(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103052
(43)【公開日】2023-07-26
(54)【発明の名称】リスクランク処理装置及びリスクランク処理方法
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20230719BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022003890
(22)【出願日】2022-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 英明
(72)【発明者】
【氏名】久田 健
(72)【発明者】
【氏名】田中 光雄
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】簡易に利用可能なリスクランク処理装置及びリスクランク処理方法を提供することを課題とする。
【解決手段】入力された健診、検診及び問診に関する結果を含む情報である健診・検診/問診情報を基に、がん発症リスクを算出するリスク算出部112と、がん発症リスクと、予め統計的に算出されている発症リスクである基準リスクとを比較する比較部114と、比較部114による結果を基に、リスク算出部112によって利用者のがん発症リスクの度合いをランクで示したリスクランクを算出するリスクランク算出部115と、算出されたリスクランクを表示装置に出力する表示処理部116と、を有することを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された健診、検診及び問診に関する結果を含む情報である診断情報を基に、所定の病気の発症リスクを算出する発症リスク算出部と、
前記発症リスクと、予め統計的に算出されている発症リスクである基準リスクとを比較する比較部と、
前記比較部による結果を基に、前記発症リスク算出部によって前記発症リスクを算出された対象者の前記発症リスクの度合いをランクで示したリスクランクを算出するリスクランク算出部と、
算出された前記リスクランクを出力部に出力する出力処理部と、
を有することを特徴とするリスクランク処理装置。
【請求項2】
前記基準リスクは、所定のグループ毎に算出される同類基準リスクであり、
前記発症リスクの算出の前記対象者が、前記グループの何れに属するかを判定する分類部を有し、
前記比較部は、前記対象者が属する前記グループの中において、前記発症リスク算出部が算出した前記発症リスクと、前記同類基準リスクとの比較を行う
ことを特徴とする請求項1に記載のリスクランク処理装置。
【請求項3】
入力された前記診断情報を基に、前記発症リスク算出部、前記比較部、及び、前記リスクランク算出部は、第1の処理を行い、
前記第1の処理の後、入力される情報を基に、前記発症リスク算出部、前記比較部、及び、前記リスクランク算出部は、第2の処理を行い、
前記第2の処理が行われる前、前記第1の処理の際に入力された前記診断情報のうち、未入力の情報を抽出する入力情報抽出部を有し、
前記第2の処理の際に入力される前記情報は、前記入力情報抽出部によって抽出された前記未入力の情報である
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリスクランク処理装置。
【請求項4】
前記診断情報を構成する各情報には第1の重要度が対応付けられており、
前記入力情報抽出部は、
前記未入力の情報のうち、前記第1の重要度が所定の値以上の情報を前記第2の処理における入力として選定する
ことを特徴とする請求項3に記載のリスクランク処理装置。
【請求項5】
前記診断情報を構成する各情報には有効期限が割り当てられており、
入力された前記診断情報を基に、前記発症リスク算出部、前記比較部、及び、前記リスクランク算出部は、第1の処理を行い、
前記第1の処理の後、入力される情報を基に、前記発症リスク算出部、前記比較部、及び、前記リスクランク算出部は、第2の処理を行い、
前記第2の処理が行われる前、前記第1の処理の際に入力された前記診断情報のうち、未入力の情報を抽出するとともに、前記第1の処理の際に入力された情報のうち、前記有効期限を過ぎている情報を抽出する入力情報抽出部を有し、
前記第2の処理の際に入力される前記情報は、前記入力情報抽出部によって抽出された前記未入力の情報と、前記有効期限を過ぎている情報である
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリスクランク処理装置。
【請求項6】
前記診断情報を構成する各情報には第2の重要度が対応付けられており、
前記入力情報抽出部は、
前記未入力の情報、及び、前記有効期限を過ぎている情報のうち、前記第2の重要度が所定の値以上の情報を前記第2の処理において入力される情報として選定する
ことを特徴とする請求項5に記載のリスクランク処理装置。
【請求項7】
前記診断情報を構成する各情報に対して、前記発症リスク及び前記対象者に関する情報に基づいた第3の重要度が対応付けられており、
前記入力情報抽出部は、
前記第1の処理で算出された前記発症リスク、前記リスクランク、及び、前記発症リスクの算出対象者に関する情報のうち、少なくともいずれかに基づいた前記第3の重要度に基づいて、前記第2の処理において入力される情報を選定する
ことを特徴とする請求項6に記載のリスクランク処理装置。
【請求項8】
前記第1の処理は、トライアル版における処理であり、
前記第2の処理は、前記トライアル版とは異なる本登録版における処理である
ことを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか一項に記載のリスクランク処理装置。
【請求項9】
前記第1の処理は、過去の本登録版における処理であり、
前記第2の処理は、今回の本登録版における処理である
ことを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか一項に記載のリスクランク処理装置。
【請求項10】
前記診断情報の内、所定の情報についての入力が外部機器を介して行われると、前記外部機器から入力された情報と、前記リスクランク処理装置に入力されるべき前記診断情報を構成する各情報とが比較されることで、前記リスクランク処理装置に入力されるべき前記診断情報のうち、未入力の情報を抽出する入力情報抽出部と、
前記未入力の情報について前記対象者の入力を促す入力処理部と、
を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリスクランク処理装置。
【請求項11】
前記診断情報を構成する各情報には第4の重要度が対応付けられており、
前記入力情報抽出部は、
前記第4の重要度に基づいて、前記未入力の情報のうち、前記第4の重要度が所定の値以上の情報を前記第2の処理における入力対象として選定する
ことを特徴とする請求項7に記載のリスクランク処理装置。
【請求項12】
算出された前記発症リスクに基づいて、将来における前記発症リスクを予測する未来予測部を有し、
前記出力処理部は、
予測された将来における前記発症リスクを前記出力部に出力する
ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のリスクランク処理装置。
【請求項13】
前記未来予測部による処理の終了後、前記診断情報を構成する情報について、入力内容の変更を前記対象者に促す再入力部を有し、
前記発症リスク算出部は、変更された前記入力内容を基に前記発症リスクを算出し、
前記未来予測部は、変更された前記入力内容を基に、将来における前記発症リスクを予測する
ことを特徴とする請求項12に記載のリスクランク処理装置。
【請求項14】
前記出力処理部は、
変更された前記入力内容を基に算出された、将来における前記発症リスクと、変更される前の前記入力内容を基に算出された、将来における前記発症リスクと、を比較可能となるよう前記出力部に出力する
ことを特徴とする請求項13に記載のリスクランク処理装置。
【請求項15】
前記病気の内容とアドバイスの情報とが対応付けられているアドバイス情報を有し、
算出された前記発症リスクに対応する前記病気の内容に応じた前記アドバイス情報を出力部に出力するアドバイス出力部
を有することを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のリスクランク処理装置。
【請求項16】
施設に関する情報が格納されている施設情報を有し、
当該施設情報に格納されている前記施設に関する情報のうち、前記発症リスクに関する前記病気の内容に応じており、かつ、所定の条件で絞り込まれた施設に関する情報を前記出力部に出力する施設情報出力部
を有することを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のリスクランク処理装置。
【請求項17】
リスク検査に関する情報を格納しているリスク検査情報を有し、
前記発症リスクに関する前記病気の内容に応じた前記リスク検査に関する情報を前記出力部に出力するリスク検査情報出力部
を有することを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のリスクランク処理装置。
【請求項18】
前記発症リスクは、がんの発症リスクである
ことを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか一項に記載のリスクランク処理装置。
【請求項19】
入力された健診、検診及び問診に関する結果を含む情報である診断情報を基に、所定の病気の発症リスクを算出する発症リスク算出ステップと、
前記発症リスクと、予め統計的に算出されている発症リスクである基準リスクとを比較する比較ステップと、
前記比較ステップによる結果を基に、前記発症リスク算出ステップによって前記発症リスクを算出された対象者の前記発症リスクの度合いをランクで示したリスクランクを算出するリスクランク算出ステップと、
算出された前記リスクランクを出力部に出力する出力処理ステップと、
を有することを特徴とするリスクランク処理方法。
【請求項20】
入力部を介して、前記診断情報である健診・検診/問診情報の入力を受け付ける健診・検診/問診情報受付ステップと、
予め統計的に算出されているがん発症リスク発症リスクである基準リスクを格納している基準リスク情報から取得する基準リスク取得ステップと、
を有し、
前記発症リスク算出ステップでは、前記健診・検診/問診情報受付ステップで受け付けた健診・検診/問診情報を基に、がんの発症リスクであるがん発症リスクをがん種毎に算出し、
前記発症リスク算出ステップの後、前記基準リスク取得ステップが行われ、
前記比較ステップでは、前記がん発症リスクと、前記基準リスク取得ステップで取得された基準リスクとが比較され、
前記リスクランク算出ステップでは、前記比較ステップよる結果を基に、前記発症リスク算出ステップによって前記がん発症リスクを算出された対象者の前記がん発症リスクと、前記基準リスクとの乖離度合いをランクで示した前記リスクランクを算出し、
前記出力処理ステップでは、算出された前記リスクランクを出力部に出力する
ことを特徴とする請求項19に記載のリスクランク処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リスクランク処理装置及びリスクランク処理方法の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
がん等の病気のリスクや、健康リスク等を利用者に対して分かりやすく示す技術が開示されている。
