(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102830
(43)【公開日】2023-07-26
(54)【発明の名称】検知センサ及び照明システム
(51)【国際特許分類】
G01V 11/00 20060101AFI20230719BHJP
G01V 3/12 20060101ALI20230719BHJP
G01V 8/20 20060101ALI20230719BHJP
G01S 13/04 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
G01V11/00
G01V3/12 A
G01V8/20 P
G01S13/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022003513
(22)【出願日】2022-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150072
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 賢司
(74)【代理人】
【識別番号】100185719
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】小野 恭裕
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 雄彦
【テーマコード(参考)】
2G105
5J070
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB14
2G105BB15
2G105BB16
2G105CC01
2G105CC04
2G105DD01
2G105DD02
2G105EE02
2G105FF04
2G105FF12
2G105FF13
2G105HH01
2G105KK06
5J070AB08
5J070AC01
5J070AC15
5J070AD05
5J070AE09
5J070AF01
5J070BD06
(57)【要約】
【課題】画像撮影が難しい場所においても人の有無の検知が可能であり、かつ、検知範囲を所望の範囲に制限することが可能な検知センサ及び照明システムを提供する。
【解決手段】検知センサは、第1電波レーダと、第1板状部材とを備える。第1電波レーダは、所定空間における人の有無を検知する。第1板状部材は、第1屈曲部を介して形成された第1板部及び第2板部を含む。検知センサの平面視において、第1電波レーダは、第1板部の端部と第2板部の端部とを結ぶ第1仮想直線と重なる領域、又は、第1板状部材と第1仮想直線とによって囲まれる領域に配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知センサであって、
所定空間における人の有無を検知する第1電波レーダと、
第1屈曲部を介して形成された第1板部及び第2板部を含む第1板状部材とを備え、
前記検知センサの平面視において、前記第1電波レーダは、前記第1板部の端部と前記第2板部の端部とを結ぶ第1仮想直線と重なる領域、又は、前記第1板状部材と前記第1仮想直線とによって囲まれる領域に配置されている、検知センサ。
【請求項2】
前記第1電波レーダが実装された第1レーダ基板と、
前記第1レーダ基板が取り付けられた制御部基板とをさらに備え、
前記検知センサの平面視において、前記制御部基板の中心点、前記第1屈曲部及び前記第1電波レーダは、第2仮想直線上に位置している、請求項1に記載の検知センサ。
【請求項3】
前記第1板状部材は、前記第1板状部材の厚み方向において第1層及び第2層を含み、
前記検知センサの平面視において、前記第1層よりも前記第2層の方が前記第1電波レーダの近くに位置し、
前記第1層は金属板によって構成されており、前記第2層は電波吸収材によって構成されている、請求項2に記載の検知センサ。
【請求項4】
前記所定空間における人の有無を検知する第2電波レーダと、
第2屈曲部を介して形成された第3板部及び第4板部を含む第2板状部材とをさらに備え、
前記検知センサの平面視において、前記第2電波レーダは、前記第3板部の端部と前記第4板部の端部とを結ぶ第3仮想直線と重なる領域、又は、前記第2板状部材と前記第3仮想直線とによって囲まれる領域に配置されており、
前記検知センサの平面視において、前記第1電波レーダよりも前記第1板状部材の方が前記中心点の近くに位置しており、前記第2電波レーダよりも前記第2板状部材の方が前記中心点の近くに位置している、請求項2又は請求項3に記載の検知センサ。
【請求項5】
前記第1電波レーダ及び前記第2電波レーダの各々は、人の有無を検知する検知範囲を個別に調整可能である、請求項4に記載の検知センサ。
【請求項6】
前記制御部基板に実装された制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記第1電波レーダ及び前記第2電波レーダが順に作動するように前記第1電波レーダ及び前記第2電波レーダの各々を制御し、
前記制御部は、前記第1電波レーダ及び前記第2電波レーダ間の作動間隔、前記第1電波レーダにおける電波の送信間隔、並びに、前記第2電波レーダにおける電波の送信間隔の少なくとも一部の決定に乱数を用いる、請求項5に記載の検知センサ。
【請求項7】
第1赤外線センサと、
第2赤外線センサとをさらに備え、
前記第1赤外線センサは、前記中心点から見て前記第1電波レーダの先に位置し、
前記第2赤外線センサは、前記中心点から見て前記第2電波レーダの先に位置する、請求項4に記載の検知センサ。
【請求項8】
複数の検知センサと、
制御装置と、
所定空間を照らす照明装置群とを備え、
前記複数の検知センサの各々は、
前記所定空間における人の有無を検知する第1電波レーダと、
前記所定空間における人の有無を検知する第2電波レーダと、
第1屈曲部を介して形成された第1板部及び第2板部を含む第1板状部材と、
第2屈曲部を介して形成された第3板部及び第4板部を含む第2板状部材と、
前記制御装置と通信する通信部と、
前記第1電波レーダ及び前記第2電波レーダの各々を制御する制御部とを備え、
平面視において、前記第1電波レーダは、前記第1板部の端部と前記第2板部の端部とを結ぶ第1仮想直線と重なる領域、又は、前記第1板状部材と前記第1仮想直線とによって囲まれる領域に配置されており、
平面視において、前記第2電波レーダは、前記第3板部の端部と前記第4板部の端部とを結ぶ第2仮想直線と重なる領域、又は、前記第2板状部材と前記第2仮想直線とによって囲まれる領域に配置されており、
前記制御部は、前記第1電波レーダ及び前記第2電波レーダが順に作動するように前記第1電波レーダ及び前記第2電波レーダの各々を制御し、前記第1電波レーダ及び前記第2電波レーダの各々の検知結果を示す検知結果信号を前記制御装置へ直接的又は間接的に送信するように前記通信部を制御し、
前記制御装置は、前記検知結果信号に基づいて照明制御信号を生成し、生成された前記照明制御信号を前記照明装置群へ送信し、
前記制御部は、前記第1電波レーダ及び前記第2電波レーダ間の作動間隔、前記第1電波レーダにおける電波の送信間隔、並びに、前記第2電波レーダにおける電波の送信間隔の少なくとも一部の決定に乱数を用いる、照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知センサ及び照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2020-017536号公報(特許文献1)は、センサ装置を開示する。このセンサ装置は、検知範囲の撮影画像に基づいて検知範囲内における人の有無を検知する。このセンサ装置は、検知範囲を分割した複数の分割領域の各々における人の有無を検知可能である。このセンサ装置においては、不要な領域における人の有無の検知を制限することができる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されているセンサ装置においては、検知範囲内における人の有無を検知するために、検知範囲の画像が撮影される。しかしながら、画像撮影が難しい場所も存在し、そのような場所にこのセンサ装置を配置することは難しい。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、画像撮影が難しい場所においても人の有無の検知が可能であり、かつ、検知範囲を所望の範囲に制限することが可能な検知センサ及び照明システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある局面に従う検知センサは、第1電波レーダと、第1板状部材とを備える。第1電波レーダは、所定空間における人の有無を検知する。第1板状部材は、第1屈曲部を介して形成された第1板部及び第2板部を含む。検知センサの平面視において、第1電波レーダは、第1板部の端部と第2板部の端部とを結ぶ第1仮想直線と重なる領域、又は、第1板状部材と第1仮想直線とによって囲まれる領域に配置されている。
