(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103066
(43)【公開日】2023-07-26
(54)【発明の名称】ギヤ駆動機構及びプリンタ
(51)【国際特許分類】
F16H 55/18 20060101AFI20230719BHJP
B41J 23/02 20060101ALI20230719BHJP
B41J 11/04 20060101ALI20230719BHJP
B65H 5/06 20060101ALI20230719BHJP
F16H 1/16 20060101ALI20230719BHJP
F16H 1/06 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
F16H55/18
B41J23/02 B
B41J11/04
B65H5/06 J
F16H1/16 Z
F16H1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022003913
(22)【出願日】2022-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】501398606
【氏名又は名称】富士通コンポーネント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 林太郎
(72)【発明者】
【氏名】千葉 雅史
【テーマコード(参考)】
2C058
3F049
3J009
3J030
【Fターム(参考)】
2C058AC06
2C058AC07
2C058AC08
2C058AF29
2C058AF31
2C058DA10
3F049CA31
3F049DB01
3F049LA01
3F049LB01
3J009DA11
3J009EA04
3J009EA06
3J009EA11
3J009EA19
3J009EA21
3J009EA23
3J009EA32
3J009EA44
3J009EB24
3J009ED04
3J009FA14
3J030AB01
3J030BA01
3J030BA03
3J030BC02
3J030BD02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ギヤピッチを細かく設定できるギヤ駆動機構を提供する。
【解決手段】本開示の一態様によるギヤ駆動機構は、第1のギヤと、第1のギヤと噛み合う第2のギヤと、第1のギヤを回転させる第1のモータ44と、第1のモータが固定されるプレート45と、プレートを第1のギヤの方向に移動させ、第2のギヤに対する第1のギヤの位置を調整する駆動部46と、を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のギヤと、
前記第1のギヤと噛み合う第2のギヤと、
前記第1のギヤを回転させる第1のモータと、
前記第1のモータが固定されるプレートと、
前記プレートを前記第1のギヤの方向に移動させ、前記第2のギヤに対する前記第1のギヤの位置を調整する駆動部と、
を有する、ギヤ駆動機構。
【請求項2】
前記駆動部は、
前記第1のギヤのギヤ軸と直交して配置される回転軸と、
前記回転軸の回転運動を直線運動に変換し、前記プレートを前記第1のギヤの前記ギヤ軸と直交する方向に移動させる運動変換機構と、
を有する、
請求項1に記載のギヤ駆動機構。
【請求項3】
前記運動変換機構は、
前記プレートに形成されるネジ溝と、
前記回転軸に設けられ、前記ネジ溝と噛み合うことで前記プレートの位置を調整する調整ネジと、
を有する、
請求項2に記載のギヤ駆動機構。
【請求項4】
前記プレートは、該プレートを前記第1のギヤのギヤ軸と直交する方向に移動可能に案内するガイド穴を有する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のギヤ駆動機構。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のギヤ駆動機構と、
前記ギヤ駆動機構により回転するプラテンローラと、
を備える、
プリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ギヤ駆動機構及びプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
