位置を見つけにくい道路については動画の保存期間を長くすることができる。
【0057】
また、上述した実施形態では、車載装置1とは別に再生装置3を設けたが、再生装置3の機能を車載装置1に持たせ、車両の新人ドライバーが車載装置1を操作して駐停車位置を確認するようにしてもよい。
【0058】
また、上述した実施形態では、宅配便の業者においてベテランドライバーが運転した車両において撮影した動画を、後に新人ドライバーが見て駐停車位置の確認を行う場合について説明したが、動画撮影や後の確認動作の用途はこれに限定されない。例えば、知人宅を訪ねる際に動画撮影を行い、別の人間が駐停車位置を確認するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
上述したように、本発明によれば、駐停車に至るまでの車両前方を撮像した動画を保存しているため、駐停車位置に至るまでの状況を容易に確認することができる。また、動画の保存時期間を駐停車地点に応じて可変しているため、駐停車地点の状況に応じた保存期間の確保が可能になる。
【符号の説明】
【0060】
1 車載装置
2 駐停車情報記録サーバ
3 再生装置
100 ドライブレコーダ
110 ナビゲーション装置
120、200 通信部
130 アップロード処理部
140 操作部
202 動画受信部
204 動画格納部
210 走行軌跡受信部
212 走行軌跡格納部
220 走行状態判定部
222 保存期間設定部
230 直前動画切出し部
232 直前動画保存部
240 地図情報作成部
242 地図情報格納部
250 保存動画送信部
260 地図情報送信部
図1
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図8