(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103160
(43)【公開日】2023-07-26
(54)【発明の名称】多連可動式カチューシャ用接続ユニット
(51)【国際特許分類】
A45D 8/36 20060101AFI20230719BHJP
A45D 8/00 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
A45D8/36 Z
A45D8/00 503C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160110
(22)【出願日】2022-10-04
(31)【優先権主張番号】P 2022004008
(32)【優先日】2022-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】593125676
【氏名又は名称】大晴産業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】510010388
【氏名又は名称】原 猛男
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】原 猛男
(57)【要約】
【課題】多連可動式のカチューシャの連結に最適な接続ユニットを提供する。
【解決手段】接続ユニットU1は、一方のカチューシャの固定部2に設けられ、断面円形又は断面円弧状を呈する回動ガイド部4を有する固定側の接続パーツU11と、他方のカチューシャの固定部2に設けられ、固定側の接続パーツU11の回動ガイド部4上で回動可能に係合可能な断面円形又は断面円弧状を呈する回動ガイド部5を有する可動側の接続パーツU12とを備え、各カチューシャ間で固定側の接続パーツU11と可動側の接続パーツU12とを組み合わせて結合することにより、各カチューシャを連結する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性を有する線材により全体を略C字形又は略U字形に形成されて、両端部の、一対の固定部と、中間部の、複数の頭髪保持部を有する髪型保持部とからなる少なくとも2本のカチューシャを、一方の前記カチューシャの前記各固定部に対して他方の前記カチューシャの前記各固定部を回動可能に接続することにより、前記各カチューシャを相互に回動可能に連結する多連可動式カチューシャ用接続ユニットであって、
一方の前記カチューシャの前記各固定部に設けられ、断面円形又は断面円弧状を呈する回動ガイド部を有する固定側の接続パーツと、
他方の前記カチューシャの前記各固定部に設けられ、前記固定側の接続パーツの前記回動ガイド部上で回動可能に係合可能な断面円形又は断面円弧状を呈する回動ガイド部を有する可動側の接続パーツと、
を備え、
前記各カチューシャ間で前記固定側の接続パーツと前記可動側の接続パーツとを組み合わせて結合することにより、前記各カチューシャを連結する、
ことを特徴とする多連可動式カチューシャ用接続ユニット。
【請求項2】
接続ユニットは、固定側の接続パーツの回動ガイド部と可動側の接続パーツの回動ガイド部との間に、前記固定側の接続パーツに対して前記可動側の接続パーツの回動範囲を規制する回動範囲規制ストッパーを有する請求項1に記載の多連可動式カチューシャ用接続ユニット。
【請求項3】
接続ユニットは、固定側の接続パーツの回動ガイド部と可動側の接続パーツの回動ガイド部との間に、前記固定側の接続パーツに対して前記可動側の接続パーツの回動を所定の角度毎に止める複数の回動位置ストッパーを有する請求項1又は2に記載の多連可動式カチューシャ用接続ユニット。
【請求項4】
接続ユニットは、固定側の接続パーツの回動ガイド部に対して可動側の接続パーツの回動ガイド部が任意の回動位置で停止可能に摩擦係合される請求項1に記載の多連可動式カチューシャ用接続ユニット。
【請求項5】
接続ユニットは、固定側の接続パーツ又は可動側の接続パーツの一方が球体からなり、前記球体は一方のカチューシャの各固定部に設けられ、他方が長円形又は長方形の枠状でかつ前記球体の球面上に沿う円弧状を呈する円弧状枠状部材からなり、前記円弧状枠状部材は他方のカチューシャの各固定部に設けられ、前記円弧状枠状部材はその枠状内に前記一方のカチューシャの各固定部が通されて前記球体上に沿って回動可能に結合される請求項1又は2に記載の多連可動式カチューシャ用接続ユニット。
【請求項6】
接続ユニットは、固定側の接続パーツ又は可動側の接続パーツの一方が略キャップ状の円筒構造体からなり、前記円筒構造体は一方のカチューシャの各固定部に設けられ、他方が一部又は全部を前記円筒構造体の内周上で回動可能に当該内周内に嵌合可能に一部に円筒部を有する又は全部が円筒形を呈する円筒形構造体からなり、前記円筒形構造体は他方のカチューシャの各固定部に設けられ、前記円筒構造体に対して前記円筒形構造体が回動可能に結合される請求項1乃至4のいずれかに記載の多連可動式カチューシャ用接続ユニット。
【請求項7】
接続ユニットは、固定側の接続パーツ又は可動側の接続パーツの一方が外周面の少なくとも一部に断面円弧状のガイド面を有する支軸と、前記支軸の先端又は外周面の一部から前記支軸の軸心に対して交差方向に突出される係止部とからなり、前記支軸及び前記係止部は一方のカチューシャの各固定部に設けられ、他方が内周の少なくとも一部に円弧状のガイド部を有する環状部材からなり、前記環状部材は他方のカチューシャの各固定部に設けられ、前記環状部材はその環状内に前記一方のカチューシャの各固定部の前記支軸が通され、前記係止部に抜け止めされて前記ガイド面と前記ガイド部との係合案内により回動可能に結合される請求項1に記載の多連可動式カチューシャ用接続ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2本のカチューシャを相互に回動可能に連結する多連可動式カチューシャ用接続ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
本願発明者は、従前、帽子着用中の前髪や頭頂部における頭髪などの圧し潰れを容易に抑制し、帽子着用後に髪型を容易に整えられるようにすることを目的として、多連可動式カチューシャ(発明の名称:帽子着用時の髪型保持具)を、特許文献1により、提案している。
【0003】
特許文献1の髪型保持具は、開放した部分環状型の形態を有し、開放部の間隔を変更しうる弾性を備える本体部であって、所定のピッチを有するコイル状の第1の頭髪保持部と、第1の頭髪保持部の両端に設けた、開放部を形成する2つの頭部固定部とを供える本体部、所定のピッチを有するコイル状の第2の頭髪保持部を有する円弧状の頭髪保持可動部、及び頭髪保持可動部を、本体部の各頭部固定部の上方に枢動可能に取り付ける本体接続部を備えて構成される。
【0004】
このようにして本体部の頭部固定部を両側頭部に固定し、頭髪保持可動部を所望範囲で枢動させて、第1の頭髪保持部及び第2の頭髪保持部を、別の所定の頭髪箇所に装着し、少なくとも2箇所において帽子による頭髪への押圧を抑制する。そして、第1及び第2の頭髪保持部が所定のピッチを有するコイル状をなすことで、装着した箇所の頭髪の根元を含む髪がコイルに入り込み、その部分の頭髪を帽子の押圧により潰されるのを抑制する。しかして、少なくとも前髪及び頭頂部における頭髪の根元付近の潰れを抑制し、帽子の装着による髪形の乱れを防止する。
【0005】
