(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103138
(43)【公開日】2023-07-26
(54)【発明の名称】蓄電池設置台及び蓄電池設置構造
(51)【国際特許分類】
H01M 50/251 20210101AFI20230719BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20230719BHJP
【FI】
H01M50/251
H01M50/244 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004021
(22)【出願日】2022-01-13
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ケミカルアンカー
(71)【出願人】
【識別番号】390039505
【氏名又は名称】株式会社サイコン工業
(74)【代理人】
【識別番号】100111659
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 聡
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 昭一
(72)【発明者】
【氏名】山本 博一
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA07
5H040AS01
5H040CC15
5H040CC35
5H040CC38
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】蓄電池を設置するに際し、蓄電池を固定する部分に過大な力が作用しても、固定部分が変形したり破損して蓄電池の固定が解除されることがなく、建物の壁のない場所であっても蓄電池を設置できるようにする。
【解決手段】基礎コンクリート面2にベースブロック3、4がブロック固定金具5、6によって固定され、載置架台7が連結ボルト22a、22bによってベースブロック3、4に固定され、支持架台8が連結ボルト23a、23bによってベースブロック3、4に固定され、起立体9が連結金具10、11によって支持架台8の上面に固定され、パネル固定金具12が起立体9の上面に固定され、アーム板15を介して中間パネル16がパネル固定金具12に固定され、支持パネル17の背面が中間パネル16に固定され、支持パネル17の正面には係合板18が取り付けられた蓄電池設置台1。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面に配置され、蓄電池を載置する載置架台と、
前記載置架台を前記設置面に固定する載置架台固定部材と、
前記設置面に取り付けられて前記蓄電池の背面を固定する蓄電池背面固定手段と
を備えたことを特徴とする蓄電池設置台。
【請求項2】
前記蓄電池背面固定手段は、
前記蓄電地の背面に当てがわれる支持パネルと、
前記蓄電地の背面を前記支持パネルの正面に固定する第1固定部材と、
前記支持パネルの背面を前記設置面に固定する第2固定部材と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の蓄電池設置台。
【請求項3】
前記第1固定部材は、前記支持パネルの正面に取り付けられて前記蓄電地の背面に係合する係合板を備えていることを特徴とする請求項2記載の蓄電池設置台。
【請求項4】
前記第2固定部材は、前記支持パネルの背面に取り付けられて前記設置面に固定される固定枠体を備えていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の蓄電池設置台。
【請求項5】
前記第2固定部材は、前記設置面から起立して前記設置面に固定された起立体と、前記支持パネルの背面を前記起立体に固定する中間固定部材を備えていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の蓄電池設置台。
【請求項6】
前記起立体は前記設置面に固定された支持架台を介して前記設置面に固定されていることを特徴とする請求項5又は請求項6記載の蓄電池設置台。
【請求項7】
前記設置面は地面に埋設又は設置されたコンクリート面であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載した蓄電池設置台。
【請求項8】
前記コンクリート面は複数の平板状のベースブロックの上面であり、該複数のベースブロックは前記載置架台及び前記支持架台により連結されていることを特徴とする請求項7記載の蓄電池設置台。
【請求項9】
前記支持架台を前記地面に設置されたコンクリート体に固定するコンクリート体固定部材をさらに備えていることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれかに記載した蓄電池設置台。
【請求項10】
蓄電池を設置台に設置する蓄電池設置構造であって、
前記設置台は、載置架台、載置架台固定部材及び蓄電池背面固定手段を備え、
前記載置架台は設置面に配置されて前記蓄電池を載置し、
前記載置架台固定部材は前記載置架台を前記設置面に固定し、
前記蓄電池背面固定手段は前記設置面に取り付けられて前記蓄電池の背面を固定する
ことを特徴とする蓄電池設置構造。
【請求項11】
前記蓄電池背面固定手段は支持パネル、第1固定部材及び第2固定部材を備え、
前記支持パネルは前記蓄電地の背面に当てがわれ、
前記第1固定部材は前記蓄電地の背面を前記支持パネルの表面に固定し、
前記第2固定部材は前記支持パネルの裏面を前記設置面に固定する
ことを特徴とする請求項10記載の蓄電池設置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用の蓄電池を建物の基礎や地面等の設置面に固定するための蓄電池設置台及び蓄電池設置構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家庭用太陽光発電システムにおいては、建物の屋根等にソーラーパネル(太陽電池モジュール)を設置し、ソーラーパネルで発電した電気を蓄える家庭用蓄電池(以下単に「蓄電池」という。)が使用される。
この蓄電池は、容量(蓄電容量)が10~15kWhのものが多く使用されるが、中には15kWhを超える大容量の蓄電池も使用され、蓄電池の大きさは、エアコンの室外機と同じかそれよりも大きく、中には室外機2台分以上の大きさのものもあり、蓄電池の重量は、100~200kgが一般的で、中には200kgを超えるものもある。