例えば、特許文献1には「表示部と、ユーザの健康情報である、ゲノム情報と、生体情報及び行動情報とに基づいて推定された、当該ユーザの将来の健康リスクを前記表示部に表示する表示制御部とを備え、前記表示制御部は、前記将来の健康リスクとともに、前記ユーザの目標の健康状態及び当該目標の健康状態に到達するための指導情報のうち、少なくとも1つを表示し、操作者から、前記推定に用いる前記ユーザの健康情報の期間の幅を受け付けると、受け付けた期間の幅に応じた将来の健康リスクを表示する」健康情報表示装置、ソリューションシステム及び方法が開示されている(請求項1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の技術は、ゲノム情報を必要とし、利用者が気軽に利用できるものではない。
【0005】
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、簡易に利用可能なリスクランク処理装置及びリスクランク処理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した課題を解決するため、入力された健診、検診及び問診に関する結果を含む情報である診断情報を基に、所定の病気の発症リスクを算出する発症リスク算出部と、前記発症リスクと、予め統計的に算出されている発症リスクである基準リスクとを比較する比較部と、前記比較部による結果を基に、前記発症リスク算出部によって前記発症リスクを算出された対象者の前記発症リスクの度合いをランクで示したリスクランクを算出するリスクランク算出部と、算出された前記リスクランクを出力部に出力する出力処理部と、を有することを特徴とする。
その他の解決手段は実施形態中において適宜記載する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡易に利用可能なリスクランク処理装置及びリスクランク処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態におけるリスクランク処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】第1実施形態における基準リスク算出部の処理を示すフローチャートである。
【
図3】第1実施形態における処理部の構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
【
図6】第1実施形態におけるリスクランク表示画面の例を示す図である。
【
図7】第2実施形態における基準リスク算出部の処理を示すフローチャートである。
【
図8】第2実施形態における処理部の構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
【
図9】第2実施形態におけるリスクランク表示画面の例を示す図である。
【
図10】第3実施形態における処理部の構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
【
図11】第4実施形態における処理部の構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
【
図12】第5実施形態における処理部の構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
【
図13】第5実施形態におけるリスクランク比較表示画面の例を示す図である。
【
図14】第6実施形態における処理部の構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
【
図15】第7実施形態における処理部の構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
【
図16】第8実施形態における処理部の構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
【
図17】第9実施形態における処理部の構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
【
図18】第10実施形態における処理部の構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
【
図19】第11実施形態における処理部の構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
【
図20】第12実施形態における処理部の構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
【
図21】第13実施形態における処理部の構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
【
図22】第14実施形態における処理部の構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
【
図23】第15実施形態における処理部の構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
【
図24】第15実施形態における未来予測状態画面の例を示す図である。
【
図25】第16実施形態における処理部の構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
【
図26】第16実施形態における未来状態表示画面の例を示す図である。
【
図27】第16実施形態におけるアドバイス表示画面の例を示す図である。
【
図28】第16実施形態における施設検索・予約画面の例を示す図である。
【
図29】第16実施形態におけるリスク検査情報表示画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、本実施形態では、がん発症リスクに関して記載するが、がん以外の、所定の病気の発症リスクとしてもよい。
【0010】
<システム構成>
図1は、本実施形態におけるリスクランク処理システムZの構成の一例を示す図である。
リスクランク処理システムZは、計算機C、端末装置D1、医療機関サーバD2、及び、保険会社サーバD3を有している。計算機C、端末装置D1、医療機関サーバD2、及び、保険会社サーバD3のそれぞれはネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。計算機Cは、リスクランク処理装置に該当する。
【0011】
計算機Cは、がん発症リスクや、リスクランク等を算出するものであり、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置1、HD(Hard Disk)や、SSD(Solid State Drive)等で構成される補助記憶装置2を備える。なお、がん発症リスクや、リスクランクについては後記する。また、計算機Cは、CPU(Central Processing Unit)等の中央制御装置3、キーボードや、マウス等の入力装置4、ディスプレイ等の表示装置5(出力部)、通信装置6等を備える。通信装置6及びネットワークNを介して、計算機Cは端末装置D1、医療機関サーバD2、及び、保険会社サーバD3と通信を行う。主記憶装置1、補助記憶装置2、中央制御装置3、入力装置4、表示装置5、通信装置6のそれぞれはバスBを介して互いに接続されている。なお、表示装置5は、プリンタ等の出力装置とすることも可能である。
【0012】
補助記憶装置2にはプログラムが格納されており、このプログラムが主記憶装置1にロードされる。そして、主記憶装置1にロードされたプログラムが中央制御装置3によって実行されることで、基準リスク算出部101,101a、処理部100,100A~100Pが具現化する。基準リスク算出部101,101aは、統計情報を基に算出され、利用者について算出されたがん発症リスクと比較するための基準となるがん発症リスクである基準リスク、あるいは同類基準リスクを算出する。基準リスク及び同類基準リスクについては後記する。処理部100,100A~100N,100Pは、種々の処理を行う。処理部100,100A~100N,100Pの詳細な構成については後記する。ちなみに、処理部100は第1実施形態で使用されるものであり、処理部100A~100N,100Pは、第2~第16実施形態で使用されるものである。
【0013】
補助記憶装置2には、健診・検診/問診情報(診断情報)201、基準リスク情報202、同類基準リスク情報202a、重要度情報203、期限情報204、アドバイス情報205、施設情報206、リスク検査情報207等が格納されている。
健診・検診/問診情報201には、利用者の基本情報や、健診・検診結果や、問診の結果等が格納されている。健診・検診/問診情報201は、後記して説明する。
基準リスク情報202には、基準リスク算出部101によって算出された基準リスクが格納されている。基準リスクについては後記する。
同類基準リスク情報202aには、所定のグループ毎に算出される基準リスクである同類基準リスクが格納されている。同類基準リスクについては後記する。
【0014】
重要度情報203には、健診・検診/問診情報201の各項目についての重要度(第1~第4の重要度)が格納されている。
期限情報204には、健診・検診/問診情報201の各項目の期限に関する情報が格納されている。
アドバイス情報205には、がん発症リスクが高い(がん発症リスクが所定の値以上)と判定されたがんに関するアドバイスの情報が、がん種や、がん発症リスクと対応付けられて格納されている。
施設情報206には、精密検査や、治療を行うための施設に関する情報ががん種に対応付けられて格納されている。
リスク検査情報207には、リスク検査に関する情報が格納されている。なお、リスク検査とは、唾液や尿等によってがん発症リスクを評価する簡易な検査である。
【0015】
なお、同類基準リスク情報202aは第2実施形態で使用される情報である。また、重要度情報203は、第4、第6、第8、第10、第12、第13実施形態で使用される情報である。そして、期限情報204は、第9~第13実施形態で使用される情報である。さらに、アドバイス情報205、施設情報206、リスク検査情報207は、第16実施形態で使用される情報である。その他の情報は、第1~第16実施形態で使用される情報である。
【0016】
端末装置D1は、利用者が所有している端末であり、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末等である。
医療機関サーバD2は、医療機関等に設置されているサーバであり、端末装置D1に代わって、健診・検診/問診情報201を計算機Cに入力することが可能である。
保険会社サーバD3は、保険会社等に設置されているサーバであり、端末装置D1に代わって、健診・検診/問診情報201を計算機Cに入力することが可能である。
なお、医療機関サーバD2、保険会社サーバD3は第7、第8実施形態で使用されるものである。
【0017】
<第1実施形態>
【0018】
[基準リスク算出部101]
図2は、第1実施形態における基準リスク算出部101の処理を示すフローチャートである。なお、本実施形態におけるフローチャートについて、実線矢印は処理の流れを示し、破線矢印はデータの移動を示すものとする。
図2に示すように、基準リスク算出部101が、がんに関する統計データを基に、
図3に示す処理に先立って基準リスクを算出する(S101)。算出された基準リスクは、基準リスク情報202に格納される。基準リスクはがん種毎に算出される。
