(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102905
(43)【公開日】2023-07-26
(54)【発明の名称】洗浄装置
(51)【国際特許分類】
A47L 15/44 20060101AFI20230719BHJP
A47L 15/46 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
A47L15/44
A47L15/46 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022003649
(22)【出願日】2022-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】深尾 英臣
(72)【発明者】
【氏名】銅島 誠二
【テーマコード(参考)】
3B082
【Fターム(参考)】
3B082CC01
3B082CC02
3B082CC04
3B082DB02
(57)【要約】
【課題】貯蔵部内に貯蔵された処理剤の残量を精度高く検知可能であるとともに、報知部による補給報知を精度高く実行可能な洗浄装置を提供する。
【解決手段】本発明の食器洗浄機1は、洗浄槽7、供給装置13、貯蔵タンク15、残量検知部16、報知ランプ42及び制御部C1を備えている。貯蔵タンク15には洗剤300が貯蔵されている。供給装置13は、貯蔵タンク15内の洗剤300を洗浄槽7に自動で供給する。残量検知部16は、貯蔵タンク15内の洗剤300の残量を検知する。報知ランプ42は、洗剤300の補給を求める補給報知を行う。制御部C1は、貯蔵タンク15内の洗剤300の残量が第1所定量となったことを残量検知部16が検知した後、洗剤300の残量が第1所定量よりも少なくなれば、報知ランプ42に補給報知を開始させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物を洗浄する洗浄運転を実行する洗浄装置であって、
前記被洗浄物を収容しつつ洗浄する洗浄部と、
前記被洗浄物に用いる処理剤を貯蔵する貯蔵部と、
1回の前記洗浄運転の実行に対し、前記貯蔵部内の前記処理剤を所定量で前記洗浄部に自動で供給する供給部と、
前記貯蔵部に設けられ、前記貯蔵部内の前記処理剤の残量を検知する残量検知部と、
前記洗浄装置の使用者に対し、前記処理剤の補給を求める補給報知が可能な報知部と、
前記洗浄部、前記供給部、前記残量検知部及び前記報知部と接続され、前記洗浄運転の制御を行うとともに、前記供給部及び前記報知部の制御を行う制御部とを備え、
前記供給部が前記所定量の前記処理剤を前記洗浄部に供給する回数は供給回数とされ、
前記供給回数が最大よりも少ない第1所定回数であるときの前記処理剤の量は第1所定量とされ、
前記制御部は、前記残量が前記第1所定量となったことを前記残量検知部が検知した後、前記残量が前記第1所定量よりも少なくなれば、前記報知部に前記補給報知を開始させることを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
前記第1所定回数よりも少ない前記供給回数は第2所定回数とされ、
前記制御部には、前記第1所定回数と、前記第2所定回数とが記憶されるとともに、前記供給回数が記憶され、
前記制御部は、前記残量が前記第1所定量となったことを前記残量検知部が検知した後、前記供給回数が前記第2所定回数に達すれば、前記報知部に前記補給報知を開始させる請求項1記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記第1所定回数よりも少ない前記供給回数は第2所定回数とされ、
前記第2所定回数よりも多く、かつ、前記第1所定回数よりも少ない前記供給回数は第3所定回数とされ、
前記制御部には、前記第1所定回数と、前記第2所定回数と、前記第3所定回数とが記憶されるとともに、前記供給回数が記憶され、
前記制御部は、前記残量が前記第1所定量となったことを前記残量検知部が検知した後、前記供給回数が前記第3所定回数に達すれば、前記報知部に前記補給報知を開始させる請求項1又は2記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記報知部は、前記使用者に対し、前記残量が前記第1所定量となったことを報知する第1予備報知が可能であり、
前記制御部は、前記残量が前記第1所定量となったことを前記残量検知部が検知すれば、前記補給報知よりも先に前記報知部に前記第1予備報知を開始させる請求項1乃至3のいずれか1項記載の洗浄装置。
【請求項5】
被洗浄物を洗浄する洗浄運転を実行する洗浄装置であって、
前記被洗浄物を収容しつつ洗浄する洗浄部と、
前記被洗浄物に用いる処理剤を貯蔵する貯蔵部と、
1回の前記洗浄運転の実行に対し、所定時間の間、前記貯蔵部内の前記処理剤を特定量で前記洗浄部に自動で供給する供給部と、
前記貯蔵部に設けられ、前記貯蔵部内の前記処理剤の残量を検知する残量検知部と、
前記洗浄装置の使用者に対し、前記処理剤の補給を求める補給報知が可能な報知部と、
前記洗浄部、前記供給部、前記残量検知部及び前記報知部と接続され、前記洗浄運転の制御を行うとともに、前記供給部及び前記報知部の制御を行う制御部とを備え、
前記供給部が前記洗浄部に対して前記特定量の前記処理剤を供給する時間は供給時間とされ、
前記供給時間が最長よりも短い第1所定時間となるときの前記処理剤の量は第1特定量とされ、
前記制御部は、前記残量が前記第1特定量となったことを前記残量検知部が検知した後、前記残量が前記第1特定量よりも少なくなれば、前記報知部に前記補給報知を開始させることを特徴とする洗浄装置。
【請求項6】
前記第1所定時間よりも短い前記供給時間は第2所定時間とされ、
前記制御部には、前記第1所定時間と、前記第2所定時間とが記憶されるとともに、前記残量が前記第1特定量となったことを前記残量検知部が検知した後の前記供給時間を積算した積算供給時間が記憶され、
前記制御部は、前記積算供給時間が前記第2所定時間に達すれば、前記報知部に前記補給報知を開始させる請求項5記載の洗浄装置。
【請求項7】
前記第1所定時間よりも短い前記供給時間は第2所定時間とされ、
前記第2所定時間よりも長く、かつ、前記第1所定時間よりも短い前記供給時間は第3所定時間とされ、
前記制御部には、前記第1所定時間と、前記第2所定時間と、前記第3所定時間とが記憶されるとともに、前記残量が前記第1特定量となったことを前記残量検知部が検知した後の前記供給時間を積算した積算供給時間が記憶され、
前記制御部は、前記積算供給時間が前記第3所定時間に達すれば、前記報知部に前記補給報知を開始させる請求項5又は6記載の洗浄装置。
【請求項8】
前記報知部は、前記使用者に対し、前記残量が前記第1特定量となったことを報知する第2予備報知が可能であり、
前記制御部は、前記残量が前記第1特定量となったことを前記残量検知部が検知すれば、前記補給報知よりも先に前記報知部に前記第2予備報知を開始させる請求項5乃至7のいずれか1項記載の洗浄装置。
【請求項9】
前記処理剤は液状であり、
前記残量検知部は、磁石が設けられ、前記貯蔵部内で変位可能なフロートと、前記磁石の磁気によって前記貯蔵部内における前記フロートの位置を検知可能な検知センサとを有している請求項1乃至8のいずれか1項記載の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の洗浄装置が開示されている。この洗浄装置は具体的には洗濯機であり、洗浄部と、貯蔵部と、供給部と、報知部と、制御部とを備えている。洗浄部は、被洗浄物を収容するとともに被洗浄物を洗浄する。貯蔵部は、被洗浄物に用いる処理剤を貯蔵する。供給部は、貯蔵部の処理剤を洗浄部に自動で供給する。供給部は、一定量の処理剤を洗浄部に供給可能なモータを有している。報知部は、洗浄装置の使用者に対し処理剤の補給を求める補給報知を行う。制御部は、供給部及び報知部の制御を行う。また、制御部は、処理剤を供給する際のモータの駆動時間を積算する。さらに、制御部には、所定時間が設定されている。
【0003】
この洗浄装置では、被洗浄物の洗浄を行うに当たって、供給部が処理剤を自動で洗浄部に供給するため、使用者自身が処理剤を洗浄部に供給する必要がない。さらに、この洗浄装置では、制御部が貯蔵部内に貯蔵された処理剤の残量を予測することにより、処理剤の残量を検知する。具体的には、制御部は、処理剤を供給する際のモータの駆動時間を積算するとともに、積算されたモータの駆動時間と所定時間とを比較する。そして、制御部は、モータの駆動時間が所定時間に達していれば、貯蔵部内に貯蔵された処理剤の残量が少ないことを検知する。これにより、制御部は報知部に補給報知を開始させる。こうして、この洗浄装置では、使用者が処理剤の補給を行う時期を把握し易くなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の洗浄装置では、例えば、使用者が貯蔵部に補給する処理剤の量にバラツキが生じたり、報知部による補給報知が行われる前に使用者が貯蔵部に処理剤を補給したりする場合があり得る。これらの場合、この洗浄装置では、制御部が検知した貯蔵部の処理剤の残量と、貯蔵部における現実の処理剤の残量とが乖離するおそれがある。このため、この洗浄装置では、貯蔵部内に貯蔵された処理剤の残量を精度高く検知することができず、また、報知部による補給報知も精度高く行えない問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、貯蔵部内に貯蔵された処理剤の残量を精度高く検知可能であるとともに、報知部による補給報知を精度高く実行可能な洗浄装置を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の洗浄装置は、被洗浄物を洗浄する洗浄運転を実行する洗浄装置であって、
前記被洗浄物を収容しつつ洗浄する洗浄部と、
前記被洗浄物に用いる処理剤を貯蔵する貯蔵部と、
1回の前記洗浄運転の実行に対し、前記貯蔵部内の前記処理剤を所定量で前記洗浄部に自動で供給する供給部と、
前記貯蔵部に設けられ、前記貯蔵部内の前記処理剤の残量を検知する残量検知部と、
前記洗浄装置の使用者に対し、前記処理剤の補給を求める補給報知が可能な報知部と、
