(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103294
(43)【公開日】2023-07-26
(54)【発明の名称】取付け補助具及び撮像装置ユニット
(51)【国際特許分類】
H04N 5/222 20060101AFI20230719BHJP
H04N 23/51 20230101ALI20230719BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20230719BHJP
G03B 15/00 20210101ALN20230719BHJP
【FI】
H04N5/222 100
H04N23/51
G03B17/56 A
G03B15/00 V
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073216
(22)【出願日】2023-04-27
(62)【分割の表示】P 2021074639の分割
【原出願日】2014-12-05
(71)【出願人】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(72)【発明者】
【氏名】服部 哲也
(72)【発明者】
【氏名】目黒 和人
(72)【発明者】
【氏名】細川 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】根橋 成昌
(72)【発明者】
【氏名】依藤 勇規
(57)【要約】
【課題】取付け部で撮像装置を取り付けると撮影画像が法線周りに回転してしまう不適箇所に、通常視認される状態の画像を撮影可能に、撮像装置を取り付け可能な取付け補助具及びこれを備える撮像装置ユニットを提供すること。
【解決手段】取付け部204が下部に設けられたドライブレコーダ200の少なくとも取付け部204を支持可能に形成されたリング部材301と、取付け部204でドライブレコーダ200を取り付けると撮影画像が撮影画像の法線周りに180°回転してしまう天井部にリング部材301を取り付けるための1/4インチボルト及び1/4インチナットと、天井部に取り付けられたリング部材301に、通常視認される画像が撮影可能となるように、ドライブレコーダ200の取付け部204を固定可能な1/4インチ固定ボルト303と、を備えた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状に構成された支持部材と、
前記支持部材に設けられる装置固定手段であって、前記支持部材の内側に回転軸が前記支持部材を通過するように配置された装置が前記支持部材の周方向に回転しないように、当該装置を前記支持部材に固定するための装置固定手段と、
前記支持部材において前記装置固定手段とは異なる位置に設けられた部材取付け手段と、
を有する取付け補助具。
【請求項2】
前記支持部材の内側で前記支持部材と前記装置との間に配設される緩衝部材
を有する請求項1に記載の取付け補助具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の取付け補助具と前記装置とを有するユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置を不適箇所に取り付けるための取付け補助具及びこれを備える撮像装置ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、カメラやビデオレコーダ等の撮像装置には、三脚等に取り付け可能な取付け部が設けられている。撮像装置は、取付け部を介して三脚等に取り付けることで、任意の場所に固定可能になる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、撮像装置の取付け部は、三脚等に取り付けた場合、記録した画像を再生する際に通常視認される向きの画像となるように、撮像装置の下部に設けられており、三脚の雲台等に撮像装置を載置させた状態で下から固定されるようになっている。そのため、例えば、天井からの画像を記録するために、撮像装置を天井に取り付けようとすると、取付け部が上に位置し、再生した際の画像(撮影画像)が、通常視認される状態の画像に対して法線周りに180度回転したものになってしまう。同様に、三脚を置く場所がない場合や撮影対象との位置関係等から、側壁等の側部に撮像装置を取り付けようとすると、取付け部が横に位置し、撮影画像が、通常視認される状態の画像に対して法線周りに90度回転したものになってしまう。
【0005】
そこで、本発明は、取付け部で撮像装置を取り付けると撮影画像が法線周りに回転してしまう不適箇所に、通常視認される状態の画像を撮影可能に、撮像装置を取り付け可能な取付け補助具及びこれを備える撮像装置ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)取付け部が下部に設けられた撮像装置の少なくとも前記取付け部を支持可能に形成された支持部材と、前記取付け部で前記撮像装置を取り付けると撮影画像が該撮影画像の法線周りに回転してしまう不適箇所に、前記支持部材を取り付けるための部材取付け手段と、前記不適箇所に取り付けられた前記支持部材に、通常視認される画像が撮影可能となるように、前記撮像装置の前記取付け部を固定可能な装置固定手段と、を備えた、ことを特徴とする。
【0007】
これによれば、取付け補助具を介して不適箇所に取り付けることで、下部に取付け部が設けられた撮像装置においても、不適箇所から、通常視認される向きの画像を撮影することができる。例えば、下部に取付け部が設けられた撮像装置を、上から吊り下げた状態で通常視認される向きの画像を撮影したり、横から支えられた状態で通常視認される向きの画像を撮影したりすることができる。
【0008】
不適箇所は、取付け部が下部に設けられている撮像装置に対しては、取付け部で撮像装置を直接取り付けると、撮影画像が撮影画像の法線周りに回転してしまう箇所とするとよい。不適箇所は、取付け部を直接取り付けると、撮影画像が法線周りに90度以上回転してしまう箇所とするとなおよい。例えば、天井や側壁及びこれらを構成するフレーム等とするとよい。天井や側壁及びこれらを構成するフレーム等に撮像装置を取り付けても、180度回転した画像が撮影されたり、90度回転した画像が撮影されたりすることを防止することができる。
【0009】