【0007】
この検知センサにおいては、第1電波レーダが、第1板部の端部と第2板部の端部とを結ぶ第1仮想直線と重なる領域、又は、第1板状部材と第1仮想直線とによって囲まれる領域に配置されている。したがって、この検知センサによれば、第1電波レーダによって発された電波の一部が第1板状部材によって遮られるため、第1電波レーダによる検知範囲を所望の範囲に制限することができる。また、この検知センサによれば、人の検知に第1電波レーダが用いられるため、画像撮影が難しい場所においても人の有無を検知することができる。
【0008】
上記検知センサは、第1電波レーダが実装された第1レーダ基板と、第1レーダ基板が取り付けられた制御部基板とをさらに備え、検知センサの平面視において、制御部基板の中心点、第1屈曲部及び第1電波レーダは、第2仮想直線上に位置していてもよい。
【0009】
上記検知センサにおいて、第1板状部材は、第1板状部材の厚み方向において第1層及び第2層を含み、検知センサの平面視において、第1層よりも第2層の方が第1電波レーダの近くに位置し、第1層は金属板によって構成されており、第2層は電波吸収材によって構成されていてもよい。
【0010】
この検知センサによれば、第1電波レーダによって発された電波の一部が電波吸収材によって吸収されるため、第1電波レーダによる検知範囲を所望の範囲に制限することができる。
【0011】
上記検知センサは、所定空間における人の有無を検知する第2電波レーダと、第2屈曲部を介して形成された第3板部及び第4板部を含む第2板状部材とをさらに備え、検知センサの平面視において、第2電波レーダは、第3板部の端部と第4板部の端部とを結ぶ第3仮想直線と重なる領域、又は、第2板状部材と第3仮想直線とによって囲まれる領域に配置されており、検知センサの平面視において、第1電波レーダよりも第1板状部材の方が上記中心点の近くに位置しており、第2電波レーダよりも第2板状部材の方が上記中心点の近くに位置していてもよい。
【0012】
この検知センサによれば、第1電波レーダと第2電波レーダとの間に各板状部材が配置されているため、第1電波レーダによる検知範囲と第2電波レーダによる検知範囲との重複を抑制することができる。
【0013】
上記検知センサにおいて、第1電波レーダ及び第2電波レーダの各々は、人の有無を検知する範囲を個別に調整可能であってもよい。
【0014】
この検知センサによれば、第1電波レーダ及び第2電波レーダの各々における検知範囲を個別に調整することができる。
【0015】
上記検知センサは、制御部基板に実装された制御部をさらに備え、制御部は、第1電波レーダ及び第2電波レーダが順に作動するように第1電波レーダ及び第2電波レーダの各々を制御し、制御部は、第1電波レーダ及び第2電波レーダ間の作動間隔、第1電波レーダにおける電波の送信間隔、並びに、第2電波レーダにおける電波の送信間隔の少なくとも一部の決定に乱数を用いてもよい。
【0016】
この検知センサによれば、第1電波レーダ及び第2電波レーダが順に作動すると共に、電波の送信間隔が乱数を用いて決定されるため、第1電波レーダ及び第2電波レーダ間における電波干渉の発生を抑制することができる。
【0017】
上記検知センサは、第1赤外線センサと、第2赤外線センサとをさらに備え、第1赤外線センサは、上記中心点から見て第1電波レーダの先に位置し、第2赤外線センサは、上記中心点から見て第2電波レーダの先に位置していてもよい。
【0018】
この検知センサによれば、第1赤外線センサ及び第2赤外線センサが含まれるため、例えば、各検知範囲において、赤外線センサが初期検知を行ない、電波レーダがその後の検知を行なうといった制御が可能である。
【0019】
本発明の他の局面に従う照明システムは、複数の検知センサと、制御装置と、照明装置群とを備える。照明装置群は、所定空間を照らす。複数の検知センサの各々は、第1電波レーダと、第2電波レーダと、第1板状部材と、第2板状部材と、通信部と、制御部とを備える。第1電波レーダ及び第2電波レーダの各々は、所定空間における人の有無を検知する。第1板状部材は、第1屈曲部を介して形成された第1板部及び第2板部を含む。第2板状部材は、第2屈曲部を介して形成された第3板部及び第4板部を含む。通信部は、制御装置と通信する。制御部は、第1電波レーダ及び第2電波レーダの各々を制御する。平面視において、第1電波レーダは、第1板部の端部と第2板部の端部とを結ぶ第1仮想直線と重なる領域、又は、第1板状部材と第1仮想直線とによって囲まれる領域に配置されている。平面視において、第2電波レーダは、第3板部の端部と第4板部の端部とを結ぶ第2仮想直線と重なる領域、又は、第2板状部材と第2仮想直線とによって囲まれる領域に配置されている。制御部は、第1電波レーダ及び第2電波レーダが順に作動するように第1電波レーダ及び第2電波レーダの各々を制御し、第1電波レーダ及び第2電波レーダの各々の検知結果を示す検知結果信号を制御装置へ直接的又は間接的に送信するように通信部を制御する。制御装置は、検知結果信号に基づいて照明制御信号を生成し、生成された照明制御信号を照明装置群へ送信する。制御部は、第1電波レーダ及び第2電波レーダ間の作動間隔、第1電波レーダにおける電波の送信間隔、並びに、第2電波レーダにおける電波の送信間隔の少なくとも一部の決定に乱数を用いる。
【0020】
この照明システムによれば、各検知センサにおいて、第1電波レーダ及び第2電波レーダ間の作動間隔、第1電波レーダにおける電波の送信間隔、並びに、第2電波レーダにおける電波の送信間隔の少なくとも一部の決定が乱数を用いて行なわれるため、検知センサ間における電波干渉の発生を抑制することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、画像撮影が難しい場所においても人の有無の検知が可能であり、かつ、検知範囲を所望の範囲に制限することが可能な検知センサ及び照明システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施の形態1に従う照明システムを模式的に示す図である。
【
図2】検知センサの電気的構成を模式的に示す図である。
【
図3】第1電波レーダの電気的構成を模式的に示す図である。
【
図4】各電波レーダ、各赤外線レーダ及び制御部の物理的な接続関係を模式的に示す図である。
【
図5】検知センサの主要部分を模式的に示す斜視図である。
【
図6】検知センサの主要部分を模式的に示す平面図である。
【
図8】各板状部材の役割を説明するための図である。
【
図9】検知センサのうちベース側に固定された各部材を側面から模式的に示す部分断面図である。
【
図10】検知センサのうちカバー側に固定された各部材を側面から模式的に示す部分断面図である。
【
図11】ベースにカバーを取り付けた状態(検知センサ)を側面から模式的に示す部分断面図である。
【
図12】照明装置の電気的構成を模式的に示す図である。
【
図13】制御装置の電気的構成を模式的に示す図である。
【
図14】検知センサにおいて各電波レーダが送信波を発するタイミングを示す図である。
【
図15】検知センサにおける各レーダの周波数制御動作の一例を示すフローチャートである。
【
図16】各電波レーダにおける送信アンテナの利得を個別に調整可能とすることによる効果を説明するための図である。
【
図17】検知センサにおける赤外線レーダ及び電波レーダの各々の役割を説明するための図である。
【