このように蓄電池は、家庭用としては大型・大重量の設備機器であり、風雨や地震等の自然環境に適用するように設置すると共に、設置作業の負荷等を軽減するため、蓄電池の設置構造に関し、種々の提案がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1(特許第5291822号公報)には、建物の屋外側に建物用設備としての蓄電池を設置するための建物用設備設置構造であって、建物用設備設置用基礎(蓄電池設置用基礎2)の上に、蓄電池6からの配線に利用可能な内部空間を有する架台5を介して、蓄電池6が設置されており、蓄電池6は、その脚部が架台5の上面にボルトとナットにより固定され、架台5は、アンカーボルト7により蓄電池設置用基礎2に固定されている建物用設備設置構造が開示されている。
しかしながら、特許文献1の建物用設備設置構造では、架台5はアンカーボルト7により蓄電池設置用基礎2に固定されているが、蓄電池6と架台5の固定は、ボルトとナットによる蓄電池6の脚部と架台5の上面の固定だけであることから、蓄電池6に正面水平方向から大きな力が作用したり、地震による横揺れが作用した場合、蓄電池6の脚部と架台5の固定部分に過大な力が作用し、その固定部分が変形したり破損し、蓄電池6が架台5に固定されなくなったり、蓄電池6が転倒するなどの問題が生ずる。
特に、蓄電池6の底面積が小さく、高さのある場合は、この問題が顕著となる。
【0004】
また、特許文献2(特開2019-207847号公報)には、蓄電池32と、蓄電池32を収容する筐体33と、筐体33を支持する一対の支持体11a、11bとを備え、H鋼からなる支持体11a(11b)の下面(第二の平板部13a)がアンカーボルト37により基礎ブロック36に固定され、支持体11a(11b)の上面(第一の平板部12a)が筐体33の一対の脚部47、48にボルト34とナット35で固定された蓄電システムが開示されている。
しかしながら、特許文献2の蓄電システムは、蓄電池32を収容する筐体33を一対の支持体11a、11bを介して基礎ブロック36に固定するものであって、筐体に収容されない蓄電池の固定には適用できない。
その上、特許文献2の蓄電システムでは、特許文献1と同様に、筐体33と支持体11a、11bとの固定は、ボルト34とナット35による筐体33の脚部47、48と支持体11a、11bとの固定だけであることから、特許文献1の建物用設備設置構造と同様の問題が生ずる。
【0005】
この点、特許文献3(特開2017-155459号公報)には、建物1のタイル外壁1aの表面に横架材2が固定され、この横架材2に設備機器(据置型の給湯器3や蓄電池本体)が、その上部に取付金具4を介して取り付けられ、タイル外壁1aの下側にある基礎1cの側面に台座6が載置され、この台座6の上に上記設備機器が設置された設備機器の取付構造が開示されている。
しかしながら、特許文献3の設備機器の取付構造では、建物1のタイル外壁1aに固定された横架材2に設備機器が取付金具4を介して取り付けられることから、建物の外壁のない場所には設備機器を設置することができない。
また、特許文献3の設備機器の取付構造では、建物1のタイル外壁1aに横架材2を固定することから、タイル外壁1aの外観を損なうのみならず、タイル外壁1aに横架材2をネジで固定することから、設備機器と横架材2を撤去した場合、タイル外壁1aにネジ孔が残り、タイル外壁1aの外観を損なうという問題が生ずる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5291822号公報
【特許文献2】特開2019-207847号公報
【特許文献3】特開2017-155459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、蓄電池を設置するに際し、蓄電池を固定する部分に過大な力が作用しても、固定部分が変形したり破損して蓄電池の固定が解除されることがなく、建物の壁のない場所であっても蓄電池を設置できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、設置面に配置され、蓄電池を載置する載置架台と、前記載置架台を前記設置面に固定する載置架台固定部材と、前記設置面に取り付けられて前記蓄電池の背面を固定する蓄電池背面固定手段とを備えた蓄電池設置台を提供して、上記課題を解決するものである。
【0009】
請求項2の発明は、前記蓄電池背面固定手段は、前記蓄電地の背面に当てがわれる支持パネルと、前記蓄電地の背面を前記支持パネルの表面に固定する第1固定部材と、前記支持パネルの裏面を前記設置面に固定する第2固定部材とを備えた蓄電池設置台を提供して、上記課題を解決するものである。
【0010】
請求項3の発明は、前記第1固定部材は、前記支持パネルの表面に取り付けられて前記蓄電地の背面に係合する係合板を備えている蓄電池設置台を提供して、上記課題を解決するものである。
【0011】
請求項4の発明は、前記第2固定部材は、前記支持パネルの背面に取り付けられて前記設置面に固定される固定枠体を備えている蓄電池設置台を提供して、上記課題を解決するものである。
【0012】
請求項5の発明は、前記第2固定部材は、前記設置面から起立して前記設置面に固定された起立体と、前記支持パネルの背面を前記起立体に固定する中間固定部材を備えている蓄電池設置台を提供して、上記課題を解決するものである。
【0013】
請求項6の発明は、前記起立体は前記設置面に固定された支持架台を介して前記設置面に固定されている蓄電池設置台を提供して、上記課題を解決するものである。
【0014】
請求項7の発明は、前記設置面は地面に埋設されたコンクリート面である蓄電池設置台を提供して、上記課題を解決するものである。
【0015】
請求項8の発明は、前記コンクリート面は複数の平板状のベースブロックの上面であり、該複数のベースブロックは前記載置架台及び前記支持架台により連結されている蓄電池設置台を提供して、上記課題を解決するものである。
【0016】
請求項9の発明は、前記支持架台を前記地面に設置されたコンクリート体に固定するコンクリート体固定部材をさらに備えている蓄電池設置台を提供して、上記課題を解決するものである。
【0017】
請求項10の発明は、蓄電池を設置台に設置する蓄電池設置構造であって、前記設置台は、載置架台、載置架台固定部材及び蓄電池背面固定手段を備え、前記載置架台は設置面に配置されて前記蓄電池を載置し、前記載置架台固定部材は前記載置架台を前記設置面に固定し、前記蓄電池背面固定手段は前記設置面に取り付けられて前記蓄電池の背面を固定する蓄電池設置構造を提供して、上記課題を解決するものである。
【0018】
請求項11の発明は、前記蓄電池背面固定手段は支持パネル、第1固定部材及び第2固定部材を備え、前記支持パネルは前記蓄電地の背面に当てがわれ、前記第1固定部材は前記蓄電地の背面を前記支持パネルの表面に固定し、前記第2固定部材は前記支持パネルの裏面を前記設置面に固定する蓄電池設置構造を提供して、上記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載の発明の蓄電池設置台においては、設置面に取り付けられた蓄電池背面固定手段が蓄電池の背面を固定するため、蓄電池を固定する部分に過大な力が作用しても、固定部分が変形したり破損して蓄電池の固定が解除されることがなく、建物の壁のない場所であっても蓄電池を設置できるという効果を奏する。