前記洗浄部、前記供給部、前記残量検知部及び前記報知部と接続され、前記洗浄運転の制御を行うとともに、前記供給部及び前記報知部の制御を行う制御部とを備え、
前記供給部が前記所定量の前記処理剤を前記洗浄部に供給する回数は供給回数とされ、
前記供給回数が最大よりも少ない第1所定回数であるときの前記処理剤の量は第1所定量とされ、
前記制御部は、前記残量が前記第1所定量となったことを前記残量検知部が検知した後、前記残量が前記第1所定量よりも少なくなれば、前記報知部に前記補給報知を開始させることを特徴とする。
【0008】
本発明の第1の洗浄装置では、残量検知部が貯蔵部内の処理剤の残量を検知する。ここで、この洗浄装置では、供給部が所定量の処理剤を洗浄部に供給する回数は供給回数とされており、また、供給回数が最大よりも少ない第1所定回数であるときの処理剤の量は第1所定量とされている。そして、この洗浄装置では、貯蔵部内の処理剤の残量が第1所定量となったことを残量検知部が検知する。
【0009】
これにより、例えば貯蔵部内に貯蔵された処理剤の残量が最大であるときから処理剤の残量を検知する場合に比べて、この洗浄装置では、残量検知部が貯蔵部内の処理剤の残量を精度高く検知することができる。つまり、この洗浄装置では、残量検知部によって、貯蔵部内の処理剤の残量が第1所定量となったことが検知されるまでの間に、使用者が自主的に処理剤を貯蔵部に補給し、貯蔵部内の処理剤の残量が増加した場合であっても、残量検知部による処理剤の残量の検知には影響がない。
【0010】
そして、制御部は、貯蔵部内の処理剤の残量が第1所定量となったことを残量検知部が検知した後、貯蔵部内の処理剤の残量が第1所定量よりも少なくなれば、報知部に補給報知を開始させる。このように、この洗浄装置では、制御部は、処理剤の残量が第1所定量となったことを残量検知部が検知しただけの段階では、報知部に補給報知を開始させることはない。
【0011】
すなわち、この洗浄装置では、処理剤の残量が第1所定量となったことを残量検知部が検知した後、報知部による補給報知を開始させるまでの間にも、使用者が自主的に処理剤を貯蔵部に補給する場合があり得る。また、この際に補給された処理剤の量にバラツキがあったとしても、処理剤の補給によって貯蔵部内の処理剤の残量が第1所定量よりも多くなっていれば、制御部は、報知部に補給報知を開始させることはない。
【0012】
このように、この洗浄装置では、報知部が補給報知を開始した際には、貯蔵部内の処理剤の残量は現に第1所定量よりも少ない状態にある。
【0013】
したがって、本発明の第1の洗浄装置は、貯蔵部内に貯蔵された処理剤の残量を精度高く検知可能であるとともに、報知部による補給報知を精度高く実行可能である。
【0014】
また、本発明における第1の洗浄装置において、第1所定回数よりも少ない供給回数は第2所定回数とされ得る。さらに、制御部には、第1所定回数と、第2所定回数とが記憶されるとともに、供給回数が記憶され得る。そして、制御部は、残量が第1所定量となったことを残量検知部が検知した後、供給回数が第2所定回数に達すれば、報知部に補給報知を開始させることが好ましい。
【0015】
この場合には、制御部に供給回数が記憶されるため、制御部は、正確性高く供給回数を把握することができる。そして、この洗浄装置では、処理剤の残量が第1所定量となったことを残量検知部が検知した後、供給回数が第1所定回数よりも少ない第2所定回数に達すれば、制御部は、報知部に補給報知を開始させる。これにより、この洗浄装置では、報知部が補給報知を開始した際には、貯蔵部内には、第1所定量よりも少ないものの、処理剤が貯蔵された状態となる。このため、貯蔵部内に処理剤が貯蔵されていない状態で供給部が作動することを好適に防止できる。
【0016】
また、本発明における第1の洗浄装置において、第1所定回数よりも少ない供給回数は第2所定回数とされ、第2所定回数よりも多く、かつ、第1所定回数よりも少ない供給回数は第3所定回数とされ得る。さらに、制御部には、第1所定回数と、第2所定回数と、第3所定回数とが記憶されるとともに、供給回数が記憶され得る。そして、制御部は、残量が第1所定量となったことを残量検知部が検知した後、供給回数が第3所定回数に達すれば、報知部に補給報知を開始させることも好ましい。
【0017】
この場合にも、制御部に供給回数が記憶されるため、制御部は、正確性高く供給回数を把握することができる。そして、この洗浄装置では、処理剤の残量が第1所定量となったことを残量検知部が検知した後、供給回数が第3所定回数に達すれば、制御部が報知部に補給報知を開始させる。ここで、第3所定回数は、第2所定回数よりも多い一方、第1所定回数よりも少ない関係にある。これにより、この洗浄装置では、貯蔵部内には処理剤が貯蔵されていない状態で供給部が作動することを好適に防止しつつも、処理剤の残量が第1所定量となったことを残量検知部が検知した後、報知部が補給報知を開始するまでの期間を好適に調整することができる。
【0018】
また、本発明の第1の洗浄装置において、報知部は、使用者に対し、残量が第1所定量となったことを報知する第1予備報知が可能であり得る。そして、制御部は、残量が第1所定量となったことを残量検知部が検知すれば、補給報知よりも先に報知部に第1予備報知を開始させることが好ましい。
【0019】
この場合には、第1予備報知を通じて、使用者に対して近い将来、補給報知が行われ得ることを予告することができる。このため、第1予備報知が行われずに補給報知がなされる場合に比べて、使用者は、補給を行うための処理剤を準備し易くなる。これにより、第1の洗浄装置の利便性を向上させることができる。
【0020】
本発明の第2の洗浄装置は、被洗浄物を洗浄する洗浄運転を実行する洗浄装置であって、
前記被洗浄物を収容しつつ洗浄する洗浄部と、
前記被洗浄物に用いる処理剤を貯蔵する貯蔵部と、
1回の前記洗浄運転の実行に対し、所定時間の間、前記貯蔵部内の前記処理剤を特定量で前記洗浄部に自動で供給する供給部と、
前記貯蔵部に設けられ、前記貯蔵部内の前記処理剤の残量を検知する残量検知部と、
前記洗浄装置の使用者に対し、前記処理剤の補給を求める補給報知が可能な報知部と、
前記洗浄部、前記供給部、前記残量検知部及び前記報知部と接続され、前記洗浄運転の制御を行うとともに、前記供給部及び前記報知部の制御を行う制御部とを備え、
前記供給部が前記洗浄部に対して前記特定量の前記処理剤を供給する時間は供給時間とされ、
前記供給時間が最長よりも短い第1所定時間となるときの前記処理剤の量は第1特定量とされ、
前記制御部は、前記残量が前記第1特定量となったことを前記残量検知部が検知した後、前記残量が前記第1特定量よりも少なくなれば、前記報知部に前記補給報知を開始させることを特徴とする。
【0021】
本発明の第2の洗浄装置でも、残量検知部が貯蔵部内の処理剤の残量を検知する。ここで、この洗浄装置では、供給部が洗浄部に対して特定量の処理剤を供給する時間は供給時間とされており、また、供給時間が最長よりも短い第1所定時間となるときの処理剤の量は第1特定量とされている。そして、この洗浄装置では、貯蔵部内の処理剤の残量が第1特定量となったことを残量検知部が検知する。こうして、この洗浄装置でも、本発明の第1の洗浄装置と同様、残量検知部が貯蔵部内の処理剤の残量を精度高く検知することができる。
【0022】
そして、制御部は、貯蔵部内の処理剤の残量が第1特定量となったことを残量検知部が検知した後、貯蔵部内の処理剤の残量が第1所定量よりも少なくなれば、報知部に補給報知を開始させる。これにより、この洗浄装置においても、制御部は、処理剤の残量が第1特定量となったことを残量検知部が検知しただけの段階では、報知部に補給報知を開始させることはない。これにより、この洗浄装置では、報知部が補給報知を開始した際には、貯蔵部内の処理剤の残量は現に第1特定量よりも少ない状態にある。
【0023】
したがって、本発明の第2の洗浄装置は、貯蔵部内に貯蔵された処理剤の残量を精度高く検知可能であるとともに、報知部による補給報知を精度高く実行可能である。
【0024】
本発明の第2の洗浄装置において、第1所定時間よりも短い前記供給時間は第2所定時間とされ得る。さらに、制御部には、第1所定時間と、第2所定時間とが記憶されるとともに、残量が第1特定量となったことを残量検知部が検知した後の供給時間を積算した積算供給時間が記憶され得る。そして、制御部は、積算供給時間が第2所定時間に達すれば、報知部に補給報知を開始させることが好ましい。
【0025】
第2所定時間は第1所定時間よりも短いため、この洗浄装置では、処理剤の残量が第1特定量となったことを残量検知部が検知した後、報知部が補給報知を開始した際には、貯蔵部内には、第1特定量よりも少ないものの、処理剤が貯蔵された状態となる。このため、この洗浄装置でも、貯蔵部内には処理剤が貯蔵されていない状態で供給部が作動することを好適に防止できる。
【0026】
また、本発明の第2の洗浄装置において、第1所定時間よりも短い供給時間は第2所定時間とされ、第2所定時間よりも長く、かつ、第1所定時間よりも短い供給時間は第3所定時間とされ得る。さらに、制御部には、第1所定時間と、第2所定時間と、第3所定時間とが記憶されるとともに、残量が第1特定量となったことを残量検知部が検知した後の供給時間を積算した積算供給時間が記憶され得る。そして、制御部は、積算供給時間が第3所定時間に達すれば、報知部に補給報知を開始させることも好ましい。
【0027】
これにより、この洗浄装置においても、貯蔵部内には処理剤が全く貯蔵されていない状態で供給部が作動することを好適に防止しつつも、処理剤の残量が第1特定量となったことを残量検知部が検知した後、報知部が補給報知を開始するまでの期間を好適に調整することができる。
【0028】
また、本発明の第2の洗浄装置において、報知部は、使用者に対し、残量が第1特定量となったことを報知する第2予備報知が可能であり得る。そして、制御部は、残量が第1特定量となったことを残量検知部が検知すれば、補給報知よりも先に報知部に第2予備報知を開始させることが好ましい。
【0029】
この場合には、第2予備報知を通じて、使用者に対して近い将来、補給報知が行われ得ることを予告することができる。このため、使用者は、補給を行うための処理剤の準備を好適に行うことができる。これにより、第2の洗浄装置の利便性を向上させることができる。