図18】各検知範囲における人の検知手順の一例を示すフローチャートである。
【
図19】制御装置における動作の概要を説明するための図である。
【
図20】制御装置における動作の一例を示すフローチャートである。
【
図21】各照明装置における動作の一例を示すフローチャートである。
【
図22】実施の形態2に従う照明システムを模式的に示す図である。
【
図23】各検知範囲の広さを調整する第1の他の例について説明するための図である。
【
図24】各検知範囲の広さを調整する第2の他の例について説明するための図である。
【
図25】3つの電波レーダが設けられた検知センサの平面を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施の形態」とも称する。)について、図面を用いて詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、各図面は、理解の容易のために、適宜対象を省略又は誇張して模式的に描かれている。
【0024】
[1.実施の形態1]
<1-1.構成>
(1-1-1.照明システムの全体構成)
図1は、本実施の形態1に従う照明システム10を模式的に示す図である。なお、
図1においては、天井が透過した状態の室内15が上方から示されている。すなわち、
図1においては、天井に取り付けられた検知センサ100側から室内15が示されている。
【0025】
図1に示されるように、照明システム10は、検知センサ100と、複数の照明装置200と、制御装置300とを含んでいる。検知センサ100は、第1電波レーダ110と、第2電波レーダ120と、第3電波レーダ130と、第4電波レーダ140とを含んでおり、所定空間の一例である室内15における人の有無を検知するように構成されている。なお、所定空間は、野外、出入口近傍であってもよい。第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140の各々は、例えば、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式の電波レーダ又はドップラー方式の電波レーダによって構成される。
【0026】
室内15には、検知範囲A1,A2,A3,A4が含まれている。検知範囲A1における人の有無は第1電波レーダ110によって検知され、検知範囲A2における人の有無は第2電波レーダ120によって検知される。検知範囲A3における人の有無は第3電波レーダ130によって検知され、検知範囲A4における人の有無は第4電波レーダ140によって検知される。
【0027】
第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140の各々による検知結果を示す信号(以下、「検知結果信号」とも称する。)は、検知センサ100から制御装置300へ送信される。検知結果信号は、例えば、(1)検知範囲に人が存在しない、(2)検知範囲に人が進入し人が存在するようになった、(3)検知範囲に人が存在する、及び(4)検知範囲から人が退出し検知範囲に人が存在しなくなった、のいずれかを示す。検知結果信号は、検知センサ100から制御装置300へ直接的に送信されてもよい。また、検知結果信号は、1又は複数の照明装置200を介して間接的に検知センサ100から制御装置300へ送信されてもよい。
【0028】
制御装置300は、受信された検知結果信号に基づいて複数の照明装置200の各々を制御する。例えば、検知範囲A1において人が検知され、かつ、検知範囲A2,A3,A4において人が検知されなかった場合に、制御装置300は、検知範囲A1を照らす複数の照明装置200(以下、「第1照明装置群」とも称する。)の各々を点灯させ、検知範囲A2,A3,A4の各々を照らす複数の照明装置200(以下、それぞれを「第2照明装置群」、「第3照明装置群」及び「第4照明装置群」とも称する。)の各々を消灯させる。すなわち、制御装置300は、そのような制御を実現するための制御信号(以下、「照明制御信号」とも称する。)を各照明装置200へ直接的又は間接的に送信する。
【0029】
第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140の各々は、各検知範囲における人の有無を検知するために電波を発する。検知センサ100においては、電波レーダ間における電波干渉を抑制するための構造的工夫及び制御的工夫が取り入れられている。以下、照明システム10について詳細に説明する。
【0030】
(1-1-2.検知センサの電気的構成)
図2は、検知センサ100の電気的構成を模式的に示す図である。
図2に示されるように、検知センサ100は、第1電波レーダ110と、第2電波レーダ120と、第3電波レーダ130と、第4電波レーダ140と、第1赤外線レーダ111と、第2赤外線レーダ121と、第3赤外線レーダ131と、第4赤外線レーダ141と、制御部160と、通信部135と、電源部150とを含んでいる。
【0031】
上述のように、検知センサ100において、第1電波レーダ110は検知範囲A1(
図1)における人の有無を検知し、第2電波レーダ120は検知範囲A2における人の有無を検知する。また、第3電波レーダ130は検知範囲A3における人の有無を検知し、第4電波レーダ140は検知範囲A4における人の有無を検知する。第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140の各々は、例えば、FMCW方式のレーダ又はドップラー方式のレーダによって構成される。第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140は、例えば、互いに同一の構成を有している。
【0032】
図3は、第1電波レーダ110の電気的構成を模式的に示す図である。この例において、第1電波レーダ110は、FMCW方式の電波レーダによって構成されている。
図3に示されるように、第1電波レーダ110は、送信アンテナ113と、受信アンテナ114と、通信部116と、制御回路118とを含んでいる。送信アンテナ113は、周波数(送信周波数)が時間の経過に伴って変化する送信波を送信するように構成されている。すなわち、送信アンテナ113は、FMCW方式に従う送信波を送信するように構成されている。受信アンテナ114は、周波数(受信周波数)が時間の経過に伴って変化する受信波を受信するように構成されている。すなわち、受信アンテナ114は、例えば、FMCW方式に従う受信波を受信するように構成されている。
【0033】
なお、第1電波レーダ110がドップラー方式のレーダによって構成される場合には、送信アンテナ113が所定周波数の送信波を送信するように構成されていてもよい。また、受信アンテナ114が反射波を受信するように構成されていてもよい。この場合には、例えば、送信波が検知範囲に存在する人で反射したときに、反射波の周波数が変化する。そして、送信波の周波数と反射波の周波数との差分に基づいて人の有無が検知される。
【0034】
制御回路118は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含んでいる。制御回路118は、情報処理に応じて、第1電波レーダ110内の各構成要素を制御するように構成されている。制御回路118は、例えば、送信周波数と受信周波数とを比較することによって、検知範囲(例えば、検知範囲A1)における人の有無を検知する。なお、制御回路118によって実現される機能は、1つの回路で実現されてもよいし、複数の回路で実現されてもよい。
【0035】
通信部116は、制御部160(
図2)と通信するように構成されている。通信部116は、例えば、第1電波レーダ110による検知結果を示す信号を制御部160へ送信する。なお、通信部116と制御部160との間における通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
【0036】
再び
図2を参照して、第1赤外線レーダ111、第2赤外線レーダ121、第3赤外線レーダ131及び第4赤外線レーダ141の各々は、周囲の温度変化に基づいて人が検知範囲に進入したことを検知する。詳細については後述するが、第1赤外線レーダ111は検知範囲A1への人の進入を検知し、第2赤外線レーダ121は検知範囲A2への人の進入を検知する。また、第3赤外線レーダ131は検知範囲A3への人の進入を検知し、第4赤外線レーダ141は検知範囲A4への人の進入を検知する。
