(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102934
(43)【公開日】2023-07-26
(54)【発明の名称】シャッターの補強装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/17 20060101AFI20230719BHJP
【FI】
E06B9/17 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022003696
(22)【出願日】2022-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】505255909
【氏名又は名称】サンユウテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110179
【弁理士】
【氏名又は名称】光田 敦
(72)【発明者】
【氏名】岩川 光治
(57)【要約】
【課題】既設のシャッターにも容易、低費用で設置可能であり、強風に対して、スラットを表裏両面側から支え、破損を抑制可能なシャッターの補強装置を実現する。
【解決手段】スラット7の最下部の座板11の左右における屋内側及び屋外側にそれぞれ固定され屋内側閂載置受け13及び屋外側閂載置受け14と、左右の垂直枠3にそれぞれ固定された屋内側閂係止部材15と、左右のガイドレール6にそれぞれに固定された屋外側閂係止部材16と、左右の屋内側閂係止部材15及び左右の屋外側閂係止部材16に、それぞれスラット7の屋内側及び屋外側で水平状態に保持されて、スラット7を屋内側及び屋外側から支持する屋内閂20及び屋外側閂21と、を備え、屋内側閂20及び屋外側閂21は、屋内側閂係止部材15及び屋外側閂係止部材16より上方では、屋内側閂載置受け13及び屋外側閂載置受け14にそれぞれ載置され座板11とともに昇降する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の構造体の一部である左右の垂直枠と、左右の垂直枠に沿って起立した左右のガイドレールと、を備え、屋内側に垂直枠及びガイドレールのうちのいずれか一方の部材が設けられ、屋外側に垂直枠及びガイドレールのうちのいずれか他方の部材が設けられ、ガイドレールに案内されて昇降するスラットを備えたシャッターに取り付けられて使用され、スラットを屋内側及び屋外側から支持可能とするシャッターの補強装置であって、
スラットの最下部の座板における左右の部分の屋内側及び屋外側に、それぞれ固定された屋内側閂載置受け及び屋外側閂載置受けと、
屋内側においてスラットを支持可能な屋内側閂と、
屋内側に設けられた前記一方の部材に取り付けられ、屋内側閂の両端部を係止して水平に保持する屋内側閂係止部材と、
屋外側においてスラットを支持可能な屋外側閂と、
屋外側に設けられた前記他方の部材に取り付けられ、屋外側閂の両端部を係止して水平に保持する屋外側閂係止部材と、
屋内側閂は、その両端部に係合部を備え、
屋内側閂係止部材は、前記一方の部材に取り付けられる固定部と、屋内側閂の係合部を係止する係止部と、を備え、
屋外側閂は、その両端部に係合部を備え、
屋外側閂係止部材は、前記他方の部材に取り付けられる固定部と、屋外側閂の係合部を係止する係止部と、を備え、
屋内側閂及び屋外側閂は、それぞれ屋内側閂係止部材及び屋外側閂係止部材より上方の位置においてのみ、屋内側閂載置受け及び屋外側閂載置受けに載置された状態で昇降可能な構成であることを特徴とするシャッターの補強装置。
【請求項2】
屋内側閂の係合部として、屋内側閂の左右の端部には、それぞれ下方に突出した屋内側係合片が固定されており、
屋外側閂の係合部として、屋外側閂の左右の端部には、それぞれ下方に突出した屋外側係合片が固定されており、
屋内側閂係止部材の係止部として、屋内側閂係合片を上方から嵌合させて係止する係止孔部が固定部を介して、前記一方の部材に取り付けられており、
屋外側閂係止部材の係止部として、屋外側閂係合片を上方から嵌合させて係止する係止孔部が固定部を介して、前記他方の部材に取り付けられている構成を特徴とする請求項1に記載のシャッターの補強装置。
【請求項3】
屋内側閂の係合部として、屋内側閂の左右の端部には、それぞれ屋内側閂の係合孔部が固定されており、
屋外側閂の係合部として、屋外側閂の左右の端部には、それぞれ屋外側閂の係合孔部が固定されており、
屋内側閂係止部材の係止部として、屋内側閂の係合孔部に下方から嵌合して係止する屋内側係止片が固定部を介して、前記一方の部材に取り付けられており、
屋外側閂係止部材の係止部として、屋外側閂の係合孔部に下方から嵌合して係止する屋外側係止片が固定部を介して、前記他方の部材に取り付けられている構成を特徴とする請求項1に記載のシャッターの補強装置。