【0030】
本発明の第1の洗浄装置及び第2の洗浄装置において、処理剤は液状であり得る。そして、残量検知部は、磁石が設けられ、貯蔵部内で変位可能なフロートと、磁石の磁気によって貯蔵部内におけるフロートの位置を検知可能な検知センサとを有していることが好ましい。
【0031】
この場合には、残量検知部の構成を簡素化しつつも、貯蔵部内に貯蔵された液状の処理剤の残量を残量検知部によって好適に検知することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の第1の洗浄装置及び第2の洗浄装置は、貯蔵部内に貯蔵された処理剤の残量を精度高く検知可能であるとともに、報知部による補給報知を精度高く実行可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1は、実施例1の食器洗浄機を示す模式断面図である。
【
図2】
図2は、実施例1の食器洗浄機に係り、移動体を示す正面図である。
【
図3】
図3は、実施例1の食器洗浄機に係り、移動体を示す平面図である。
【
図4】
図4は、実施例1の食器洗浄機に係り、処理剤の残量が多い状態における貯蔵部を示す断面図である。
【
図5】
図5は、実施例1の食器洗浄機に係り、処理剤の残量が第1所定量である際の貯蔵部を示す断面図である。
【
図6】
図6は、実施例1の食器洗浄機に係り、洗浄工程を示すフロー図である。
【
図7】
図7は、実施例1の食器洗浄機に係り、貯蔵部内の処理剤の残量を検知する際の制御フローを示すフロー図である。
【
図8】
図8は、実施例2の食器洗浄機に係り、貯蔵部内の処理剤の残量を検知する際の制御フローを示すフロー図である。
【
図9】
図9は、実施例3の食器洗浄機に係り、移動体を示す正面図である。
【
図10】
図10は、実施例3の食器洗浄機に係り、貯蔵部内の処理剤の残量を検知する際の制御フローを示すフロー図である。
【
図11】
図11は、実施例4の食器洗浄機に係り、貯蔵部内の処理剤の残量を検知する際の制御フローを示すフロー図である。
【
図12】
図12は、実施例5の食器洗浄機に係り、処理剤の残量が第1所定量である際の貯蔵部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明を具体化した実施例1~5を図面を参照しつつ説明する。
【0035】
(実施例1)
図1及び
図2に示すように、実施例1の食器洗浄機1は、システムキッチン100に組み込まれており、システムキッチン100の天板CT1の下方に設置されている。食器洗浄機1は、本発明における「洗浄装置」の一例である。
【0036】
本実施例では、
図1に示す各矢印によって、食器洗浄機1の前後方向及び上下方向を規定している。また、
図2では、
図1及に対応して食器洗浄機1の上下方向を規定している他、食器洗浄機1の左右方向、すなわち幅方向を規定している。そして、
図3以降では、
図1及び
図2に対応して、食器洗浄機1の前後方向、上下方向及び左右方向を規定している。前後方向、上下方向及び左右方向は、互いに直交している。
【0037】
図1に示すように、食器洗浄機1は、筐体3と移動体5とを備えている。筐体3は略矩形の箱状に形成されている。筐体3は筐体開口3hを有している。筐体開口3hは筐体3の前部に位置しており、筐体3の内部と外部とを連通させている。
【0038】
筐体3の内部には、蓋部材35、給水管P1、給水電磁弁37及び排水管P2が設けられている。蓋部材35は、筐体3の内部において、移動体5の上方となる位置に配置されている。
【0039】
給水管P1は、食器洗浄機1の外部に設けられた図示しない給水源から供給装置13に水を供給する。給水電磁弁37は、給水管P1を開閉して供給装置13への水の供給と停止とを切り替える。排水管P2は、洗浄槽7内の洗浄水を食器洗浄機1の外部に排水する。なお、供給装置13及び洗浄槽7の他、洗浄水については後述する。
【0040】
移動体5は、洗浄槽7と、前面パネル9と、上面パネル11と、供給装置13と、制御部C1と、貯蔵タンク15とを有している。洗浄槽7は、本発明における「洗浄部」の一例である。また、供給装置13は、本発明における「供給部」の一例である。そして、貯蔵タンク15は、本発明における「貯蔵部」の一例である。
【0041】
移動体5は、筐体3に取り付けられており、筐体3に対して前後方向に移動可能となっている。移動体5は、筐体3に対して前方に移動することにより、筐体開口3hを経て筐体3の外部に露出する。ここで、
図1では、移動体5が筐体3に対して最も後方に移動した状態を図示している。また、蓋部材35は、移動体5が筐体3の内部に位置しているときには、下方に移動して後述する洗浄空間7hの上部を閉鎖する。
【0042】
洗浄槽7は略矩形状をなしている。洗浄槽7には、洗浄空間7h、排気通路7a及びヒータ室72が形成されている。洗浄空間7hは、洗浄槽7における前後方向及び左右方向の略中央に位置している。洗浄空間7hは上部が開放されており、内部に食器TW1を収容可能であるとともに、収容された食器TW1の洗浄を行う。食器TW1は、例えば、茶碗、皿、グラス等の飲食用器の他、箸、スプーン、フォーク等の飲食用具等であり、本発明における「被洗浄物」の一例である。また、洗浄空間7hの内部には、食器かご70が配置されている。食器かご70には、食器TW1が載置される。
【0043】
また、洗浄空間7hは貯水室71を有している。貯水室71は洗浄槽7の下部に位置している。貯水室71は、洗浄水を貯蔵可能となっている。また、貯水室71は、下部で排水管P2と接続している。ここで、洗浄水は、給水管P1を流通した水のみで構成される場合の他、給水管P1を流通した水に対して液状の洗剤300(
図4及び
図5参照)が混合されることで構成される。洗剤300は、本発明における「処理剤」の一例である。
【0044】
貯水室71には、ノズル73及び貯水室フィルタ74が設けられている。ノズル73は、複数の吐出孔を有しており、各吐出孔から洗浄空間7h内に洗浄水を噴射可能である。貯水室フィルタ74は、洗浄水に混入した残菜等の異物を除去する。
【0045】
排気通路7aは、後端で洗浄空間7hと連通しつつ、洗浄槽7の内部を前方に向かって延びており、前面パネル9に開口している。これにより、排気通路7aは、洗浄空間7hと洗浄槽7の外部、すなわち食器洗浄機1の外部とを連通している。なお、排気通路7aは、洗浄空間7hと連通しつつ上面パネル11に開口する構成であっても良い。
【0046】
ヒータ室72は、洗浄槽7の後方下部に配置されている。ヒータ室72の内部には、ヒータ72aが設けられている。ヒータ72aは、洗浄水や洗浄空間7h内の空気を所定の温度に加熱可能である。
【0047】
また、洗浄槽7には、洗浄水ポンプ75及び乾燥ファン77が設けられている他、水位センサ(図示略)が設けられている。洗浄水ポンプ75は、貯水室71の下部に組み付けられている。洗浄水ポンプ75は、正転作動時には、貯水室71内で貯水室フィルタ74を通過した洗浄水をノズル73に供給する。そして、洗浄水ポンプ75は、逆転作動時には、洗浄水を排水管P2に流通させる。乾燥ファン77は、食器洗浄機1の外部から空気を導入して洗浄空間7h内に供給可能である。水位センサは、内部に洗浄水の一部が流入可能となっており、この洗浄水を通じて洗浄空間7h内の洗浄水の水位を検知する。
【0048】
図2に示すように、前面パネル9は、上下方向及び左右方向に延びる矩形の板状に形成されている。前面パネル9は、洗浄槽7の前部に取り付けられている。この際、
図1及び
図2に示すように、前面パネル9は、洗浄槽7との間に収容空間90を形成しつつ、洗浄槽7の前部に取り付けられている。なお、
図2では、説明を容易にするため、前面パネル9を仮想線で示している。
【0049】
図3に示すように、上面パネル11は、洗浄槽7の前方かつ上方に位置しており、洗浄槽7の上部に取り付けられている。上面パネル11は、本体部11aと延在部11bとを有している。本体部11aは、上面パネル11の前端に位置しており、左右方向に略矩形状に延びている。
図2に示すように、本体部11aにおける左右方向の略中央には、把持部111が設けられている。
【0050】
図3に示すように、延在部11bは本体部11aと一体をなしており、本体部11aから後方に向かって延びている。延在部11bには、連通口112が形成されている。連通口112は、延在部11bを上下方向に貫通する矩形状をなしており、収容空間90と連通している。また、延在部11bには、蓋体112aが揺動可能に取り付けられている。蓋体112aは、
図3の実線で示す閉位置と仮想線で示す開位置とに変位可能となっている。蓋体112aは、閉位置では連通口112を上方から覆いつつ連通口112を閉鎖する。一方、蓋体112aは、開位置では、連通口112を移動体5の外部に開放する。
【0051】
さらに、延在部11bには、操作部40、液晶パネル41及び報知ランプ42が設けられている。報知ランプ42は、本発明における「報知部」の一例である。
【0052】
操作部40は複数の操作ボタンによって構成されており、食器洗浄機1の使用者(図示略)が食器洗浄機1の操作を行う。具体的には、使用者は操作部40を通じて、洗浄運転の種類の選択や洗浄運転時間の選択の他、洗剤300を自動で洗浄空間7hに供給させる洗剤自動供給モードの要否の選択等を行う。液晶パネル41は、使用者が選択した洗浄運転の種類や洗浄運転時間等を表示する。また、液晶パネル41は、貯蔵タンク15内における洗剤300の残量が最大である場合に、その表示を行う。
【0053】
報知ランプ42は、LED(light emitting diode)によって構成されており、点灯と点滅と消灯とを切り替えることが可能となっている。報知ランプ42は、これらの点灯と点滅と消灯とを切り替えることにより、使用者に対して貯蔵タンク15に洗剤300の補給を求める補給報知を行う。なお、報知ランプ42による補給報知に関する詳細は後述する。また、報知ランプ42は、発光する色の変化等によって補給報知を行っても良い。
【0054】
