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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103213
(43)【公開日】2023-07-26
(54)【発明の名称】美容処理プロセス
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/26 20060101AFI20230719BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20230719BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20230719BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20230719BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20230719BHJP
   A61H 9/00 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
A61K8/26
A61Q5/02
A61Q19/10
A61K8/25
A61K8/19
A61H9/00
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023061605
(22)【出願日】2023-04-05
(62)【分割の表示】P 2021518192の分割
【原出願日】2019-10-01
(31)【優先権主張番号】1859106
(32)【優先日】2018-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】アンリ・サマン
(72)【発明者】
【氏名】フランク・ジロン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-リュック・ロビノー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】皮膚または毛髪に効率的な研磨処理を行うこと、毛髪の状態に過度にダメージを与えないこと、速く、手を使用せず、小さい表面領域と大きい表面領域の両方に適用可能であること、および刺激性の化学物質を使用する必要がないことなどに関する問題を解消できる美容処理プロセスを提供すること。
【解決手段】本発明は、皮膚または毛髪の表面に研磨および/または刺激動作を受けさせるためのプロセスであって、ベクトル液体と固体粒子とを含む少なくとも1つの組成物の流れを表面に投射することを含み、この流れが分配デバイス10の少なくとも2つのノズル13によって生成された少なくとも2つの噴流の衝突から生成され、ノズルがそれらの噴流が互いにぶつかるように方向づけられ、少なくとも1つのノズル13が少なくとも4barの圧力および10L/min以下のベクトル液体の流量を供給される、プロセス。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚または毛髪の表面に研磨および/または刺激動作を受けさせるためのプロセスであって、ベクトル液体と固体粒子とを含む少なくとも1つの組成物の流れを前記表面に投射することを含み、前記ベクトル液体は水または水性組成物であり、かつ前記固体粒子は水に溶けることができ、前記流れが分配デバイス(10)の少なくとも2つのノズル(13)によって生成された少なくとも2つの噴流の衝突から生成され、前記ノズルは、それら噴流が互いにぶつかるように方向づけられ、
前記ノズル(13)の各々は、少なくとも4barの圧力でベクトル液体を供給され、かつ前記ノズル(13)によって放出される前記ベクトル液体の流量は、10L/min以下であり、
前記分配デバイス(10)が、外側に開いておりかつ外側に向かって拡大する空洞(89)を有するハンドピース(11)を備え、前記空洞(89)内で前記ノズル(13)によって発せられた前記噴流が互いにぶつかる、プロセス。
【請求項2】
前記ベクトル液体が水を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記流量が0.4L/min~4L/minであり、かつ/または前記圧力が6bar以上である、請求項1または2のいずれかに記載のプロセス。
【請求項4】
前記ノズル(13)が、互いに対して30~120°の角度で方向づけられる、請求項1から3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記固体粒子が、前記ノズル(13)の上流の前記組成物中に、前記組成物の総重量に対して0.5%以上の重量濃度で存在し、かつ/または前記固体粒子が、モース硬度計で3以上の硬度を有し、かつ/または前記固体粒子が、アルミナ、シリカ、アルミノケイ酸塩、もしくは炭酸塩の粉末、またはシリカ、アルミナ、もしくはアルミノケイ酸塩で被覆された材料の粉末、およびそれらの混合から選ばれる、請求項1から4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記表面に衝突する瞬間の前記固体粒子の粒子速度が、8m/s以上であり、かつ/または前記固体粒子の粒子サイズが0.1~500ミクロンであり、かつ/または前記固体粒子は1g/cm3未満の密度を有している、請求項1から5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記表面が前記毛髪の表面および/または皮膚表面である、請求項1から6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記組成物を投射するために使用されるデバイスと同じデバイスを用いて、前記固体粒子のない水、および/または前記固体粒子を溶かすことができる界面活性剤もしくは化合物が入った水を投射することによって、前記表面をすすぐことを含むステップを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記固体粒子は貯蔵器内の機械的攪拌によって浮遊し、かつ前記固体粒子は放置されて沈殿し、
