IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッドの特許一覧 ▶ 晶科能源股▲ふん▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特開-太陽電池モジュール 図1
  • 特開-太陽電池モジュール 図2
  • 特開-太陽電池モジュール 図3
  • 特開-太陽電池モジュール 図4
  • 特開-太陽電池モジュール 図5
  • 特開-太陽電池モジュール 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103164
(43)【公開日】2023-07-26
(54)【発明の名称】太陽電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/05 20140101AFI20230719BHJP
   H01L 31/0224 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
H01L31/04 570
H01L31/04 262
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161194
(22)【出願日】2022-10-05
(31)【優先権主張番号】202210037606.7
(32)【優先日】2022-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519095522
【氏名又は名称】ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】512083920
【氏名又は名称】晶科能源股分有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】ジーチウ グオ
(72)【発明者】
【氏名】グオフイ ハオ
(72)【発明者】
【氏名】シーリアン ホアン
(72)【発明者】
【氏名】ニンボー ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ホンシュオ ジャン
【テーマコード(参考)】
5F151
5F251
【Fターム(参考)】
5F151DA03
5F151EA19
5F151FA14
5F151FA16
5F151GA04
5F251DA03
5F251EA19
5F251FA14
5F251FA16
5F251GA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コストと出力電力のバランスを取ることができる太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】複数の太陽電池セルを含み、前記太陽電池セルは、太陽電池基板と、前記太陽電池基板の一方側に位置するメイングリッド線とを含み、前記太陽電池モジュールは、さらに溶接ワイヤを含み、前記溶接ワイヤは、一端が前記太陽電池セルの表面の前記メイングリッド線に接続され、他端が隣接する前記太陽電池セルの裏面の前記メイングリッド線に接続され、前記メイングリッド線上には第1溶接点が分布し、前記第1溶接点の数は6~12個であり、前記溶接ワイヤの直径と前記メイングリッド線の数との間の関係は、2.987x-1.144-1.9<y<3.2742x-1.134+1.7であり、ただし、xは溶接ワイヤの直径であり、yはメイングリッド線の数である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池モジュールであって、複数の太陽電池セルを含み、
前記太陽電池セルは、太陽電池基板と、前記太陽電池基板の一方側に位置するメイングリッド線とを含み、
前記太陽電池モジュールは、さらに溶接ワイヤを含み、前記溶接ワイヤは、一端が前記太陽電池セルの表面の前記メイングリッド線に接続され、他端が隣接する前記太陽電池セルの裏面の前記メイングリッド線に接続され、
前記メイングリッド線上には第1溶接点が分布し、前記第1溶接点の数は、6~12個であり、
前記溶接ワイヤの直径と前記メイングリッド線の数との間の関係は、2.987x-1.144-1.9<y<3.2742x-1.134+1.7であり、ただし、xは溶接ワイヤの直径であり、yはメイングリッド線の数である、ことを特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項2】
前記第1溶接点は、第1サブ溶接点と、第2サブ溶接点とを含み、前記第1サブ溶接点は、前記メイングリッド線の端部に位置し、前記第2サブ溶接点は、前記第1サブ溶接点の間に位置し、
前記第1サブ溶接点における前記溶接ワイヤに垂直な長さは、0.5ミリメートル~0.8ミリメートルであり、前記第1サブ溶接点における前記溶接ワイヤに平行な幅は、0.5ミリメートル~1.2ミリメートルであり、前記第2サブ溶接点における前記溶接ワイヤに垂直な長さは、0.05ミリメートル~0.5ミリメートルであり、前記第2サブ溶接点における前記溶接ワイヤに平行な幅は、0.4ミリメートル~0.8ミリメートルである、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
前記溶接ワイヤの直径は、0.2mm~0.33mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
前記メイングリッド線の幅は、20ミクロン~50ミクロンである、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
