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特開2023-103027処理システム、端末、処理機、処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103027
(43)【公開日】2023-07-26
(54)【発明の名称】処理システム、端末、処理機、処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/025 20220101AFI20230719BHJP
   G06F 8/65 20180101ALI20230719BHJP
【FI】
H04L67/025
G06F8/65
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022003848
(22)【出願日】2022-01-13
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 啓介
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 多麻恵
(72)【発明者】
【氏名】澁井 和弘
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376CA57
(57)【要約】
【課題】遠隔操作のための処理システム、端末、処理機、処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】実施形態に係る処理システムは、駅務処理をする処理機と、前記処理機を操作する端末とを具備した処理システムであって、前記端末は、外部から受信した操作命令に基づいてアプリケーションデータである操作情報を生成し出力する端末制御部と、前記操作情報を含めて第1の情報を送信処理する端末送受信部と、端末表示部とを備え、前記処理機は、前記第1の情報を受信処理する処理機送受信部と、前記第1の情報から取得した前記操作情報に基づいた処理をして処理結果を生成するメイン制御部と、前記処理結果に基づいてアプリケーションデータである画面データを生成する画面インターフェースとを備え、前記端末制御部は、取得した前記画面データに基づいて画面表示データを生成し、前記端末表示部は、前記画面表示データを表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駅務処理をする処理機と、前記処理機を操作する端末とを具備した処理システムであって、
前記端末は、
外部から受信した操作命令に基づいてアプリケーションデータである操作情報を生成し出力する端末制御部と、
前記操作情報を含めて第1の情報を送信処理する端末送受信部と、
端末表示部とを備え、
前記処理機は、
前記第1の情報を受信処理する処理機送受信部と、
前記第1の情報の前記操作情報に基づいた処理をして処理結果を生成するメイン制御部と、
前記処理結果に基づいてアプリケーションデータである画面データを生成する画面インターフェースとを備え、
前記処理機送受信部は、前記画面データを含めて第2の情報を送信処理し、
前記端末送受信部は、前記第2の情報を受信処理し、
前記端末制御部は、前記第2の情報から取得した前記画面データに基づいて画面表示データを生成し、
前記端末表示部は、前記画面表示データを表示する処理システム。
【請求項2】
前記端末は、過去に取得した前記画面データである第1画面データ及びそのバージョン情報である第1バージョン情報を記憶する端末記憶部を備え、
前記処理機は、処理可能な第2画面データ及びそのバージョン情報である第2バージョン情報を記憶する処理機記憶部を備え、
前記端末制御部は、前記操作命令を受信すると、前記端末記憶部に記憶されている前記第1バージョン情報を含めて第1アプリケーションデータを生成し、
前記端末送受信部は、前記第1アプリケーションデータを送信し、
前記処理機は、受信した前記第1バージョン情報と前記第2バージョン情報とを比較する更新データサーバを備える請求項1に記載の処理システム。
【請求項3】
前記更新データサーバは、前記比較の結果、一致した場合は一致を示す一致通知を比較結果情報として出力し、一致しない場合は不一致を示す不一致通知と比較結果情報として出力するとともに前記第2画面データを出力し、
前記処理機送受信部は、少なくとも前記比較結果情報を出力する請求項2に記載の処理システム。
【請求項4】
前記端末制御部は、前記比較結果情報を受信し、
前記比較結果情報が一致通知である場合は、前記第1画面データを前記端末表示部に表示させ、
前記比較結果情報が不一致通知である場合は、前記第2画面データを前記端末表示部に表示させる請求項3に記載の処理システム。
【請求項5】
前記端末制御部は、前記操作命令を受信すると、前記操作命令に関わる駅務処理が前記処理機で処理可能かどうかを確認する利用可不可問合せを生成し、