このようにこの髪型保持具によれば、帽子着用後における、前髪や頭頂部における頭髪等の圧し潰れを容易に抑制し、帽子着用後の髪型の乱れを容易に整えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明者は、この種の多連可動式カチューシャを今後も開発、製造していくところであり、とりわけ、髪型保持部のバリエーションの拡大を図ることを企図している。また、特許文献1では、3連可動式のカチューシャを例示したが、2連可動式、3連可動式又はそれ以上の多連可動式のカチューシャを提供することも併せて企図している。
【0008】
そこで、まず必要になるのが、複数のカチューシャを相互に回動可能に連結するのに適した接続ユニットである。特許文献1においても3連のカチューシャを連結する接続部を開示しており、この接続部を用いてもよいが、既述のように多連可動式カチューシャのバリエーションを増やしていくことを考慮すると、多数のカチューシャでも簡易に連結でき、多種の形態のカチューシャでも共通に利用できることがコスト的にも望ましい。
【0009】
本発明は、かかる課題を解決するもので、この種の多連可動式のカチューシャの連結に最適な接続ユニットを提供すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、
弾性を有する線材により全体を略C字形又は略U字形に形成されて、両端部の、一対の固定部と、中間部の、複数の頭髪保持部を有する髪型保持部とからなる少なくとも2本のカチューシャを、一方の前記カチューシャの前記各固定部に対して他方の前記カチューシャの前記各固定部を回動可能に接続することにより、前記各カチューシャを相互に回動可能に連結する多連可動式カチューシャ用接続ユニットであって、
一方の前記カチューシャの前記各固定部に設けられ、断面円形又は断面円弧状を呈する回動ガイド部を有する固定側の接続パーツと、
他方の前記カチューシャの前記各固定部に設けられ、前記固定側の接続パーツの前記回動ガイド部上で回動可能に係合可能な断面円形又は断面円弧状を呈する回動ガイド部を有する可動側の接続パーツと、
を備え、
前記各カチューシャ間で前記固定側の接続パーツと前記可動側の接続パーツとを組み合わせて結合することにより、前記各カチューシャを連結する、
ことを要旨とする。
【0011】
この場合、接続ユニットは、次のような構成を併せて備えることが好ましい。
(1)接続ユニットは、固定側の接続パーツの回動ガイド部と可動側の接続パーツの回動ガイド部との間に、前記固定側の接続パーツに対して前記可動側の接続パーツの回動範囲を規制する回動範囲規制ストッパーを有する。
(2)接続ユニットは、固定側の接続パーツの回動ガイド部と可動側の接続パーツの回動ガイド部との間に、前記固定側の接続パーツに対して前記可動側の接続パーツの回動を所定の角度毎に止める複数の回動位置ストッパーを有する。
(3)接続ユニットは、固定側の接続パーツの回動ガイド部に対して可動側の接続パーツの回動ガイド部が任意の回動位置で停止可能に摩擦係合される。
【0012】
また、この場合、接続ユニットは、次のように具体化される。
(1)接続ユニットは、固定側の接続パーツ又は可動側の接続パーツの一方が球体からなり、前記球体は一方のカチューシャの各固定部に設けられ、他方が長円形又は長方形の枠状でかつ前記球体の球面上に沿う円弧状を呈する円弧状枠状部材からなり、前記円弧状枠状部材は他方のカチューシャの各固定部に設けられ、前記円弧状枠状部材はその枠状内に前記一方のカチューシャの各固定部が通されて前記球体上に沿って回動可能に結合される。
(2)接続ユニットは、固定側の接続パーツ又は可動側の接続パーツの一方が略キャップ状の円筒構造体からなり、前記円筒構造体は一方のカチューシャの各固定部に設けられ、他方が一部又は全部を前記円筒構造体の内周上で回動可能に当該内周内に嵌合可能に一部に円筒部を有する又は全部が円筒形を呈する円筒形構造体からなり、前記円筒形構造体は他方のカチューシャの各固定部に設けられ、前記円筒構造体に対して前記円筒形構造体が回動可能に結合される。
(3)接続ユニットは、固定側の接続パーツ又は可動側の接続パーツの一方が外周面の少なくとも一部に断面円弧状のガイド面を有する支軸と、前記支軸の先端又は外周面の一部から前記支軸の軸心に対して交差方向に突出される係止部とからなり、前記支軸及び前記係止部は一方のカチューシャの各固定部に設けられ、他方が内周の少なくとも一部に円弧状のガイド部を有する環状部材からなり、前記環状部材は他方のカチューシャの各固定部に設けられ、前記環状部材はその環状内に前記一方のカチューシャの各固定部の前記支軸が通され、前記係止部に抜け止めされて前記ガイド面と前記ガイド部との係合案内により回動可能に結合される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の接続ユニットによれば、各カチューシャ間で一方の固定側の接続パーツと他方の可動側の接続パーツとを組み合わせて結合することにより、各カチューシャを連結するので、2本又は3本又はそれ以上のカチューシャでも簡易に連結することができ、多種の形態のカチューシャにも共通に利用することができ、コストパフォーマンスに優れ、多数、多種のカチューシャの連結に最適な接続ユニットを実現できる、という本発明独自の格別な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1-1】本発明の第1の実施の形態に係る多連可動式カチューシャ用接続ユニットの構成を多連可動式カチューシャとともに示す平面図
【
図1-2】同接続ユニットの構成を多連可動式カチューシャとともに示す底面図
【
図1-3】同接続ユニットの構成を多連可動式カチューシャとともに示す正面図
【
図1-4】同接続ユニットの構成を多連可動式カチューシャとともに示す背面図
【
図1-5】同接続ユニットの構成を多連可動式カチューシャとともに示す右側面図
【
図1-6】同接続ユニットの構成を多連可動式カチューシャとともに示す左側面図
【
図2】同接続ユニットの要部の構成を示す拡大斜視図
【
図3】同接続ユニットの要部の変更例を示す拡大斜視図
【
図4】同接続ユニットを用いた多連可動式カチューシャの使用例を示す図
【
図5】同接続ユニットを用いた多連可動式カチューシャの使用例での同接続ユニットの動作を示す図
【
図6】本発明の第2の実施の形態に係る多連可動式カチューシャ用接続ユニットの要部の構成を示す拡大斜視図
【
図9】本発明の第3の実施の形態に係る多連可動式カチューシャ用接続ユニットの構成を多連可動式カチューシャとともに示す斜視図
【
図10-1】同接続ユニットの構成を多連可動式カチューシャとともに示す平面図
【
図10-2】同接続ユニットの構成を多連可動式カチューシャとともに示す底面図
【
図10-3】同接続ユニットの構成を多連可動式カチューシャとともに示す正面図
【
図10-4】同接続ユニットの構成を多連可動式カチューシャとともに示す背面図
【
図10-5】同接続ユニットの構成を多連可動式カチューシャとともに示す右側面図
【
図10-6】同接続ユニットの構成を多連可動式カチューシャとともに示す左側面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、この発明を実施するための形態について図を用いて説明する。
図1に多連可動式カチューシャとともに多連可動式カチューシャ用接続ユニットの第1の実施の形態としての全体構成を示し、
図2、
図3にその要部の構成を示している。
【0016】
図1に示すように、多連可動式カチューシャKは、少なくとも2本のカチューシャK1,K2がそれぞれ、弾性を有する線材により全体を略C字形又は略U字形に形成されて、両端部の、一対の固定部2,2と、中間部の、複数の頭髪保持部10を有する髪型保持部1とからなり、各カチューシャK1,K2が多連可動式カチューシャ用接続ユニットU1を介して連結される。多連可動式カチューシャ用接続ユニットU1(以下、単に接続ユニットU1という。)は、これらのカチューシャK1,K2を、一方のカチューシャK1の各固定部2,2に対して他方のカチューシャK2の各固定部2,2を回動可能に接続することにより、各カチューシャK1,K2を相互に回動可能に連結する構造を備える。