レシート等を発行するプリンタは、ATM(Automated Teller Machine)、チケット発券機、キオスク端末等の用途に幅広く用いられている。このようなプリンタは、サーマルヘッドとプラテンローラとの間に記録紙が挟まれ、プラテンローラの回転による紙送りとサーマルヘッドへの圧着により、記録紙への印字が行われる。
【0003】
モータと、モータの動力をプラテンローラの回転軸に伝える複数のギヤとを有するギヤ駆動機構が設けられたプリンタでは、モータを回転させることにより複数のギヤを介してプラテンローラを回転させることができる。
【0004】
ベベルギヤのバックラッシュを調整する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ギヤ駆動機構においては、適切なバックラッシュを作るため各部品の公差と組立て精度を考慮してギヤピッチが設定される。しかしながら、ギヤピッチは各部品の出来合い及び作業者の組立作業のばらつきに依存するため、細やかなギヤピッチの設定ができず、狙い通りのバックラッシュにできない場合がある。
【0007】
このため、ギヤピッチを細かく設定できるギヤ駆動機構が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様によるギヤ駆動機構は、第1のギヤと、前記第1のギヤと噛み合う第2のギヤと、前記第1のギヤを回転させる第1のモータと、前記第1のモータが固定されるプレートと、前記プレートを前記第1のギヤの方向に移動させ、前記第2のギヤに対する前記第1のギヤの位置を調整する駆動部と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ギヤピッチを細かく設定できるギヤ駆動機構を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態のプリンタの一例を示す斜視図(1)
【
図2】実施形態のプリンタの一例を示す斜視図(2)
【
図3】実施形態のプリンタの一例を示す斜視図(3)
【
図4】実施形態のプリンタのギヤ駆動機構の一例を示す斜視図(1)
【
図5】実施形態のプリンタのギヤ駆動機構の一例を示す斜視図(2)
【
図6】実施形態のプリンタのギヤ駆動機構の一例を示す斜視図(3)
【
図7】実施形態のプリンタのギヤ駆動機構の一例を示す平面図(1)
【
図8】実施形態のプリンタのギヤ駆動機構の一例を示す平面図(2)
【
図9】実施形態のプリンタのギヤ駆動機構の第1変形例を示す斜視図
【
図10】実施形態のプリンタのギヤ駆動機構の第2変形例を示す斜視図
【
図11】実施形態のプリンタのギヤ駆動機構の第3変形例を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照しながら、本開示の限定的でない例示の実施形態について説明する。添付の全図面中、同一又は対応する部材又は部品については、同一又は対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
以下において、
図1に示される左右方向をX方向、前後方向をY方向、X方向及びY方向と直交する上下方向をZ方向として説明する。
【0013】
図1~
図3を参照し、実施形態のプリンタの一例について説明する。
図1は実施形態のプリンタの一例を示す斜視図であり、
図2はプリンタの接続金具が取り外されている状態の斜視図であり、
図3はプリンタの接続金具及びプラテンローラが取り外されている状態の斜視図である。
【0014】
実施形態のプリンタ1は、例えばサーマルプリンタである。プリンタの種類は、サーマルプリンタに限定されず、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ等であってもよい。
【0015】
プリンタ1は、筐体10、サーマルヘッド20、プラテンローラ30、ギヤ駆動機構40、接続金具50等を備える。サーマルヘッド20、プラテンローラ30、ギヤ駆動機構40及び接続金具50は、筐体10に取り付けられている。プリンタ1においては、サーマルヘッド20とプラテンローラ30との間に記録紙が挟まれ、プラテンローラ30の回転による紙送りとサーマルヘッドの発熱体への通電により、記録紙への印字が行われる。
【0016】
〔ギヤ駆動機構〕
図4~