前記端末送受信部は、前記利用可不可問合せを無線送信し、
前記処理機の前記画面インターフェースは、前記利用可不可問合せを受信すると、前記駅務処理が可能かどうかを判断し、
可能である場合は利用可能であることを示す利用可通知を問合せ応答として出力し、
不可である場合は利用不可であることを示す利用不可通知を問合せ応答として出力し、
前記処理機送受信部は、前記問合せ応答を送信し、
前記端末制御部は、
前記問合せ応答が利用可通知である場合は、前記操作命令に基づいた操作情報を生成し、前記端末送受信部に前記操作情報を送信させ、
前記問合せ応答が利用可通知である場合は、前記駅務処理が処理不可であることを示す表示データを前記端末表示部に表示させる請求項4に記載の処理システム。
【請求項6】
駅務処理をする処理機を操作する端末であって、
外部から受信した操作命令に基づいてアプリケーションデータである操作情報を生成し出力する端末制御部と、
前記操作情報を含めて第1の情報を送信処理する端末送受信部と、
端末表示部とを備え、
前記端末送受信部は、前記処理機が送信する第2の情報を受信処理し、
前記端末制御部は、前記第2の情報から取得したアプリケーションデータである画面データに基づいて画面表示データを生成し、
前記端末表示部は、前記画面表示データを表示する端末。
【請求項7】
駅務処理をする処理機であって、
第1の情報を受信処理する処理機送受信部と、
前記第1の情報から取得した操作情報に基づいた処理をして処理結果を生成するメイン制御部と、
前記処理結果に基づいてアプリケーションデータである画面データを生成する画面インターフェースとを備え、
前記処理機送受信部は、前記画面データを含めて第2の情報を送信処理する処理機。
【請求項8】
駅務処理をする処理機と、前記処理機を操作する端末とを具備した処理システムにおける駅務の処理方法であって、
前記端末は、
操作命令に基づいてアプリケーションデータである操作情報を生成し出力し、
前記操作情報を含めた第1の情報を送信処理し、
前記処理機は、
前記第1の情報を受信処理し、
前記第1の情報から取得した操作情報に基づいた処理をして処理結果を生成し、
前記処理結果に基づいてアプリケーションデータである画面データを生成し、
前記画面データを含めて第2の情報を送信処理し、
前記端末は、
前記第2の情報を受信処理し、
前記第2の情報から取得した前記画面データに基づいて画面表示データを生成し、
前記画面表示データを表示する処理方法。
【請求項9】
駅務処理をする処理機を操作する端末のコンピュータに実行させるプログラムであって、
外部から受信した操作命令に基づいてアプリケーションデータである操作情報を生成し出力する手順と、
前記操作情報を含めた第1の情報を送信処理する手順と、
前記処理機が出力するアプリケーションデータである画面データに基づいて画面表示データを生成する手順と、
前記画面表示データを前記端末の表示部に表示する手順とをコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項10】
駅務処理をする処理機のコンピュータに実行させるプログラムであって、
外部の端末から取得したアプリケーションデータである操作情報に基づいた処理をして処理結果を生成する手順と、
前記処理結果に基づいてアプリケーションデータである画面データを生成する手順とをコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、駅務業務に用いられる処理システム、端末、処理機、処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道事業者の係員は、駅務機器である窓口処理機を用いて各種駅務業務の処理をする。窓口処理機は、遠隔操作端末から操作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-149224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、遠隔操作端末から窓口処理機を遠隔で操作する場合、遠隔操作アプリケーションが窓口処理機以外の機能に動作するため、全体の処理が遅くなったり、遠隔操作と窓口処理機との間の通信における暗号化処理が解析され、なりすましが行われたりする可能性がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、遠隔操作のための処理システム、端末、処理機、処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る処理システムは、駅務処理をする処理機と、前記処理機を操作する端末とを具備した処理システムであって、前記端末は、外部から受信した操作命令に基づいてアプリケーションデータである操作情報を生成し出力する端末制御部と、前記操作情報を含めて第1の情報を送信