【0017】
この場合、多連可動式カチューシャKは2連可動式としてある。各カチューシャK1,K2は、弾性を有する線材により全体が略C字形に形成され、その両端部が(ヒトの)頭部の両側頭部に弾性的に押え固定するための一対の固定部2,2で、各固定部2,2間の中間部が(ヒトの)頭部の上頭部から両側頭部にかけて架け渡し配置され、頭髪を頭皮から立ち上げて保持する複数の頭髪保持部10を有する髪型保持部1になっている。
【0018】
なお、この場合、一方のカチューシャK1は、ファーストカチューシャとして(以下、ファーストカチューシャK1という。)基本的に頭頂部上に装着され、他方のカチューシャK2は、セカンドカチューシャとして(以下、セカンドカチューシャK2という。)基本的に前髪部分の前頭部に装着されるようになっていて、それぞれ、次のように若干異なる構成を有している。
【0019】
ファーストカチューシャK1は、ステンレスその他の金属製の線材により全長がセカンドカチューシャK2の全長に比べて長い略C字形に形成される。
【0020】
ファーストカチューシャK1の両端部はこのファーストカチューシャK1を(ヒトの頭部の)両側頭部に固定するための一対の固定部2,2として形成される。この場合、これらの固定部2,2は、それぞれ、概ね耳の後ろで耳の上下方向中間部から耳の下部まで延びる長さで、正面視(両側頭部に沿って)比較的緩やかな円弧状で、側面視直状(直線状)を呈する略棒状になっている。また、この場合、各固定部2,2において、このカチューシャK1を頭部に装着した際の両側頭部に当接される部分が平面処理され、半円柱状の樹脂カバー(図示省略)で覆われる。これら固定部2,2の間は開放部で、各固定部2,2を外側に向けて相互に引き離すことにより、開放部の間隔がさらに広げられて、このファーストカチューシャK1を頭部へ装着可能になっている。さらに、この場合、各固定部2,2の下端、言い換えればファーストカチューシャK1の両方の末端に、装飾3として、プラスチック製のボールが取り付けられる。なお、この装飾3は、合成樹脂製でもよく金属製でもよく、ボールの他、三角形や四角形あるいは星形の小プレートや小ブロック又は小フレーム、動物や植物の形をした小プレートや小ブロック又は小フレーム、さらには各種のキャラクターの小プレートや小ブロック又は小フレームなど種々に変更可能である。
【0021】
ファーストカチューシャK1の中間部、すなわち、各固定部2,2間は、(ヒトの頭部の)頭頂部から両側頭部にかけて架け渡し配置され、頭髪を頭皮から立ち上げて保持する複数の頭髪保持部10からなる髪型保持部1として形成される。この場合、髪型保持部1は、概ね両耳の後ろで各耳の上下方向中間部間に延びる長さで、正面視(頭頂部、両側頭部に沿って)略円弧状を呈する。複数の頭髪保持部10は所定のピッチ及び高さを有する円形のコイル状に形成され、特に、この頭髪保持部1では、コイルのピッチ間隔及び高さが、円弧中央部から両端側へ向かって徐々に若干狭く、また低く形成されて、各コイル間に頭髪が通され保持されるようになっている。なお、コイルの形状は円形に限定されることなく、三角形や四角形などでもよい。また、この場合、髪型保持部1の表面は合成樹脂又はゴム又は布などで被覆される。
【0022】
セカンドカチューシャK2は、ステンレスその他の金属製の線材により全長がファーストカチューシャK1の全長に比べて短い略C字形に形成される。
【0023】
セカンドカチューシャK2の両端部はファーストカチューシャK1の各固定部2,2に連結するための一対の接続部2,2として、また、このセカンドカチューシャK2を(ヒトの頭部の)両側頭部に固定するための一対の固定部2,2として形成される。この場合、これらの固定部2,2は、それぞれ、概ね耳の上方から耳の後ろで耳の上下方向中間部まで延びる長さで、正面視(両側頭部に沿って)比較的緩やかな円弧状で、側面視直状(直線状)を呈する。これら固定部2,2の間は開放部で、各固定部を外側に向けて相互に引き離すことにより、開放部の間隔がさらに広げられて、このセカンドカチューシャを頭部へ装着可能になっている。
【0024】
セカンドカチューシャK2の中間部、すなわち、各固定部2,2間は、(ヒトの頭部の)前頭部から両側頭部にかけて架け渡し配置され、前髪を頭皮から立ち上げて保持する複数の頭髪保持部10からなる髪型保持部1として形成される。この場合、髪型保持部1は、概ね両耳の後ろで各耳の上下方向中間部間に延びる長さで、正面視(頭頂部、両側頭部に沿って)略円弧状を呈する。複数の頭髪保持部10は所定のピッチ及び高さを有する円形のコイル状に形成され、特に、この頭髪保持部1では、コイルのピッチ間隔及び高さが、円弧中央部から両端側へ向かって徐々に若干狭く、また低く形成されて、各コイル間に頭髪が通され保持されるようになっている。なお、コイルの形状は円形に限定されることなく、三角形でも四角形などでもよい。また、この場合、髪型保持部1の表面は合成樹脂又はゴム又は布などにより被覆される。
【0025】
図2に示すように、接続ユニットU1は、一方のカチューシャK1(又はK2)の各固定部2,2に設けられ、断面円形を呈する回動ガイド部4を有する固定側の接続パーツU11と、他方のカチューシャK2(又はK1)の各固定部2,2に設けられ、固定側の接続パーツU11の回動ガイド部4上で回動可能に係合可能な断面円形又は断面円弧状を呈する回動ガイド部5を有する可動側の接続パーツU12とを備えてなる。また、この接続ユニットU1は、固定側の接続パーツU11の回動ガイド部4と可動側の接続パーツU12の回動ガイド部5との間に、固定側の接続パーツU11に対して可動側の接続パーツU12の回動範囲を規制する回動範囲規制ストッパー6を併せて有する。
【0026】
図2はまた、接続ユニットU1の具体例を示している。
図2に示すように、この接続ユニットU1は、固定側の接続パーツU11又は可動側の接続パーツU12の一方が球体からなり、球体は一方のカチューシャK1(又はK2)の各固定部2,2に設けられ、他方が長円形又は長方形の枠状でかつ球体の球面上に沿う円弧状を呈する円弧状枠状部材からなり、円弧状枠状部材は他方のカチューシャK2の各固定部2,2に設けられ、円弧状枠状部材はその枠状内に一方のカチューシャK1(又はK2)の各固定部2,2が通されて球体上に沿って回動可能に結合される。
【0027】
この場合、固定側の接続パーツU11が球体、つまり、ボールからなる。このボールの球面が断面円形の回動ガイド部4になっている。この固定側の接続パーツ(ボール)U11は、ファーストカチューシャK1の各固定部2,2がこの接続パーツ(ボール)U1に貫通固定されて、ファーストカチューシャK1の各固定部2,2の上部付近に取り付けられる。
【0028】
この場合、可動側の接続パーツU12は長円形(長方形でもよい)の枠状でかつ固定側の接続パーツU11の球体の球面上に沿う円弧状を呈する円弧状枠状部材からなる。この可動側の接続パーツU12は他方のカチューシャK2(又はK1)の各固定部2,2の下端に設けられる。この場合、各固定部2,2が棒状なので、各々の下端を延長し下端側の一部が曲げ加工されて、一方のカチューシャK1の各固定部2,2が挿通可能でかつ固定側の接続パーツ(ボール)U1に係合可能な長円形の枠状でかつ固定側の接続パーツ(ボール)U1の球面上に沿う円弧状に形成されて、各可動側の接続パーツU12が他方のカチューシャK2の各固定部2,2の下端に一体に設けられる。
【0029】