前記太陽電池基板は、P型基板又はN型基板である、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
前記太陽電池基板は、P型基板であり、裏面の前記メイングリッド線上に第2溶接点が分布し、前記第2溶接点の数は、6~12個であり、前記第2溶接点の長さは、1.5ミリメートルであり、前記第2溶接点の幅は、2ミリメートル~3ミリメートルであり、或いは、
前記太陽電池基板は、N型基板であり、裏面の前記メイングリッド線上に第2溶接点が分布し、前記第2溶接点の数は、10~12個であり、前記第2溶接点の長さは、0.5ミリメートル~0.8ミリメートルであり、前記第2溶接点の幅は、0.5ミリメートル~1.2ミリメートルである、ことを特徴とする請求項5に記載の太陽電池モジュール。
【請求項7】
前記太陽電池基板には、さらに前記メイングリッド線と交差するサブグリッド線を含み、前記サブグリッド線は、前記メイングリッド線に電気的に接続され、
太陽電池基板に垂直な方向において、一部の前記第2サブ溶接点の前記太陽電池基板が所在する平面に位置する正投影は、前記サブグリッド線の前記太陽電池基板が所在する平面に位置する正投影と重ならない、ことを特徴とする請求項2に記載の太陽電池モジュール。
【請求項8】
前記メイングリッド線の幅は、前記サブグリッド線の幅と同じである、ことを特徴とする請求項7に記載の太陽電池モジュール。
【請求項9】
前記サブグリッド線の幅は、20ミクロン~30ミクロンであり、
前記サブグリッド線の数は、135~150本である、ことを特徴とする請求項7に記載の太陽電池モジュール。
【請求項10】
前記太陽電池モジュールは、さらに第1接着フィルム材料及び第2接着フィルム材料を含み、前記太陽電池セルは、第1接着フィルム材料と第2接着フィルム材料との間に位置し、前記第1接着フィルム材料及び/又は第2接着フィルム材料の重量は、310グラム/平方メートル~430グラム/平方メートルである、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項11】
前記第1溶接点の形状は、矩形、菱形、円形、楕円形、三角形のうちの一つ又は複数の組み合わせである、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光起電力の技術分野に関し、より具体的には、太陽電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池モジュールは、光起電力発電システムのコア部材であり、その作用は、光エネルギーを電気エネルギーに変換することであり、太陽電池モジュールは、個片の電池セルを直列接続してパッケージ化して形成され、直列接続モジュールによって高電圧を得ることができ、複数の電池セルストリングを並列接続して高電流を得ることができ、従来の太陽電池モジュールは、一般的にメイングリッド線溶接ストリップを用いて電池セルを直列接続し、溶接点は、太陽電池における溶接点と溶接することによって電気的に接続する作用を果たし、しかしながら、太陽電池における溶接点は、光起電力電池の表面を遮蔽するため、光起電力電池の吸収光線に影響を与え、光起電力電池の効率に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0003】
これに鑑みて、本発明は、太陽電池モジュールを提供し、当該太陽電池モジュールは、複数の太陽電池セルを含み、
前記太陽電池セルは、太陽電池基板と、前記太陽電池基板の一方側に位置するメイングリッド線とを含み、
前記太陽電池モジュールは、さらに溶接ワイヤを含み、前記溶接ワイヤは、一端が前記太陽電池セルの表面の前記メイングリッド線に接続され、他端が隣接する前記太陽電池セルの裏面の前記メイングリッド線に接続され、
前記メイングリッド線上には第1溶接点が分布し、前記第1溶接点の数は、6~12個であり、
前記溶接ワイヤの直径と前記メイングリッド線の数との間の関係は、2.987x-1.144-1.9<y<3.2742x-1.134+1.7であり、ただし、xは溶接ワイヤの直径であり、yはメイングリッド線の数である。
【0004】
好ましくは、前記第1溶接点は、第1サブ溶接点と第2サブ溶接点とを含み、前記第1サブ溶接点は、前記メイングリッド線の端部に位置し、前記第2サブ溶接点は、前記第1サブ溶接点の間に位置し、
前記第1サブ溶接点における前記溶接ワイヤに垂直な長さは、0.5ミリメートル~0.8ミリメートルであり、前記第1サブ溶接点における前記溶接ワイヤに平行な幅は、0.5ミリメートル~1.2ミリメートルであり、前記第2サブ溶接点における前記溶接ワイヤに垂直な長さは0.05ミリメートル~0.5ミリメートルであり、前記第2サブ溶接点における前記溶接ワイヤに平行な幅は、0.4ミリメートル~0.8ミリメートルである。
【0005】
好ましくは、前記溶接ワイヤの直径は、0.2mm~0.33mmである。
【0006】
好ましくは、前記メイングリッド線の幅は、20ミクロン~50ミクロンである。
【0007】
好ましくは、前記太陽電池基板は、P型基板又はN型基板である。
【0008】
好ましくは、前記太陽電池基板は、P型基板であり、裏面の前記メイングリッド線上に第2溶接点が分布し、前記第2溶接点の数は、6~12個であり、前記第2溶接点の長さは、1.5ミリメートルであり、前記第2溶接点の幅は、2ミリメートル~3ミリメートルであり、或いは、
前記太陽電池基板は、N型基板であり、裏面の前記メイングリッド線上に第2溶接点が分布し、前記第2溶接点の数は、10~12個であり、前記第2溶接点の長さは、0.5ミリメートル~0.8ミリメートルであり、前記第2溶接点の幅は、0.5ミリメートル~1.2ミリメートルである。