散布される前記流れの中に存在する前記固体粒子の性質および/または濃度が前記貯蔵器内で前記沈殿が起こることにより変化可能となるように、沈殿中に、前記組成物がこの貯蔵器から吸引される、請求項1から8のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
異なる密度の少なくとも2つの粉末が、前記貯蔵器内で混合される、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
前記固体粒子が水に溶け、かつ貯蔵器(24)であって、前記貯蔵器(24)内では前記固体粒子が溶けない液体の中で前記固体粒子が浮遊状態となる、貯蔵器(24)から取られ、かつ/または前記固体粒子が、互いに反応して固体粒子を形成する2つの化合物を合わせることによって、使用時に生成される、請求項1から10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
皮膚または毛髪を処理するためのデバイス(10)であって、
- ベクトル液体と、前記ベクトル液体によって同伴される固体粒子とを含む液体化粧品の組成物を分配するためのデバイスであって、前記デバイスは、少なくとも2つのノズル(13)を備えており、少なくとも2つの前記ノズル(13)は、少なくとも2つの前記ノズル(13)の噴流が互いにぶつかって、前記皮膚または毛髪に分配される流れを生成するように方向づけられており、前記ノズル(13)の各々は、少なくとも4barの圧力で前記ベクトル液体を供給され、かつ前記ノズル(13)によって放出される前記ベクトル液体の流量は、10L/min以下であり、前記デバイス(10)は、外側に開いておりかつ外側に向かって拡大する空洞(89)を有するハンドピース(11)を備え、前記空洞(89)内で前記ノズル(13)によって発せられた前記噴流が互いにぶつかる、デバイスと、
- 前記組成物または前記ベクトル液体と混合される前記固体粒子を含む貯蔵器(16、24)、または少なくとも1つの他の化合物と反応することによって前記固体粒子を生成することができる化合物を含む少なくとも1つの貯蔵器(30、31)と
を備える、デバイス。
【請求項13】
少なくとも1つの前記ノズル(13)に結合されたポンプ(14)を備え、かつ/または前記貯蔵器内で前記固体粒子を浮遊させるための攪拌器(22)を備える、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
2つのノズル(13)であって、2つの前記ノズル(13)の噴流が互いにぶつかり、前記ノズルの軸(X1, X2)はそれらの間の角度が60°~120°となるように方向づけられた2つのノズル(13)を備える、請求項12および13のいずれかに記載のデバイス。
【請求項15】
互いに反応する化合物を含む2つの貯蔵器(30、31)と、これらの化合物が前記ベクトル液体と混合し、反応することを可能にし、前記化合物の反応が固体粒子を作り出すようにこれらの化合物を噴射するためのシステム(26、27)とを備える、請求項12から14のいずれか一項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚または毛髪処理プロセスおよびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの状況では、皮膚または毛髪に研磨動作(abrasive action)を行うことが望ましい。
【0003】
頭皮に関しては、たとえば、
死んだまたは頭皮に付着していない皮膚片を、柔らかくする目的で、またはそれらがふけの形態で衣服の上に落ちるのを防ぐために取り除くこと、
頭皮の反応、すなわち、それが活力の感覚を与えるので、多くの人々に好まれる現象をもたらすこと
が望ましい。
【0004】
毛髪に関しては、たとえば、
毛髪、特に傷んだ毛髪の長さに柔らかさを取り戻すために、それの表面を研磨する(abrade)こと、
処理性能レベルを高めるために、研磨によって地毛の(および化学的に処理されていない)表面の感度を高めることが望ましい。
【0005】
現時点で使用されている方法は、以下の4つの手法に当てはまる。
a) 皮膚または毛髪の成分を柔らかくすることができる、ヒドロキシ酸などの酸を用いる化学的手段、
b) 回転するように作られ、研磨の機械的効果をもたらす粒子を用いる、「スクラブ」方法と呼ばれる機械的手段、
c) 細胞を破壊し、皮膚の剥脱を加速させることができる、たとえばUV放射を用いる生物学的手段、
d) 皮膚の反応をもたらすことができる、微生物叢の調節を用いる微生物学的手段。
【0006】
化学的な方法は、一定の個人では有害反応につながる可能性があるので限定され、その結果は、個人によって等しくない。したがって、制御が難しい。
【0007】
機械的手段もまた、以下のように限定される。
1) 毛髪に研磨粉末を塗布するステップがすでに簡単なことではない上に、粉末の研磨特性を利用するために必要とされる機械的動作は、行うのがさらに一層困難である。毛髪を互いにこすり合わせる必要があり、これは動作をまず長くし、特に不規則にする。論理的に、頭髪の一部の部分は過度にこすられ、他の部分は十分にこすられない。いくつかの場合では、電子顕微鏡下の検査により、毛髪が繊維に沿ったかき傷によって痛んでいることが観察され、これは、研磨が望ましい効果を生み出していないというしるしである。
【0008】
