(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103438
(43)【公開日】2023-07-26
(54)【発明の名称】呼吸治療制御デバイス
(51)【国際特許分類】
A61M 16/00 20060101AFI20230719BHJP
【FI】
A61M16/00 305A
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023082921
(22)【出願日】2023-05-19
(62)【分割の表示】P 2019544942の分割
【原出願日】2017-11-06
(31)【優先権主張番号】62/418,374
(32)【優先日】2016-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】500046450
【氏名又は名称】レスメド・プロプライエタリー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(72)【発明者】
【氏名】クルーゾ,デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ハリントン,マシュー・ロルフ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】治療の快適性および有効性が向上し得る呼吸装置を提供する。
【解決手段】呼吸治療のための呼吸可能なガスを導通させる呼吸導管装置は、治療を支援するための電気回路コンポーネントを含み得る。患者インターフェース108および呼吸治療デバイス102との接続のための送達導管106は、マイクロコントローラユニットを有するカフを含み得る。このカフは、アクセサリ識別、治療制御、加熱および通信のためのガス特性検出のための回路コンポーネントと共に構成され得る。いくつかのバージョンにおいて、送達導管は、送達導管の終端部に配置された回路基板アセンブリ内にコントローラを含み得る。プリント回路基板は、カフ上のコンポーネントの制御および給電と、呼吸治療デバイスとの通信とを行うように構成され得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者への呼吸可能なガスの流れを送達する患者インターフェースおよび呼吸可能なガス
流れを生成する呼吸治療デバイスとの結合用の呼吸装置であって、
前記生成された呼吸可能なガスの流れを前記呼吸治療デバイスから前記患者インターフ
ェースへ導通させるように構成されたガス通路を有する送達導管であって、前記送達導管
は、呼吸治療デバイスカプラエンドおよび患者インターフェースカプラエンドを有し、前
記送達導管の長さは、前記呼吸治療デバイスカプラエンドから前記患者インターフェース
カプラエンドへ延びる、送達導管と、
前記呼吸治療デバイスカプラエンドよりも前記患者インターフェースカプラエンドに近
い前記送達導管の長さに沿った一点において前記送達導管上に取り付けられた無線トラン
シーバと
を含んでなる呼吸装置。
【請求項2】
前記無線トランシーバは、前記患者インターフェースカプラエンドにおいて接続された
アクセサリから送信されたアクセサリ識別子を検出するように構成される、請求項1の呼
吸装置。
【請求項3】
前記無線トランシーバは、前記患者インターフェースカプラエンドにおいて接続された
アクセサリから無線周波数識別タグおよび近距離無線通信識別タグのうち1つを読み出す
ように構成される、請求項1~2のいずれか1つの呼吸装置。
【請求項4】
前記アクセサリは、前記呼吸可能なガスの流れを前記送達導管から前記患者へ送達させ
るための患者インターフェースである、請求項2~3のいずれか1つの呼吸装置。
【請求項5】
前記無線トランシーバは、コントローラへ連結され、アクセサリの識別を含むデータを
前記コントローラへリレーするように構成される、請求項1~4のいずれか1つの呼吸装
置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記呼吸治療デバイスに配置される、請求項5の呼吸装置。
【請求項7】
前記コントローラは、前記送達導管上の回路基板上に配置され、前記無線トランシーバ
は、前記アクセサリの識別を含むデータを、有線接続を介して前記コントローラへリレー
するように構成される、請求項5の呼吸装置。
【請求項8】
前記コントローラは、前記アクセサリの識別を含むデータを前記呼吸治療デバイスのコ
ントローラへリレーするように構成される、請求項6の呼吸装置。
【請求項9】
前記送達導管の長さに沿って延びる2本以上のワイヤと、
前記送達導管の前記2本以上のワイヤを介して電源に接続するように適合された第1の
誘導性コネクタと、
電力を前記コントローラの前記回路コンポーネントへ導通させるようにコントローラの
回路コンポーネントへ接続された第2の誘導性コネクタであって、前記コントローラの前
記回路コンポーネントは、前記送達導管の終端部へ接続するように適合されたカフ内に構
成され、前記第1の誘導性コネクタは、電力を前記第2の誘導性コネクタへ誘導転送する
ように構成される、第2の誘導性コネクタと
をさらに含む、請求項1~8のいずれか1つの呼吸装置。
【請求項10】
少なくとも1つのコントローラが、前記患者インターフェースカプラエンドへ取り付け