【0020】
請求項2に記載の発明の蓄電池設置台においては、さらに、蓄電地の背面に支持パネルが当てがわれるため、蓄電地の背面を容易に固定できるという効果を奏する。
【0021】
請求項3に記載の発明の蓄電池設置台においては、さらに、蓄電地の背面に係合する係合板が支持パネルの表面に取り付けられため、蓄電地の背面を容易に蓄電池設置台に固定できるという効果を奏する。
【0022】
請求項4に記載の発明の蓄電池設置台においては、さらに、支持パネルの背面に取り付けられる固定枠体により、蓄電地の背面が容易かつ強固に設置面に固定されるという効果を奏する。
【0023】
請求項5に記載の発明の蓄電池設置台においては、さらに、支持パネルの背面に取り付けられる中間固定部材と起立体により、蓄電地の背面が容易かつ強固に設置面に固定されるという効果を奏する。
【0024】
請求項6に記載の発明の蓄電池設置台においては、さらに、起立体が支持架台を介して設置面に固定され、起立体が容易かつ強固に固定されるという効果を奏する。
【0025】
請求項7に記載の発明の蓄電池設置台においては、さらに、設置面が地面に埋設されたハードなコンクリート面であるため、蓄電池設置台が最初に固定した位置から移動しにくいという効果を奏する。
【0026】
請求項8に記載の発明の蓄電池設置台においては、さらに、コンクリート面を形成するベースブロックを分割でき、分割したベースブロックを前記載置架台及び前記支持台により簡易かつ強固に連結できるという効果を奏する。
【0027】
請求項9に記載の発明の蓄電池設置台においては、さらに、コンクリート体固定部材により支持架台が地面に設置されたコンクリート体に固定され、蓄電池設置台が最初に固定した位置からより移動しにくいという効果を奏する。
【0028】
請求項10に記載の発明の蓄電池設置構造においては、設置面に取り付けられた蓄電池背面固定手段が蓄電池の背面を固定するため、蓄電池を固定する部分に過大な力が作用しても、固定部分が変形したり破損して蓄電池の固定が解除されることがなく、建物の壁のない場所であっても蓄電池を設置できるという効果を奏する。
【0029】
請求項11に記載の発明の蓄電池設置構造においては、さらに、蓄電地の背面に支持パネルが当てがわれるため、蓄電地の背面を容易に固定できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の実施形態の蓄電池設置台の構成を示す斜視図である。
【
図6】
図1に示す蓄電池設置台の分解斜視図である。
【
図7】蓄電池40の斜視図、右側面図、正面図及び背面図である。
【
図8】蓄電池設置台1の組立工程の前半部分を説明する説明図である。
【
図9】蓄電池設置台1の組立工程の後半部分を説明する説明図である。
【
図10】ベースブロック3、4を配置する地面を示した斜視図と地面にベースブロック3、4を配置した状態の斜視図である。
【
図11】ベースブロック3、4の上に載置架台7、支持架台8及び起立体9を固定した状態の斜視図、正面図及び右側面図である。
【
図12】載置架台7と支持架台8が置かれるコンクリート面の斜視図とコンクリート面の上に載置架台7、支持架台8及び起立体9を固定した状態の斜視図である。
【
図13】蓄電池設置台1とは蓄電池背面固定手段が異なる蓄電池設置台の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
[蓄電池設置台の構成]
図1は、本発明の実施形態の蓄電池設置台の構成を示す斜視図、
図2は、
図1に示す蓄電池設置台の平面図、
図3は、
図1に示す蓄電池設置台の正面図、
図4は、
図1に示す蓄電池設置台の右側面図、
図5は、
図1に示す蓄電池設置台の背面図、
図6は、
図1に示す蓄電池設置台の分解斜視図である。
図中、1は蓄電池設置台、2は基礎コンクリート面、2aは穴、3、4はベースブロック、3a1、3a2、4b1、4b2、4b3は穴、5、6はブロック固定金具、5a、5b、6a、6bは穴、7は載置架台、7a、7bは貫通孔、8は支持架台、8a、8bは貫通孔、8cは穴、9は起立体、9a1、9b1、9b2は穴、10、11は連結金具、10a1、10a2、11b1、11b2は穴、10c、11cは長穴、12はパネル固定金具、13はベース板、13a、13bは長穴、14Q、14Rは挟持板、14Qh、14Rhは軸穴、15はアーム板、15h1、15h2は軸穴、16は中間パネル、16a、16b、16c、16dは穴、16Q、16Rは挟持板、16Rhは軸穴、17は支持パネル、17a1、17a2、17b1、17b2、17c1、17c2、17d1、17d2、17eは穴、18は係合板、18a、18b、18c、18dは長穴、18Uは上板、18Rは連結板、18Sは下板、18f1、18f2、18f3、18f4はフック、20a、20b、21a、21bは固定ボルト、22a、22b、23a、23bは連結ボルト、24a、24b、25a、25b、26a、26bは固定ボルト、27、29は軸用ボルト、28、30は軸用ナット、31a、31b、31c、31d、33a、33b、33c、33dは締付ボルト、32a、32b、32c、32d、34a、34b、34c、34dは締付ナット、40は蓄電池であり、図において、蓄電池40は二点鎖線で表す。
図に示すように、蓄電池設置台1は、載置架台7、支持架台8、起立体9、中間パネル16、支持パネル17、係合板18等から構成される。
【0032】
基礎コンクリート面2は、建物の基礎等を形成する地面に埋め込まれたコンクリートの上面であり、その上にはベースブロック3、4が置かれ、ベースブロック3、4の左右端近傍には、ナットが埋め込まれて穴2aが設けられている。
ベースブロック3、4は、平板状のコンクリートブロックであり、ベースブロック3とベースブロック4は、同じサイズであり、左右に並べて基礎コンクリート面2の上に置かれる。
このベースブロック3、4の上面は平坦なコンクリート面であり、本発明の設置面となる。
そして、ベースブロック3、4の上面には穴3a1、3a2、4b1、4b2が設けられ、ベースブロック4の右側面には穴4b3が設けられ、ベースブロック3の左側面にも同様の穴が設けられ、これらの各穴にはボルト(後述する)と螺合するナットが埋め込まれている。
ブロック固定金具5、6は、ベースブロック3、4を基礎コンクリート面2に固定するための断面がL字状の金具である。
このブロック固定金具5、6には、ボルト(後述する)が挿通する穴5a、5b、6a、6bが設けられている。