このように効果の制御を欠くことは、プロセスが少しずつ行われる場合、確かに改善されることがある。しかしながら、効果を制御するには、使用者は、結果を評価する前に毛髪をすすがなければならない。すすぐ前は研磨剤の存在によって損なわれるので、上記使用者は、毛髪の質を見定めることができないからである。この手順はしたがって非常に長く、商業的利用に適合しにくい。
【0009】
2) 皮膚の場合、研磨粉末の塗布は、特に増粘組成物によってかなり容易である。プロセスは、たとえば手を使用してまたは物を用いて皮膚に組成物をこすりつけることを必要とする。いくつかの欠点が認められ、研磨粉末組成物が塗布されると、こすることが進むにつれて、粉末を移動させる傾向がある。研磨の感触は、使用者に粉末が対象領域に残っているか否かを知らせるが、感触は急速に失われ、処理を適切に制御することを難しくする。したがって、使用者は、どの領域が処理され、どの領域が処理されていないかがこれ以上明確にわからない。問題は、処理を行う人(たとえば、美容師)が処理を受ける人ではないとき悪化する。その場合、上記美容師が個人にどのように感じるかを尋ねる必要がある。別の欠点は、増粘組成物の塗布は、こすることと同様に、時間がかかるので、大きい表面領域を処理することは骨が折れることである。別の問題は、たとえば背中など、いくつかの領域を処理することの難しさと関係している。それはさらに多くの時間および注意を要するからである。したがって、代わりにスクラブ方法は、特ににきびの治療または予防のための、たとえば顔などの小さい領域に限定される。研磨組成物の増粘化は、それの塗布を可能にするために必要とされ、さもなければ組成物は流れ落ち、処理される皮膚の領域に残らない。使用される組成物は、シャワーを浴びながらそれらを使用することが推奨されるという意味で、しばしば「シャワースクラブ」と呼ばれるが、組成物が、死んだ皮膚の剥脱処理効果および除去を改善することができる界面活性剤を含んでいるからでもある。
【0010】
特許文献1は、毛髪研磨プロセスを説明している。
【0011】
特許文献2は、研磨粒子がベクトル流体(vector fluid)によって頭髪に投射される、毛髪を処理するためのプロセスを開示している。この出願で挙げられる例では、このベクトル流体は気体である。これは、騒音およびちりの発生の問題を引き起こす可能性があり、これは、個人および個人の環境の快適さに有害であり、粒子が気道と接触するのを防ぐための閉じ込めチャンバ(confinement chamber)および吸引システムの設置を必要とすることがある。
【0012】
3) 研磨粉末手段もまた、毛髪処理の場合と皮膚処理の場合の両方に、粒子サイズの問題を引き起こす。粒子が大きい粒子サイズ(100μm以上)を有する場合、こすることは非常に容易であるが、粒子は研磨というよりむしろ回転する。はるかに細かい粒子(1μm~10μm)が選ばれる場合、こすることは困難になり、位置効果(placing effect)を生み出す。組成物の増粘化は、動きを生み出す助けとなるための積極的な役割を果たすが、粒子の付着に役立たない潤滑効果をもたらし、したがって研磨性能レベルを制限するので、負の役割もまた果たす。
【0013】
生物学的および微生物学的手段は、化学的手段と同様に、潜在的な皮膚反応の問題を引き起こす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】仏国特許出願第2 931 665号明細書
【特許文献2】仏国特許出願第2 931 644号明細書
【特許文献3】欧州特許第1 954 893 B1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、現時点では、特に、
a) 皮膚または毛髪に効率的な研磨処理を行うこと、
b) 毛髪の状態に過度にダメージを与えることがなく、特に、毛髪に沿ったかき傷を作らないこと、
c) 実践的に、また特に、
a. 速く、
b. 手を使用する必要がなく、またはこすらずに、
c. 小さい表面領域と大きい表面領域の両方に適用可能であること、
d) 酸または界面活性剤などの潜在的に刺激性の化学物質を使用する必要がないこと
について、完全に十分に解決されたというわけではない問題が依然としてある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、上述の問題の全部または一部に応えることを目指し、皮膚または毛髪の表面に研磨および/または刺激動作を受けさせるためのプロセスによってこれを達成し、このプロセスは、ベクトル液体と固体粒子とを含む少なくとも1つの組成物の流れを上記表面に投射するステップを含み、この流れは、分配デバイスの少なくとも1つのノズルに少なくとも4barの圧力および10L/min以下の流量でベクトル液体を供給することによって生成される。
【0017】
圧力下で、低流量の、粉末状化合物を含んでいる組成物の流れを使用すると、上記で説明した欠点なしに、毛髪および/または皮膚に研磨効果を得ることが可能になる。
【0018】
特に、
1) 塗布は迅速かつ実践的である、
2) 塗布は、毛髪または皮膚をこする必要がない。
3) 塗布は、大きい表面領域に適用可能であり、したがって、1分足らずで体全体を、または30秒足らずで頭髪全体を処理することが可能である。
【0019】
さらに、本発明は、ちりおよび騒音の生成を制限することを可能にする。そうすることで、本発明は、処理コースまたはより軽度の、繰返し塗布の形態での使用を可能にする。
【0020】
本発明は、刺激効果を生じること、表面から(ふけもしくは剥離(flaking)の縁部などの)断片を除去すること、または表面高感度化をもたらすことが望ましいかに応じて、非常に大きいサイズ(300μm以上)の粒子、大きいサイズ(50μm~300μm)の粒子、また小さいサイズ(10μm以下)の粒子を有する研磨粉末使用することを可能にする。
【0021】
塗布の可能性は、特に、