なお、この場合、各固定部2,2の下端、言い換えれば、各円弧状枠状部材の末端は固定側の接続パーツU1のボールの球面に沿って這うように各固定部2,2の棒状の本体に向けてこの本体まで又は本体近くまで曲げ戻され、これら下端がボールの周辺に突き出さないように安全処理される。また、この場合、これら固定部2,2の各下端は固定部2,2の棒状の本体に接触させてもよく接触させなくてもよい。ここでは、固定部2,2の下端を固定部2,2の本体に近接させ、接触させていない。また、これら固定部2,2の各下端を固定部2,2の本体に接触させる場合、両者間を溶接などで固着してもよく、また固着しなくてもよい。この固定部2の下端を固定部2の本体に固着しないことで、各接続パーツU1、U2を切り離し可能とし、各カチューシャK1、K2を各別に分割して使用できるようにしてもよい。
【0030】
また、この場合、各固定部2,2の下端である、各円弧状枠状部材の末端は、
図3に示すように、固定側の接続パーツU1のボールの球面に沿って這うように各固定部2,2の棒状の本体に向けてこの本体(近く)まで曲げ戻され、そこからさらにこの本体の(内)側面に沿って這わせられて、これら下端がボールの周辺に突き出さないように安全処理されてもよい。この場合も、これら固定部2,2の各下端は固定部2,2の棒状の本体に接触させてもよく接触させなくてもよい。また、これら固定部2,2の各下端を固定部2,2の本体に接触させる場合、両者間を溶接などで固着してもよく、また固着しなくてもよい。
【0031】
かかる曲げ加工の結果、
図2に示すように、これらの接続パーツU12、つまり各円弧状枠状部材は、各固定部2,2の下部に、頭部の前後方向を基準にすると後方側に下方向に向けて略円環状に延びる一方の円環形状部51と、この円環形状部51から各固定部2,2の棒状の本体に対して略直角方向に直線的に少し延びる一方の直状部52と、この直状部52から一方の円環部51と並列になるように後方側に上方向に向けて略円環状に延びる他方の円環形状部53と、この円環形状部53から一方の直状部52の直上で平行に延びる他方の直状部54、つまり各固定部2,2の下端と、を有してなる。かくしてこれら円弧状枠状部材の各円環形状部51、53が固定側の接続パーツU11の回動ガイド部4上で回動可能に係合可能な断面円形の回動ガイド部5で、各直状部52、54が固定側の接続パーツU11の回動ガイド部4と可動側の接続パーツU12の回動ガイド部5との間に設けられて、固定側の接続パーツU11に対して可動側の接続パーツU12の回動範囲を規制する回動範囲規制ストッパー6になっている。
【0032】
このようにしてファーストカチューシャK1、セカンドカチューシャK2間で固定側の接続パーツU11と可動側の接続パーツU12とを組み合わせて結合することにより、各カチューシャK1、K2が連結される。この場合、セカンドカチューシャK2の各円弧状枠状部材がその枠状内、つまり、各円環形状部51、53間にファーストカチューシャK1の各ボールが通され、各円環形状部51、53間で、各直状部52、54により抱持されて、各円弧状枠状部材が各ボールの球面上で回動可能に、つまり、固定側の接続パーツU11に対して可動側の接続パーツU12が回動可能に結合される。しかして、ファーストカチューシャK1とセカンドカチューシャK2が、ファーストカチューシャK1に対してセカンドカチューシャK2が回動可能に連結される。また、かかるボールと円弧状枠状部材との結合により、ファーストカチューシャK1に対してセカンドカチューシャK2を開くと、可動側の接続パーツU12の一方の直状部52、つまり一方の回動範囲規制ストッパー6がファーストカチューシャK1の各固定部2,2の棒状の本体に衝接して、セカンドカチューシャK2の開動方向の動きが規制され、ファーストカチューシャK1に対してセカンドカチューシャK2を閉じると、他方の直状部54、つまり他方の回動範囲規制ストッパー6がファーストカチューシャK1の各固定部2,2の棒状の本体に衝接して、セカンドカチューシャK2の閉動方向の動きが規制され、ファーストカチューシャK1に対してセカンドカチューシャK2は各回動範囲規制ストッパー6間に設定された所定の角度の範囲で回動可能になっている。なお、この2連可動式カチューシャKの場合、この所定の角度には、概ね頭部の頭頂部と前髪との間の角度が設定される。
【0033】
図4にこの接続ユニットU1により連結された2連可動式カチューシャKの使用例、この場合、ユーザーが帽子を被るときに用いるこの2連可動式カチューシャKの使用例を示している。また、
図5にこのカチューシャKの使用に際しての接続ユニットU1の動作を示している。
図4、
図5に示すように、この2連可動式カチューシャKの使用に当たり、まず、ファーストカチューシャK1に対してセカンドカチューシャK2が閉じた状態とすると、ファーストカチューシャK1の各固定部2,2を両耳の後ろ側上方辺りの両側頭部に固定して、髪型保持部1を頭頂部に架け渡し、髪型保持部1のコイル状の各頭髪保持部10に頭頂部付近の頭髪を通して頭皮に密着固定する。次いで、ファーストカチューシャK1に対してセカンドカチューシャK2を頭部前方に向けて開く。この場合、セカンドカチューシャK2をファーストカチューシャK1に対して前方に向けて開けば、セカンドカチューシャK2の可動側の接続パーツU12の回動ガイド部5、この場合、各円環形状部51、53がファーストカチューシャK1の固定側の接続パーツU11の回動ガイド部4、この場合、各ボールの球面上で前方に向けて回動されて、ファーストカチューシャK1に対してセカンドカチューシャK2が前方に向けて回動される。このようにしてセカンドカチューシャK2を最大まで開くと、可動側の接続パーツU12の一方の直状部52、つまり一方の回動範囲規制ストッパー6がファーストカチューシャK1の各固定部2,2の棒状の本体に衝接してセカンドカチューシャK2の開動方向の動きが規制され、セカンドカチューシャK2は概ね前頭部(前髪の当たり)に位置決めされて架け渡しされる。そして、ファーストカチューシャK1と同様に、髪型保持部1のコイル状の各頭髪保持部10に前髪を通して頭皮に密着固定する。
【0034】
このようにして2連可動式カチューシャKを頭部2箇所に装着して帽子を被ると、頭頂部、前頭部の少なくとも2箇所において帽子による頭髪への押圧を抑制することができる。そして、各カチューシャK1,K2の各頭髪保持部10,10が、所定のピッチを有するコイル状になっているので、各カチューシャK1,K2を固定した箇所の頭髪の根元を含む髪がコイルに入り込み、その部分の頭髪が帽子の押圧により潰されることが抑制される。これにより、少なくとも前髪及び頭頂部における頭髪の根元付近の潰れが抑制され、帽子装着による髪形の目立った乱れは防止される。このようにこの2連可動式カチューシャKは、帽子着用の際に、頭部に簡単に装着することができ、帽子着用中の、前髪や頭頂部における頭髪の押し潰れを確実に抑制することができ、帽子着用後の髪型の乱れを防止して、髪型を簡易に整えることができる。
【0035】
なお、この2連可動式カチューシャKを使用しないときは、各カチューシャK1,K2を閉じることでコンパクトに折り畳むことができる。この場合、各カチューシャK1,K2を少し乱暴に閉じても、セカンドカチューシャK2の可動側の接続パーツU12の他方の直状部54、つまり他方の回動範囲規制ストッパー6がファーストカチューシャK1の各固定部2,2の棒状の本体に衝接してセカンドカチューシャK2の閉動方向の動きが規制されるので、各カチューシャK1,K2同士が強く接触することがなく、各カチューシャK1,K2間の強い衝撃による損傷を防止することができる。このようにして不使用時のカチューシャKをコンパクトに折り畳むことで、化粧台の上に置いておく場合でも引き出しの中にしまっておく場合でも、また外出の時であればバッグの中に入れて携帯する場合でも、スペースを大きく取らず、邪魔になることなく、収納することができる。
