(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102993
(43)【公開日】2023-07-26
(54)【発明の名称】加工装置、及び、加工品の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/301 20060101AFI20230719BHJP
B23K 26/08 20140101ALI20230719BHJP
B23K 26/03 20060101ALI20230719BHJP
B23K 26/38 20140101ALI20230719BHJP
【FI】
H01L21/78 B
B23K26/10
B23K26/03
B23K26/38 A
B23K26/38 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022003791
(22)【出願日】2022-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】390002473
【氏名又は名称】TOWA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】岡本 純
【テーマコード(参考)】
4E168
5F063
【Fターム(参考)】
4E168AD07
4E168CA06
4E168CA07
4E168CB07
4E168CB24
4E168DA43
4E168EA15
4E168FC04
4E168GA01
4E168HA01
4E168JA01
4E168JA12
4E168JA14
4E168JA15
4E168JA17
4E168KA05
5F063AA26
5F063AA37
5F063BA17
5F063CB06
5F063CB26
5F063DD26
5F063DD31
5F063FF03
(57)【要約】
【課題】加工装置の簡素化及び生産性を向上する。
【解決手段】封止済基板Wを吸着可能な複数の吸着孔2hが一方の面に設けられ、一方の面2xから他方の面2yに貫通した複数の貫通開口部2Tを有する加工テーブル2A、2Bと、加工テーブル2A、2Bに吸着された封止済基板Wを加工する加工機構4と、加工機構4により加工された封止済基板Wを収容部材211(23)に直接収容する収容機構21(24)とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工対象物を吸着可能な複数の吸着孔が一方の面に設けられ、前記一方の面から他方の面に貫通した複数の貫通開口部を有する加工テーブルと、
前記加工テーブルに吸着された前記加工対象物を加工する加工機構と、
加工後の前記加工対象物を、前記加工テーブルから収容部材に直接収容する収容機構とを備える、加工装置。
【請求項2】
前記加工テーブルは、表裏反転可能である、請求項1に記載の加工装置。
【請求項3】
前記収容機構は、表裏反転された前記加工テーブルから落下する加工後の前記加工対象物を収容する収容ボックスを有する、請求項2に記載の加工装置。
【請求項4】
前記収容機構は、前記加工テーブルにある加工後の前記加工対象物に貼付部材の接着面を接触させて、前記貼付部材に収容するものである、請求項1又は2に記載の加工装置。
【請求項5】
前記収容機構は、加工後の前記加工対象物を前記貫通開口部から押して前記加工テーブルから離す押し部材を有する、請求項1乃至4の何れか一項に記載の加工装置。
【請求項6】
前記加工テーブルに吸着された加工後の前記加工対象物を検査する検査部をさらに備える、請求項1乃至5の何れか一項に記載の加工装置。
【請求項7】
前記検査部の検査により不良品と判断された加工後の前記加工対象物を、前記収容部材に収容される前に、前記加工テーブルから除去する不良品除去機構をさらに備える、請求項6に記載の加工装置。
【請求項8】
前記加工機構は、前記加工対象物にレーザ光を照射して切断する、請求項1乃至7の何れか一項に記載の加工装置。
【請求項9】
前記加工対象物を吸着した前記加工テーブルを表裏反転させて、前記加工対象物の両面にレーザ光を照射して切断する、請求項2を引用する請求項8に記載の加工装置。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の加工装置を用いて加工品を製造する加工品の製造方法。
【請求項11】
前記加工対象物を保持した前記加工テーブルを表裏反転させて、前記加工対象物の両面にレーザ光を照射して前記加工対象物を切断する切断工程と、
前記加工テーブルから加工後の前記加工対象物を収容部材に直接収容する収容工程とを含む、請求項10に記載の加工品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工装置、及び、加工品の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示すように、切断後の切断対象物を切断ステージから搬送機構に受け渡して、収容箱に収容する電子部品の製造装置が考えられている。また、特許文献2に示すように、切断後の切断対象物を切断ステージから複数の機構に順次受け渡して、貼付部材に収容する切断装置が考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-88558号公報
【特許文献2】特開2018-174191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記いずれの装置も、切断後の切断対象物を切断テーブルから収容箱又は貼付部材に搬送するための搬送機構が必要となり、装置構成が複雑化してしまう。また、切断テーブルから収容箱又は貼付部材への搬送時間を要するので、生産性の向上を制限してしまう。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、加工装置の簡素化及び生産性を向上することをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明に係る加工装置は、加工対象物を吸着可能な複数の吸着孔が一方の面に設けられ、前記一方の面から他方の面に貫通した複数の貫通開口部を有する加工テーブルと、前記加工テーブルに吸着された前記加工対象物を加工する加工機構と、加工後の前記加工対象物を、前記加工テーブルから収容部材に直接収容する収容機構とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このように構成した本発明によれば、加工後の前記加工対象物を加工テーブルから収容部材に直接収容するので、加工装置の簡素化及び生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】加工対象物(封止済基板)の一例を示す平面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る切断装置(バルク収容)の構成を模式的に示す図である。
【
図3】同実施形態の切断用テーブル及びテーブル反転機構を示す斜視図である。
【
図4】同実施形態の切断用テーブル及びテーブル反転機構における吸着孔を通る断面図である。
【
図5】同実施形態の開口貫通部と吸着孔及び吸引用流路との位置関係を示す平面図である。
【
図6】同実施形態の切断用テーブルの一部を拡大した分解斜視図である。
【
図7】同実施形態の切断用テーブルの(a)レーザ光の走査方向に直交する部分拡大断面図、及び、(b)レーザ光の走査方向に沿った部分拡大断面図である。
【