られたアクセサリの持続使用期間を決定するように構成される、請求項1~9のいずれか
1つの呼吸装置。
【請求項11】
呼吸治療デバイスをさらに含む、請求項1~10のうちいずれか一項の呼吸装置。
【請求項12】
前記呼吸治療デバイス中の前記コントローラは、前記患者インターフェースカプラエン
ド中のコントローラに給電するように第1のスイッチを動作させるように構成され、前記
患者インターフェースカプラエンド中の前記コントローラは、前記送達導管内を流れる前
記呼吸可能なガスの加熱および前記コントローラ間のデータ通信を断続的に制御するよう
に第2のスイッチを動作させるように構成される、請求項11の呼吸装置。
【請求項13】
前記呼吸治療デバイスは、加湿器および流れ生成器を含む、請求項12の呼吸装置。
【請求項14】
呼吸装置制御デバイスであって、
呼吸治療デバイスのための呼吸可能なガス送達導管であって、前記呼吸可能なガス送達
導管は、前記呼吸治療デバイスの空気流れ生成器の出口に接続するように適合され、患者
インターフェースの呼吸可能なガス入口へ接続するように適合される、呼吸可能なガス送
達導管と、
前記呼吸可能なガス送達導管の一部の周囲において屈曲された表面を有するフレキシブ
ルプリント回路基板と、
前記フレキシブルプリント回路基板の前記表面に取り付けられたコントローラであって
、前記コントローラは、前記呼吸治療デバイスの1つ以上のパラメータの決定を制御する
ように構成される、コントローラと
を含んでなる呼吸装置制御デバイス。
【請求項15】
前記フレキシブルプリント回路基板は、通信インターフェースをさらに含み、前記通信
インターフェースは、前記送達導管に沿ったデータバスの1つ以上のワイヤへ接続するよ
うに適合され、前記コントローラは、前記通信インターフェースを制御して、前記データ
バス上のデータ信号を送信するように構成される、請求項14の呼吸装置制御デバイス。
【請求項16】
前記フレキシブルプリント回路基板の前記表面に取り付けられた無線トランシーバをさ
らに含み、前記無線トランシーバは、
前記呼吸治療デバイスの前記コントローラのトランシーバと
前記患者インターフェースの識別回路と
のうち一方または双方と通信するように構成される、請求項14~15のいずれか1つの
呼吸装置制御デバイス。
【請求項17】
前記1つ以上のパラメータのパラメータは、前記送達導管を通じて前記呼吸治療デバイ
スから送達される呼吸可能なガスの特性である、
請求項14~16のいずれか1つの呼吸装置制御デバイス。
【請求項18】
前記1つ以上のパラメータのパラメータは、前記送達導管の終端部へ連結された患者イ
ンターフェースの特性である、
請求項14~17のいずれか1つの呼吸装置制御デバイス。
【請求項19】
前記フレキシブルプリント回路基板の前記表面へ取り付けられた前記コントローラは、
前記呼吸可能なガスの特性の閉ループ制御のために前記送達導管中の呼吸可能なガスの特
性の測定を前記呼吸治療デバイスのコントローラへ通信するように構成される、
請求項14~18のいずれか1つの呼吸装置制御デバイス。
【請求項20】
前記フレキシブルプリント回路基板の前記表面へ取り付けられた前記コントローラは、
前記送達導管中の呼吸可能なガスの特性の測定を決定することと、前記呼吸可能なガスの
特性を制御することとを行うように構成される、
請求項14~18のいずれか1つの呼吸装置制御デバイス。
【請求項21】
前記呼吸可能なガスの前記制御される特性は温度であり、前記コントローラは、前記送達
導管のヒータ要素を動作させるように構成される、
請求項20の呼吸装置制御デバイス。
【請求項22】
前記フレキシブルプリント回路基板の前記表面へ取り付けられた前記コントローラは、
患者インターフェースの前記送達導管に対する接続および接続解除を検出することと、前
記検出に基づいて前記呼吸治療デバイスの動作を制御するためにデータ信号を呼吸治療デ
バイスのコントローラへ生成することとを行うように構成される、
請求項14~21のいずれか1つの呼吸装置制御デバイス。
【請求項23】
前記フレキシブルプリント回路基板は、前記表面へ取り付けられた1つ以上のセンサを
含む、
請求項14~22のいずれか1つの呼吸装置制御デバイス。
【請求項24】
前記フレキシブルプリント回路基板の前記表面は、前記送達導管の前記部位のアパチャ
を通じて前記送達導管のガス通路中へと屈曲されて、前記送達導管の前記ガス通路のガス
の特性を感知するために、前記延長ストリップへ取り付けられたセンサを前記ガス通路中
へ伸長させる延長ストリップを含む、
請求項14~22のいずれか1つの呼吸装置制御デバイス。
【請求項25】
前記1つ以上のセンサは、前記送達導管を通じて送達される空気の圧力、空気流れ、温
度および相対湿度のうち少なくとも1つ以上を測定するように適合される、
請求項23の呼吸装置制御デバイス。
【請求項26】
前記送達導管の部位は、患者インターフェースとの取り外し可能な連結のために適合さ
れた前記送達導管の円筒カフを含む、
請求項14~25のいずれか1つの呼吸装置制御デバイス。
【請求項27】
前記円筒カフは、前記フレキシブルプリント回路基板を封入するためのシースをさらに
含む、
請求項26の呼吸装置制御デバイス。
【請求項28】
前記円筒カフは前記送達導管のガス通路を含み、前記ガス通路は、前記フレキシブルプ