基準リスクは、例えば、以下の式(1)によって算出される。ただし、基準リスクの算出式は式(1)に限らない。
【0019】
基準リスク=β1×年齢(統計値)+β2×身長(統計値)+・・・
+βn×最低血圧(統計値)・・・+βm×γ-GTP(統計値)・・・
+βz×{項目の値(統計値)}×z ・・・ (1)
ただし、0<n<m<z
【0020】
なお、基準リスクの値等に対して、クラスタリング等の機械学習が用いられることによって、基準リスクの値等ががん種毎にグループ分けされる。項目については後記する。
【0021】
[処理部100の構成、及び、フローチャート]
図3は、第1実施形態における処理部100の構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
図4は、入力画面300の例を示す図である。
図3に示すように、処理部100は入力処理部111、リスク算出部112(発症リスク算出部)、基準リスク取得部113、比較部114、リスクランク算出部115、表示処理部116(出力処理部)を備える。
入力処理部111は、入力装置4を介して入力された健診・検診/問診情報201を受け付ける(S111)。つまり、ステップS111で、入力処理部111は健診・検診/問診情報201の入力を受け付ける。健診・検診/問診情報201は、
図4に示すように、入力画面300に表示されている生年月日、性別、身長体重等といった基本情報や、血圧等の検査値、喫煙の有無等といった健診・検診/問診結果がプルダウンメニューや、入力窓を介して入力される。
【0022】
図5は、健診・検診/問診情報201の例を示す図である。
図5に示すように、健診・検診/問診情報201には、利用者の生年月日、性別、身長、体重等の利用者の基本情報が格納されている。
そして、
図5に示すように、健診・検診/問診結果として血圧に関する情報(
図5では最低血圧が示されている)、γ-GTP、喫煙の有無、1日の喫煙本数、降圧剤使用の有無等の情報が格納されている。
なお、健診・検診/問診情報201における、生年月日、性別、身長、最低血圧等といった入力する対象を項目と称する。また、
図3のステップS111の段階で、入力される健診・検診/問診情報201の項目を入力項目と適宜称する。
【0023】
このように、健診・検診/問診情報201は、入力された健診、検診及び問診に関する結果を含む情報である診断情報である。
【0024】
図3の説明に戻る。
続いて、リスク算出部112が健診・検診/問診情報201を基に利用者のがん発症リスク(発症リスク)を算出する(S112)。がん発症リスクはがん種別に算出される。
がん発症リスクは、例えば、以下の式(2)によって算出される。ただし、がん発症リスクの算出式は式(2)に限らない。
【0025】
がん発症リスク=α1×年齢(実測値)+α2×身長(実測値)+・・・
+αn×最低血圧(実測値)・・・+αm×γ-GTP(実測値)
・・・+αl×降圧剤の使用有無(入力値)
+αz×{項目の値(実測値)}×z ・・・ (2)
ただし、0<n<m<l<z
【0026】
なお、がん発症リスクの値等に対して、クラスタリング等の機械学習が用いられることによって、がん発症リスクの値等ががん種毎にグループ分けされる。
このように、リスク算出部112は入力された健診、検診及び問診に関する結果を含む情報である診断情報(健診・検診/問診情報201)を基に、所定の病気(本実施形態ではがん)の発症リスクを算出する。具体的には、リスク算出部112は、ステップS111(健診・検診/問診情報受付ステップ)で受け付けた健診・検診/問診情報201を基に、がんの発症リスクであるがん発症リスクをがん種毎に算出する。
【0027】
次に、基準リスク取得部113が、基準リスク情報202から基準リスクを取得する(S113)。例えば、基準リスク取得部113は、がん発症リスクが高い(がん発症リスクが所定の値以上の)がん種に対応する基準リスクを基準リスク情報202から取得する。つまり、機銃リスク取得部113は、予め統計的に算出されているがん発症リスク発症リスクである基準リスクを格納している基準リスク情報202から取得する。このように、がん発症リスクの算出(発症リスク算出ステップ)の後、基準リスクの取得(基準リスク取得ステップ)が行われる。
【0028】
その後、比較部114は、ステップS112で算出したがん発症リスクと、ステップS113で取得した基準リスクとを比較する(S114)。ステップS114の比較はがん種毎に行われる。つまり、比較部114は、がん発症リスク(発症リスク)と、予め統計的に算出されている発症リスクである基準リスクとを比較する。
続いて、リスクランク算出部115は、ステップS114における比較結果を基にリスクランクを算出する(S115)。リスクランクは、発症リスク(本実施形態ではがん発症リスク)を算出された対象者(利用者)の発症リスクの度合いをランクで示したものである。つまり、リスクランク算出部115は比較部114による結果を基に、リスク算出部112(発症リスク算出部)によって発症リスクを算出された対象者の前記発症リスクの度合いをランクで示したリスクランクを算出する。つまり、リスクランク算出部115は、ステップS114(比較ステップ)よる結果を基に、ステップS112(発症リスク算出ステップ)によって利用者(がん発症リスクを算出された対象者)のがん発症リスクと、基準リスクとの乖離度合いをランクで示したリスクランクを算出する。ここで、発症リスクを算出された対象者とは、リスクランク処理システムZ(
図1参照)の利用者である。
リスクランクは、例えば、がん発症リスクと基準リスクとの差(乖離度合い)が大きい(高い)順に「A」、「B」、「C」等とする。
【0029】
そして、表示処理部116はステップS115で算出されたリスクランクを表示装置5に表示する(S116)。つまり、表示処理部116算出されたリスクランクを表示装置5(
図1参照:出力部)に出力する。
【0030】
(画面例)
図6は、
図3のステップS115で表示装置5に表示されるリスクランク表示画面400の例を示す図である。
図6に示すように、リスクランク表示画面400にはステップS115で算出されたリスクランクが表示される。
図6に示す例ではリスクランク「A」が表示されている。
【0031】
このように、第1実施形態におけるリスクランク処理システムZは入力画面300(
図4参照)で入力された健診・検診結果及び問診結果データ(健診・検診/問診情報201:
図5参照)からがん発症リスクを算出する。さらに、リスクランク処理システムZは、がんに関する統計データを基に予め算出された基準リスクと、算出されたがん発症リスクとを比較し、比較の結果をリスクランクとして出力する。このようにすることで、標準の人における基準(基準リスク)と比較したがん発症リスクの程度をリスクランクとして出力することができる。また、算出されたがん発症リスクを基準リスクと比較することで、単にがん発症リスクを知る場合にくらべて、利用者が自分事として捉えやすく、気づきを得られやすい。これにより利用者が行動変容を行いやすくなる。また、健診・検診や、問診等といった入手しやすい情報を基にがん発症リスクや、リスクランクが算出されるため、手軽に(簡易に)自身のリスクを知ることができる。
【0032】
<第2実施形態>
【0033】
[基準リスク算出部101a]
図7は、第2実施形態における基準リスク算出部101aの処理を示すフローチャートである。
図7に示すように、基準リスク算出部101aが、がんに関する統計データを基に予め同類基準リスクを算出する(S101a)。同類基準リスクとは、カテゴリ(年齢や性別別など)毎に類別された類別クラス毎に算出される(所定のグループ毎に算出される)基準リスクである。算出された基準リスクは、同類基準リスク情報202aに格納される。
同類基準リスクは、使用される類別クラスについて算出される。類別クラスとは、利用者をなんらかの基準(年齢や、性別等といった所定のカテゴリ)でグループ分けする際に用いられるグループである。
後記するが、第2実施形態において、処理部100A(
図8参照)は類別クラス毎にリスクランクを算出・表示する。例えば、利用者の年齢に分類された類別クラス毎にリスクランクが算出・表示される。ステップS101aでは、処理部100Aにおいて使用される類別クラスについて同類基準リスクが算出されればよい。
【0034】
[処理部100Aの構成、及び、フローチャート]
図8は、第2実施形態における処理部100Aの構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
図8において、
図3と同様の構成及び処理については、同一の符号を付して説明を省略し、
図3と異なる箇所のみ説明することとする。
図8における処理部100Aは、分類部121を有する点が
図3に示す処理部100Aと異なる点である。また、基準リスク取得部113aは同類基準リスク情報202aから同類基準リスクを取得する点が
図3に示す基準リスク取得部113と異なっている。同類基準リスクについては後記する。
【0035】
まず、ステップS112におけるがん発症リスクの算出が行われた後、分類部121は、利用者をいずれかの類別クラス(年齢や性別別等)に分類する(類別クラス分類:S201)。類別クラスとは、前記のように、性別、年齢等といった所定のカテゴリによるグループである。このように、分類部121は発症リスク(がん発症リスク)の算出の対象者(利用者)が、グループ(類別クラス)の何れに属するかを判定する。
【0036】
ステップS201の後、基準リスク取得部113aは、分類部121による分類結果(類別クラス)を基に、利用者が属す類別クラスの同類基準リスクを取得する(S113a)。つまり、基準リスク取得部113aは、ステップS201で分類された利用者の類別クラスに対応する同類基準リスクを同類基準リスク情報202aから取得する(S113a)。なお、本実施形態では、
図7に示すステップS101aにおいて、同類基準リスクが予め算出されているが、ステップS113aの段階で同類基準リスクが算出されてもよい。
【0037】
そして、比較部114は、ステップS112で算出したがん発症リスクと、ステップS113aで取得した同類基準リスクとを比較する(S114)。つまり、ステップS114では、利用者が対応する類別クラスについて基準リスク(同類基準リスク)と、ステップS112で算出されたがん発症リスクとの比較が行われる。要するに、比較部114は利用者(対象者)が属するグループ(類別クラス)の中において、リスク算出部112(発症リスク算出部)が算出した発症リスクと、同類基準リスクとの比較を行う。
以下の処理は
図3と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0038】
(画面例)
図9は、
図8のステップS106で表示されるリスクランク表示画面400aの例を示す図である。
図9に示すように、リスクランク表示画面400aのうち、リスクランク表示領域401に表示されている内容は、
図6に示すリスクランク表示画面400に表示されているものと同様である。そして、
図9に示すリスクランク表示画面400aでは、リスクランク表示領域401に加えて類別クラス比較領域402が表示されている。類別クラス比較領域402では、利用者(あなた)のがん発症リスクと、利用者と同じ類別クラスに属す人(あなたに近い人)の平均がん発症リスクとが、例えば棒グラフの形式で比較可能に表示されている。なお、
図9に示す例では、利用者(あなた)のがん発症リスクと、利用者と同じ類別クラスに属す人(あなたに近い人)の平均がん発症リスクとが、棒グラフの形式で表示されているが、棒グラフの形式に限らなくてもよい。