【請求項4】
屋内側閂及び屋外側閂は、それぞれ座板と落下防止用ワイヤを介して結ばれている構成を特徴とする請求項1、2又は3に記載のシャッターの補強装置。
【請求項5】
屋内側閂載置受け及び屋外側閂載置受けには、それぞれ落下防止杆が上方に向けて固定されており、屋内側閂及び屋外側閂には、それぞれ落下防止杆が嵌合する落下防止孔が形成されている構成を特徴とする請求項1、2又は3に記載のシャッターの補強装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッターの補強装置に関し、より詳しくは、建物、例えば、工場、倉庫、店舗、ガレージ等の出入口に、防火、侵入防止等のために設置し開閉するシャッターにおいて、台風、竜巻、吹雪等による強風等によって、スラットが撓んでまくられたり破損したりすることを抑制するシャッターの補強装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場、倉庫、ガレージ等の建物の出入口に設置されるシャッターのスラットの補強のための手段として、シャッターの一面側に、撓みを防止する補強部材を設ける構成は、知られている(一例として、特許文献1、2参照)。
【0003】
例えば、特許文献1には、シャッターにおいて、スラットを案内する左右のガイドレールの一部として、閂案内溝部を設けるとともに、閂案内溝部内にストッパを固定し、スラッとの一面に取り付けた座板上に載置した閂の両端を、左右の閂案内溝部で上下方向に案内し、下降時にストッパに載置して、閂をスラットの一面側において、風圧のかかかったスラットを押さえる開閉体の補強構造が記載されている。
【0004】
特許文献2には、シャッターにおいて、スラットの一面側に、螺子孔を有する補強基材を固定し、補強体を補強基材の螺子孔に螺子で着脱自在に取り付けられるシャッターカーテンの補強構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3594503号公報
【特許文献2】特開平8-296379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、地球温暖化が原因か明確ではないが、異常気象による台風、竜巻等の発生により、国内各地で強風による建物の被害が多発しており、強風によるシャッターの捲れ、破損が多く生じ、その対策が急がれている。
【0007】
しかしながら、新設のシャッターのみでなく、特に、すでに設置され使用中である既設のシャッターに、強風対策の補強装置を付設することは、費用、手間等がかかり、必ずしも、対策が進まないのが現状である。また、異常気象による強風、竜巻等は、その風圧だけでなく風向きが瞬間的に変わったりして、並の補強装置を付設しても必ずしも、十分ではない。
【0008】
シャッターに付設する強風対策のための補強装置としては、次の要件を考慮する必要がある。
(1)補強装置自体の製造コスト及び既設のシャッターへの付設費用が安価である。
(2)特に、既設のシャッターの場合は、簡単な作業、低価格で付設できる。
(3)補強装置の利用者(建物の管理者等)が、簡単に補強状態にして使用できる。
(4)強風による風圧等に対して、補強装置による補強の強度が大きい。屋外からの風圧だけでなく、屋内側からの圧力に対して強度を有する。
【0009】
なお、上記(4)に関連して以下補足する。通常の強風の際には、シャッターのスラットに対して、建物の内側に向けて風圧を与えるので、スラットを内側だけから支えればよいが、台風、竜巻等で生じる異常な強風が発生した際には、内側に向けて風圧を与えていた強風の向きが、瞬間的に止んだり、風向きが変わったりすると、スラットが反動的に外側に移動したり、ガタついたりするようなことが生じる。
【0010】
このような場合に、スラットが外側に捲られて破損するようなことも考えられる。或いは、内側及び外側にスラットがガタガタ揺すられて、そのためにスラットを構成するスラット片の結合部が変形したり破損したりして、スラットの破損を引き起こすことも考えられる。
【0011】
ところで、特許文献1に記載の開閉体の補強構造は、スラット案内溝部と一体に閂案内溝部を設ける、ガイドレールの一部として閂案内溝部を設ける構成であるので、従来のガイドレールとは全く異なる複雑な構造のガイドレールが必要であり、コストが高くなる。
【0012】
そのために、シャッターに、特許文献1に記載の開閉体の補強構造を適用するためには、従来のガイドレールではなく、特許文献1に記載のガイドレールを使用しなくてならないので、多くの費用及び手間が必要と考えられる。
【0013】
従って、特許文献1に記載の開閉体の補強構造を、従来のガイドレールが設置された既設シャッターに適用することは、その施工が面倒であり、費用もかかり、実質的には、困難である。