リント回路基板の前記表面へ取り付けられた前記コントローラによって制御されるヒータ
要素を含む、
請求項26~27のいずれか1つの呼吸装置制御デバイス。
【請求項29】
前記フレキシブルプリント回路基板の前記表面へ取り付けられた前記コントローラは、
1組のワイヤを通じて加熱動作とデータ信号伝達動作との間の断続的切り替えによってデ
ータ通信および前記送達導管の加熱を行うように構成される、前記1組のワイヤは、前記
送達導管に沿って延び、3つのワイヤ導体からなる、請求項14~28のいずれか1つの
呼吸装置制御デバイス。
【請求項30】
呼吸装置であって、
呼吸可能なガスの流れを患者へ生成する呼吸治療デバイスと、
呼吸治療デバイスからの呼吸可能なガスの流れを患者インターフェースへと伝導するた
めの送達導管と、
前記呼吸治療デバイスに配置された第1のコントローラと、
前記送達導管の患者エンドに配置されるかまたはその近隣に配置される第2のコントロ
ーラと、
前記第1のコントローラおよび前記第2のコントローラを接続させる前記送達導管に沿
った1組のワイヤであって、前記1組のワイヤは、前記送達導管の加熱および前記第1の
コントローラおよび前記第2のコントローラ間のデータ通信双方のための3つのワイヤを
含む、1組のワイヤと
を含んでなり、
前記第1のコントローラおよび第2のコントローラの片方または双方は、通信動作およ
び加熱動作を前記1組のワイヤを通じて交互にインターリーブするように構成される、呼
吸装置。
【請求項31】
前記1組のワイヤは、第1のワイヤ、第2のワイヤおよび接地ワイヤを含み、前記第1
のワイヤおよび接地ワイヤにより、前記第1のコントローラおよび前記第2のコントロー
ラ間のデータ通信が可能になり、前記第2のワイヤおよび前記接地ワイヤにより、前記呼
吸治療デバイスの電源からの電力を用いた前記送達導管のための熱が得られる、
請求項30の呼吸装置。
【請求項32】
前記呼吸治療デバイスに配置されかつ前記第1のコントローラによって制御される第1
のスイッチと、前記送達導管に配置されかつ前記第2のコントローラによって制御される
第2のスイッチとをさらに含む、請求項30~31のうちいずれか1つの呼吸装置。
【請求項33】
前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチそれぞれが閉められると、加熱動作が制
御される、請求項32の呼吸装置。
【請求項34】
前記第1のスイッチが閉められ、前記第2のスイッチが開けられると、通信動作の制御
が可能になる、請求項31~33のうちいずれか1つの呼吸装置。
【請求項35】
前記通信動作は、前記送達導管中の1つ以上のセンサからの測定の送信を含む、請求項
33の呼吸装置。
【請求項36】
前記1つ以上のセンサは、前記送達導管場中の空気流れ、圧力、温度および相対湿度の
うち少なくとも1つを測定するように構成される、請求項35の呼吸装置。
【請求項37】
前記通信動作は、前記送達導管へ連結されたアクセサリの識別の送信を含む請求項34
の呼吸装置。
【請求項38】
前記送達導管の前記患者エンドへ取り付けられたカフおよびシースをさらに含み、前記
第2のコントローラは、前記カフ上に配置され、前記シースによって被覆される、請求項
30~37のうちいずれか1つの呼吸装置。
【請求項39】
呼吸装置のための制御方法であって、前記呼吸装置は、呼吸可能なガスの流れを生成す
る呼吸治療デバイスと、前記生成された呼吸可能なガスの流れを前記呼吸治療デバイスか
ら患者インターフェースへ導通させる送達導管と、第1のコントローラを第2のコントロ
ーラへ連結させる1組のワイヤとを含み、前記1組のワイヤは、前記送達導管に沿って延
び、前記第1のコントローラおよび前記第2のコントローラを分離させ、前記制御方法は
、
通信動作において前記1組のワイヤを通じて前記第1のコントローラにおいてデータを
受信するステップと、
前記通信動作において前記第2のコントローラから前記1組のワイヤを通じて前記デー
タを送信するステップと、
加熱動作において前記第1のコントローラおよび第2のコントローラの片方または双方
によって前記1組のワイヤを加熱して、前記送達導管を通じて呼吸可能なガスの流れを加
熱するステップと、
前記加熱動作および前記通信動作をインターリーブするステップと
を含んでなる、制御方法。
【請求項40】
前記通信動作の前記データは、前記送達導管内を流れる前記呼吸可能なガスの流れ、圧力
、温度および相対湿度のうち1つ以上のものを示す、請求項39の制御方法。
【請求項41】
前記加熱動作は、パルス幅変調信号によって制御される、請求項39~40のうちいず
れか1つの制御方法。
【請求項42】
送達導管アセンブリを構築する方法であって、前記送達導管アセンブリは、呼吸治療デ
バイスからの呼吸可能なガスの流れを患者インターフェースへ導通させ、前記送達導管は
カフコネクタ端部を有しており、前記方法は、
前記フレキシブルプリント回路基板の表面を円筒形態に屈曲させるように、フレキシブ
ルプリント回路基板を前記カフコネクタ端部の外面の周囲にラップおよび貼付するステッ
プであって、前記カフコネクタ端部は、円筒ガス通路を含みかつ開口した第1の端部およ
び第2の端部を有する、ラップおよび貼付するステップと、
管の端部を前記カフコネクタ端部へ取り付けるステップと、