【0009】
好ましくは、前記太陽電池基板には、さらに前記メイングリッド線と交差するサブグリッド線を含み、前記サブグリッド線は、前記メイングリッド線に電気的に接続され、
太陽電池基板に垂直な方向において、一部の前記第2サブ溶接点の前記太陽電池基板が所在する平面に位置する正投影は、前記サブグリッド線の前記太陽電池基板が所在する平面に位置する正投影と重ならない。
【0010】
好ましくは、前記メイングリッド線の幅は、前記サブグリッド線の幅と同じである。
【0011】
好ましくは、前記サブグリッド線の幅は、20ミクロン~30ミクロンであり、前記サブグリッド線の数は、135~150本である。
【0012】
好ましくは、前記太陽電池モジュールは、さらに第1接着フィルム材料及び第2接着フィルム材料を含み、前記太陽電池セルは、第1接着フィルム材料と第2接着フィルム材料との間に位置し、前記第1接着フィルム材料及び/又は第2接着フィルム材料の重量は、310グラム/平方メートル~430グラム/平方メートルである。
【0013】
好ましくは、前記第1溶接点の形状は、矩形、菱形、円形、楕円形、三角形のうちの一つ又は複数の組み合わせである。
【0014】
従来技術に比べて、本発明に提供される太陽電池モジュールは、少なくとも以下のような有益な効果を実現することができる。
本発明は、太陽電池モジュールのコストと電力のバランスを取ることができ、溶接ワイヤの直径を低減する方式でコストを低減し、これは溶接ワイヤの直径を低減した後に第1接着フィルム材料及び第2接着フィルム材料の坪量を低減することができるからであり、しかし、溶接ワイヤの直径を低減すると、電流伝送断面積の低下をもたらし、電力を低下させるため、さらにメイングリッド線の数及び溶接ワイヤの数を増加して電力を向上させる必要があるが、メイングリッド線の数が一定の数値を超えると、過剰に光線を遮蔽し、遮蔽による下げ幅が電流伝送の上げ幅よりも大きくなり、電力の低下をもたらす。したがって、溶接ワイヤの直径とメイングリッド線の数との間の関係を2.987x-1.144-1.9<y<3.2742x-1.134+1.7に設定し、メイングリッド線の数を両者の範囲内にすることによって、メイングリッド線の数を増加させ、太陽電池セルの電力をできるだけ大きくすることができ、光起電力電池の変換効率を向上させることに有利であるだけでなく、電力を向上させると同時に接着フィルムの坪量をできるだけ低減し、コストを低減することができる。
【0015】
当然のことながら、本発明を実施するいずれかの製品は、必ずしも上記した技術効果を全て同時に達成する必要があるとは限らない。
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の例示的な実施例を詳細に説明することによって、本発明の他の特徴及びその利点は、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
明細書に結合されて明細書の一部を構成する図面は、本発明の実施例を示し、かつその説明と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
図1】本発明に提供される太陽電池モジュールの表面の構造概略図である。
図2図1におけるA箇所の拡大図である。
図3図1におけるB箇所の拡大図である。
図4】本発明に提供されるメイングリッド線と溶接ワイヤの直径との関係概略図である。
図5】本発明に提供される太陽電池モジュールの裏面の構造概略図である。
図6】本願に提供される太陽電池モジュールの別の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
現在、図面を参照しながら、本発明の種々の例示的な実施形態を説明する。なお、特に具体的に説明しない限り、これらの実施例において説明される部品及びステップの相対的な配置、数字表現式及び数値は、本発明の範囲を限定するものではない。
【0019】
以下、少なくとも一つの例示的な実施例に対する説明は、実際に例示的なものに過ぎず、本発明及びその応用又は使用に対するいかなる制限とするものではない。
【0020】
関連分野の当業者に知られている技術、方法及び装置について詳細に説明しないことがあるが、適切な場合に、前記技術、方法及び装置は、明細書の一部と見なされるべきである。
【0021】
ここで示されて検討された全ての例において、如何なる具体的な値は、単に例示的なものに過ぎず、それに限定されるものではないと解釈されるべきである。したがって、例示的な実施例の他の例は、異なる値を有することができる。
【0022】
なお、以下の図面においては、類似した符号及びアルファベットは類似した要素を示すため、ある要素が一つの図面において定義されると、その後の図面においてそれをさらに検討する必要がない。
【0023】
光起電力技術の発展に伴い、太陽電池セルのサイズがますます大きくなり、対応する電流もますます高くなり、内部損失もますます多くなり、電流による損失を減少させるために、太陽電池のメイングリッド線も徐々に増加し、メイングリッド線の増加によって内部損失を効果的に低減することができるが、メイングリッド線の数が一つの極値まで増加した後に電力の低下を招くことになり、これは、光線に対する過剰な遮蔽が発生し、遮蔽による下げ幅が電流伝送の上げ幅よりも大きくなるためであり、それと同時に、銀ペーストの消費量を増加させ、コストを増加させるという問題が生じてしまう。
【0024】