【0014】
また、特許文献1に記載の開閉体の補強構造は、シャッターの一面側のみにガイドレールにおける閂案内溝部が設けられているので、閂は、シャッターの一面側のみに配置される構成であるので、上記外側からの風圧の停止の際等に反動として生じるスラットの外側への移動に対しては、必ずしも十分に補強されるとは言えない。
【0015】
特許文献2に記載のシャッターカーテンの補強構造では、スラットの一面側に、螺子孔を有する補強基材を固定しなくてはならず、スラットの構造が複雑となり、しかも、補強体は、必要の都度、複数の補強基材の螺子孔に複数の螺子で着脱自在に取り付けなくてはならないので、シャッターカーテンの閉鎖の度に面倒な取り付け作業が必要となる。
【0016】
本発明は、特許文献1、2に示すような従来のシャッターのスラットの補強のための手段における上記のような問題を解決することを目的とするものであり、簡単な構造であり、その製造ないしシャッターへの付設のためのコストが安く、特に既設のシャッターにも容易に設置可能で、利用者も簡単に補強状態にセットして使用でき、シャッターを閉じた際に、強風によって風圧のかかるスラットを表裏両面側から支え、捲られたり、破損したりすることを、効果的に抑制可能なシャッターの補強装置を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は上記課題を解決するために、建物の構造体の一部である左右の垂直枠と、左右の垂直枠に沿って起立した左右のガイドレールと、を備え、屋内側に垂直枠及びガイドレールのうちのいずれか一方の部材が設けられ、屋外側に垂直枠及びガイドレールのうちのいずれか他方の部材が設けられ、ガイドレールに案内されて昇降するスラットを備えたシャッターに取り付けられて使用され、スラットを屋内側及び屋外側から支持可能とするシャッターの補強装置であって、スラットの最下部の座板における左右の部分の屋内側及び屋外側に、それぞれ固定された屋内側閂載置受け及び屋外側閂載置受けと、屋内側においてスラットを支持可能な屋内側閂と、屋内側に設けられた前記一方の部材に取り付けられ、屋内側閂の両端部を係止して水平に保持する屋内側閂係止部材と、屋外側においてスラットを支持可能な屋外側閂と、屋外側に設けられた前記他方の部材に取り付けられ、屋外側閂の両端部を係止して水平に保持する屋外側閂係止部材と、屋内側閂は、その両端部に係合部を備え、屋内側閂係止部材は、前記一方の部材に取り付けられる固定部と、屋内側閂の係合部を係止する係止部と、を備え、屋外側閂は、その両端部に係合部を備え、屋外側閂係止部材は、前記他方の部材に取り付けられる固定部と、屋外側閂の係合部を係止する係止部と、を備え、屋内側閂及び屋外側閂は、それぞれ屋内側閂係止部材及び屋外側閂係止部材より上方の位置においてのみ、屋内側閂載置受け及び屋外側閂載置受けに載置された状態で昇降可能な構成であることを特徴とするシャッターの補強装置を提供する。
【0018】
屋内側閂の係合部として、屋内側閂の左右の端部には、それぞれ下方に突出した屋内側係合片が固定されており、屋外側閂の係合部として、屋外側閂の左右の端部には、それぞれ下方に突出した屋外側係合片が固定されており、屋内側閂係止部材の係止部として、屋内側閂係合片を上方から嵌合させて係止する係止孔部が固定部を介して、前記一方の部材に取り付けられており、屋外側閂係止部材の係止部として、屋外側閂係合片を上方から嵌合させて係止する係止孔部が固定部を介して、前記他方の部材に取り付けられている構成とすることが好ましい。
【0019】
屋内側閂の係合部として、屋内側閂の左右の端部には、それぞれ屋内側閂の係合孔部が固定されており、屋外側閂の係合部として、屋外側閂の左右の端部には、それぞれ屋外側閂の係合孔部が固定されており、屋内側閂係止部材の係止部として、屋内側閂の係合孔部に下方から嵌合して係止する屋内側係止片が固定部を介して、前記一方の部材に取り付けられており、屋外側閂係止部材の係止部として、屋外側閂の係合孔部に下方から嵌合して係止する屋外側係止片が固定部を介して、前記他方の部材に取り付けられている構成とすることが好ましい。
【0020】
屋内側閂及び屋外側閂は、それぞれ座板と落下防止用ワイヤを介して結ばれている構成とすることが好ましい。
【0021】
屋内側閂載置受け及び屋外側閂載置受けには、それぞれ落下防止杆が上方に向けて固定されており、屋内側閂及び屋外側閂には、それぞれ落下防止杆が嵌合する落下防止孔が形成されている構成とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るシャッターの補強装置によれば、次のような効果が生じる。
【0023】
(1)本発明に係るシャッターの補強装置は、強風によってシャッターに表裏両面側から風圧等の力が作用しても、スラットを表裏両面側から確実に支えるために、補強の強度が向上し、スラットのまくれ、ガタつき、破損等をより確実に抑制可能とする。