載置架台7は、側面五角形形状のコンクリートブロックであり、蓄電池40を載置するための台となるものである。
この載置架台7には、上面から下面に貫通する貫通孔7a、7bが設けられている。
支持架台8は、横長直方体形状のコンクリートブロックであり、支持パネル17を支持して固定する台となるものである。
この支持架台8には、上面から下面に貫通する貫通孔8a、8bが設けられ、支持架台8の左右側面には穴8cが設けられている。
【0033】
起立体9は、縦長直方体形状のコンクリートブロックであり、支持パネル17の背面を固定するためのブロックとなるものである。
この起立体9の上面には穴9a1、9b1が設けられ、起立体9の右側面には穴92bが設けられ、起立体9の左側面にも同様の穴が設けられ、これらの各穴にはボルト(後述する)と螺合するナットが埋め込まれている。
連結金具10、11は、起立体9を支持架台8に固定するための3面(底面、側面、背面)からなる金具である。
この連結金具10、11の底面と側面には、ボルト(後述する)が挿通する穴10a1、10a2、11b1、11b2が設けられ、連結金具10、11の背面には、長穴10c、11cが設けられている。
パネル固定金具12は、中間パネル16をアーム板15を介して起立体9で支持するための金具であり、ベース板13とその上に立設された一対の挟持板14Q、14Rからなり、起立体9の上面に取り付けられる。
パネル固定金具12においては、ベース板13に長穴13a、13bが設けられ、挟持板14Q、14Rには軸穴14Qh、14Rhが設けられている。
アーム板15は、中間パネル16の角度を調整するための金属製の板であり、その下端部は挟持板14Q、14Rに挟持される。
このアーム板15には、軸穴15h1、15h2が設けられている。
中間パネル16は、支持パネル17の背面にあてがわれる金属製又はプラスチック製のパネルであり、中間パネル16の四隅には、穴16a、16b、16c、16dが設けられ、中間パネル16の背面中央部には、アーム板15の上端部を挟持する挟持板16Q、16Rが立設され、挟持板16Rには軸穴16Rhが設けられ、挟持板16Qにも同様の軸穴が設けられている。
【0034】
支持パネル17は、蓄電池40の背面を支持する横断面がコの字状の金属製又はプラスチック製のパネルであり、支持パネル17の正面の中央寄りには、4個の穴17a1、17b1、17c1、17d1が設けられ、その左右方向外側には、4個の穴17a2、17b2、17c2、17d2が設けられている。
さらに、支持パネル17の左右側面の下端近傍には穴17eが設けられている。
係合板18は、蓄電池40の背面に係合する金属性の板であり、上板18U、下板18Sとこれらの連結する連結板18Rからなる。
上板18Uには左右の端部寄りに長穴18a、18bが設けられ、上板18Uの左右の下端部にはフック18f1、18f2が形成されている。
下板18Sにも左右の端部寄りに長穴18c、18dが設けられ、下板18Sの左右の下端部にはフック18f3、18f3が形成されている。
そして、上板18Uと下板18Sの背面が支持パネル17の正面にあてがわれて係合板18が支持パネル17に取り付けられる。
【0035】
固定ボルト20a、20b、21a、21bは、ブロック固定金具5、6を、ベースブロック3、4と基礎コンクリート面2に取り付けるためのボルトである。
連結ボルト22a、22bは、載置架台7をベースブロック3、4の上面に固定し、ベースブロック3、4を連結するためのボルトである。
連結ボルト23a、23bは、連結金具10、11の下面を支持架台8の上面に固定すると共に、支持架台8をベースブロック3、4の上面に固定し、ベースブロック3、4を連結するためのボルトである。
固定ボルト24a、24bは、支持パネル17の左右側面の下端部を支持架台8の左右側面に固定するためのボルトである。
固定ボルト25a、25bは、連結金具10、11の側面を起立体9の側面に固定するためのボルトである。
固定ボルト26a、26bは、パネル固定金具12のベース板13を起立体9の上面に固定するためのボルトである。
軸用ボルト27とこれに螺合する軸用ナット28は、アーム板15をパネル固定金具12の挟持板14Q、14Rに取り付けるためのボルトとナットである。
軸用ボルト29とこれに螺合する軸用ナット30は、アーム板15を中間パネル16の挟持板16Q、16Rに取り付けるためのボルトとナットである。
締付ボルト31a、31b、31c、31dとこれに螺合する締付ナット32a、32b、32c、32dは、支持パネル17の背面に中間パネル16を取り付けるためのボルトとナットである。
締付ボルト33a、33b、33c、33dとこれに螺合する締付ナット34a、34b、34c、34dは、支持パネル17の正面に係合板18の上板18Uと下板18Sを取り付けるためのボルトとナットである。
なお、パネル固定金具12、アーム板15、中間パネル16とこれらを結合するための軸用ボルト27、29、軸用ナット28、30等により本発明の中間固定部材が構成される。
【0036】
図7(a)は、蓄電池40の斜視図、
図7(b)は、蓄電池40の右側面図、
図7(c)は、蓄電池40の正面図、
図7(d)は、蓄電池40の背面図である。
図中、40aは蓄電池本体、40b1、40b2は脚、40k1、40k2、40k3、40k4は係合孔である。
図に示すように蓄電池本体40aの底面には脚40b1、40b2が取り付けられ、蓄電池本体40aの背面には係合孔40k1、40k2、40k3、40k4が設けられている。
そして、脚40b1、40b2が載置架台7の上面に置かれて蓄電池40が載置架台7に載置される。
また、係合孔40k1、40k2、40k3、40k4に、係合板18のフック18f1、18f2、18f3、18f4がはめ込まれるようにして引っ掛けられて係合し、蓄電池40の背面が係合板18に取り付けられる。
なお、蓄電池40の背面に、係合孔40k1、40k2、40k3、40k4に代えて、背面から外側に突出する断面逆L字状の係合突起を設け、この係合突起にフック18f1、18f2、18f3、18f4を引っ掛けて係合させ、蓄電池40の背面を係合板18に取り付けてもよい。
【0037】
[蓄電池設置台の組立]
図8は、蓄電池設置台1の組立工程の前半部分を説明する説明図であり、同図(a)は、 基礎コンクリート面2の上にベースブロック3、4を固定した状態の斜視図、同図(b)は、ベースブロック3、4の上面に載置架台7を固定し支持架台8を置いた状態の斜視図、同図(c)は、支持架台8の上に起立体9を固定した状態の斜視図である。
また、
図9は、蓄電池設置台1の組立工程の後半部分を説明する説明図であり、同図(a)は、起立体9の上面にパネル固定金具12を固定しアーム板15を取り付けた状態の斜視図、同図(b)は、アーム板15に中間パネル16を取り付けた状態の斜視図である。