太陽電池は、既に人々によく用いられる太陽電池装置となり、太陽電池は、一般的にN型太陽電池とP型太陽電池に分けることができる。エネルギーを純粋なシリコンに印加する場合(例えば熱又は光の形式で)、それは、いくつかの電子がその共有結合から離脱して原子から離れることをもたらす。一つの電子が離れると、一つの正孔が残る。次に、これらの電子は、結晶格子の周囲の箇所で遊走し、別の正孔を探して体を安定させる。これらの電子は自由キャリアと呼ばれ、それらは電流を搬送することができる。純粋なシリコンとリン原子を混合し、少ないエネルギーだけでリン原子(最外層の五つの電子)のある「余分」の電子を逃がすことができ、リン原子を利用してドープする場合、得られたシリコンはN型と呼ばれ、太陽電池は一部だけがN型である。他の部分のシリコンにホウ素がドープされ、ホウ素の最外電子層は、4つの電子ではなく3つだけであり、このようにしてP型シリコンを得ることができる。P型シリコンには自由電子はない。p型半導体材料にリン元素を拡散してn+/p型構造を形成する太陽電池は、いわゆるP型シリコンウェハであり、N型半導体材料にホウ素元素を注入してp+/n型構造を形成する太陽電池は、いわゆるN型シリコンウェハである。
【0025】
N型太陽電池は、N型シリコンウェハを含み、電子で導電し、P型太陽電池は、P型シリコンウェハを含み、正孔で導電する。一般的に、N型太陽電池の両側には、いずれも銀ペーストが設けられている。一つの可能な実施形態において、N型光起電力電池は、TOPCon(Tunnel Oxide Passivated Contact トンネル酸化物不動態化接触)電池であってもよく、TOPCon電池の基板は、N型基板である。
【0026】
P型光起電力電池の両側のうち一方側が銀ペーストを採用し、他方側がアルミニウムペースト及び銀ペーストを結合して採用する。一つの可能な実施形態において、P型光起電力電池は、PERC(Passivated Emitter and Rear Cell パッシベーションエミッタ及びリアセル)電池であってもよく、PERC電池の基板は、P型基板である。
【0027】
N型太陽電池は、効率が高く、P型太陽電池は、プロセスが簡単であり、コストが低い。
【0028】
図1~4を参照し、図1は、本発明に提供される太陽電池モジュールの表面の構造概略図である。図2は、図1におけるA箇所の拡大図である。図3は、図1におけるB箇所の拡大図である。図4は、本発明に提供されるメイングリッド線と溶接ワイヤの直径との関係概略図である。本実施例は、複数の太陽電池セル1を含む太陽電池モジュールを提供し、太陽電池セル1は、太陽電池基板11と、太陽電池基板11の一方側に位置するメイングリッド線12とを含み、
太陽電池モジュールは、さらに溶接ワイヤ13を含み、溶接ワイヤ13は、一端が太陽電池セル1の表面のメイングリッド線12に接続され、他端が隣接する太陽電池セル1の裏面のメイングリッド線12に接続され、
メイングリッド線12には第1溶接点14が分布し、第1溶接点14の数は6~12個であり、
溶接ワイヤ13の直径とメイングリッド線12の数との間の関係は、2.987x-1.144-1.9<y<3.2742x-1.134+1.7であり、ただし、xは溶接ワイヤの直径であり、yはメイングリッド線の数である。
【0029】
具体的には、当該太陽電池モジュールは、複数の太陽電池セル1を含み、太陽電池セル1は、太陽電池基板11と、太陽電池基板11の一方側に位置する複数本のメイングリッド線12とを含み、各メイングリッド線12には第1溶接点14が分布し、第1溶接点14の数は、6~12個であり、
太陽電池モジュールは、さらに溶接ワイヤ13を含み、溶接ワイヤ13は、隣接する太陽電池セル1の間に位置し、ここで、溶接ワイヤ13は、一端が表面のメイングリッド線のフォーク状箇所における第1溶接点14に電気的に接続され、他端が裏面のメイングリッド線のフォーク状箇所における第1溶接点14に電気的に接続され、
図4において横軸は、溶接ワイヤ13の直径であり、単位がミリメートルであり、縦軸は、メイングリッド線12の数であり、単位が本である。
【0030】
本発明は、太陽電池モジュールのコストと電力のバランスを取ることができ、溶接ワイヤの直径を低減する方式でコストを低減し、溶接ワイヤの直径を低減することで、接着フィルムの重量を低減させることができ、かつモジュールの信頼性に影響を与えないが、溶接ワイヤの直径を低減すると、電流伝送断面積の低下をもたらし、電力を低下させるため、さらにメイングリッド線の数及び溶接ワイヤの数を増加して電力を向上させる必要があるが、メイングリッド線12の数が一定の数値を超えると、過剰に光線を遮蔽し、遮蔽による下げ幅が電流伝送の上げ幅よりも大きくなり、電力の低下をもたらす。
【0031】
同じ溶接ワイヤ13の直径で8本~25本のメイングリッド線12の電力(単位W)を算出すると、逆放物線が得られ、電力が最大のメイングリッド線12の数を得ることができる。同じ溶接ワイヤ13の直径で8本~25本のメイングリッド線12のコスト(単位元/W)を算出すると、一つのコスト極値を得ることもできる。したがって、溶接ワイヤ13の直径とメイングリッド線12の数との間の関係を2.987x-1.144-1.9<y<3.2742x-1.134+1.7に設定し、ここで、xは溶接ワイヤの直径であり、yはメイングリッド線の数であり、メイングリッド線12の数を両者の範囲内にすることによって、メイングリッド線12の数を増加し、太陽電池モジュールの電力をできるだけ大きくすることができ、光起電力電池の変換効率を向上させることに有利であるだけでなく、電力を向上させると同時に接着フィルムの坪量をできるだけ低減し、コストを低減することができる。
【0032】
本発明は、太陽電池モジュールの溶接ワイヤの直径、メイングリッド線の数、太陽電池モジュールの電力及び太陽電池モジュールのコストに対して、以下のような研究を行った。