【0024】
(2)本発明に係るシャッターの補強装置は、構造が簡単であるので、部品及び設置コストを低く押さえることが可能であり、特に、既設のシャッターには、容易な設置作業で、比較的安い費用で設置可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明に係るシャッターの補強装置の実施例1を説明する図であり、シャッターの補強装置を取り付けたシャッターを建屋の外側から見た正面図である。
【
図2】上記実施例1について、補強装置の部品を説明する図であり、(a)は屋内側閂及び屋外側閂と、垂直枠及びガイドレールにそれぞれ固定した左右の屋内側閂係止部材及び屋外側閂係止部材と、を示す平面図であり、(b)は左右の屋内側閂係止部材及び屋外側閂係止部材に対する、屋内方側閂及び屋外側閂(二点鎖線で示す。)の関係的構成を示す要部の詳細を示す平面図である。
【
図3】上記実施例1について、(a)は
図1においてA-A方向に見た図であり、(b)は(a)の要部の拡大図であり、(c)は(b)に示す屋内側及び屋外側閂受け部に係る構成の分解図である。
【
図4】上記実施例1について、各部の詳細を説明する図であり、(a)は
図3(a)の要部拡大図であり、(b)は(a)においてC-C方向に見た図であり、(c)は
図3(a)の要部拡大図であり、(d)は(c)においてD-D方向に見た図である。
【
図5】上記実施例1について、シャッターを開いた状態を示す正面図である。
【
図6】上記実施例1について、(a)はシャッターが開閉に伴いスラットが矢印の方向に昇降する途中の状態を示し、(b)はシャッターが開いた状態を示し、
図5においてA-A方向に見た図である。
【
図7】上記実施例1について、(a)は、シャッターが閉じられ、補強装置の屋内側閂及び屋外側閂が、それぞれ左右の屋内側閂係止部材及び屋外側閂係止部材によって、スラットの屋内側及び屋外側に保持された補強状態を示す建屋の外側から見た正面図であり、(b)は閂の落下防止のためのワイヤに替えて設けた屋内側及び屋外側の閂落下防止構造を示す垂直の断面図である。
【
図8】上記実施例1について、(a)はシャッターが閉じる方向にスラットが下降する途中の状態を示し、(b)はシャッターが閉じた状態を示し、
図7においてA-A方向に見た図である。
【
図9】本発明に係るシャッターの補強装置の実施例2を説明する図であり、(a)は垂直枠に取り付けた屋内側の係止片と屋内側閂の係合孔部を示し、(b)は係止片を係合孔部に嵌合した状態を示す斜視図である。
【
図10】上記実施例2を説明する図であり、(a)はガイドレールに取り付けた屋外側の係止片と屋外側閂の係合孔部を示し、(b)は係止片を係合孔部に嵌合した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明に係るシャッターの補強装置(以下、単に「補強装置」ともいう。)を実施するための形態を、実施例に基づいて図面を参照して、以下に説明する。
【実施例0027】
実施例1:
本発明に係るシャッターの補強装置1の実施例1を
図1~
図8を参照して、以下説明する。本明細書及び特許請求の範囲記載の発明では、シャッター2を設置する建物の屋内側を内側とし、屋外側を外側とする。また、外側から正面視して左右を左右とする。
【0028】
なお、屋内にシャッター2を設置する場合(例として、防火のために廊下や室を区切るシャッター)もあるが、その場合は、シャッター2のいずれか一方の側を内側とし、他方の側を外側とする。
【0029】
(シャッターの全体構成)
一般的に、シャッター2を設置する建屋の出入口は、左右の垂直枠3(
図1、
図3(a)等参照)と頂部の水平枠(図示せず)を備え、門型に構成されている。左右の垂直枠3は、例えば、鉄骨等で形成されており、建物の構造体の一部であり、必ずしも本発明に係る補強装置1のために特別に設けたものではない。
【0030】
シャッター2は、
図1、
図3(a)等に示すように、左右のガイドレール6、ガイドレール6で案内されて昇降するスラット7、スラット7を巻き上げる巻き上げドラム8を備えている。左右のガイドレール6は、
図2に示すように、それぞれ左右の垂直枠3の外面に沿って支持されるように、床面4上に起立して設置されている。
【0031】
なお、本発明は、巻き上げドラム8ではなく、屋内の天井等に沿ったレールにスライドさせるオーバースライディングドアのシャッターにも適用可能であるが、本実施例1では、以下、巻き上げドラム8を使用したシャッターで説明する。
【0032】
本明細書及び特許請求の範囲記載の発明では、シャッター2を設置する建物の屋外側から正面視して左右を左右とする。
【0033】
(本発明の特徴的構成)