【0036】
以上説明したように、この接続ユニットU1によれば、各カチューシャK1,K2間で固定側の接続パーツU11と可動側の接続パーツU12とを組み合わせて結合することにより、各カチューシャK1、K2を連結するので、2本又は3本又はそれ以上のカチューシャでも簡易に連結することができ、多種の形態のカチューシャにも共通に利用することができ、コストパフォーマンスに優れ、多数、多種のカチューシャの連結に最適な接続ユニットを実現することができる。
【0037】
特に、この接続ユニットU1では、固定側の接続部U11が球体からなり、この球体がファーストカチューシャK1の各固定部2,2に設けられ、他方が長円形又は長方形の枠状でかつ球体の球面上に沿う円弧状を呈する円弧状枠状部材からなり、この円弧状枠状部材がセカンドカチューシャK2の各固定部2,2に設けられ、円弧状枠状部材がその枠状内にファーストカチューシャK1の各固定部2,2を通されて球体上に沿って回動可能に結合されるので、2本のコイル型のカチューシャK1、K2を簡易かつ確実に連結することができ、その製造コストも低く抑えることができる。
【0038】
また、この接続ユニットU1にあっては、固定側の接続パーツU11の回動ガイド部4と可動側の接続パーツU12の回動ガイド部5との間に、固定側の接続パーツU11に対して可動側の接続パーツU12の回動範囲を規制する回動範囲規制ストッパー6を有するので、カチューシャKの使用時には、既述のとおり、セカンドカチューシャK2を最大まで開くと、一方の回動範囲規制ストッパー6によりセカンドカチューシャK2を概ね前頭部(前髪の当たり)に位置決めすることができ、不使用時には、各カチューシャK1,K2を閉じることでコンパクトに折り畳むことができ、その際に、他方の回動範囲規制ストッパー6により、各カチューシャK1,K2間の強い衝撃を防止して、各カチューシャK1,K2の損傷を防止することができる。という利点がある。
【0039】
図6に第2の実施の形態としての接続ユニットU2を示している。なお、
図6(a)、(b)は接続ユニットU2のカチューシャK1、K2の固定部2への取り付け方が一部異なるだけで、接続ユニットU2それ自体の構造は共通である。
【0040】
図6に示すように、この接続ユニットU2は、一方のカチューシャK1(又はK2)の各固定部2に設けられ、断面円形又は断面円弧状を呈する回動ガイド部を有する固定側の接続パーツU21と、他方のカチューシャK2(又はK1)の固定部2に設けられ、固定側の接続パーツU21の回動ガイド部上で回動可能に係合可能な断面円形又は断面円弧状を呈する回動ガイド部を有する可動側の接続パーツU22とを備えてなる。この接続ユニットU2は、固定側の接続パーツU21の回動ガイド部と可動側の接続パーツU22の回動ガイド部との間に、固定側の接続パーツU21に対して可動側の接続パーツU22の回動範囲を規制する回動範囲規制ストッパーを併せて有する。また、この接続ユニットU2は、固定側の接続パーツU21の回動ガイド部と可動側の接続パーツU22の回動ガイド部との間に、固定側の接続パーツU21に対して可動側の接続パーツU22の回動を所定の小さい角度毎に止める複数の回動位置ストッパーを併せて有する。
【0041】
この場合、固定側の接続パーツU21は合成樹脂製で略キャップ状の円筒構造体からなり、この円筒構造体がファーストカチューシャK1の各固定部2,2に設けられる。この円筒構造体は、所謂一般的な円形のキャップ状で、円形部211とこの円形部211の一方の面の全周縁部から少し延びる、長さの短い円筒部(外周円筒部)212とを有し、外周円筒部212の内側にさらに円筒部(内周円筒部)又は間欠円筒部(円筒部が一又は複数の切欠部を介して分割してなる内周パーツ)が形成されて、これら外周円筒部及び内周円筒部又は間欠円筒部により断面円形又は断面円弧状の回動ガイド部が構成される。
【0042】
また、この場合、外周円筒部の内周面又は内周円筒部若しくは間欠円筒部の外周面の少なくとも一方の任意の1箇所又はファーストカチューシャK1に対するセカンドカチューシャK2の回動角度に応じて離間される任意の2箇所に、回動範囲規制ストッパーの一部として、外周円筒部の内周面の場合は内周方向に凸の、内周円筒部若しくは間欠円筒部の外周面の場合は外周方向に凸の、凸部が周方向に対して直角方向に向けて延びるように形成される。
【0043】
さらに、この場合、外周円筒部の内周面又は内周円筒部若しくは間欠円筒部の外周面の少なくとも一方の任意の1箇所又は任意の所定の角度範囲(ファーストカチューシャK1に対するセカンドカチューシャK2の回動角度に応じた角度範囲)に、回動位置ストッパーの一部として、1箇所の場合は1つの、所定の角度範囲の場合は周方向に連続して複数の、小凸部又は小凹部が形成される。
【0044】
そして、この固定側の接続パーツU21と可動側の接続パーツU22とを結合するために、両者の結合用に、外周円筒部の内周面又は内周円筒部若しくは間欠円筒部の外周面の少なくとも一方に、外周円筒部の内周面の場合は、内周方向に凸の凸状部又は外周方向に凹の凹状部が、又は内周円筒部若しくは間欠円筒部の外周面の場合は、外周方向に凸の凸状部又は内周方向に凹の凹状部が、周方向に連続的に又は断続的に形成される。
【0045】
このようにして固定側の接続パーツU21は、
図6(a)に示すように、ファーストカチューシャK1の固定部2が外周円筒部212に挿通固定されて、ファーストカチューシャK1の固定部2に取り付けられる。また、
図6(b)に示すように、固定側の接続パーツU21の円形部211外面に固定部2の取付部が設けられて、ファーストカチューシャK1の固定部2がこの取付部に取り付けられてもよい。
【0046】
これに対して、可動側の接続パーツU22は合成樹脂製で、一部を固定側の接続パーツU21の円筒構造体の内周上で回動可能にその内周内に嵌合可能に、一部に円筒部を有する略キャップ状の円筒形構造体からなり、この円筒形構造体がセカンドカチューシャK2の各固定部2に設けられる。この円筒形構造体は、固定側の接続パーツU21と同様の円形のキャップ状で、円形部221とこの円形部221の一方の面の全周縁部から少し延びる、長さの短い円筒部(外周円筒部)222とを有し、外周円筒部222の内側にさらに固定側の接続パーツU21の回動ガイド部に沿って嵌合配置可能に円筒部(内周円筒部)又は間欠円筒部(円筒部が一又は複数の切欠部を介して分割してなる内周パーツ)が外周円筒部222から突出して形成され、この内周円筒部又は間欠円筒部により断面円形又は断面円弧状の回動ガイド部が構成される。
【0047】
また、この場合、固定側の接続パーツU21とは反対に、内周円筒部若しくは間欠円筒部の外周面又は内周円筒部若しくは間欠円筒部の内周面の少なくとも一方でファーストカチューシャK1に対するセカンドカチューシャK2の回動角度に応じて離間される任意の2箇所又は任意の1箇所に、回動範囲規制ストッパーの残部として、内周円筒部若しくは間欠円筒部の外周面の場合は、外周方向に凸の、内周円筒部若しくは間欠円筒部の内周面の場合は、内周方向に凸の、凸部が周方向に対して直角方向に向けて延びるように形成される。
【0048】
さらに、この場合、固定側の接続パーツU21とは反対に、内周円筒部若しくは間欠円筒部の外周面又は内周円筒部若しくは間欠円筒部の内周面の少なくとも一方で任意の所定の角度範囲(ファーストカチューシャK1に対するセカンドカチューシャK2の回動角度に応じた角度範囲)又は任意の1箇所に、回動位置ストッパーの残部として、所定の角度範囲の場合は周方向に連続して複数の、1箇所の場合は1つの、小凹部又は小凸部が形成される。
【0049】