フレーキングの縁部を取り除き、艶を改善するために、傷んだ毛髪を処理すること、
それの表面の感度を高めるために地毛を処理すること、
再びグリースを塗ること、およびふけを制限するために、脂で汚れた毛髪および頭皮を処理すること、
マッサージおよびリラックスするために、皮膚および/または頭皮を刺激すること、
全体的に(体全体にわたって)死んだ皮膚を取り除くために、または特定の領域、たとえば皮膚が厚い領域を処理するために皮膚を処理すること、
にきびができやすい皮膚の健康な領域を美容処理することである。
【0022】
さらに、本発明を体に使用できることが観察される。本発明は、したがって、背中、首の後ろ、脚の後面、および柔軟ではない人の場合は、足もしくは腋の下など、手が届きにくい領域を処理するのに特に有利である。
【0023】
摩擦を用いることは必要とされない。しかしながら、動作の効果および影響を強めるために、処理の前、間、または後にマッサージを行うことが可能である。
【0024】
好ましくは、本発明は、ベクトル液体として水または水性組成物を使用する。したがって組成物は、好ましくは水を含み、特に大部分は(重量によって)水から構成される。組成物は、水と、固体粒子とを含んでもよく、または変形態として、いくつかの添加物、特に少なくとも1つのケア活性薬剤または洗浄剤を補われた水と、固形粒子とを含んでもよい。
【0025】
好ましくは流量は、0.4L/min~4L/min、さらに良好には1~4L/minである。デバイスによって放出される、0.4L/min以上の組成物の流れが、組成物を毛髪によく浸透させる。流量が0.4L/min未満である場合、組成物の浸透は不十分である可能性があり、ベクトル流体、好ましくは水は頭髪上で流れるとともに、粒子の蓄積が表面にできる。その場合この蓄積は、移動させにくい。10L/minの流量を上回ると、欠点が再び現れ、ベクトル流体は頭髪を膨らませ、粒子の衝突に支障を来す蓄積を作り出し、液滴の速度および効果を減じる。さらに、大量の液体が流れ、無駄になる。
【0026】
組成物は、好ましくは6bar以上、優先的には8barを上回る圧力下で放出される。圧力は、ノズルの上流で測定される。
【0027】
圧力は、好ましくは6~20bar、さらに一層良好には8~20barである。オリフィスは、たとえば円形断面および/または0.1~2mmの直径を有し、研磨粒子を通過させるのに十分な断面を有する。
【0028】
液滴速度は、研磨または刺激効果に寄与する。4barを超える圧力、および少なくとも8m/s、好ましくは15m/sを上回る液滴速度の場合、最良の研磨結果が得られる。そのような液滴速度は、望ましい研磨効果を速く生み出すことを可能にする。液滴速度は、優先的には50m/s未満にとどまる。圧力が6~20bar、流量が1~4L/min、固体粒子の重量濃度が繰返し処理では0.5%~5%、単一処理では5%~25%あたりで、特に良い結果が得られる。「繰返し」処理という用語は、処理の頻度が1カ月に1回以上であることを意味すると理解されたい。「単一」処理という用語自体は、1カ月に1回以下である。
【0029】
流れは、好ましくは、少なくとも2つの噴流、特に互いに対して30~120°、好ましくは約90°の角度で方向づけられたノズルによって生成された2つの噴流の衝突から生成される。噴流の衝突は、この運動エネルギーを液滴サイズの縮小に変えることを可能にするが、同時に高い噴流速度を確保する。これは、濡れるが同時に水消費量が少ない、結果として生じる流れをもたらし、これは流れに注目に値する粒子濃度およびこの濃度を制御できることを可能にするので、水消費量が少ないことは有利である。このようにして、製品損失もまた減少する。
【0030】
固体粒子は、好ましくは、ノズルの上流の組成物中に、組成物の総重量に対して0.5%以上、さらに良好には0.5%~25%の重量濃度で存在する。
【0031】
好ましくは、粒子は、モース硬度計で3以上の硬度を有する。粒子は、特にアルミナ(Mohs=8)、シリカ(Mohs=7)、アルミノケイ酸塩(Mohs=7)、カーボネート(Mohs=3)、またはシリカ、アルミナ、もしくはアルミノケイ酸塩およびそれらの混合で被覆された材料の粉末から選ぶことができる。
【0032】
処理される表面に衝突する瞬間の粒子速度は、8m/s以上、好ましくは15m/sを上回ることがある。この表面は、毛髪の表面であることがあり、その場合処理は、たとえば、剥離物の縁部を取り除き、毛髪の艶を改善すること、毛髪の表面の感度を高めること、および/または毛髪からグリースを除去することを目指す。
【0033】
この表面は、皮膚表面、特に頭皮表面である場合もあり、処理は特に、ふけを剥脱させるもしくは取り除くこと、マッサージもしくはリラックスのために、皮膚、特に頭皮を刺激すること、および/またはにきびができやすい健康な皮膚を処理することを目指す。
【0034】
粒子サイズは、0.1~500ミクロン、特に毛髪の処理の場合、特に傷んだ毛髪を柔らかくする場合、0.1~50ミクロン、頭皮の処理の場合、特にふけの問題を軽減する場合もしくは頭皮を活性化する場合、10ミクロン~300ミクロンであってもよい。毛髪および頭皮を処理することが望ましい場合には、粒子サイズを混合することができ、あるいは10~100ミクロンの粒子を選ぶことができる。
【0035】
プロセスは、組成物を投射するために使用されるデバイスと同じデバイスを用いて、上記固体粒子のない水、および/または粒子を溶かすことができる界面活性剤もしくは化合物が入った水を投射することによって、上記表面をすすぐことにあるステップを含むことができる。
【0036】