【0037】
制御部160は、例えば、CPU、RAM及びROMを含んでいる。制御部160は、情報処理に応じて、検知センサ100内の各構成要素を制御するように構成されている。制御部160は、第1電波レーダ110による検知結果を示す信号、第2電波レーダ120による検知結果を示す信号、第3電波レーダ130による検知結果を示す信号、及び、第4電波レーダ140による検知結果を示す信号に基づいて検知結果信号を生成する。
【0038】
通信部135は、例えば、複数の照明装置200及び制御装置300の各々と直接的又は間接的に通信するように構成されている。通信部135は、例えば、検知結果信号を複数の照明装置200及び制御装置300の各々へ直接的又は間接的に送信する。通信部135は、例えば、有線通信又は無線通信が可能である。無線通信の一例としては、例えば、920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯を用いた通信が挙げられる。このような通信を実現する通信規格の一例としては、BLE(Bluetooth Low Energy)を含むBluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)及びWi-Fi(登録商標)が挙げられる。
【0039】
電源部150は、商用電源(100V)から供給される交流電力(AC:Alternating Current)を直流電力(DC:Direct Current)に変換し、検知センサ100の各構成要素に直流電力を供給するように構成されている。
【0040】
図4は、各電波レーダ、各赤外線レーダ及び制御部160の物理的な接続関係を模式的に示す図である。
図4に示されるように、第1電波レーダ110は第1レーダ基板112に実装されており、第2電波レーダ120は第2レーダ基板122に実装されている。また、第3電波レーダ130は第3レーダ基板132に実装されており、第4電波レーダ140は第4レーダ基板142に実装されている。
【0041】
各赤外線レーダ及び制御部160の各々は、制御部基板162に実装されている。制御部基板162は、第1レーダ基板112、第2レーダ基板122、第3レーダ基板132及び第4レーダ基板142の各々とケーブル172を介して接続されている。ケーブル172は、例えば、SPI(Serial Peripheral Interface)に準拠した通信が可能である。これにより、制御部160は、各赤外線レーダ及び各電波レーダの各々と電気的に接続されている。また、第1レーダ基板112、第2レーダ基板122、第3レーダ基板132、第4レーダ基板142及び制御部基板162は、同一の筐体170に収容されている。検知センサ100に含まれる各基板が1つの筐体170に収容されているため、検知センサ100の実装が容易になっている。
【0042】
(1-1-3.検知センサの機械的構成)
図5は、検知センサ100の主要部分を模式的に示す斜視図である。
図6は、検知センサ100の主要部分を模式的に示す平面図である。
図5及び
図6を参照して、例えば、検知センサ100の面のうち制御部基板162側の面が天井に取り付けられる。制御部基板162においては、制御部基板162の面のうち、検知センサ100が天井に取り付けられた状態で室内15を向く方の面に、各種部品が実装されている。
【0043】
検知センサ100は、制御部基板162と、第1電波レーダ110と、第1レーダ基板112と、第1赤外線レーダ111と、第2電波レーダ120と、第2レーダ基板122と、第2赤外線レーダ121と、第3電波レーダ130と、第3レーダ基板132と、第3赤外線レーダ131と、第4電波レーダ140と、第4レーダ基板142と、第4赤外線レーダ141と、スペーサ119,129,139,149と、複数の板状部材180とを含んでいる。
【0044】
制御部基板162は、平面視において略正方形状を有する。なお、制御部基板162の平面視における形状はこれに限定されない。例えば、制御部基板162の平面視における形状は円形であってよい。制御部基板162には、制御部160(
図4)、第1赤外線レーダ111、第2赤外線レーダ121、第3赤外線レーダ131及び第4赤外線レーダ141の各々が実装されている。第1赤外線レーダ111、第2赤外線レーダ121、第3赤外線レーダ131及び第4赤外線レーダ141の各々は、制御部基板162の角部の近傍に配置されている。第1赤外線レーダ111、第2赤外線レーダ121、第3赤外線レーダ131及び第4赤外線レーダ141の各々は、制御部基板162の中心点を中心とする周方向において等角度間隔(90°)を空けて配置されている。
【0045】
第1赤外線レーダ111は制御部基板162の中心点から見て第1電波レーダ110の先に位置し、第2赤外線レーダ121は制御部基板162の中心点から見て第2電波レーダ120の先に位置している。また、第3赤外線レーダ131は制御部基板162の中心点から見て第3電波レーダ130の先に位置し、第4赤外線レーダ141は制御部基板162の中心点から見て第4電波レーダ140の先に位置している。
【0046】
第1電波レーダ110は第1レーダ基板112の略中央部分に実装されており、第2電波レーダ120は第2レーダ基板122の略中央部分に実装されている。第3電波レーダ130は第3レーダ基板132の略中央部分に実装されており、第4電波レーダ140は第4レーダ基板142の略中央部分に実装されている。第1レーダ基板112、第2レーダ基板122、第3レーダ基板132及び第4レーダ基板142の各々は、長辺及び短辺を有する矩形形状を有する。
【0047】
第1レーダ基板112は複数(2つ)のスペーサ119を介して制御部基板162に取り付けられており、第2レーダ基板122は複数(2つ)のスペーサ129を介して制御部基板162に取り付けられている。また、第3レーダ基板132は複数(2つ)のスペーサ139を介して制御部基板162に取り付けられており、第4レーダ基板142は複数(2つ)のスペーサ149を介して制御部基板162に取り付けられている。
【0048】
第1レーダ基板112、第2レーダ基板122、第3レーダ基板132及び第4レーダ基板142の各々は、制御部基板162の中心点を中心とする周方向において等角度間隔(90°)を空けて配置されている。すなわち、平面視において、第1レーダ基板112は制御部基板162の中心点に関して第4レーダ基板142と対称な位置に配置されており、第2レーダ基板122は制御部基板162の中心点に関し第3レーダ基板132と対称な位置に配置されている。
【0049】
第1レーダ基板112及び第4レーダ基板142の各々は、制御部基板162における一方の対角線である仮想直線L1と各レーダ基板の長辺とが直交するように配置されている。また、制御部基板162において、第1電波レーダ110及び第4電波レーダ140の各々は、仮想直線L1上に位置している。
【0050】
第2レーダ基板122及び第3レーダ基板132の各々は、制御部基板162における他方の対角線である仮想直線L2と各レーダ基板の長辺とが直交するように配置されている。また、制御部基板162において、第2電波レーダ120及び第3電波レーダ130の各々は、仮想直線L2上に位置している。
【0051】
平面視において、第1レーダ基板112と重なる位置、第2レーダ基板122と重なる位置、第3レーダ基板132と重なる位置、及び、第4レーダ基板142と重なる位置の各々に板状部材180が設けられている。各板状部材180は、例えば、1枚の板を曲げることによって形成されており、屈曲部BE1を介して形成された板部181及び板部182を含んでいる。
【0052】
平面視において、第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140の各々は、板部181の端部と板部182の端部とを結ぶ仮想直線L3と重なる領域に配置されている。なお、第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140の各々は、板状部材180と仮想直線L3とによって囲まれる領域内に配置されてもよい。