通常視認される画像としては、撮影画像を表示可能な表示装置を通常の状態で設置して撮影画像を当該表示装置に表示させた際に、表示装置に表示された撮影画像をユーザが違和感を感じにくい画像として視認されるように構成するとよい。違和感を感じにくい画像としては、特に表示された撮像画像が上下回転していると認識されない画像とするとよく、特に、水平方向の傾きが所定角度以下であると認識されるような画像とするとよい。所定角度としては、例えば、90度とするとよい。
【0010】
特に、撮影画像を四角形の表示画面に表示させる構成において優れた効果を発揮する。また、特に、撮影画像を、例えば、画面の縦横比が4:3や16:9などの横長の画面に表示させる際に最も優れた効果を発揮する。例えば、表示装置が、テレビモニターであれば、モニターを回転させずに通常テレビ台等に設置される状態において、表示された撮影画像に違和感を感じにくい画像とするとよい。
【0011】
なお、取付け部は、水平な取付け台に下から固定すると、通常視認される向きの水平な画像を撮像可能に形成されたものにするとよい。例えば、水平に調整された雲台に、取付け部を取り付けるだけで、通常視認される向きの水平な画像を撮像することができるものにするとよい。
【0012】
支持部材の形状としては、C形状、コの字形状、Z形状又は円環形状とするとよい。円環形状としては、例えば、楕円の円環形状としてもよいが、円とするとなおよい。また、少なくとも取付け部を支持可能な支持部を有するとなおよい。例えば、取付け部が平面状に形成されている場合は、支持部を平面状にするとよく、取付け部が曲面状に形成されている場合には、支持部も曲面状にするとよい。つまり、支持部と取付け部とを面接触させる構成にするとよい。また、例えば、取付け部に固定用のネジ穴が設けられている場合には、支持部は少なくともネジ穴を支持可能にするとよい。また、支持部材は、例えば、複数の部材を連結して構成するなど、複数の部材から構成してもよいが、単一の部材として構成するとなおよい。
【0013】
部材取付け手段としては、支持部材を不適箇所に取り付け可能にすればよく、振動や慣性力等の力の影響を受け難くなるように強固に支持部材を不適箇所に取付け可能にするとなおよい。支持部材を強固に取り付けることで、振動や急な慣性力等が発生した場合においても、支持部材の取付け状態が維持される。また、部材取付け部は、装置固定手段と同じ種類、且つ同じ規格のものにするとなおよい。
【0014】
装置固定手段としては、取付け部を支持部材に固定可能にすればよく、例えば、取付け部に雄ネジが設けられている場合には、ネジ穴とするとよい。また、取付け部に所定の大きさネジ穴(例えば、1/4インチネジ穴等)が形成されている場合は、当該ネジ穴に螺合可能なネジ(上記の例であれば1/4インチネジ)とするとよい。更に、取付け部に撮像装置の回転を規制するための規制穴が設けられている場合には、規制穴に挿入可能な突起部を設けるとよい。突起部を規制穴に挿入させた状態で、取付け部を支持部材に固定することで、例えば、装置固定手段による固定が緩んだ場合でも、撮像装置が不要に回転することがなくなる。
【0015】
(2)前記支持部材は、内部で、前記撮像装置が前記法線周りに回転可能な形状に形成されることを特徴とする。
【0016】
これによれば、不適箇所に取り付けられた支持部材の内部で撮像装置を回転させることで、撮像画像が通常視認される向きの水平な画像になるように、容易に調整することができる。例えば、鉛直方向に立設した不適箇所や傾斜した不適箇所に支持部材を取り付けた場合においても、撮像装置を回転させることで撮影画像を容易に通常視認される向きの水平な画像にすることができる。
【0017】
支持部材の内部としては、支持部材によって囲まれた部分とするとよい。例えば、支持部材は、撮像装置の少なくとも一部を囲む構成とするとよい。支持部材の内面側が撮像装置の外面側と対向する構成とするとよく、対向する支持部材の内面と撮像装置の外面との間の距離は均一でなくともよいが、できるだけ均一となるように構成するとよい。
【0018】
特に、支持部材の内部にユーザが撮像装置を挿入可能に、支持部材を構成とするとよい。挿入方向としては、例えば、C形状やコの字状に支持部材を構成する場合、支持部材の囲む方向(例えば、周方向)の側面側を切り欠く幅を撮像装置の径よりも大きくした構成するとよい。このようにすれば、支持部材の側面切り欠き部(例えば、C字やコの字の周方向にある空間部)から撮像装置を容易に挿入できる。また、支持部材の囲む方向(例えば、周方向)の側面側を切り欠く幅を撮像装置の径よりも小さくして、支持部材を弾性変形させて、支持部材の側面切り欠き部から撮像装置を挿入させる構成にしてもよい。
【0019】
また、挿入方向を囲む方向(例えば、周方向)に垂直な方向から撮像装置を挿入する方向とした場合(例えば、C字のC字に見える面側から撮像装置を挿入する場合)、当該挿入方向において、撮像装置をユーザが挿入可能に支持部材を構成するとよい。
【0020】
なお、支持部材を弾性変形させて撮像装置を挿入可能に構成してもよく、弾性変形させることなく撮像装置を挿入可能に構成するとなおよい。弾性変形させることなく挿入させる場合、支持部材の内周面の形状を、撮像装置の外周面の形状と相似形にするとなおよい。
【0021】
撮像装置が内部で回転可能な支持部材の形状としては、C形状やコの字形状とするとよく、円環形状とするとなおよい。また、支持部材の大きさとしては、矩形箱状や円柱状の撮像装置が内部で回転可能な大きさとするとよい。つまり、撮像装置の回転軸から支持部材の内面までの最短距離が、撮像装置の回転軸から外縁までの最大距離よりも長くなるように形成するとよい。
【0022】
(3)前記支持部材は、端部が外部に露出しない形状に形成されていることを特徴とする。
【0023】
これによれば、支持部材の外部に端部が露出しないので、ユーザが支持部材に不要に触れた場合においても、ユーザの怪我等を防止することができる。
【0024】
外部としては、例えば、支持部材を撮像装置の少なくとも一部を囲む構成としたとき、当該囲む方向よりも外側の方向とするとよい。外部に端部が露出しない形状としては、例えば、C形状やコの字状に形成された端部が内部に入り込んでいる形状にするとよい。支持部材を無端の環状とするとなおよい。また、端部に面取り等を施して、端部を曲面状にするとよい。
【0025】
(4)支持部材は、前記撮像装置の略円柱状の外周面から該撮像装置の中心軸と直交する方向に形成された略平面状の前記取付け部を有する前記撮像装置の、少なくとも前記中心軸から前記取付け部の外縁までの距離以上の半径の内周面を有するリング形状に形成されていることを特徴とする。
【0026】