また、これらの操作部40、液晶パネル41及び報知ランプ42は、上面パネル11の本体部11aに設けられても良く、前面パネル9等に設けられても良い。さらに、操作部40、液晶パネル41及び報知ランプ42は、それぞれ本体部11a、延在部11b及び前面パネル9等に対して個別に配置されても良い。
【0055】
図2に示すように、供給装置13は、洗浄槽7の前方下部に取り付けられており、収容空間90内において下方に位置している。
図1に示すように、供給装置13は、装置本体13aと、供給通路13bと、接続通路13cとを有している。装置本体13aは、給水管P1と接続している。
図2に示すように、装置本体13aの内部には、第1供給ポンプ131が設けられている。
【0056】
第1供給ポンプ131は、回転駆動を行うことにより、貯蔵タンク15内に貯蔵された洗剤300を洗浄槽7、より具体的には洗浄空間7hに供給する。ここで、実施例1の食器洗浄機1では、第1供給ポンプ131は、回転駆動を1回行うことにより、1ccの洗剤300を洗浄空間7hに供給可能となっている。なお、第1供給ポンプ131における1回の回転駆動当たりの洗剤300の供給量は適宜設計可能である。
【0057】
また、図示を省略するものの、装置本体13aには、給水管P1から供給された水を洗浄空間7hに供給する給水ポンプの他、供給通路13b及び接続通路13cをそれぞれ開閉可能な電磁弁等が設けられている。
図1に示すように、供給通路13bは、装置本体13aと洗浄槽7とを接続しており、装置本体13aを貯水室71に連通させている。接続通路13cは、装置本体13aから上方に向かって延びている。
【0058】
図2に示すように、制御部C1は、洗浄槽7の前部に取り付けられており、収容空間90内に位置している。制御部C1は、食器洗浄機1の作動制御を行うための制御プログラムを記憶している。制御部C1は、操作部40、液晶パネル41、報知ランプ42、給水電磁弁37、ヒータ72a、洗浄水ポンプ75及び乾燥ファン77と電気的に接続されている他、供給装置13及び水位センサと電気的に接続されている。制御部C1は、制御プログラムに基づいて供給装置13等の制御を行い、食器洗浄機1を作動させる。また、制御部C1は、報知ランプ42の制御を行い、報知ランプ42を点灯、点滅及び消灯させる。さらに、制御部C1は、洗浄運転時にチェックモードを実行する他、後述する第1リードスイッチ18及び第2リードスイッチ19それぞれにおけるON状態とOFF状態とを検知する。
【0059】
また、制御部C1は、カウンタC10を有している。カウンタC10は、食器TW1を洗浄する洗浄運転の回数と、供給装置13が所定量の洗剤300を洗浄空間7hに供給する回数である供給回数とをカウントする。そして、制御部C1は、カウンタC10がカウントした洗浄運転の回数と供給回数とをそれぞれ記憶する。なお、洗浄運転及びチェックモードについての詳細は後述する。
【0060】
ここで、実施例1の食器洗浄機1では、1回の洗浄運転につき、供給装置13は洗浄空間7hに対して、本発明における「所定量」として10ccの洗剤300を供給する。また、上述のように、供給装置13の第1供給ポンプ131は、1回の回転駆動によって1ccの洗剤300を洗浄空間7hに供給する。このため、第1供給ポンプ131は、1回の洗浄運転につき、10回の回転駆動を行って10ccの洗剤300を洗浄空間7hに供給する。なお、所定量の値は、例えば洗剤300の性質や濃度等に応じて適宜設定可能である。
【0061】
そして、カウンタC10は、洗浄運転が1回行われることにより、洗浄運転の回数を1ずつカウントする。また、カウンタC10は、供給装置13が10ccの洗剤300を洗浄空間7hに供給する毎に、供給回数を1ずつカウントする。つまり、カウンタC10がカウントする洗浄運転の回数と、供給回数とは一致する。なお、カウンタC10は、洗浄運転の回数を基に供給回数をカウントしても良く、反対に、供給回数を基に洗浄運転をカウントしても良い。この際、カウンタC10は、第1供給ポンプ131が10回の回転駆動行う毎に、洗浄運転の回数をカウントしても良い。さらに、カウンタC10は、洗浄運転の回数又は供給回数のいずれかのみをカウントしても良い。
【0062】
また、実施例1の食器洗浄機1では、10回の供給回数が第1所定回数として設定されている。また、3回の供給回数が第2所定回数として設定されており、8回の供給回数が第3所定回数として設定されている。そして、制御部C1は、これらの第1所定回数、第2所定回数及び第3所定回数を記憶している。ここで、この食器洗浄機1では、後述する貯蔵室150内に貯蔵された洗剤300の量が最大であるときは、供給回数が最大となり、10回よりも多くなる。なお、第1所定回数は、最大の供給回数よりも少なければ適宜設定可能である。また、第2所定回数は第1所定回数よりも少ない回数であれば適宜設定可能であり、第3所定回数は第2所定回数よりも多く、第1所定回数よりも少ない回数であれば適宜設定可能である。
【0063】
図4及び
図5に示すように、貯蔵タンク15は、底壁15aと、上壁15bと、第1周壁15cと、第2周壁15dとを有している。底壁15aは貯蔵タンク15の下部に位置している。上壁15bは貯蔵タンク15の上部に位置している。第1周壁15cは、底壁15aと接続している。第1周壁15cは、底壁15aの外周縁に沿って底壁15aの周方向に一周しているとともに、底壁15aから上方に向かって延びている。第2周壁15dは、上壁15bと接続している。第2周壁15dは、上壁15bの外周縁に沿って上壁15bの周方向に一周しているとともに、上壁15bから下方に向かって延びている。そして、第2周壁15dは、自己の下端が第1周壁15cの上端と接合している。これらの底壁15a、上壁15b、第1周壁15c及び第2周壁15dにより、貯蔵タンク15は、略矩形の箱状をなしている。そして、貯蔵タンク15の内部には、洗剤300を貯蔵する貯蔵室150が設けられている。
【0064】
底壁15aには、貯蔵室150と連通する供給口151が形成されている。この供給口151には、供給装置13の接続通路13cが接続されている。これにより、貯蔵室150、ひいては貯蔵タンク15と供給装置13とが接続されている。一方、上壁15bには、補給口152が形成されている。補給口152は、貯蔵室150と連通しつつ、貯蔵タンク15の上方に向かって開口している。この補給口152を通じて貯蔵室150内に洗剤300を補給することが可能となっている。
【0065】
図2に示すように、貯蔵タンク15は、第1取付ネジ21a及び第2取付ネジ21bによって洗浄槽7の前部に固定されている。こうして、貯蔵タンク15は、供給装置13と接続した状態で洗浄槽7の前部に固定されている。これにより、貯蔵タンク15では、補給口152が上面パネル11の連通口112(
図3参照)の下方に位置しつつ、連通口112に臨んだ状態となっている。
【0066】
また、
図4及び
図5に示すように、貯蔵タンク15には、残量検知部16が設けられている。残量検知部16は、フロート17と、第1リードスイッチ18と、第2リードスイッチ19とで構成されている。第1リードスイッチ18及び第2リードスイッチ19は、本発明における「検知センサ」の一例である。また、第1リードスイッチ18及び第2リードスイッチ19は、制御部C1に接続されている。
【0067】
フロート17は、貯蔵室150内に収容されている。フロート17は、フロート本体17aと、アーム17bと、連結軸17cとを有している。フロート本体17aは略矩形をなす中空の箱状に形成されており、内部に空気が存在している。これにより、フロート本体17aは、貯蔵室150貯蔵された洗剤300に対して浮き上がることが可能となっている。また、フロート本体17aの内部には、磁石170が固定されている。なお、フロート本体17aの形状は適宜設計可能である。
【0068】
アーム17bは左右方向に延びており、左端でフロート本体17aと接続している。そして、アーム17bは、右方がフロート本体17aから遠ざかりつつ上方に延びている。連結軸17cは、アーム17bの右端に設けられており、アーム17bと一体をなしている。連結軸17cは、前後方向に直線状に延びている。
【0069】
フロート17は、連結軸17cが第1周壁15cの保持溝153に揺動可能に保持されている。これにより、フロート17は第1周壁15cに連結されている。また、フロート17は、連結軸17cの軸心を揺動軸心として、貯蔵室150内を揺動軸心周りで上下に揺動可能となっている。
【0070】
こうして、フロート17は、
図4に示す貯蔵室150内における洗剤300の残量が最大である場合を含め、貯蔵室150内における洗剤300の残量が多い場合には、貯蔵室150内を揺動軸心周りで上方に揺動する。一方、
図5に示す貯蔵室150内における洗剤300の残量が第1所定量である場合を含め、貯蔵室150内における洗剤300の残量が少ない場合には、貯蔵室150内を揺動軸心周りで下方に揺動する。
【0071】
ここで、第1所定量は、貯蔵室150内における洗剤300の最大残量よりも少なく、ゼロよりも多い量であって、上述の供給回数が第1所定回数であるときの洗剤300の量である。具体的には、実施例1の食器洗浄機1では、第1所定回数として10回の供給回数が設定されている。そして、1回の洗浄運転に対して10ccの洗剤300が供給される。このため、第1所定量として100ccが設定されている。なお、第1所定量は第1所定回数に応じて適宜設定可能である。
【0072】
図2に示すように、第1リードスイッチ18及び第1リードスイッチ19は、第1周壁15cにおける前面に設けられている。これにより、第1リードスイッチ18及び第1リードスイッチ19は、いずれも貯蔵室150の外部に位置している。より具体的には、
図4及び
図5に示すように、第1リードスイッチ18は、第1周壁15cにおける前面において、第1周壁15cの上部に近い位置に設けられており、第2リードスイッチ19は、第1周壁15cにおける前面において、第1周壁15cの下部に近い位置に設けられている。つまり、第2リードスイッチ19は、第1リードスイッチ18よりも下方であって、底壁15aの近傍に位置している。なお、
図4及び
図5では、説明を容易にするため、第1リードスイッチ18及び第1リードスイッチ19を仮想線で示している。また、第1リードスイッチ18及び第1リードスイッチ19を第1周壁15cにおける後面に設けても良い。