【0033】
表1は、太陽電池モジュールの溶接ワイヤの直径、メイングリッド線の数と太陽電池モジュールの電力との関係である。
【表1】
【0034】
表1に示すように、同じ溶接ワイヤの直径である場合、メイングリッド線の数が増加するにつれて、最大電力は、増加してから減少し、逆放物線の傾向であり、例えば、溶接ワイヤの直径が0.2である場合、メイングリッド線の数が9本~22本である場合、太陽電池モジュールの電力は線形に増加し、メイングリッド線の数が23本~29本である場合、太陽電池モジュールの電力は線形に減少する。溶接ワイヤの直径が0.26である場合、メイングリッド線の数が9本~16本である場合、太陽電池モジュールの電力は線形に増加し、メイングリッド線の数が17本~29本である場合、太陽電池モジュールの電力は線形に減少する。溶接ワイヤの直径が0.33である場合、メイングリッド線の数が9本~13本である場合、太陽電池モジュールの電力は線形に増加し、メイングリッド線の数が14本~29本である場合、太陽電池モジュールの電力は線形に減少する。0.20mm~0.33mmの間の任意の溶接ワイヤの直径を測定し、電力が最大値である場合、溶接ワイヤの直径とメイングリッド線の数は、y≒2.987x-1.144-1.9の条件に合致し、その値は、整数切り上げすることができ、ただし、xは溶接ワイヤの直径である。
【0035】
ここで、予め定められた基準コストに対するコストの比を相対コストとして定義する(以下も同様である)。表2は、太陽電池モジュールの溶接ワイヤの直径、メイングリッド線の数と太陽電池モジュールの相対コストとの関係である。
【表2】
【0036】
表2から分かるように、同一の溶接ワイヤ直径である場合、太陽電池モジュールの相対コストの極小値を得ることができる。例えば、溶接ワイヤ直径が0.2であると、メイングリッド線の数が9本~18本である場合、太陽電池モジュールのコストが線形に低下し、メイングリッド線が18本である場合、太陽電池の相対コストの極大値189.99が得られ、メイングリッド線が20本である場合、太陽電池のコストを向上させる。溶接ワイヤ直径が0.22であると、メイングリッド線が9本~16本である場合、太陽電池モジュールのコストが線形に低下し、太陽電池の相対コストの極大値189.30が得られ、メイングリッド線が17本~20本である場合、太陽電池のコストを向上させる。溶接ワイヤ直径が0.28であると、メイングリッド線が9本~12本である場合、太陽電池モジュールのコストが線形に低下し、太陽電池の相対コストの極大値190.20が得られ、メイングリッド線が13本~20本である場合、太陽電池のコストを徐々に向上させる。溶接ワイヤ直径が0.33であると、メイングリッド線の数が10本である場合、太陽電池の相対コストの極大値191.57が得られ、メイングリッド線の数が11本~20本である場合、太陽電池のコストが線形に向上する。0.2mm~0.33mmの間の任意の溶接ワイヤ直径を測定し、全てのコスト値が最低値に達する場合、溶接ワイヤ直径とメイングリッド線の数は、y≒3.2742x-1.134+1.7の条件に合致し、その値は、整数切り捨てすることができ、ただし、xは溶接ワイヤの直径である。
【0037】
図4に示すように、メイングリッド線12の最適な数は、y=2.987x-1.144-1.9とy=3.2742x-1.134+1.7の2つの線で囲まれた閉鎖パターンの間であり、本発明の公式は、最大効率のメイングリッド数と最低コストのメイングリッド数を考慮したため、両者の間の数値を取り、このようにして電力が大きいことを保証しつつ、コストが高すぎないことを保証することができ、すなわち、溶接ワイヤ13の直径とメイングリッド線12の数との間の関係は、2.987x-1.144-1.9<y<3.2742x-1.134+1.7であり、この条件を満たす場合、メイングリッド線12の数を増加させ、太陽電池モジュールの電力をできるだけ大きくすることができ、光起電力電池の変換効率を向上させることに有利であるだけではなく、電力を向上させると同時に接着フィルムの坪量をできるだけ低減し、コストを低減することができる。
【0038】
いくつかの好ましい実施例において、引き続き図13を参照し、第1溶接点14は、第1サブ溶接点141と、第2サブ溶接点142とを含み、ここで、第1サブ溶接点141は、メイングリッド線12の端部に位置し、第2サブ溶接点142は、第1サブ溶接点141の間に位置し、
第1サブ溶接点141における溶接ワイヤ13に垂直な長さは、0.5ミリメートル~0.8ミリメートルであり、第1サブ溶接点141における溶接ワイヤ13に平行な幅は、0.5ミリメートル~1.2ミリメートルであり、第2サブ溶接点142における溶接ワイヤ13に垂直な長さは、0.05ミリメートル~0.5ミリメートルであり、第2サブ溶接点142における溶接ワイヤ13に平行な幅は、0.4ミリメートル~0.8ミリメートルである。
【0039】
具体的には、第1溶接点14は、第1サブ溶接点141と、第2サブ溶接点142とを含み、ここで、第1サブ溶接点141は、メイングリッド線12の両端のフォーク状箇所に位置することができ、すなわち、第1サブ溶接点141は、メイングリッド線12の対向する両側に設けることができ、第2サブ溶接点142は、第1サブ溶接点141の間に位置し、メイングリッド線12は直線であり、したがって第1サブ溶接点141の溶接が成功した場合、メイングリッド線12及び溶接ワイヤ13の位置も相対的に固定される。
【0040】