以下、蓄電池設置台1の組立について説明する。
まず、基礎コンクリート面2上の所定の位置にベースブロック3とベースブロック4を左右に並べて配置する。
次いで、ベースブロック3の左側面にブロック固定金具5をあてがい、固定ボルト20aを穴5aに挿通させて基礎コンクリート面2の穴2aに埋め込まれたナットに螺合させ、固定ボルト20bを穴5bに挿通させてベースブロック3の左側面の穴に埋め込まれたナットに螺合させ、ブロック固定金具5を基礎コンクリート面2とベースブロック3の左側面に固定する。
同様に、ベースブロック4の右側面にブロック固定金具6をあてがい、固定ボルト21aを穴6aに挿通させて基礎コンクリート面2の穴2aに埋め込まれたナットに螺合させ、固定ボルト21bを穴6bに挿通させてベースブロック4の右側面の穴4b3に埋め込まれたナットに螺合させ、ブロック固定金具6を基礎コンクリート面2とベースブロック4の右側面に固定する。
このようにして
図8(a)に示すようにベースブロック3、4がブロック固定金具5、6によって基礎コンクリート面2に固定される。
【0038】
次いで、載置架台7をベースブロック3、4の上面に跨るようにして所定の位置に置き、連結ボルト22aを貫通孔7aに挿通させてベースブロック3の穴3a1に埋め込まれたナットに螺合させ、連結ボルト22bを貫通孔7bに挿通させてベースブロック4の穴4b1に埋め込まれたナットに螺合させる。
また、支持架台8をベースブロック3、4の上面の載置架台7の奥側の所定の位置に置く。
このようにして
図8(b)に示すように載置架台7がベースブロック3、4に固定されると共に、ベースブロック3とベースブロック4が載置架台7により連結され、支持架台8が所定の位置に置かれる。
そして、起立体9を支持架台8の上面の左右方向中央に置き、連結金具10を支持架台8の上面と起立体9の左側面で形成される隅部にあてがい、連結金具11を支持架台8の上面と起立体9の右側面で形成される隅部にあてがう。
この状態で、連結ボルト23aを連結金具10の穴10a1と支持架台8の貫通孔8aに挿通させ、ベースブロック3の上面の穴3a2に埋め込まれたナットに螺合させ、固定ボルト25aを連結金具10の穴10a2に挿通させ起立体9の左側面の穴に埋め込まれたナットに螺合させる。
同様に、連結ボルト23bを連結金具11の穴11b1と支持架台8の貫通孔8bに挿通させ、ベースブロック4の上面の穴4b2に埋め込まれたナットに螺合させ、固定ボルト25bを連結金具11の穴11b2に挿通させ起立体9の右側面の穴9b2に埋め込まれたナットに螺合させる。
このようにして
図8(c)に示すように支持架台8がベースブロック3、4に固定されると共に、ベースブロック3とベースブロックが支持架台8により連結され、起立体9が支持架台8の上面に固定される。
【0039】
次いで、パネル固定金具12のベース板13を起立体9の上面に置き、固定ボルト26aをベース板13の長穴13aに挿通させ、起立体9の上面の穴9a1に埋め込まれたナットに螺合させる。
同様に、固定ボルト26bをベース板13の長穴13bに挿通させ、起立体9の上面の穴9b1に埋め込まれたナットに螺合させる。
この状態でアーム板15の下端部を挟持板14Qと挟持板14Rで挟まれるようにその間に挿入し、軸用ボルト27を挟持板14Rの軸穴14Rh、アーム板15の軸穴15h1、挟持板14Qの軸穴14Qhに挿通し、軸用ナット28を軸用ボルト27に螺合させる。
このようにして
図9(a)に示すようにパネル固定金具12のベース板13が起立体9の上面に仮固定され、アーム板15がパネル固定金具12の挟持板14Q、14Rに取り付けられる。
この場合、アーム板15の挟持板14Q、14Rへの取付は、パネル固定金具12のベース板13を起立体9の上面に固定する前に行ってもよい。
この後、アーム板15の上端部が中間パネル16の背面の挟持板16Q、16Rの間に挟まれるように中間パネル16を配置し、軸用ボルト29を挟持板16Rの軸穴16Rh、アーム板15の軸穴15h2、挟持板16Qの軸穴に挿通し、軸用ナット30を軸用ボルト2に螺合させる。
このようにして
図9(b)に示すように中間パネル16の背面の挟持板16Q、16Rがアーム板15に取り付けられる。
【0040】
次いで、支持パネル17の背面を中間パネル16の正面にあてがい、支持パネル17の穴17a1、17b1、17c1、17d1が中間パネル16の穴16a、16b、16c、16dに重なるようにし、各締付ボルト31a、31b、31c、31dを穴17a1と穴16a、穴17b1と穴16b、穴17c1と穴16c、穴17d1と穴16dのそれぞれに挿通し、締付ナット32a、32b、32c、32dを各締付ボルトに螺合させる。
この後、係合板18の上板18Uと下板18Sを支持パネル17の正面にあてがい、上板18Uの長穴18a、18bが支持パネル17の穴17a2、17b2に重なり、下板18Sの長穴18c、18dが支持パネル17の穴17c2、17d2に重なるようにし、各締付ボルト33a、33b、33c、33dを長穴18aと穴17a2、長穴18bと穴17b2、長穴18cと穴17c2、長穴18dと穴17d2のそれぞれに挿通し、締付ナット34a、34b、34c、34dを各締付ボルトに螺合させる。
さらに、固定ボルト24aを支持パネル17の左側面の穴17eに挿通して支持架台8の左側面の穴8cに埋め込まれたナットに螺合させ、固定ボルト24bを支持パネル17の右側面の穴17eに挿通して支持架台8の左側面の穴8cに埋め込まれたナットに螺合させ、支持パネル17を支持架台8に仮固定する。
最後に、パネル固定金具12のベース板13を前後に移動させ、アーム板15と中間パネル16を軸用ボルト27と軸用ボルト27を中心に回動させ、支持パネル17が垂直となるように調整し、パネル固定金具12を起立体9の上面に固定し、アーム板15をパネル固定金具12と中間パネル16に固定し、支持パネル17を支持架台8に固定する。
このようにして
図1~
図5に示すように蓄電池設置台1が基礎コンクリート面2に設置される。
【0041】
以上のように蓄電池設置台1においては、基礎コンクリート面2にベースブロック3、4がブロック固定金具5、6によって固定され、載置架台7が連結ボルト22a、22bによってベースブロック3、4に固定され、支持架台8が連結ボルト23a、23bによってベースブロック3、4に固定され、起立体9が連結金具10、11によって支持架台8の上面に固定され、パネル固定金具12が起立体9の上面に固定され、アーム板15を介して中間パネル16がパネル固定金具12に固定され、支持パネル17の背面が中間パネル16に固定され、支持パネル17の正面には係合板18が取り付けられ、この状態で、蓄電池40が載置架台7に載置されると共に、蓄電池40の背面が係合板18に取り付けられて固定されるため、蓄電池40に正面水平方向から大きな力が作用したり地震による横揺れが作用しても、蓄電池40の背面を固定する部分が変形したり破損したりして蓄電池40の固定が解除されることがなく、建物の壁のない場所であっても蓄電池40を設置することができる。