【0073】
第1リードスイッチ18及び第1リードスイッチ19は、それぞれフロート17の磁石170の磁気を検知可能となっている。これにより、残量検知部16、より具体的には、第1リードスイッチ18及び第2リードスイッチ19は、貯蔵室150内におけるフロート本体17aの位置を検知しつつ、このフロート本体17aの位置に基づいて貯蔵室150内に貯蔵された洗剤300の残量を検知する。
【0074】
具体的には、第1リードスイッチ18は、磁石170の磁気を検知することにより、ON状態となる。これにより、第1リードスイッチ18貯蔵室150内の上方にフロート本体17aが位置していることを検知するとともに、この際のフロート本体17aの位置における洗剤300の残量を検知する。つまり、
図4に示すように、第1リードスイッチ18が磁石170の磁気を検知することにより、第1リードスイッチ18は、貯蔵室150内の洗剤300の残量が最大であることを検知する。また、制御部C1は、第1リードスイッチ18がON状態であることを検知する。これにより、制御部C1は、液晶パネル41に対して、洗剤300の残量が最大であることを表示させる。なお、
図4に示す洗剤300の量よりも多く洗剤300が貯蔵室150に補給された場合であっても、フロート本体17aは、上壁15bによって上方への揺動が規制される。このため、このような場合であっても、第1リードスイッチ18は、磁石170の磁気を検知可能であり、ON状態を維持する。このため、液晶パネル41には、洗剤300の残量が最大であることが引き続き表示される。
【0075】
一方、貯蔵室150内に貯蔵された洗剤300が最大よりも少なくなり、フロート本体17aが下方に揺動すれば、第1リードスイッチ18は、磁石170の磁気を検知できなくなる。このため、このため、第1リードスイッチ18は、OFF状態となる。これにより、制御部C1は、第1リードスイッチ18がOFF状態であることを検知する。このため、制御部C1は、液晶パネル41を制御し、洗剤300の残量が最大であることの表示を終了させる。
【0076】
第2リードスイッチ19は、貯蔵室150内の洗剤300の残量が
図5に示す第1所定量となり、フロート17が
図5の位置まで下方に揺動することで磁石170の磁気を検知する。これにより、第2リードスイッチ19はON状態となる。つまり、第2リードスイッチ19は、貯蔵室150内の洗剤300の残量が100ccとなることにより、ON状態となる。こうして、第2リードスイッチ19は、貯蔵室150内の洗剤300の残量が第1所定量であることを検知する。また、制御部C1は、第2リードスイッチ19がON状態であることを検知する。ここで、洗剤300の残量が100cc以下となった場合であっても、フロート本体17aは、底壁15aによって下方への揺動が制限される。このため、このような場合であっても、第2リードスイッチ19は、磁石170の磁気を検知可能であり、ON状態を維持する。
【0077】
一方、第2リードスイッチ19は、
図4に示すように、貯蔵室150内における洗剤300の残量が最大である場合を含め、洗剤300の残量が第1所定量よりも多いときには、磁石170の磁気を検知できないため、OFF状態となる。これにより、制御部C1は、第2リードスイッチ19がOFF状態であることを検知する。また、第2リードスイッチ19が一度ON状態となった後に洗剤300の補給が行われることにより、洗剤300の残量が第1所定量よりも多くなった場合にも、第2リードスイッチ19はOFF状態となる。この際にも、制御部C1は、第2リードスイッチ19のOFF状態を検知する。なお、貯蔵タンク15に設けられる第2リードスイッチ19の位置は適宜設計可能である。
【0078】
また、第1リードスイッチ18を省略し、フロート17及び第2リードスイッチ19によって、残量検知部16を構成しても良い。さらに、液晶パネル41に換えて、報知ランプ42の点灯や点滅により、貯蔵室150内に貯蔵された洗剤300が最大であることを使用者に報知しても良い。この場合、報知ランプ42は、補給報知とは異なる色によって貯蔵室150内に貯蔵された洗剤300が最大であることを使用者に報知しても良い。
【0079】
以上のように構成された食器洗浄機1では、洗浄空間7h内の食器かご70に食器TW1を収容しつつ、使用者が操作部40の操作を行うことにより、食器TW1の洗浄を行う洗浄運転と、食器TW1の濯ぎを行う濯ぎ運転と、食器TW1の乾燥を行う乾燥運転とを行うことができる。また、制御部C1は、制御プログラムに基づき、洗浄運転、濯ぎ運転及び乾燥運転にそれぞれ応じた給水電磁弁37及び供給装置13等の各種作動制御を行う。なお、この食器洗浄機1では、洗浄運転、濯ぎ運転及び乾燥運転をこの順番で行う他、洗浄運転、濯ぎ運転及び乾燥運転をそれぞれ個別に行うことも可能である。
【0080】
また、この食器洗浄機1では、使用者自身が洗剤300を洗浄空間7hに供給する他、操作部40の操作を通じて使用者が洗剤自動供給モードを実行することにより、洗浄運転時に貯蔵タンク15の貯蔵室150内に貯蔵された洗剤300を供給装置13によって自動で洗浄空間7hに供給させることが可能となっている。このように、供給装置13によって自動で洗剤300を供給させることにより、この食器洗浄機では、使用者自身が洗剤300を供給する必要がなくなる他、使用者が洗剤300の供給を失念することを防止できる。また、供給装置13によって特定量の洗剤300が洗浄空間7hに供給されるため、この食器洗浄機では、洗剤300の供給量にバラツキが生じ難くなっている。
【0081】
また、この食器洗浄機1では、
図3に示す蓋体112aを開位置に変位させることにより、連通口112及び貯蔵タンク15の補給口152を通じて、貯蔵室150内に洗剤300を容易に補給することが可能となっている。
【0082】
さらに、この食器洗浄機1では、残量検知部16が貯蔵室150内の洗剤300の残量を検知するとともに、報知ランプ42が使用者に対して、洗剤300の補給報知を行う。以下、具体的に説明する。
【0083】
図6に示すように、洗浄運転が開始されれば、制御部C1は、洗剤自動供給モードが実行されているか否かを判断する(ステップS101)。そして、洗剤自動供給モードが実行されていれば(ステップS101:YES)、制御部C1は、チェックモードを実行する(ステップS102)。
【0084】
図7に示すように、制御部C1は、チェックモードを開始することにより、第2リードスイッチ19がON状態であるか否かを判断する(ステップS201)。ここで、制御部C1は、第2リードスイッチ19がOFF状態であることを検知している場合には、第2リードスイッチ19がON状態ではないと判断する(ステップS201:NO)。すなわち、貯蔵室150内の洗剤300の残量が第1所定量よりも多く、第2リードスイッチ19がOFF状態となっている場合には、制御部C1は、カウンタC10がカウントした洗浄運転の回数と供給回数との値をゼロに修正する(ステップS202)。つまり、カウンタC10がカウントした洗浄運転の回数と供給回数とをリセットする。そして、制御部C1は、このゼロの値を記憶する(ステップS203)。こうして、制御部C1はチェックモードを終了させる。なお、制御部C1は、後述するステップS208において報知ランプ42を点滅させるまでの間は、報知ランプ42を消灯させる。
【0085】
こうして、チェックモードを終了させた後、制御部C1は供給装置13の作動制御を行い、第1供給ポンプ131を作動させる。これにより、第1供給ポンプ131は、洗浄空間7hへの洗剤300の供給を開始する(
図6のステップS103)。この洗剤300の供給は、所定量である10ccの洗剤300が洗浄空間7hに供給されるまで継続される(ステップS104:NO)。
【0086】
上述のように、第1供給ポンプ131は、1回の回転駆動によって1ccの洗剤300を洗浄空間7hに供給可能である。このため、第1供給ポンプ131が10回の回転駆動を行えば、洗浄空間7hへの洗剤300の供給量が10ccに到達する(ステップS104:YES)。これにより、制御部C1は、第1供給ポンプ131を停止させる。こうして、洗浄空間7hへの洗剤300の供給が終了する(ステップS105)。また、カウンタC10は、カウントする洗浄運転の回数と供給回数とにそれぞれ1を追加する(ステップS106)。つまり、ステップS102において行ったチェックモードにおいて、洗浄運転の回数と供給回数とをそれぞれゼロとしている場合には、ステップS106において、カウンタC10は、洗浄運転の回数を1回とカウントし、供給回数を1回とカウントする。
【0087】
この後、制御部C1は、再びチェックモードを実行する(ステップS107)。この場合にも、最初に制御部C1は、第2リードスイッチ19がON状態であるか否かを判断する(
図7のステップS201)。ここで、
図6のステップS107において制御部C1がチェックモードを実行した場合には、洗浄空間7hへの洗剤300の供給が完了した状態にある。このため、ステップS102において制御部C1がチェックモードを実行した場合に比べて、貯蔵室150内の洗剤300の残量は減少していることになる。より厳密には、ステップS102においてチェックモードを実行した後、ステップS107においてチェックモードを実行するまでの間に、使用者が自主的に洗剤300の補給を行わない限り、ステップS107においてチェックモードした際に貯蔵室150内の洗剤300の残量は減少していることになる。
【0088】
このように、貯蔵室150内の洗剤300の残量が減少していても、第1所定量よりも多ければ、第2リードスイッチ19はON状態とはならない(ステップS201:NO)。これにより、制御部C1は、
図6のステップS106において、カウンタC10がそれぞれ1回とカウントした洗浄運転の回数と供給回数とをゼロに修正し(
図7のステップS202)、このゼロの値を記憶する(ステップS203)。こうして、制御部C1はチェックモードを終了させる。
【0089】
このように、実施例1の食器洗浄機1では、たとえ