前記プリント回路基板および前記カフコネクタ端部の少なくとも一部をシースにより被
覆するステップと
を含んでなる、送達導管アセンブリを構築する方法。
【請求項43】
前記フレキシブルプリント回路基板の延長ストリップを前記カフコネクタ端部を通じて
アパチャに挿入して、前記延長ストリップ上に取り付けられたセンサを前記カフコネクタ
端部の前記円筒ガス通路に挿入するステップをさらに含む、請求項42の方法。
【請求項44】
前記挿入するステップの前に、前記センサおよび前記延長ストリップの端部をキャップ
で蓋をするステップをさらに含む、請求項43の方法。
【請求項45】
管の1組のワイヤの1つ以上のワイヤを前記フレキシブルプリント回路基板上の端子へ
貼付するステップをさらに含む、請求項42~45のうちいずれか1つの方法。
【請求項46】
前記カフコネクタ端部の通信路の周囲にワイヤアンテナをコイリングするステップと、
前記ワイヤアンテナのワイヤ端部を前記プリント回路基板の端子へ貼付するステップとを
さらに含む、請求項42~45のうちいずれか1つの方法。
【請求項47】
前記カフコネクタ端部を患者インターフェースへ取り外し可能に連結させるステップと
、
連結器を用いて前記管の端部を呼吸治療デバイス生成器へ取り外し可能に取り付けるス
テップと
をさらに含む、請求項42~46のうちいずれか1つの方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、米国仮特許出願第62/418,374号(出願日:2016年11月7日
)の利益を主張する。本明細書中に同文献を参照することにより援用する。
【0002】
技術の分野
本技術は、呼吸状態(例えば、特に閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)、睡眠呼吸障害(S
DB)、アレルギー誘発上気道閉塞または上気道の早期ウイルス感染に関連する状態)の
ための呼吸可能なガス治療の装置に関する。より詳細には、本技術は、このような呼吸治
療装置のための送達導管コンポーネントに関連する向上に関する。
【背景技術】
【0003】
技術の背景
睡眠は、良好な健康状態にとって重要である。睡眠の頻繁な妨害または睡眠分断がある
と、日中の眠気(およびそれに伴う自動車事故に遭う可能性)などの深刻な結果に繋がり
得、他にも、精神状態の低下、記憶の問題、鬱病および過度の緊張状態に繋がり得る。例
えば、鼻づまりの人が一定ポイントまでいびきをかいた場合、当人の睡眠の質にとって妨
害になり得る。同様に、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)患者は、パートナーの睡眠も妨害
し得る。OSA患者にとって最良の形態の治療として、持続的気道陽圧(CPAP)があ
る。CPAPは、流れ生成器(例えば、送風機(またはコンプレッサ))によって接続送
達ホースを介して患者インターフェースを用いて付加される。
【0004】
CPAP療法がOSAの治療において用いられている。例えば軟口蓋および舌を押して
後口咽頭壁へ前進または後退させることにより、持続陽圧呼吸療法が空気スプリントとし
て機能し、これにより上気道の閉鎖を防止し得る。CPAP治療によるOSAの治療は自
発的なものであり得るため、このような患者が治療の提供に用いられるデバイスについて
以下のうち1つ以上に気づいた場合、患者が治療を遵守しないことを選択する可能性があ
る:不快、使用困難、高価、または美観的な魅力の無さ。
【0005】
非侵襲的換気(NIV)は、上気道を通じて換気補助を患者へ提供して、呼吸機能の一
部または全体を行うことにより患者の呼吸の補助および/または身体中の適切な酸素レベ
ルの維持を提供する。換気補助が、非侵襲的患者インターフェースを介して提供される。
NIVは、OSA、呼吸不全および周期性変動呼吸の治療に用いられている。いくつかの
形態において、これらの治療の快適性および有効性が向上し得る。
【0006】
このような気道陽圧は、多くの形態で送達され得る。例えば、陽圧レベルを、患者の呼
吸サイクルの吸気レベルおよび呼気レベルにおいてほぼ一定のレベルで維持することがで
きる。あるいは、圧力レベルは、患者の呼吸サイクルと同期して変化するように調整され
得る。例えば、患者の快適性のため、圧力は、吸気時に1つのレベルに設定され得、呼気
時に別のより低いレベルに設定され得る。このような圧力治療システムは、バイレベルと
も呼ばれ得る。あるいは、患者の呼吸サイクルの変化を円滑に繰り返すために、圧力レベ
ルが連続的に調整され得る。呼気時に圧力設定が吸気よりも低いことは、一般的に呼気圧
力解放と呼ばれ得る。Sullivanによる米国特許第4,944,310号明細書に
記載のように、気道陽圧治療の場合、圧力下のガスを患者へ4~15cmH2Oの範囲で
デバイスから提供することが多く、流量は約120リットル/分であり得る。終端絞りま
たは通気部を介して空気の一部が逃げる場合があり、患者へ送達されないことがある。こ
れらの圧力設定は、患者気道の状態の検出に基づいて調節することもできる。例えば、部
分的閉塞、無呼吸、呼吸低下またはいびきなどが検出されたのに応答して、治療圧力増加
させることができる。
【0007】
呼吸管治療提供のための他のデバイスが公知である。例えば、Schroederらに
