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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103163
(43)【公開日】2023-07-26
(54)【発明の名称】太陽電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/05 20140101AFI20230719BHJP
   H01L 31/0224 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
H01L31/04 570
H01L31/04 262
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161193
(22)【出願日】2022-10-05
(31)【優先権主張番号】202210037575.5
(32)【優先日】2022-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519095522
【氏名又は名称】ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】512083920
【氏名又は名称】晶科能源股分有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】ジーチウ グオ
(72)【発明者】
【氏名】グオフイ ハオ
(72)【発明者】
【氏名】シーリアン ホアン
(72)【発明者】
【氏名】ニンボー ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ホンシュオ ジャン
【テーマコード(参考)】
5F151
5F251
【Fターム(参考)】
5F151EA02
5F151EA19
5F151FA14
5F151FA16
5F251EA02
5F251EA19
5F251FA14
5F251FA16
(57)【要約】
【課題】従来技術における太陽電池モジュールでは、コストが高く、又は電力が小さい。
【解決手段】太陽電池モジュールは、複数の太陽電池セルを含み、太陽電池セルは、対向して設けられた表面及び裏面を含み、半導体基板及び半導体基板の一方側に位置するメイングリッド線を含み、メイングリッド線上に第1溶接点が分布し、第1溶接点の数は6~12個であり、太陽電池モジュールはさらに溶接ワイヤを含み、溶接ワイヤは、一端が太陽電池セルの表面のメイングリッド線の第1溶接点に接続され、他端が隣接する太陽電池セルの裏面のメイングリッド線の第1溶接点に接続され、溶接ワイヤの直径とメイングリッド線の数との間の関係は、116.55x-92.03x+27.35<y<582.75x-425.59x+92.58であり、ただし、xは溶接ワイヤの直径であり、yはメイングリッド線の数である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池モジュールであって、
複数の太陽電池セルを含み、前記太陽電池セルは、対向して設けられた表面及び裏面を含み、
前記太陽電池セルは、半導体基板と、前記半導体基板の一方側に位置するメイングリッド線とを含み、前記メイングリッド線上に第1溶接点が分布し、前記第1溶接点の数は、6~12個であり、
前記太陽電池モジュールは、さらに溶接ワイヤを含み、前記溶接ワイヤは、一端が前記太陽電池セルの表面の前記メイングリッド線の前記第1溶接点に接続され、他端が隣接する前記太陽電池セルの裏面の前記メイングリッド線の前記第1溶接点に接続され、
前記溶接ワイヤの直径と前記メイングリッド線の数との間の関係は、116.55x-92.03x+27.35<y<582.75x-425.59x+92.58であり、ただし、xは溶接ワイヤの直径であり、yはメイングリッド線の数である、ことを特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項2】
前記メイングリッド線の幅は、20μm以上60μm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
前記溶接ワイヤの直径は、0.18mm以上0.35mm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
前記第1溶接点の形状は、三角形、矩形、菱形、円形、楕円形のうちの一つ又は複数の組み合わせである、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
前記半導体基板の一方側は、さらにサブグリッド線を含み、前記サブグリッド線は、前記メイングリッド線に電気的に接続され、前記メイングリッド線と交差点に交差し、
前記第1溶接点は、第1サブ溶接点と、第2サブ溶接点とを含み、前記第1サブ溶接点は、前記メイングリッド線の端部に位置し、前記第2サブ溶接点は、前記第1サブ溶接点の間に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
前記半導体基板が所在する平面に垂直な方向おいて、少なくとも一部の前記第2サブ溶接点は、前記交差点と重ならない、ことを特徴とする請求項5に記載の太陽電池モジュール。
【請求項7】
前記メイングリッド線の幅は、前記サブグリッド線の幅と同じである、ことを特徴とする請求項5に記載の太陽電池モジュール。
【請求項8】
前記半導体基板は、N型基板又はP型基板である、ことを特徴とする請求項5に記載の太陽電池モジュール。
【請求項9】
前記第1サブ溶接点の第1方向における長さは、0.5mm以上0.8mm以下であり、前記第1サブ溶接点の第2方向における幅は、0.5mm以上1.2mm以下であり、前記第2サブ溶接点の第1方向における長さは、0.05mm以上0.5mm以下であり、前記第2サブ溶接点の第2方向における幅は、0.4mm以上0.8mm以下であり、前記第1方向は、前記溶接ワイヤの延在方向に平行であり、前記第2方向は、前記溶接ワイヤの延在方向に垂直である、ことを特徴とする請求項8に記載の太陽電池モジュール。
【請求項10】
前記半導体基板は、P型基板であり、裏面の前記メイングリッド線上に第2溶接点が分布し、前記第2溶接点の数は、6~10個であり、前記第2溶接点の第1方向における長さは、1mm以上2mm以下であり、前記第2溶接点の第2方向における幅は、2mm以上3mm以下であり、前記第1方向は、前記溶接ワイヤの延在方向に平行であり、前記第2方向は、前記溶接ワイヤの延在方向に垂直である、ことを特徴とする請求項8に記載の太陽電池モジュール。
【請求項11】
前記半導体基板は、N型基板であり、前記サブグリッド線の数は、76本以上98本以下であり、前記サブグリッド線の幅は、20μm以上30μm以下であり、或いは、
前記半導体基板は、P型基板であり、前記サブグリッド線の数は、90本以上120本以下であり、前記サブグリッド線の幅は、20μm以上30μm以下である、ことを特徴とする請求項8に記載の太陽電池モジュール。