図6のステップS103~ステップS105において、洗浄空間7hへの洗剤300の供給が行われ、ステップS106において、カウンタC10が洗浄運転の回数及び供給回数をカウントしていても、貯蔵室150内の洗剤300の残量が第1所定量よりも多ければ、洗浄運転の回数及び供給回数は常にリセットされてゼロになる。
【0090】
そして、ステップS107におけるチェックモードを終了した後、制御部C1は、給水電磁弁37を開弁する(ステップS108)。これにより、給水管P1及び供給装置13を通じて、洗浄空間7hに水が供給される。この水の供給は、水位センサが規定水位に到達したと判断するまで継続する(ステップS109:NO)。
【0091】
一方、規定水位に到達すれば(ステップS109:YES)、制御部C1は、給水電磁弁37を閉弁し(ステップS110)、洗浄空間7hへの水の供給を終了する。こうして、洗浄空間7h内では、洗剤300と水とが混合される。
【0092】
洗浄空間7hへの水の供給が終了した後、制御部C1は、洗浄水ポンプ75及びノズル73等を作動させ、洗浄空間7h内での食器TW1の洗浄を開始する(ステップS111)。そして、所定の洗浄運転時間が経過することにより、洗浄運転が終了する。
【0093】
また、この食器洗浄機1では、洗剤自動供給モードが実行されていない場合(ステップS101:NO)、制御部C1は、洗浄運転時にステップS102~ステップS107の処理を行わない。
【0094】
一方、洗浄運転が複数回行われ、供給装置13による洗浄空間7hへの洗剤300の供給が複数回行われることにより、貯蔵室150内の洗剤300の残量が第1所定量、つまり、100ccとなれば、第2リードスイッチ19がON状態となる。このため、制御部C1は、第2リードスイッチ19がON状態であると判断する(ステップS201:YES)。
【0095】
これにより、制御部C1は、カウンタC10が現在カウントしている洗浄運転の回数及び供給回数を照合する(ステップS204)。
【0096】
ここで、洗浄運転の回数及び供給回数が1回や2回など、第2所定回数である3回や第3所定回数である8回よりも少ない回数である場合には(ステップS205:NO、ステップS206:NO)、制御部C1は、カウンタC10が現在カウントしている洗浄運転の回数及び供給回数を記憶する(ステップS207)。そして、制御部C1は、チェックモードを終了する。
【0097】
このように、第2リードスイッチ19がON状態である場合には、ステップS203の場合とは異なり、制御部C1は、カウンタC10がカウントした洗浄運転の回数及び供給回数のリセットを行わない。このため、例えば、現在、カウンタC10が洗浄運転の回数及び供給回数をそれぞれ1回とカウントしている場合には、その後に洗浄空間7hへの洗剤300の供給が行われることにより、カウンタC10は、現在の洗浄運転の回数及び供給回数に対して、それぞれ1回を追加する。このため、この場合には、カウンタC10がカウントする洗浄運転の回数及び供給回数は、それぞれ2回となる。
【0098】
一方、ステップS204で照合した洗浄運転の回数及び供給回数が3回であれば(ステップS205:NO、ステップS206:YES)、第2リードスイッチ19がON状態となってから、3回の洗浄運転が行われたことになる。換言すれば、洗剤300の残量が第1所定量であることを第2リードスイッチ19が検知してから、供給装置13による洗浄空間7hへの洗剤300の供給が3回行われたことになる。このため、貯蔵室150内の洗剤300の残量は、100ccから3回の供給回数分の量である30ccが消費された70ccとなっている。
【0099】
これにより、制御部C1は、報知ランプ42を点滅させる(ステップS208)。つまり、報知ランプ42を消灯から点滅に切り替える。こうして、報知ランプ42は、使用者に対して補給報知を行う。また、制御部C1は、カウンタC10が現在カウントしている洗浄運転の回数及び供給回数を記憶する(ステップS209)。そして、制御部C1は、チェックモードを終了する。これにより、その後に洗浄空間7hへの洗剤300の供給が行われることにより、カウンタC10は、洗浄運転の回数及び供給回数をそれぞれ4回とする。なお、カウンタC10がカウントしている洗浄運転の回数及び供給回数が3回~7回の場合は、ステップS208及びステップS209の処理が行われる。
【0100】
また、ステップS204で照合した洗浄運転の回数及び供給回数が8回であれば(ステップS205:YES)、第2リードスイッチ19がON状態となってから、8回の洗浄運転、ひいては、洗浄空間7hへの洗剤300の供給が8回行われたことになる。このため、貯蔵室150内の洗剤300の残量は20ccとなっている。
【0101】
これにより、制御部C1は、報知ランプ42を点灯させる(ステップS210)。つまり、報知ランプ42を点滅から点灯に切り替える。こうして、報知ランプ42は、補給報知を行いつつ、点滅時よりも貯蔵室150内の洗剤300の残量がより少なくなっていることを使用者に報知し、使用者に対して洗剤300の速やかな補給を求める。
【0102】
さらに、制御部C1は、洗剤自動供給モードを停止する(ステップS211)。これにより、以降は、使用者が洗剤300の補給を行い、貯蔵室150内の洗剤300の残量が100ccよりも多くなるまでは、供給装置13による洗剤300の自動供給が停止する。また、制御部C1は、8回の洗浄運転の回数及び8回の供給回数を記憶する(ステップS212)。こうして、制御部C1は、チェックモードを終了する。なお、ステップS211において制御部C1が洗剤自動供給モードを停止することにより、以降は、カウンタC10がカウントする洗浄運転の回数及び供給回数は増加することがない。
【0103】
このように、実施例1の食器洗浄機1では、貯蔵室150内の洗剤300の残量が第1所定量である100ccとなったことを第2リードスイッチ19が検知する。これにより、例えば貯蔵室150内の洗剤300の残量が最大であるときから洗剤300の残量を検知する場合に比べて、この食器洗浄機1では、第2リードスイッチ19が貯蔵室150内の洗剤300の残量を精度高く検知することが可能となっている。つまり、この食器洗浄機1では、第2リードスイッチ19によって、貯蔵室150内の洗剤300の残量が100ccとなったことを検知されるまでの間に、使用者が自主的に洗剤300の補給を行うことで貯蔵室150内の洗剤300の残量が増加した場合であっても、第2リードスイッチ19による洗剤300の残量の検知には影響がない。
【0104】
また、貯蔵室150内の洗剤300の残量が100ccとなり、第2リードスイッチ19がON状態となれば、制御部C1は、第2リードスイッチ19がON状態であることを検知する。つまり、制御部C1は、第2リードスイッチ19がON状態であることを通じて、貯蔵室150内の洗剤300の残量が残り10回分の供給量であることを検知する
【0105】
そして、制御部C1は、貯蔵室150内の洗剤300の残量が100ccとなったことを第2リードスイッチ19が検知した後、つまり、第2リードスイッチ19がON状態となった後、貯蔵室150内の洗剤300の残量が100ccよりも少なくなれば、報知ランプ42を点滅又は点灯させる。このように、この食器洗浄機1では、制御部C1は、貯蔵室150内の洗剤300の残量が100ccとなったことを第2リードスイッチ19が検知しただけの段階、つまり、第2リードスイッチ19がON状態であることを検知しただけの段階では、報知ランプ42を点滅させたり、点灯させたりすることはない。
【0106】
すなわち、この食器洗浄機1では、貯蔵室150内の洗剤300の残量が100ccとなったことを第2リードスイッチ19が検知した後、制御部C1が報知ランプ42を点滅又は点灯させるまでの間にも、使用者が自主的に洗剤300を貯蔵室150に補給する場合があり得る。また、この際に補給された洗剤300の量にバラツキがあったとしても、洗剤300の補給によって、貯蔵室150内の洗剤300の残量が100ccよりも多くなっていれば、第2リードスイッチ19はOFF状態となる。このため、制御部C1は、報知ランプ42を点滅させたり、点灯させたりすることはない。
【0107】
このように、この食器洗浄機1では、第2リードスイッチ19がON状態であることを制御部C1が検知した後、報知ランプ42の点滅又は点灯による補給報知が行われた際には、貯蔵室150内の洗剤300の残量は、現に100ccよりも少ない状態にある。具体的には、この食器洗浄機1では、報知ランプ42が点滅している際には、貯蔵室150内の洗剤300の残量が70cc以下となっており、報知ランプ42が点灯している際には、貯蔵室150内の洗剤300の残量が20ccとなっている。
【0108】
したがって、実施例1の食器洗浄機1は、貯蔵室150内に貯蔵された洗剤300の残量を精度高く検知可能であるとともに、報知ランプ42による補給報知を精度高く実行可能である。
【0109】
特に、この食器洗浄機1では、貯蔵室150内の洗剤300の残量が100ccとなった後、洗浄空間7hへの洗剤300の供給回数が3回以上となることにより報知ランプ42が点滅し、洗浄空間7hへの洗剤300の供給回数が8回となることにより報知ランプ42が点灯する。このように、報知ランプ42の点滅と点灯とを切り替えることにより、この食器洗浄機1では、使用者に対する補給報知を好適に行うことが可能となっている。
【0110】
また、この食器洗浄機1では、報知ランプ42の点灯による補給報知が行われた場合であっても、貯蔵室150内には、20ccの洗剤300が存在している。このため、食器洗浄機1では、貯蔵室150内に洗剤300が貯蔵されていない状態で供給装置13が作動し、第1供給ポンプ131及び接続通路13cに空気が混入することを好適に防止できる。
【0111】
さらに、この食器洗浄機1では、貯蔵室150内の洗剤300の残量が100ccとなった後、洗浄空間7hへの洗剤300の供給回数が8回となれば、制御部C1が洗剤自動供給モードを停止させる。これにより、洗浄空間7hへ洗剤300の供給が自動では行われなくなる。この点においても、この食器洗浄機1では、第1供給ポンプ131及び接続通路13cに空気が混入することを防止している。
【0112】
(実施例2)