処理する端末送受信部と、端末表示部とを備え、前記処理機は、前記第1の情報を受信処理する処理機送受信部と、前記第1の情報から取得した前記操作情報に基づいた処理をして処理結果を生成するメイン制御部と、前記処理結果に基づいてアプリケーションデータである画面データを生成する画面インターフェースとを備え、前記処理機送受信部は、前記画面データを含めて第2の情報を送信処理し、前記端末送受信部は、前記第2の情報を受信処理し、前記端末制御部は、前記第2の情報から取得した前記画面データに基づいて画面表示データを生成し、前記端末表示部は、前記画面表示データを表示する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係る処理システムの構成図である。
図2図2は、同第1の実施形態に係る処理システムの運用例を示す図である。
図3図3は、同第1の実施形態に係る遠隔操作端末が画面表示処理を実行するためのフローチャートである。
図4図4は、同第1の実施形態に係る窓口処理機が画面表示指示を実行するためのフローチャートである。
図5図5は、同第1の実施形態に係る遠隔操作端末が画面アプリの機能を実行するためのフローチャートである。
図6図6は、同第1の実施形態に係る窓口処理機が画面アプリの操作情報を処理するためのフローチャートである。
図7図7は、同第1の実施形態に係る処理システムの実装例を示す図である。
図8図8は、第2の実施形態に係る処理システムの運用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態においては、鉄道の駅で鉄道利用者に運賃を尋ねられた係員が、遠隔操作端末から運賃情報を取得する際の処理システムの動作例を示す。
【0009】
図1は、第1の実施形態に係る処理システムの構成例を示すブロック図であり、本処理システムは、遠隔操作端末1と窓口処理機2を備える。
【0010】
遠隔操作端末1は、ノートパッド、ノートパソコン、スマートフォンなどの端末であり、CPU、メモリなどを備えたコンピュータや、画面操作可能なタッチ画面などを具備してもよい。本実施形態においては、タッチ画面を備えた場合の例を示す。遠隔操作端末1は、係員(駅員)によって操作され、係員によって入力された操作情報などを無線で窓口処理機2に送信したり、窓口処理機2が無線で送信した画面データなどを受信したりする。画面データは、HTML、CSS、Javascriptなどのプログラムデータを含み、Webブラウザなどで表示するためのデータである。遠隔操作端末1は、係員の業務内容に応じた画面データを受信して表示部13に表示する。なお、本実施形態では、遠隔操作端末1をモバイル端末として窓口処理機2と無線通信させる場合を示すが、例えば無線通信の代わりに遠隔操作端末1と窓口処理機2とを有線ケーブルなどで接続して有線通信をさせることでもよい。
【0011】
制御部11は、係員が表示部13から入力した操作命令などに基づいて、遠隔操作端末1内の各種機能を操作する。操作命令は例えば、業務内容に応じた画面を表示部13に表示させるための命令、表示画面からデータを入力するための命令もしくは表示画面から入力するデータそのものなどである。また操作命令は、遠隔操作端末1に窓口処理機2と通信させるための命令などであってもよい。制御部11は、更新アプリ111や画面アプリ112を含み、画面データなどを処理表示するためのWebブラウザなどを備えていてもよい。制御部11は、操作命令に基づいたアプリケーションデータを取得し、取得したアプリケーションデータ(操作情報と称する)を更新アプリ111や画面アプリ112に入力する。また制御部11は、通信部12から入力されるデジタルデータから必要なアプリケーションデータを取得し、取得したアプリケーションデータを更新アプリ111や画面アプリ112に入力する。また制御部11は、アプリ111や画面アプリ112が出力するアプリケーションデータを必要に応じて加工などの処理をし、通信部12へ出力する。
【0012】
更新アプリ111は、CPUなどで実行されるプログラムであり、画面アプリ112のバージョンなどを管理するアプリケーションソフトウェアである。更新アプリ111は、起動されると、記憶部15から制御部11に読み込まれてWebブラウザなどで実行される。更新アプリ111への入出力データをアプリケーションデータと称するが、アプリケーション層のデータに限定することを意図しない。更新アプリ111は、窓口処理機2に実装される更新データサーバ211と通信をして、記憶部15に記憶されている画面データのバージョンが窓口処理機2で処理可能であるかどうかを問合せし、確認する。遠隔操作端末1は、記憶部15の画面データを使用する場合に、更新アプリ111が、記憶部15の画面データのバージョンや画面アプリ112のバージョンなどを窓口処理機2に送信する。更新アプリ111は、記憶部15の画面データなどのバージョンと窓口処理機2で記憶している画面データなどのバージョンとが一致していないことを確認した場合には、更新データサーバ211から最新バージョンの画面データまたは画面アプリ112を取得して記憶部15のデータを更新する。