【0042】
[蓄電池設置台の他の実施形態]
次に、本発明の蓄電池設置台の他の実施形態について説明する。
ベースブロック3、4は、基礎コンクリート面2ではなく、地面に配置してもよい。
図10(a)は、ベースブロック3、4を配置する地面を示した斜視図であり、
図10(b)は、地面にベースブロック3、4を配置した状態の斜視図である。
図中、50は地面、50pは落し込み穴、51はコンクリート体、51a、51bは穴である。
図10(a)に示すようにベースブロック3、4を地面50に配置する場合、地面50はコンクリート体51の正面に接しており、地面50には、ベースブロック3、4を落し込むための落し込み穴50pが掘られる。
コンクリート体51は、建物の土台を置く基礎等であり、地面50から上方に数十センチメートル程度突出しており、コンクリート体51の正面(建物基礎立上り面)の所定の位置には穴51a、51bが設けられ、穴51a、51bにはアンカーボルト(後述する)が打ち込まれる。
図10(b)に示すようにベースブロック3、4は、その背面がコンクリート体51の正面に接するように落し込み穴50pに落し込まれ、ベースブロック3、4の上面が地面50と同じ高さになるようにされる。
この場合、ベースブロック3、4をコンクリート面2に固定するブロック固定金具5、6は不要となる。
なお、ベースブロック3、4を地面50に配置する場合、落し込み穴50pを掘らずに、地面50の上にベースブロック3、4を置いてもよい。
【0043】
図11(a)は、ベースブロック3、4の上に載置架台7、支持架台8及び起立体9を固定した状態の斜視図であり、
図11(b)はその正面図、
図11(b)はその右側面図であり、図中、52a、52bはナットである。
ベースブロック3、4をコンクリート面2に固定した場合と同様にして、連結ボルト22a、22bにより、載置架台7をベースブロック3、4の上面に固定し、連結ボルト23a、23bにより、支持架台8をベースブロック3、4の上面に固定すると共に、連結金具10、11を支持架台8の上面に固定し、固定ボルト25a、25aにより、起立体9と連結金具10、11を固定する。
この状態で、オールアンカー、グリップアンカー、ケミカルアンカー等のアンカーボルト(図示せず)を連結金具10、11の背面の長穴10c、11cに挿通させて、コンクリート体51の正面の穴51a、51bに打ち込み、長穴10c、11cから突出したアンカーボルトの頭部にナット52a、52bを螺合させる。
これにより、連結金具10、11を介して支持架台8と起立体9がコンクリート体51の正面に固定される。
そして、ベースブロック3、4を基礎コンクリート面2に固定した場合と同様にして、パネル固定金具12を起立体9の上面に固定し、アーム板15をパネル固定金具12と中間パネル16に固定し、中間パネル16に支持パネル17を固定し、支持パネル17に係合板18を取り付け、支持パネル17を支持架台8に固定する。
このようにベースブロック3、4を、基礎コンクリート面2ではなく、地面50(落し込み穴50p)に配置した場合、ベースブロック3、4は、地面50(落し込み穴50p)に固定されないが、ベースブロック3、4に固定された支持架台8と起立体9が、連結金具10、11とナット52a、52b、アンカーボルトによりコンクリート体51に固定され、蓄電池40に正面水平方向から大きな力が作用したり地震による横揺れが作用しても、支持パネル等を介して蓄電池40を固定する支持架台8が動いてその位置がずれることなく、蓄電池40の背面を固定する部分が変形したり破損したりして蓄電池40の固定が解除されることもない。
【0044】
本発明の蓄電池設置台を、基礎コンクリート面(建物の基礎等を形成する地面に埋め込まれたコンクリートの上面)に置く場合、ベースブロック3、4をなくして、載置架台7と支持架台8を基礎コンクリート面に置いてもよい。
この場合は、載置架台7と支持架台8が置かれる基礎コンクリート面が、本発明の設置面となる。
図12(a)は、載置架台7と支持架台8が置かれる基礎コンクリート面の斜視図、
図12(b)は、基礎コンクリート面の上に載置架台7、支持架台8及び起立体9を固定した状態の斜視図であり、図中、2’は基礎コンクリート面、2a1’、2a2’、2b1’、2b2’は穴である。
図10(a)に示すように載置架台7と支持架台8を基礎コンクリート面2’に置く場合、基礎コンクリート面2’はコンクリート体51に接しているものとする。
この基礎コンクリート面2’には、所定の位置には穴2a1’、2b1’、2a2’、2b2’が設けられ、穴2a1’、2b1’、2a2’、2b2’には、連結ボルト22a、22b、23a、23bと螺合するアンカーナットが打ち込まれている。
載置架台7の基礎コンクリート面2’への固定は、連結ボルト22a、22bを載置架台7の貫通孔7a、7bに挿通させて、基礎コンクリート面2’の穴2a1’、2b1’に打ち込まれたアンカーナットに螺合させることにより行う。
また、支持架台8の基礎コンクリート面2’への固定は、連結ボルト23a、23bを連結金具10、11の穴10a1、11b1と支持架台8の貫通孔8a、8bに挿通させて、基礎コンクリート面2’の穴2a2’、2b2’に打ち込まれたアンカーナットに螺合させることにより行う。
連結金具10、11のコンクリート体51への固定は、
図10、
図11に示したベースブロック3、4を、コンクリート面2ではなく地面50(落し込み穴50p)に配置した場合と同じであり、パネル固定金具12、アーム板15、中間パネル16、支持パネル17、係合板18の取付固定は、ベースブロック3、4に載置架台7と支持架台8を固定した場合と同じである。
【0045】
[蓄電池背面固定手段が異なる蓄電池設置台]
図13は、蓄電池設置台1とは蓄電池背面固定手段が異なる蓄電池設置台の構成を示す斜視図、
図14は、
図13に示す蓄電池設置台の平面図、
図15は、
図13に示す蓄電池設置台の正面図、
図16は、
図13に示す蓄電池設置台の右側面図、
図17は、
図13に示す蓄電池設置台の背面図、
図18は、
図13に示す蓄電池設置台の分解斜視図である。
図中、1’は蓄電池設置台、3a3、4b4は穴、60Lは左支持パネル、60Rは右支持パネル、60a、60b、60c、60d、60eは穴、61は上アングル、62は中アングル、63は下アングル、64は補強ブロック、65はバンパー、70、71は連結金具、70a1、70a2、71b1、71b2は穴、70c、71cは長穴、80a、80b、81a、81bは固定ボルト、82a、82bはナットであり、
図1~
図12に示す蓄電池設置台1の構成部材等と同じものには同一の符号を付す。