【請求項12】
フロントシートと、第1封止層と、第2封止層と、バックシートと、接続構造とをさらに含み、前記太陽電池セルは、前記第1封止層と前記第2封止層との間に位置し、前記太陽電池セルは、接続構造によってそれぞれ前記第1封止層と前記第2封止層に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項13】
前記太陽電池セルの半導体基板は、N型基板であり、前記第1封止層及び/又は第2封止層の重量は、250g/m以上500g/m以下であり、或いは、
前記太陽電池セルの半導体基板は、P型基板であり、前記第1封止層及び/又は第2封止層の重量は、250g/m以上400g/m以下である、ことを特徴とする請求項12に記載の太陽電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光起電力の技術分野に関し、より具体的には、太陽電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、光起電力モジュールは、中国で大きく発展し、現在業界内の主流の光起電力モジュールは、「ガラス/封止材料/電池セル/封止材料/バックシート」というサンドイッチ構造を採用することが多く、ここで太陽電池セルは、光起電力モジュールのコア部材であり、それは太陽光を利用して直接発電することができる光電半導体シートであり、「太陽電池チップ」又は「光電池」とも呼ばれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
光起電力技術の発展に伴い、太陽電池セルのタイプがますます多くなりかつ電力が徐々に向上するが、従来技術における太陽電池モジュールでは、コストが高く、又は電力が小さいという解決すべき諸課題が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これに鑑みて、本発明は、太陽電池モジュールを提供し、当該太陽電池モジュールは、複数の太陽電池セルを含み、前記太陽電池セルは、対向して設けられた表面及び裏面を含み、前記太陽電池セルは、半導体基板と、前記半導体基板の一方側に位置するメイングリッド線とを含み、前記メイングリッド線上に第1溶接点が分布し、前記第1溶接点の数は、6~12個であり、
前記太陽電池モジュールは、さらに溶接ワイヤを含み、前記溶接ワイヤは、一端が前記太陽電池セルの表面の前記メイングリッド線の前記第1溶接点に接続され、他端が隣接する前記太陽電池セルの裏面の前記メイングリッド線の前記第1溶接点に接続され、
前記溶接ワイヤの直径と前記メイングリッド線の数との間の関係は、116.55x-92.03x+27.35<y<582.75x-425.59x+92.58であり、ただし、xは溶接ワイヤの直径であり、yはメイングリッド線の数である。
【0005】
好ましくは、前記メイングリッド線の幅は、20μm以上60μm以下である。
【0006】
好ましくは、前記溶接ワイヤの直径は、0.18mm以上0.35mm以下である。
【0007】
好ましくは、前記第1溶接点の形状は、三角形、矩形、菱形、円形、楕円形のうちの一つ又は複数の組み合わせである。
【0008】
好ましくは、前記半導体基板の一方側は、さらにサブグリッド線を含み、前記サブグリッド線は、前記メイングリッド線に電気的に接続され、前記メイングリッド線と交差点に交差し、
前記第1溶接点は、第1サブ溶接点と、第2サブ溶接点とを含み、ここで、前記第1サブ溶接点は、前記メイングリッド線の端部に位置し、前記第2サブ溶接点は、前記第1サブ溶接点の間に位置する。
【0009】
好ましくは、前記半導体基板が所在する平面に垂直な方向において、少なくとも一部の前記第2サブ溶接点は、前記交差点と重ならない。
【0010】
好ましくは、前記メイングリッド線の幅は、前記サブグリッド線の幅と同じである。
【0011】
好ましくは、前記半導体基板は、N型基板又はP型基板である。
【0012】
好ましくは、前記第1サブ溶接点の第1方向における長さは、0.5mm以上0.8mm以下であり、前記第1サブ溶接点の第2方向における幅は、0.5mm以上1.2mm以下であり、前記第2サブ溶接点の第1方向における長さは、0.05mm以上0.5mm以下であり、前記第2サブ溶接点の第2方向における幅は、0.4mm以上0.8mm以下であり、前記第1方向は、前記溶接ワイヤの延在方向に平行であり、前記第2方向は、前記溶接ワイヤの延在方向に垂直である。
【0013】
好ましくは、前記半導体基板は、P型基板であり、裏面の前記メイングリッド線上に第2溶接点が分布し、前記第2溶接点の数は、6~10個であり、前記第2溶接点の第1方向における長さは、1mm以上2mm以下であり、前記第2溶接点の第2方向における幅は、2mm以上3mm以下であり、前記第1方向は、前記溶接ワイヤの延在方向に平行であり、前記第2方向は、前記溶接ワイヤの延在方向に垂直である。
【0014】
好ましくは、前記半導体基板は、N型基板であり、前記サブグリッド線の数は、76本以上98本以下であり、前記サブグリッド線の幅は、20μm以上30μm以下であり、又は、
前記半導体基板は、P型基板であり、前記サブグリッド線の数は、90本以上120本以下であり、前記サブグリッド線の幅は、20μm以上30μm以下である。
【0015】
好ましくは、フロントシートと、第1封止層と、第2封止層と、バックシートと、接続構造とをさらに含み、ここで、前記太陽電池セルは、前記第1封止層と前記第2封止層との間に位置し、前記太陽電池セルは、接続構造によってそれぞれ前記第1封止層と前記第2封止層に接続される。
【0016】
好ましくは、前記太陽電池セルの半導体基板は、N型基板であり、前記第1封止層及び/又は第2封止層の重量は、250g/m以上500g/m以下であり、又は、
前記太陽電池セルの半導体基板は、P型基板であり、前記第1封止層及び/又は第2封止層の重量は、250g/m以上400g/m以下である。
【発明の効果】
【0017】
従来技術に比べて、本発明に提供される太陽電池モジュールは、少なくとも以下のような有益な効果を実現することができる。
本発明は、光起電力モジュールのコストと電力のバランスを取ることができ、一方では、溶接ワイヤの直径を低減する方式でコストを低減し、これは溶接ワイヤの直径を低減した後に第1封止層及び第2封止層の坪量を低減することができるからであり、しかし、溶接ワイヤの直径を低減すると、電流伝送断面積の低減、すなわち電力の低下をもたらすため、溶接ワイヤの数及びメイングリッドの数を増加させる必要があり、他方では、メイングリッドの数を増加させることによって太陽電池モジュールの電力が増加されるが、メイングリッドの数と電力との間は線形関係ではなく、すなわちメイングリッドの数の増加につれて太陽電池モジュールの電力が常に増減することではなく、極値まで増加した後に電力が低下し、これはメイングリッドの数が増加した後に光線を過剰に遮蔽し、遮蔽の下げ幅が電流伝送の上げ幅よりも大きくなると、電力の低下をもたらすためである。本発明において、溶接ワイヤの直径xとメイングリッド線の数yとの間の関係は、116.55x-92.03x+27.35<y<582.75x-425.59x+92.58であり、この条件を満たす場合に、メイングリッド線の数を増加させ、大電流による損失を減少させることができるだけでなく、コストを低減することができる。