図8】同実施形態のレーザ切断及び加工屑除去の手順を示す模式図である。
【
図9】同実施形態の検査用カメラによる撮像方向を模式図である。
【
図10】同実施形態の検査用カメラによる撮像及び加工屑再除去の手順を示す模式図である。
【
図11】同実施形態の不用品除去の手順を示す模式図である。
【
図12】同実施形態のバルク収容の手順を示す模式図である。
【
図13】変形実施形態に係る切断装置(リング収容)の構成を模式的に示す図である。
【
図14】貼付部材の構成を模式的に示す(a)平面図、(b)断面図、及び(c)部分拡大断面図である。
【
図15】変形実施形態のリング収容の手順を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明について、例を挙げてさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の説明により限定されない。
【0010】
本発明の加工装置は、前述のとおり、加工対象物を吸着可能な複数の吸着孔が一方の面に設けられ、前記一方の面から他方の面に貫通した複数の貫通開口部を有する加工テーブルと、前記加工テーブルに吸着された前記加工対象物を加工する加工機構と、加工後の前記加工対象物を、前記加工テーブルから収容部材に直接収容する収容機構とを備えることを特徴とする。ここで、直接収容するとは、加工テーブルから別のテーブル又はステージに搬送することなく、収容部材に収容することを意味する。
この加工装置であれば、加工後の前記加工対象物を、加工テーブルから収容部材に直接収容するので、別途、加工後の加工対象物を収容部材に搬送する必要がなく、加工装置の簡素化及び生産性を向上することができる。また、加工装置を簡素化できることにより、フットプリントを小さくすることができる。
【0011】
前記加工テーブルは、表裏反転可能であることが望ましい。
この構成であれば、加工対象物を吸着した加工テーブルを表裏反転させて、加工対象物を両面から加工することができるので、加工時間を短縮して、生産性を向上させることができる。
また、加工対象物を保持した状態を維持して加工テーブルを表裏反転(上下反転)させるので、事前に加工テーブルを表裏反転させた際の位置のシフト量を事前に1回測定しておけば、反転後の位置は計算で補正することができ、反転の都度アライメント(位置調整)をし直す必要が無い。そのため、加工対象物に対する加工機構のアライメント(位置調整)は加工対象物の吸着後に1回行えば良く、これによっても、加工時間を短縮して、生産性を向上させることができる。
【0012】
加工後の加工対象物をばらばらの状態で収容ボックスに収容(「バルク収容」とも呼ばれる。)するためには、前記収容機構は、表裏反転された前記加工テーブルから落下する加工後の前記加工対象物を収容する収容ボックスを有することが望ましい。ここで、加工テーブルの下方に収容ボックスが位置するように、加工テーブル及び収容ボックスが相対移動される。
【0013】
加工後の加工対象物を接着面を有する貼付部材に貼り付けて収容(「リング収容」とも呼ばれる。)するためには、前記収容機構は、前記加工テーブルにある加工後の前記加工対象物に貼付部材の接着面を接触させて、前記貼付部材に収容するものであることが望ましい。ここで、加工テーブルの上方に貼付部材が位置するように、加工テーブル及び貼付部材が相対移動される。
【0014】
ここで、加工後の加工対象物を加工テーブルから収容部材に直接収容する際に、加工後の加工対象物が加工テーブルに密着して離れ無いことがあり、確実に収容部材に収容できない場合がある。この問題を好適に解決するためには、前記収容機構は、加工後の前記加工対象物を前記貫通開口部から押して前記加工テーブルから離す押し部材を有することが望ましい。
【0015】
加工後の加工対象物の良品又は不良品を判定するためには、本発明の加工装置は、前記加工テーブルに吸着された加工後の前記加工対象物を検査する検査部をさらに備えることが望ましい。
【0016】
そして、加工後の加工対象物から不良品を取り除くためには、本発明の加工装置は、前記検査部の検査により不良品と判断された加工後の前記加工対象物を、前記収容部材に収容される前に、前記加工テーブルから除去する不良品除去機構をさらに備えることが望ましい。
この構成であれば、加工テーブルから不良品を除去する構成としているので、別のテーブルに移し替えた後に不良品を除去する構成に比べて、加工装置の簡素化及び生産性を向上することができる。
【0017】
前記加工機構の具体的な実施の態様としては、前記加工対象物にレーザ光を照射して切断することが望ましい。
【0018】
本発明の加工装置は、前記加工対象物を吸着した前記加工テーブルを表裏反転させて、前記加工対象物の両面にレーザ光を照射して切断することが望ましい。
この構成であれば、加工対象物にレーザ光を照射して切断する際に、レーザ光が貫通開口部を通過することになり、レーザ光が加工テーブルには当たらないようにできる。その結果、レーザ光の照射による加工テーブルの損傷、それに伴う加工対象物へのコンタミ(不純物、異物)の付着を抑制するとともに、加工テーブルの損傷を防止するためのレーザ加工条件の制約を低減することができる。レーザ加工条件の制約を低減できることにより、より高いパルスエネルギー、平均出力を使用することができるため、加工時間を短縮し、生産性を向上させることができる。
また、レーザ光が貫通開口部を通過するので、レーザ光が加工テーブルで反射して加工対象物に照射されることを防ぎ、加工テーブルで反射したレーザ光による加工対象物の損傷も抑制することができる。
【0019】
また、上記の加工装置を用いて加工品を製造する加工品の製造方法も本発明の一態様である。
【0020】
加工品の製造方法の具体的な実施の態様としては、前記加工対象物を保持した前記加工テーブルを表裏反転させて、前記加工対象物の両面にレーザ光を照射して前記加工対象物を切断する切断工程と、前記加工テーブルから加工後の前記加工対象物を収容部材に直接収容する収容工程とを含むことが望ましい。
このように加工テーブルを表裏反転させて加工対象物の両面にレーザ光を照射して切断するので、加工対象物の表裏反転時の受け渡しを無くし、加工時間を短縮することができ、生産性を向上させることができる。また、両面から加工することにより、片面からの加工深さを小さくできるため、必要なカーフ幅を小さくすることができる。その結果、レーザ走査列数を削減でき、生産性が向上する。また、加工対象物のパッケージ間のピッチを狭めることができ、その分パッケージを追加したレイアウトにして、1フレーム当たりのパッケージ数が増えて生産性が向上する。さらに、両面から加工することにより、レーザ加工によるテーパ形状を小さくすることができ、品質も向上する。
【0021】
<本発明の一実施形態>
以下に、本発明に係る加工装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に示すいずれの図についても、わかりやすくするために、適宜省略し又は誇張して模式的に描かれている。同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0022】
<加工装置の全体構成>
本実施形態の加工装置100は、切断対象物である封止済基板Wを切断することによって、複数の切断品である製品Pに個片化する切断装置である。
【0023】