【0013】
画面アプリ112は、CPUなどで実行されるプログラムであり、画面データを表示部13に表示するためのアプリケーションソフトウェアである。画面アプリ112は、制御部11が備えるWebブラウザなどで実行されることでもよい。画面アプリ112への入出力データをアプリケーションデータと称するが、アプリケーション層のデータに限定することを意味しない。画面アプリ112は、窓口処理機2に実装される画面I/F213と通信をして、画面データを取得し、表示部13に表示する。画面アプリ112は、取得した各種データを記憶部15に格納する。
【0014】
通信部12は、窓口処理機2と通信するための通信機能であり、無線LAN、公衆モバイル回線など任意の無線通信手段である。通信部12は、図示せぬアンテナから受信した無線信号に対して復調処理などしてデジタルデータを取得し、制御部11に出力したり、制御部11から入力されたデジタルデータを変調して図示せぬアンテナへ出力したりする。
【0015】
表示部13は、例えばモニタであり、画面アプリ112の命令に従って画面データを表示する。また本実施形態における、表示部13は、タッチパネルの機能を備えており、例えば係員が表示部13の表面をタッチすることで係員からの操作命令が遠隔操作端末1に取り込まれることでもよい。
【0016】
インターフェース部14は、遠隔操作端末1を操作するための操作命令を受信するための任意のインターフェースを示し、例えば、表示部13のタッチパネルからの操作命令を受信し、制御部11へ出力する。操作命令は、例えば、係員がタッチパネルを指で操作した際に、指が接触したタッチパネル上の座標情報などである。操作命令は、操作情報として更新アプリ111、画面アプリ112に取り込まれ、更新アプリ111、画面アプリ112によって処理される。その他、インターフェース部14は、PC周辺機器であるキーボード、マウス、マイク、カメラなどから操作命令を受信可能としてもよい。
【0017】
記憶部15は、メモリであり、更新アプリ111、画面アプリ112などのプログラムや画面データなど各種データが記憶される。記憶部15は、制御部11などによって読み込み、書き込み、更新などが行われることでもよい。
【0018】
窓口処理機2は、鉄道係員が業務を実施するための駅務機器であり、自動改札機や乗車券売機、ICカード処理部(ICカード処理装置、ICMUなどと称する場合もある)、運賃検索など係員の業務に関わるさまざまな機能を含み、CPU、メモリなどを備えたコンピュータ、通信機能などを具備してもよい。窓口処理機2は、係員が各種処理機能を操作するための図示せぬモニタ画面などを備えていてもよい。
【0019】
制御部21は、デバイスI/F214などを介して受信した操作命令に基づいて、窓口処理機2が備える各種機能を実行する。制御部21は、更新データサーバ211や画面インターフェース213を含む。制御部21は、通信部22から入力されるデジタルデータから必要なアプリケーションデータを取得し、取得したアプリケーションデータを更新データサーバ211や画面インターフェース213に入力する。制御部21は、更新データサーバ211や画面インターフェース213が出力するアプリケーションデータを必要に応じて加工などの処理をし、通信部22へ出力する。
【0020】
更新データサーバ211は、CPUなどで実行されるプログラムであり、遠隔操作端末1の更新アプリ111へ画面データやそのバージョン情報などを提供するアプリケーションソフトウェアである。更新データサーバ211は、プログラムとして記憶部24などに記憶され、起動されると制御部21に読み込まれて、実行されることでもよい。更新データサーバ211への入出力データをアプリケーションデータと称するが、アプリケーション層のデータに限定することを意味しない。更新データサーバ211は、遠隔操作端末1の更新アプリ111と通信をして、記憶部24などに記憶される画面データやそのバージョン情報などを遠隔操作端末1に提供する。また更新データサーバ211は、記憶部24の画面データやそのバージョン情報、記憶部24の画面データを表示可能な画面アプリ112のプログラムやそのバージョンなどを記憶部24に蓄積することでもよい。
【0021】
メイン制御アプリ212は、CPUなどで実行されるプログラムであり、係員の業務に関わるさまざまな処理機能を実行するためのアプリケーションソフトウェアである。メイン制御アプリ212は、記憶部24などに格納され、起動されると制御部21に読み込まれて、実行されることでもよい。メイン制御アプリ212への入出力データをアプリケーションデータと称するが、アプリケーション層のデータに限定することを意味しない。メイン制御アプリ212は、デバイスI/F214や遠隔操作端末1などから受信した操作命令や操作情報などに基づいて業務処理を実行し、処理結果を出力する。