よれば、米国特許第7,314,046号明細書において、ヒトの患者の呼吸管へ加熱お
よび加湿された空気を送達させる装置が記載されている。同様に、Gengerらによれ
ば、コンプレッサおよび鼻空気カニューレを備えるいびき防止デバイスが米国特許第7,
080,645号明細書に開示されている。
【0008】
本技術の典型的なシステムは、呼吸圧力治療デバイス(RPTデバイス)、空気回路、
加湿器、および患者インターフェースなどの呼吸治療デバイスを含み得る。
【0009】
患者インターフェース
患者インターフェースは、例えば気道入口への空気流れを提供することにより呼吸装具
へのインターフェースを使用者へ提供するために、用いられ得る。空気流れは、鼻および
/または口腔へのマスク、口腔への管、またはユーザの気管への気管切開管を介して提供
され得る。適用される療法に応じて、患者インターフェースは、例えば患者の顔領域との
密閉部を形成し得、これにより、療法実行のための雰囲気圧力と共に充分な分散の圧力に
おいて(例えば、例えば約10cmH2Oの陽圧)ガス送達を促進する。酸素送達などの
他の治療形態において、患者インターフェースは、約10cmH2Oの陽圧において気道
へのガス供給の送達を促進するのに充分な密閉を含まない場合がある。
【0010】
異なる種類の患者インターフェースは、その製造業者によって鼻カニューレ、鼻マスク
、フルフェイスマスク、鼻枕、鼻パフおよび口鼻マスクなどの多様な名称によって公知で
あり得る。
【0011】
空気回路
空気回路(例えば、1つ以上の導管)は、流れ生成器と患者インターフェースとの間を
空気力学的に接続させ得、デバイス間に呼吸可能なガス(例えば、空気および/または酸
素)を移動させ得る。空気回路は、空気送達管または送達導管と呼ばれ得る。いくつかの
場合において、吸息および呼息のための回路の別個の肢があり得る。他の場合において、
単一の肢が用いられる。
【0012】
呼吸圧力治療(RPT)デバイス
睡眠呼吸障害の治療に用いられる1つの公知のRPTデバイスとして、S9睡眠治療シ
ステム(製造元:ResMed)がある。RPTデバイスの別の例として、非侵襲的人工
呼吸器がある。
【0013】
RPTデバイスは典型的には、圧力または流れ生成器(例えば、電動送風機(例えば、
ボリュート内の羽根車およびサーボ制御モータ)または圧縮ガスリザーバ)を含み、患者
の気道へ空気流れを供給するように構成される。場合によっては、空気流れは、患者の気
道へ陽圧で供給され得る。RPTデバイスの出口は、空気回路を介して上記したような患
者インターフェースへ接続される。本明細書中、RPTデバイスは、呼吸治療デバイスと
呼ばれ得る。
【0014】
加湿器
空気流れの送達を加湿無しで行った場合、気道の乾燥に繋がり得る。加湿器をRPTデ
バイスおよび患者インターフェースと共に用いた場合、加湿ガスが生成されるため、鼻粘
膜の乾燥が最小化され、患者気道の快適性が増加する。加えて、より冷涼な気候において
は、概して患者インターフェースの周囲の顔領域へ温風を付加すると、冷風の場合よりも
快適性が高まる。一定範囲の人工的加湿機器およびシステムが公知であるが、医療加湿器
の特殊な要件を満たせていない。
【0015】
呼吸加湿器は、多様な形態で市販されており、スタンドアロンデバイスであり得、空気
回路を介してRPTデバイスへ接続され、RPTデバイスと一体化されるか、または関連
RPTデバイスと直接接続されるように構成され得る。
【0016】
呼吸治療システムのコンポーネントの相互間およびこれらのコンポーネントとユーザと
の間の情報交換を向上させることが望まれている。呼吸治療システムの全般的な動作が結
果的に向上し得、よってその結果得られるユーザへの治療も向上し得る(例えば、快適性
、治療の質および/またはコンプライアンス)。
【0017】
さらに、コンポーネントにさらなる機能を導入することも望まれ得る(例えば呼吸治療
システムの他のコンポーネント、ユーザと対話するかまたはスタンドアロン能力を持つこ
と)。呼吸治療システムのコンポーネント内における通信における従来の解決法の場合、
不便であり得、利用が困難であるかまたは高価であり得る。いくつかの場合において、呼
吸治療システムのコンポーネントについての従来の解決法は、機能が限られているか、ま
たは、残りの呼吸治療システムの特定の構成の利点を生かすように構成されていない場合
がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
このような呼吸治療システムの相互接続されたコンポーネント間の動作向上のために、
これらのデバイス(例えば、空気回路または空気管送達)をさらに開発することが望まれ
得る。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本技術の簡単な説明
本技術の態様において、システム、装置および方法により、患者のための呼吸治療が提
供される。
【0020】
本技術のいくつかのバージョンは、呼吸治療デバイス用などの呼吸可能なガス送達導管
、例えばデバイスおよび/または患者インターフェースとの結合のためのそれを含み得る
。
【0021】
本技術のいくつかのバージョンは、制御回路を備えたこのような送達導管(例えば、無
線トランシーバを含むもの)を含み得る。