【0039】
このように、第2実施形態では、利用者と同年齢、同性別等の群(類別クラス)から基準リスク(同類基準リスク)を算出しリスクランクが算出されている。このようにすることで、利用者に近い人との違い(がん発症リスクの違い)が可視化され、自分に近い人と、自分との違いを意識し、より自分事として捉えることが可能となる。
【0040】
<第3実施形態>
[処理部100Bの構成、及び、フローチャート]
図10は、第3実施形態における処理部100Bの構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
図10において、
図3と同様の構成及び処理については、同一の符号を付して説明を省略し、
図3と異なる箇所のみ説明することとする。
【0041】
図10に示す処理部100Bが、
図3と異なる点は判定部117及び入力項目判定部131(入力情報抽出部)が備わっている点である。
まず、トライアル版に対してステップS111~S116の処理(第1の処理)が行われる。トライアル版とは、いわゆる試用版のことである。これに対し、トライアル版ではない(トライアル版と異なる)ものであり、正式な形式によるものを本登録版と称することとする。トライアル版では本登録版より少ない入力項目でステップS111~S116の処理が行われる。その後、利用者が本登録版の実施を望んだ場合、本登録版が実行される。なお、ステップS113の基準リスク取得において
図3と同様、基準リスク取得部113は基準リスク情報202から基準リスクを取得するのだが、図が煩雑になるのを避けるため、
図10に示すフローチャートでは基準リスク情報202を図示省略している。以降のフローチャートにおいても、同様に基準リスク情報202を図示省略する。このように、入力された診断情報(健診・検診/問診情報201)を基に、リスク算出部112(発症リスク算出部)、比較部114、及び、リスクランク算出部115は、第1の処理(トライアル版に関する処理)を行う。
【0042】
まず、トライアル版について、ステップS111~S116が行われた後、利用者は入力装置4(
図1参照)を介して本登録版を希望するか否かの情報を入力する。そして、判定部117は、入力された情報を基に、処理を続行することで本登録版の実施する否かを判定する(続行?:S117)。
処理を続行しない場合(S117→No)、処理が終了する。
【0043】
利用者が本登録版を希望したため、処理が続行される場合(S117→Yes)、入力項目判定部131は本登録版において入力する情報(項目)を効果的に変化させる入力項目判定を行う(S301)。ステップS301の入力項目判定において、入力項目判定部131は、健診・検診/問診情報201のうち、トライアル版にて入力された項目と比較し、トライアル版において未入力であった項目を本登録版後の入力画面300に表示させる。要するに、入力項目判定部131は、トライアル版と本登録版との入力項目を比較し、その差分項目、つまり、トライアル版において未入力の項目(未入力項目)のみを入力するよう入力処理部111へ指示する。これにより、入力項目判定部131は、本登録版の入力画面300にて入力する情報(項目)を効果的に変化させる。従って、利用者は本登録版において、すべての項目を入力する必要はなく、トライアル版との差分項目(未入力項目)のみを入力すればよい。ステップS311では、入力画面300において、トライアル版においての入力済みの項目がグレーアウトされることで未入力項目のみが入力可能に表示されるとよい。あるいは、入力済みの項目が表示されず、未入力項目のみがステップS311で表示されてもよい。
【0044】
このように、入力項目判定部131は、第2の処理(S311~S316)が行われる前、第1の処理(S111~S116)の際に入力された健診・検診/問診情報201(診断情報)のうち、未入力の情報を抽出する。
【0045】
ステップS301の後、入力処理部111、リスク算出部112、基準リスク取得部113、比較部114、リスクランク算出部115、表示処理部116は、本登録版についてステップS311~S316の処理(第2の処理)を行う。このように、第1の処理(S111~S116)の後、入力される情報を基に、リスク算出部112(発症リスク算出部)、比較部114、及び、リスクランク算出部115は、第2の処理(S311~S316)を行う。
ステップS311では、ステップS111で入力された健診・検診/問診情報201と、入力項目判定部131で抽出された未入力項目とが受け付けられる。つまり、ステップS311において、入力処理部111がステップS111で入力されなかった項目を含む健診・検診/問診情報201を受け付ける。要するに、第2の処理(S311~S316)の際に入力される情報は、入力項目判定部131(入力情報抽出部)によって抽出された未入力の情報である。
以降のステップS312~S316は、ステップS112~S116と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0046】
第3実施形態では、トライアル版にて入力する情報(項目)を効果的に変化させる入力項目判定部131を有している。入力項目判定部131は、がん発症リスクを算出するのに必要な項目について、トライアル版の項目と、本登録版で入力した項目を比較し、トライアル版で入力されなかった項目を本登録版の入力画面300で入力させる。これにより、入力の手間を低減しつつ効果的ながん発症リスクや、リスクランクの算出が可能となる。
【0047】
<第4実施形態>
[処理部100Cの構成、及び、フローチャート]
図11は、第4実施形態における処理部100Cの構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
図11において、
図10と同様の構成及び処理については、同一の符号を付して説明を省略し、
図10と異なる箇所のみ説明することとする。
図11に示す処理部100Cが、
図10と異なる点は入力項目判定部131aが重要度判定(S321)、及び、入力項目比較(S322)を行う点である。
まず、トライアル版についてステップS111~S117の処理(第1の処理)が行われる。この処理は、
図10に示すステップS111~S117の処理と同様であるため、ここでの説明を省略する。
そして、トライアル版について、ステップS111~S117が行われた結果、利用者が本登録版を希望したものとする(S117→Yes)。
すると、入力項目判定部131aは、重要度情報203を参照して、重要度判定を行う(S321)。入力項目判定部131aは、重要度情報203にいて予め割り当てられている入力項目の重要度(第1の重要度)を基に、健診・検診/問診情報201の入力項目について重要度を判定する。重要度とは、がん発症リスクに対する入力項目の寄与度である。つまり、入力項目判定部131aは、予め登録されたがん発症リスクの算出に有効な項目を、重要度別にランク付けする。重要度は、がん種別に算出されているとよい。また、重要度は機械学習等で決定されるとよい。このように、重要度情報203において、健診・検診/問診情報201の各項目(診断情報を構成する各情報)には重要度(第1の重要度)が対応付けられている。
【0048】
続いて、入力項目判定部131aは入力項目の比較を行う(S322)。ステップS322において、入力項目判定部131aは、トライアル版において入力された項目と重要度によってランク付けされた項目とを比較し、トライアル版において未入力であった項目を本登録版の入力画面300に表示させる。つまり、ステップS322において、入力項目判定部131aはトライアル版の入力項目と、本登録版の入力項目とを比較することで、差分の入力項目(差分項目、つまり、未入力項目)を抽出する。さらに、入力項目判定部131aは、抽出した差分項目のうち、重要度が所定以上の項目を抽出する。これにより、未入力項目のうち、重要度の高い(重要度が所定の値以上の)項目が抽出される。これによって、ステップS311において、利用者はトライアル版と本登録版との差分項目のうち、重要度の高い入力項目(重要度が所定の値以上)を入力すればよい。
【0049】
このようにして、入力項目判定部131a(入力情報抽出部)は、未入力の情報(項目)のうち、重要度が所定の値以上の情報を第2の処理(S311~S316)における入力として選定する。
【0050】
ステップS311~S316の処理(第2の処理)については
図10と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0051】
第4実施形態では、がん発症リスクを算出するのに必要な項目について、がん発症リスク算出に関わる重要度に応じて入力する項目を判定する。要するに、ステップS311において、未入力項目のうち、重要度の高い、つまり、がん発症リスクに対する寄与度が高い項目について入力される。これにより、入力の手間をより低減しつつ効果的ながん発症リスクの算出とリスクランクの算出が可能となる。要するに、重要度判定(S321)が行われることにより、がん発症リスク算出に影響がない範囲で利用者による再入力の手間を低減ことができる。加えて、第4実施形態によれば、重要度が高いが、ステップS111における入力で抜け落ちている項目の入力をフォローすることができる。あるいは、重要だが欠損している項目の補間や補完等(以下補間等と記載)も可能となる。
【0052】
<第5実施形態>
[処理部100Dの構成、及び、フローチャート]
図12は、第5実施形態における処理部100Dの構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
図12において、
図10と同様の構成及び処理については、同一の符号を付して説明を省略し、
図10と異なる箇所のみ説明することとする。
図12に示す処理が
図10に示す処理と異なる点は、ステップS111~S116が過去の本登録版に関する処理(第1の処理)である点である。また、
図12において、入力項目判定部131は、過去の本登録版に対する今回の本登録版において、入力画面300で入力する情報(項目)を効果的に変化させる。具体的には、リスクランク処理システムZは、過去の本登録版において入力された項目と比較して過去に未入力であった項目を、今回の本登録版の項目を入力する際に入力画面300に表示させる。つまり、入力項目判定部131は、ステップS301の入力項目判定で、過去の本登録において、健診・検診/問診情報201のうち、未入力の項目を抽出して、入力処理部111に未入力の項目を利用者に促すよう指示する。
【0053】
このように、入力項目判定部131は、ステップS301において、過去の本登録版に入力された入力項目における未入力項目を判定する。
【0054】
なお、
図10において、入力項目判定部131はトライアル版の入力項目と本登録版の入力項目との差分項目を未入力項目として抽出している。一方、
図12において、入力項目判定部131は、過去の本登録版の入力項目と、今回の本登録版の入力項目との差分項目を未入力項目として抽出している。つまり、入力項目判定部131は、第2の処理(S311~S317)が行われる前、第1の処理(S111~S116)の際に入力された健診・検診/問診情報201(診断情報)のうち、未入力項目(未入力の情報)を抽出する。このように扱うデータが異なるものの、
図10と、
図12とにおいて、入力項目判定部131は実質的に同じ処理を行っている。本実施形態では、
図10と
図12とにおける入力項目判定部131のように、扱うデータが異なっているものの、実質的に同じ処理を行っている構成については同一の符号を付与することとする。ステップ番号についても同様である。