そして、この可動側の接続パーツU22と固定側の接続パーツU21とを結合するために、両者の結合用に、固定側の接続パーツU21とは反対に、内周円筒部若しくは間欠円筒部の外周面又は内周面の少なくとも一方に、内周円筒部若しくは間欠円筒部の外周面の場合は、内周方向に凹の凹状部又は外周方向に凸の凸状部が、内周円筒部若しくは間欠円筒部の内周面の場合は、外周方向に凹の凹状部又は内周方向に凸の凸状部が、周方向に連続的に又は断続的に形成される。
【0050】
このようにして可動側の接続パーツU22は、
図6(a)、(b)に示すように、セカンドカチューシャK2の固定部2が外周円筒部に挿通固定されて、セカンドカチューシャの固定部2に取り付けられる。
【0051】
このようにして各接続パーツU21,U22が構成され、接続ユニットU2は各接続パーツU21,U22が組み合わせられて、相互に回動可能に結合される。この場合、可動側の接続パーツU22の一部、すなわち、回動ガイド部(内周円筒部若しくは間欠円筒部)が固定側の接続パーツU21の回動ガイド部(外周円筒部と内周円筒部との間)に嵌め込まれると、固定側、可動側の各接続パーツU21、U22両者間の結合用の凸状部と凹状部との係合により抜け止めされて、両者間の回動ガイド部の回動案内により各接続パーツU21、U22が相互に回動可能に組み立てられる。そして、この組み立てとともに、各接続パーツU21,U22両者間の回動範囲規制ストッパーの一部と残部とにより、すなわち、両者間の一方の1箇所の凸部が他方の2箇所の凸部間に配置されて回動範囲規制ストッパーが構成され、各接続パーツU21、U22両者間の回動位置ストッパーの一部と残部とにより、すなわち、両者間の一方の1箇所の小凸部又は小凹部が他方の複数の小凹部又は小凸部の一つに噛み合わされて回動位置ストッパーが構成される。回動範囲規制ストッパーにより、すなわち固定側の接続パーツU21又は可動側の接続パーツU22の一方の1箇所の凸部と他方の2箇所の凸部との係合により、固定側の接続パーツU21に対して可動側の接続パーツU22が所定の回動角度の範囲で回動可能となる。回動位置ストッパーにより、すなわち、固定側の接続パーツU21又は可動側の接続パーツU22の一方の1箇所の小凸部又は小凹部と他方の複数の小凹部又は小凸部との係合(噛み合わせ)により、固定側の接続パーツU21に対して可動側の接続パーツU22が小刻みに回動停止可能となる。
【0052】
このようにしても第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0053】
なお、第1、第2の各実施の形態では、接続ユニットで、2本のカチューシャを連結する場合を例示したが、3本又はそれ以上のカチューシャでも、同様に、これらカチューシャ間で一方のカチューシャの各固定部に固定側の接続パーツを取り付け、他方のカチューシャの各固定部に可動側の接続パーツを取り付け、各接続パーツを結合することにより、各カチューシャを多連可動式として連結することができる。このように3連以上の多連可動式のカチューシャでも、接続ユニットを利用することで、上記と同様の作用効果を奏することができる。
【0054】
第1、第2の各実施の形態では、多連可動式カチューシャとして、各カチューシャが全体として略C字形を呈し、髪型保持部がコイル状に形成されて、頭髪を頭皮から立ち上げて保持するものを例示したが、各カチューシャは全体が略U字形であってもよく、また、髪型保持部が波形(例えば、波形、鋸歯形、櫛形)などの曲線状に形成されて、頭髪を頭皮から立ち上げて又は浮かせて保持するものであってもよい。さらに、各カチューシャを金属材からなるものとしたが、合成樹脂材で形成したものであってもよい。このようにしても、同様に、これらカチューシャ間で一方のカチューシャの各固定部に固定側の接続パーツを取り付け、他方のカチューシャの各固定部に可動側の接続パーツを取り付け、各接続パーツを結合することにより、各カチューシャを多連可動式として連結することができる。このように多種多様な形態の多連可動式のカチューシャでも、接続ユニットを利用することで、上記と同様の作用効果を奏することができる。
【0055】
第2の実施の形態では、固定側、可動側の各接続パーツが同じ大きさの略キャップ状に形成され、可動側の接続パーツに内周円筒部若しくは間欠円筒部を形成されて、この内周円筒部若しくは間欠円筒部が固定側の接続パーツの外周円筒部と内周円筒部との間に嵌め込まれるようにしたが、固定側の接続パーツは円形部と(外周)円筒部とのみからなる略キャップ状に形成され、可動側の接続パーツは上記(第2の実施の形態)と略同じ構成で内周円筒部若しくは間欠円筒部が固定側の接続パーツの(外周)円筒部の内周よりも僅かに小径に形成されて固定側の接続パーツの(外周)円筒部内に摩擦係合可能に嵌め込まれ、固定側の接続パーツの回動ガイド部に対して可動側の接続パーツの回動ガイド部が任意の回動位置で摩擦係合により停止可能としてもよい。また、この場合、可動側の接続パーツはキャップ状に代えて、全体が固定側の接続パーツの(外周)円筒部内に摩擦係合可能に嵌合可能なコイン形の円筒形に形成され、その外側一方の面にセカンドカチューシャの固定部の取付部を凸状に形成して、キャップ状の固定側の接続パーツ内にコイン形の可動側の接続パーツが嵌め込まれてもよい。このようにして固定側の接続パーツの回動ガイド部に対して可動側の接続パーツの回動ガイド部が任意の回動位置で停止可能に摩擦係合されてもよい。このようにしても上記と同様の作用効果を奏することができるうえ、全体の構造を簡素化して、コストを一層低減することができる。
【0056】
第2の実施の形態での、固定側、可動側の各接続パーツの回動ガイド部、回動範囲規制ストッパー、回動位置ストッパーは一例を示したものであり、これら各部は、この例示と同様の機能を有する限り、種々に変更可能である。
【0057】
第2の実施の形態では、固定側、可動側の各接続パーツが円形のキャップ状に形成されているが、各接続パーツの係合面が断面円形又は断面円弧状であればよいので、外周円筒部は三角形や四角形など角形でもよく、種々の意匠的デザインを施してもよい。このようにすることで、接続ユニットのバリエーションを増やすことができる。
【0058】
続いて、第2の実施の形態について具体例1、2を
図7、
図8に示す。
【0059】
図7に示すように、具体例1の接続ユニットU2-1は、一方のカチューシャK1(又はK2)の各固定部2に設けられ、断面円形又は断面円弧状を呈する回動ガイド部4を有する固定側の接続パーツU21-1と、他方のカチューシャK2(又はK1)の固定部2に設けられ、固定側の接続パーツU21-1の回動ガイド部4上で回動可能に係合可能な断面円形又は断面円弧状を呈する回動ガイド部5を有する可動側の接続パーツU22-1とを備えてなる。この接続ユニットU2-1は、固定側の接続パーツU21-1の回動ガイド部4と可動側の接続パーツU22-1の回動ガイド部5との間に、固定側の接続パーツU21-1に対して可動側の接続パーツU22-1の回動範囲を規制する回動範囲規制ストッパー6を併せて有する。
【0060】
この場合、固定側の接続パーツU21-1は合成樹脂製で略キャップ状の円筒構造体からなり、この円筒構造体がファーストカチューシャK1の各固定部2,2に設けられる(
図6参照)。この円筒構造体は、所謂一般的な円形のキャップ状で、円形部211-1とこの円形部211-1の一方の面の全周縁部から少し延びる、長さの短い円筒部(外周円筒部)212-1とを有し、外周円筒部212-1の内周面40により断面円形の回動ガイド部4の一部が構成される。
【0061】