これによれば、略平面状の取付け部を有する略円柱状の撮像装置を、中心軸を中心に回転可能に支持することができる。
【0027】
リング形状は、少なくとも撮像装置の外周面の半円以上を覆うC形状とするとよい。撮像装置の外周面の全体を覆う円環状とするとなおよい。円環状としては、楕円を含むものとしてもよいが、特に真円を含む構成とするとよい。
【0028】
また、支持部材は、撮像装置の撮像方向に向かって撮像装置の先端から延出させ、延出部分に不要な光の入光を規制可能なフード部を有する構成とするとよい。この場合、撮影画像がフード部によってけられないように構成するとよい。撮影画像がフード部によってけられない構成としては、例えば、撮像装置の撮像方向に向かって撮像装置の先端から延出させるものの、撮像装置の画角の範囲には至らない延出度合いとするとよい。フード部を設けることで、撮像装置に不要な光が入光することを防止することができる。フード部に撮像装置のレンズを保護するレンズフィルタ等を取り付け可能にするとなおよい。例えば、フード部に撮像装置のレンズを保護するレンズフィルタ等を取り付け可能にフィルタのネジとはめ合うフィルタ取付用のネジ切り部を設けるとよい。
【0029】
また、支持部材を撮像装置の撮像方向と反対方向に向かって延出させ、撮像装置の後端部を保護する後端延出部を設けるとよい。後端延出部を設けることで、撮像装置の後端部にSDカード等が装着可能に構成されている場合に、SDカード等が容易に抜き取られることを低減させることができる。この場合、後端に電源ケーブル等が接続されている場合には、電源ケーブルの接続位置を回避するための切欠き等を設けるとよい。
【0030】
(5)前記支持部材は、前記取付け部と面接触可能な平面部を有することを特徴とする。
【0031】
これによれば、撮像装置の取付け部を支持部材の平面部に面接触させることで、撮像装置が撮像画像の法線周りに不要に回転することを防止することができる。
【0032】
(6)前記取付け部は、所定の大きさのネジを螺合可能なネジ穴を有し、前記支持部材の前記平面部は、前記所定の大きさのネジを貫通可能な貫通穴を有し、前記装置固定手段は、前記貫通穴を介して前記ネジ穴に螺合することで前記撮像装置を前記支持部材に固定可能なネジを有することを特徴とする。
【0033】
これによれば、支持部材に面接触した撮像装置をネジで固定することで、撮像装置を強固に支持部材に固定することができる。取付け部のネジ穴は、一般的なカメラの三脚への取付け用のネジ穴とするとよい。また、装置固定手段は、一般的なカメラの三脚への取付用のネジと同等のネジとするとよい。このようにすれば、撮像装置を本取付け補助具から外して、一般的なカメラの三脚に取り付けて利用したり、三脚から取り外して本取付け補助具に取り付けて利用したりすることが容易にできる。取付け部のネジ穴は、1/4インチネジ穴とするとよく、装置固定手段は1/4インチネジとするとよい。この場合、貫通穴は、1/4インチネジのネジ部を貫通可能、且つヘッド部を係合可能に形成するとよい
【0034】
(7)前記貫通穴は、前記支持部材に固定された前記撮像装置の中心軸周りに延びる長穴状に形成されていることを特徴とする。
【0035】
これによれば、支持部材の内部で撮像装置を回転させた状態で支持部材に固定することができる。回転させた撮像装置と支持部材との間に隙間が生じる場合には、撮像装置と支持部材との間に弾性部材を配設させるとよい。
【0036】
(8)前記支持部材と前記装置固定手段とが連結されていることを特徴とする。
【0037】
これによれば、支持部材に装置固定手段が連結されているため、装置固定手段を無くすことが防止される。例えば、回転自在に支持部材に連結する連結部材を設けるとよい。例えば、1/4インチネジで撮像装置を支持部材に固定する場合、1/4インチネジを回転自在に支持部材に連結する連結部材を設けることで、1/4インチネジを無くすことが防止される。
【0038】
(9)取付け補助具と、該取付け補助具に固定可能な撮像装置と、を備えたことを特徴とする撮像装置ユニット。
【0039】
これによれば、不適箇所に取り付け可能な撮像装置を提供することができる。取付け補助具の支持部材と撮像装置とに、取付け補助具に対する撮像装置の相対的な回転角度を表示可能な回転角度表示部を設けるとよい。回転角度表示部は、支持部材と撮像装置とに記載されたメモリとするとよい。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、取付け部で撮像装置を取り付けると撮影画像が法線周りに回転してしまう不適箇所に、通常視認される状態の画像を撮影可能に、撮像装置を取り付け可能な取付け補助具及びこれを備える撮像装置ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る撮像装置ユニットを模式的に示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係るドライブレコーダを示す図である。
【
図3】第1実施形態に係るドライブレコーダを示す図である。
【
図4】第1実施形態に係る取付け補助具を示す図である。
【
図5】第1実施形態に係るドライブレコーダに取り付け補助具を取り付ける状態を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係るドライブレコーダが天井部に取り付けられた状態を示す図である。
【
図7】第2実施形態に係る取付け補助具を示す図である。
【
図8】第2実施形態に係るドライブレコーダが傾斜フレームに取り付けられた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明の実施形態に係る撮像装置ユニットについて、図面を参照しながら説明する。以下の実施形態においては、取付け部が下部に設けられた略円柱形状のドライブレコーダを、フォークリフトの天井部に取り付け可能な取付け補助具を有する撮像装置ユニットを用いて説明する。
【0043】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る撮像装置ユニット100について、
図1から
図6を参照しながら説明する。まず、撮像装置ユニット100の概略構成について、
図1から
図4を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る撮像装置ユニット100を模式的に示す斜視図である。
図2(a)は、第1実施形態に係るドライブレコーダ200を前方から見た斜視図であり、(b)は後方から見た斜視図であり、(c)は底面図である。