【0018】
当然のことながら、本発明を実施するいずれかの製品は、必ずしも上記した技術効果を全て同時に達成する必要があるとは限らない。
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明の例示的な実施例を詳細に説明することによって、本発明の他の特徴及びその利点は、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
明細書に結合されて明細書の一部を構成する図面は、本発明の実施例を示し、かつその説明と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
図1】本発明に提供される太陽電池モジュールの立体構造概略図である。
図2】本発明に提供される太陽電池セルの表面の平面構造概略図である。
図3図1におけるM-M’方向の断面図である。
図4】太陽電池の溶接ワイヤの直径とメイングリッド線の数との間の関係図である。
図5】溶接ワイヤの直径、メイングリッド線の数及び太陽電池モジュールの電力の関係図である。
図6】溶接ワイヤの直径、メイングリッド線の数及び太陽電池モジュールの電力の関係図である。
図7】溶接ワイヤの直径、メイングリッド線の数及び太陽電池モジュールの電力の関係図である。
図8】溶接ワイヤの直径、メイングリッド線の数及び太陽電池モジュールの電力の関係図である。
図9】溶接ワイヤの直径、メイングリッド線の数及び太陽電池モジュールの相対コストの関係図である。
図10】溶接ワイヤの直径、メイングリッド線の数及び太陽電池モジュールの相対コストの関係図である。
図11】溶接ワイヤの直径、メイングリッド線の数及び太陽電池モジュールの相対コストの関係図である。
図12】溶接ワイヤの直径、メイングリッド線の数及び太陽電池モジュールの相対コストの関係図である。
図13図2におけるA領域の部分拡大図である。
図14】本発明に提供される太陽電池セルの裏面の平面構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
現在、図面を参照しながら、本発明の種々の例示的な実施形態を説明する。なお、特に具体的に説明しない限り、これらの実施例において説明される部品及びステップの相対的な配置、数字表現式及び数値は、本発明の範囲を限定するものではない。
【0022】
以下、少なくとも一つの例示的な実施例に対する説明は、実際に例示的なものに過ぎず、本発明及びその応用又は使用に対するいかなる制限とするものではない。
【0023】
関連分野の当業者に知られている技術、方法及び装置について詳細に説明しないことがあるが、適切な場合に、前記技術、方法及び装置は、明細書の一部と見なされるべきである。
【0024】
ここで示されて検討された全ての例において、如何なる具体的な値は、単に例示的なものに過ぎず、それに限定されるものではないと解釈されるべきである。したがって、例示的な実施例の他の例は、異なる値を有することができる。
【0025】
なお、以下の図面においては、類似した符号及びアルファベットは類似した要素を示すため、ある要素が一つの図面において定義されると、その後の図面においてそれをさらに検討する必要がない。
【0026】
太陽電池セルのサイズがますます大きくなり、対応する電流もますます高くなり、内部損失もますます多くなり、電流による損失を減少させるために、メイングリッド線の数を増加させる方式が採用される。メイングリッド線の増加は、内部損失を効果的に低減することができるが、メイングリッド線も徐々に増加し、メイングリッド線の増加によって、電池の遮蔽面積の割合が向上し、銀ペーストの消費量が増大するという問題を招来し、当然のことながら、モジュール端に使用される溶接ワイヤの数の増加をもたらし、コストも増加する。
【0027】
図1及び図2を参照し、図1は、本発明に提供される太陽電池モジュールの立体構造概略図であり、図2は、本発明に提供される太陽電池セルの表面の平面構造概略図であり、図3は、図1におけるM-M’方向の断面図であり、図4は、太陽溶接ワイヤの直径とメイングリッド線の数との間の関係図である。
【0028】
図1を参照し、本実施例の太陽電池モジュール100は、複数の太陽電池セル3を含み、太陽電池セル3は、対向して設けられた表面31及び裏面32を含む。図1には、隣接する太陽電池セル3の間に間隔がある場合のみが示されており、当然のことながら、隣接する太陽電池セル3が重ね溶接されている場合であってもよく、重ね溶接とは、隣接する2つの太陽電池セル3の端部が重なることを意味する。
【0029】
図2に示すように、太陽電池セル3は、半導体基板6と、半導体基板6の一方側に位置するメイングリッド線7とを含み、メイングリッド線7上に第1溶接点8が分布し、第1溶接点8の数は、6~12個であり、当然のことながら、半分の太陽電池セル3における第1溶接点8の数は、3~6個であってもよい、
【0030】
図3に示すように、太陽電池モジュール100は、さらに溶接ワイヤ10を含み、溶接ワイヤ10は、一端が太陽電池セル3の表面31のメイングリッド線7の第1溶接点8に接続され、他端が隣接する太陽電池セル3の裏面32のメイングリッド線7の第1溶接点8に接続される。
【0031】
溶接ワイヤ10の直径とメイングリッド線7の数との間の関係は、116.55x-92.03x+27.35<y<582.75x-425.59x+92.58であり、ただし、xは溶接ワイヤ10の直径であり、yはメイングリッド線7の数である。
【0032】
好ましくは、太陽電池モジュール100は、積層されたフロントシート1、第1封止層2、太陽電池セル3、第2封止層4及びバックシート5を含み、第1封止層2は、フロントシート1のバックシート5に近接する側に位置し、太陽電池セル3は、第1封止層2のフロントシート1から離間する側に位置し、複数の太陽電池セル3は、アレイに配列され、第2封止層4は、太陽電池セル3の第1封止層2から離間する側に位置し、バックシート5は、第2封止層4の太陽電池セル3から離間する側に位置する。
【0033】
なお、ここでの表面31と裏面32が対向し、例えば表面31が太陽光を受ける側であってもよく、この場合に裏面32が太陽光から離反する側であり、表面31と裏面32がいずれも太陽光を受けることであってもよい。
【0034】
なお、関連技術において太陽電池モジュール3の効率を向上させるために、光起電力モジュールにおいて半分又は複数枚の電池セルを使用することがあり、本方案において電池セル全体を例とする。
【0035】