また、この場合、この固定側の接続パーツU21-1と可動側の接続パーツU22-1とを結合するために両者の結合用に、かつ回動ガイド4の残部及び回動範囲規制ストッパー6の一部として、外周円筒部212-1の内周面40に外周方向に凹の凹状部41が周方向に連続的に形成される。この場合、凹状部41は、外周円筒部212-1の内周面40において、可動側の接続パーツU22-1の回動角度を考慮して設定される所定の角度(この場合、当該内周面40の半周よりも大きく全周よりも小さい範囲)まで連続して形成される。かくして、この凹状部41全体が回動ガイド4の残部で、また、この凹状部41の両端が回動範囲規制ストッパー6の一部をなす。
【0062】
このようにして固定側の接続パーツU21-1は、
図6(a)を参照すると、ファーストカチューシャK1の固定部2が外周円筒部212-1に挿通固定されて、ファーストカチューシャK1の固定部2に取り付けられる。また、
図6(b)のように、固定側の接続パーツU21-1の円形部211-1外面に固定部2の取付部が設けられて、ファーストカチューシャK1の固定部2がこの取付部に取り付けられてもよい。
【0063】
これに対して、可動側の接続パーツU22-1は合成樹脂製で、一部を固定側の接続パーツU21-1の円筒構造体の内周面40上で回動可能にその内周面40に嵌合可能に、一部に内周円筒部223を有する略キャップ状の円筒形構造体からなり、この円筒形構造体がセカンドカチューシャK2の各固定部2,2に設けられる。この円筒形構造体は、固定側の接続パーツU21-1と同様の円形のキャップ状で、円形部221-1とこの円形部221-1の一方の面の全周縁部から少し延びる、長さの短い円筒部(外周円筒部)222-1とを有し、外周円筒部222-1の内側にさらに固定側の接続パーツU21-1の内周面40に沿って嵌合配置可能に内周円筒部223が外周円筒部222-1から突出して形成され、この内周円筒部223の外周面50により断面円形の回動ガイド部5の一部が構成される。
【0064】
また、この場合、この可動側の接続パーツU22-1と固定側の接続パーツU21-1とを結合するために両者の結合用に、かつ回動ガイド部5の残部及び回動範囲規制ストッパー6の残部として、固定側の接続パーツU21-1とは反対に、内周円筒部223の外周面50に外周方向に凸の凸状部51が周方向に連続的に形成される。この場合、凸状部51は、内周円筒部223の外周面50において、可動側の接続パーツU22-1の回動角度を考慮して設定され、固定側の接続パーツU21-1の凹状部41よりも小さい所定の角度(この場合、当該外周面50の半周以下の範囲)まで連続して形成される。かくして、この凸状部51全体が回動ガイド部5の残部で、また、この凸状部51の両端が回動範囲規制ストッパー6の残部をなす。
【0065】
このようにして可動側の接続パーツU22は、
図6(a)、(b)を参照すると、セカンドカチューシャK2の固定部2が外周円筒部222-1に挿通固定されて、セカンドカチューシャの固定部2に取り付けられる。
【0066】
このようにして各接続パーツU21-1、U22-1が構成され、接続ユニットU2-1は各接続パーツU21-1、U22-1が組み合わせられて、相互に回動可能に結合される。この場合、可動側の接続パーツU22-1の一部、すなわち、内周円筒部223が固定側の接続パーツU21-1の外周円筒部212-1内に嵌め込まれると、固定側、可動側の各接続パーツU21-1、U22-1両者間の結合用の凹状部41と凸状部51との係合により抜け止めされて、両者間の回動ガイド部4、5(固定側の接続パーツU21-1の外周円筒部212-1の内周面40及び凹状部41、可動側の接続パーツU22-1の内周円筒部223の外周面50及び凸状部51)の回動案内により各接続パーツU21-1、U22-1が相互に回動可能に、かつ両者間の回動範囲規制ストッパー6(固定側の接続パーツU21-1の凹状部41の両端の一方、可動側の接続パーツU22-1の凸状部51の両端の一方)の衝接により各接続パーツU21-1、U22-1両者間の回動範囲を所定の角度に規制して組み立てられる。回動ガイド部4、5により、固定側の接続パーツU21-1に対して可動側の接続パーツU22-1が回動可能となり、回動範囲規制ストッパー6により、固定側の接続パーツU21-1に対して可動側の接続パーツU22-1が所定の回動角度の範囲で回動可能となる。
このようにしても、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0067】
図8に示すように、具体例2の接続ユニットU2-2は、基本的に、具体例1の接続ユニットU2-1と共通の構成を備えている。ここでは、具体例1の接続ユニットU2-1と共通の構成について、同一の符号を付して、その重複する説明を省略する。この接続ユニットU2-2では、固定側の接続パーツU21-2の回動ガイド部4と可動側の接続パーツU22-2の回動ガイド部5との間に、固定側の接続パーツU21-2に対して可動側の接続パーツU22-2の回動を所定の小さい角度毎に止める複数の回動位置ストッパー7を併せて有する点で、接続ユニットU2-1と異なる。ここでは、この異なる点についてのみ、異なる符号を付して、説明を追加する。
【0068】
この場合、固定側の接続パーツU21-2の外周円筒部212-1の内周面40に設けられた凹状部41の奥の面(底面)に任意の所定の角度範囲に任意の角度毎に、すなわち、凹状部41の全域においてファーストカチューシャK1に対するセカンドカチューシャK2の段階的な回動角度を考慮した所定の角度毎に、回動位置ストッパー7の一部として、複数の小凹部410が併せて設けられる。ここで小凹部410は半球面状に形成される。
【0069】
また、この場合、可動側の接続パーツU22-2の内周円筒部223の外周面50に設けられた凸状部51の頂面に、任意の所定の角度範囲に任意の角度毎に、すなわち、ファーストカチューシャK1に対するセカンドカチューシャK2の段階的な回動角度を考慮した所定の角度毎に、固定側の接続パーツU21-2の凹状部41の各小凹部410に係合可能に、回動位置ストッパー7の残部として、小凸部511が一つ併せて設けられる。ここで小凸部511は凸状部51の頂面の一端側に一つ、各小凹部410に嵌合可能に半球状に形成される。
【0070】
このようにして各接続パーツU21-2、U22-2が構成され、接続ユニットU2-2は、具体例1の接続ユニットU2-1と同様に、各接続パーツU21-2、U22-2が組み合わせられて、相互に回動可能に結合される。この場合、両者間の一方の1箇所の小凸部511が他方の複数の小凹部410の一つに噛み合わされて回動位置ストッパー7が構成される。回動位置ストッパー7により、固定側の接続パーツU21-2に対して可動側の接続パーツU22-2が小刻みに回動停止可能となる。
このようにしても、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0071】
図9、
図10及び
図11に第3の実施の形態としての接続ユニットU3を示している。
図9、
図10に多連可動式カチューシャ用接続ユニットU3の全体構成を示し、
図11にその要部の構成を示している。なお、この実施の形態でも、多連可動式カチューシャKそれ自体(多連可動式カチューシャ用接続ユニットU3を除く。)の構成は、第1の実施の形態と共通なので、ここでは、共通の構成について、第1の実施の形態と同様の符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0072】
図9、
図10に示すように、多連可動式カチューシャ用接続ユニットU3(以下、単に接続ユニットU3という。)は、一方のカチューシャK1(又はK2)の各固定部2,2に設けられ、断面円形を呈する回動ガイド部4を有する固定側の接続パーツU31と、他方のカチューシャK2(又はK1)の各固定部2,2に設けられ、固定側の接続パーツU31の回動ガイド部4上で回動可能に係合可能な断面円形又は断面円弧状を呈する回動ガイド部5を有する可動側の接続パーツU32とを備えてなる。また、この接続ユニットU3は、固定側の接続パーツU31の回動ガイド部4と可動側の接続パーツU32の回動ガイド部5との間に、固定側の接続パーツU31に対して可動側の接続パーツU32の回動範囲を規制する回動範囲規制ストッパー6(