ここで、封止済基板Wとは、半導体チップ、抵抗素子、キャパシタ素子等の電子素子が固定された支持体に対して、少なくとも電子素子を樹脂封止するように樹脂成形したものである。支持体としては、リードフレーム又はプリント配線板等の基板を用いることができ、これら以外にも、半導体製基板(シリコンウェーハ等の半導体ウェーハを含む)、金属製基板、セラミック製基板、ガラス製基板、樹脂製基板等を用いることができる。また、封止済基板Wを構成する基板には、配線が施されていても施されていなくてもよい。
【0024】
また、本実施形態の封止済基板W及び製品Pは、一方の面が後に実装される実装面となる。本実施形態の説明では、後に実装される一方の面を「実装面」と記載し、その反対側の面を「マーク面」と記載する。
【0025】
ここで、封止済基板Wは、
図1に示すように、複数の分割要素W1、W2が連結部W3によって連結されるとともに、互いに隣接する分割要素W1、W2内の切断線CL1、CL2が互いに異なる直線上に設定されたものである。それぞれの分割要素W1、W2は、電子素子が樹脂成形により封止された複数のパッケージが一列に配置されたものである。また、それぞれのパッケージ(電子素子)に対応してリードが設けられている。そして、複数の分割要素W1、W2は、それらの両端部が連結部W3により連結されている。具体的に奇数列の分割要素W1と偶数列の分割要素W2とは、それらのリードが互い違いとなるように構成されている。これにより、奇数列の分割要素W1の切断線CL1が同一直線上に位置し、偶数列の分割要素W2の切断線CL2が同一直線上に位置している。また、奇数列の分割要素W1の切断線CL1と偶数列の分割要素W2の切断線CL2とは互いに異なる直線上に位置している。なお、
図1に示す切断線CL1、CL2は、切断が予定される仮想線であり、実際の封止済基板Wには表示されていない。
【0026】
具体的に切断装置100は、
図2に示すように、封止済基板Wを保持する2つの切断用テーブル2A、2Bと、封止済基板Wを切断用テーブル2A、2Bに搬送するために封止済基板Wを保持する第1保持機構3と、切断用テーブル2A、2Bに保持された封止済基板Wを切断する切断機構4と、第1保持機構3を移動させる搬送用移動機構7とを備えている。なお、第1保持機構3及び搬送用移動機構7により封止済基板Wを搬送する搬送機構(ローダ)が構成される。
【0027】
以下の説明において、切断用テーブル2A、2Bの上面に沿った平面(水平面)内で互いに直交する方向をそれぞれX方向及びY方向、X方向及びY方向に直交する鉛直方向をZ方向とする。具体的には、
図2の左右方向をX方向(第1方向)とし、上下方向をY方向(第2方向)とする。
【0028】
<切断用テーブル2A、2B>
2つの切断用テーブル2A、2Bは、封止済基板Wを吸着して保持するものであり、少なくともY方向に移動可能に設けられている。切断用テーブル2Aは、切断用移動機構8AによってY方向に移動可能であり、かつ、回転機構9Aによってθ方向に回動可能である。切断用テーブル2Bは、切断用移動機構8BによってY方向に移動可能であり、かつ、回転機構9Bによってθ方向に回動可能である。なお、切断用テーブル2A、2Bの具体的構成は後述する。
【0029】
<第1保持機構3>
第1保持機構3は、
図2に示すように、封止済基板Wを基板供給機構10から切断用テーブル2A、2Bに搬送するために封止済基板Wを保持するものである。この第1保持機構3は、封止済基板Wを吸着保持するための複数の吸着部(不図示)を有している。そして、第1保持機構3が、後述する搬送用移動機構7などにより所望の位置に移動されることにより、封止済基板Wを基板供給機構10から切断用テーブル2A、2Bに搬送する。
【0030】
基板供給機構10は、
図2に示すように、複数の封止済基板Wが外部から収容される基板収容部10aと、当該基板収容部10aに収容された封止済基板Wを第1保持機構3により吸着保持される保持位置RPに移動させる基板供給部10bとを有している。
【0031】
<切断機構4>
切断機構4は、
図2に示すように、切断用テーブル2A、2Bに吸着された封止済基板Wにレーザ光を照射して、封止済基板Wを切断するものであり、2つのレーザ光照射部41A、41Bを有している。
【0032】
2つのレーザ光照射部41A、41Bは、Y方向に沿って設けられており、それぞれが独立してレーザ光を照射できるように構成されている。各レーザ光照射部41A、41Bは、レーザ発振器と、当該レーザ発振器からのレーザを直線状に走査する例えばガルバノスキャナ等のレーザ光走査部と、レーザ光を集光する集光レンズとを有している。各レーザ光照射部41A、41Bにおいて、レーザ光は、集光レンズによって、切断用テーブル2A、2Bに吸着された封止済基板Wに集光され、レーザ光走査部によって、切断用テーブル2A、2Bに吸着された封止済基板Wに対して直線状に走査される。
【0033】
本実施形態では、2つのレーザ光照射部41A、41Bは、単一の加工ヘッド40に設けられており、当該加工ヘッド40が加工ヘッド移動機構11によりX方向に沿って2つの切断用テーブル2A、2Bの間で移動可能とされている。また、加工ヘッド移動機構11は、Y方向及びZ方向にも加工ヘッド40を移動させることができる。その他、加工ヘッド40に対して2つのレーザ光照射部41A、41Bを少なくともX方向又はY方向に移動可能に構成しても良い。なお、2つのレーザ光照射部41A、41Bは、それぞれ独立して2つの切断用テーブル2A、2Bの間で移動可能に構成しても良い。
【0034】
そして、切断用テーブル2Aでの切断は、切断用テーブル2Aと2つのレーザ光照射部41A、41Bとを相対的に移動させるとともにレーザ光を走査させることによって、封止済基板Wを切断して個片化する。また、切断用テーブル2Bでの切断は、切断用テーブル2Bと、2つのレーザ光照射部41A、41Bとを相対的に移動させるとともにレーザ光を走査させることによって、封止済基板Wを切断して個片化する。なお、切断用テーブル2Aでの切断処理と、切断用テーブル2Bでの切断処理は、交互に行うことができる。
【0035】
<搬送用移動機構7>
搬送用移動機構7は、
図2に示すように、第1保持機構3を少なくとも基板供給機構10と切断用テーブル2A、2Bとの間で移動させるものである。
【0036】
そして、搬送用移動機構7は、
図2に示すように、2つの切断用テーブル2A、2Bの配列方向(X方向)に沿って一直線に延び、第1保持機構3を移動させるためのトランスファ軸71を有している。このトランスファ軸71は、第1保持機構3が基板供給機構10の基板供給部10bの上方に移動できる範囲で設けられている(
図2参照)。
【0037】
さらに搬送用移動機構7は、第1保持機構3をトランスファ軸71に対して、X方向及びZ方向それぞれに移動可能に構成されている。各方向への移動機構は、例えば、ラックアンドピニオン機構を用いたものであっても良いし、ボールねじ機構を用いたものであっても良いし、エアシリンダを用いたものであっても良いし、リニアモータを用いたものであっても良い。
【0038】
<切断用テーブル2A、2Bの具体的構成>
次に、切断用テーブル2A、2Bの具体的な構成について、
図3~
図8を参照して説明する。
【0039】
<切断用テーブル2A、2Bの吸着機能>
各切断用テーブル2A、2Bは、
図3及び
図4に示すように、一方の面2xに封止済基板Wを吸着可能な複数の吸着孔2hが設けられている。複数の吸着孔2hは、切断用テーブル2A、2Bの内部に形成された吸引用流路2Rに連通している。なお、吸引用流路2Rは、図示しない真空ポンプに接続されている。
【0040】
具体的に切断用テーブル2A、2Bは、
図5に示すように、平面視において概略矩形状をなすものであり、
図6及び