本願の実施例に提供される太陽電池セル1は、寸法範囲が200ミリメートル~220ミリメートルの電池セルに適用することができ、当該太陽電池セル1の長さ及び幅は同じであり、いずれも200ミリメートル~220ミリメートルの間にあり、本実施例は、210ミリメートルの電池セルであり、すなわち長さ及び幅はいずれも210ミリメートルである。一般的には、従来の210タイプの電池セルは、半分であることが多く、メイングリッド線12上に7つ以上の溶接点が設けられており、本出願の実施例において第2サブ溶接点142の数は、従来技術案に比べて3つ設けられるまで減少し、隣接する第2サブ溶接点142の間の間隔は、18.20ミリメートル~22.76ミリメートルであってもよく、第1サブ溶接点141における溶接ワイヤ13に垂直な長さは、0.5ミリメートル~0.8ミリメートルであり、具体的な第1サブ溶接点141の長さは、0.5ミリメートル、0.6ミリメートル、0.7ミリメートル、0.8ミリメートルであってもよく、第1サブ溶接点141における溶接ワイヤ13に平行な幅は、0.5ミリメートル~1.2ミリメートルであり、具体的な第1サブ溶接点141の幅は、0.5ミリメートル、0.6ミリメートル、0.7ミリメートル、0.8ミリメートル、0.9ミリメートル、1.0ミリメートル、1.1ミリメートルであってもよい。第1サブ溶接点141の長さと幅を一致させ、例えば第1サブ溶接点141の長さと第1サブ溶接点141の幅はいずれも0.5ミリメートルであることによって、溶接ワイヤ13と第1サブ溶接点141との接触面積を増加させ、太陽電池セル1と溶接ワイヤ13の良好な接触、及び溶接引張力の増加を図ることができるだけではなく、高精度に位置決めする直列溶接機を要求する必要もなく、当該プロセスを実現するには溶接ワイヤ13を太陽電池セル1に引き寄せて第1サブ溶接点141に対応する溶接ワイヤ13の箇所に押し潰し処理を行う必要がある。
第2サブ溶接点142における溶接ワイヤ13に垂直な長さは、0.05ミリメートル~0.5ミリメートルであり、具体的な第2サブ溶接点142の長さは、0.1ミリメートル、0.15ミリメートル、0.2ミリメートル、0.25ミリメートル、0.3ミリメートル、0.35ミリメートル、0.4ミリメートル、0.45ミリメートルであり、第2サブ溶接点142における溶接ワイヤ13に平行な幅は、0.4ミリメートル~0.8ミリメートルであり、具体的な第2サブ溶接点142の幅は、0.45ミリメートル、0.5ミリメートル、0.55ミリメートル、0.6ミリメートル、0.65ミリメートル、0.7ミリメートル、0.75ミリメートルであり、第2サブ溶接点142の数及び面積を調整することによって、第2サブ溶接点142の太陽電池基板11に対する遮蔽を低減することができ、それによって太陽電池基板11の吸収光線に対する第2サブ溶接点142の影響を低減することに有利であり、光起電力電池の作業効率を向上させることに有利であるとともに、第2サブ溶接点142の面積が減少し、消費された銀ペーストも対応して減少し、それによってコストを低減することに有利である。
【0041】
いくつかの好ましい実施例において、引き続き図4を参照し、溶接ワイヤ13の直径は、0.2mm~0.33mmである。
【0042】
具体的には、溶接ワイヤ13の直径は、0.2mm、0.22mm、0.24mm、0.26mm、0.28mm、0.3mm、0.32mm、0.33mmであってもよく、ここでは溶接ワイヤ13の直径を具体的に限定せず、0.20mm~0.33mmの間にあればよく、溶接ワイヤ13の直径が0.20mm~0.33mmの間にあることによって、太陽電池モジュールの電力をできるだけ大きくするとともに、太陽電池モジュールのコストをできるだけ低くすることができる。
【0043】
いくつかの好ましい実施例において、引き続き図1を参照し、メイングリッド線12の幅は、20ミクロン~50ミクロンであり、具体的には、メイングリッド線12の幅は、20ミクロン、30ミクロン、40ミクロン、50ミクロン等であってもよく、本実施例は、各メイングリッド線12の幅を減少させることによって、溶接ワイヤ13の直径を減少させ、したがって、溶接歩留まり及び必要な溶接引張力を保証すると同時に、必要な第2サブ溶接点142の数及び面積も相対的に減少し、それによって銀ペーストの消費量を減少させることができ、コストの低減に有利である。
【0044】
いくつかの好ましい実施例において、図5を参照し、図5は、本発明に提供される太陽電池モジュールの裏面の構造概略図であり、本実施例に提供される太陽電池基板11は、P型基板であり、裏面のメイングリッド線12上に第2溶接点15が分布し、第2溶接点15の数は、6~12個であり、第2溶接点15の長さは、1.5ミリメートルであり、第2溶接点15の幅は、2ミリメートル~3ミリメートルであり、或いは、
太陽電池基板11は、N型基板であり、裏面のメイングリッド線12上に第2溶接点15が分布し、第2溶接点15の数は、10~12個であり、第2溶接点15の長さは、0.5ミリメートル~0.8ミリメートルであり、第2溶接点15の幅は、0.5ミリメートル~1.2ミリメートルである。
【0045】
具体的には、太陽電池基板11は、P型基板であり、裏面のメイングリッド線12上に第2溶接点15が分布し、P型基板全体における第2溶接点15の数は、6~12であり、メイングリッド線12の両端の第2溶接点15を除外して、隣接する第2溶接点15の間の間隔は、18.20ミリメートル-45.50ミリメートルであり、例えば、22.75ミリメートル、30.33ミリメートルであってもよい。第2溶接点15の長さは、1.5ミリメートルであり、第2溶接点15の幅は、2ミリメートル~3ミリメートルであり、P型基板上の第2溶接点15の数及び面積を調整することによって、銀ペーストの消費量を低減することができるだけでなく、太陽電池セル1と溶接ワイヤ13とのより良好な接触に有利であり、溶接引張力を増加させる。