図8に示すように、実施例2の食器洗浄機1でも実施例1の食器洗浄機1と同様、制御部C1が第2リードスイッチ19はON状態でないと判断した場合には(ステップS201:NO)、制御部C1は、カウンタC10がカウントした洗浄運転の回数と供給回数とをゼロに修正する(ステップS201)。そして、制御部C1は、このゼロの値を記憶する(ステップS203)。
【0113】
ここで、この食器洗浄機1では、報知ランプ42が補給報知の他に、第1予備報知を行うことが可能となっている。そして、この食器洗浄機1では、第2リードスイッチ19がON状態であると制御部C1が判断することにより(ステップS201:YES)、すなわち、第2リードスイッチ19がON状態であることを制御部C1が検知することにより、制御部C1は、報知ランプ42に対し、補給報知よりも先に第1予備報知を開始させる。具体的には、制御部C1は、第2リードスイッチ19がON状態であると判断することにより、報知ランプ42を点滅させる(ステップS221)。このように報知ランプ42を点滅させた後、制御部C1は、カウンタC10が現在カウントしている洗浄運転の回数及び供給回数を照合する(ステップS204)。
【0114】
そして、ステップS204で照合した洗浄運転の回数及び供給回数が8回に達していなければ(ステップS205:NO)、制御部C1は、カウンタC10が現在カウントしている洗浄運転の回数及び供給回数を記憶する(ステップS222)。こうして、制御部C1は、チェックモードを終了する。つまり、この場合には、ステップS221において開始された報知ランプ42の点滅が継続し、第1予備報知が継続する。
【0115】
一方、ステップS204で照合した洗浄運転の回数及び供給回数が8回であれば(ステップS205:YES)、制御部C1は、報知ランプ42を点灯させる(ステップS210)。こうして、この食器洗浄機1では、第1予備報知に換えて補給報知が行われる。なお、ステップS210以降の処理を含め、実施例2の食器洗浄機における他の構成は実施例1の食器洗浄機1と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0116】
このように、実施例2の食器洗浄機1では、貯蔵室150内の洗剤300の残量が第1所定量である100ccとなることにより、報知ランプ42が点滅し、使用者に対する第1予備報知が行われる。この第1予備報知は、補給報知よりも先に行われる。こうして、この食器洗浄機1では、第1予備報知によって、近い将来、洗剤300の補給が必要となることを使用者に予告し、注意喚起を促すことが可能となっている。
【0117】
ここで、この食器洗浄機1では、実施例1の食器洗浄機1と異なり、ステップS204おいて制御部C1が照合した洗浄運転の回数及び供給回数が8回となるまでは、使用者に補給報知が行われない。しかし、上述のように、補給報知が行われる前に第1予備報知が行われることから、使用者は、第1予備報知が行われた後、補給報知が行われるまでの間に洗剤300の準備を好適に行うことが可能となっている。この結果、この食器洗浄機1は利便性が高くなっている。この食器洗浄機1における他の作用は、実施例1の食器洗浄機と同様である。
【0118】
(実施例3)
図9に示すように、実施例3の食器洗浄機1では、供給装置13の装置本体13aが第2供給ポンプ132を有している。この第2供給ポンプ132は、回転駆動を1秒間行うことにより、1ccの洗剤300を洗浄空間7hに供給可能となっている。また、この食器洗浄機1では、カウンタC10は、洗浄運転の回数のみをカウントする。なお、第2供給ポンプ132における1秒当たりの洗剤300の供給量は適宜設計可能である。
【0119】
ここで、この食器洗浄機1では、1回の洗浄運転につき、供給装置13は洗浄空間7hに対して、本発明における「特定量」として10ccの洗剤300を供給する。また、上述のように、第2供給ポンプ132は、回転駆動を1秒間行うことにより、1ccの洗剤300を洗浄空間7hに供給可能となっている。このため、第1供給ポンプ131は、1回の洗浄運転につき、回転駆動を10秒間行って10ccの洗剤300を洗浄空間7hに供給する。つまり、カウンタC10が洗浄運転の回数を1回カウントした際における供給装置13の供給時間は10秒となる。なお、特定量の値についても、例えば洗剤300の性質や濃度等に応じて適宜設定可能である。また、特定量の値と、実施例1、2の食器洗浄機1における所定量の値とが異なっていても良い。さらに、カウンタC10は、供給時間をカウントしても良い。
【0120】
また、この食器洗浄機1では、100秒の供給時間が第1所定時間として設定されている。また、30秒の供給時間が第2所定時間として設定されており、80秒の供給時間が第3所定時間として設定されている。そして、制御部C1は、これらの第1所定時間、第2所定時間及び第3所定時間を記憶している。ここで、この食器洗浄機1では、貯蔵室150内に貯蔵された洗剤300の量が最大であるときは、供給時間が最長となり、100秒よりも長くなる。なお、第1所定時間は最長の供給時間よりも短ければ、適宜設定可能である。また、第2所定時間は第1所定時間よりも短い時間であれば適宜設定可能であり、第3所定時間は第2所定時間よりも長く、第1所定時間よりも短い時間であれば適宜設定可能である。
【0121】
そして、この食器洗浄機1では、貯蔵室150内における洗剤300の残量が第1特定量となることにより、第2リードスイッチ19がON状態となる。こうして、第2リードスイッチ19は、貯蔵室150内の洗剤300の残量が第1特定量であることを検知する。また、制御部C1は、第2リードスイッチ19がON状態であることを検知する。ここで、第1特定量とは、上述の供給時間が第1所定時間となるときの洗剤300の量である。具体的には、実施例3の食器洗浄機1では、第1特定量として100ccが設定されている。なお、第1特定量は第1所定時間に応じて適宜設定可能である。
【0122】
また、第2リードスイッチ19は、貯蔵室150内における洗剤300の残量が最大である場合を含め、洗剤300の残量が第1特定量よりも多いときには、OFF状態となる。これにより、制御部C1は、第2リードスイッチ19がOFF状態であることを検知する。また、第2リードスイッチ19が一度ON状態となった後、洗剤300の残量が第1特定量よりも多くなった場合にも、第2リードスイッチ19はOFF状態となる。この場合にも、制御部C1は、第2リードスイッチ19がOFF状態であることを検知する。実施例3の食器洗浄機1における他の構成は、実施例1の食器洗浄機1と同様である。
【0123】
この食器洗浄機1においても、実施例1の食器洗浄機1と同様、洗浄運転、濯ぎ運転及び乾燥運転を行うことができる。また、洗浄運転時には、
図6に示すステップS101~ステップS111処理が行われる。このため、洗剤自動供給モードが実行されていれば、制御部C1は、チェックモードを実行する。
【0124】
そして、この食器洗浄機1では、制御部C1が第2リードスイッチ19はON状態であると判断していなければ(
図10のステップS301:NO)、制御部C1は、カウンタC10がカウントした洗浄運転の回数をゼロに修正し(ステップS302)、このゼロの値を記憶する(ステップS303)。こうして、制御部C1はチェックモードを終了させる。
【0125】
一方、制御部C1が第2リードスイッチ19はON状態であると判断していれば(ステップS301:YES)、制御部C1は、カウンタC10がカウントしている洗浄運転の回数を基に、第2リードスイッチ19がON状態となった後の積算供給時間を算出する(ステップS304)。つまり、制御部C1は、貯蔵室150内の洗剤300の残量が第1特定量であることを第2リードスイッチ19が検知した後における、供給装置13による洗剤300の積算供給時間を算出する。
【0126】
具体的には、第2リードスイッチ19がON状態となった後に、カウンタC10が洗浄運転の回数を1回カウントしていれば積算供給時間は10秒となり、カウンタC10が洗浄運転の回数を2回カウントしていれば、積算供給時間は20秒となる。そして、制御部C1は、算出した積算供給時間を記憶する(ステップS305)。
【0127】
こうして算出された積算供給時間が第3所定時間及び第2所定時間に達していなければ(ステップS306:NO、ステップS307:NO)、つまり、算出された積算供給時間が30秒に満たない場合には、制御部C1は、カウンタC10が現在カウントしている洗浄運転の回数を記憶する(ステップS308)。こうして、制御部C1はチェックモードを終了させる。
【0128】
一方、ステップS304において算出された積算供給時間が、第3所定時間には達していないものの、第2所定時間に達していれば(ステップS306:NO、ステップS307:YES)、つまり、算出された積算供給時間が30秒に達していれば、制御部C1は、報知ランプ42を点滅させる(ステップS309)。こうして、この食器洗浄機1でも、報知ランプ42によって補給報知を行う。また、制御部C1は、カウンタC10が現在カウントしている洗浄運転の回数を記憶する(ステップS310)。そして、制御部C1は、チェックモードを終了する。
【0129】
また、ステップS304において算出された積算供給時間が第3所定時間に達していれば(ステップS306:YES)、つまり、算出された積算供給時間が80秒に達していれば、制御部C1は、報知ランプ42を点灯させる(ステップS311)。こうして、この食器洗浄機1でも、報知ランプ42は、補給報知を行い、点滅時よりも貯蔵室150内の洗剤300の残量がより少なくなっていることを使用者に報知しつつ、洗剤300の速やかな補給を求める。
【0130】
さらに、この場合には、実施例1の食器洗浄機1と同様、制御部C1は、洗剤自動供給モードを停止する(ステップS312)。これにより、この食器洗浄機1でも、供給装置13による洗剤300の自動供給が停止する。また、制御部C1は、この際の洗浄運転の回数を記憶する(ステップS313)。そして、制御部C1は、チェックモードを終了する。
【0131】
こうして、実施例3の食器洗浄機1でも、実施例1の食器洗浄機1と同様の作用効果を奏することが可能となっている。また、実施例3の食器洗浄機1では、積算供給時間が第3所定時間である80秒に達し、報知ランプ42の点灯による補給報知が行われた場合であっても、貯蔵室150内には、20ccの洗剤300が存在している。このため、この食器洗浄機1でも、第2供給ポンプ132、供給通路13b及び接続通路13cに空気が混入することを防止できる。