図3(a)は、第1実施形態に係るドライブレコーダ200の正面図であり、(b)はキャップ202を取り外した状態を後方から見た斜視図である。
図4(a)は、第1実施形態に係る取付け補助具300の正面図であり、(b)は側面図であり、(c)は底面図である。
【0044】
図1に示すように、撮像装置ユニット100は、走行中のフォークリフト400の前方を撮影可能なドライブレコーダ200と、ドライブレコーダ200をフォークリフト400の天井部401(後述する
図6(a)及び(b)参照)に取り付けるための取付け補助具300と、を備えている。
【0045】
図2(a)及び(b)に示すように、ドライブレコーダ200は、略円柱状に形成された本体部201と、本体部201の中心軸Zにおける後端側に配設されたキャップ202と、を備えている。なお、本実施形態においては、ドライブレコーダ200は、直径が約40mm、軸方向の長さが約95mmに形成されている。
【0046】
本体部201は、フォークリフトの前方を撮影し、記録するための撮像素子等の電子部品(図示せず)を内蔵しており、中心軸Zにおける先端側に配設されたレンズ(図示せず)を介してフォークリフトの前方を撮影可能になっている。つまり、本体部201の中心軸Zの先端に向かう方向が撮像方向Z1となっており、撮像方向Z1が撮影画像の法線方向となるように撮像素子等の電子部品が配設されている。本実施形態においては、本体部201には、視野角が対角160°(左右120°、上下86.6°)の広角レンズが用いられている。撮像方向Z1におけるレンズの更に前方には、レンズカバー203が取り付けられており、レンズカバー203はレンズを保護すると共に、本体部201の内部への雨等の進入を防止している。レンズカバー203は、本体部201と略同径に形成されており、本実施形態においては、半径R1に形成されている(
図3(a)参照)。
【0047】
また、本体部201には、撮像素子等の電子部品により記録された画像(以下、「撮影画像」という)の下方となる方向に位置する外周面上に、外周面から中心軸Zと直交する方向に突出した取付け部204が設けられている。取付け部204は、本体部201の軸方向における略中央部に設けられており、中心軸Zを法線とする撮像面と直交する平面部204aを有している。
図2(c)に示すように、平面部204aには、1/4インチネジを螺合可能な1/4インチネジ穴205と、ドライブレコーダ200の中心軸Zと直交する方向を中心とした回転を規制する規制穴206と、が設けられている。1/4インチネジ穴205は、世界規格(ISO 1222)の大きさであり、直径約6mm、長さ約4.5mmのネジを螺合可能に形成されている。
【0048】
ここで、本体部201の中心軸Zから平面部204aの外縁までの距離は、
図3(a)に示すように、距離R2に形成されており、本体部201の半径R1よりも大きくなっている(R1<R2)。つまり、本体部201の中心軸Zから中心軸Zと直交する方向に最も離れた場所は平面部204aの外縁であり、その距離はR2(最大外径)となっている。
【0049】
取付け部204の後方の外周面上には、マイク207が設けられており、マイク207は周囲の音を収集する。マイク207の更に後方の外周面上には、電源ケーブル208が接続されており、電源ケーブル208は、不図示のヒューズケーブルを介して電源に接続される。本実施形態においては、ヒューズケーブルを介してフォークリフトのバッテリーに接続される。電源ケーブル208の接続位置の周方向における上方には、ストラップ穴209が設けられており、ストラップ穴209に市販のストラップ等を取り付けて、ドライブレコーダ200とフォークリフトとを接続することで、ドライブレコーダ200のフォークリフトからの脱落が防止されるようになっている。
【0050】
図3(b)に示すように、本体部201の後端には、SDカード211を装着可能なSDスロット部210が配設されており、SDスロット部210に装着されたSDカード211に録画した撮影データを記録できるようになっている。
【0051】
キャップ202は、本体部201の後端に着脱可能に取り付けられており、取り外すとスロット部210が露出し、SDカード211を取り外すことができるようになっている。なお、通常は、本体部201にキャップ202をねじ込み(
図3(b)参照)で取り付けておくことで、SDスロット部210が閉じられ、SDカード211を容易に取り外しできないようになっている。また、キャップ202と本体部201との間には、不図示のパッキンが介在しており、SDスロット部210等への水等の侵入が防止されるように構成されている。
【0052】
また、本体部201の後端(SDスロット部210の上方、
図3(b)参照)には、電源ON時に点灯する電源ランプ202a及び録画時に点灯する録画ランプ202bが設けられており、キャップ202は、電源ランプ202a及び録画ランプ202bの点灯を透過可能に形成されている。本実施形態においては、キャップ202を半透明の樹脂で形成することで、電源ランプ202a及び録画ランプ202bの点灯を透過可能に構成している。キャップ202を半透明にすることで、ユーザは、キャップ202を見るだけで、電源のオンオフ及び録画の有無を容易に認識することができるようになっている(
図2(b)参照)。
【0053】
ここで、本実施形態に係るドライブレコーダ200は、ユーザによるフォークリフトのエンジン始動に連動して自動的に録画を開始し、エンジン停止に連動して自動的に録画を停止するようになっている。また、ドライブレコーダ200は、IEC(国際電気標準会議)規格で定められた防水及び防塵規格に設計(「IP55」相当の防水・防塵設計)されており、急な雨や道路状況の悪い場所での走行においても、雨や埃等による動作不良が起こり難くなっている。更に、ドライブレコーダ200は、ワイドダイナミックレンジ(以下、「WDR」という)を搭載しており、WDRは、明るさの異なる複数枚の映像を同時に撮影し、幅広いレンジをもった、見易く鮮明な画像を作成可能になっている。例えば、逆光時やトンネルの出入り口付近での、白とび、黒つぶれが少なく、状況判断し易い画像を記録可能になっている。
【0054】
なお、ドライブレコーダ200のその他の機能については、一般的なドライブレコーダと同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0055】