【0055】
例えば、過去の本登録版における処理(S111~S116)では、手元に健診結果がない等の理由で、利用者がわかっている項目のみ入力が行われ、ステップS111~S116の処理が行われる。その後、手元に健診結果をもった状態で、利用者が、再度、リスクランクの算出・表示を希望したとする(S117→Yes)。なお、
図12において、判定部117によるステップS117は、処理を続行することによって、過去の本登録版に対し、再度、本登録版による処理を実行するか否かの判定となる。
【0056】
これにより、入力項目判定部131は、ステップS111における未入力項目をステップS301で判定する。そして、ステップS311で未入力項目が入力される。その後、ステップS311~S316の処理が行われる。なお、ステップS311では、入力画面300(
図4参照)に表示される項目のうち、ステップS111で入力済みの項目がグレーアウトされることで、ステップS111で入力済みの項目が入力不可となっている。あるいは、入力済みの項目が表示されず、未入力項目のみがステップS311で表示されてもよい。このようにすることで、未入力の項目が表示される。つまり、第2の処理(S311~S317)の際に入力される情報は、入力項目判定部131(入力情報抽出部)によって抽出された未入力項目(未入力の情報)である。
【0057】
また、表示処理部116aは、ステップS317において、ステップS116における過去のリスクランクと、ステップS316における今回のリスクランクとを比較表示する。
【0058】
(画面例)
図13は、
図12のステップS317で表示されるリスクランク比較表示画面500の例を示す図である。
図13に示すリスクランク比較表示画面500では、過去(前回)に算出されたリスクランクと、今回算出されたリスクランクとが比較可能に表示されている。なお、過去(前回)に算出されたがん発症リスクとは、
図12のステップS115で算出されたリスクランクであり、今回算出されたリスクランクとは
図12のステップS315で算出されたリスクランクである。
【0059】
第5実施形態では、がん発症リスクを算出するのに必要な項目について、過去に入力された項目に応じて今回入力する項目を判定し、今回の入力では、過去の入力において未入力の情報(未入力項目)のみが入力される。これにより、再入力時の手間を低減しつつ効果的ながん発症リスクや、リスクランクの算出が可能となる。
【0060】
<第6実施形態>
図14は、第6実施形態における処理部100Eの構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
図14において、
図11と同様の構成及び処理については、同一の符号を付して説明を省略し、
図11と異なる箇所のみ説明することとする。また、適宜、
図12を参照する。
【0061】
図14に示す処理は、がん発症リスクの算出に有効ながん種別の項目を、重要度別にランク付けする重要度判定によって項目が重要度(第1の重要度)でランク付けされる。そして、過去の本登録版で入力された項目と、重要度でランク付けされた項目とが比較される。その上で、過去の本登録版で未入力であった項目が、ステップS311において、入力画面300(
図4参照)で表示されることで、今回の本登録版において入力を促される。具体的には、ステップS311で表示される入力画面300において、入力済みの項目がグレーアウトされることで、未入力の項目が表示される。あるいは、入力済みの項目が表示されず、未入力項目のみがステップS311で表示されてもよい。
【0062】
図14に示す処理が
図11に示す処理と異なる点は、
図14に示す処理のステップS111~S116(第1の処理)が過去の本登録版に関する処理である点である。一方、入力項目判定部131aが行う重要度判定(S321)及び入力項目比較(S322)は
図11に示すステップS321,S322と同様であるが、
図11がトライアル版と本登録版との差分項目(未入力項目)に対して行われているのに対し、
図14では過去の本登録版における差分項目(未入力項目)に対して行われている。過去の本登録版における未入力項目については
図12において説明しているため、ここでの説明を省略する。また、重要度も
図11における重要度と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0063】
また、ステップS311~S317の処理(第2の処理)は
図12と同様のため、ここでの説明を省略する。
【0064】
なお、表示処理部116aが行う処理は
図12で表示処理部116aが行う処理と同様の処理である。
【0065】
第6実施形態では、がん発症リスクを算出するのに必要な項目について、過去に入力された項目と、がん発症リスクにおける重要度とに応じて今回入力する項目が判定される。これにより、入力の手間をより低減しつつ、効果的ながん発症リスクや、リスクランクの算出が可能となる。また、第6実施形態では、がん発症リスクを算出するのに必要な項目について、がん発症リスクに関わる重要度に応じて入力する項目を判定する。要するに、ステップS311において、未入力項目のうち、重要度の高い、つまり、がん発症リスクに対する寄与度が高い項目について入力される。このように、重要度判定(S321)が行われることにより、がん発症リスク算出に影響がない範囲で利用者による再入力の手間を低減することができる。加えて、第6実施形態によれば、重要度が高いが、ステップS111における入力で抜け落ちている項目の入力をフォローすることができる。あるいは、重要だが欠損している項目の補間等も可能となる。
【0066】
<第7実施形態>
[処理部100Fの構成、及び、フローチャート]
図15は、第7実施形態における処理部100Fの構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
図15において、
図3と同様の構成及び処理については、同一の符号を付して説明を省略し、
図3と異なる箇所のみ説明することとする。
図15に示す処理では、入力項目判定部131が、外部機器Dとの連携によって自動入力を行い、自動入力された項目を判定し、自動入力されなかった項目について、手動入力が求められる。
【0067】
つまり、まず、外部機器Dによる入力項目の自動入力が入力項目判定部131に対して行われる(S501)。つまり、健診・検診/問診情報201の各項目(診断情報を構成する各情報)の内、所定の情報についての入力が外部機器Dを介して自動入力で行われる。外部機器Dとは、
図1に示す医療機関サーバD2や、保険会社サーバD3等である。なお、外部機器Dによる自動入力は、紙に印刷又は記載された検査値等がOCR(Optical Character Recognition/Reader)によって読み取られることで行われてもよい。
続いて、入力項目判定部131は、健診・検診/問診情報201で入力されるべき項目と、外部入力による入力項目とを比較することにより、自動入力における未入力項目を判定する(入力項目判定:S502)。つまり、入力項目判定部131は、外部機器Dから入力された情報と、計算機C(リスクランク処理装置)に入力されるべき健診・検診/問診情報201(診断情報)とが比較されることで、計算機C(リスクランク処理装置)に入力されるべき健診・検診/問診情報201(診断情報)のうち、未入力項目(未入力の情報)を抽出する。
そして、入力処理部111は、入力項目判定部131によって判定される未入力項目について入力と、ステップS501で入力された項目を受け付けることで、健診・検診/問診情報201を受け付ける(S111)。
ステップS112~S116の処理は
図3と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0068】
第7実施形態では、がん発症リスクを算出するのに必要な項目について、外部機器Dと連携することで自動入力をおこなう。例えば、情報を保持している機器と連携することで自動入力が行われたり、紙に記載された検査結果がOCRで取り込まれ、これが自動入力されたりする。また、データに欠損があったり、外部機器Dとの連携によって取得できなかったりした項目については、手動入力が必要となる。
図15に示す入力項目判定(S502)によって、手動入力が必要な項目の判定が行われる。このように、自動入力と、自動入力できなかった項目についての手動入力との併用により、入力の手間をより低減しつつ効果的ながん発症リスクの算出や、リスクランクの算出が可能となる。
【0069】
<第8実施形態>
図16は、第8実施形態における処理部100Gの構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
図16において、
図15と同様の構成及び処理については、同一の符号を付して説明を省略し、
図15と異なる箇所のみ説明することとする。
図16において、
図15と異なる点は、入力項目判定部131aが、重要度情報203を参照して、重要度判定(S321)及び入力項目比較(S322)が行われている点である。
【0070】
ステップS321では、重要度情報203を参照して、入力項目判定部131aが健診・検診/問診情報201の各入力項目の重要度(第4の重要度)を取得する。重要度は予め健診・検診/問診情報201の各入力項目に対して割り振られている。
図16における重要度は、
図11における重要度と同様のものである。
続いて、入力項目判定部131aは、ステップS501における自動入力に対する未入力項目を抽出し、抽出した未入力項目と、ステップS321で取得した重要度とを比較する(入力項目比較:S322)。これにより、未入力項目のうち、重要度の高い(重要度が所定の値以上の)項目が抽出される。
【0071】
入力処理部111は、ステップS322で除外されなかった未入力項目(重要度が所定の値より大きい項目)について、利用者からの入力(手入力)を受け付ける。つまり、入力処理部111は、未入力項目(未入力の情報)について利用者(対象者)の入力を促すことによって、利用者は未入力項目を手入力で入力する。また、入力処理部111は、未入力項目とともに、ステップS501で自動入力された項目も受け付ける。これにより、入力処理部111は健診・検診/問診情報201を受け付ける(S111)。
ステップS312~S316の処理は、
図3に示す処理と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0072】
第8実施形態では、ステップS501における自動入力に対する未入力項目と、ステップS321で取得した重要度とが入力項目判定部131aによって比較される(入力項目比較:S322)。重要度(第4の重要度)は、前記したように、健診・検診/問診情報201の各項目(診断情報を構成する各情報)に対応付けられている。これにより、未入力項目のうち、重要度の高い(重要度が所定の値以上の)項目が抽出される。つまり、入力項目判定部131a(入力情報抽出部)は、重要度に基づいて、未入力項目(未入力の情報)のうち、重要度が所定の値以上の情報を第2の処理(S311~S316)における入力対象として選定する。
このように、重要度判定(S321)が行われることにより、がん発症リスク算出に影響がない範囲で利用者による再入力の手間を低減することができる。加えて、第8実施形態によれば、重要度が高いが、ステップS111における入力で抜け落ちている項目の入力をフォローすることができる。あるいは、重要だが欠損している項目の補間等も可能となる。
【0073】
<第9実施形態>
[処理部100Hの構成、及び、フローチャート]