好ましくは、本実施例における太陽電池セル3のサイズは、180mm~190mmの間のいずれかのサイズであってもよく、すなわち長さ及び幅は、いずれも180mm~190mmの間にあり、例えば182mm×182mm、184mm×184mm、186mm×186mm、188mm×188mm、又は190mm×190mmであってもよく、当然のことながら、他のサイズであってもよく、ここでは具体的に限定されない。本実施例における太陽電池セル3のサイズは、182mm×182mmである。
【0036】
太陽電池セル3を半分に分けると、溶接ワイヤ10の一端が半分の太陽電池セル3の表面31のメイングリッド線7の第1溶接点8に接続され、他端が隣接する半分の太陽電池セル3の裏面32のメイングリッド線7の第1溶接点8に接続され、ここでは具体的に限定されない。
【0037】
図2は、メイングリッド線7の数を模式的に示すものに過ぎず、ここでは実際の製品として限定されるものではない。図2においてメイングリッド線7の延在方向が第1方向Xであり、メイングリッド線7の配列方向が第2方向Yである。
【0038】
好ましくは、メイングリッド線7の2つの端部はフォーク型構造を有し、フォーク型構造に第1溶接点8を設けることができ、溶接ワイヤ10の一端は、太陽電池セル3の表面31のフォーク型構造の第1溶接点8に接続することができ、溶接ワイヤ10の他端は、隣接する太陽電池セル3の裏面32のフォーク型構造の第1溶接点8に接続される。
【0039】
図4において、横軸は、溶接ワイヤ10の直径であり、単位がミリメートルであり、縦軸は、メイングリッド線7の数であり、単位が本である。
【0040】
本発明は、光起電力モジュールのコストと電力のバランスを取ることができ、一方では、溶接ワイヤ10の直径を低減する方式でコストを低減し、これは溶接ワイヤ10の直径を低減することで第1封止層2及び第2封止層4の坪量を低減することができるからであり、しかし、溶接ワイヤ10の直径を低減すると、電流伝送断面積の低減、すなわち電力の低下をもたらすため、溶接ワイヤ10の数及びメイングリッドの数を増加させる必要があり、他方では、メイングリッドの数を増加させることによって太陽電池モジュール100の電力が増加されるが、メイングリッドの数と電力との間は線形関係ではなく、すなわちメイングリッドの数の増加に伴って太陽電池モジュール100の電力が常に増減することではなく、極値まで増加した後に電力が低下することになり、これはメイングリッドの数が増加した後に光線に対して過剰な遮蔽を生成し、遮蔽の下げ幅が電流伝送の上げ幅よりも大きくなると、電力の低下をもたらすためである。
【0041】
理解されるように、同じ溶接ワイヤ10の直径で10~28本のメイングリッド線7の電力(単位W)を算出すると、逆放物線が得られ、電力が最大のメイングリッド線7の数が分かり、同じ溶接ワイヤ10の直径で10~19本のメイングリッド線7のコスト(単位元/W)を算出すると、コスト極値が得られ、メイングリッド線7の数が両者の範囲内にあればよい。
【0042】
本発明は、太陽電池モジュールの溶接ワイヤの直径、メイングリッド線の数、太陽電池モジュールの電力及び太陽電池モジュールのコストに対して、以下のような研究を行った。
【0043】
図5図8を併せて参照し、図5図8は、溶接ワイヤの直径、メイングリッド線の数及び太陽電池モジュールの電力の関係図であり、図5図8における横座標は、メイングリッド線の数(本)であり、縦座標は電力(W)である。図5において、溶接ワイヤ10の直径が0.18mmに定められる場合に、それぞれメイングリッド線7の数を9本、10本、11本、12本、13本、14本、15本、16本、17本、18本、19本、20本、21本、22本、23本、24本、25本、26本、27本及び28本に設定して、太陽電池モジュールの電力を測定し、対応して得られた電力は、それぞれ541.16W、544.42W、547.00W、549.05W、550.73W、552.11W、553.27W、554.23W、555.04W、555.73W、556.31W、556.80W、557.22W、557.57W、557.87W、558.11W、558.32W、558.48W、558.61W、558.71Wである。図6において、溶接ワイヤ10の直径が0.26mmに定められる場合に、それぞれメイングリッド線7の数を9本、10本、11本、12本、13本、14本、15本、16本、17本、18本、19本、20本、21本、22本、23本、24本、25本、26本、27本及び28本に設定して、太陽電池モジュールの電力を測定し、対応して得られた電力は、それぞれ583.4W、585.19W、586.54W、587.57W、588.36W、588.95W、589.41W、589.76W、590W、590.19W、590.3W、590.37W、590.39W、590.37W、590.3W、590.22W、590.12W、589.98W、589.84W、589.68Wである。図7において、溶接ワイヤ10の直径が0.33mmに定められる場合に、それぞれメイングリッド線7の数を9本、10本、11本、12本、13本、14本、15本、16本、17本、18本、19本、20本、21本、22本、23本、24本、25本、26本、27本及び28本に設定して、太陽電池モジュールの電力を測定し、対応して得られた電力は、それぞれ589.68W、590.64W、591.3W、591.72W、591.99W、592.13W、592.17W、592.14W、592.05W、591.91W、591.74W、591.52W、591.28W、591.01W、590.73W、590.42W、590.10W、589.77W、589.42W、589.06Wである。図8において、溶接ワイヤ10の直径が0.35に定められる場合に、それぞれメイングリッド線7の数を9本、10本、11本、12本、13本、14本、15本、16本、17本、18本、19本、20本、21本、22本、23本、24本、25本、26本、27本及び28本に設定して、太陽電池モジュールの電力を測定し、対応して得られた電力は、それぞれ590.75W、591.56W、592.07W、592.37W、592.53W、592.58W、592.53W、592.43W、592.26W、592.04W、591.81W、591.53W、591.23W、590.90W、590.56W、590.21W、589.84W、589.46W、589.06W、588.66Wである。明らかなように、同じ溶接ワイヤの直径の場合、メイングリッド線の数が増加するにつれて、最大電力は、増加してから減少し、逆放物線の傾向である。0.18mm~0.35mmの間の任意の溶接ワイヤの直径を測定し、電力が最大値である場合、溶接ワイヤの直径とメイングリッド線の数は、y=116.55x-92.03x+27.35という条件に合致し、ここでxは溶接ワイヤの直径である。
【0044】