通常、シャッター2は、屋内側及び屋外側のいずれか一方側に垂直枠3を、他方側にガイドレール6を設ける。本発明においても、シャッター2は、設置する際に、建物構造に応じて、屋内側に左右の垂直枠3を、屋外側に左右のガイドレール6を設ける場合と、屋内側に左右のガイドレール6を、屋外側に左右の垂直枠3を、設ける場合がある。本発明は、上記いずれの場合にも適用できる。
【0034】
特許請求の範囲では、「屋内側に垂直枠及びガイドレールのうちのいずれか一方の部材が設けられ、屋外側に垂直枠及びガイドレールのうちのいずれか他方の部材が設けられ、」という記載があるが、本実施例1では、屋内側に設けられた一方の部材を垂直枠3とし、屋外側に設けられた他方の部材をガイドレール6とした構成例において、以下説明する。
【0035】
なお、本発明に係る別の実施例として、屋内側に設けられた一方の部材をガイドレール6とし、屋外側に設けられた他方の部材を垂直枠3とした構成例もあるが、そのような別の実施例は、本実施例1の構成と比較して、屋内側の構成と屋外側の構成を、単に、互いに入れ替えただけの相違であるので、説明は省略する。
【0036】
上記構成のシャッター2に付設する補強装置1は、
図1~
図4に示すように、主要部材として、次の部材を備えている。
【0037】
(1)スラット7の最下部の座板11に固定された左右の屋内側閂載置受け13及び左右の屋外側閂載置受け14(
図3(a)~(c)参照)。
(2)左右の垂直枠3にそれぞれ固定された左右の屋内側閂係止部材15と、左右のガイドレール6にそれぞれに固定された左右の屋外側閂係止部材16。
(3)左右の屋内側閂係止部材15及び左右の屋外側閂係止部材16によって、それぞれスラット7の内側及び外側で水平状態に保持されて、スラット7を内側及び外側から支持可能な屋内側閂20及び屋外側閂21。
【0038】
スラット7の最下部には、垂直断面形状が⊥形の座板11(
図3(a)~(c)参照)が設けられている。屋内側閂載置受け13及び屋外側閂載置受け14は、スラット7の最下部の長手方向の複数の位置、本実施例1では、左右の位置(
図1参照)に、固定されている。
【0039】
屋内側閂載置受け13及び屋外側閂載置受け14は、
図3(a)~(c)に示すように、その側面は略凹字形をしており、それぞれ屋内側閂20及び屋外側閂21を載置できるように、座板11の左右の部分の内面及び外面に、ボルト22で内側及び外側に向けて水平に張り出すように固定されている。
【0040】
屋内側閂20及び屋外側閂21は、強風を受けても、スラット7を内側及び外側から支持し(
図7、
図8(b)参照)、スラット7が撓まされたり、まくられたりされないようにするシャッター2の補強部材として機能するものであり、風圧に対しても破損しない強靱な材料、例えば、鉄等の角パイプで形成されている。
【0041】
そして、屋内側閂20及び屋外側閂21は、
図1に示すように、それぞれシャッター2の横幅全体にわたって水平に延びるように設けられている。より詳細には、
図2(a)に示すように、屋内側閂20は左右の垂直枠3の内面間の間隔の長さと略同じ寸法に、屋外側閂21は左右のガイドレール6の外面間の間隔の長さと略同じ寸法に形成されている。
【0042】
屋内側閂20の左右の端面には、それぞれ、
図2(a)、(b)
図3(a)、(b)、
図4(a)、(b)に示すように、係合部として、屋内側係合片23が下方に延びるように固定されている。屋内側係合片23は、例えば鉄板等から形成されている。
【0043】
屋外側閂21の左右の端部の内面には、それぞれ、
図1、
図2(a)(b)、
図3(a)、(b)、
図4(c)、(d)に示すように、係合部として、屋外側係合片24が下方に延びるように固定されている。屋外側係合片24は、例えば鉄板等から形成されている。
【0044】
左右の屋内側閂係止部材15は、
図3(a)に示すように、それぞれ左右の垂直枠3において、その上下方向略中央より若干下方の高さで、互いに対向する面に固定されている。そして、屋内側閂係止部材15は、
図2(b)、
図4(a)、(b)に示すように、固定部26と係止孔部27から成る。
【0045】
屋内側閂係止部材15の固定部26は、垂直枠3に溶接や螺子止め等で固定され、鉄板等の部材から形成される。係止孔部27は、屋内側閂20の屋内側係合片23を嵌合し係止する部分で、固定部26の左右対向面に枠状に突出するように設けられている(
図2(b)参照)。
【0046】
左右の屋外側閂係止部材16は、
図3(a)に示すように、それぞれ屋内側閂係止部材15と同じ高さの位置で、左右のガイドレール6の外面に、溶接や螺子止め等で固定されている。屋外側閂係止部材16は、
図4(c)、(d)に示すように、固定部30と係止孔部31とから成る。
【0047】