【0022】
画面I/F213は、メイン制御アプリ212が生成した処理結果に基づいて、画面データを生成し、遠隔操作端末1の画面アプリ112などに出力する。画面データは、HTML、CSS、JavascriptなどWebブラウザなどで表示するためのプログラムデータを含むことでもよい。また画面I/F213は、遠隔操作端末1から受信した操作情報をデバイスI/F214に出力する。また画面I/F213は、複数の遠隔操作端末1からの窓口処理機2へのアクセスを制御する。より具体的には、画面I/F213は、遠隔操作端末1から受信した操作情報を窓口処理機2が処理可能かどうかを判断して、処理できない場合には、処理ができない旨を遠隔操作端末1に通知する。
【0023】
デバイスI/F214は、窓口処理機2に係員の業務に関わるさまざまな処理機能を実行させるためのインターフェースであり、例えば、自動改札機や乗車券売機、改札口で使用するカードを読み込むICMUなど任意の処理機能が接続されることでもよい。デバイスI/F214は、接続された各種デバイスから操作命令や操作情報を受信し、メイン制御アプリ212に操作情報を出力する。さらにデバイスI/F214は、メイン制御アプリ212が出力した処理結果を接続された各種デバイスに出力する。本実施形態においては、デバイスI/F214は画面I/F213に接続され、遠隔操作端末1からの操作命令を受信し、メイン制御アプリ212が出力した処理結果を遠隔操作端末1へ出力する。
【0024】
通信部22は、遠隔操作端末1と通信するための通信機能であり、無線LAN、4G、5Gなど公衆モバイル回線など任意の無線通信手段である。通信部22は、図示せぬアンテナから受信した無線信号を復調処理などしてデジタルデータを取得し、制御部21に出力したり、制御部21から入力されたデジタルデータを変調して図示せぬアンテナへ出力したりする。
【0025】
デバイス部23は、デバイスI/F214に接続される係員の業務に関わるさまざまな処理機能を実行するデバイス群を示し、デバイス群の一例として、改札口で使用するICカードを処理するためのICMUをICMU231として示す。なお、デバイス部23の機能をメイン制御アプリ212が担う場合などは、デバイス部23はなくてもよく、本実施形態においては、デバイス部23を使用しない例を示す。
【0026】
図2は、同第1の実施形態に係る処理システムの運用例を示す図であり、係員が、駅の窓口から離れた場所で鉄道利用者に運賃についての質問をされ、対応する例である。以下、運用の流れを示す。
【0027】
窓口処理機2と遠隔操作端末1は電源が入っており、遠隔操作端末1においては、画面アプリ112が立ち上がり、画面アプリ112が表示されているものとする。鉄道利用者は、係員に鉄道の運賃を質問する(ステップS1)。係員は、運賃検索を実施するために遠隔操作端末1の画面アプリ112を操作する(ステップS2)。遠隔操作端末1は係員の操作命令(釦押下など)に基づいた操作情報を窓口処理機2に無線送信する(ステップS3)。窓口処理機2は、受信した操作情報に応じた処理を実施し、処理結果に基づく画面データを無線送信する(ステップS4)。遠隔操作端末1は、窓口処理機2に表示指示された画面データを表示部13に提示して、係員が確認する(ステップS5)。係員は、鉄道利用者に、表示部13に表示された内容すなわち運賃情報を伝える(ステップS6)。
【0028】
窓口処理機2において、画面データのHTMLなどのバージョン、対応する画面アプリ112のバージョンなどが更新されることがあり、遠隔操作端末1は、記憶部15に記憶している画面データや画面アプリ112を使用する前に、窓口処理機2が記憶しているデータのバージョンと一致しているかどうかを確認ことが望ましい。本第1の実施形態においては、画面アプリ112を立ち上げる前に更新アプリ111を立ち上げて、バージョンなどを確認する場合の例を示す。
【0029】
図3は、同第1の実施形態に係る遠隔操作端末が画面表示処理を実行するためのフローチャートである。
【0030】
係員は、遠隔操作端末1を操作して、更新アプリ111を立ち上げる(ステップS101)。更新アプリ111は、記憶部15で記憶している画面データのバージョン情報もしくは画面データを窓口処理機2に送信して、問い合わせる(ステップS101)。更新アプリ111は、無線部12を介して窓口処理機2からデータ対応情報を受信する(ステップS103)。データ対応情報は、ステップS101で遠隔操作端末1が送信した画面データのバージョンが窓口処理機2の処理できる画面データのバージョンと一致しているかどうかを示す情報であってよい。更新アプリ111は、受信したデータ対応情報が「一致通知」であった場合は(ステップS104のYes)、記憶部15の画面データの更新をせずに、さらに受信する画面表示指示に従って(ステップS106)、現在記憶部15に記憶している画面データを表示部13に表示する(ステップS107)。