図7に示すように、吸引用流路2Rを構成する溝201Mが上面に形成されたベースプレート201と、当該ベースプレート201の上面に溝201Mを塞ぐように設けられ、当該溝201Mに連通する吸引用貫通孔202hが形成されたカバープレート202と、当該カバープレート202の上面に接着され、吸引用貫通孔202hに連通する吸着孔2hが形成された樹脂製の吸着ラバー203とを有している。この吸着ラバー203により、封止済基板Wを吸着した際に、封止済基板Wが破損せず、リークせず、しっかり固定できるようにしている。そして、この吸着ラバー203の上面が、切断用テーブル2A、2Bの一方の面2xとなり、ベースプレート201の下面が、切断用テーブル2A、2Bの他方の面2yとなる。
【0041】
<切断用テーブル2A、2Bの反転機能>
また、各切断用テーブル2A、2Bは、
図3及び
図4に示すように、テーブル反転機構16によって表裏反転可能に構成されている。これにより、切断用テーブル2A、2Bは、一方の面2xが上方(レーザ光照射部41A、41B)を向く状態(
図8(a)参照)と、他方の面2yが上方(レーザ光照射部41A、41B)を向く状態(
図8(b)参照)とで切り替え可能に構成されている。
【0042】
テーブル反転機構16は、
図3及び
図4に示すように、切断用テーブル2A、2Bの互いに対向する両辺部を回転可能に支持するものであり、ここでは、切断用テーブル2A、2Bの長手方向における両端部を回転可能に支持するものである。これにより、切断用テーブル2A、2Bを表裏反転させる際に、切断用テーブル2A、2Bが通過する領域を小さくすることができる。また、テーブル反転機構16に対して切断用テーブル2A、2Bを着脱可能に構成しており、封止済基板Wの形態に応じて専用の切断用テーブル2A、2Bに変更することができる。
【0043】
具体的にテーブル反転機構16は、切断用テーブル2A、2Bの長手方向における両端部に設けられた2つの回転軸部161a、161bと、当該回転軸部161a、161bを転がり軸受等の軸受部を介して回転可能に支持するベース部材162と、一方の回転軸部161に設けられ、切断用テーブル2A、2Bを表裏反転させるモータ又はロータリシリンダ等の回転駆動部163とを有している。なお、ベース部材162は、2つの回転軸部161を回転可能に支持する2つの支持壁162a、162bと、2つの支持壁162a、162bが設けられた底壁162cとを有している。また、本実施形態では、一方の回転軸部161aは、回転駆動部163を介して支持壁162aに回転可能に支持される構成としている。
【0044】
また、2つの回転軸部161a、161bは、切断用テーブル2A、2Bの平面視において、その長手方向における両端部それぞれの中央部に設けられている。2つの回転軸部161a、161bは、それらの回転中心が同一直線上にあり、水平方向に延びている。これら2つの回転軸部161a、161bは、切断用テーブル2A、2Bの長手方向に延びている。その他、2つの回転軸部161a、161bの少なくとも一方には、
図4に示すように、切断用テーブル2A、2Bの内部に形成された吸引用流路2Rに連通する内部流路161Rが形成されており、この内部流路161Rが図示しない真空ポンプに接続されている。
【0045】
なお、回転軸部161a、161bの回転中心と切断用テーブル2A、2Bの中心又は切断用テーブル2A、2Bに吸着された封止済基板Wの中心とを一致させるように構成しても良い。このように構成すれば、表裏反転の前後において、封止済基板Wの高さ位置の変化を小さくすることができ、レーザ光照射部41A、41Bとの相対位置の調整を不要又は簡単にすることができる。
【0046】
<切断用テーブル2A、2Bの貫通開口部2T>
そして、本実施形態では、切断用テーブル2A、2Bは、
図3~
図8に示すように、吸着孔2hが設けられた一方の面2xから、当該一方の面2xの裏側の面である他方の面2yに貫通して、レーザ光が通過可能な複数の貫通開口部2Tを有している。この貫通開口部2Tにおいて、切断機構4のレーザ光照射部41A、41Bからのレーザ光により封止済基板Wの切断が行われる。
【0047】
これら複数の貫通開口部2Tは、
図5に示すように、切断用テーブル2A、2Bの平面視において、つまり、切断用テーブル2A、2Bの一方の面2x側から見て、複数の吸着孔2h及び当該複数の吸着孔2hに連通する吸引用流路2R(具体的にはベースプレート201の溝201M)とは重ならない位置に形成されている。
【0048】
また、複数の貫通開口部2Tは、封止済基板Wの切断線CL1、CL2(
図1参照)に対応した位置に形成されており、切断用テーブル2A、2Bの平面視において切断線CL1、CL2を含むように形成されている。具体的に各貫通開口部2Tは、切断方向(加工方向)における各切断線CL1、CL2の長さよりも長く、パッケージ間の除去されるカーフ幅よりも大きい幅を有している。また、貫通開口部2Tは、レーザ光照射部41A、41Bから照射されるレーザ光が当たらない開口サイズを有している。
【0049】
本実施形態では、封止済基板Wは
図2に示すように、奇数列の分割要素W1の切断線CL1と偶数列の分割要素W2の切断線CL2とは互いに異なる直線上に位置しているので、切断用テーブル2A、2Bに形成された複数の貫通開口部2Tも同様に、奇数列の分割要素W1の切断線CL1に対応する貫通開口部2Tと、偶数列の分割要素W2の切断線CL2に対応する貫通開口部2Tとは互いに異なる直線上に位置している(
図5参照)。
【0050】
また、貫通開口部2Tは、
図7及び
図8に示すように、吸着孔2hが設けられた一方の面2xから他方の面2yに向かうに連れて徐々に拡開する形状を有している。具体的に貫通開口部2Tは、レーザ光の走査方向に直交する断面において、一方の面2xから他方の面2yに向かうに連れて拡開する形状を有している。なお、貫通開口部2Tは、レーザ光が当たらない形状であれば良く、等断面形状であっても良いし、一方の面2xから他方の面2yに向かうに連れて段階的に拡開する形状であっても良い。
【0051】
さらに、本実施形態では、切断用テーブル2A、2Bを表裏反転させると、
図8に示すように、封止済基板Wの高さ位置が変化することから、切断用テーブル2A、2Bを表裏反転させる前後において、切断用テーブル2A、2Bとレーザ光照射部41A、41Bとの相対位置を変更する位置変更機構17をさらに備えている。この位置変更機構17は、切断用テーブル2A、2Bとレーザ光照射部41A、41Bとの相対位置を変更して、レーザ光の焦点位置を封止済基板Wに調整するものである。
【0052】
この位置変更機構17は、加工ヘッド40を移動させる加工ヘッド移動機構11に設けることができ(
図2参照)、切断用テーブル2A、2Bを表裏反転させる前後において加工ヘッド40(レーザ光照射部41A、41B)の高さ位置を変更することができる。また、位置変更機構17を加工ヘッド移動機構11によって構成することもできる。なお、切断用テーブル2A、2Bの高さ位置を変更して、表裏反転前後の高さ位置が同じとなるようにしても良い。
【0053】
<加工屑収容部18>
また、本実施形態の切断装置100は、
図3、
図4及び
図8(c)に示すように、封止済基板Wの切断により生じた端材などの加工屑Sを収容する加工屑収容部18をさらに備えている。この加工屑収容部18は、切断用テーブル2A、2Bの下方に設けられている。具体的に加工屑収容部18は、切断用テーブル2A、2Bを支持するベース部材162において2つの支持壁162a、162bの間に設けられている。なお、加工屑収容部18は、ベース部材162に対して着脱可能に構成されており、ベース部材162から取り外して、加工屑Sを切断装置100の外部に廃棄することができる。