図4(a)から(c)に示すように、取付け補助具300は、ドライブレコーダ200を固定するリング部材301と、リング部材301を不適箇所(本実施形態においては、フォークリフト400の天井部401)に取り付けるための1/4インチボルト302a及び1/4インチナット302bと、ドライブレコーダ200にリング部材301を固定するための1/4インチ固定ボルト303と、を備えている。
【0056】
なお、ここでいう不適箇所とは、取付け部204を用いてドライブレコーダ200を直接取り付けると、撮影画像が、撮影画像の法線周りに回転してしまう箇所をいい、特には撮影画像が90度以上回転してしまう箇所をいう。本実施形態においては、撮影画像が180度回転してしまうフォークリフト400の天井部401や、撮影画像が90度回転してしまう上下方向に延びるフレームや、撮影画像が135°回転してしまう45度傾斜したフレーム等をいう。
【0057】
図4(a)に示すように、リング部材301は、内周面が曲面状に形成された曲面部301aと、ドライブレコーダ200の平面部204aを支持する第1平面部301bと、フォークリフト400の天井部401に接続される第2平面部301cと、を備えており、ドライブレコーダ200を挿通可能、且つ、その内部でドライブレコーダ200が回転可能な環状に形成されている。具体的には、リング部材301は、リング部材301のドライブレコーダ200を挿通可能な空間の中心(
図4に示すXYZ軸上の原点であり、以下、「重心」という)から内周面までの最小長さ(第1平面部301b及び第2平面部301cまでの長さ)R3が、ドライブレコーダ200の中心軸Zから中心軸Zと直交する方向への最大外径R2よりも長くなるように形成されている(R2<R3)。リング部材301の重心からの最小長さR3をドライブレコーダ200の中心軸Zからの最大外径R2よりも長くすることで、その内部で、ドライブレコーダ200が中心軸Zを中心に回転可能になる。
【0058】
また、リング部材301の軸方向の長さ(ドライブレコーダ200が挿通される方向の長さ)は、ドライブレコーダ200の本体部201の軸方向の長さよりも短く、本体部201の平面部204aの前記軸方向の長さよりも長くなるように形成されている。本実施形態においては、ドライブレコーダ200をリング部材301に固定した状態で、リング部材301の軸方向における先端側がドライブレコーダの先端から延出せず、且つ、軸方向における後端側がマイク207の上まで延出しない長さになるように形成されている(後述する
図6(a)参照)。
【0059】
曲面部301aは、リング部材301をフォークリフト400の天井部401に取り付けた際の水平方向Xにおける両側に位置する部位であり、重心から内周面までの距離(半径)がR4の曲面状に形成されている。重心からの距離R4は、重心からの最小長さR3である第1平面部301b及び第2平面部301cまでの距離よりも長く(R3<R4)、リング部材301の内部に挿通されたドライブレコーダ200の回転を妨げないようになっている。また、天井部401に取り付けた際の水平方向に位置する部位を曲面状にすることで、不要な出っ張りがなくなり、リング部材301の小型化が可能になる。
【0060】
第1平面部301bは、リング部材301をフォークリフト400の天井部401に取り付けた際の鉛直方向Yにおける下方に位置する部位であり、ドライブレコーダ200の平面部204aと面接触可能に内周面が平面状に形成されている。また、第1平面部301bの軸方向と直交する水平方向Xの長さは、ドライブレコーダ200の平面部204aの軸方向と直交する平面方向の長さよりも長くなるように形成されており(
図6(b)参照)、ドライブレコーダ200の平面部204aの全面を面接触可能に形成されている。ドライブレコーダ200の平面部204aと第1平面部301bとを面接触させることで、ドライブレコーダ200を固定する際に、ドライブレコーダ200が不要に回転してしまうことが防止される。また、第1平面部301b上でドライブレコーダ200を安定させることができる。
【0061】
また、第1平面部301bには、1/4インチネジのネジ部を貫通可能な貫通穴301dが形成されている。本実施形態においては、貫通穴301dは、第1平面部301bの略中央部に形成されている。なお、第1平面部301bに、規制穴206と係合可能な突起部を設けてもよい。この場合には、(最大外径R2+突起部の高さ)<重心からの最小長さR3とするとよい。突起部を規制穴206と係合させることで、ドライブレコーダ200の水平方向Xを中心とした不要な回転が防止される。本実施形態においては、第1平面部301bの水平方向Xの長さを平面部204aの軸方向と直交する平面方向の長さよりも僅かに長くすることで、ドライブレコーダ200の水平方向Xを中心とした不要な回転を防止している。
【0062】
第2平面部301cは、リング部材301をフォークリフト400の天井部401に取り付けた際の鉛直方向Yにおける上方に位置する部位であり、1/4インチナット302bを接合可能に上面が平面状に形成されている。また、第2平面部301cには、1/4インチナット302bと連通し、且つ、1/4インチボルト302aのネジ部を挿通可能な貫通穴301eが形成されており、貫通穴301eは、第2平面部301cの略中央部に形成されている。
【0063】
1/4インチナット302bは、貫通穴301eと連通するように、第2平面部301cの上面に接合されている。1/4インチボルト302aは、フォークリフト400の天井部401に設けられた貫通穴402を介して、1/4インチナット302bに螺合可能に形成されている。このように、天井部401を挟持するように、1/4インチボルト302aを第2平面部に接合された1/4インチナット302bに螺合させることで、リング部材301が天井部401に固定される。その際、1/4インチボルト302aを1/4インチナット302bに螺合させることで強固な取り付けとなり、例えば、振動や急な慣性力等が発生した場合においても、リング部材301の取付け状態が維持される。
【0064】
1/4インチ固定ボルト303は、ドライブレコーダ200の取付け部204に設けられた1/4インチネジ穴205に螺合可能に形成されている。具体的には、1/4インチ固定ボルト303は、直径約6mm、長さ約4.5mmのネジ部と、六角のヘッド部と、を備えて構成されている。1/4インチ固定ボルトは、六角のヘッド部でネジ部を1/4インチネジ穴205に螺合させることで、ドライブレコーダ200の第1平面部301bへの取付けを強固なものとしている。
【0065】
次に、本実施形態に係る撮像装置ユニット100の取り付け方法について、