【0031】
一方、ステップS104において、データ対応情報が「不一致通知」であった場合は(ステップS104のNo)、更新アプリ111は、更新データサーバ211から最新の画面データを取得して、記憶部15に記憶している画面データを更新する(ステップS105)。ステップS105においては、記憶部15の画面データのバージョン情報を同時に更新してもよい。ステップS105に続いて更新アプリ111は、更新データサーバ211から画面表示指示を受信すると(ステップS106)、ステップS105で更新した画面データを表示部13に表示する(ステップS107)。
【0032】
以上の手続きにより、遠隔操作端末1において、窓口処理機2が処理可能なバージョンの画面データを表示部13に表示できる。
【0033】
図4は、同第1の実施形態に係る窓口処理機が画面表示指示を実行するためのフローチャートである。
【0034】
窓口処理機2において、更新データサーバ211は、更新アプリ111から、画面データに関するデータ確認問合せがあった場合(ステップS201のYes)、更新アプリ111から送信された画面データのバージョンと記憶部24に記憶している最新の画面データのバージョンとを比較する(ステップS202)。ステップS202において更新データサーバ211は、更新アプリ111から送信された画面データを確認し、HTMLなどのバージョンを比較することでもよい。更新データサーバ211は、比較した画面データのバージョンが一致した場合(ステップS203のYes)、更新アプリ111に、データが一致した旨を示すデータ一致通知を送信する(ステップS204)。さらに更新データサーバ211は、更新アプリ111に、記憶部15が記憶している画面データを表示部13に表示させる画面表示指示を送信する(ステップS205)。一方、ステップS203において、更新データサーバ211は、比較した画面データのバージョンが一致しなかった場合(ステップS203のNo)、更新アプリ111に、データが一致しなかった旨を示すデータ不一致通知を送信する(ステップS206)。さらに更新データサーバ211は、更新アプリ111に、画面データを更新させるための命令であるデータ更新指示を送信し(ステップS207)、最新の画面データを送信する(ステップS208)。ステップS208に続いて、更新アプリ111に、最新の画面データを表示部13に表示させるため画面表示指示を送信する(ステップS205)。
【0035】
図5は、同第1の実施形態に係る遠隔操作端末が画面アプリの機能を実行するためのフローチャートである。
【0036】
遠隔操作端末1は、図3のステップS107により、画面アプリ112を起動する(ステップS111)。記憶部15、記憶部24に記憶されている画面データ、画面アプリ112のバージョンは一致しているものとする。なおステップS111においては、図3のステップS107により更新アプリ111からの起動ではなく、係員の操作に基づいて画面アプリ112を直接起動してもよい。係員が鉄道利用者に要求された運賃検索を実施するために遠隔操作端末1の表示部13のタッチパネルを操作すると、画面アプリ112は操作情報を取得する(ステップS112のYes)。画面アプリ112は、操作情報を取得すると、窓口処理機2が現在使用可能であるかを確認するための利用可不可問合せを窓口処理機2に出力する(ステップS113)。ステップS113においては、利用可不可問合せに操作情報の一部または全てを含めてもよいし、含めなくてもよい。画面アプリ112は、窓口処理機2から利用可である旨の応答を受信すると(ステップS114のYes)、操作情報を窓口処理機2に送信する(ステップS115)。画面アプリ112は、窓口処理機2から画面データを受信する(ステップS116)。画面アプリ112は、受信した画面データを、必要に応じて加工などし、表示部13に出力して、表示部13は、窓口処理機2の処理結果である画面データを表示する(ステップS117)。ステップS117により、係員は表示部13の表示を見ることで、要求した運賃の情報を知ることができ、鉄道利用者に提供することができる。画面アプリ112は、ステップS117に続いて次の操作情報を受信した場合は、ステップS113に戻り処理を実施する。また、ステップS114において、画面アプリ112は、窓口処理機2から利用不可である応答を受信した場合は(ステップS114のNo)、利用不可である旨を表示部13に表示することでもよい(ステップS119)。S119により、係員は、しばらく待ってから再度タッチパネル操作を実施することでもよく、画面アプリ112は、新たに操作情報を受信すると(ステップS112)、ステップS113から処理を実施する。
【0037】