例示的な一実施形態では、固体粒子は、貯蔵器内の機械的攪拌によって浮遊し、固体粒子は放置されて沈殿し、沈殿中に、組成物はこの貯蔵器から吸引され、貯蔵器内で沈殿が起こることにより、散布される流れの中に存在する粒子の性質および/または濃度を、分配中に時間とともに変化させるようにする。たとえば、時間とともに減少する大きい粒子の濃度を有する組成物の分配をこのようにして得ることが可能である。貯蔵器から組成物を取ることは、底部に蓄積する粒子を取らないように、底部から一定の距離で行うことができる。貯蔵器の容積は、処理のために必要な組成物の量を放出することを可能にする一方で、同時に貯蔵器の底部では、取られない、「デッド」ボリュームに粒子のこの蓄積を可能にする、十分に大きいものとすることができる。
【0037】
また、混合および機械的攪拌によって、異なる速度で沈殿する異なる密度を有する粒子の浮遊を作り出し、それによって処理中に、分配される組成物の配合が変わる、特に、あるカテゴリーの粒子の、別の、異なる密度の粒子に対する重量分率が変わることを可能にすることが想定され得る。
【0038】
処理される表面は、処理の開始前は、乾いていてもよい。プロセスは、優先的に乾いた毛髪に行われるが、濡れた毛髪に行われることもある。プロセスは、優先的に乾いた皮膚に行われるが、濡れた皮膚に行われることもある。
【0039】
本発明の主題はまた、皮膚または毛髪の表面に研磨および/または刺激動作を受けさせるために、特に上記で定義した本発明によるプロセスを行うために、皮膚または毛髪の表面を処理するためのデバイスであって、
- ベクトル液体と、この液体によって同伴される固体粒子とを含む液体化粧品組成物を分配するためのデバイスであって、10L/min以下の流量で組成物の流れを放出するために少なくとも4barの圧力でベクトル液体を供給される少なくとも1つのノズルを備える、デバイスと、
- 上記組成物またはベクトル液体と混合される固体粒子を含む貯蔵器、または少なくとも1つの他の化合物と反応することによって上記固体粒子を生成することができる化合物を含む少なくとも1つの貯蔵器と
を備えるデバイスである。
【0040】
デバイスは、有利には、上記少なくとも1つのノズルに結合されたポンプを備える。このポンプは、たとえば流水によって、または組成物を含んでいる貯蔵器によって供給されることがある。このポンプは、遠心ポンプであってもよい。
【0041】
好ましくは、分配デバイスは、それらの噴流が互いにぶつかるように方向づけられた2つのノズルを備えているので、ノズルの軸は、好ましくはそれらの間の角度が60°~120°、特に約90°となる。
【0042】
デバイスは、上記粒子を浮遊させるための攪拌器を備えてもよい。特に、デバイスは、分配される組成物を吸引によってこの貯蔵器から取り出すように構成されてもよく、吸引は、貯蔵器の底部からある距離を置いて行われる。
【0043】
デバイスは、互いに反応する化合物を含む2つの貯蔵器と、これらの化合物がベクトル液体と混合し、反応することを可能にし、化合物の反応が固体粒子を作り出すようにこれらの化合物を注入するためのシステムとを備えることができる。
【0044】
本発明の特定の一実施形態では、デバイスは、圧力下で固体粒子とともに、さらに自動的にまたは使用者がトリガすることによって、水を送るように構成される。
粉末なしの水
または
界面活性剤など、粉末の材料を取り除くことができる成分が入った水。
【0045】
デバイスは、したがって、処理の様々な段階で放出されるように意図されている異なる化合物を含んでいるいくつかの貯蔵器、たとえば、研磨粉末の貯蔵器および洗浄剤の少なくとも1つの貯蔵器を備えることができる。
【0046】
粉末を溶かすことができる活性薬剤を含む組成物を塗布することも可能である。したがって、炭酸塩から構成される粉末の場合、粉末の溶解を可能にする酸を含む組成物を塗布することができる。すすぎが処理の終わりとなることができる。この場合、デバイスは、研磨粉末の貯蔵器と、この粉末を溶かすための薬剤、特に酸性溶液の少なくとも1つの貯蔵器とを備えることができる。
【0047】
粒子
本発明による固体粒子は、水に溶けない粉末材料(シリカ、アルミナ、カーバイドなど)から構成されることがあり、または非常に低い水溶性を有する(炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなど)、または水に溶ける(NaCl、KClなど)。後者の可能性は、最後の除去を助けるために特に有利である。
【0048】
本発明では、「水に溶けない」は、25℃および大気圧の水における自発pH(spontaneous pH)での溶解度が0.1%未満である化合物を意味するよう意図されている。
【0049】
本発明では、「水に溶ける」は、25℃および大気圧の水における自発pHでの溶解度が1%よりも大きい、すなわち、この濃度で巨視的に均質、透明、および等方性の媒質を形成する化合物を意味するよう意図されている。
【0050】
固体粒子は、NaClまたは別の鉱物塩の粒であってもよく、これらは水の流れに注入する間に一部は溶け、粒子の形態で毛髪に到達し、これらの粒子がしたがって水とともに取り除かれる可能性がある。
【0051】
粒子は、好ましくは研磨固体粒子である。「研磨固体粒子」という用語は、毛髪の硬度以上の硬度を有する粒子を意味すると理解されたい。たとえば、研磨固体粒子は、モース硬度計で3以上、さらには4以上、たとえばモース硬度計で5以上の硬度を有することがある。
【0052】
固体粒子は、特に鉱物もしくは植物由来の天然材料、または合成材料から選ぶことができる。研磨固体粒子は、たとえば、以下の材料から選ぶことができるが、このリストは限定的ではない。
- 立方晶の窒化ホウ素(ボラゾン(登録商標))、アルミノケイ酸塩、ジルコン、エメリーなどの混合酸化アルミニウム、酸化亜鉛、アルミナもしくはコランダムなどの酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化チタン被覆雲母、炭化物、特に炭化ケイ素(カーボランダム)、または他の金属酸化物、金属、および鉄ショット、鋼鉄ショット、特にパーライトなどの金属合金、ガラス、石英、もしくは砂などのケイ酸塩、炭酸カルシウム(たとえば、ボラボラの砂もしくはピンク大理石)または炭酸マグネシウム、軽石、非晶質シリカ、ダイヤモンド、セラミックスなどの無機および/または金属粒子、