【0053】
平面視において、第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140の各々よりも各板状部材180の方が制御部基板162の中心点の近くに位置している。第1レーダ基板112の近傍に位置する板状部材180、及び、第4レーダ基板142の近傍に位置する板状部材180の各々に関して、屈曲部BE1は、仮想直線L1上に位置している。また、第2レーダ基板122の近傍に位置する板状部材180、及び、第3レーダ基板132の近傍に位置する板状部材180の各々に関して、屈曲部BE1は、仮想直線L2上に位置している。
【0054】
図7は、板状部材180を模式的に示す平面図である。
図7に示されるように、板状部材180は、屈曲部BE1において90°に折り曲がっており、平面視に置いてL字形状を有している。板状部材180は、厚み方向において層183,184を含んでいる。層183は、例えば、金属板(アルミニウム等)によって構成されている。層184は、例えば、電波吸収材によって構成されている。電波吸収材の一例としては、フェライト又はカーボニル鉄等の強磁性体粉末を含むエポキシ樹脂、ゴム及びシリコンが挙げられる。板状部材180は、一方の面に電波吸収材が貼り付けられた金属板を折り曲げることによって製造されてもよいし、金属板を折り曲げた後に板部181,182の各々に電波吸収材を貼り付けることによって製造されてもよい。また、塗布により板部181,182の各々に電波吸収材を成膜してもよい。
【0055】
図8は、各板状部材180の役割を説明するための図である。
図8を参照して、各板状部材180には、電波レーダによって発された電波が入射する。各板状部材180は、層184における反射波の位相と層183における反射波の位相とが略180°異なる状態となり、層184における反射波の振幅と層183における反射波の振幅とが略同一となるように構成されている。したがって、層184における反射波と層183における反射波とが互いに打ち消し合う。結果的に、板状部材180において電波が吸収される。なお、層183は本発明における「第1層」の一例であり、層184は本発明における「第2層」の一例である。
【0056】
再び
図5及び
図6を参照して、本実施の形態1に従う検知センサ100においては、第1電波レーダ110が、板部181の端部と板部182の端部とを結ぶ仮想直線L3と重なる領域、又は、板状部材180と仮想直線L3とによって囲まれる領域に配置されている。したがって、検知センサ100によれば、第1電波レーダ110によって発された電波の一部が板状部材180によって遮られるため(吸収されるため)、第1電波レーダ110による検知範囲を所望の範囲(検知範囲A1)に制限することができる。また、検知センサ100によれば、人の検知に電波レーダが用いられるため、画像撮影が難しい場所においても人の有無を検知することができる。これらは、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140の各々においても同様である。
【0057】
例えば、検知センサ100において板状部材180が設けられていない場合には、検知センサ100を中心として等角度の位置(例えば、検知センサ100を中心として角度30°の位置と角度-(マイナス)30°の位置)に検知対象(例えば、人)が存在するときに、検知対象を上手く検知できないという事態が生じ得る。本実施の形態1に従う検知センサ100においては、板状部材180が設けられているため、このような問題の発生を抑制することができる。
【0058】
また、検知センサ100においては、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140の各々も、第1電波レーダ110と同様、仮想直線L3と重なる領域、又は、板状部材180と仮想直線L3とによって囲まれる領域に配置されている。したがって、検知センサ100によれば、各電波レーダ間に板状部材180が配置されているため、各電波レーダによる検知範囲の重複を抑制することができる。次に、検知センサ100の組立て手順について説明する。
【0059】
図9は、検知センサ100のうちベース102側に固定された各部材を側面から模式的に示す部分断面図である。
図9に示されるように、制御部基板162は、ベース102に固定されている。制御部基板162には、スペーサ119,129等を介して各レーダ基板(第1レーダ基板112、第2レーダ基板122等)が固定されている。まず、
図9に示される部材が準備される。
【0060】
図10は、検知センサ100のうちカバー104側に固定された各部材を側面から模式的に示す部分断面図である。
図10に示されるように、カバー104には、複数の板状部材180が固定されている。各板状部材180は、例えば、両面テープを介してカバー104に固定されている。次に、
図10に示される部材が準備される。ベース102にカバー104が取り付けられる。
【0061】
図11は、ベース102にカバー104を取り付けた状態(検知センサ100)を側面から模式的に示す部分断面図である。
図11に示されるように、検知センサ100においては、ベース102側からカバー104側に向かって、制御部基板162、複数のスペーサ(スペーサ119,129等)、複数のレーダ基板(第1レーダ基板112、第2レーダ基板122等)及び複数の板状部材180がこの順に並んでいる。
【0062】
(1-1-4.照明装置の電気的構成)
図12は、照明装置200の電気的構成を模式的に示す図である。
図12に示されるように、照明装置200は、通信部210と、光源部220と、電源部230と、制御部240とを含んでいる。
【0063】
通信部210は、例えば、検知センサ100、他の照明装置200及び制御装置300の各々と直接的又は間接的に通信するように構成されている。通信部210は、例えば、検知結果信号の送受信、及び、照明制御信号の送受信を行なう。通信部210は、例えば、有線通信又は無線通信が可能である。無線通信の一例としては、例えば、920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯を用いた通信が挙げられる。このような通信を実現する通信規格の一例としては、BLEを含むBluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)及びWi-Fi(登録商標)が挙げられる。
【0064】
光源部220は、電源部230から電力供給を受けることによって発光するように構成されている。光源部220は、例えば、LED(Light Emitting Diode)によって構成される。電源部230は、商用電源(100V)から供給される交流電力(AC)を直流電力(DC)に変換し、照明装置200の各構成要素に直流電力を供給するように構成されている。
【0065】
制御部240は、例えば、CPU、RAM及びROMを含んでいる。制御部240は、情報処理に応じて、照明装置200内の各構成要素を制御するように構成されている。制御部240は、例えば、照明制御信号を受信した場合に、照明制御信号に従って光源部220を制御する。また、制御部240は、例えば、検知結果信号を受信した場合に、他の照明装置200又は制御装置300へ検知結果信号を送信するように通信部210を制御する。
【0066】
(1-1-5.制御装置の電気的構成)
図13は、制御装置300の電気的構成を模式的に示す図である。
図13に示されるように、制御装置300は、表示部310と、通信部320と、電源部330と、記憶部340と、制御部350とを含んでいる。
【0067】
表示部310は、画像を表示するように構成されている。表示部310は、例えば、検知結果信号が示す情報(例えば、室内15における人の有無を示す情報)を表示する。表示部310は、例えば、液晶モニタ又は有機EL(Electro Luminescence)モニタ等のモニタで構成される。
【0068】