図6は、同第1の実施形態に係る処理機が画面アプリの操作情報を処理するためのフローチャートであり、図5に示した遠隔操作端末1の操作に対応させて説明する。
【0038】
窓口処理機2において、画面I/F213は、遠隔操作端末1から利用可不可問合せを受信すると(ステップS211のYes)、その問合せに含まれる処理要求が処理可能かどうかを確認する(ステップS212)。ステップS212において、画面I/F213は、遠隔操作端末1からの処理要求が処理可能であることを確認した場合(ステップS213のYes)、利用可を示す応答を遠隔操作端末1へ出力する(ステップS215)。ステップS215の後、画面I/F213は、遠隔操作端末1から許可した処理要求に関わる操作情報を受信すると(ステップS216のYes)、メイン制御アプリ212に操作情報に基づいた処理を実施させる(ステップS217)。画面I/F213は、メイン制御アプリ212から処理結果を受信すると、処理結果に基づいた画面データを生成する(ステップS218)。画面I/F213は、画面データを遠隔操作端末1に送信する(ステップS219)。
【0039】
またステップS213において、画面I/F213は、遠隔操作端末1からの処理要求に対する処理が不可であることを確認した場合(ステップS213のYes)、利用不可を示す応答を遠隔操作端末1へ出力する(ステップS214)。
【0040】
図7は、同第1の実施形態に係る処理システムの実装例を示す図であり、遠隔操作端末1と窓口処理機2とに実装されるソフトウェアの構成例を示す。
【0041】
Viewプロセス1A1は、図1の更新アプリ111及び画面アプリ112の機能を含む。入力操作1A2、確定操作1A3は、図1のインターフェース部14の機能を含む。View IFプロセス2A1、GUI Controlプロセス2A2は、図1の更新データサーバ211や画面I/F213の機能を含む。統合管理プロセス2A3は、メイン制御アプリ212やデバイスI/F214の機能を含む。以下、遠隔操作端末1、窓口処理機2のそれぞれに対する実装例である遠隔操作端末1A、窓口処理機2Aについて、主な機能を以下に説明する。
【0042】
View IFプロセス2A1は、GUI Controlプロセス2A2とViewプロセス1A1との仲介であり、GUIデバイス物理特性に依存しないGUI Controlプロセス2A2からの要求や通知を、Viewプロセス1A1の特性に合わせて電文変換してViewプロセス1A1に通知する。
【0043】
GUI Controlプロセス2A2は、業務実行に必要な画面遷移管理、表示入力項目管理および統合管理プロセス2A3のプロセス群からの要求に応じて、画面表示と入力を制御する。以下に処理動作を説明する。
【0044】
GUI Controlプロセス2A2が出力する入力表示命令をView IFプロセス2A1を介して、遠隔操作端末1Aの電文解析・表示制御1A11が受信する(フローSA01)。電文解析・表示制御1A11は、受信した入力表示命令に基づいて画面更新命令をブラウザ1A12に対して行う(フローSA02)。ブラウザ1A12は、遠隔操作端末1Aの図示せぬモニタ(図1の表示部13に相当するため、以下、表示部13Aと称する)に、入力画面を表示する。遠隔操作端末1Aを操作する係員は、例えば鉄道利用者からの要求に従って表示された入力画面に入力すると、Viewプロセス1A1において入力操作1A2のプロセスが動作する。入力操作1A2は、入力された要求を電文解析・表示制御1A11に入力し(フローSA03)、電文解析・表示制御1A11は、入力された要求に基づいて、ブラウザ1A12に対して表示制御を実施する(フローSA04)。
【0045】
ブラウザ1A12は、フローSA04による表示制御に基づいて、表示部13Aに、例えば、入力を確定する旨を表示することでもよく、係員は表示に従って確定ボタンなどを押下して確定をすると、Viewプロセス1A1において確定操作1A3のプロセスが動作する。確定操作1A3は、入力された確定情報を電文解析・表示制御1A11に入力し(フローSA05)、電文解析・表示制御1A11は、入力された確定情報に基づいて、GUI Controlプロセス2A2に対して入力された要求を受け付ける(フローSA06)。
【0046】
GUI Controlプロセス2A2は、入力された要求を受け付けると、入力された要求に応じた画面表示命令を出力する(フローSA07)。画面表示命令は、View IFプロセス2A1を介して電文解析・表示制御1A11に入力され、電文解析・表示制御1A11は、画面表示命令に基づいて、ブラウザ1A12に対して表示部13Aの表示を更新させる(フローSA08)。
【0047】
以上の手順により、遠隔操作端末1は、窓口処理機2から受信した画面データを表示部13に表示させ、係員は表示された画面データから運賃情報を知り、鉄道利用者に伝えることができる。
【0048】