- 果実の核、特にアプリコット、たとえばScrubami(登録商標)アプリコットの核、木材セルロース、たとえば竹材粉末(ground bamboo cane)、ココナッツ殻、たとえばココナッツエクスフォリエーター、ポリアミド、特にナイロン6などの有機粒子、
- 有機化合物と無機化合物を組み合わせた混合粒子、および上記で説明した化合物で被覆された粒子。
【0053】
固体粒子は、扁平形状、球形状、細長い形状、多面形状、または不規則形状をしていることがある。固体粒子は、たとえば軽石粉末、ダイヤモンド粉末、果核粉末、ココナッツ殻粉末の粒から、マイクロビーズ、たとえばアルミナ、ガラス、ポリアミド、特にナイロン6のマイクロビーズから、または繊維、特にポリアミド繊維、広葉樹セルソース繊維から作り出されることがある。
【0054】
特に有利な変形態は、1g/cm未満の密度を有する粒子を使用し、好ましくはセルロースエアロゲルおよび粉末から選ばれることにある。水の密度よりも低い密度のこれらの粒子は、毛髪を水と接触させることによって、処理の終わりに容易に採取することができる。その場合、毛髪を大量の水に浸し、次いで毛髪を動かし、それの密度が低いために浮き始めた粉末を採取すれば十分である。
【0055】
以下の実施形態が推奨される。
a) 粉末は、ポンプを供給する働きをする、または注入貯蔵器として働く貯蔵器に、使用時に投入される、
b) あるいは、粉末は、それが溶けない溶媒(たとえば、NaCl塩から構成される粉末ではエタノール)に入れられる。デバイスはその場合、この流体を水の流れに注入するために使用される。粒子は水と混合するが、同時に粒子は溶ける時間がないということによって、それらの粒子形状を保つ。
【0056】
粉末は、2つの化合物、たとえば炭酸アンモニウムと塩化カルシウムの反応または相互作用によって、その場で形成することもできる。これらの2つの化合物は、水の流れの中で互いに作用し合い、炭酸カルシウム粉末を速やかに形成する。
【0057】
使用される粉末は、様々なサイズを有することができる。たとえば、1μmと50μmなど、2つのサイズ集団(size population)を有する粉末が、表面の細かい研磨の効果を得るために、および分離のプロセスで上記表面から断片を除去するために使用される。上述の沈殿プロセスは、最初に最も大きい粒子を送り、次いで最も細かい粒子を送った後に、水を送るために行うことができる。また沈殿によって、最初に高密度の粉末(したがって最も研磨力がある)を送り、次いで低密度の粉末(より柔らかい)を送り、次いで水を送ることも可能である。低密度の粉末は、たとえば炭酸カルシウムであり、高密度の粉末は、粘土粉末である。
【0058】
流れの中に存在する粒子の特性を変化させるために、同一の貯蔵器に、ΔD=絶対値[(密度1-密度2)/(1/2×(密度1+密度2))]ような、すなわち15%よりも大きい、好ましくは25%よりも大きい、少なくとも1つの要素の密度差ΔDを有する、異なる密度の粒子を混合し、沈殿のプロセスで混合物を放出することが可能である。異なる密度の粒子は、たとえば、少なくとも2倍、さらに良好には少なくとも5倍、さらに一層良好には少なくとも10倍異なるサイズを有する。異なる密度の粒子は、モース硬度計で少なくとも1単位だけ異なる硬度を有することがある。所与の密度の粒子の濃度は、たとえば、別の密度の粒子の1~10倍の濃度に等しい。
【0059】
処理製品の塗布
本発明によるプロセスは、たとえば研磨処理の前または後に、別の処理製品を毛髪に塗布することにあるステップを含んでもよい。処理製品は、たとえば、化粧製品、特にコンディショナー、パーマネントウェーブ形成製品、リラクシング製品、または毛髪を染色もしくは脱色するための製品であってもよい。
【0060】
処理製品は、たとえば、以下の製品から選ばれてもよいが、このリストは限定的ではない。
- 毛髪の機械的特性を変更するための製品であって、特にチオグリコール酸およびそれの誘導体、システイン、亜硫酸塩、水酸化ナトリウム、炭酸グアニジン、トリヒドロキシメチルホスフィン(trihydroxymethylphosphine)などの還元剤、またはHもしくは過硫酸塩などの酸化剤を含む製品、
- たとえば溶媒、グリコール、可塑剤、または陽イオン、陰イオン、もしくは両性界面活性剤を含む、軟化または浸透製品、
- 毛髪の表面特性を変更する製品であって、特にシリコーン、反応性アミノシリコーン、接着性ポリマー、植物油、鉱油、合成油、およびワックス、特に脂肪族アルコールまたは脂肪酸エステルから選ばれた脂肪物質を含む非シリコーン潤滑剤を含む製品。
- たとえばイオネン、タンパク質、ヒドロキシ酸、または反応性化合物、特にホルムアルデヒド発生物質(formaldehyde generator)、シランを含む、毛髪の内部を再構成するための製品、
- 直接染料または酸化染料。
【0061】
処理製品は、研磨の前に塗布されてもよく、過度の研磨を避けるために、研磨中に毛髪を保護することに寄与してもよい。
【0062】
処理製品は、毛髪に被膜を形成することができる。研磨は、この被膜の全部または一部を取り除くことができ、被膜は毛髪上で滑らかにされる。被膜を形成する材料は、たとえば研磨の後に、毛髪の凹凸の凹所に残っていることがある。
【0063】
処理製品は、好ましくは研磨の後に塗布される。
【0064】
研磨の前に第1の処理製品、特に還元製品(reducing product)を塗布し、毛髪の手触りまたは感触を長持ちする方法で変更する目的で、研磨の後に第2の処理製品、特に酸化製品を塗布することが可能である。
【0065】