図9図12を併せて参照すると、ここで、予め定められた基準コストに対するコストの比を相対コストとして定義し(以下も同様である)、図9図12は、溶接ワイヤの直径、メイングリッド線の数及び太陽電池モジュールの相対コストの関係図であり、図9図12において横座標がメイングリッド線の数(本)であり、縦座標が相対コストである。図9において溶接ワイヤ10の直径が0.18mmに定められる場合に、それぞれメイングリッド線7の数を10本、11本、12本、13本、14本、15本、16本、17本、18本、19本に設定して、太陽電池モジュールのコストを測定し、対応する太陽電池モジュールの相対コストは、それぞれ182.20、181.67、181.29、181.11、181.03、181.06、181.14、181.33、181.50、181.67である。図10において溶接ワイヤ10の直径が0.22mmに定められる場合に、それぞれメイングリッド線7の数を10本、11本、12本、13本、14本、15本、16本、17本、18本、19本に設定して、太陽電池モジュールのコストを測定し、対応する太陽電池モジュールの相対コストは、それぞれ183.51、182.94、182.63、182.41、182.40、182.46、182.64、182.84、183.14、183.41である。図11において溶接ワイヤ10の直径が0.28mmに定められる場合に、それぞれメイングリッド線7の数を10本、11本、12本、13本、14本、15本、16本、17本、18本、19本に設定して、太陽電池モジュールのコストを測定し、対応する太陽電池モジュールの相対コストは、それぞれ184.19、184.03、184.07、184.20、184.47、184.80、185.21、185.67、186.19、186.67である。図12において溶接ワイヤ10の直径が0.35mmに定められる場合に、それぞれメイングリッド線7の数を10本、11本、12本、13本、14本、15本、16本、17本、18本、19本に設定して、太陽電池モジュールのコストを測定し、対応する太陽電池モジュールの相対コストは、それぞれ184.81、184.96、185.89、186.30、186.77、187.46、188.13、188.81、189.56、190.27である。明らかなように、同じ溶接ワイヤの場合、コストの極大値を得ることができる。0.18mm~0.35mmの間の任意の溶接ワイヤの直径を測定し、全てのコスト値が最低値に達する場合、溶接ワイヤの直径とメイングリッド線の数は、y=582.75x-425.59x+92.58という条件に合致し、ここでxは溶接ワイヤの直径である。
【0045】
理解されるように、図4に示すように、メイングリッド線7の最適な数は、y=116.55x-92.03x+27.35及びy=582.75x-425.59x+92.58の2つの線で囲まれた閉鎖パターンの間であり、本発明の公式は、最大効率のメイングリッド数及び最低コストのメイングリッド数を考慮したため、両者の間の数値を取り、このようにして電力が大きいことを保証しつつ、コストが高すぎないことを保証することができ、すなわち、溶接ワイヤ10の直径xとメイングリッド線7の数yとの間の関係は、116.55x-92.03x+27.35<y<582.75x-425.59x+92.58であり、この条件を満たす場合、メイングリッド線7の数を増加させ、太陽電池モジュールの電力をできるだけ大きくすることができるだけでなく、コストをできるだけ低くすることができる。
【0046】
いくつかの好ましい実施例において、引き続き図1を参照し、メイングリッド線7の幅は、20μm以上60μm以下である。
【0047】
本実施例においてメイングリッド線7の幅は、行方向(すなわち第2方向Y)における幅を指し、好ましくは、メイングリッド線7の幅は、20μm、30μm、40μm、50μm又は60μmであってもよい。理解されるように、メイングリッド線7の幅は、一般的に100μmよりも大きくなり、本実施例において単一のメイングリッド線7の幅を減少させることによって、このようにメイングリッド線7に溶接された溶接ワイヤ10の直径を減少させ、コストを低減することができる。
【0048】
一方、メイングリッド線7の幅が20μm以上であれば、溶接の歩留まりを保証することができ、メイングリッド線7の幅が20μmよりも小さくなると、溶接の歩留まりを低下させることになり、メイングリッド線7の幅が60μmよりも大きくなると、銀ペーストの消費量を異なる程度で増加させてコストを増加させることになり、本実施例のメイングリッド線7の幅が20μm~60μmの間にあり、溶接歩留まり及び必要な溶接引張力を保証することができ、またグリッド線自体の銀ペーストの消費量が減少し、その上の第1溶接点8の数及び面積も相対的に減少し、これによって銀ペーストの消費量を減少させることもでき、コストをより一層低減することができる。
【0049】
いくつかの好ましい実施例において、引き続き図3を参照し、溶接ワイヤ10の直径は、0.18mm以上0.35mm以下である。
【0050】
具体的には、溶接ワイヤ10の直径は、0.18mm、0.21mm、0.24mm、0.27mm、0.3mm、0.32mm、0.35mmであってもよく、ここでは溶接ワイヤ10の直径を具体的に限定せず、0.18mm以上0.35mm以下の範囲内にあればよく、溶接ワイヤ10直径が0.18mm以上0.35mm以下であることによって、太陽電池モジュールの電力をできるだけ大きくすることができ、さらにコストをできるだけ低くすることもできる。
【0051】
いくつかの好ましい実施例において、図13を参照し、図13は、図2におけるA領域の部分拡大図であり、第1溶接点8の形状は、三角形、矩形、菱形、円形、楕円形のうちの一つ又は複数の組み合わせである。
【0052】
図13において、第1溶接点8の形状が三角形、矩形、菱形、円形、楕円形の組み合わせの場合のみを例にしている。
【0053】
好ましくは、第1溶接点8の形状は、矩形、菱形、円形、楕円形、三角形のうちの一つであり、矩形、菱形、円形、楕円形、三角形の2つ又は2つ以上の組み合わせであってもよく、例えば三角形と矩形/菱形/円形/楕円形のいずれか一つの形状を結合し、従来の溶接点が正方形構造であることに比べて、これらの形状では、第1溶接点8の面積を低減することができ、このような設計によって、基板に対する遮蔽を低減することができるだけでなく、銀ペーストの消費を低減し、コストを低減することができる。
【0054】
いくつかの好ましい実施例において、引き続き図2及び図13を参照し、半導体基板6の一方側は、さらにサブグリッド線9を含み、サブグリッド線9は、メイングリッド線7に電気的に接続され、メイングリッド線7と交差点に交差する。
【0055】
第1溶接点8は、第1サブ溶接点81と、第2サブ溶接点82とを含み、ここで、第1サブ溶接点81は、メイングリッド線7の端部に位置し、第2サブ溶接点82は、第1サブ溶接点81の間に位置する。
【0056】