図17は、第9実施形態における処理部100Hの構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
図17において、
図10と同様の構成及び処理については、同一の符号を付して説明を省略し、
図10と異なる箇所のみ説明することとする。
図17では、入力項目判定部131bが、トライアル版の入力後であって、トライアル版で入力された項目の有効期限を判定する期限判定を行う。
つまり、まず、ステップS111~S116(第1の処理)においてトライアル版の処理が行われる。要するに、入力された健診・検診/問診情報201(診断情報)を基に、リスク算出部112(発症リスク算出部)、比較部114、及び、リスクランク算出部115は、第1の処理(S111~S116)を行う。
【0074】
続いて、ステップS601の期限判定において、入力項目判定部131bは、
図10と同様、トライアル版において未入力の項目を抽出する。さらに、ステップS601において、入力項目判定部131bは、期限情報204を参照して、トライアル版において入力された項目のうち、期限が切れている項目を抽出する。例えば、健康診断が1年毎に行われることが分かっている場合、1年を経過した入力項目がステップS601で抽出される。期限情報204において、健診・検診/問診情報201の各項目(診断情報を構成する各情報)には有効期限が割り当てられている。このように、入力項目判定部131bは、第2の処理(S311~S316)が行われる前、第1の処理(S111~S116)の際に入力された健診・検診/問診情報201(診断情報)のうち、未入力項目(未入力の情報)を抽出するとともに、第1の処理の際に入力された情報のうち、有効期限を過ぎている情報を抽出する。
【0075】
そして、ステップS311では、ステップS111(トライアル版における健診・検診/問診情報201の入力)における未入力項目とともに、ステップS601で期限が切れていると判定された入力項目の入力が受け付けられる。つまり、第2の処理(S311~S316)の際に入力される情報は、入力項目判定部131b(入力情報抽出部)によって抽出された未入力の項目(情報)と、有効期限を過ぎている情報である。
【0076】
以降、ステップS311~S316の処理が行われる。つまり、ステップS111~S116(第1の処理)の後、入力される情報を基に、リスク算出部112(発症リスク算出部)、比較部114、及び、リスクランク算出部115は、ステップS311~S316の処理(第2の処理)を行う。
【0077】
第9実施形態では、がん発症リスクを算出するために必要な項目について、各項目に対して有効期限が設定され、今回の本登録版で入力する項目の期限が判定される。トライアル版で入力された項目を流用することは手間の省力化に繋がるが、古い入力情報であると、今回の本登録版において、がん発症リスクや、リスクランクを正確に算出することが困難となる。そのため、項目に対して有効期限が設定され、有効期限が超過した項目は新規入力が必要な項目として、今回の入力に必要な項目が判定されることで、より正確ながん発症リスクの算出や、リスクランクの算出が可能となる。
【0078】
<第10実施形態>
[処理部100Iの構成、及び、フローチャート]
図18は、第10実施形態における処理部100Iの構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
図18において、
図17と同様の構成及び処理については、同一の符号を付して説明を省略し、
図17と異なる箇所のみ説明することとする。また、適宜、
図11を参照する。
図18では、期限判定(S601)が行われた後、入力項目判定部131cが重要度判定(S321)及び入力項目比較(S322)を行う。なお、ステップS601では期限情報204(
図1参照)、ステップS321では重要度情報203(
図1参照)が参照されているが、図が煩雑になるのを避けるため、
図18では図示省略している。ちなみに、重要度情報203において、健診・検診/問診情報201の各項目(診断情報を構成する各情報)には重要度(第2の重要度)が対応付けられている。
図18における重要度は、
図11における重要度と同様のものである。
【0079】
ステップS321において、入力項目判定部131cは、
図11のステップS321と同様、重要度情報203において予め割り当てられている項目の重要度を基に、健診・検診/問診情報201の項目について重要度を判定する。
そして、ステップS322において、入力項目判定部131cは、期限情報204を参照して、ステップS601において抽出された未入力項目、及び、期限が切れている入力項目と、ステップS321における重要度を比較する(入力項目比較)。そして、入力項目判定部131cは、未入力項目、及び、期限が切れている入力項目のうち、重要度が低い(重要度が所定の値以下)の入力項目を入力対象から除外する。このようにして、入力項目判定部131c(入力情報抽出部)は、未入力項目(未入力の情報)、及び、有効期限を過ぎている項目(情報)のうち、重要度が所定の値以上の項目(情報)を第2の処理(S311~S316)において入力される情報として選定する。
【0080】
そして、ステップS311において、利用者は、トライアル版における処理における未入力項目、及び、期限が切れている入力項目のうち、重要度が高い(重要度が所定の値より大きい)入力項目のみを入力する。
【0081】
第10実施形態では、期限判定と、重要度判定とが行われている。期限判定が行われることで、古い入力情報を新規に入力し直すことができる。加えて、第10実施形態によれば、重要度判定(S321)が行われることにより、がん発症リスク算出に影響がない範囲で利用者による再入力の手間を低減ことができる。加えて、第10実施形態によれば、重要度が高いが、ステップS111における入力で抜け落ちている項目の入力をフォローすることができる。あるいは、重要だが欠損している項目の補間等も可能となる。
【0082】
<第11実施形態>
図19は、第11実施形態における処理部100Jの構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
図19において、
図17と同様の構成及び処理については、同一の符号を付して説明を省略し、
図17と異なる箇所のみ説明することとする。また、適宜、
図12を参照する。
図19に示す処理が、
図17に示す処理と異なる点は、ステップS111~S116(第1の処理)が過去の本登録版に関する処理である点である。従って、
図19に示す処理は、ステップS111~S116の処理が過去の本登録版による処理になったこと以外は
図17に示す処理と同じである。
【0083】
つまり、まず、ステップS111~S116において本登録版についての処理が行われる。要するに、入力された健診・検診/問診情報201(診断情報)を基に、リスク算出部112(発症リスク算出部)、比較部114、及び、リスクランク算出部115は、第1の処理(S111~S116)を行う。
続いて、
図12と同様、ステップS111~S116の段階において、手元になかった健診結果等を基に、再度、本登録処理が行われることで、処理が続行されるものとする(S117→Yes)。この際、入力項目判定部131bは、
図12と同様、過去の本登録版における処理における未入力の項目を抽出する。さらに、入力項目判定部131bは、期限情報204を参照して、過去の本登録版における処理において入力された項目のうち、期限が切れている項目を抽出する(期限判定:S601)。期限情報204において、健診・検診/問診情報201の各項目(診断情報を構成する各情報)には有効期限が割り当てられている。例えば、健康診断が1年毎に行われることが分かっている場合、期限情報204において、当該健康診断に関する項目の有効期限が1年と記録されている。そして、1年を経過した入力項目がステップS601で抽出される。このように、入力項目判定部131b(入力情報抽出部)は、第2の処理(S311~S317)が行われる前、第1の処理の際に入力された健診・検診/問診情報201(診断情報)のうち、未入力項目(未入力の情報)を抽出するとともに、第1の処理の際に入力された項目(情報)のうち、有効期限を過ぎている項目(情報)を抽出する。
【0084】
そして、ステップS311では、ステップS111(過去の健診・検診/問診情報201の受け付け)における未入力項目とともに、ステップS601で期限が切れていると判定された入力項目の入力が受け付けられる。つまり、前記第2の処理の際に入力される前記情報は、前記入力情報抽出部によって抽出された前記未入力の情報と、前記有効期限を過ぎている情報である。これにより、ステップS311では、入力処理部111が健診・検診/問診情報201の受け付けを行う。
【0085】
以降(第1の処理の後)、入力される項目(情報)を基に、リスク算出部112(発症リスク算出部)、比較部114、及び、リスクランク算出部115は、第2の処理(S311~S317)を行う。
【0086】
なお、表示処理部116aは、
図12における表示処理部116aと同様の処理を行う。
【0087】
第11実施形態では、がん発症リスクを算出するために必要な項目について、過去に入力された情報に対して有効期限が設定され、今回入力する項目の期限が判定される。過去に入力された項目を流用することは手間の省力化に繋がるが、古い入力情報であると、今回のがん発症リスクや、リスクランクを正確に算出することが困難となる。そのため、項目に対して有効期限が設定され、有効期限が超過した項目は新規入力が必要な項目として、今回の入力に必要な項目が判定されることで、より正確ながん発症リスクの算出や、リスクランクの算出が可能となる。
【0088】
<第12実施形態>
図20は、第12実施形態における処理部100Kの構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
図20において、
図19と同様の構成及び処理については、同一の符号を付して説明を省略し、
図19と異なる箇所のみ説明することとする。また、適宜、
図14を参照する。
図20では、過去の本登録版によるステップS111~S116の処理、及び、期限判定(S601)が行われた後、入力項目判定部131cが重要度判定(S321)及び入力項目比較(S322)を行う。
ステップS321において、入力項目判定部131cは、重要度情報203を参照して、予め割り当てられている項目の重要度(第2の重要度)を基に、健診・検診/問診情報201の項目について重要度を判定する。重要度情報203において、健診・検診/問診情報201の各項目(診断情報を構成する各情報)には重要度が対応付けられている。この処理は、
図14のステップS321と同様である。
【0089】
そして、ステップS322において、入力項目判定部131cは、ステップS601において抽出された未入力項目、及び、期限が切れている入力項目と、ステップS321における重要度を比較する(入力項目比較)。そして、入力項目判定部131cは、未入力項目、及び、期限が切れている入力項目のうち、重要度が高い(重要度が所定の値以上)の入力項目を入力対象として抽出する。つまり、入力項目判定部131c(入力情報抽出部)は、未入力項目(未入力の情報)、及び、有効期限を過ぎている項目(情報)のうち、重要度が所定の値以上の情報を第2の処理において入力される情報として選定する。なお、ステップS601において期限情報204(
図19参照)が参照され、ステップS321において重要度情報203(
図14参照)が参照されるが、図が煩雑になるのを避けるため、