【0054】
なお、加工ヘッド40と加工屑収容部18の距離が短い場合、貫通開口部2Tを通過したレーザ光のエネルギー密度が高いため、加工屑収容部18の底面で散乱する可能性がある。それを抑制するために、加工屑収容部18の底面に吸収性の良い表面処理を施したり、又は、加工屑収容部18の底面に吸収材を設けても良い。
【0055】
<加工屑除去機構19>
さらに、本実施形態の切断装置100は、
図8(c)に示すように、レーザ光により切断された封止済基板Wに残留する端材等の加工屑Sを除去する加工屑除去機構19をさらに備えている。
【0056】
この加工屑除去機構19は、封止済基板Wに向けて圧縮エア等のガスを吹き付けるガス噴射部191を有しており、当該ガス噴射部191により噴射されるガスにより加工屑Sを除去するものである。また、ガス噴射部191は、切断用テーブル2A、2Bの上方に設けられており、表裏反転された切断用テーブル2A、2Bに対して上方からガスを吹き付けて加工屑Sを除去する構成としている。この構成により、ガス噴射部191から噴射されたガスは、貫通開口部2Tを通過して、残留する加工屑Sに吹き付けられる。ここで、ガスが貫通開口部2Tで絞られているので、ガスの流速を上げつつ、加工屑Sに集中的に当てることができる。除去された加工屑Sは、切断用テーブル2A、2Bの下方に設けられた加工屑収容部18に収容される。なお、表裏反転させていない切断用テーブル2A、2Bに対して上方からガスを吹き付けて加工屑Sを除去する構成としても良い。
【0057】
また、加工屑除去機構19としては、上記のように残留した加工屑Sにガスを吹き付ける構成の他に、残留した加工屑Sに物理的に接触して突き落とす構成としても良い。この場合、加工屑除去機構19は、加工屑Sを突き落とすピン等の突き落とし部材を有しており、当該突き落とし部材を切断用テーブル2A、2Bに対して昇降移動させることによって、加工屑Sを加工屑収容部18に向けて突き落とす。
【0058】
<検査部13>
本実施形態では、
図2に示すように、切断機構4により切断された複数の製品Pを表面側から撮像して検査する検査部13を有している。
【0059】
この検査部13は、切断用テーブル2A、2Bの上方から、複数の製品Pの表面を撮像するものである。なお、検査部13によって製品Pを検査する場合には、切断用テーブル2A、2Bは、表裏反転していない状態としている。
【0060】
具体的に検査部13は、切断用テーブル2A、2Bに吸着された複数の製品Pの表面を撮像するための光学系を有する検査用カメラ131を有している。また、検査用カメラ131は、トランスファ軸71と切断機構4との間において、カメラ移動機構132によってX方向に移動可能に設けられている。ここで、検査用カメラ131は、シャッタスピードが速く、露光時間の短いものが望ましい。
【0061】
本実施形態のカメラ移動機構132は、検査用カメラ131を2つの切断用テーブル2A、2Bの間で移動可能とするものである。一方の切断用テーブル2Aに吸着された複数の製品Pを撮像する場合には、カメラ移動機構132は、切断用テーブル2Aの上方に検査用カメラ131を移動させる。ここで、切断用テーブル2Aは、切断用移動機構8AによってY方向に移動されて、所定の検査位置に移動された状態である。また、他方の切断用テーブル2Bに吸着された複数の製品Pを撮像する場合には、カメラ移動機構132は、切断用テーブル2Bの上方に検査用カメラ131を移動させる。ここで、切断用テーブル2Bは、切断用移動機構8BによってY方向に移動されて、所定の検査位置に移動された状態である。
【0062】
そして、カメラ移動機構132が、切断用テーブル2A、2B上において、検査用カメラ131をX方向に移動させて、切断用テーブル2A、2Bに吸着された製品Pの表面(実装面)が撮像される。
【0063】
具体的にカメラ移動機構132は、
図9に示すように、切断機構4によって切断された切断方向(カーフの延びる方向)に沿って、切断用テーブル2A、2Bに対して検査用カメラ131を相対的に移動させるものである。このとき、切断用テーブル2A、2Bは、回転機構9A、9Bによって、切断機構4によって切断された切断方向(カーフの延びる方向)がX方向と平行となるように回転された状態である。
【0064】
また、本実施形態では、
図10に示すように、切断用テーブル2A、2Bに対して検査用カメラ131と同じ側に設けられ、複数の製品Pの表面側を照明する表面側照明部133と、切断用テーブル2A、2Bに対して検査用カメラ131とは反対側に設けられ、貫通開口部2Tを透過する透過光を生成し、複数の製品Pの裏面側を貫通開口部2Tを介して照明する裏面側照明部134とをさらに備えている。
【0065】
表面側照明部133及び裏面側照明部134は、それぞれ、ストロボ発光する照明器であり、ここでは、例えばキセノンランプを用いて構成されている。表面側照明部133は、検査用カメラ131と一体に設けられたものであっても良いし、別体に設けられたものであっても良い。また、裏面側照明部134は、所定の検査位置にある切断用テーブル2A、2Bの下方に移動可能に設けられている。
【0066】
そして、
図9に示すように、切断用テーブル2A、2Bに対して検査用カメラ131を相対的に移動させながら、表面側照明部133及び裏面側照明部134は交互に点灯され、表面側照明部133及び裏面側照明部134それぞれが点灯される毎に、検査用カメラ131が切断用テーブル2A、2Bに吸着された複数の製品Pを撮像する。これにより、検査用カメラ131は、複数の製品Pを表面側から照明した画像と、複数の製品Pを裏面側から照明した画像とを連続的に撮像することになる。
【0067】
検査用カメラ131により得られた各画像は、制御部CTLにより構成される画像処理部で画像処理され、製品Pの間のカーフ幅等の外観の測定及び検査が行われて、製品Pの良品又は不良品等の判定が行われる。ここで、製品Pを表面側から照明した画像は、例えば、製品Pの表面(実装面)の外観検査、又は、製品Pの間に形成されたカーフの表面側のエッジ部の寸法を測定すること等に用いられる。また、製品Pを裏面側から照明した画像は、例えば、製品Pの間に残留した端材などの加工屑の有無の検査、又は、製品Pの間に形成されたカーフの最小幅を測定することに用いられる。
【0068】
<不良品除去機構22>
さらに、本実施形態の切断装置100は、
図2及び
図11に示すように、検査用カメラ131を用いた検査により不良品と判断された製品P(以下、符号P’)を、切断用テーブル2A、2Bから除去する不良品除去機構22をさらに備えている。
【0069】
具体的に不良品除去機構22は、複数の製品Pを収容ボックス211に収容する前に、不良品P’を不良品トレイT1に収容するものである。この不良品除去機構22は、切断用テーブル2A、2Bと不良品トレイT1との間で移動可能であり、切断用テーブル2A、2Bにある複数の製品Pの中から選択的に不良品P’を吸着して持ち上げ、不良品トレイT1に搬送するものである。具体的に不良品除去機構22は、
図11に示すように、各製品Pを個別に吸着するとともに、個別に昇降移動可能な複数の吸着部221を有している。不良品P’を除去する場合には、当該不良品P’に対応する吸着部221が下降して不良品P’を吸着し、その後、上昇する。そして、不良品除去機構15により吸着された不良品P’は、不良品トレイT1に搬送されて廃棄又はリワークされる。なお、通常、不良品P’の数量は少ないので、搬送回数は少なく、製品Pの生産性向上のボトルネックにはならない。
【0070】
<製品Pの収容機構21>