【0022】
本技術のいくつかのバージョンは、送達導管の呼吸可能なガスの状態を検出する1つ以
上のセンサを有する統轄コントローラを備えたこのような送達導管を含み得る。
【0023】
本技術のいくつかのバージョンは、アクセサリまたは患者インターフェースの送達導管
への取付を検出することが可能な統轄コントローラを備えたこのような送達導管を含み得
る。
【0024】
本技術のいくつかのバージョンは、送達導管へ取り付けられたアクセサリまたは患者イ
ンターフェースから識別情報を無線的に受信するように構成された統轄コントローラを備
えたこのような送達導管を含み得る。
【0025】
本技術のいくつかのバージョンは、患者への呼吸可能なガスの流れを送達する患者イン
ターフェースおよび呼吸可能なガス流れを生成する呼吸治療デバイスとの結合用の呼吸装
置を含み得る。本呼吸装置は、生成された呼吸可能なガスの流れを呼吸治療デバイスから
患者インターフェースへ導通させるように構成されたガス通路を有する送達導管を含み得
る。送達導管は、呼吸治療デバイスカプラエンドおよび患者インターフェースカプラエン
ドを有し得る。送達導管は、呼吸治療デバイスカプラエンドから患者インターフェースカ
プラエンドへ延びる長さを有し得る。呼吸装置は、呼吸治療デバイスカプラエンドよりも
患者インターフェースカプラエンドに近接した送達導管の長さに沿った一点において送達
導管上に取り付けられた無線トランシーバを含み得る。
【0026】
いくつかのバージョンにおいて、無線トランシーバは、患者インターフェースカプラエ
ンドにおいて接続されたアクセサリから送信されたアクセサリ識別子を検出するように構
成され得る。無線トランシーバは、無線周波数識別タグおよび近距離無線通信識別タグの
うち1つを患者インターフェースカプラエンドにおいて接続されたアクセサリから読むよ
うに構成され得る。アクセサリは、呼吸可能なガスの流れを送達導管から患者へ送達させ
るための患者インターフェースであり得る。無線トランシーバは、コントローラへ接続さ
れ得、アクセサリの識別を含むデータをコントローラへリレーするように構成され得る。
コントローラは、呼吸治療デバイスに配置され得る。コントローラは、送達導管上の回路
基板上に配置され得、無線トランシーバは、アクセサリの識別を含むデータを、有線接続
を介してコントローラへリレーするように構成され得る。コントローラは、アクセサリの
識別を含むデータを、呼吸治療デバイスを介して呼吸治療デバイスのコントローラへリレ
ーするように構成され得る。呼吸装置は、送達導管の長さに沿って延びる2本以上のワイ
ヤを含み得る。呼吸装置は、送達導管の2本以上のワイヤを介した電源への接続のために
適合された第1の誘導性コネクタを含み得る。呼吸装置は、回路コンポーネントのコント
ローラへ電力を導通させるようにコントローラの回路コンポーネントへ接続された第2の
誘導性コネクタを含み得、コントローラの回路コンポーネントは、送達導管の終端部へ接
続するように適合されたカフとして構成される。第1の誘導性コネクタは、電力を第2の
誘導性コネクタへ誘導転送するように構成され得る。
【0027】
いくつかのバージョンにおいて、少なくとも1つのコントローラは、患者インターフェ
ースカプラエンドへ取り付けられたアクセサリの持続使用期間を決定するように構成され
得る。装置は、呼吸治療デバイスを含み得る。呼吸治療デバイス中のコントローラは、患
者インターフェースカプラエンド中のコントローラを給電するように第1のスイッチを動
作させるように構成され得、患者インターフェースカプラエンド中のコントローラは、送
達導管内を流れる呼吸可能なガスの加熱およびコントローラ間のデータ通信を断続的に制
御するように、第2のスイッチを動作させるように構成される。呼吸治療デバイスは、加
湿器および流れ生成器を含み得る。
【0028】
本技術のいくつかのバージョンは、呼吸装置制御デバイスを含み得る。デバイスは、呼
吸治療デバイスのための呼吸可能なガス送達導管を含み得る。呼吸可能なガス送達導管は
、呼吸治療デバイスの空気流れ生成器の出口へ接続するように適合され得、患者インター
フェースの呼吸可能なガス入口へ接続するように適合され得る。デバイスは、呼吸可能な
ガス送達導管の一部の周囲において屈曲された表面を有するフレキシブルプリント回路基
板を含み得る。デバイスは、フレキシブルプリント回路基板の表面へ取り付けられたコン
トローラを含み得る。コントローラは、呼吸治療デバイスのための1つ以上のパラメータ
の決定を制御するように構成され得る。
【0029】
いくつかのバージョンにおいて、フレキシブルプリント回路基板は、通信インターフェ
ースを含み得る。通信インターフェースは、送達導管に沿ってデータバスの1つ以上のワ
イヤへ接続するように適合され得る。コントローラは、通信インターフェースを制御して
、データバス上のデータ信号を送信するように構成される。デバイスは、フレキシブルプ
リント回路基板の表面へ取り付けられた無線トランシーバを含み得る。無線トランシーバ
は、呼吸治療デバイスのコントローラのトランシーバおよび患者インターフェースの識別
回路のうち一方または双方と通信するように構成され得る。1つ以上のパラメータのパラ
メータは、呼吸治療デバイスから送達導管を通じて送達される呼吸可能なガスの特性であ