図20では期限情報204、重要度情報203を図示省略している。
【0090】
そして、ステップS311において、利用者は、過去の本登録処理における未入力項目、及び、期限が切れている入力項目のうち、重要度が高い(重要度が所定の値より大きい)入力項目のみを入力する。これに加え、ステップS311では、入力処理部111がステップS111で入力された項目を受け付けることで健診・検診/問診情報201の受け付けが行われる。
【0091】
なお、表示処理部116aは、
図14における表示処理部116aと同様の処理を行う。
【0092】
第12実施形態では、期限判定と、重要度判定とが行われている。期限判定が行われることで、古い入力情報を新規に入力し直すことができる。加えて、重要度判定(S321)が行われることにより、がん発症リスク算出に影響がない範囲で利用者による再入力の手間を低減することができる。加えて、第4実施形態によれば、重要度が高いが、ステップS111における入力で抜け落ちている項目の入力をフォローすることができる。あるいは、重要だが欠損している項目の補間等も可能となる。
【0093】
<第13実施形態>
[処理部100Lの構成、及び、フローチャート]
図21は、第13実施形態における処理部100Lの構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
図21において、
図18と同様の構成及び処理については、同一の符号を付して説明を省略し、
図18と異なる箇所のみ説明することとする。
図21において、
図18と異なる点は、入力項目判定部131dが、ステップS601の後、過去に入力された情報、並びに、過去のがん発症リスクと過去のリスクランク算出結果から利用者個別の重要度(第3の重要度)を判定する重要度判定を行っている点である(S321a)。
なお、ステップS111~S116ではトライアル版に関する処理が行われ、ステップS311~ステップS316では本登録版に関する処理が行われる。
【0094】
図11、
図18等では、利用者に関係なく、単に項目の重要度が予め割り当てられている。これに対し、
図21では、利用者に関するがん種別のがん発症リスクや、リスクランクや、性別や、年齢(対象者に関する情報)毎に重要度を変化させる。例えば、肺がんのがん発症リスクあるいはリスクランクが高い利用者について、喫煙に関する項目の重要度が最高ランクとなる。また、利用者の性別が女性であれば、乳がんや、子宮がんに関する項目の重要度が最高ランクとなる。逆に、利用者が男性であれば、乳がんや、子宮がんに関する項目の重要度が最低ランクとなる。また、利用者の年齢が所定の年齢以上であれば、大腸がん等に関する項目の重要度が最高ランクになる。このように、第13実施形態では、健診・検診/問診情報201の各項目(診断情報を構成する各情報)に対して、がん発症リスク(発症リスク)及び利用者(対象者)に関する情報(性別や、年齢等)に基づいた重要度(第3の重要度)が対応付けられている。重要度は、がん発症リスク、リスクランク、及び、利用者に関する情報のうち、少なくともいずれかに対応付けられていればよい。
【0095】
そして、ステップS321a及びステップS322において、入力項目判定部131dは、がん発症リスクや、性別や、年齢(対象者に関する情報)毎に設定されている重要度を基に、
図18のステップS321及びステップS322と同様の処理を行う。これによって、トライアル版において未入力の項目のうち、重要度が高い(所定の値以上)の項目が抽出される。つまり、入力項目判定部131d(入力情報抽出部)は、第1の処理(S111~S116、特にS112)で算出された発症リスク、及び、発症リスクの算出対象者に関する情報のうち、少なくとも一方に基づいた重要度に基づいて、前記第2の処理において入力される情報を選定する。
【0096】
このような処理は、予め重要度と、がん種別毎のがん発症リスク、性別、年齢等の情報とが重要度情報203において対応付けられておくことで可能となる。対応付けは、機械学習等を用いて行われるとよい。なお、ステップS601において期限情報204(
図19参照)が参照され、ステップS321aにおいて重要度情報203(
図14参照)が参照されるが、図が煩雑になるのを避けるため、
図21では期限情報204、重要度情報203を図示省略している。
【0097】
第13実施形態では、がん発症リスクの算出に必要な項目について、トライアル版によるがん発症リスクの値や、リスクランクから、利用者の過去の状態を鑑み、今回入力する項目が判定されている。つまり、トライアル版で入力された健診・検診や問診情報だけでなく、利用者の過去の状態を鑑み、今回入力する項目が判定されている。このようにすることで、利用者個別の状態に適した入力項目について、再入力を求めることが可能となる。
この結果、入力の手間をより低減しつつ、効果的ながん発症リスクや、リスクランクの算出が可能となる。
【0098】
<第14実施形態>
図22は、第14実施形態における処理部100Mの構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
図22において、
図21と同様の構成及び処理については、同一の符号を付して説明を省略し、
図21と異なる箇所のみ説明することとする。
図21では、ステップS111~S116においてトライアル版に関する処理、ステップS311~S316において本登録版に関する処理が行われている。これに対し、
図22では、ステップS111~S116において過去の本登録版に関する処理、ステップS311~S316において今回の本登録版に関する処理が行われている。このように、トライアル版が過去の本登録版に置き換わっただけであるので、それぞれの処理についての詳細な説明を省略する。
【0099】
つまり、第14実施形態では、健診・検診/問診情報201の各項目(診断情報を構成する各情報)に対して、がん発症リスク(発症リスク)及び利用者(対象者)に関する情報(性別や、年齢等)に基づいた重要度(第3の重要度)が対応付けられている。重要度は、がん発症リスク、及び、利用者に関する情報のうち、少なくとも一方に対応付けられていればよい。
そして、ステップS321a及びステップS322において、入力項目判定部131d(入力情報抽出部)は、第1の処理(S111~S116、特にS112)で算出された発症リスク、及び、発症リスクの算出対象者に関する情報のうち、少なくとも一方に基づいた重要度に基づいて、前記第2の処理において入力される情報を選定する。なお、表示処理部116aは、
図20と同様の処理を行う。
【0100】
第14実施形態では、がん発症リスクの算出に必要な項目について、過去のがん発症リスクの値や、リスクランクから、利用者の過去の状態を鑑み、今回入力する項目が判定されている。つまり、過去に入力された健診・検診や問診情報だけでなく、利用者の過去の状態を鑑み、今回入力する項目が判定されている。このようにすることで、利用者個別の状態に適した入力項目について、再入力を求めることが可能となる。
この結果、入力の手間をより低減しつつ、効果的ながん発症リスクや、リスクランクの算出が可能となる。
【0101】
また、ステップS321aのような重要度判定は、
図11、
図14におけるステップS321等で適用することも可能である。さらに、
図21、
図22において、期限判定(S601)が省略されてもよい。
【0102】
<第15実施形態>
[処理部100Nの構成、及び、フローチャート]
図23は、第15実施形態における処理部100Nの構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
図23において、
図3と同様の構成及び処理については、同一の符号を付して説明を省略し、
図3と異なる箇所のみ説明することとする。
図23に示す処理部100Nが
図3に示す処理部100Nと異なる点は、未来予測部141及び表示処理部116bを備えている点である。
未来予測部141は、ステップS115の後において、利用者のがん発症リスクについて未来の状態を予測する未来予測を行う(S701)。そして、表示処理部116bは、ステップS701で行われた未来予測の状態を表示する(未来状態表示:S702)。なお、ステップS702では、
図3のステップS116で表示されるリスクランク表示画面400(
図6参照)も表示される。
【0103】
ステップS701において、未来予測部141は、利用者に関する過去のがん発症リスクから回帰予測等によってがん発症リスクの未来の状態を予測する。あるいは、未来予測部141は、現在のがん発症リスクと統計情報とを基にがん発症リスクの未来の状態を予測してもよい。例えば、現在の年齢におけるがん発症リスクと、統計的に予め算出されている年齢毎のがん発症リスクと比較することで、未来予測部141が、がん発症リスクの未来の状態を予測してもよい。このように、未来予測部141は、算出されたがん発症リスク(発症リスク)に基づいて、将来におけるがん発症リスク(発症リスク)を予測する。
【0104】
(画面例)
図24は、
図23のステップS702で表示される未来予測状態画面600の例を示す図である。
図24に示すように、未来予測状態画面600にはステップS701で算出されたがん発症リスク(リスク)に関する未来の予測値が実線曲線601として示されている。なお、
図24に示すように、利用者が実線曲線601における所定の箇所をクリック等により選択入力すると、破線602,603が表示され、選択入力したがん発症リスクに到達するのがいつになるのかを利用者が把握することができる。このように、表示処理部116b(
図23参照:出力処理部)は、予測された将来におけるがん発症リスク(発症リスク)を表示装置5(
図1参照:出力部)に出力する。
【0105】
第15実施形態では、未来の状態を予測し可視化することが可能となる。利用者が、未来の姿を知ることでより自分事と捉えやすくなり、行動変容に繋がりやすくなる。
【0106】
<第16実施形態>
図25は、第16実施形態における処理部100Pの構成、及び、処理の手順を示すフローチャートである。
図25において、
図23と同様の構成及び処理については、同一の符号を付して説明を省略し、
図23と異なる箇所のみ説明することとする。
図25に示す処理部100Pは、再入力部151、アドバイス表示部152(アドバイス出力部)、施設検索・予約部153(施設情報出力部)、リスク検査表示部154(リスク検査情報出力部)を備えている点が
図23に示す処理部100Pと異なっている。
【0107】
再入力部151は、
図26に示すように未来予測状態画面600aに再入力領域620を表示する。利用者は再入力領域620において項目を再入力する(
図25のS711)が、この際、改善したい健診・検診/問診情報201の項目を変化させる。例えば、喫煙の項目(符号621)を「する」→「しない」に入力し直したり、飲酒の項目(符号622)を「する」→「しない」に入力し直したりする。このように、再入力部151は、未来予測部141による処理の終了後、健診・検診/問診情報201の項目(診断情報を構成する情報)について、入力内容の変更を利用者(対象者)に促す。
【0108】
そして、
図26に示す実行ボタン630が選択入力されることによって、項目を再入力された健診・検診/問診情報201を用いて、処理部100Pは
図25のステップS111~S702の処理を行うことによってリスクランクの算出、未来予測を再度行う。つまり、リスク算出部112(発症リスク算出部)は、変更された入力内容を基にがん発症リスク(発症リスク)を算出し、未来予測部141は、変更された入力内容を基に、将来におけるがん発症リスク(発症リスク)を予測する。