本実施形態の切断装置100は、
図2及び
図12に示すように、複数の製品Pを切断用テーブル2A、2Bから収容部材である収容ボックス211に直接収容する収容機構21を備えている。
【0071】
具体的に収容機構21は、複数の製品Pをばらばらの状態で収容ボックス211に収容(「バルク収容」とも呼ばれる。)するものであり、表裏反転された切断用テーブル2A、2Bから落下する複数の製品Pを収容する収容ボックス211を有する。
【0072】
収容ボックス211は、表裏反転された切断用テーブル2A、2Bの下方に位置する受け止め位置と、表裏反転された切断用テーブル2A、2Bの下方から退避した退避位置との間で移動可能に設けられている。ここでは、収容ボックス211は、ボックス移動機構212によって、X方向に沿って移動することにより、受け止め位置と退避位置との間で移動する。なお、本実施形態では、受け止め位置にある収容ボックス211は、切断用テーブル2A、2B及び加工屑収容部18の間に位置する。
【0073】
ここで、切断用テーブル2A、2Bを表裏反転させて、当該切断用テーブル2A、2Bから収容ボックス211に複数の製品Pを落下させる際に、製品Pが切断用テーブル2A、2Bに密着して収容ボックス211に確実に製品Pを収容することができない場合がある。このため、
図12に示すように、切断用テーブル2A、2Bの貫通開口部2Tから製品Pの裏面を押して、切断用テーブル2A、2Bから離すピン等の押し部材213を用いても良い。この押し部材213は、表裏反転された切断用テーブル2A、2Bに対して上方から貫通開口部2Tを通じて複数の製品Pを下方に押すものである。なお、押し部材213を設けずに、切断用テーブル2A、2Bの吸着保持を解除した後に、切断用テーブル2A、2Bの吸着孔2hからガスを噴射することによって、複数の製品Pを落下させる構成にすることもできる。また、押し部材213による押し出しと吸着孔2hからのガス噴射とを併用して複数の製品Pを落下させても良い。
【0074】
<切断装置100の動作の一例>
次に、切断装置100の動作の一例を説明する。なお、本実施形態においては、切断装置100の動作、例えば封止済基板Wの搬送、封止済基板Wのレーザ切断、加工屑Sの除去、製品Pの検査、不良品P’の除去、製品Pのバルク収容など、すべての動作や制御は制御部CTL(
図2参照)により行われる。
【0075】
基板供給機構10の基板供給部10bは、第1保持機構3により保持される保持位置RPに向けて、基板収容部10aに収容された封止済基板Wを移動させる。
【0076】
次に、搬送用移動機構7は第1保持機構3を保持位置RPに移動させ、第1保持機構3は封止済基板Wを吸着保持する。その後、搬送用移動機構7は、封止済基板Wを保持した第1保持機構3を切断用テーブル2A、2Bに移動させて、第1保持機構3は吸着保持を解除して、封止済基板Wを切断用テーブル2A、2Bに載置する。そして、切断用テーブル2A、2Bは、封止済基板Wを吸着保持する。
【0077】
(切断工程)
この状態で、切断用移動機構8A、8Bは、切断用テーブル2A、2Bを所定の切断位置(トランスファ軸71の奥側)に移動させる。この切断位置で、切断用移動機構8A、8B及び加工ヘッド移動機構11によって切断用テーブル2A、2B及び2つのレーザ光照射部41A、41BをX方向及びY方向に相対的に移動させることによって、封止済基板Wを切断して個片化する。なお、必要に応じて、回転機構9A、9Bによって切断用テーブル2A、2Bを回転させる。
【0078】
ここで、具体的な切断方法について説明する。
まずは、封止済基板Wを切断用テーブル2A、2Bに吸着保持した後に、封止済基板Wとレーザ光照射部41A、41Bとのアライメント(位置調整)を行う。ここでは、アライメント用のカメラ20により封止済基板Wのアライメントマークを撮像し、その撮像データを用いて、アライメントを行う。
【0079】
そして、テーブル反転機構16により切断用テーブル2A、2Bを反転させることなく、
図8(a)に示すように、封止済基板Wの表面にレーザ光照射部41A、41Bからレーザ光を照射して、その一部を切削して溝加工(ハーフカット)する。
図8(a)では、ブレード切断した場合のカーフ幅に合わせるために、パッケージ間に2本の溝加工をした例を示している。
【0080】
上記の溝加工の後に、
図8(b)に示すように、テーブル反転機構16により切断用テーブル2A、2Bを表裏反転させる。反転後はアライメント(位置調整)せずに、反転前の撮像データを回転軸部161a、161bの回転軸を基準として反転したデータを用いる。また、切断用テーブル2A、2Bを反転することにより封止済基板Wの高さ位置が変わる場合には、位置変更機構17により、切断用テーブル2A、2Bとレーザ光照射部41A、41Bとの相対位置を変更して、レーザ光の焦点位置を封止済基板Wに調整する。そして、封止済基板Wの裏面に、貫通開口部2Tを通じて、レーザ光照射部41A、41Bからレーザ光を照射して、ハーフカットにより溝加工された部分を切削して完全に切断(フルカット)する。このフルカットにより生じた端材等の加工屑Sは、加工屑収容部18に落下して収容される。
【0081】
なお、上記のハーフカット及びフルカットにおいて、レーザ光照射部41A、41Bを、異なる切断線CL1、CL2に移動させる際には、レーザ光照射部41A、41Bによるレーザ光の照射を停止する。また、テーブル反転機構16による反転は、封止済基板Wの種類や切断プロセス等に応じて、複数回繰り返しても良い。
【0082】
上記の切断後に、
図8(c)に示すように、加工屑除去機構19のガス噴射部191を切断用テーブル2A、2Bの上方に移動させて、表裏反転された切断用テーブル2A、2Bに対して上方からガスを吹き付けて加工屑Sを除去する。この加工屑除去機構19により除去された加工屑Sは、加工屑収容部18に落下して収容される。なお、加工屑除去機構19を切断用テーブル2A、2Bの上方に移動させる前に、加工ヘッド移動機構11によりレーザ光照射部41A、41Bを邪魔にならない位置に退避させても良い。
【0083】
(検査工程)
加工屑Sの除去後に、切断用移動機構8A、8Bは、切断用テーブル2A、2Bを所定の検査位置に移動させる。ここで、切断用テーブル2A、2Bは、テーブル反転機構16によって、表裏反転されていない状態とされている。そして、検査部13の検査用カメラ131がカメラ移動機構132によってX方向に移動することにより、切断用テーブル2A、2Bに吸着された複数の製品Pを撮像する。ここで、カメラ移動機構132は、
図9及び
図10に示すように、検査用カメラをX方向に移動させつつ、表面側照明部133と裏面側照明部134とを交互に点灯させて、各照明部133、134の点灯時に、複数の製品Pを撮像する。そして、検査用カメラ131により撮像された各画像が制御部CTLの画像処理部に送られて、製品Pの良品又は不良品等の判定が行われる。この検査部13により、製品Pの間に加工屑Sが残留していることが検出された場合には、上述した加工屑除去機構19のガス噴射部191により、加工屑Sを再度除去することができる(
図10(c)参照)。
【0084】
(不良品除去工程)
加工屑Sの除去及び製品Pの表面検査後に、切断用移動機構8A、8Bは、切断用テーブル2A、2Bを所定の不良品除去位置(トランスファ軸71の奥側)に移動させる。そして、不良品除去機構22は、検査部13の検査結果に基づいて、
図11に示すように、不良品除去位置にある切断用テーブル2A、2Bから、不良品P’と判断された製品Pを吸着部221により選択的に吸着して持ち上げ、不良品トレイT1に搬送する。