また本第1の実施形態によって、複数の遠隔操作端末1が同時に窓口処理機2にアクセスした場合において、窓口処理機2はアクセスを制御できる。より具体的には、図5のステップS113における遠隔操作端末1による窓口処理機2への利用許可の確認、及び図6のステップS212における利用確認などの処理により、窓口処理機2は複数の遠隔操作端末1からのアクセスを制御できる。
【0049】
本第1の実施形態の遠隔操作端末1は、更新アプリ111や画面アプリ112が窓口処理機2の業務処理に関する処理を実施するため、市販の遠隔操作アプリケーションソフトウェアを導入するより、処理が軽い。さらに本第1の実施形態によれば、更新アプリ111や画面アプリ112の導入により、遠隔操作端末1と窓口処理機2との間の通信プロトコルを独自の仕様とすることができセキュリティ対策が行いやすい。
(第2の実施形態)
本第2の実施形態においては、鉄道利用者が、係員のいない鉄道の駅AにおいてICカードを用いて改札内に一旦入ったものの、再度改札外へ出ようとしている場合の処理システムの動作例を示す。
【0050】
図8は、第2の実施形態に係る処理システムの運用例を示す図であり、図1に示した遠隔操作端末1、窓口処理機2を適用した例である。
【0051】
駅Aは、無人駅であり、窓口処理機2が設置され、窓口処理機2には、ICカードを読み込むICカードリーダー2311が接続されている。またICカードリーダー2311は、自動改札に設置され、窓口処理機2のICMU231に接続されることで、メイン制御アプリ212は、ICカードリーダー2311により読み込まれた利用客のICカードの情報を取得し処理することができる。一方、駅Bは係員のいる有人駅であり、係員は、遠隔操作端末1を所持している。
【0052】
駅Aの改札内にいる鉄道利用者は、改札の外に出るために、鉄道窓口などの連絡手段(呼び出し釦、携帯電話などのモバイル端末など)により係員に連絡する(ステップS21)。駅Bの係員は、鉄道利用者から要求を聞き、駅Aの鉄道利用者の強制退場を許可するために遠隔操作端末1を操作する(ステップS22)。遠隔操作端末1は、受信した操作命令に基づいて操作情報を窓口処理機2に出力する(ステップS23)。窓口処理機2は、受信した操作情報を処理し、処理結果を遠隔操作端末1に出力する(ステップS24)。遠隔操作端末1は、処理結果を表示部13に表示し、係員に提示する(ステップS25)。係員は、表示部13の提示から利用者の強制退場が許可されたことなどを確認し、連絡手段により、鉄道利用者に、ICカードリーダー2311にICカードを翳すように指示する(ステップS26)。鉄道利用者がICカードリーダー2311にICカードを翳すと、窓口処理機2は、ICカードと通信を行い、改札が開くように制御する(ステップS27)。鉄道利用者は、改札外へ出ることができる。
【0053】
以上の手順により、係員は、隣の駅Aにある窓口処理機2及び窓口処理機2に接続される改札などのデバイスを操作することができる。なお、同様の手順により、係員は、窓口処理機2に接続される任意のデバイスを操作することができる。
【0054】
以上に述べた少なくとも1つの実施形態によれば、遠隔操作のための処理システム、端末、処理機、処理方法及びプログラムを提供することができる。
【0055】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、フローチャート、シーケンスチャートなどに示す処理は、ICチップ、デジタル信号処理プロセッサ(Digital Signal ProcessorまたはDSP)などのハードウェアもしくはマイクロコンピュータを含めたコンピュータなどで動作させるソフトウェア(プログラムなど)またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現してもよい。また請求項を制御ロジックとして表現した場合、コンピュータを実行させるインストラクションを含むプログラムとして表現した場合、及び前記インストラクションを記載したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として表現した場合でも本発明の装置を適用したものである。また、使用している名称や用語についても限定されるものではなく、他の表現であっても実質的に同一内容、同趣旨であれば、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0056】
1…遠隔操作端末、11…制御部、111…更新アプリ、112…画面アプリ、12…通信部、13…表示部、14…インターフェース、15…記憶部、2…窓口処理機、21…制御部、211…更新データサーバ、212…メイン制御アプリ、213…画面I/F、214…デバイスI/F、22…通信部、23…デバイス部、231…ICMU、2311…ICカードリーダー。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8