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  • 特開-キャップおよびボトル包装品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023010315
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】キャップおよびボトル包装品
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/04 20060101AFI20230113BHJP
   B65D 41/34 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
B65D41/04 500
B65D41/34 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021114368
(22)【出願日】2021-07-09
(71)【出願人】
【識別番号】000000055
【氏名又は名称】アサヒグループホールディングス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】304021831
【氏名又は名称】国立大学法人千葉大学
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下村 義弘
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 佑輝
(72)【発明者】
【氏名】小林 春陽
(72)【発明者】
【氏名】笹田 夏穂
(72)【発明者】
【氏名】水本 壮彦
(72)【発明者】
【氏名】宮本 菜々華
(72)【発明者】
【氏名】亀谷 典弘
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AA22
3E084AA24
3E084AA32
3E084AB01
3E084BA01
3E084CA01
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB14
3E084DC03
3E084FA09
3E084FC12
3E084GA03
3E084GB03
3E084HA03
3E084HB03
3E084HD01
3E084KA13
3E084LA17
3E084LB02
3E084LB07
3E084LD01
(57)【要約】
【課題】ボトルの口部からのキャップの取り外しあるいは開栓を容易にする。
【解決手段】ボトルの口部に装着されるキャップCは、円筒状の側面部10と、シール部32を含む天面部30とを含む。側面部10の内側には、複数の凹部11が設けられ、複数の凹部11の各々は、口部の外周に設けられた複数の突起のうちの1つの突起に係合する係合部E1を有する。口部がキャップCによって閉塞された閉状態において、複数の凹部11の各々の係合部E1が口部の複数の突起のうちの1つの突起に係合し、シール部32が口部の端面に押し付けられる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトルの口部に装着されるキャップであって、
円筒状の側面部と、
シール部を含む天面部と、を含み、
前記側面部の内側には、複数の凹部が設けられ、
前記複数の凹部の各々は、前記口部の外周に設けられた複数の突起のうちの1つの突起に係合する係合部を有し、
前記口部が前記キャップによって閉塞された閉状態において、前記複数の凹部の各々の前記係合部が前記複数の突起のうちの1つの突起に係合し、前記シール部が前記口部の端面に押し付けられることを特徴とするキャップ。
【請求項2】
前記複数の凹部の各々は、前記係合部における互いに向かい合う第1箇所および第2箇所からそれぞれ延びる第1ガイド面および第2ガイド面を有し、
前記口部を前記閉状態から開状態にするために前記キャップが前記口部の中心軸の周りで回動されるときに、前記第1ガイド面が前記突起に押し付けられることによって、前記キャップが前記口部から引き離される方向に、前記キャップに対して力が作用する、
ことを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
【請求項3】
前記第2ガイド面は、前記口部を前記閉状態から前記開状態にするために前記キャップが前記中心軸の周りで回動される動作に対して抗力を発生するように構成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のキャップ。
【請求項4】
前記複数の凹部の各々は、第2係合部を更に有し、前記第2ガイド面は、前記係合部と前記第2係合部とを接続するように配置されている、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のキャップ。
【請求項5】
前記キャップが前記第2ガイド面に接した状態が維持されながら前記口部が前記閉状態から開状態にされる場合に、前記係合部に係合していた前記突起が前記第2係合部に係合することを特徴とする請求項4に記載のキャップ。
【請求項6】
前記閉状態において、前記第2係合部には、前記口部の外周に設けられた複数の第2突起のうちの1つの第2突起が係合する、
ことを特徴とする請求項4に記載のキャップ。
【請求項7】
前記複数の凹部の個数は、4以上かつ8以下である、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のキャップ。
【請求項8】
前記複数の凹部の個数は、6である、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のキャップ。
【請求項9】
前記キャップを前記口部から取り外すために必要な前記キャップの回動角度は、45度以上かつ90度以下である、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のキャップ。