【0085】
(収容工程)
不良品の除去後に、切断用移動機構8A、8Bは、切断用テーブル2A、2Bを所定の収容位置(トランスファ軸71の手前側)に移動させる。なお、本実施形態の収容位置は、第1保持機構3により封止済基板Wが搬送される搬送位置と同じであるが、異なる位置としても良い。
【0086】
そして、収容機構14の収容ボックス211を、ボックス移動機構212によって、切断用テーブル2A、2Bの下方に位置する受け止め位置に移動させる。その後、収容位置にある切断用テーブル2A、2Bは、
図12に示すように、複数の製品Pを吸着した状態で表裏反転される。この状態で、切断用テーブル2A、2Bの吸着を解除するとともに、押し部材213により、貫通開口部2Tを通じて複数の製品Pを下方に押す。これにより、切断用テーブル2A、2Bから複数の製品Pが落下して、収容ボックス211に直接収容される。その後、複数の製品Pを収容した収容ボックス211を、ボックス移動機構212によって、退避位置に移動させる。この退避位置において、収容ボックス211は、切断装置100の外部に取り出すことができる。
【0087】
<本実施形態の効果>
本実施形態の切断装置100によれば、複数の製品Pを、切断用テーブル2A、2Bから収容ボックス211に直接収容するので、別途、複数の製品Pを切断用テーブル2A、2Bから収容ボックス211に搬送する必要がなく、切断装置100の簡素化及び生産性を向上することができる。また、切断装置100を簡素化できることにより、フットプリントを小さくすることができる。
【0088】
また、封止済基板Wを吸着した切断用テーブル2A、2Bを表裏反転させて、封止済基板Wを両面から切断することができるので、切断時間を短縮して、生産性を向上させることができる。
【0089】
さらに、事前に切断用テーブル2A、2Bを表裏反転させた際の位置のシフト量を事前に1回測定しておけば、反転後の位置は計算で補正することができ、反転の都度アライメント(位置調整)をし直す必要が無い。そのため、封止済基板Wに対するレーザ光照射部41A、41Bのアライメント(位置調整)は封止済基板Wの吸着後に1回行えば良く、これによっても、切断時間を短縮して、生産性を向上させることができる。
【0090】
その上、切断用テーブル2A、2Bにレーザ光が通過可能な複数の貫通開口部2Tを設けているので、当該貫通開口部2Tに対応する部分にある封止済基板Wにレーザ光を照射して切断する場合に、レーザ光が貫通開口部2Tを通過することで、切断用テーブル2A、2Bには当たらないようにできる。その結果、レーザ光の照射による切断用テーブル2A、2Bの損傷、それに伴う封止済基板Wへのコンタミ(不純物、異物)の付着を抑制するとともに、切断用テーブル2A、2Bの損傷を防止するためのレーザ加工条件の制約を低減することができる。レーザ加工条件の制約を低減できることにより、より高いパルスエネルギー、平均出力を使用することができるため、加工時間を短縮し、生産性を向上させることができる。
【0091】
加えて、レーザ光が貫通開口部2Tを通過するので、レーザ光が切断用テーブル2A、2Bで反射して封止済基板Wに照射されることを防ぎ、切断用テーブル2A、2Bで反射したレーザ光による封止済基板Wの損傷も抑制することができる。
【0092】
また、貫通開口部2Tが他方の面2yに向かうに連れて拡開しているので、一方の面2xからレーザ光を照射し、封止済基板Wを通過したレーザ光は、レーザ光が貫通開口部2Tの内面に当たることはない。また、切断用テーブル2A、2Bを表裏反転させて、他方の面2yからレーザ光を照射する場合にも、レーザ光が貫通開口部2Tの内面に当たることはない。これにより、レーザ光が切断用テーブル2A、2Bに当たることによる損傷を抑制するだけでなく、反射したレーザ光が封止済基板Wの意図していない領域に当たって封止済基板Wの品質が損なわれることを防止することができる。
【0093】
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0094】
前記実施形態はバルク収容する切断装置100であったが、バルク収容に限られず、以下の収容を行うものであっても良い。
【0095】
例えば、
図13に示すように、切断装置100は、複数の製品Pを接着面23xを有する貼付部材23に貼り付けて収容(「リング収容」とも呼ばれる。)するものであっても良い。
【0096】
具体的に貼付部材23は、
図14に示すように、例えば円環状又は矩形状をなす枠状部材23aと、当該枠状部材23aの内側に配置された接着面23xを有する樹脂シート23bとを備えている。枠状部材23aは、例えばステンレス等の金属製のものである。また、樹脂シート23bは、例えば、樹脂製のシート状基材23b1と、当該シート状基材23b1の上面に塗布された接着剤からなる接着層(粘着層)23b2とを備えている。なお、接着層(粘着層)23b2の上面が接着面23xとなる。
【0097】
この収容機構24は、
図13及び
図15に示すように、切断用テーブル2A、2Bにある複数の製品Pに貼付部材23の接着面23xを接触させて、収容部材である貼付部材23に直接収容するものである。
【0098】
具体的に収容機構24は、貼付部材23の枠状部材23aを吸着して保持する貼付部材保持部241と、当該貼付部材保持部241を、貼付部材収容部243及び切断用テーブル2A、2Bの間で移動させる貼付用搬送機構242とを有している。貼付部材保持部241は、枠状部材23aを吸着して保持する吸着保持部241aと、樹脂シート23bの接着面23xとは裏面側に接触する緩衝部材241bとを有している。この収容機構24により貼付部材23を切断用テーブル2A、2Bに搬送する場合には、切断用テーブル2A、2Bは表裏反転されていない状態である。なお、貼付用搬送機構242は、トランスファ軸71を用いて構成しているが、トランスファ軸71を用いずに構成しても良い。
【0099】
ここで、切断用テーブル2A、2Bにある複数の製品Pを貼付部材23の接着面23xに接着させる際に、製品Pが切断用テーブル2A、2Bに密着して貼付部材23に確実に製品Pを収容することができない場合がある。このため、
図15に示すように、切断用テーブル2A、2Bの貫通開口部2Tから製品Pの裏面を押して、切断用テーブル2A、2Bから離すピン等の押し部材244を用いても良い。この押し部材244は、表裏反転された切断用テーブル2A、2Bに対して上方から貫通開口部2Tを通じて複数の製品Pを下方に押すものである。
【0100】
次にリング収容の切断装置100の動作を説明する。なお、前記実施形態の<切断装置100の動作の一例>における不良品除去工程までは同じである。
【0101】
(収容工程)
不良品の除去後に、切断用移動機構8A、8Bは、切断用テーブル2A、2Bを所定の収容位置(トランスファ軸71の手前側)に移動させる。なお、本実施形態の収容位置は、第1保持機構3により封止済基板Wが搬送される搬送位置と同じであるが、異なる位置としても良い。
【0102】
そして、収容位置にある切断用テーブル2A、2Bは、
図15に示すように、表裏反転されていない状態である。その後、収容機構24の貼付用搬送機構242は、貼付部材23を保持した貼付部材保持部241を、切断用テーブル2A、2Bの上方に位置する貼付位置に移動させる。ここで、貼付用搬送機構242は、貼付部材保持部241に保持された貼付部材23の接着面23xを、切断用テーブル2A、2Bに保持された複数の製品Pに接触又は近接させる。この状態で、切断用テーブル2A、2Bの吸着を解除するとともに、押し部材244により、貫通開口部2Tを通じて複数の製品Pを上方に押す。これにより、切断用テーブル2A、2Bから複数の製品Pが貼付部材23の接着面23xに密着して、貼付部材23に直接収容される。その後、複数の製品Pを収容した貼付部材23は、貼付用搬送機構242により貼付部材収容部243に搬送されて収容される。