り得る。1つ以上のパラメータのパラメータは、送達導管の終端部へ接続された患者イン
ターフェースの特性であり得る。フレキシブルプリント回路基板の表面へ取り付けられた
コントローラは、呼吸可能なガスの特性の閉ループ制御のために送達導管の呼吸可能なガ
スの特性の測定を呼吸治療デバイスのコントローラへ通信するように構成され得る。フレ
キシブルプリント回路基板の表面へ取り付けられたコントローラは、送達導管中の呼吸可
能なガスの特性の測定を決定することと、呼吸可能なガスの特性を制御することとを行う
ように構成され得る。呼吸可能なガスの制御される特性は温度であり得、コントローラは
、送達導管のヒータ要素を動作させるように構成され得る。
【0030】
いくつかのバージョンにおいて、フレキシブルプリント回路基板の表面へ取り付けられ
たコントローラは、患者インターフェースの送達導管への接続および接続解除を検出する
ように構成され得、検出に基づいて呼吸治療デバイスの動作を制御するためにデータ信号
を呼吸治療デバイスのコントローラへ生成するように構成され得る。フレキシブルプリン
ト回路基板は、表面へ取り付けられた1つ以上のセンサを含み得る。フレキシブルプリン
ト回路基板の表面は、延長ストリップを含み得る。この延長ストリップは、送達導管の部
位のアパチャを通じて送達導管のガス通路中へと屈曲されて、送達導管のガス通路のガス
の特性を感知するために、延長ストリップへ取り付けられたセンサをガス通路中へ伸長さ
せる。これらの1つ以上のセンサは、送達導管を通じて送達される空気の圧力、空気流れ
、温度および相対湿度のうち少なくとも1つ以上を測定するように適合され得る。送達導
管の部位は、患者インターフェースとの取り外し可能な連結のために適合された送達導管
の円筒カフを含み得る。円筒カフは、フレキシブルプリント回路基板を封入するためのシ
ースをさらに含み得る。円筒カフは送達導管のガス通路を含み得、ガス通路は、フレキシ
ブルプリント回路基板の表面へ取り付けられたコントローラによって制御されるヒータ要
素を含み得る。フレキシブルプリント回路基板の表面へ取り付けられたコントローラは、
1組のワイヤを通じて加熱動作とデータ信号伝達動作との間の断続的切り替えによってデ
ータ通信および送達導管の加熱を行うように構成され得る。1組のワイヤは、送達導管に
沿って延び得、3つのワイヤ導体からなり得る。
【0031】
本技術のいくつかのバージョンは、呼吸装置を含み得る。呼吸装置は、呼吸可能なガス
の流れを生成する呼吸治療デバイスを含み得る。呼吸装置は、生成された呼吸可能なガス
の流れを呼吸治療デバイスから患者インターフェースへ導通させるための送達導管を含み
得る。呼吸装置は、呼吸治療デバイスに配置された第1のコントローラを含み得る。呼吸
装置は、送達導管の患者エンドに配置されるかまたはその近隣に配置される第2のコント
ローラを含み得る。呼吸装置は、第1のコントローラおよび第2のコントローラを接続さ
せる送達導管に沿って1組のワイヤを含み得る。1組のワイヤは、3つのワイヤを含み得
る。これら3つのワイヤは、送達導管の加熱と、第1のコントローラおよび第2のコント
ローラ間のデータ通信との双方のためのものである。第1のコントローラおよび第2のコ
ントローラの片方または双方は、通信動作および加熱動作を1組のワイヤを通じて交互に
インターリーブするように構成され得る。
【0032】
いくつかのバージョンにおいて、1組のワイヤは、第1のワイヤ、第2のワイヤおよび
接地ワイヤを含み得る。第1のワイヤおよび前記接地ワイヤにより、第1のコントローラ
および第2のコントローラ間のデータ通信が可能になり得る。第2のワイヤおよび前記接
地ワイヤにより、呼吸治療デバイスの電源からの電力を用いて送達導管のための熱が得ら
れ得る。呼吸装置は、第1のコントローラによって制御され得、かつ呼吸治療デバイスに
配置され得る第1スイッチと、第2のコントローラによって制御され得、かつ送達導管に
配置され得る第2のスイッチと、を含み得る。第1のスイッチおよび第2のスイッチそれ
ぞれを閉めることにより、加熱動作が制御され得る。第1のスイッチを閉め、第2のスイ
ッチを開けると、通信動作の制御が可能になり得る。通信動作は、送達導管中の1つ以上
のセンサからの測定の送信を含み得る。いくつかの場合において、1つ以上のセンサは、
送達導管場中の空気流れ、圧力、温度および相対湿度のうち少なくとも1つを測定するよ
うに構成され得る。通信動作は、送達導管へ連結されたアクセサリの識別の送信を含み得
る。
【0033】
いくつかのバージョン、呼吸装置は、送達導管の患者エンドへ取り付けられたカフおよ
びシースを含み得る。第2のコントローラは、カフ上に配置され得、シースによって被覆
され得る。
【0034】
本技術のいくつかのバージョンは、呼吸装置の制御方法を含み得る。呼吸装置は、呼吸
可能なガスの流れを生成する呼吸治療デバイスと、生成された呼吸可能なガスの流れを呼
吸治療デバイスから患者インターフェースへ導通させる送達導管と、第1のコントローラ
を第2のコントローラへ連結させる1組のワイヤとを含み得る。1組のワイヤは、送達導
管に沿って延び、第1のコントローラおよび第2のコントローラを分離させる。制御方法
は、通信動作においてデータを1組のワイヤを通じて第1のコントローラにおいて受信す