図5及び
図6を参照しながら説明する。本実施形態においては、撮像装置ユニット100をフォークリフト400の天井部401に予め形成された貫通穴402に取り付ける場合を用いて説明する。
図5(a)は、取り付け補助具300にドライブレコーダ200を固定する状態を示す図であり、(b)はドライブレコーダ200が固定された取付け補助具300を天井部401に取り付ける状態を示す図である。
図6(a)は、第1実施形態に係るドライブレコーダ200が天井部401に取り付けられた状態を示す側面図であり、(b)は正面図である。
【0066】
まず、ドライブレコーダ200のSDスロット部210に初期化したSDカード211を装着しておく。次に、
図5(a)に示すように、ドライブレコーダ200の前方から取付け補助具300を装着させる。具体的には、取付け補助具300のリング部材301の内部にドライブレコーダ200を挿入させる。このとき、リング部材301の重心から内周面までの最小長さR3が、ドライブレコーダ200の中心軸Zから中心軸Zと直交する方向への最大外径R2よりも長くなるように形成されているため、リング部材301の内部にドライブレコーダ200を容易に挿入させることができ、中心軸Zを中心に回転させることもできる。また、前方から挿入させた際に後端側に設けられる電源ケーブル308がリング部材301と係合することで、ドライブレコーダ200がリング部材301から不要に抜け落ちることが防止される。
【0067】
次に、リング部材301をドライブレコーダ200の取付け部204まで挿入させると、中心軸Zを中心にドライブレコーダ200を回転させて、ドライブレコーダ200の取付け部204の平面部204aをリング部材301の第1平面部301bに載置させる。これにより、取付け部204の平面部204aがリング部材301の第1平面部301bと面接触し、第1平面部301bがドライブレコーダ200を支持可能になる。また、面接触させることで、取付け時のドライブレコーダ200の不要な回転が防止される。
【0068】
この状態で、平面部204aに設けられた1/4インチネジ穴205に、第1平面部301bの下(リング部材301の外から)から、貫通穴301dを介して1/4インチ固定ボルト303を螺合させる。これにより、リング部材301がドライブレコーダ200と1/4インチ固定ボルト303とに挟持された状態となり、リング部材301にドライブレコーダ200が固定される。このとき、1/4インチ固定ボルト303は六角のヘッドを有するので、ドライブレコーダ200をリング部材301に強固に固定できる。また、リング部材301はマイク207の前方で固定されるため、取付け後のマイク207による音の収集に影響を与えることはない。
【0069】
ドライブレコーダ200にリング部材301を固定すると、次に、レンズカバー203を前方に向けた状態で、リング部材301をフォークリフト400の天井部401に固定する。具体的には、
図5(b)に示すように、ドライブレコーダ200が固定されたリング部材301の第2平面部301cを天井部401に近接させ、
図6(a)に示すように、第2平面部301cに接合された1/4インチナット302bに、天井部401に形成された貫通穴402を貫通している1/4インチボルト302aを螺合させる。このとき、レンズカバー203を前方に向けると共に鉛直方向Yを中心とした向きを調整しつつ、リング部材301を天井部401に固定する。これにより、ドライブレコーダ200を天井部401から吊り下げた状態で、通常視認される状態と同様の向きの画像を撮影することができる。なお、通常視認される状態の画像とは、例えば、天井部401からユーザが視認する場合の向きの上下方向と同様となる画像をいう。
【0070】
リング部材301が天井部401に固定されると、ストラップ穴209を介して、市販のストラップでドライブレコーダ200とフォークリフト400とを接続し、ドライブレコーダ200の落下を防止しておく。なお、この作業は任意のものである。ドライブレコーダ200とフォークリフト400とを接続すると、電源ケーブル308をフォークリフト400のバッテリー(図示せず)に接続することで、ドライブレコーダ200の取り付けが終了する。
【0071】
以上説明したように、第1実施形態に係る取付け補助具300によれば、下部に取付け部204が設けられているドライブレコーダ200を、通常視認される状態の画像を撮影可能に、フォークリフト400の天井部401から吊り下げた状態で取り付けることができる。
【0072】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る撮像装置ユニット100Aについて、
図1を援用すると共に、
図7及び
図8を参照しながら説明する。第2実施形態に係る撮像装置ユニット100Aは、取付け補助具が第1実施形態と相違する。そのため、ここでは、第1実施形態と相違する点、即ち、取付け補助具を中心に説明し、その他の構成については、第1実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。また、本実施形態においては、不適箇所として、フォークリフト400の天井部401に設けられる傾斜フレーム410を用いて説明する。
【0073】
まず、撮像装置ユニット100Aの概略構成について、
図1及び
図7を参照しながら説明する。
図7(a)は、第1実施形態に係る取付け補助具300の正面図であり、(b)は側面図であり、(c)は底面図である。
【0074】
図1に示すように、撮像装置ユニット100Aは、ドライブレコーダ200と、ドライブレコーダ200をフォークリフト400の天井部401の傾斜フレーム410に取り付けるための取付け補助具300Aと、ドライブレコーダ200と取付け補助具300との間に配設される緩衝部材310と、を備えている。
【0075】
図7(a)から(c)に示すように、取付け補助具300Aは、ドライブレコーダ200を固定するリング部材304と、リング部材304を不適箇所(本実施形態においては、フォークリフト400の傾斜フレーム410)に取り付けるための1/4インチボルト302a及び1/4インチナット302bと、ドライブレコーダ200にリング部材304を固定するための1/4インチ固定ボルト303と、を備えている。
【0076】