本発明は、その限定されない例示的な実施形態の以下の詳細な説明を読むことにより、また添付図面を調べることにより、より明確に理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1】本発明によるデバイスの一例の部分概略図である。
図2】実装変形態の図1と同様の図である。
図3】実装変形態の図1と同様の図である。
図4】ハンドピース内のノズルの配置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
本発明により、固体粒子を含む組成物を、処理される表面に放出するための、低流量シャワーヘッドとも呼ばれるハンドピース11を備える、本発明による処理デバイス10が、図1に表されている。固体粒子は、たとえば、モース硬度計で3以上の硬度を有する粒子、たとえばアルミナ粉末、シリカ粉末、アルミノケイ酸塩粉末、または炭酸塩粉末であり、またはシリカ、アルミナ、もしくはアルミノケイ酸塩などの硬質材料で覆われた任意の他の物質である。
【0068】
好ましくはハンドピース11は、図示のように、各々が圧力下でそれぞれの噴流を放出する少なくとも2つのノズル13を有する分配ヘッド12を備える。
【0069】
ノズル13のX軸およびX軸は、それらの噴流が衝突し、それによって液滴のサイズを縮小することを可能にするように向きを定められる。ノズル13は、滴が小サイズ、および好ましくは8m/sを超える、好ましくは15m/sを超える速度になることを可能にする。ハンドピースを動かないように保ちながら発せられた流れによって処理される表面は、たとえば10~100cmに及ぶ。
【0070】
ノズルのそのような配置については、Creaholic S.A.社による特許文献3に説明されており、再現することができる。X軸とX軸との間の角度は、たとえば、約90°である。
【0071】
ハンドピース11は、外側に開いた空洞89を有することができ、空洞内で、ノズル13によって発せられた噴流は、図4に示すように互いにぶつかる。この空洞89は、外側に向かって拡大し、それの開口の近くでそれをさらに広くする凹部91を備えることができる。空洞89は、噴流が上記の空洞の軸で衝突した後に生成された流れを、外側に向かって誘導することに関与することができる。
【0072】
空洞89の開口で、それの軸において測定された滴の速度は、8m/s以上であることがある。
【0073】
デバイス10は、この例では、貯蔵器16からの組成物の供給で動作する。
【0074】
デバイス10は、ノズル13の上流の圧力を4bar以上の値に上昇させるためのポンプ14を備えることができる。ポンプ14は、たとえば遠心ポンプである。変形態では、組成物は、たとえば貯蔵器16とハンドピース11との間の十分なレベル変化を使用するなど、他の手段によって加圧される。
【0075】
たとえばマイクロコントローラを備える電子制御システム19が、デバイス10の様々な構成要素の動作を制御するために、特に、排出口で、固体粒子の望ましい濃度および望ましい流量特性を得るために設けられてもよい。
【0076】
制御システム19は、適切な場合は、様々な動作パラメータを調整することを可能にするマンマシンインターフェース20を備えることができる。
【0077】
デバイス10は、図示のように、たとえば流水網Rからの給水を開くまたは閉じることを可能にする少なくとも1つの電磁弁21を備えることができる。
【0078】
分配される水の流れは、考慮中の例では、10L/min未満の流量、優先的には0.4L/min~4L/minの流量を有する。固体粒子は、好ましくは、1%以上、優先的には4%~30%の重量濃度で水中に存在する。
【0079】
貯蔵器は、攪拌器22を備えてもよく、場合によっては攪拌器22は、たとえば、処理中に固体粒子の濃度を沈殿によって変化させることが望ましいかどうかに応じて、処理全体を通して作動されることがある。
【0080】
図4に示すように、粒子の塊が通過し、ノズルを塞ぐのを防止するために、1つまたは複数のフィルタ92が、ノズル13の上流に配置されることがある。
【0081】
図1の例では、固体粒子は、ポンプ14の上流でポンプ14の供給に、すなわち貯蔵器16に投入される。
【0082】
図2に示すように、ポンプの給水に加えることによって固体粒子を供給することも可能である。
【0083】
この場合、ポンプ14の下流の水回路23に、貯蔵器24に含まれている粉末、または固体粒子を含んでいる液体組成物を注入するために、図示のように、追加のポンプ22を使用することが可能である。水回路23への注入は、優先的には(重量で)100~1.5倍、より優先的には10~2倍の希釈をもたらす。
【0084】
図2に示す例では、固体粒子の注入は、それの摩耗を減らすために、ポンプ14の下流で行われる。この注入は、ポンプ14の上流で行うこともでき、これにより注入を行うために必要とされる圧力を減らすことができる。
【0085】
図2では、それの内容物を攪拌するための攪拌器25を備えた貯蔵器24が表されている。
【0086】
図1の例と図2の例の両方に適用可能な例示的な一実施形態では、液体、たとえば水を含んでいる貯蔵器16または24は、たとえば細砂などの粉末で満たされている。攪拌がまず行われ、攪拌は中断される。吸引されて、流れに、したがって毛髪に送られる液体は、そのとき粉末を含んでいる。次に、当然、貯蔵器16または24内の粉末沈殿物、および吸引される液体は澄んできて、すすぎ動作を自動的に行うことを可能にする。
【0087】
粒子が水に溶ける場合は、粒子は貯蔵器から取ることができ、貯蔵器では粒子は、それらが溶けない液体中に浮遊状態であり、たとえばこの液体は、鉱物塩、たとえばNaClの粉末の場合はエタノールである。この場合、粒子は、それらが投射される表面に到達する前に完全に溶ける時間がない。
【0088】
図3に示す一実装変形態では、粒子は、互いに反応して固体粒子を形成する2つの化合物を合わせることによって、使用時に生成され、これらの化合物は特に、ハンドピース11に供給する水回路23に、ポンプ14の上流で注入される。