図11参照)を併せて有する。
【0073】
この接続ユニットU3は、固定側の接続パーツU31又は可動側の接続パーツU32の一方が、
図11(a)に示すように、外周面の少なくとも一部に断面円弧状のガイド面431を有する支軸43と、支軸43の先端から支軸43の軸心に対して交差方向(この場合、略直角)に突出される係止部44とからなり、支軸43及び係止部44は一方のカチューシャK1(又はK2)の各固定部2,2に設けられ、他方が、
図11(b)に示すように、内周の少なくとも一部に円弧状のガイド部530を有する環状部材53からなり、環状部材53が他方のカチューシャK2(又はK1)の各固定部2,2に設けられ、
図11(c)に示すように、環状部材53はその環状内に一方のカチューシャK1(又はK2)の各固定部2,2の支軸43が通され、係止部44に抜け止めされて、両者間のガイド面431とガイド部530との係合案内により、回動可能に結合される。
【0074】
このように固定側の接続パーツU31は支軸43と先端の係止部44とからなる。ここで各固定部2,2は断面円形の線材からなり、略棒状なので、支軸43及び係止部44は、この線材を利用して、各固定部2,2の上端付近に各固定部2、2の一部を曲げ加工して形成される。
図11(a)に示すように、固定側の接続パーツU31は各固定部2,2の一部が略T字形に折り曲げられて形成される。この場合、各固定部2,2の上端が縦方向下方に向けて直線的に延びる縦方向直線軸21で、この上端の縦方向直線部21の直下の部分が、外側(各固定部2,2において相互に他方の固定部2,2とは反対方向)に向けて略U字形に折り曲げられて外側に向けて突出される略U字形の短軸31と、この略U字形の短軸31から略逆U字形の折り返し軸32を介して縦方向下方に向けて直線的に延びる略直線形の短軸33と、この略直線形の短軸33から略U字形の折り返し軸34を介して内側に向けて(固定部2に向けて)略逆U字形に戻る略逆U字形の短軸35とからなり、かかる曲げ加工により、固定側の接続パーツU31が形成される。つまり、略U字形の短軸31及び略逆U字形の短軸35が支軸43をなし、各短軸43の断面円形により、各短軸31、35の外周面が断面円形のガイド面431をなす。これら短軸31、35の先端の略逆U字形の折り返し軸32、略直線形の短軸33及び略U字形の折り返し軸34が係止部44をなす。この固定側の接続パーツU31から下部の部分は各固定部2の下部側で、縦方向下方に向けて直線的に延ばされる縦方向直線軸22になっている。
【0075】
また、可動側の接続パーツU32は環状部材53からなる。ここで環状部材53もまた、各固定部2,2を曲げ加工して形成される。
図11(b)に示すように、各固定部2、2全体を短くし変形させて形成される。この場合、各固定部2,2は環状部材53に必要な長さまで短くして略円環状に折り曲げられて、先端を各固定部2,2の上端に折り返され、かかる曲げ加工により、可動側の接続パーツU32が形成される。かかる環状部材53の内周が断面円形のガイド部530をなす。
【0076】
この固定側のパーツU31、可動側のパーツU32では、
図11(c)に示すように、両者の組み立て状態で、固定側のパーツU31の略U字形の短軸31から略逆U字形の折り返し軸32までが可動側のパーツU32の環状部材53の先端側が衝接可能で、これが回動範囲ストッパー6として構成される。
【0077】
このようにしてファーストカチューシャK1、セカンドカチューシャK2間で固定側の接続パーツU31と可動側の接続パーツU32とを組み合わせて結合することにより、各カチューシャK1、K2が連結される。
図9に示すように、この場合、セカンドカチューシャK2の各環状部材53がその環状内にファーストカチューシャK1の各支軸43が通されて、各係止部44に抜け止めされ、各環状部材53の内周のガイド部530(
図11参照)が各支軸43の外周面のガイド面431(
図11参照)上で回動案内されることにより、固定側の接続パーツU31に対して可動側の接続パーツU32が回動可能に結合される。しかして、ファーストカチューシャK1とセカンドカチューシャK2が、ファーストカチューシャK1に対してセカンドカチューシャK2が回動可能に組み立てられる。
【0078】
このようにしても第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。また、この場合、固定側、可動側の各パーツU31、U32がファーストカチューシャK1、セカンドカチューシャK2の各固定部2,2に各固定部2,2の一部又は全部を用いて一体に形成されるので、部品点数を少なくして、デザインを簡素にすることができ、コストの低減を図ることもできる。
【0079】
なお、この実施の形態では、固定側の接続パーツU31が支軸43の先端に係止部44が設けられるものとして例示したが、支軸43の外周面の一部から支軸43の軸心に対して交差方向に突出されるものとしてもよい。
このようにすることで支軸43の先端に装飾品などを装着することもできる。
【0080】
また、この実施の形態では、固定側、可動側の各接続パーツU31、U32がファーストカチューシャK1、セカンドカチューシャK2の各固定部2、2に各固定部2、2の一部又は全部を用いて一体に形成されるものとして例示したが、固定側、可動側の各接続パーツU31、U32が各固定部2、2とは別体として形成され、各固定部2、2に取り付けられて、両者が連結されてもよい。この場合、支軸及び係止部、環状部材の全部又は一部が合成樹脂材、金属材や木材などにより別部品として形成される。
このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。また、このようにして固定側、可動側の各接続パーツU31、U32に意匠的デザインを施すことで、固定側、可動側の各接続パーツU31、U32の美観、趣向の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0081】
K 多連可動式カチューシャ
K1、K2 カチューシャ
1 髪型保持部
10 頭髪保持部
2 固定部(接続部)
3 装飾
U1 多連可動式カチューシャ用接続ユニット
U11 固定側の接続パーツ
U12 可動側の接続パーツ
4 回動ガイド部
5 回動ガイド部
51 一方の円環形状部
52 一方の直状部
53 他方の円環形状部
52 他方の直状部
6 回動範囲規制ストッパー
U2 多連可動式カチューシャ用接続ユニット
U21 固定側の接続パーツ
211 円形部
212 外周円筒部
U22 可動側の接続パーツ
221 円形部
222 外周円筒部
U2-1、U2-2 多連可動式カチューシャ用接続ユニット
U21-1、U21-2 固定側の接続パーツ
211-1 円形部
212-1 外周円筒部
40 内周面
41 凹状部
410 小凹部
U22-1、U22-2 可動側の接続パーツ
221-1 円形部
222-1 外周円筒部
223 内周円筒部
50 外周面
51 凸状部
511 小凸部
7 回動位置ストッパー
U3 多連可動式カチューシャ用接続ユニット
U31 固定側の接続パーツ
U32 可動側の接続パーツ
21 縦方向直線軸
22 縦方向直線軸
31 略U字形の短軸
32 略逆U字形の折り返し軸
33 略直線形の短軸
34 略U字形の折り返し軸
35 略逆U字形の短軸
43 支軸
431 ガイド面
44 係止部
53 環状部材
530 ガイド部