【請求項10】
前記キャップを前記口部から取り外すために必要な前記キャップの回動角度は、45度以上かつ60度以下である、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のキャップ。
【請求項11】
前記側面部に対して破断片を介して連結されたピルファープルーフリングを更に含む、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のキャップ。
【請求項12】
前記天面部と前記複数の凹部との最短距離が1mm以上かつ5mm以下である、
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のキャップ。
【請求項13】
前記キャップの放射方向における前記複数の凹部の深さが0.7mm以上かつ1.5mm以下である、
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のキャップ。
【請求項14】
口部を有するボトルと、
前記口部に装着された請求項1乃至13のいずれか1項に記載のキャップと、
前記ボトルに充填された充填物と、
を含むことを特徴とするボトル包装品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップおよびボトル包装品に関する。
【背景技術】
【0002】
PETボトル等のプラスチックボトルの口部に装着されるキャップは、一般的に、口部に設けられた雄ネジに係合する係合部を有するネジ式である。ネジ式のキャップでは、口部からキャップを取り外すときに、何度もキャップを摘まみ直す必要があり、手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-113255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ボトルの口部からのキャップの取り外しあるいは開栓を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの側面は、ボトルの口部に装着されるキャップに係り、前記キャップは、円筒状の側面部と、シール部を含む天面部と、を含み、前記側面部の内側には、複数の凹部が設けられ、前記複数の凹部の各々は、前記口部の外周に設けられた複数の突起のうちの1つの突起に係合する係合部を有し、前記口部が前記キャップによって閉塞された閉状態において、前記複数の凹部の各々の前記係合部が前記複数の突起のうちの1つの突起に係合し、前記シール部が前記口部の端面に押し付けられる。
【0006】
本発明の第2側面は、ボトル包装品に係り、前記ボトル包装品は、口部を有するボトルと、前記口部に装着されたキャップと、前記ボトルに充填された充填物とを含み、前記キャップは、円筒状の側面部と、シール部を含む天面部と、を含み、前記側面部の内側には、複数の凹部が設けられ、前記複数の凹部の各々は、前記口部の外周に設けられた複数の突起のうちの1つの突起に係合する係合部を有し、前記口部が前記キャップによって閉塞された閉状態において、前記複数の凹部の各々の前記係合部が前記複数の突起のうちの1つの突起に係合し、前記シール部が前記口部の端面に押し付けられる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ボトルの口部からのキャップの取り外しあるいは開栓を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態のボトル包装品の構成を示す図。
図2】一実施形態のキャップの構成を示す斜視図。
図3】一実施形態のキャップの構成を示す斜視図。
図4】一実施形態のボトルの口部の構成例を示す斜視図。
図5】一実施形態のボトルの口部の他の構成例を示す斜視図。
図6】一実施形態のキャップの構成を示す透視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
本明細書および添付図面では、XYZ座標系において方向が特定されている。Z軸のみが付された図面は、XY座標が省略されているだけであり、XYZ座標系に従う。図1には、充填物が充填されたボトルBの口部MにキャップCが装着されて構成されるボトル包装品PROが示されている。一実施形態のキャップCは、ボトルBの口部Mに付される。ボトルBは、例えば、プラスチック製ボトル(例えば、PET製ボトル)、金属性ボトル、または、ガラス製ボトル等でありうる。ボトルBに充填される充填物は、飲料等の液体であってもよいし、粘性物であってもよいし、固体であってもよい。
【0011】
図2には、一実施形態のキャップCの構成が示されている。図2において、Z軸のプラス方向は下方である。図3は、構成をより明瞭に示すために、図2から符号(C以外)およびZ軸を取り去った図である。図4には、ボトルBの口部Mの一構成例が示されている。図5には、ボトルBの口部Mの他の構成例が示されている。図6は、キャップCの凹部11を透視した透視図である。
【0012】
キャップCは、ボトルBの口部Mに装着される。キャップCは、ボトルBの口部Mに設けられた複数の突起51に対してキャップCに設けられた複数の係合部E1が係合した状態で口部Mに固定されうる。キャップCは、例えば、45度以上かつ90度以下、好ましくは、45度以上かつ60度以下の回動角度で、口部MあるいはボトルBに対して回動されることによって口部MあるいはボトルBから取り外されうる。この点で、ボトル包装品PRO、口部MおよびキャップCの構成は、従来のネジ式におけるそれらの構成とは異なる。ここで、口部BからキャップCを取り外す時(即ち、開栓時)のキャップCの回動方向は、従来のネジ式と同様に左回りであってよいが、右回りであってもよい。
【0013】