【0089】
図3には、それぞれの貯蔵器30および31に含まれているこれらの2つの化合物の注入を制御することを可能にする2つの電磁弁26および27が表されている。これらの電磁弁は、この図では示していない、上述の制御システム19に接続される。
【0090】
互いに反応するよう意図された化合物は、たとえば炭酸アンモニウムと塩化カルシウムである。
【0091】
(実施例)
以下の配合が用意される(割合は混合物の総重量に対する重量によって表される)。
【0092】
配合1:
アルミナ400μm(Aldrich社が提供するGF09529768) 20%
水 80%
【0093】
配合2:
アルミナ45μm(Aldrich社が提供するGF18024511) 20%
水 80%
【0094】
配合3:
アルミナ0.1μm(Aldrich社が提供するGF29729650) 20%
水 80%
【0095】
配合4:
KCl(平均サイズ420μm) 20%
エタノール 80%
【0096】
配合5:
膨張パーライト25ミクロン 4%
(World Minerals-Imerys製のOptimat 2550 OR)
水 96%
【0097】
(実施例1)
図2に示す、本発明によるデバイスが、2L/minの流量で使用される。このデバイスは、10barの圧力下で組成物を放出するポンプと、互いに向かって90°に置かれた、円形断面の2つの単一オリフィスのノズルと、500μmを超える粒子がノズルに到達しないようにするためにフィルタとして働く、ノズルの上流のグリッドと、貯蔵器とを有する。
【0098】
デバイスは、水を供給される。上述の配合は、貯蔵器に投入される。デバイスは、水の流れに配合の30重量%の注入を可能にする。
【0099】
2つの連続した脱色作業をすでに受けた3人の頭髪(長さ30cm、白人、最初は栗色)が、10秒間処理される。
【0100】
頭髪の各々で、デバイスは、一方の半分の表面の全体を処理するようにハンドピースを動かすために注意しながら、20秒間使用される。
【0101】
(比較実施例1)
実施例1のデバイスの設定が変更される。ポンプの供給をオフにする。その際、圧力は、給水圧力である3.4barに制限される。2つのノズルのヘッドは、直径5mmのオリフィスを持つ単一ノズルと交換される。その際、流量は12L/minである。
【0102】
デバイスは、これらの新しい設定および同じ配合で使用される。頭髪の各々の他方の半分がターゲットにされる。
【0103】
処理の終わりに、頭髪は、12L/minの流量で注がれる2lの水ですすがれる。
【0104】
各頭髪はシャンプーされ、感触は、濡れた毛髪および乾いた毛髪で確認される。最初の設定に有利な濡れた髪で、感触の質の違いが確認される。配合2および配合3について、(乾いた髪での)より良い艶も確認される。
【0105】
(実施例2)
ふけのある頭皮を処理するために同じ設定が行われる。配合1および配合2の場合、ふけの状態の改善が、開始の状態と比較して、本発明によるデバイスの場合に確認される。ふけ片は、目視観察によれば、かなりの程度まで取り除かれる。これは、特に粒子のサイズによるものであり、粒子のサイズは、頭皮のふけ状態の処理の場合、優先的には10~300ミクロンである。逆に、同じ組成物が、従来の流れ(10L/min)で送られ、使用されるとき、ふけ状態に改善は観察されない。
【0106】
(実施例3)
配合1が、2リットルの貯蔵器に投入される。デバイスは、図1の例にあるような、貯蔵器を用いてそれを供給することによって使用される。ポンプ供給管は、貯蔵器に浸かっている。ハンドピースは、頭髪、次いで体を処理するために使用され、体の前面および背面を難なく剥脱させることを可能にする。
【0107】
(実施例4)
配合1および配合2が、体積で50/50の比率で混合される。全混合物は、2リットルのタンクに投入される。デバイスは、前の例の場合と同様に、この配合でそれを供給することによって使用され、ポンプ供給管はタンクに浸かっている。タンクは攪拌され、次いで攪拌は停止され、それの内容物が頭髪に分配される。最初に、大きい粒子が分配される。個人は作動状態を感じ、やめたいか、続けたいかを示すことができる。デバイスにそのまま組成物の分配を任せる場合、デバイスは、タンクで行われる設定により、より細かい粒子を送り、次いで水を送る。
【0108】
(実施例5)
配合4は、実施例1の本発明によるデバイスで使用される。頭皮を活性化させるために、頭髪が処理される。処理は、約10分続く。5分の停止後、頭皮は配合4なしの供給で1分間すすがれる。本発明により、水消費量は制限される(22l)。最終的に、頭皮および頭髪は、粉末の残りを含んでいない。
【0109】
(実施例6)
配合5は、実施例1の本発明によるデバイスで使用される。頭皮を活性化させるために、頭髪が処理される。処理は、約10分続く。5分の停止後、頭髪はシンクに入れられ、次いで、配合4なしの供給で5分間すすがれるが、同時にシンクを満たしておく。毛髪は水に入ったままにされ、粒子を表面まで浮上させておく。頭髪がシンクから移動されると、表面に浮いている粒子は回収される。頭皮および頭髪は、粉末の残りを含んでいない。加えて、そのような処理は経済的である。
【符号の説明】
【0110】
10 処理デバイス、分配デバイス
11 ハンドピース
12 分配ヘッド
13 ノズル
14 ポンプ
16 貯蔵器
19 電子制御システム
20 マンマシンインターフェース
21 電磁弁
22 攪拌器、追加のポンプ
23 水回路
24 貯蔵器
25 攪拌器
26 電磁弁、噴射するためのシステム
27 電磁弁、噴射するためのシステム
30 貯蔵器
31 貯蔵器
89 空洞
91 凹部
92 フィルタ
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】