【0132】
(実施例4)
図11に示すように、実施例4の食器洗浄機1でも実施例3の食器洗浄機1と同様、制御部C1が第2リードスイッチ19はON状態でないと判断した場合には(ステップS301:NO)、制御部C1は、カウンタC10がカウントした洗浄運転の回数をゼロに修正し(ステップS302)、このゼロの値を記憶する(ステップS303)。
【0133】
ここで、この食器洗浄機1では、報知ランプ42が補給報知の他に、第2予備報知を行うことが可能となっている。そして、この食器洗浄機1では、第2リードスイッチ19がON状態であると制御部C1が判断することにより(ステップS301:YES)、制御部C1は、報知ランプ42に対し、補給報知よりも先に第2予備報知を開始させる。具体的には、制御部C1は、第2リードスイッチ19がON状態であると判断することにより、報知ランプ42を点滅させる(ステップS321)。このように報知ランプ42を点滅させた後、制御部C1は、第2リードスイッチ19がON状態となった後の積算供給時間を算出し(ステップS304)、算出した積算供給時間を記憶する(ステップS305)。
【0134】
こうして算出された積算供給時間が第3所定時間に達していなければ(ステップS306:NO)、制御部C1は、カウンタC10が現在カウントしている洗浄運転の回数を記憶する(ステップS322)。こうして、制御部C1はチェックモードを終了させる。このため、この場合には、ステップS321において開始された報知ランプ42の点滅が継続し、第2予備報知が継続する。
【0135】
一方、ステップS304において算出された積算供給時間が第3所定時間に達していれば(ステップS306:YES)、制御部C1は、報知ランプ42を点灯させる(ステップS311)。こうして、この食器洗浄機1では、第2予備報知に換えて補給報知が行われる。なお、ステップS311以降の処理を含め、実施例4の食器洗浄機における他の構成は実施例3の食器洗浄機1と同様である。
【0136】
このように、実施例4の食器洗浄機1では、貯蔵室150内の洗剤300の残量が第1特定量となることにより、報知ランプ42が点滅し、使用者に対する第2予備報知が行われる。ここで、この第2予備報知についても、補給報知よりも先に行われる。このため、実施例2の食器洗浄機1と同様、この食器洗浄機1でも、近い将来、洗剤300の補給が必要となることを使用者に予告できるため、その後に補給報知が行われた際に、使用者は洗剤300の補給を好適に行うことが可能となっている。この食器洗浄機1における他の作用は、実施例3の食器洗浄機1と同様である。
【0137】
(実施例5)
図12に示すように、実施例5の食器洗浄機1では、残量検知部22が貯蔵タンク15に設けられている。この残量検知部22は、フロート17と、第1検知センサ24aと、第2検知センサ24bとで構成されている。第1検知センサ24a及び第2検知センサ24bも、本発明における「検知センサ」の一例である。
【0138】
第1検知センサ24aは、底壁15aに設けられている。一方、第2検知センサ24bは、第1周壁15cに設けられている。ここで、第1検知センサ24a及び第2検知センサ24bは、いずれも貯蔵室150の外部に位置している。また、第1検知センサ24a及び第2検知センサ24bは、制御部C1と接続されている。第1検知センサ24a及び第2検知センサ24bは、フロート17の磁石170の磁気を検知可能となっている。そして、第1検知センサ24a及び第2検知センサ24bは、第1検知センサ24aが検知する磁石170の磁気と、第2検知センサ24bが検知する磁石170の磁気との比較によって、貯蔵室150内におけるフロート本体17aの位置を検知するとともに、このフロート17の位置に基づいて貯蔵室150内に貯蔵された洗剤300の残量を検知する。
【0139】
具体的には、第1検知センサ24aが検知する磁石170の磁気が小さく、第2検知センサ24bが検知する磁石170の磁気が大きい場合には、第1検知センサ24a及び第2検知センサ24bは、貯蔵室150内の上方にフロート本体17aが揺動していることを検知するとともに、このフロート本体17aの位置における洗剤300の残量を検知する。つまり、第1検知センサ24aが検知する磁石170の磁気が最小であり、第2検知センサ24bが検知する磁石170の磁気が最大の場合には、第1検知センサ24a及び第2検知センサ24bは、貯蔵室150内の洗剤300の残量が最大であることを検知する。なお、この場合、液晶パネル41や報知ランプ42を通じて、貯蔵室150内の洗剤300の残量が最大であることを報知しても良い。
【0140】
反対に、第1検知センサ24aが検知する磁石170の磁気が大きく、第2検知センサ24bが検知する磁石170の磁気が小さい場合には、第1検知センサ24a及び第2検知センサ24bは、貯蔵室150内の下方にフロート本体17aが揺動していることを検知するとともに、このフロート本体17aの位置における洗剤300の残量を検知する。このため、この場合には、第1検知センサ24a及び第2検知センサ24bは、貯蔵室150内の洗剤300の残量が最大よりも少ないことを検知する。
【0141】
こうして、第1検知センサ24a及び第2検知センサ24bは、検知する磁石170の磁気を基にフロート本体17aが
図12に示す位置であることを検知すれば、貯蔵室150内の洗剤300の残量が第1所定量であることを検知する。これにより、第1検知センサ24aは、制御部C1に対して検知信号を送信する。一方、第1検知センサ24aが検知信号を制御部C1に送信した後に洗剤300の補給が行われ、洗剤300の残量が第1所定量よりも多くなった場合には、第1検知センサ24aは、先に送信した検知信号を取り消す取消信号を制御部C1に送信する。これにより、取消信号を受信した制御部C1は、検知信号が未受信の状態となる。なお、貯蔵タンク15に設けられる第1検知センサ24a及び第2検知センサ24bの位置は適宜設計可能である。また、第1検知センサ24aに換えて、第2検知センサ24bが検知信号及び取消信号を制御部C1に送信しても良い。
【0142】
また、フロート17及び第1検知センサ24aによって残量検知部22を構成し、第1検知センサ24aが検知する磁石170の磁気を基にフロート本体17aの位置、ひいては、貯蔵室150内の洗剤300の残量を検知しても良い。この食器洗浄機1における他の構成は、実施例1の食器洗浄機と同様である。
【0143】
実施例5の食器洗浄機1では、第1検知センサ24aからの検知信号を受信することにより、制御部C1は、チェックモードにおいて、貯蔵室150内の洗剤300の残量が第1所定量であると判断する。そして、制御部C1は、貯蔵室150内の洗剤300の残量が第1所定量であると判断した後、実施例1の食器洗浄機1と同様に、
図7に示すステップS204~S212の各処理を行うことにより、報知ランプ42による補給報知を行うことが可能となっている。一方、第1検知センサ24aからの検知信号が未受信であれば、貯蔵室150内の洗剤300の残量が第1所定量よりも多いと判断する。このため、制御部C1はチェックモードにおいて、
図7に示すステップS202、S203の各処理を行う。こうして、この食器洗浄機1も、実施例1の食器洗浄機1と同様の作用を奏することが可能となっている。
【0144】
以上において、本発明を実施例1~5に即して説明したが、本発明は上記実施例1~5に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0145】
例えば、実施例1~5の食器洗浄機1では、本発明における「報知部」として、報知ランプ42を採用している。しかし、これに限らず、補給報知、第1予備報知及び第2予備報知を音声によって行うブザーを「報知部」として採用しても良い。また、「報知部」として液晶パネル41を採用し、液晶パネル41に表示された文字等によって補給報知、第1予備報知及び第2予備報知を行っても良い。また、これらの報知ランプ42、液晶パネル41及びブザー等を組み合わせることによって、本発明における「報知部」を構成しても良い。
【0146】
さらに、実施例1の食器洗浄機1において、カウンタC10は、洗剤300を洗浄空間7hに供給する際の第1供給ポンプ131の回転数を供給回数としてカウントしても良い。実施例2、5の食器洗浄機1についても同様である。
【0147】
また、実施例1の食器洗浄機1において、報知ランプ42による第1予備報知を行う構成としても良く、実施例3の食器洗浄機1において、報知ランプ42による第2予備報知を行う構成としても良い。これらの場合、第1予備報知や第2予備報知における報知ランプ42の点滅と、補給報知における点滅とに違いを設けたり、第1予備報知や第2予備報知の際に発光する報知ランプ42の色と、補給報知の際に発光する報知ランプ42の色とに違いを設けたりしても良い。
【0148】
さらに、実施例5の食器洗浄機1において、第1検知センサ24a及び第2検知センサ24bは、貯蔵室150内に貯蔵された洗剤300の残量が第1特定量であることを検知しても良い。
【0149】
また、洗剤300に換えて、食器用のリンス等を本発明における「処理剤」としても良い。
【0150】
さらに、洗剤300を含め、処理剤は液状に限らず、粉末状やタブレット状であっても良い。
【0151】
また、食器洗浄機1に換えて、被洗浄物としての衣類等の洗浄運転が可能な洗濯機や洗濯乾燥機を本発明における「洗浄装置」としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0152】
本発明は、食器洗浄機や洗濯機等に利用可能である。
【符号の説明】
【0153】
1…食器洗浄機(洗浄装置)
7…洗浄槽(洗浄部)
13…供給装置(供給部)
15…貯蔵タンク(貯蔵部)
16…残量検知部
17…フロート
18…第1リードスイッチ(検知センサ)
19…第2リードスイッチ(検知センサ)
22…残量検知部
24a…第1検知センサ(検知センサ)
24b…第2検知センサ(検知センサ)
42…報知ランプ(報知部)
170…磁石
300…洗剤(処理剤)
C1…制御部