通信部320は、例えば、検知センサ100及び複数の照明装置200の各々と直接的又は間接的に通信するように構成されている。通信部320は、例えば、検知結果信号の受信及び照明制御信号の送信を行なう。通信部320は、例えば、有線通信又は無線通信が可能である。無線通信の一例としては、例えば、920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯を用いた通信が挙げられる。このような通信を実現する通信規格の一例としては、BLEを含むBluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)及びWi-Fi(登録商標)が挙げられる。
【0069】
電源部330は、商用電源(100V)から供給される交流電力(AC)を直流電力(DC)に変換し、制御装置300の各構成要素に直流電力を供給するように構成されている。記憶部340は、各種データを記憶するように構成されている。記憶部340は、例えば、検知センサ100から受信された検知結果信号の内容を継続的に記憶する。記憶部340は、例えば、ROM、RAM、EEPROM、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブの少なくとも一部によって構成される。
【0070】
制御部350は、例えば、CPU、RAM及びROMを含んでいる。制御部350は、情報処理に応じて、制御装置300内の各構成要素を制御するように構成されている。制御部350は、例えば、受信された検知結果信号に基づいて照明制御信号を生成する。例えば、検知範囲A1において人が検知され、かつ、検知範囲A2,A3,A4の各々において人が検知されなかった場合に、制御部350は、第1照明装置群に含まれる各照明装置200を点灯させ、第2照明装置群,第3照明装置群及び第4照明装置群の各々に含まれる各照明装置200を消灯させる照明制御信号を生成する。
【0071】
<1-2.動作>
(1-2-1.検知センサの動作)
検知センサ100において、仮に第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140の各々が互いに同じタイミングで電波を発すると、電波干渉が生じる可能性が高まる。検知センサ100においては、電波干渉を抑制するために、第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140の各々が電波を発するタイミングが互いに異なる。以下、詳細に説明する。
【0072】
図14は、検知センサ100において各電波レーダが送信波を発するタイミングを示す図である。
図14を参照して、横軸は時間を示し、縦軸は周波数を示す。波形W1は第1電波レーダ110によって発される送信波に対応し、波形W2は第2電波レーダ120によって発される送信波に対応する。また、波形W3は第3電波レーダ130によって発される送信波に対応し、波形W4は第4電波レーダ140によって発される送信波に対応する。
【0073】
例えば、時刻t1-t2においては、第1電波レーダ110の送信波における周波数の掃引が行なわれる。時刻t2-t3においては、いずれの電波レーダにおいても送信波における周波数の掃引が行なわれない。この期間は休止時間である。休止時間は、例えば、掃引時間(例えば、時刻t1-t2)に送信された送信波に対応する受信波の受信が完了する程度の時間である。休止時間は、例えば、所定時間(例えば、1-10ms)に乱数で決定された時間(例えば、1-10ms)を加算することによって決定されてもよい。時刻t3においては、第2電波レーダ120の送信波における周波数の掃引が開始される。
【0074】
検知センサ100においては、第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140がこの順で送信波における周波数の掃引を行なう。各掃引の間には休止時間が挟まれる。第4電波レーダ140の送信波における周波数の掃引後の休止時間が経過すると、第1電波レーダ110の送信波における周波数の掃引が開始される。なお、第4電波レーダ140の送信波における周波数の掃引後に第1電波レーダ110の送信波における周波数の掃引が開始されるタイミングは、例えば、第1電波レーダ110における送信波の送信時間間隔に基づいて決定されてもよい。この送信時間間隔の決定には、例えば、乱数が用いられてもよい。
【0075】
このように、検知センサ100によれば、第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140が順に作動するため、第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140間の電波干渉を抑制することができる。また、検知センサ100によれば、各電波レーダの送信波における周波数の掃引開始タイミング間に休止時間が挟まれるため、例えば、第1電波レーダ110によって受信される反射波と第2電波レーダ120によって送信される送信波との間の電波干渉を抑制することができる。
【0076】
図15は、検知センサ100における各レーダの周波数制御動作の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、検知センサ100の制御部160によって繰り返し実行される。
【0077】
図15を参照して、制御部160は、送信波における周波数の掃引を開始するように所定順序に従う電波レーダ(例えば、1番目であれば第1電波レーダ110)を制御する(ステップS100)。制御部160は、掃引時間が経過したか否かを判定する(ステップS110)。掃引時間が経過していないと判定されると(ステップS110においてNO)、制御部160は、送信波における周波数の掃引を継続するように所定順序に従う電波レーダを制御する。
【0078】
一方、掃引時間が経過したと判定されると(ステップS110においてYES)、制御部160は、送信波における周波数の掃引を停止するように所定順序に従う電波レーダを制御する(ステップS120)。制御部160は、例えば、乱数を用いることによって休止時間を算出する(ステップS130)。制御部160は、休止時間が経過したか否かを判定する(ステップS140)。休止時間が経過していないと判定されると(ステップS140においてNO)、制御部160は、休止時間が経過するまで待機する。一方、休止時間が経過したと判定されると(ステップS140においてYES)、制御部160は、再びステップS100の処理を実行する。すなわち、制御部160は、送信波における周波数の掃引を開始するように所定順序に従う電波レーダ(例えば、2番目であれば第2電波レーダ120)を制御する。
【0079】
図15のフローチャートに示される処理と並行して、制御部160は、送信波の周波数及び受信波の周波数に基づいて各検知範囲における人の有無を判定する。制御部160は、判定結果に基づいて検知結果信号を生成し、生成された検知結果信号を直接的又は間接的に制御装置300へ送信するよう通信部135を制御する。
【0080】
また、検知センサ100においては、第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140の各々における送信アンテナ113の利得が個別に調整可能である。
【0081】
図16は、各電波レーダにおける送信アンテナ113の利得を個別に調整可能とすることによる効果を説明するための図である。
図16に示されるように、第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140の各々において送信アンテナ113における利得を個別に調整することによって、送信波の届く範囲を個別に調整することができる。その結果、検知センサ100によれば、例えば、各電波レーダによる検知範囲の広さを個別に調整することができる。
【0082】
また、検知センサ100においては、室内15における人の検知に赤外線レーダ及び電波レーダの両方が用いられている。検知センサ100において、赤外線レーダ及び電波レーダの各々は異なる役割を有する。
【0083】
図17は、検知センサ100における赤外線レーダ及び電波レーダの各々の役割を説明するための図である。
図17に含まれる左側の図を参照して、例えば、第1赤外線レーダ111は、検知範囲A1への人の進入を検知する。第1赤外線レーダ111は、検知範囲A1における温度変化に基づいた検知を行なうため、検知範囲A1への人の進入を容易に検知することができる。次に