屋外側閂係止部材16の固定部30は、ガイドレール6に溶接や螺子止め等で固定され、鉄板等の部材から形成される。係止孔部31は、屋外側閂21の屋外側係合片24を嵌合して係止する部分で、固定部30の外面に枠状に突出するように設けられている(
図2(b)参照)。
【0048】
なお、
図7、
図8に示す(
図1、
図3~
図6では図示を省略する)ように、屋内側閂20及び屋外側閂21を、それぞれ左右において、座板11の内側及び外側と、落下防止用ワイヤ34で結んだ構成とすることが好ましい。落下防止用ワイヤ34は、鋼線を撚り合わせて製造された鋼製ワイヤ等が使用される。
【0049】
この落下防止用ワイヤ34は、シャッター2が開いた状態において、万一、屋内側閂20又は屋外側閂21が上方から落下した際に宙吊りし、人への危害を防止する手段である。落下防止用ワイヤ34の長さは、屋内側閂20又は屋外側閂21が落下しても人に危害を与えない高さで停止する長さを要する。
【0050】
後記するが、シャッター2が閉じる途中で、屋内側閂20及び屋外側閂21は、屋内側閂係止部材15及び屋外側閂係止部材16によって、床面4より上方に停止するが、その停止位置は、スラット7を効果的に内側及び外側から支持する高さの位置である。
【0051】
屋内側閂20及び屋外側閂21と座板11を結ぶ落下防止用ワイヤ34の長さは、屋内側閂20又は屋外側閂21が落下しても、人へ危害を与えない高さに宙吊りする長さとする必要があるが、シャッター2の頂部の高さと、屋内側閂係止部材15及び屋外側閂係止部材16の高さ、人の身長等を考慮して決めるべきであり、屋内側閂係止部材15及び屋外側閂係止部材16の高さが、例えば1.2m程度の場合は、1.2m程度の長さが好ましい。
【0052】
なお、シャッター2が開いている時は、落下防止用ワイヤ34は、上方の位置から座板11と屋内側閂20及び屋外側閂21の間で下方に吊り下がっているので、見栄えが悪い、収納しにくい等の理由で付設したくない場合は、落下防止用ワイヤ34に替えて、
図7(b)に示すような閂落下防止構造40を採用すればよい。
【0053】
閂落下防止構造40は、
図7(b)に示すように、屋内側閂載置受け13及び屋外側閂載置受け14に、それぞれ上方に向けた落下防止杆41が固定されており、屋内側閂20及び屋外側閂21には、それぞれその上壁と底壁に落下防止杆41が下方から嵌合される落下防止孔42が形成されている。
【0054】
(作用)
以上の構成から成る本発明に係るシャッターの補強装置1の作用について、以下説明する。
図1、
図3(a)は、屋内側閂20及び屋外側閂21が、屋内側閂載置受け13及び屋外側閂載置受け14に載置され、かつ屋内側閂係止部材15及び屋外側閂係止部材16に係合し移動が停止した状態である。
【0055】
具体的には、この状態は、シャッター2を開く場合は、停止屋内側閂20及び屋外側閂21が、屋内側閂係止部材15及び屋外側閂係止部材16に係合し停止している状態から、スラット7及び座板11とともに下方から上昇してきた屋内側閂載置受け13及び屋外側閂載置受け14に載置され、上方に移動する瞬間の状態を示す。
【0056】
又は、この状態は、シャッター2を閉じる場合は、停止屋内側閂20及び屋外側閂21が、屋内側閂載置受け13及び屋外側閂載置受け14に載置されて下降の途中に、屋内側閂係止部材15及び屋外側閂係止部材16に係合し、下降を停止した瞬間の状態をも示す。
【0057】
仮に、前者の状態として、この状態からシャッター2を開くために、スラット7を上昇させいていくと、屋内側閂20及び屋外側閂21は、屋内側閂載置受け13及び屋外側閂載置受け14に載置されたまま上方へ移動し(
図6(a)の上向き矢印参照)、
図5、
図6(b)に示すように、シャッター2が開いた状態となると、巻き上げドラム8のすぐ下方で停止した退避位置となる。換言すると、この状態は、屋内側閂20及び屋外側閂21のいわば収納状態とも言える。
【0058】
シャッター2が開いた状態から閉じる場合は、スラット7を下降させていくと、屋内側閂20及び屋外側閂21は、屋内側閂載置受け13及び屋外側閂載置受け14に載置されたまま、下方へ移動する(
図6(a)の下向き矢印参照)。
【0059】
屋内側閂20及び屋外側閂21は、スラット7とともに下方に移動していく途中、
図1、
図3(a)に示す状態となり、屋内側閂20の左右の屋内側係合片23が屋内側閂係止部材15の係止孔部27に係合し、屋外側閂21の左右の屋外側係合片24が屋外側閂係止部材16の係止孔部31に係合する。
【0060】
そのために、屋内側閂20及び屋外側閂21は、屋内側閂係止部材15及び屋外側閂係止部材16に係合した位置で下方への移動は停止する。そして、屋内側閂係止部材15及び屋外側閂係止部材16は、屋内側閂20及び屋外側閂21を、
図3(a)、(b)に示す位置に置き去りにして、スラット7及び座板11とともに、さらに下方へ移動し(