具体的には、半導体基板6は、さらに複数本のサブグリッド線9を含み、サブグリッド線9は、行方向に沿って延在し、列方向に配列され、そして、サブグリッド線9は、メイングリッド線7と交差し、好ましくはサブグリッド線9はメイングリッド線7と互いに垂直であってもよく、サブグリッド線9は、メイングリッド線7と電気的に接続され、サブグリッド線9は、半導体基板6が生成した電流を収集し、次にメイングリッド線7に集約し、メイングリッド線7から導出するために用いられる。
【0057】
第1溶接点は、第1サブ溶接点と、第2サブ溶接点とを含み、第1サブ溶接点は、メイングリッド線7の両端のフォーク状箇所に位置することができ、すなわち第1サブ溶接点は、メイングリッド線7の対向する両側に設けることができ、第2サブ溶接点は、第1サブ溶接点の間に位置し、したがって第1サブ溶接点の溶接が成功した場合、メイングリッド線7及び溶接ワイヤ10の位置も相対的に固定される。
【0058】
いくつかの好ましい実施例において、引き続き図2及び図13を参照し、半導体基板が所在する平面に垂直な方向において、少なくとも一部の第2サブ溶接点82は、交差点と重ならない。
【0059】
理解されるように、サブグリッド線9は、メイングリッド線7に電気的に接続され、メイングリッド線7と交差点に交差し、半導体基板6が所在する平面に垂直な方向において、一部の第2サブ溶接点82は交差点と重ならず、すなわち第2サブ溶接点は、メイングリッド線7に設けられ、かつメイングリッド線7とサブグリッド線9との交差部に位置せず、溶接によるメイングリッド線7とサブグリッド線9との接続部にグリッド切れが発生することで太陽電池モジュール100の合格率に影響を与えることを減少することができる。
【0060】
実際の製造過程において一部の第2サブ溶接点82が合流点と重なることがあり、好ましくは、合流点と重ならない第2サブ溶接点82の数は、合流点と重なる第2サブ溶接点82の数よりも多く、すなわち大部分の第2サブ溶接点82は合流点と重ならず、このようにグリッド切れの問題を一定程度改善することを保証することができる。
【0061】
いくつかの好ましい実施例において、引き続き図1を参照し、メイングリッド線の幅は、サブグリッド線9の幅と同じである。
【0062】
理解されるように、関連技術においてメイングリッド線7の幅は、サブグリッド線9の幅よりも大きくなるが、本実施例においてメイングリッド線7の幅を低減して、メイングリッド線7の幅をサブグリッド線9の幅と同じにすることであり、このようにメイングリッド線7の幅を低減することによって、銀ペーストの消費量を低減し、コストを低減することができる。
【0063】
いくつかの好ましい実施例において、引き続き図2を参照し、半導体基板は、N型基板又はP型基板である。
【0064】
好ましくは、半導体基板6がN型基板であれば、太陽電池セル3がN型太陽電池セル3であり、半導体基板6がP型基板であれば、太陽電池セル3がP型太陽電池セル3である。N型基板は、電子導電を採用し、P型基板は、正孔導電を採用する。
【0065】
N型太陽電池セル3の表面31及び裏面32の両側には、いずれも銀ペーストが設けられている。一つの可能な実施形態において、N型太陽電池セル3は、TOPCon(Tunnel Oxide Passivated Contact トンネル酸化物不動態化接触)電池であってもよく、TOPCon電池の基板は、N型基板である。
【0066】
P型太陽電池セル3の両側は、一方側が銀ペーストを採用し、他方側がアルミニウムペースト及び銀ペーストを採用する。一つの可能な実施形態において、P型太陽電池セル3は、PERC(Passivated Emitter and Rear Cell パッシベーションエミッタ及びリアセル)電池であってもよく、PERC電池の基板は、P型基板である。
【0067】
理解されるように、N型太陽電池セル3の使用寿命が長く、効率が高く、P型太陽電池セル3のプロセスが簡単であり、コストが低い。本発明は、半導体基板6については具体的に限定されないものとする。
【0068】
いくつかの好ましい実施例において、引き続き図13を参照し、第1サブ溶接点81の第1方向Xにおける長さは、0.5mm以上0.8mm以下であり、第1サブ溶接点81の第2方向Yにおける幅は、0.5mm以上1.2mm以下であり、第2サブ溶接点82の第1方向Xにおける長さは、0.05mm以上0.5mm以下であり、第2サブ溶接点82の第2方向Yにおける幅は、0.4mm以上0.8mm以下であり、第1方向Xは、溶接ワイヤ10の延在方向に平行であり、第2方向Yは、溶接ワイヤ10の延在方向に垂直である。
【0069】
理解されるように、メイングリッド線7の端部の第1サブ溶接点81は、溶接ワイヤ10と溶接する必要があるため、第1サブ溶接点81の面積は、第2サブ溶接点82の面積よりも大きく設定することができ、このように溶接ワイヤ10との間の電気的接続を保証し、溶接故障の発生を防止することができる。
【0070】
ここでの第1方向Xは、列方向であり、溶接ワイヤ10の延在方向に平行であり、第2方向Yは、行方向であり、溶接ワイヤ10の延在方向に垂直である。
【0071】
なお、第1サブ溶接点81、第2サブ溶接点82の第1方向X及び第2方向Yにおける長さは、いずれも小さ過ぎたり大き過ぎたりすることができず、小さすぎると、溶接ワイヤ10との間の溶接に影響を与え、大きすぎると、光線を遮蔽して電力を低下させ、銀ペーストの使用量を向上させる。好ましくは、第1サブ溶接点81の第1方向Xにおける長さは、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mmであってもよく、第1サブ溶接点81の第2方向Yにおける幅は、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1.0mm、1.1mm、1.2mmであってもよく、第2サブ溶接点82の第1方向Xにおける長さは、0.05mm、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mmであってもよく、第2サブ溶接点82の第2方向Yにおける幅は、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mmであってもよい。
【0072】
関連技術に比べて、本実施例における第1サブ溶接点81及び第2サブ溶接点82の寸法は、いずれも低下したものであり、光線に対する遮蔽を減少させ、電力を向上させ、さらに銀ペーストの使用量を低下させ、コストを低減することができる。
【0073】
いくつかの好ましい実施例において、図14を参照し、図14は、本発明に提供される太陽電池セルの裏面の平面構造概略図であり、半導体基板6は、P型基板であり、裏面32のメイングリッド線7上に第2溶接点11が分布し、第2溶接点11の数は、6~10個であり、第2溶接点11の第1方向Xにおける長さは、1mm以上2mm以下であり、第2溶接点11の第2方向Yにおける幅は、2mm以上3mm以下であり、第1方向Xは、溶接ワイヤ10の延在方向に平行であり、第2方向Yは、溶接ワイヤ10の延在方向に垂直である。