図17に含まれる中央の図を参照して、例えば、第1電波レーダ110は、検知範囲A1において継続的に存在する人を検知する。例えば、検知範囲A1に人が継続的に存在する場合には検知範囲A1における温度変化が小さいため、検知範囲A1に継続的に存在する人の検知に第1赤外線レーダ111は適さない。次に
図17に含まれる右側の図を参照して、例えば、第1電波レーダ110は、検知範囲A1に人が存在しなくなったことを検知する。検知センサ100においては、例えば、赤外線レーダ及び電波レーダの各々がこのような役割を有している。
【0084】
図18は、検知範囲A1における人の検知手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、例えば、検知センサ100の制御部160によって繰り返し実行される。ここでは、室内15のうち検知範囲A1における人の検知手順について説明するが、検知範囲A2,A3,A4の各々においても同様の手順で人の検知が行なわれる。
【0085】
図18を参照して、制御部160は、第1赤外線レーダ111が人を検知したか否かを判定する(ステップS200)。第1赤外線レーダ111によって人が検知されていないと判定されると(ステップS200においてNO)、制御部160は、第1赤外線レーダ111によって人が検知されるまで待機する。
【0086】
一方、第1赤外線レーダ111によって人が検知されたと判定されると(ステップS200においてYES)、制御部160は、検知範囲A1において人が検知された旨を示す検知結果信号を制御装置300へ直接的又は間接的に送信するように通信部135を制御する(ステップS210)。
【0087】
制御部160は、タイマ機能を有し、第1赤外線レーダ111によって人が検知された場合に対象の照明装置200(例えば、第1照明装置群)を継続的に点灯させる時間を示す所定時間情報を記憶している。制御部160は、タイマを用いた所定時間のカウントダウンを開始する(ステップS220)。
【0088】
制御部160は、第1電波レーダ110が人を検知したか否かを判定する(ステップS230)。第1電波レーダ110によって人が検知されたと判定されると(ステップS230においてYES)、制御部160は、タイマのリセットを行なう(ステップS240)。
【0089】
一方、第1電波レーダ110によって人が検知されていないと判定されると(ステップS230においてNO)、制御部160は、カウントダウンの開始時から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS250)。所定時間が経過していないと判定されると(ステップS250においてNO)、処理は再びステップS230へ移行する。
【0090】
一方、所定時間が経過したと判定されると(ステップS250においてYES)、制御部160は、検知範囲A1において人が検知されていない旨を示す検知結果信号を制御装置300へ直接的又は間接的に送信するように通信部135を制御する(ステップS260)。このように、検知センサ100によれば、各検知範囲において、赤外線センサが初期検知を行ない、電波レーダがその後の検知を行なうといった制御を行なうことができる。
【0091】
(1-2-2.制御装置の動作)
図19は、制御装置300における動作の概要を説明するための図である。
図19に示されるように、検知センサ100によって送信された検知結果信号は、例えば、複数の照明装置200を経て制御装置300によって受信される。制御装置300は、受信された検知結果信号に基づいて照明制御信号を生成し、照明制御信号を直接的又は間接的に複数の照明装置200の各々へ送信する。
【0092】
例えば、検知範囲A1(
図1)において人が検知され、かつ、検知範囲A2,A3,A4の各々において人が検知されなかった場合に、制御装置300は、第1照明装置群に含まれる各照明装置200を点灯させ、第2照明装置群、第3照明装置群及び第4照明装置群の各々に含まれる各照明装置200を消灯させる照明制御信号を各照明装置200へ送信してもよい。また、例えば、検知範囲A1において人が検知され、かつ、検知範囲A2,A3,A4において人が検知されなかった場合に、制御装置300は、第1照明装置群に含まれる各照明装置200の照度を、第2照明装置群、第3照明装置群及び第4照明装置群の各々に含まれる各照明装置200の照度よりも高くする照明制御信号を各照明装置200へ送信してもよい。
【0093】
図20は、制御装置300における動作の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、制御装置300の制御部350によって繰り返し実行される。
【0094】
図20を参照して、制御部350は、通信部320を介して検知結果信号を受信したか否かを判定する(ステップS300)。検知結果信号を受信していないと判定されると(ステップS300においてNO)、制御部350は、検知結果信号を受信するまで待機する。
【0095】
一方、検知結果信号を受信したと判定されると(ステップS300においてYES)、制御部350は、受信された検知結果信号に基づいて照明制御信号を生成し、照明制御信号を直接的又は間接的に各照明装置200へ送信するように通信部320を制御する(ステップS310)。
【0096】
(1-2-3.照明装置の動作)
図21は、各照明装置200における動作の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、照明装置200の制御部240によって繰り返し実行される。
【0097】
図21を参照して、制御部240は、通信部210を介して照明制御信号を受信したか否かを判定する(ステップS400)。照明制御信号を受信していないと判定されると(ステップS400においてNO)、制御部240は、照明制御信号を受信するまで待機する。
【0098】
一方、照明制御信号を受信したと判定されると(ステップS400においてYES)、制御部240は、受信された照明制御信号に基づいて光源部220を制御すると共に、他の照明装置200へ照明制御信号を送信するように通信部210を制御する(ステップS410)。このように、照明システム10によれば、例えば、検知範囲A1,A2,A3,A4の各々における人の有無の検知結果に従って各照明装置200の点灯制御が行なわれるため、電力の浪費を抑制することができる。
【0099】
<1-3.特徴>
以上のように、本実施の形態1に従う検知センサ100においては、第1電波レーダ110が、板部181の端部と板部182の端部とを結ぶ仮想直線L3と重なる領域、又は、板状部材180と仮想直線L3とによって囲まれる領域に配置されている。したがって、検知センサ100によれば、第1電波レーダ110によって発された電波の一部が板状部材180によって遮られるため(吸収されるため)、第1電波レーダ110による検知範囲を所望の範囲(検知範囲A1)に制限することができる。また、検知センサ100によれば、人の検知に電波レーダが用いられるため、画像撮影が難しい場所においても人の有無を検知することができる。
【0100】
[2.実施の形態2]
上記実施の形態1においては、室内15に検知センサ100が1台設置された。しかしながら、室内15に設置される検知センサ100の数は1台に限定されない。本実施の形態2においては、室内15Aに複数台(2台)の検知センサ100が設置されている。以下では、上記実施の形態1と異なる点を中心に説明する。なお、検知センサ100X,100Yの各々の構成は、上記実施の形態1における検知センサ100と同様である。
【0101】
<2-1.照明システムの全体構成>
図22は、本実施の形態2に従う照明システム10Aを模式的に示す図である。なお、
図22においては、天井が透過した状態の室内15Aが上方から示されている。
【0102】
図22に示されるように、照明システム10Aは、検知センサ100X,100Yと、複数の照明装置200と、制御装置300Aとを含んでいる。室内15Aには、検知範囲A5-A12が含まれている。
【0103】