図8(a)参照)、
図7、
図8(b)に示すように閉じた状態となる。
【0061】
以上、要するに、屋内側閂20及び屋外側閂21は、それぞれ屋内側閂係止部材15及び屋外側閂係止部材16より上方のみにおいて、左右の屋内側閂載置受け13及び左右の屋外側閂載置受け14に載置された状態で昇降可能な構成である。
【0062】
図7、
図8(b)に示すシャッター2が閉じた状態では、屋内側閂20及び屋外側閂21は、上記のとおり、屋内側係合片23及び屋外側係合片24が、それぞれ屋内側閂係止部材15の係止孔部27及び屋外側閂係止部材16の係止孔部31に係合するので、スラット7の内側及び外側の近接位置で水平な状態で維持される。
【0063】
従って、この状態で、強風に曝され、外側からスラット7に風圧がかかっても、屋内側閂20は、屋内側閂係止部材15からはずれてずれ落ちるようなことなく、内側からスラット7を支持するので、内側への捲れや破損を抑制する。
【0064】
また、スラット7に対して、内側に向けて風圧を与えていた強風の向きが瞬間的に止んだり風向きが変わったりすると、スラット7が反動的に外側に移動しようとする場合があるが、このような場合でも、屋外側閂21は、屋外側閂係止部材16からはずれてずれ落ちるようなことなく、外側からスラット7を支持するので、外側への捲れや破損を抑制する。
【0065】
特に、本発明に係るシャッターの補強装置1は、上記のとおり、屋内側係合片23及び屋外側係合片24が、それぞれ屋内側閂係止部材15の係止孔部27及び屋外側閂係止部材16の係止孔部31に係合し、確実に係止された屋内側閂20及び屋外側閂21によって、スラット7は、内外から支持する構成を採用したので、スラット7が、内側及び外側にガタガタ揺すられようとしても、スラット片及びその結合部等が変形したり破損し、スラット7全体の破損を引き起こすようなことも抑制できる。
【0066】
シャッター2を閉じた状態(
図7、
図8(b)参照)から開く際には、スラット7が上昇する途中に、屋内側閂載置受け13及び屋外側閂載置受け14は、屋内側閂係止部材15及び屋外側閂係止部材16に係合した位置で停止している屋内側閂20及び屋外側閂21を、下方から載置して、スラット7ともに上昇させ(
図6(a)の上向き矢印参照)、
図5、
図6(b)に示すように、シャッター2が開いた位置まで移動させる。
【0067】
なお、上記したとおり、屋内側閂20及び屋外側閂21は、屋内側閂載置受け13及び屋外側閂載置受け14に載置されるために、落下することはないものと考えられるが、万一、シャッター2が開いた状態において、想定外の何らかの原因で屋内側閂20又は屋外側閂21が落下すると、人に危害を与える事故も皆無とは言えない。
【0068】
しかしながら、屋内側閂20及び屋外側閂21を、それぞれ座板11の内側及び外側と、落下防止用ワイヤ34で結んだ構成としておけば、仮に、屋内側閂20又は屋外側閂21が落下しても、落下した左右屋内側閂20又は屋外側閂21は、例えばワイヤ34の長さを1.2m程度とすれば、シャッター2の頂部から1.2m程度の下方の位置で、落下防止用ワイヤ34で宙吊りされ停止するので、人に危害を与えるようなことが防止される。
【0069】
なお、落下防止用ワイヤ34は、簡単にフック等によって着脱可能な構成として、屋内側閂20及び屋外側閂21は、気象予報等で強風、竜巻等の生じる可能性のある期間だけ、屋内側閂載置受け13及び屋外側閂載置受け14の上に載置し、それ以外の時は、外しておくようなことも可能であるので、常時、見た目が悪いようなことも避けることができる。
【0070】
本発明に係るシャッターの補強装置1は、上記のとおり、主要部材として、屋内側閂載置受け13及び屋外側閂載置受け14と、屋内側閂20及び屋外側閂21と、屋内側閂係止部材15及び屋外側閂係止部材16と、を備えているのみであるので、構成はきわめて簡単であり、補強装置1自体のコストは安価となる。
【0071】
また、シャッター2に付設する作業は、屋内側閂載置受け13及び屋外側閂載置受け14は、それぞれスラット7の最下段の座板11に固定し、屋内側閂20及び屋外側閂21は、それぞれ屋内側閂載置受け13及び屋外側閂載置受け14上に載置し、屋内側閂係止部材15及び屋外側閂係止部材16は、それぞれ左右の垂直枠3及びガイドレール6に固定すればよいので、新設のシャッター2だけでなく、特に、既設のシャッター2にも簡単な作業で、安価に取り付けることが可能となる。
【0072】
利用に際しては、屋内側閂20及び屋外側閂21は、補強装置1が付設された際に屋内側閂載置受け13及び屋外側閂載置受け14の上に載置しておけば、シャッター2を閉じる都度に、屋内側閂20及び屋外側閂21を取り付ける必要がないので、利用者は、何ら手間がかからないので、便利である。