図に示すように、蓄電池設置台1’は、載置架台7、支持架台8、左支持パネル60L、右支持パネル60R、上アングル61、中アングル62、下アングル63、補強ブロック64、バンパー65、連結金具70、71等から構成される。
すなわち、蓄電池設置台1’は、ベースブロック3、4上に置かれる載置架台7と支持架台8を備えている点では蓄電池設置台1と共通するが、蓄電池40の背面を支持して固定する構造が蓄電池設置台1と異なり、蓄電池設置台1’では、蓄電池設置台1の起立体9、パネル固定金具12、中間パネル16、支持パネル17等に代えて、左支持パネル60L、右支持パネル60R、上アングル61、中アングル62、下アングル63、補強ブロック64、バンパー65等が使用される。
【0046】
左支持パネル60L、右支持パネル60Rは、蓄電池40の背面を支持する横断面がL字状の左右対称の金属性またはプラスチック製のパネルであって、蓄電池設置台1の支持パネル17に相当する。
この左支持パネル60Lの正面には上下に2個の穴60a、60cが設けられ、右支持パネル60Rの正面にも上下に個の穴60b、60dが設けられている。
そして、蓄電池設置台1の支持パネル17と同様に、蓄電池40と係合する係合板18の上板18Uと下板18Sを左支持パネル60Lと右支持パネル60Rの正面にあてがい、上板18Uの長穴18a、18bが穴60a、60bに重なり、下板18Sの長穴18c、18dが穴60c、60dに重なるようにし、各締付ボルト33a、33b、33c、33dを長穴18aと穴60a、長穴18bと穴60b、長穴18cと穴60c、長穴18dと穴60dのそれぞれに挿通し、締付ナット34a、34b、34c、34dを各締付ボルトに螺合させる。
これにより、係合板18が左支持パネル60Lと右支持パネル60Rの正面に取り付けられる。
また、右支持パネル60Rの右側面の下端近傍には穴60eが設けられ、左支持パネル60Lの右側面の下端近傍にも同様の穴60eが設けられている。
上アングル61、中アングル62、下アングル63は、断面がL字状の金属性またはプラスチック製のアングルであって、それぞれ左支持パネル60L、右支持パネル60Rの背面の上部、中央部、下部に、溶接、ねじ止め、接着剤等により取り付けられ、左支持パネル60Lと右支持パネル60Rを左右に連結する。
そして、左支持パネル60L、右支持パネル60R、上アングル61、中アングル62、下アングル63等は、箱状の枠体を形成し、本発明の固定枠体となる。
補強ブロック64は、樹脂製のブロックであり、下アングル63の直下の左支持パネル60Lと右支持パネル60Rの背面にねじ止め、接着剤等により固定され、上記箱状の枠体が外力を受けて変形するのを防止する。
バンパー65は、樹脂製の断面略半円状の棒状体であり、左支持パネル60L、右支持パネル60Rの背面側に上アングル61から外側に出っ張るように取り付けられる。
このバンパー65は、設置された左支持パネル60Lと右支持パネル60Rが、地震等により前後に揺れて、左支持パネル60Lと右支持パネル60Rの上端が近接する建物の壁に衝突しても壁の傷つけないようにするためのものである。
【0047】
蓄電池設置台1’の設置に当たっては、
図10等に示す蓄電池設置台1の他の実施形態と同様に、コンクリート体51に接する基礎コンクリート面2又は地面50にベースブロック3、4が置かれ(図では落し込み穴50pのない地面50にベースブロック3、4が置かれた場合を示している。)、載置架台7がベースブロック3、4の上面に置かれて連結ボルト22a、22bにより固定され、支持架台8がベースブロック3、4の上面に置かれて連結ボルト23a、23bにより固定される。
この場合、蓄電池設置台1とは異なり、連結金具10、11は使用されず、連結ボルト23a、23bは、連結金具10、11の穴10a1、11b1を介さずに支持架台8の貫通孔8a、8bに挿通される。
また、蓄電池設置台1’では、蓄電池設置台1と異なり、支持架台8の左右の側面側に左支持パネル60Lと右支持パネル60Rを挟んで連結金具70、71が配置される。
連結金具70、71は、連結金具10、11と同様に3面(底面、側面、背面)からなる金具であり、その底面と側面には、穴70a1、70a2、71b1、71b2が設けられ、その背面には、長穴70c、71cが設けられている。
この連結金具70、71が配置されるベースブロック3、4の上面には、穴70a1、71b1が重なる位置に穴3a3、4b4が設けられ、穴3a3、4b4には、固定ボルトと螺合するナットが埋め込まれている。
【0048】
そして、ベースブロック3、4の上面に配置された連結金具70、71は、固定ボルト80a、80b、81a、81bとナット82a、82bにより、ベースブロック3、4、支持架台8、左支持パネル60L、右支持パネル60R及びコンクリート体51に固定される。
すなわち、固定ボルト80aが連結金具70の穴70a1に挿通されてベースブロック3の穴3a3に埋め込まれたナット螺合され、固定ボルト81aが、連結金具70の穴70a2と左支持パネル60Lの左側面の下端近傍に設けられた穴に挿通されて、支持架台8の左側面の穴に埋め込まれたナット螺合される。
また、アンカーボルト(図示せず)が連結金具70の長穴70cに挿通されてコンクリート体51の正面の穴51aに打ち込まれ、長穴70cから突出したアンカーボルトの頭部にナット82aが螺合される。
これにより、連結金具70を介して、ベースブロック3、支持架台8、左支持パネル60L及びコンクリート体51が相互に固定される。
同様に、固定ボルト80bが連結金具71の穴71b1に挿通されてベースブロック4の穴4b4に埋め込まれたナット螺合され、固定ボルト81bが、連結金具71の穴71b2と右支持パネル60Rの左側面の下端近傍に設けられた穴60eに挿通されて、支持架台8の右側面の穴8cに埋め込まれたナット螺合される。
また、アンカーボルト(図示せず)が連結金具71の長穴71cに挿通されてコンクリート体51の正面の穴51bに打ち込まれ、長穴71cから突出したアンカーボルトの頭部にナット82aが螺合される。
これにより、連結金具71を介して、ベースブロック4、支持架台8、右支持パネル60R及びコンクリート体51が相互に固定される。
【0049】
図19は、蓄電池設置台1’において、左支持パネル60Lと右支持パネル60Rを連結等する中アングル62、下アングル63及び補強ブロック64に代えて背面ブロックを使用した場合の背面図であり、図中、90、91、92は背面ブロック、93a、93b、94a、94b、95a、95bは固定ボルトである。
背面ブロック90、91、92は、支持架台8と同じ横幅の横長直方体形状のコンクリートブロックであり、支持架台8と同じ位置に上面から下面に貫通する貫通孔が設けられ、左右側面には、支持架台8の左右側面の穴8cと同じ穴が設けられてナットが埋め込まれている。