【0109】
図26の未来状態予測表示領域610において破線曲線611は再入力される前の健診・検診/問診情報201を用いた未来予測状態を示している。そして、未来状態予測表示領域610において実線曲線612は再入力された健診・検診/問診情報201を用いた未来予測状態を示している。このように、表示処理部116b(
図25参照:出力処理部)は、変更された入力内容を基に算出された、将来におけるがん発症リスク(発症リスク:実線曲線612)と、変更される前の入力内容を基に算出された、将来におけるがん発症リスク(発症リスク:破線曲線611)と、を比較可能となるよう前記出力部に出力する。
なお、利用者が実線曲線612における所定の箇所をクリック等により選択入力すると、
図24と同様、破線602,603が表示され、選択入力したがん発症リスクに到達するのがいつになるのかを利用者が把握することができる。
【0110】
また、アドバイス表示部152は、アドバイス情報205を参照して、
図27に示すようなアドバイス表示画面700を表示装置5に表示する(アドバイス表示:
図25のS721)。
図27に示すように、アドバイス表示画面700は、がん発症リスクが高い(がん発症リスクが所定の値以上)と判定されたがん種についてのアドバイスが表示される。このようなアドバイス表示画面700は、予めがん種とアドバイスの情報とが対応付けられているアドバイス情報205を基に表示される。ここで、アドバイス情報205には、がん種(病気の内容)とアドバイスの情報とが対応付けられている。また、アドバイス表示部152(アドバイス出力部)は、算出されたがん発症リスク(発症リスク)に対応するがん種(病気の内容)に応じたアドバイスの情報を表示装置5(
図1参照:出力部)に出力する。
【0111】
さらに、施設検索・予約部153は、施設情報206を参照して、
図28に示す施設検索・予約画面800を表示装置5に表示することで、利用者に精密検査や、治療を行う施設の検索や、予約を促す(施設検索・予約:
図25のS722)。施設情報206には、施設に関する情報が格納されている。
【0112】
図25のステップS722において、
図28に示すように施設検索・予約画面800は、条件入力領域810及び検索結果表示領域820を有している。条件入力領域810では、
図28に示すように利用者が希望する施設の場所や、要望等を入力する。施設は、精密検査や、がん種に応じた治療を行うための施設である。
【0113】
そして、条件入力領域810に条件が入力された後、利用者が検索ボタン801を選択入力することによって、施設検索・予約部153は施設情報206(
図25参照)を検索する。そして、施設検索・予約部153は、がん発症リスクに応じたがん種、及び、条件入力領域810(
図28参照)で入力された条件に適合する施設を検索結果表示領域820(
図28参照)に表示する。このように、施設検索・予約部153(施設情報出力部)は、施設情報206に格納されている施設に関する情報のうち、がん発症リスク(発症リスク)に関するがん種(病気の内容)に応じており、かつ、所定の条件(要望)で絞り込まれた施設に関する情報を表示装置5(
図1参照:出力部)に出力する。
【0114】
なお、
図27に示すように、検索結果表示領域820には、施設紹介・予約HP移動ボタン821が表示されている。利用者が施設紹介・予約HP移動ボタン821を選択入力すると、施設紹介・予約HP移動ボタン821に対応する施設の施設紹介HPや、施設の予約HPにアクセスできるようにすることができる。
【0115】
また、
図25に示すようにリスク検査表示部154は、リスク検査情報207を参照してリスク検査情報表示を行う(S723)。ステップS723のリスク検査情報表示では、
図29に示すようなリスク検査情報表示画面900が表示装置5に表示される。前記したように、リスク検査とは、唾液や尿等によってがん発症リスクを評価する簡易な検査である。また、リスク検査情報207には、リスク検査に関する情報が格納されている。
【0116】
図29に示すように、リスク検査情報表示画面900では、リスク検査に関する説明文901と、リスク検査を行う施設の紹介領域910とが表示されている。
図29に示すリスク検査情報表示画面900は、それぞれのがん発症リスクに対するがん種毎に、リスク検査の説明情報、及び、リスク検査を行う施設の情報が対応付けられているリスク検査情報207(
図25参照)をリスク検査表示部154(
図25参照)が検索することによって表示される。このように、リスク検査表示部154(リスク検査情報出力部)は、がん発症リスク(発症リスク)に関するがん種(病気の内容)に応じたリスク検査に関する情報を表示装置5(
図1参照:出力部)に出力する。
【0117】
なお、
図29に示すように、施設の紹介領域910には、施設紹介・予約HP移動ボタン911が表示されており、利用者が施設紹介・予約HP移動ボタン911を選択入力すると、利用者は施設紹介・予約HP移動ボタン911に対応付けられている施設の施設紹介HPや、施設の予約HPにアクセスすることができる。
【0118】
第16実施形態では、再入力によるがん発症リスク、リスクランクの再計算や、アドバイスにより、利用者は自分の状態をより深くしることができ、今後どのような行動をとればよいかといった知識を得ることができる。また、アドバイス表示部152、施設検索・予約部153、リスク検査表示部154により、利用者が、自分に必要な情報や、検査や、治療を行うための施設を知ることで、利用者が納得した行動をとれるようになる。
【0119】
なお、前記したように、がん発症リスクではない所定の病気の発症リスクに対して本実施形態の手法を適用可能である。この場合、
図25におけるアドバイス表示(S721)、施設検索・予約(S722)、リスク検査情報表示(S723)では、発症リスクに対応する病気について、それぞれの処理が行われる。
【0120】
なお、
図25に示す処理において、再入力(S711)、アドバイス表示(S721)、施設検索・予約(S722)、リスク検査情報表示(S723)のすべてがじっこうされなくてもよい。再入力(S711)、アドバイス表示(S721)、施設検索・予約(S722)、リスク検査情報表示(S723)のうち、少なくとも1つが実行されるよう、構成されてもよい。
【0121】
なお、
図24に示す実線曲線601が利用者によって下方にドラッグされることにより、画面内において、例えば下方に引き下げられてもよい。そして、引き下げられたがん発症リスクを実現するためには、健診・検診/問診情報201の各項目をどのようにすればよいか(喫煙本数を減らす等)が算出され、表示されてもよい。
【0122】
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を有するものに限定されるものではない。
【0123】
また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、
図11に示す処理と、
図25に示す処理とが組み合わされて、
図11に示すように、トライアル版の後、本登録版の処理が行われ、その本登録に対して、未来予測(
図25のS701)や、再入力(
図25のS711)、アドバイス表示(S721)、施設検索・予約(
図25のS722)、リスク検査情報表示(
図25のS723)が行われてもよい。
【0124】
また、
図12、
図14、
図19、
図20、
図22の処理等において、本登録の処理が2回行われているが、3回以上行われてもよい。この場合、例えば、
図12のステップS316が終了した後、ステップS117(Yes)→ステップS301→ステップS311の順に処理が進めばよい。
図14、
図20、
図22に示す処理でも同様である。
【0125】
また、前記した各構成、機能、各部101,101a,100,100A~100N,100P(111,112,113,113a,114,114a,115,116,116a,116b,121,131,131a~131d,141,151,152,153,154)、補助記憶装置2等は、それらの一部又はすべてを、例えば集積回路で設計すること等によりハードウェアで実現してもよい。また、
図1に示すように、前記した各構成、機能等は、中央制御装置3(CPU)等のプロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、HD(Hard Disk)に格納すること以外に、メモリや、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、IC(Integrated Circuit)カードや、SD(Secure Digital)カード、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に格納することができる。
【0126】
また、各実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんどすべての構成が相互に接続されていると考えてよい。
【符号の説明】
【0127】
4 入力装置
5 表示装置(出力部)
100,100A~100N,100P 処理部
101,101a 基準リスク算出部
111 入力処理部
112 リスク算出部(発症リスク算出部)
113,113a 基準リスク取得部
114,114a 比較部
115 リスクランク算出部
116,116a,116b 表示処理部(出力処理部)
117 判定部
121 分類部
131,131a,131b,131c,131d 入力項目判定部(入力情報抽出部)
141 未来予測部
151 再入力部
152 アドバイス表示部(アドバイス出力部)
153 施設検索・予約部(施設情報出力部)
154 リスク検査表示部(リスク検査情報出力部)
201 健診・検診/問診情報(診断情報)
202 基準リスク情報(基準リスクを格納)
202a 同類基準リスク情報(同類基準リスクを格納)
203 重要度情報(第1の重要度、第2の重要度、第3の重要度、第4の重要度を格納)
204 期限情報
205 アドバイス情報
206 施設情報
207 リスク検査情報
300 入力画面
400,400a リスクランク表示画面
401 リスクランク表示領域
402 類別クラス比較領域
500 リスクランク比較表示画面
600,600a 未来予測状態画面
610 未来状態予測表示領域
620 再入力領域
700 アドバイス表示画面
800 施設検索・予約画面
801 検索ボタン
810 条件入力領域
820 検索結果表示領域
821,911 施設紹介・予約HP移動ボタン
900 リスク検査情報表示画面
901 説明文
910 紹介領域
C 計算機(リスクランク処理装置)
D 外部機器
D1 端末装置
D2 医療機関サーバ
D3 保険会社サーバ
Z リスクランク処理システム
S111 健診・検診/問診情報受付(第1の処理、健診・検診/問診情報受付ステップ)
S112 がん発症リスク算出(第1の処理、発症リスク算出処理、発症リスクを算出)
S113 基準リスク取得(第1の処理、基準リスク取得ステップ、基準リスクの取得)
S114 比較(第1の処理、比較ステップ)
S115 リスクランク算出(第1の処理、リスクランク算出ステップ、リスクランクを算出)
S116 リスクランク表示(第1の処理、出力処理ステップ)
S311 健診・検診/問診情報受付(第2の処理)
S312 がん発症リスク算出(第2の処理)
S313 基準リスク取得(第2の処理)
S314 比較(第2の処理)
S315 リスクランク算出(第2の処理)
S316 リスクランク表示(第2の処理)
S307 比較表示(第2の処理)