【0074】
P型基板の表面31は、銀ペーストを採用し、P型基板の裏面32は、アルミニウムペースト及び銀ペーストを採用し、P型基板の裏面32には、第2溶接点11の数がN型基板よりも少なくてもよく、本実施例においてP型基板の裏面32の第2溶接点11の数は、6~10個であり、例えば6個、7個、8個、9個、10個であってもよく、ここでは具体的に限定されない。
【0075】
同様に、第2溶接点11の寸法は、大きすぎたり小さすぎたりすることができず、小さすぎると、溶接ワイヤ10との溶接に影響を与え、大きすぎると、アルミニウムペースト及び銀ペーストの消費量を増加させる。好ましくは、第2溶接点11の第1方向Xにおける長さは、1mm以上2mm以下であり、例えば1mm、1.2mm、1.4mm、1.6mm、1.8mm、2mmであってもよく、第2溶接点11の第2方向Yにおける幅は、2mm以上3mm以下であり、例えば2mm、2.2mm、2.4mm、2.6mm、2.8mm、3mmであってもよい。本実施例は、溶接ワイヤ10との溶接を保証することができるだけでなく、アルミニウムペースト及び銀ペーストの消費量を増加することもない。
【0076】
いくつかの好ましい実施例において、引き続き図1を参照し、半導体基板6は、N型基板であり、サブグリッド線9の数は、76本以上98本以下であり、サブグリッド線9の幅は、20μm以上30μm以下であり、又は
半導体基板6は、P型基板であり、サブグリッド線9の数は、90本以上120本以下であり、サブグリッド線9の幅は、20μm以上30μm以下である。
【0077】
理解されるように、N型基板の表面31及び裏面32は、いずれも銀ペーストを採用するのに対して、P型基板の表面31は、銀ペーストを採用し、P型基板の裏面32は、アルミニウムペースト及び銀ペーストを採用するため、半導体基板6がP型基板である場合、そのサブグリッド線9の数は、N型基板のサブグリッド線9の数と異なる。
【0078】
好ましくは、半導体基板6は、N型基板であり、サブグリッド線9の数は、76本以上98本以下であり、サブグリッド線9の幅は、20μm以上30μm以下であり、例えば、サブグリッド線9の数は、76本、80本、85本、90本、93本、96本、98本であってもよく、サブグリッド線9の幅は、20μm、22μm、26μm、28μm、30μmであってもよい。関連技術に対して、本実施例は、サブグリッド線9の数を減少させることによって、銀ペーストの消費量を低減し、コストを低減することができ、当然のことながら、サブグリッド線9による遮蔽を低減することもできる。
【0079】
好ましくは、半導体基板6は、P型基板であり、サブグリッド線9の数は、90本以上120本以下であり、サブグリッド線9の幅は、20μm以上30μm以下であり、例えば、サブグリッド線9の数は、90本、95本、100本、105本、110本、115本、120本であってもよく、サブグリッド線9の幅は、20μm、22μm、26μm、28μm、30μmであってもよい。関連技術に対して、本実施例は、サブグリッド線9の数を減少させることによって、銀ペーストの消費量を低減し、コストを低減することができ、当然のことながら、サブグリッド線9による遮蔽を低減することもできる。
【0080】
いくつかの好ましい実施例において、引き続き図1を参照し、フロントシート1と、第1封止層2と、第2封止層4と、バックシート5と、接続構造とをさらに含み、ここで、太陽電池セル3は、第1封止層2と第2封止層4との間に位置し、太陽電池セル3は、接続構造によってそれぞれ第1封止層2と第2封止層4に接続される。
【0081】
図1には接続構造が示されず、好ましくは、接続構造は、透明両面テープであってもよく、ここでは具体的に限定されない。
【0082】
図1から分かるように、太陽電池セル3は、第1封止層2と第2封止層4との間に位置する。好ましくは、第1封止層2及び第2封止層4の材料は、EVA(エチレン-酢酸ビニル共重合体)、POE(エチレン-オクテン共重合体)、又はEVAとPOEの一体化共押出材料などであってもよく、ここでは具体的に限定されない。そのうち、POE分子構造に酸性基がなく、かつEVAよりも優れた水蒸気バリア性などを有し、太陽電池セル3に対する保護作用がより優れ、しかしながら、POEはEVAに対して、原材料及びプロセスコストが明らかに向上するため、現在業界ではEVAの代わりにPOEを用いて封止することで、太陽電池モジュール100の封止コストを顕著に向上させ、光起電力発電のコストダウンに不利である。EVAはコストが低いが、EVA分子構造に酸性基を有し、高温高湿の環境において、分解が発生した後に酢酸などの腐食物を生成し、太陽電池セル3上の溶接ワイヤ10及びメインゲートスラリーを腐食し、モジュール電流の収集及び出力に影響を与え、それによってモジュール電力が減衰し、発電能力が低下する。
【0083】
いくつかの好ましい実施例において、引き続き図1及び図2を参照し、太陽電池セル3の半導体基板6は、N型基板であり、第1封止層2及び/又は第2封止層4の重量は、250g/m以上500g/m以下であり、或いは、太陽電池セル3の半導体基板6は、P型基板であり、第1封止層2及び/又は第2封止層4の重量は、250g/m以上400g/m以下である。
【0084】
理解されるように、N型基板とP型基板の表面31は銀ペーストを採用し、N型基板であってもP型基板であっても、第1封止層2の重量は等しくてもよいが、P型基板の裏面32はアルミニウムペーストと銀ペーストを採用し、N型基板の裏面32は銀ペーストであるため、P型基板とN型基板は、第2封止層4の重量は等しくない。
【0085】
理解されるように、第1封止層2又は第2封止層4の坪量が大きすぎると、コストを増加させ、小さすぎると、太陽電池セル3を効果的に封止保護することができなくなる。本実施例において、太陽電池セル3の半導体基板6は、N型基板であり、第1封止層2及び/又は第2封止層4の重量は、250g/m以上500g/m以下であり、或いは、太陽電池セル3の半導体基板6は、P型基板であり、第1封止層2及び/又は第2封止層4の重量は、250g/m以上400g/m以下である。関連技術に対して、第1封止層2及び第2封止層4の坪量は低下したものであり、本発明において溶接ワイヤ10の直径を低下させるため、このように第1封止層2及び第2封止層4の坪量の低下に有利であり、それによって太陽電池モジュール100を封止するときに坪量のより低い第1封止層2及び第2封止層4を選択することができ、同時に太陽電池セル3を封止保護する役割を果たすことができ、本実施例では、太陽電池モジュール100の信頼性を保証できる前提で、太陽電池モジュール100の封止コストを低下させるという目的を達成することができる。
【0086】
上記実施例から分かるように、本発明に提供される太陽電池モジュールは、少なくとも以下のような有益な効果を実現することができる。