【0073】
なお、落下防止用ワイヤ34に替えて、
図7(b)に示すような閂落下防止構造40を設ければ、屋内側閂20及び屋外側閂21を、それぞれその落下防止孔42に、落下防止杆41が下方から嵌合するように、屋内側閂載置受け13及び屋外側閂載置受け14の上に載置することで、屋内側閂20及び屋外側閂21が、屋内側閂載置受け13及び屋外側閂載置受け14から脱落することを防止できる。
【0074】
実施例2:
本発明に係るシャッターの補強装置の実施例2を
図9~
図10を参照して、以下説明する。実施例2のシャッターの補強装置は、実施例1のシャッターの補強装置1と比較し、下記の異なる構成を除いて同じであるので、以下、異なる構成を中心に説明する。なお、実施例2において、実施例1と共通する構成は、実施例1と同じ符号を付与する。
【0075】
また、実施例2のシャッターの補強装置は、符号を付してシャッターの補強装置51とするが、シャッターの補強装置51の全体図に符号「51」を付すべきところ、全体の構成は実施例1と同じであるため図示は略したので、
図9(b)、
図10(b)に示すように、異なる構成の部分にのみ符号「51」を付した。
【0076】
実施例1のシャッターの補強装置1と比較して実施例2のシャッターの補強装置51が異なる構成は、次のとおりである。実施例1のシャッターの補強装置1は、
図4(a)~(d)に示すように、屋内側閂20及び屋外側閂21の係合部は、それぞれ屋内側係合片23及び屋外側係合片24であり、屋内側閂係止部材15及び屋外側閂係止部材16の係止部は、それぞれ係止孔部27及び係止孔部31である。
【0077】
これに対して、実施例2のシャッターの補強装置51は、
図9~
図10に示すように、屋内側閂係止部材及び屋外側閂係止部材の係止部は、それぞれ係止片53及び係止片54であり、屋内側閂20及び屋外側閂21の係合部は、それぞれ係合孔部55及び係合孔部56である。
【0078】
以上、要するに、屋内側閂20及び屋外側閂21の係合部と、屋内側閂係止部材15及び屋外側閂係止部材16の係止部との構造が、実施例1に対して実施例2は、「孔と孔に嵌合する片」において、逆の構成を採用した。
【0079】
具体的には、屋内側においては、
図9(a)に示すように、左右の垂直枠3の対向面に、屋内側閂係止部材として屋内側係止片53が固定されており、屋内側係止片53は、固定部57と水平段部58を有し、垂直断面がクランク状であり、固定部57を介して、垂直枠3に固定されている。屋内側閂20の左右の端面には、係合部として、平面視で矩形枠状の係合孔部55が固定されている。
【0080】
屋内側閂20をセットする場合は、
図9(b)に示すように、その係合孔部55に屋内側閂係止部材の係止片53が下から嵌合するようにして、係合孔部55を係止片53の水平段部58に載置すれば、屋内側閂20は、係止されて水平に保持される。
【0081】
屋外側においても同様の構成であり、
図10(a)に示すように、左右のガイドレール6の屋外側の面に、屋外側閂係止部材として屋外側係止片54が固定されており、屋外側係止片54は、固定部59と水平段部60を有し、垂直断面がクランク状であり、固定部59を介して、ガイドレール6に固定されている。屋外側閂21の左右の端面には、係合部として、平面視で矩形枠状の係合孔部56が固定されている。
【0082】
屋外側閂21をセットする場合は、
図10(b)に示すように、その係合孔部56に屋外側閂係止部材の係止片54が下から嵌合するようにして、係合孔部56を係止片54の水平段部60に載置すれば、屋内側閂21は、係止されて水平に保持される。
【0083】
実施例1のシャッターの補強装置1は、屋内側係合片23及び屋外側係合片24が下方に向いているために、利用者によっては若干見た目が悪く感じる場合もあるかもしれないが、実施例2のシャッターの補強装置51は、屋内側係止片53及び屋外側係止片54が上方に向いているために、そのような感じは与えない。
【0084】
なお、この実施例2についても実施例1と同様に、屋内側に設けられた一方の部材をガイドレール6とし、屋外側に設けられた他方の部材を垂直枠3とした実施例もあるが、そのような実施例は、本実施例2の構成と比較して、屋内側の構成と屋外側の構成を、単に、互いに入れ替えただけの相違であるので、説明は省略する。
【0085】
以上、本発明に係るシャッターの補強装置を実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術的事項の範囲内で、いろいろな実施例があることは言うまでもない。
本発明に係るシャッターの補強装置は、工場、倉庫、店舗、ガレージ等、いろいろな建物の出入口に設置したシャッターに付設することが適しており、特に既設のシャッターに簡単、安価に適用できるので、きわめて有用である。