検知範囲A5における人の有無は検知センサ100Xの第1電波レーダ110によって検知され、検知範囲A6における人の有無は検知センサ100Xの第2電波レーダ120によって検知される。検知範囲A7における人の有無は検知センサ100Xの第3電波レーダ130によって検知され、検知範囲A8における人の有無は検知センサ100Xの第4電波レーダ140によって検知される。
【0104】
検知範囲A9における人の有無は検知センサ100Yの第1電波レーダ110によって検知され、検知範囲A10における人の有無は検知センサ100Yの第2電波レーダ120によって検知される。検知範囲A11における人の有無は検知センサ100Yの第3電波レーダ130によって検知され、検知範囲A12における人の有無は検知センサ100Yの第4電波レーダ140によって検知される。
【0105】
検知センサ100X,100Yの各々によって生成された検知結果信号は、直接的又は間接的に制御装置300Aへ送信される。制御装置300Aは、受信された検知結果信号に基づいて複数の照明装置200の各々を制御する。なお、制御装置300Aは、例えば、上記実施の形態1の制御装置300における制御部350を制御部350A(不図示)に置き換えた構成を有する。
【0106】
仮に検知センサ100Xの第3電波レーダ130と検知センサ100Yの第1電波レーダ110とが同じタイミングで電波を発すると、検知範囲A7,A9が互いに隣接しているため、電波干渉が生じる可能性が高い。しかしながら、上述のように、各電波レーダにおいて送信波が発されるタイミングの決定には乱数が用いられている。したがって、照明システム10Aによれば、隣接する検知範囲における人の有無を検知する各電波レーダが同タイミングで電波を発する可能性が必ずしも高くないため、各電波レーダ間において電波干渉が発生する可能性を低減することができる。
【0107】
<2-3.特徴>
以上のように、本実施の形態2に従う照明システム10Aによれば、隣接する検知範囲における人の有無を検知する各電波レーダが同タイミングで電波を発する可能性が必ずしも高くないため、各電波レーダ間において電波干渉が発生する可能性を低減することができる。
【0108】
[3.他の実施の形態]
上記実施の形態の思想は、以上で説明された実施の形態に限定されない。以下、上記実施の形態の思想を適用できる他の実施の形態の一例について説明する。
【0109】
<3-1>
上記実施の形態2において、照明システム10Aは、2つの検知センサ100(100X,100Y)を含んでいた。しかしながら、照明システム10Aに含まれる検知センサ100の数は2つに限定されない。照明システム10Aには、3つ以上の検知センサ100が含まれてもよい。検知センサ100の数を増やすことによって、より広範囲における人の有無を検知することができる。
【0110】
<3-2>
また、上記実施の形態1,2において、制御装置300,300Aによって行なわれた処理の一部が外部のサーバ(クラウドサーバを含む。)によって実行されてもよい。例えば、制御装置300によって受信された検知結果信号が外部のサーバに送信され、サーバにおいて照明制御信号が生成されてもよい。また、サーバにアクセスすることによって、例えば、ユーザのスマートフォンの画面に、各部屋における人の有無の情報が表示されてもよい。また、そのような情報がデジタルサイネージに表示されてもよい。
【0111】
<3-3>
また、上記実施の形態1,2においては、各電波レーダに含まれる送信アンテナ113の利得を調整することによって各検知範囲の広さが調整された。しかしながら、各検知範囲の広さを調整する手段はこれに限定されない。
【0112】
図23は、各検知範囲の広さを調整する第1の他の例について説明するための図である。
図23を参照して、例えば、検知センサ100Aに含まれる第1電波レーダ110A(不図示)には2つの受信アンテナ114が含まれている。検知センサ100Aにおいては、2つの受信アンテナ114の各々における受信結果の差に基づいて人が存在する位置を示す角度(例えば、角度An1)が算出される。検知センサ100Aにおいては、例えば、所定角度情報(例えば、角度An1)が予め記憶されている。例えば、所定角度An1より小さい角度位置において人が検知された場合には人が検知された旨を示す検知結果信号が生成され、所定角度An1以上の角度位置において人が検知された場合には人が検知されていない旨を示す検知結果信号が生成される。なお、所定角度情報は、調整可能であってもよい。このような手段によって、各検知範囲の広さが調整されてもよい。
【0113】
図24は、各検知範囲の広さを調整する第2の他の例について説明するための図である。
図24を参照して、この例においては、例えば、第1レーダ基板112がスペーサ119Bを介して制御部基板162に取り付けられ、第2レーダ基板122がスペーサ129Bを介して制御部基板162に取り付けられている。スペーサ119B,129Bの各々は、制御部基板162に対する傾きを調整可能である。スペーサ119B,129Bの各々の傾きを個別に調整することによって、第1電波レーダ110及び第2電波レーダ120の各々の傾きが個別に調整される。各電波レーダの物理的な傾きが個別に調整されることによって、各検知範囲の広さが個別に調整される。このような手段によって、各検知範囲の広さが調整されてもよい。
【0114】
<3-4>
また、上記実施の形態1,2においては、第1赤外線レーダ111、第2赤外線レーダ121、第3赤外線レーダ131及び第4赤外線レーダ141が検知センサ100に設けられた。しかしながら、第1赤外線レーダ111、第2赤外線レーダ121、第3赤外線レーダ131及び第4赤外線レーダ141は、必ずしも検知センサ100に設けられなくてもよい。各検知範囲への人の進入も各電波レーダによって検知されてもよい。
【0115】
<3-5>
また、上記実施の形態1,2において、検知センサ100,100X,100Yの各々は、4つの電波レーダを含んでいた。しかしながら、電波レーダの数はこれに限定されない。例えば、各検知センサ100は、3つ以下の電波レーダを含んでいてもよく、5つ以上の電波レーダを含んでいてもよい。
【0116】
図25は、3つの電波レーダが設けられた検知センサ100Cの平面を模式的に示す図である。
図25を参照して、例えば、3つの電波レーダが設けられた場合には、板状部材180の屈曲角度が120°であってもよい。これにより、例えば、実施の形態1における室内15を3つの検知範囲に区分けすることができる。
【0117】
以上、本発明の実施の形態について例示的に説明した。すなわち、例示的な説明のために、詳細な説明及び添付の図面が開示された。よって、詳細な説明及び添付の図面に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須でない構成要素が含まれることがある。したがって、それらの必須でない構成要素が詳細な説明及び添付の図面に記載されているからといって、それらの必須でない構成要素が必須であると直ちに認定されるべきではない。
【0118】
また、上記実施の形態は、あらゆる点において本発明の例示にすぎない。上記実施の形態は、本発明の範囲内において、種々の改良や変更が可能である。すなわち、本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じて具体的構成を適宜採用することができる。
【符号の説明】
【0119】
10 照明システム、15 室内、100 検知センサ、102 ベース、104 カバー、110 第1電波レーダ、111 第1赤外線レーダ、112 第1レーダ基板、113 送信アンテナ、114 受信アンテナ、116,135,210,320 通信部、118 制御回路、119,129,139,149 スペーサ、120 第2電波レーダ、121 第2赤外線レーダ、122 第2レーダ基板、130 第3電波レーダ、131 第3赤外線レーダ、132 第3レーダ基板、140 第4電波レーダ、141 第4赤外線レーダ、142 第4レーダ基板、150,230,330 電源部、160,240 制御部、162 制御部基板、170 筐体、172 ケーブル、180 板状部材、181,182 板部、183,184 層、200 照明装置、220 光源部、300 制御装置、310 表示部、340 記憶部、A1-A12 検知範囲、BE1 屈曲部、L1,L2,L3 仮想直線、W1-W4 波形。