【0103】
上記のリング収容する切断装置100においても、複数の製品Pを、切断用テーブル2A、2Bから貼付部材23に直接収容するので、別途、複数の製品Pを切断用テーブル2A、2Bから別のテーブル又はステージに搬送した後に貼付部材に収容する必要がなく、切断装置100の簡素化及び生産性を向上することができる。また、切断装置100を簡素化できることにより、フットプリントを小さくすることができる。その他、上記のリング収容する切断装置100による効果は、前記実施形態と同様である。
【0104】
さらに、前記実施形態の収容機構は21、収容ボックス211を切断用テーブル2A、2Bに移動させて、複数の製品Pを収容ボックス211に直接収容する構成であったが、切断用テーブル2A、2Bを収容ボックス211に移動させて、複数の製品Pを収容ボックス211に直接収容する構成であってもよい。また、収容機構21が切断用テーブル2A、2Bの複数の製品を個別に吸着して収容ボックス211に直接収容する構成としてもよい。また、リング収容においても、切断用テーブル2A、2Bを、貼付部材23を保持した貼付部材保持部241に移動させて、複数の製品Pを貼付部材23に直接収容する構成としてもよい。また、また、収容機構21が切断用テーブル2A、2Bの複数の製品を個別に吸着して貼付部材23に直接収容する構成としてもよい。
【0105】
前記実施形態では、カメラ移動機構132により、検査用カメラ131を、切断された方向(X方向)に移動させて、切断用テーブル2A、2Bに吸着された複数の製品Pを撮像していたが、切断用移動機構8A、8Bにより切断用テーブル2A、2BをY方向に移動させて、切断された方向に移動させて、切断用テーブルに吸着された複数の製品Pを撮像しても良い。さらに、カメラ移動機構132により検査用カメラ131を移動させつつ、切断用移動機構8A、8Bにより切断用テーブル2A、2Bを移動させながら、切断用テーブル2A、2Bに吸着された複数の製品Pを撮像しても良い。
【0106】
また、前記実施形態では、検査用カメラ131を2つの切断用テーブル2A、2Bに共通のものとしていたが、各切断用テーブル2A、2B毎に設けても良い。
【0107】
また、前記実施形態では、切断用テーブル2A、2Bを切断位置から検査位置に移動させて、製品Pの検査を行う構成であったが、切断位置において検査を行うようにしても良い。この場合、切断機構4のレーザ光照射部41A、41Bによる切断終了後に、当該レーザ光照射部41A、41Bを退避させて、検査用カメラ131を、切断用テーブル2A、2Bの上方に移動させることが考えられる。
【0108】
また、前記実施形態では、検査用カメラ131によって製品Pを撮像する場合に、切断用テーブル2A、2Bを表裏反転していない状態としていたが、切断用テーブル2A、2Bを表裏反転させた状態としても良い。また、切断用テーブル2A、2Bを表裏反転させる前後において製品Pを撮像するように構成しても良い。
【0109】
前記実施形態の2つの切断用テーブル2A、2Bは、複数の貫通開口部2Tが同じ位置に形成されたものであったが、複数の切断用テーブル2A、2Bにおいて、複数の貫通開口部2Tが互いに異なる位置に形成されたものであっても良い。この構成において、一方の切断用テーブル2Aでレーザ加工した後に、他方の切断用テーブル2Bに載せ替えて、封止済基板Wの別の位置にレーザ加工をする構成とすることができる。また、製品レイアウトが互いに異なる2種類の封止済基板それぞれを2つの切断用テーブルでレーザ加工する構成とすることができる。
【0110】
前記実施形態の2つの切断用テーブル2A、2Bは、各工程の所要時間のバランスを取るために、3つ以上設けても良い。
【0111】
また、切断用テーブル2A、2Bの回転機構を無くし、レーザ光照射部側で加工位置を回転させる構成でも良い。この場合、切断用テーブル2A、2Bに対して第1カメラ131を相対的に移動させて検査する際、切断用テーブル2A、2Bは回転させず、切断機構4によって切断された切断方向(カーフの延びる方向)がY方向と平行の状態のままで良い。
【0112】
前記実施形態の切断装置100は、切断用テーブル2A、2Bを表裏反転させて封止済基板Wを切断するものであったが、封止済基板Wの種類等に応じて、切断用テーブル2A、2Bを表裏反転させることなく、封止済基板Wを表面側のみから切断しても良いし、切断用テーブル2A、2Bを表裏反転させて、封止済基板Wを裏面側のみから切断しても良い。
【0113】
前記実施形態の封止済基板Wは、互いに隣接する分割要素W1、W2内の切断線CL1、CL2が互いに異なる直線上に設定されていたが、それら切断線CL1、CL2が同一直線上に設定されたものであっても良い。この場合、切断用テーブル2A、2Bに設けられた複数の貫通開口部2Tは、切断線CL1、CL2に対応して同一直線上に設けられる。ここで、同一直線上に設けられる複数の貫通開口部2Tをまとめて1本の貫通開口部としても良い。
【0114】
前記実施形態の切断機構4は、レーザ光を用いて切断する構成であったが、ブレードを用いて切断する構成であっても良い。
【0115】
前記実施形態では、2つの切断用テーブルを有するツインカットテーブル方式であって、2つのレーザ光照射部を有するツインレーザ構成の切断装置を説明したが、これに限らず、1つの切断用テーブルを有するシングルカットテーブル方式であって、1つのレーザ光照射部を有するシングルレーザ構成の切断装置や、1つの切断用テーブルを有するシングルカットテーブル方式であって、2つのレーザ光照射部を有するツインレーザ構成の切断装置などであってもよい。
【0116】
前記実施形態の
図7及び
図8では、切断用テーブル(加工テーブル)2A、2Bの全体において、貫通開口部2Tが一方の面2xから他方の面2yに向かうに連れて拡開する形状となる構成を示した。しかし、これに限らず、貫通開口部2Tの少なくとも一部が一方の面2xから他方の面2yに向かうに連れて拡開する形状であればよい。例えば切断用テーブル2A、2Bを表裏反転させる前の最も下方に位置するベースプレート201においてのみ、貫通開口部2Tが一方の面から他方の面に向かうに連れて拡開する形状となる構成であってもよい。
【0117】
また、前記実施形態ではハーフカット及びフルカットを行う加工について説明したが、加工条件を切り換え、レーザマーキングを併せて行っても良い。
【0118】
また、本発明の切断装置は、切断以外の加工を行うものであってもよく、例えば切削や研削などのその他の機械加工を行うものであってもよい。
【0119】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0120】
100・・・切断装置(加工装置)
W・・・封止済基板(加工対象物)
P・・・製品(加工品)
P’・・・不良品
2A、2B・・・切断用テーブル(加工テーブル)
2h・・・吸着孔
2x・・・一方の面
2y・・・他方の面
2T・・・貫通開口部
3・・・第1保持機構(搬送機構)
4・・・切断機構(加工機構)
41A、41B・・・レーザ光照射部
7・・・搬送用移動機構(搬送機構)
13・・・検査部
21・・・収容機構(バルク収容)
211・・・収容ボックス
22・・・不良品除去機構
23・・・貼付部材
23x・・・接着面
24・・・収容機構(リング収容)