本発明は、光起電力モジュールのコストと電力のバランスを取ることができ、一方では、溶接ワイヤの直径を低減する方式でコストを低減し、これは溶接ワイヤの直径を低減した後に第1封止層及び第2封止層の坪量を低減することができるからであり、しかし、溶接ワイヤの直径を低減すると、電流伝送断面積の低減、すなわち電力の低下をもたらすため、溶接ワイヤの数及びメイングリッドの数を増加させる必要があり、他方では、メイングリッドの数を増加させることによって太陽電池モジュールの電力が増加されるが、メイングリッドの数と電力との間は線形関係ではなく、すなわちメイングリッドの数の増加につれて太陽電池モジュールの電力が常に増減することではなく、極値まで増加した後に電力が低下し、これはメイングリッドの数が増加した後に光線を過剰に遮蔽し、遮蔽の下げ幅が電流伝送の上げ幅よりも大きくなると、電力の低下をもたらすためである。本発明において、溶接ワイヤの直径xとメイングリッド線の数yとの間の関係は、116.55x-92.03x+27.35<y<582.75x-425.59x+92.58であり、この条件を満たす場合に、メイングリッド線の数を増加させ、大電流による損失を減少させることができるだけでなく、コストを低減することができる。
【0087】
本発明のいくつかの特定の実施例を例によって詳細に説明したが、当業者であれば、以上の例は単に説明するためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。当業者であれば理解されるように、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、以上の実施例を変更することが可能である。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって限定される。
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【手続補正書】
【提出日】2023-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池モジュールであって、
複数の太陽電池セルを含み、前記太陽電池セルは、対向して設けられた表面及び裏面を含み、
前記太陽電池セルは、半導体基板と、前記半導体基板の一方側に位置するメイングリッド線とを含み、前記メイングリッド線上に第1溶接点が分布し、前記第1溶接点の数は、6~12個であり、
前記太陽電池モジュールは、さらに溶接ワイヤを含み、前記溶接ワイヤは、一端が前記太陽電池セルの表面の前記メイングリッド線の前記第1溶接点に接続され、他端が隣接する前記太陽電池セルの裏面の前記メイングリッド線の前記第1溶接点に接続され、
前記溶接ワイヤの直径と前記メイングリッド線の数との間の関係は、116.55x-92.03x+27.35<y<582.75x-425.59x+92.58であり、ただし、xは溶接ワイヤの直径であり、yはメイングリッド線の数であり、
前記太陽電池セルは、長さ及び幅が、いずれも180mm~190mmである、ことを特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項2】
前記メイングリッド線の幅は、20μm以上60μm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
前記溶接ワイヤの直径は、0.18mm以上0.35mm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
前記第1溶接点の形状は、三角形、矩形、菱形、円形、楕円形のうちの一つ又は複数の組み合わせである、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
前記半導体基板の一方側は、さらにサブグリッド線を含み、前記サブグリッド線は、前記メイングリッド線に電気的に接続され、前記メイングリッド線と交差点に交差し、
前記第1溶接点は、第1サブ溶接点と、第2サブ溶接点とを含み、前記第1サブ溶接点は、前記メイングリッド線の端部に位置し、前記第2サブ溶接点は、前記第1サブ溶接点の間に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
前記半導体基板が所在する平面に垂直な方向おいて、少なくとも一部の前記第2サブ溶接点は、前記交差点と重ならない、ことを特徴とする請求項5に記載の太陽電池モジュール。
【請求項7】
前記メイングリッド線の幅は、前記サブグリッド線の幅と同じである、ことを特徴とする請求項5に記載の太陽電池モジュール。
【請求項8】
前記半導体基板は、N型基板又はP型基板である、ことを特徴とする請求項5に記載の太陽電池モジュール。
【請求項9】
前記第1サブ溶接点の第1方向における長さは、0.5mm以上0.8mm以下であり、前記第1サブ溶接点の第2方向における幅は、0.5mm以上1.2mm以下であり、前記第2サブ溶接点の第1方向における長さは、0.05mm以上0.5mm以下であり、前記第2サブ溶接点の第2方向における幅は、0.4mm以上0.8mm以下であり、前記第1方向は、前記溶接ワイヤの延在方向に平行であり、前記第2方向は、前記溶接ワイヤの延在方向に垂直である、ことを特徴とする請求項8に記載の太陽電池モジュール。
【請求項10】
前記半導体基板は、P型基板であり、裏面の前記メイングリッド線上に第2溶接点が分布し、前記第2溶接点の数は、6~10個であり、前記第2溶接点の第1方向における長さは、1mm以上2mm以下であり、前記第2溶接点の第2方向における幅は、2mm以上3mm以下であり、前記第1方向は、前記溶接ワイヤの延在方向に平行であり、前記第2方向は、前記溶接ワイヤの延在方向に垂直である、ことを特徴とする請求項8に記載の太陽電池モジュール。
【請求項11】
前記半導体基板は、N型基板であり、前記サブグリッド線の数は、76本以上98本以下であり、前記サブグリッド線の幅は、20μm以上30μm以下であり、或いは、
前記半導体基板は、P型基板であり、前記サブグリッド線の数は、90本以上120本以下であり、前記サブグリッド線の幅は、20μm以上30μm以下である、ことを特徴とする請求項8に記載の太陽電池モジュール。
【請求項12】
フロントシートと、第1封止層と、第2封止層と、バックシートと、接続構造とをさらに含み、前記太陽電池セルは、前記第1封止層と前記第2封止層との間に位置し、前記太陽電池セルは、接続構造によってそれぞれ前記第1封止層と前記第2封止層に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項13】
前記太陽電池セルの半導体基板は、N型基板であり、前記第1封止層及び/又は第2封止層の重量は、250g/m以上500g/m以下であり、或いは、
前記太陽電池セルの半導体基板は、P型基板であり、前記第1封止層及び/又は第2封止層の重量は、250g/m以上400g/m以下である、ことを特徴とする請求項12に記載の太陽電池モジュール。