キャップCは、円筒状の側面部10と、シール部32を含む天面部30とを含みうる。側面部10の内側には、複数の凹部11が設けられている。複数の凹部11は、側面部10の内側面を窪ませることによって構成されてもよいし、側面部10の内側面に接触するように配置されてもよいし、側面部10の内側面から離隔して配置されてもよい。複数の凹部11は、側面部10の周方向に周期的に配置されうる。換言すると、複数の凹部11の配置あるいはキャップCは、回転対称性を有しうる。例えば、複数の凹部11の配置あるいはキャップCは、3回、4回、5回、6回、7回、又は8回の回転対称性を有しうる。
【0014】
複数の凹部11の各々は、ボトルBの口部Mの外周に設けられた複数の突起51のうちの1つの突起51に係合する係合部E1を有しうる。ここで、凹部11の個数と突起51の個数とは一致しうる。複数の突起51は、口部Mの周方向に周期的に配置されうる。換言すると、複数の凹部11の配置あるいは口部Mは、回転対称性を有しうる。例えば、複数の凹部11の配置あるいは口部Mは、3回、4回、5回、6回、7回、又は8回の回転対称性を有しうる。
【0015】
ボトルBの口部MがキャップCによって閉塞された閉状態において、複数の凹部11の各々の係合部E1が複数の突起51のうちの1つの突起51に係合し、シール部32が口部Mの端面に押し付けられうる。これにより、ボトルBの口部MがキャップCによって閉塞されたシール状態が維持されうる。
【0016】
複数の凹部11の各々は、係合部E1における互いに向かい合う第1箇所P1および第2箇所P2からそれぞれ延びる第1ガイド面G1および第2ガイド面G2を有しうる。ボトルBの口部Mを閉状態から開状態にするためにキャップCが口部Mの中心軸の周りで回動されるときに、第1ガイド面G1が突起51に押し付けられることによって、キャップCが口部Mから引き離される方向(Z軸のプラス方向)に、キャップCに対して力が作用しうる。
【0017】
第2ガイド面G2は、口部Mを閉状態から開状態にするためにキャップCが口部Mの中心軸(Z軸に平行)の周りで回動される動作に対して抗力を発生するように構成されるとよい。そのような構成は、図6を参照して説明すると、係合部E1の出口における第1ガイド面G1と第2ガイド面G2との間隔g(Z軸方向における間隔)を突起51の寸法(Z軸方向における寸法)より小さくすることによって実現されうる。
【0018】
複数の凹部11の各々は、第2係合部E2を更に有してもよく、第2ガイド面G2は、係合部E1と第2係合部E2とを接続するように配置されうる。一例において、キャップCが第2ガイド面G2に接した状態が維持されながらボトルBの口部Mが閉状態から開状態にされる場合に、係合部E1に係合していた突起51が第2係合部E2に係合しうる。
【0019】
あるいは、図5に例示されるように、容器Bの口部Mの外周には、複数の第2突起52が設けられてもよく、この場合、ボトルBの口部MがキャップCによって閉塞された閉状態において、各第2係合部E2には、複数の第2突起のうちの1つの第2突起52が係合しうる。
【0020】
キャップCの側面部10の内側に設けられる複数の凹部11の個数は、例えば、4以上かつ8以下、好ましくは、6でありうる。ボトルBの口部Mの外周に設けられる複数の突起51の個数は、4以上かつ8以下、好ましくは、6でありうる。ボトルBの口部Mの外周に設けられる複数の第2突起52の個数は、4以上かつ8以下、好ましくは、6でありうる。複数の突起51の個数は、複数の第2突起52の個数と同一であってよい。複数の突起51の形状および寸法等の特徴は、複数の第2突起52の形状および寸法等の特徴と同一であってもよいし、異なってもよい。
【0021】
キャップCをボトルBの口部Mから取り外すために必要なキャップCの回動角度は、45度以上かつ90度以下、好ましくは、45度以上かつ60度以下である。このような構成は、ネジ式におけるような開栓時の煩わしさ、即ち、開栓のために何度も2本の指等でキャップを摘まみ直す作業を解消するために有利である。
【0022】
キャップCは、側面部10に対して破断片(不図示)を介して連結されたピルファープルーフリング40を更に備えてもよい。側面部10とピルファープルーフリング40とを連結する破断片は、ピルファープルーフとして機能する他、閉状態(シール状態)を維持するようにも機能しうる。係合部E1と突起51との係合の強度(および、第2係合部E2および第2突起52が存在する場合、それらの係合の強度)は、側面部10とピルファープルーフリング40とを連結する破断片の強度を考慮して決定されうる。ここで、係合の強度は、開栓時に全ての係合を解除するために必要な力あるいはトルクとして評価されうる。破断片の強度は、開栓時に全ての破断片を破断するために要する力あるいはトルクとして評価されうる。係合の強度は、一例においては破断片の強度より強いが、他の例においては破断片の強度より弱い。
【0023】
図6を参照して説明すると、天面部30と複数の凹部11との最短距離dは、例えば、1mm以上かつ5mm以下であり、好ましくは、1mm以上かつ3mm以下である。キャップCは、金型を使った射出成形プロセスによって形成されてもよいし、3Dプリンタによって形成されてもよいし、他の方法によって形成されてもよい。
【0024】
キャップCの放射方向(中心軸から見た半径方向)における複数の凹部11の深さは、例えば、0.7mm以上かつ1.5mm以下でありうる。
【0025】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0026】
PRO:ボトル包装品、B:ボトル、M:口部、C:キャップ、10:側面部、11:凹部、30:天面部、32:シール部、40:ピルファープルーフリング、P1:第1箇所、P2:第2箇所、G1:第1ガイド面、G2:第2ガイド面、E1:係合部、E2:第2係合部、51:突起、52:第2突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6