図7(a)に示すように、リング部材304は、内周面が曲面状に形成された曲面部304aと、フォークリフト400の傾斜フレーム410に接続される第2平面部301cと、を備えており、ドライブレコーダ200を挿通可能、且つ、その内部でドライブレコーダ200が回転可能な環状に形成されている。具体的には、リング部材304は、リング部材304の重心から内周面までの最小長さ(第2平面部301cまでの長さ)R3が、ドライブレコーダ200の中心軸Zから中心軸Zと直交する方向への最大外径R2よりも長くなるように形成されている(R2<R3)。リング部材304の重心からの最小長さR3をドライブレコーダ200の中心軸Zからの最大外径R2よりも長くすることで、その内部で、ドライブレコーダ200が中心軸Zを中心に回転可能になる。
【0077】
また、リング部材304の軸方向の長さ(ドライブレコーダ200が挿通される方向の長さ)は、ドライブレコーダ200の本体部201の長さよりも短く、本体部201の平面部204aの軸方向の長さよりも長くなるように形成されている。本実施形態においては、ドライブレコーダ200をリング部材304に固定した状態で、リング部材304の軸方向における先端側がドライブレコーダの先端から延出せず、且つ、軸方向における後端側がマイク207の上まで延出しない長さになるように形成されている。
【0078】
曲面部304aは、重心から内周面までの距離(半径)がR4の曲面状に形成されている。重心からの距離R4は、重心からの最小長さR3である第2平面部301bまでの距離よりも長く(R3<R4)、リング部材301の内部に挿通されたドライブレコーダ200の回転を妨げないようになっている。また、曲面部304aには、重心を中心とした周方向に延び、1/4インチ固定ボルト303のボルト部を貫通可能な長穴304bが形成されており、長穴304bが形成された範囲内の周方向における任意の位置で、1/4インチ固定ボルト303によるドライブレコーダ200の固定が可能になっている。また、曲面部は、第1実施形態と同様に、曲面状にすることで、不要な出っ張りがなくなり、リング部材の小型化が可能になる。
【0079】
緩衝部材310は、弾性部材により板状に形成されており、ドライブレコーダ200とリング部材304との間に挟むことで、ドライブレコーダ200への振動の伝達が緩和される。また、1/4インチネジ穴205に螺合された1/4インチ固定ボルト303が緩むこと等が防止される。緩衝部材としては、合成ゴムやスポンジ等、弾性変形可能なものであればよい。本実施形態においては、合成ゴムにより形成されている。
【0080】
また、緩衝部材310には、リング部材304の曲面部304aに形成された長穴304bと略同形状の長穴が形成されており、緩衝部材310を配設した場合でも、1/4インチ固定ボルト303が長穴304bに沿って移動可能になっている。
【0081】
次に、本実施形態に係る撮像装置ユニット100Aの取り付け方法については、
図8を参照しながら説明する。本実施形態においては、撮像装置ユニット100Aをフォークリフト400の天井部401の傾斜フレーム410に予め形成された貫通穴411に取り付ける場合を用いて説明する。
図8は、第2実施形態に係るドライブレコーダ200が傾斜フレーム410に取り付けられた状態を示す図である。
【0082】
まず、ドライブレコーダ200のSDスロット部210に初期化したSDカード211を装着しておく。また、リング部材304の曲面部304aに緩衝部材310を配置しておく。
【0083】
次に、ドライブレコーダ200の前方から取付け補助具300Aを装着させる。具体的には、ドライブレコーダ200と曲面部304aとで緩衝部材310を挟むように、リング部材304の内部にドライブレコーダ200を挿入させる。
【0084】
次に、リング部材304をドライブレコーダ200の取付け部204まで挿入させると、取付け部204の平面部204aに設けられた1/4インチネジ穴205に、リング部材304の外から、長穴304bを介して1/4インチ固定ボルト303を螺合させ、リング部材304にドライブレコーダ200を仮固定する。
【0085】
ドライブレコーダ200にリング部材304を仮固定すると、次に、レンズカバー203を前方に向けた状態で、リング部材304をフォークリフト400の天井部401の傾斜フレーム410に固定する。具体的には、まず、ドライブレコーダ200が固定されたリング部材304の第2平面部301cを、傾斜フレーム410と略平行になるように近接させ、第2平面部301cに接合された1/4インチナット302bに、天井部401に形成された貫通穴402を貫通している1/4インチボルト302aを螺合させる。
【0086】
傾斜フレーム410にリング部材304が固定されると、次に、仮固定されたドライブレコーダ200が回転可能となるように、1/4インチ固定ボルト303を緩める。ドライブレコーダ200が回転可能になると、
図8に示すように、ドライブレコーダ200の取付け部204が鉛直方向Yの下方に位置するように、ドライブレコーダ200を回転させる。ドライブレコーダ200の取付け部204が鉛直方向Yの下方に位置すると、1/4インチ固定ボルト303を締めて、ドライブレコーダ200をリング部材304に固定する。これにより、ドライブレコーダ200を天井部401から吊り下げた状態で、通常視認される状態と同様の向きの画像を撮影することができる。
【0087】
リング部材304が傾斜フレーム410に固定されると、ストラップ穴209を介して、市販のストラップでドライブレコーダ200とフォークリフト400とを接続し、ドライブレコーダ200の落下を防止しておく。なお、この作業は任意のものである。ドライブレコーダ200とフォークリフト400とを接続すると、電源ケーブル308をフォークリフト400のバッテリー(図示せず)に接続することで、ドライブレコーダ200の取り付けが終了する。
【0088】
以上説明したように、第2実施形態に係る取付け補助具300Aによれば、下部に取付け部204が設けられているドライブレコーダ200を天井部401の傾斜フレーム410に取り付ける場合においても、取付け部204が鉛直方向Yの下方に位置するようにドライブレコーダ200を回転させた位置で固定可能になり、通常視認される状態の画像を撮影することができる。
【0089】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した両実施形態(以下、「本実施形態」という)に限定されるものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されない。
【0090】