図8を参照し、実施形態のプリンタ1が備えるギヤ駆動機構40の一例について説明する。
図4は、ギヤ駆動機構40の斜視図である。
図5及び
図6は、ギヤハウジング41が取り外されている状態のギヤ駆動機構40を各々異なる方向から見た斜視図である。
図7及び
図8は、ギヤハウジング41が取り外されている状態のギヤ駆動機構40を各々異なる方向から見た側面図である。
【0017】
ギヤ駆動機構40は、プラテンローラ軸31を回転させるものであり、ギヤハウジング41、駆動ギヤ42、ギヤ列43、第1のモータ44、プレート45、駆動部46を有する。
【0018】
ギヤハウジング41は、筐体10の一方の側面に固定されている(
図1~
図3)。ギヤハウジング41の内部には、駆動ギヤ42及びギヤ列43が設けられており、ギヤハウジング41は駆動ギヤ42及びギヤ列43を覆っている。
【0019】
駆動ギヤ42は、第1のモータ44の出力軸に接続され、第1のモータ44によって回転する。駆動ギヤ42は、例えば平歯車である。駆動ギヤ42は、例えば真鍮等の金属により形成されている。
【0020】
ギヤ列43は、駆動ギヤ42からプラテンローラ軸31に動力を伝える。ギヤ列43は、複数のギヤ43a~43dを含む。各ギヤ43a~43dは、例えば平歯車であり、駆動ギヤ42のギヤ軸と平行なギヤ軸を有する。各ギヤ43a~43dは、例えばプラスチックにより形成されている。ギヤ43a~43cはギヤハウジング41に軸支され、ギヤ43dはプラテンローラ軸31に固定されている。
【0021】
ギヤ43aは、駆動ギヤ42と噛み合う。駆動ギヤ42が金属により形成され、ギヤ43aがプラスチックにより形成されている。ギヤ43bは、大径ギヤ43b1と、大径ギヤ43b1より小径の小径ギヤ43b2と、を有する。大径ギヤ43b1は、ギヤ43aと噛み合う。小径ギヤ43b2は、大径ギヤ43b1と共に回転する。ギヤ43cは、大径ギヤ43c1と、大径ギヤ43c1より小径な小径ギヤ43c2と、を有する。大径ギヤ43c1は、小径ギヤ43b2と噛み合う。小径ギヤ43c2は、大径ギヤ43c1と共に回転する。ギヤ43dは、小径ギヤ43c2と噛み合う。
【0022】
第1のモータ44は、駆動ギヤ42を回転させる。第1のモータ44は、ネジ47a,47bにより、プレート45の駆動ギヤ42及びギヤ列43が設けられる側と反対側に取り付けられている。第1のモータ44は、例えばステッピングモータである。
【0023】
プレート45は、ギヤハウジング41に、駆動ギヤ42のギヤ軸と直交するZ方向に移動可能に取り付けられている。本実施形態において、プレート45にはガイド穴45a,45bが形成されている。各ガイド穴45a,45bは、プレート45の厚さ方向に貫通し、Z方向に延在する長穴である。ガイド穴45a,45bには、各々ネジ47c,47dが挿通され、挿通されたネジ47c,47dが筐体10に形成された図示しないネジ穴に螺合される。プレート45は、ネジ穴にネジ47c,47dを螺合させることでギヤハウジング41に固定され、ネジ47c,47dを緩めることでZ方向に移動可能となる。ガイド穴45a,45b及びネジ47c,47dは、プレート45を移動させる際に、プレート45のZ方向への移動を案内すると共に、プレート45の移動範囲を制限する。
【0024】
駆動部46は、プレート45をZ方向に移動させる。本実施形態の駆動部46は、回転軸46a、第2のモータ46b、運動変換機構46c等を含む。
【0025】
回転軸46aは、Z方向に延在する。回転軸46aの下端には第2のモータ46bが接続され、回転軸46aは、第2のモータ46bによって回転する。
【0026】
第2のモータ46bは、ネジ47eによりギヤハウジング41に取り付けられている。第2のモータ46bは、ステッピングモータであることが好ましい。ステッピングモータを用いることでプレート45を微動させることができるので、駆動ギヤ42とギヤ43aとのギヤピッチを特に細かく設定できる。
【0027】
運動変換機構46cは、回転軸46aの回転運動を直線運動に変換し、プレート45をZ方向に移動させる。運動変換機構46cは、調整ネジ46c1と、ネジ溝46c2と、を有する。調整ネジ46c1は、回転軸46aの上端に設けられ、回転軸46aと共に回転する。ネジ溝46c2は、プレート45に形成されている。ネジ溝46c2は、回転軸46aの軸方向に調整ネジ46c1のネジピッチと同じ間隔で配置され、調整ネジ46c1と噛み合う複数の溝部を有する。調整ネジ46c1は、ネジ溝46c2の複数の溝部と噛み合うことで、プレート45のZ方向の位置を調整する。