太陽電池基板11は、N型基板であり、裏面のメイングリッド線12上に第2溶接点15が分布し、N型基板全体における第2溶接点15の数は、10~12個であり、メイングリッド線12の両端の第2溶接点15を除き、隣接する第2溶接点15の間の間隔は、18.20ミリメートル~22.76ミリメートルであり、第2溶接点15の長さは、0.5ミリメートル~0.8ミリメートルであり、具体的には0.5ミリメートル、0.6ミリメートル、0.7ミリメートル、0.8ミリメートルであり、第2溶接点15の幅は、0.5ミリメートル~1.2ミリメートルであり、具体的には0.6ミリメートル、0.7ミリメートル、0.8ミリメートル、0.9ミリメートル、1.0ミリメートル、1.1ミリメートルであり、N型基板上の第2溶接点15の数及び面積を調整することによって、銀ペーストの消費量を低減することができるだけでなく、太陽電池シート1と溶接ワイヤ13とのより良好な接触に有利であり、溶接引張力を増加させる。
【0046】
いくつかの好ましい実施例において、引き続き図1及び図2を参照し、太陽電池基板11は、さらにメイングリッド線12と交差するサブグリッド線16を含み、サブグリッド線16は、メイングリッド線12に電気的に接続される。
太陽電池基板11に垂直な方向において、一部の第2サブ溶接点142の太陽電池基板11が所在する平面に位置する正投影は、サブグリッド線16の太陽電池基板11が所在する平面に位置する正投影と重ならない。
【0047】
具体的には、太陽電池基板11は、さらにメイングリッド線12と交差するサブグリッド線16を含み、サブグリッド線16は、メイングリッド線12と互いに垂直であってもよく、サブグリッド線16は、メイングリッド線12に電気的に接続され、サブグリッド線16は、太陽電池基板11により生成された電流を収集するために用いられ、メイングリッド線12は、サブグリッド線16の電流を収集するために用いられる。
太陽電池基板11に垂直な方向において、一部の第2サブ溶接点142の太陽電池基板11が所在する平面に位置する正投影は、サブグリッド線16の太陽電池基板11が所在する平面に位置する正投影と重ならず、すなわち、第2サブ溶接点142がメイングリッド線12に設けられ、大部分の第2サブ溶接点142がメイングリッド線12とサブグリッド線16との交差部に位置せず、少数の第2サブ溶接点142のみがメイングリッド線12とサブグリッド線16との交差部に設けられ、それによって溶接によるメイングリッド線12とサブグリッド線16との接続部にグリッド切れが発生することで、光起電力電池の正常な使用に影響を与えることを減少することができる。
【0048】
いくつかの好ましい実施例において、引き続き図1を参照し、メイングリッド線12の幅は、サブグリッド線16の幅と同じであり、メイングリッド線12の幅を低減することによって、銀ペーストの消費量の低減を実現し、モジュール変換効率を向上させる。
【0049】
いくつかの好ましい実施例において、引き続き図1を参照し、サブグリッド線16の幅は、20ミクロン~30ミクロンであり、サブグリッド線16の数は、135~150本であり、例えば、サブグリッド線16の数は、138本、141本、144本、147本などであってもよく、サブグリッド線16の数を低減することによって、銀ペースト消費量の低減及びグリッド線遮蔽の低減を実現することができる。
【0050】
いくつかの好ましい実施例において、図6を参照し、図6は、本願に提供される太陽電池モジュールの他の構造概略図であり、本実施例に提供される太陽電池モジュールは、さらに第1接着フィルム材料2及び第2接着フィルム材料3を含み、太陽電池セル1は、第1接着フィルム材料2と第2接着フィルム材料3との間に位置し、第1接着フィルム材料2及び/又は第2接着フィルム材料3の重量は、310グラム/平方メートル~430グラム/平方メートルであり、一般的に第1接着フィルム材料2及び第2接着フィルム材料3は、ガラスと太陽電池セル1を接着固定するために用いられ、溶接ワイヤ13の直径を小さくすることで、第1接着フィルム材料2及び第2接着フィルム材料3の坪量の低減に有利であり、太陽電池モジュールをパッケージするときに坪量がより低い第1接着フィルム材料2及び第2接着フィルム材料3を選択することができ、太陽電池モジュールの信頼性を保証する前提下で、さらに太陽電池モジュールのパッケージコストを低減するという目的を達成することができる。
【0051】
いくつかの好ましい実施例において、引き続き図1及び図4を参照し、第1溶接点14の形状は、矩形、菱形、円形、楕円形、三角形のうちの一つ又は複数の組み合わせであり、例えば三角形と矩形/菱形/円形/楕円形のいずれか一つの形状と組み合わせ、従来の溶接点が正方形構造である構造と比較して、これらの形状は、第1溶接点14の面積を低減することができ、このような設計は、基板に対する遮蔽を低減することができるだけでなく、銀ペーストの消費を低減し、コストを低減することができる。
【0052】
上記実施例から分かるように、本発明に提供される太陽電池モジュールは、少なくとも以下のような有益な効果を実現することができる。