この背面ブロック90、91、92を使用する場合は、左支持パネル60Lと右支持パネル60Rの側面には、背面ブロック90、91、92の側面の穴と重なる位置に穴が設けられ、支持架台8は、連結ボルト23a、23bに代えて、ナット付連結ボルトが使用される。
この背面ブロック90、91、92は、支持架台8の上面に積み重ねて置かれ、ナット付連結ボルトが背面ブロック90、91、92の貫通孔に挿通されて、背面ブロック90に挿通されたナット付連結ボルトが支持架台8に挿通されたナット付連結ボルトの頭部のナットに螺合され、各背面ブロック90、91、92の貫通孔に挿通されたナット付連結ボルトが相互に連結され、背面ブロック90、91、92が支持架台8の上面に固定される。
そして、固定ボルト93a、94a、95aが、左支持パネル60Lの側面に設けられた穴から挿通され、背面ブロック90、91、92の左側面に設けられた穴に埋め込まれたナットに螺合される。
これにより、左支持パネル60Lの側面が背面ブロック90、91、92の左側面に固定される。
また、固定ボルト93b、94b、95bが、右支持パネル60Rに設けられた穴から挿通され、背面ブロック90、91、92の右側面に設けられた穴に埋め込まれたナットに螺合される。
これにより、右支持パネル60Rの側面が背面ブロック90、91、92の右側面に固定される。
このようにして左支持パネル60Lと右支持パネル60Rが、支持架台8の上面に固定された背面ブロック90、91、92で連結され、中アングル62、下アングル63及び補強ブロック64により連結される場合に比べて、より強固に左支持パネル60Lと右支持パネル60Rが連結される。
【0050】
以上のように蓄電池設置台1’においては、載置架台7と支持架台8が基礎コンクリート面2又は地面50に置かれたにベースブロック3、4の上面に置かれ、載置架台7が連結ボルト22a、22bによってベースブロック3、4に固定され、支持架台8が連結ボルト23a、23bによってベースブロック3、4に固定され、左支持パネル60Lと右支持パネル60Rが上アングル61、中アングル62、下アングル63で連結されて箱状の枠体を形成して補強ブロック64で補強され、あるいは、背面ブロック90、91、92で補強され、左支持パネル60Lと右支持パネル60Rが、連結金具70、71を介して、ベースブロック3、4、支持架台8、及びコンクリート体51に固定され、左支持パネル60Lと右支持パネル60Rの正面には係合板18が取り付けられ、この状態で、蓄電池40が載置架台7に載置されると共に、蓄電池40の背面が係合板18に取り付けられて固定されるため、単純な構造の蓄電池を設置する台であって、蓄電池40に正面水平方向から大きな力が作用したり地震による横揺れが作用しても、蓄電池40の背面を固定する部分が変形したり破損したりして蓄電池40の固定が解除されることがなく、建物の壁のない場所であっても蓄電池40を設置することができる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の蓄電池設置台及び蓄電池設置構造は、蓄電池を設置するに際し、蓄電池を固定する部分に過大な力が作用しても、固定部分が変形したり破損して蓄電池の固定が解除されることがなく、建物の壁のない場所であっても蓄電池を設置でき、家庭用の蓄電池を建物の基礎や地面等に設置するのに利用することができる。
【符号の説明】
【0052】
1、1’ 蓄電池設置台
2、2’ 基礎コンクリート面
2a、2a1’、2a2’、2b1’、2b2’ 穴
3、4 ベースブロック
3a1、3a2、3a3、4b1、4b2、4b3、4b4 穴
5、6 ブロック固定金具
5a、5b、6a、6b 穴
7 載置架台
7a、7b 貫通孔
8 支持架台
8a、8b 貫通孔
8c 穴
9 起立体
9a1、9b1、9b2 穴
10、11 連結金具
10a1、10a2、11b1、11b2 穴
10c、11c 長穴
12 パネル固定金具
13 ベース板
13a、13b 長穴
14Q、14R 挟持板
14Qh、14Rh 軸穴
15 アーム板
15h1、15h2 軸穴
16中間パネル
16a、16b、16c、16d穴
16Q、16R 挟持板
16Rh 軸穴
17 支持パネル
17a1、17a2、17b1、17b2、17c1、17c2、17d1、17d2、17e 穴
18 係合板
18a、18b、18c、18d 長穴
18U 上板
18R 連結板
18S 下板
18f1、18f2、18f3、18f4 フック
20a、20b、21a、21b 固定ボルト
22a、22b、23a、23b 連結ボルト
24a、24b、25a、25b、26a、26b 固定ボルト
27、29 軸用ボルト
28、30 軸用ナット
31a、31b、31c、31d、33a、33b、33c、33d 締付ボルト
32a、32b、32c、32d、34a、34b、34c、34d 締付ナット
40 蓄電池
40a 蓄電池本体
40b1、40b2 脚
40k1、40k2、40k3、40k4 係合孔
50 地面
50p 落し込み穴
51 コンクリート体
51a、51b 穴
52a、52b 固定ボルト
60L 左支持パネル
60R 右支持パネル
60a、60b、60c、60d、60e 穴
61 上アングル
62 中アングル
63 下アングル
64 補強ブロック
65 バンパー
70、71 連結金具
70a1、70a2、71b1、71b2 穴
70c、71c 長穴
80a、80b、81a、81b 固定ボルト
82a、82b ナット
90、91、92 背面ブロック
93a、93b、94a、94b、95a、95b 固定ボルト
【手続補正書】
【提出日】2022-01-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
【
図1】本発明の実施形態の蓄電池設置台の構成を示す斜視図である。
【
図6】
図1に示す蓄電池設置台の分解斜視図である。
【
図7】蓄電池40の斜視図、右側面図、正面図及び背面図である。
【
図8】蓄電池設置台1の組立工程の前半部分を説明する説明図である。
【
図9】蓄電池設置台1の組立工程の後半部分を説明する説明図である。
【
図10】ベースブロック3、4を配置する地面を示した斜視図と地面にベースブロック3、4を配置した状態の斜視図である。
【
図11】ベースブロック3、4の上に載置架台7、支持架台8及び起立体9を固定した状態の斜視図、正面図及び右側面図である。
【
図12】載置架台7と支持架台8が置かれるコンクリート面の斜視図とコンクリート面の上に載置架台7、支持架台8及び起立体9を固定した状態の斜視図である。
【
図13】蓄電池設置台1とは蓄電池背面固定手段が異なる蓄電池設置台の構成を示す斜視図である。
【
図19】蓄電池設置台1’において、左支持パネル60Lと右支持パネル60Rを連結等する中アングル62、下アングル63及び補強ブロック64に代えて背面ブロックを使用した場合の背面図である。