【0028】
ネジ47c、47dを緩めることで、プレート45がZ方向に移動可能となる。第2のモータ46bが回転軸46aを回転させることで、調整ネジ46c1が回転軸46aと一体となって回転する。また、回転する調整ネジ46c1がネジ溝46c2と噛み合うことで、回転軸46aの回転運動が直線運動に変換され、プレート45がZ方向に移動する。これにより、第1のモータ44及び駆動ギヤ42がプレート45と一体となってZ方向に移動し、ギヤ43aの回転中心と駆動ギヤ42の回転中心との位置が調整される。駆動ギヤ42の位置を調整したのち、ネジ47c、47dを締めることによりプレート45とギヤハウジング41を固定する。
【0029】
以上に説明した実施形態のギヤ駆動機構40によれば、運動変換機構46cにより回転軸46aの回転運動を直線運動に変換してプレート45をZ方向に移動させることで、駆動ギヤ42とギヤ43aとの間のギヤピッチを調整する。そのため、プレート45を手動で移動させる場合には困難な細かなギヤピッチを設定でき、狙い通りのバックラッシュを設定できる。
【0030】
また、実施形態のギヤ駆動機構40によれば、駆動ギヤ42、ギヤ43a等の部品のロットが変わるごとに部品の寸法を確認し、ロットが変わる前の駆動ギヤ42の位置に対してロットが変わった後の駆動ギヤ42の位置を、部品の寸法の変化分だけオフセットすることで、最適なバックラッシュを設定できる。
【0031】
本実施形態では、ギヤ43aは樹脂で形成されているため、プリンタの利用に応じて摩耗する可能性がある。実施形態のギヤ駆動機構40によれば、ギヤ43aの摩耗量に応じてギヤピッチの調整を行うことができる。
【0032】
〔変形例〕
実施形態のプリンタが備えるギヤ駆動機構40の変形例について説明する。
【0033】
(第1変形例)
図9を参照し、ギヤ駆動機構40の第1変形例について説明する。
図9は、第1変形例のギヤ駆動機構140の斜視図である。
【0034】
ギヤ駆動機構140は、駆動部46に代えて、駆動部146を有する点でギヤ駆動機構40と異なる。なお、その他の構成についてはギヤ駆動機構40と同じ構成である。以下、ギヤ駆動機構40と異なる点を中心に説明する。
【0035】
駆動部146は、プレート45をZ方向に移動させる。本実施形態の駆動部146は、回転軸146a、第2のモータ146b、運動変換機構146c等を含む。
【0036】
回転軸146aは、Y方向に延在する。回転軸146aの一端には、第2のモータ146bが接続されており、回転軸146aは、第2のモータ146bによって回転する。回転軸146aの他端には、運動変換機構146cのピニオンギヤ146c1が固定されており、ピニオンギヤ146c1は回転軸146aと共に回転する。
【0037】
第2のモータ146bは、回転軸146aを回転させる。第2のモータ146bは、例えばネジ47eによりギヤハウジング41に取り付けられている。第2のモータ146bは、ステッピングモータであることが好ましい。ステッピングモータを用いることでプレート45を微動させることができるので、駆動ギヤ42とギヤ43aとの間のギヤピッチを特に細かく設定できる。
【0038】
運動変換機構146cは、回転軸146aの回転運動を直線運動に変換し、プレート45をZ方向に移動させる。運動変換機構146cは、ピニオンギヤ146c1と、ラック146c2と、を有する。ピニオンギヤ146c1は、回転軸146aの他端に固定されており、回転軸146aと共に回転する。ラック146c2は、プレート45の一部として構成される。ピニオンギヤ146c1は、ラック146c2と噛み合うことで、プレート45のZ方向の位置を調整する。
【0039】
係る駆動部146においては、第2のモータ146bが回転軸146aを回転させることで、ピニオンギヤ146c1が回転軸146aと一体となって回転する。また、回転するピニオンギヤ146c1がラック146c2と噛み合うことで、回転軸146aの回転運動が直線運動に変換され、プレート45がZ方向に移動する。これにより、第1のモータ44及び駆動ギヤ42がプレート45と一体となってZ方向に移動し、ギヤ43aに対する駆動ギヤ42の位置が調整される。
【0040】
第1変形例のギヤ駆動機構140においても、前述したギヤ駆動機構40と同様の効果が得られる。