本発明は、太陽電池モジュールのコストと電力のバランスを取ることができ、溶接ワイヤの直径を低減する方式でコストを低減し、これは溶接ワイヤの直径を低減した後に第1接着フィルム材料及び第2接着フィルム材料の坪量を低減することができるからであり、しかし、溶接ワイヤの直径を低減すると、電流伝送断面積の低下をもたらし、電力を低下させるため、さらにメイングリッド線の数及び溶接ワイヤの数を増加して電力を向上させる必要があるが、メイングリッド線の数が一定の数値を超えると、過剰に光線を遮蔽し、遮蔽による下げ幅が電流伝送の上げ幅よりも大きくなり、電力の低下をもたらす。したがって、溶接ワイヤの直径とメイングリッド線の数との間の関係を2.987x-1.144-1.9<y<3.2742x-1.134+1.7に設定し、メイングリッド線の数を両者の範囲内にすることによって、メイングリッド線の数を増加させ、太陽電池モジュールの電力をできるだけ大きくすることができ、光起電力電池パネルの変換効率を向上させることに有利であるだけでなく、電力を向上させると同時に接着フィルムの坪量をできるだけ低減し、コストを低減することができる。
【0053】
本発明のいくつかの特定の実施例を例によって詳細に説明したが、当業者であれば、以上の例は単に説明するためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。当業者であれば理解されるように、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、以上の実施例を変更することが可能である。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池モジュールであって、複数の太陽電池セルを含み、
前記太陽電池セルは、太陽電池基板と、前記太陽電池基板の一方側に位置するメイングリッド線とを含み、
前記太陽電池モジュールは、さらに溶接ワイヤを含み、前記溶接ワイヤは、一端が前記太陽電池セルの表面の前記メイングリッド線に接続され、他端が隣接する前記太陽電池セルの裏面の前記メイングリッド線に接続され、
前記メイングリッド線上には第1溶接点が分布し、前記第1溶接点の数は、6~12個であり、
前記溶接ワイヤの直径と前記メイングリッド線の数との間の関係は、2.987x-1.144-1.9<y<3.2742x-1.134+1.7であり、ただし、xは溶接ワイヤの直径であり、yはメイングリッド線の数であり、
前記太陽電池セルは、長さ及び幅が、いずれも200ミリメートル~220ミリメートルである、ことを特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項2】
前記第1溶接点は、第1サブ溶接点と、第2サブ溶接点とを含み、前記第1サブ溶接点は、前記メイングリッド線の端部に位置し、前記第2サブ溶接点は、前記第1サブ溶接点の間に位置し、
前記第1サブ溶接点における前記溶接ワイヤに垂直な長さは、0.5ミリメートル~0.8ミリメートルであり、前記第1サブ溶接点における前記溶接ワイヤに平行な幅は、0.5ミリメートル~1.2ミリメートルであり、前記第2サブ溶接点における前記溶接ワイヤに垂直な長さは、0.05ミリメートル~0.5ミリメートルであり、前記第2サブ溶接点における前記溶接ワイヤに平行な幅は、0.4ミリメートル~0.8ミリメートルである、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
前記溶接ワイヤの直径は、0.2mm~0.33mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
前記メイングリッド線の幅は、20ミクロン~50ミクロンである、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
前記太陽電池基板は、P型基板又はN型基板である、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
前記太陽電池基板は、P型基板であり、裏面の前記メイングリッド線上に第2溶接点が分布し、前記第2溶接点の数は、6~12個であり、前記第2溶接点の長さは、1.5ミリメートルであり、前記第2溶接点の幅は、2ミリメートル~3ミリメートルであり、或いは、
前記太陽電池基板は、N型基板であり、裏面の前記メイングリッド線上に第2溶接点が分布し、前記第2溶接点の数は、10~12個であり、前記第2溶接点の長さは、0.5ミリメートル~0.8ミリメートルであり、前記第2溶接点の幅は、0.5ミリメートル~1.2ミリメートルである、ことを特徴とする請求項5に記載の太陽電池モジュール。
【請求項7】
前記太陽電池基板には、さらに前記メイングリッド線と交差するサブグリッド線を含み、前記サブグリッド線は、前記メイングリッド線に電気的に接続され、
太陽電池基板に垂直な方向において、一部の前記第2サブ溶接点の前記太陽電池基板が所在する平面に位置する正投影は、前記サブグリッド線の前記太陽電池基板が所在する平面に位置する正投影と重ならない、ことを特徴とする請求項2に記載の太陽電池モジュール。
【請求項8】
前記メイングリッド線の幅は、前記サブグリッド線の幅と同じである、ことを特徴とする請求項7に記載の太陽電池モジュール。
【請求項9】
前記サブグリッド線の幅は、20ミクロン~30ミクロンであり、
前記サブグリッド線の数は、135~150本である、ことを特徴とする請求項7に記載の太陽電池モジュール。
【請求項10】
前記太陽電池モジュールは、さらに第1接着フィルム材料及び第2接着フィルム材料を含み、前記太陽電池セルは、第1接着フィルム材料と第2接着フィルム材料との間に位置し、前記第1接着フィルム材料及び/又は第2接着フィルム材料の重量は、310グラム/平方メートル~430グラム/平方メートルである、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項11】
前記第1溶接点の形状は、矩形、菱形、円形、楕円形、三角形のうちの一つ又は複数の組み合わせである、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。