例えば、本実施形態においては、撮像装置の一例としてドライブレコーダを用いて説明したが、本発明は、これに限定されない。撮像装置としては、例えば、下部に取付け部が設けられたホームセキュリティ、レジャー及びスポーツ等に用いられる略円柱状のカメラやビデオレコーダであってもよい。
【0091】
また、本実施形態においては、装置固定手段として、1/4インチ固定ボルト303を用いて説明したが、本発明は、これに限定されない。装置固定手段は、ドライブレコーダ200をリング部材301、304に固定可能であればよく、例えば、取付け部に雄ネジが設けられている場合には、ネジ穴とするとよい。また、取付け部に所定の大きさネジ穴(例えば、1/4インチネジ穴等)が形成されている場合は、ネジ穴に螺合可能なネジ(1/4インチネジ)とするとよい。更に、取付け部に撮像装置の回転を規制するための規制穴が設けられている場合には、規制穴に挿入可能な突起部を設けるとよい。突起部を規制穴に挿入させた状態で、取付け部を支持部材に固定することで、例えば、装置固定手段による固定が緩んだ場合でも、撮像装置が不要に回転することがなくなる。
【0092】
また、本実施形態においては、部品取付け手段として、1/4インチボルト302a及び1/4インチナット302bを用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。部品取付け手段は、リング部材301、304を不適箇所に取り付け可能であればよく、振動や慣性力等の力の影響を受け難くなるように強固にリング部材301、304を不適箇所に取付け可能にするとなおよい。リング部材301、304を強固に取り付けることで、振動や急な慣性力等が発生した場合においても、リング部材301、304の取付け状態が維持される。また、部材取付け部は、装置固定手段と同じ種類、且つ同じ規格のものにするとなおよい。
【0093】
また、例えば、本実施形態においては、支持部材として、環状のリング部材301、304を用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。支持部材は、少なくともドライブレコーダ200を支持する支持部と不適箇所に接続する接続部があればよい。例えば、C形状、コの字形状、Z形状及びL形状の部材を用いてもよい。また、支持部材は、矩形箱状や円柱状の撮像装置が、内部で、撮影画像の法線周りに回転可能な形状にするとなおよい。内部で回転可能にすることで、不適箇所に取り付けた際に水平に調整可能になる。例えば、支持部材をC形状、コの字状、円環状に形成した場合は、撮像装置の回転軸から支持部材の内面までの最短距離が、撮像装置の回転軸から外縁までの最大距離よりも長くなるように形成するとよい。
【0094】
更に、支持部材は、端部が外部に露出しない形状とするとよい。このようにすることで、例えば、ユーザが支持部材に触れた場合の怪我等を防止することができる。外部に端部が露出しない形状としては、例えば、C形状やコの字状に形成された端部が内部に入り込んでいる形状にするとよい。支持部材を無端の環状とするとなおよい。また、端部に面取り等を施して、端部を曲面状にするとよい。
【0095】
また、本実施形態においては、リング部材301、304は、ドライブレコーダ200の取付け部204を支持可能に形成したが本発明はこれに限定されない。例えば、リング部材をドライブレコーダ200の撮像方向Z1に向かってドライブレコーダ200の先端から延出させ、ドライブレコーダ200の内部に不要な光の入射することを防止するフード部を設けてもよい。この場合、フード部により画像がけられないようにするとよい。フード部にレンズフィルタを取付け可能にしてもよい。
【0096】
また、例えば、リング部材をドライブレコーダ200の撮像方向Z1と反対方向に延出させ、ドライブレコーダ200の後端部に設けられたSDスロット部210からSDカード211が不要に抜き取られることを防止する後端延出部を設けてもよい。この場合、マイク207及び電源ケーブル208との干渉等を回避するために、当該部分を切欠き状にするとよい。
【0097】
また、第2実施形態においては、リング部材304の内部でドライブレコーダ200を回転させて、ドライブレコーダ200を水平に固定したが、例えば、ドライブレコーダ200とリング部材304とに、ドライブレコーダの回転角度を表示する回転量表示部を設けるとよい。例えば、複数の撮像装置ユニットを複数の同型式のフォークリフトに装着する際に、回転量表示部に表示される回転量を合わせるだけで、ドライブレコーダの回転位置を容易に揃えることができる。
【0098】
本実施形態では、前方から挿入させた際に後端側に設けられる電源ケーブル308がリング部材301と係合することで、ドライブレコーダ200がリング部材301から不要に抜け落ちることが防止される構造としたが、当該抜け落ち防止構造はこれに限らず、他の構造によって実現するようにしてもよい。例えば、電源ケーブルよりも軸方向の中心寄りの外周部分に突起を設け当該突起がリング部材301に当たるように構成して抜け落ちを防止するようにしてもよい。このようにすれば電源コードを傷つける可能性も低減できる。
【0099】
また、本実施形態では、1/4インチナット302bを第2平面部301cの外側に配置したが、第2平面部301cの内側(ドライブレコーダ200が挿通される側)に配置してもよい。このように構成することで、第2平面部301cをフォークリフト400の天井部401や傾斜フレーム410に面接触させることができ、リング部材301、304を強固に取り付けることができる。この場合には、(最大外径R2+1/4インチナット302bの高さ)<重心からの最小長さR3とするとよい。
【0100】
また1/4インチナット302bを配置する代わりに、第2平面部301cの貫通穴301eにネジを切って1/4インチボルト302aのネジ部を螺合可能に形成してもよい。このように構成することで、第2平面部301cをフォークリフト400の天井部401や傾斜フレーム410に面接触させることができ、リング部材301、304を強固に取り付けることができる。また、部品点数を減らすことができる。この場合には、最大外径R2<重心からの最小長さR3とするとよい。
【符号の説明】
【0101】
100 撮像装置ユニットドライブレコーダ(撮像装置の一例)
200 ドライブレコーダ(撮像装置の一例)
204 取付け部
300 取付け補助具
301 リング部材(支持部材の一例)
302a 1/4インチボルト(部材取付け手段の一例)
302b 1/4インチナット(部品取付け手段の一例)
303 1/4インチ固定ボルト(装置固定手段の一例)
401 天井部(不適箇所の一例)