【0041】
(第2変形例)
図10を参照し、ギヤ駆動機構40の第2変形例について説明する。
図10は、第2変形例のギヤ駆動機構240の斜視図である。
【0042】
ギヤ駆動機構240は、駆動部46に代えて、駆動部246を有する点でギヤ駆動機構40と異なる。なお、その他の構成についてはギヤ駆動機構40と同じ構成である。以下、ギヤ駆動機構40と異なる点を中心に説明する。
【0043】
駆動部246は、プレート45をZ方向に移動させる。本実施形態の駆動部246は、回転軸246a、運動変換機構246c等を含む。
【0044】
回転軸246aは、Z方向に延在する。回転軸246aの下端には、工具穴246a1が形成されている。回転軸246aは、工具穴246a1に工具を差し込んで回転させることができる。例えば、工具穴246a1はプラスドライバを差し込むことができる十字穴である。回転軸246aの上端には、運動変換機構246cの調整ネジ246c1が設けられている。これにより、調整ネジ246c1は回転軸246aと共に回転する。
【0045】
運動変換機構246cは、運動変換機構46cと同じであってよい。
【0046】
ネジ47c、47dを緩めることでプレート45がZ方向に移動可能となる。工具穴246a1に工具を差し込んで回転軸246aを回転させることで、調整ネジ246c1が回転軸246aと一体となって回転する。また、回転する調整ネジ246c1がネジ溝と噛み合い、回転軸246aの回転運動が直線運動に変換され、プレート45がZ方向に移動する。これにより、第1のモータ44及び駆動ギヤ42がプレート45と一体となってZ方向に移動し、ギヤ43aの回転中心と駆動ギヤ42の回転中心との位置が調整される。駆動ギヤ42の位置を調整したのち、ネジ47c、47dを締めることによりプレート45とギヤハウジング41を固定する。
【0047】
第2変形例のギヤ駆動機構240においても、前述したギヤ駆動機構40と同様の効果が得られる。
【0048】
(第3変形例)
図11を参照し、ギヤ駆動機構40の第3変形例について説明する。
図11は、第3変形例のギヤ駆動機構340の斜視図である。
【0049】
第3変形例のギヤ駆動機構340は、駆動部146に代えて駆動部346を有する点でギヤ駆動機構140と異なる。なお、その他の構成についてはギヤ駆動機構140と同じ構成である。以下、ギヤ駆動機構140と異なる点を中心に説明する。
【0050】
駆動部346は、プレート45をZ方向に移動させる。本実施形態の駆動部346は、回転軸346a、運動変換機構346c等を含む。
【0051】
回転軸346aは、Y方向に延在し、その一端に工具穴346a1が形成されている。回転軸346aは、工具穴346a1に工具を差し込んで回転させることができる。例えば、工具穴346a1は、プラスドライバを差し込むことができる十字穴である。回転軸346aの他端には、運動変換機構346cのピニオンギヤ346c1が固定されている。これにより、ピニオンギヤ346c1は回転軸346aと共に回転する。
【0052】
運動変換機構346cは、運動変換機構146cと同じであってよい。
【0053】
ネジ47c、47dを緩めることでプレート45がZ方向に移動可能となる。工具穴346a1に工具を差し込んで回転軸346aを回転させることで、ピニオンギヤ346c1が回転軸346aと一体となって回転する。また、回転するピニオンギヤ346c1がラック346c2と噛み合うことで、回転軸346aの回転運動が直線運動に変換され、プレート45がZ方向に移動する。これにより、第1のモータ44及び駆動ギヤ42がプレート45と一体となってZ方向に移動し、ギヤ43aの回転中心と駆動ギヤ42の回転中心との位置が調整される。駆動ギヤの位置を調整したのち、ネジ47c、47dを締めることによりプレート45とギヤハウジング41を固定する。
【0054】
第3変形例のギヤ駆動機構340においても、前述したギヤ駆動機構40と同様の効果が得られる。
【0055】
なお、上記の実施形態において、駆動ギヤ42は第1のギヤの一例であり、ギヤ43aは第2のギヤの一例である。
【0056】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 プリンタ、40 ギヤ駆動機構、42 駆動ギヤ、43a ギヤ、
44 第1のモータ、45 プレート、46 駆動部