ることを含み得る。制御方法は、前記通信動作においてデータを第2のコントローラから
1組のワイヤを通じて送信することを含み得る。制御方法は、加熱動作において1組のワ
イヤを第1のコントローラおよび第2のコントローラの片方または双方によって加熱して
、呼吸可能なガスの流れを送達導管を通じて加熱することを含み得る。制御方法は、加熱
動作および通信動作をインターリーブすることを含み得る。
【0035】
いくつかのバージョンにおいて、通信動作のデータは、送達導管内を流れる呼吸可能な
ガスの流れ、圧力、温度および相対湿度のうち1つ以上を示す。加熱動作は、パルス幅変
調信号によって制御され得る。
【0036】
本技術のいくつかのバージョンは、送達導管アセンブリを構築する方法を含み得る。送
達導管アセンブリは、呼吸治療デバイスからの呼吸可能なガスの流れを患者インターフェ
ースへと伝導するためのものであってよい。送達導管は、カフコネクタ端部を有し得る。
本方法は、フレキシブルプリント回路基板の表面を円筒形態に屈曲させるように、フレキ
シブルプリント回路基板をカフコネクタ端部の外面の周囲にラップおよび貼付することを
含み得る。カフコネクタ端部は、円筒ガス通路を含み得、開口した第1の端部および第2
の端部を有し得る。本方法は、管の端部をカフコネクタ端部へ取り付けることを含み得る
。本方法は、プリント回路基板と、カフコネクタ端部の少なくとも一部とをシースにより
被覆することを含み得る。
【0037】
いくつかのバージョンにおいて、本方法は、フレキシブルプリント回路基板の延長スト
リップをカフコネクタ端部を通じてアパチャに挿入して、延長ストリップ上に取り付けら
れたセンサをカフコネクタ端部の円筒ガス通路に挿入することを含み得る。本方法は、挿
入することの前に、センサおよび延長ストリップの端部をキャップで蓋することを含み得
る。本方法は、管の1組のワイヤの1つ以上のワイヤをフレキシブルプリント回路基板上
の端子へ貼付することを含み得る。本方法は、カフコネクタ端部の通信路の周囲にワイヤ
アンテナをコイリングすることと、ワイヤアンテナのワイヤ端部をプリント回路基板の端
子へ貼付することとを含み得る。本方法は、カフコネクタ端部を患者インターフェースへ
取り外し可能に連結させることを含み得る。本方法は、連結器を用いて管の端部を呼吸治
療デバイス生成器へ取り外し可能に取り付けることを含み得る。
【0038】
もちろん、上記態様の一部は、本技術の下位態様を形成し得る。また、下位態様および
/または態様のうち多様な1つを多様に組み合わせることができ、本技術のさらなる態様
または下位態様も構成し得る。
【0039】
本技術の他の特徴は、以下の詳細な説明、要約、図面および特許請求の範囲中に含まれ
る情報に鑑みれば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本技術を、添付図面中に非限定的に一実施例として例示する。図面中、類似の参照符号
は、以下の類似の要素を含む。
【0041】
【
図1】患者気道の呼吸治療のための例示的呼吸治療システムのブロック図である。
【
図2】
図1に示す1つの形態の呼吸治療システムが患者によって用いられている様子の斜視図である。
【
図3】本技術の一例による、加熱される管を有する送達導管中に加熱コンポーネントおよび信号伝達コンポーネントを含む呼吸治療システムを示すブロック図である。
【
図4】本技術の一例による、加熱されていない管バージョンとして加熱コンポーネントおよび信号伝達コンポーネントを送達導管中に含む呼吸治療システムを示すブロック図である。
【
図5】本技術の一例による、加熱される管を有する送達導管中に加熱コンポーネントおよび信号伝達コンポーネントを含む呼吸治療システムを示す回路図である。
【
図5A】NTCサーミスタをカフ中に含む本技術の一例の別の回路図である。
【
図6】
図5に示すシステムのための例示的な制御スキームを示す。
【
図7】本技術の一例による、加熱される管バージョンとして送達導管の共通接地ワイヤを共有する加熱コンポーネントおよび信号伝達コンポーネントを有するシステムの別のブロック図である。
【
図8】
図7に示すシステムのための例示的制御スキームを示す。
【
図9】本技術の一例による、加熱される管バージョンとして送達導管の共通接地ワイヤを共有する加熱コンポーネントおよび信号伝達コンポーネントを示すシステムの別のブロック図である。
【
図10A】上記例のいずれかにおいて用いられる例示的プリント回路基板を示す斜視図である。
【
図10B】上記例のいずれかにおいて用いられる例示的プリント回路基板を示す斜視図である。
【
図11】本技術の一例による、呼吸治療システムのための送達導管の例示的アセンブリの分解斜視図である。
【
図12】本技術の一例による、呼吸治療システムの送達導管のための例示的モジュール型アセンブリの分解側面図である。
【
図13A】多様な組立段階における
図12の送達導管モジュール型アセンブリの部位を示す。
【
図13B】多様な組立段階における
図12の送達導管モジュール型アセンブリの部位を示す。
【
図13C】多様な組立段階における
図12の送達導管モジュール型アセンブリの部位を示す。
【
図13D】多様な組立段階における
図12の送達導管モジュール型アセンブリの部位を示す。
【
図13E】多様な組立段階における
図12の送達導管モジュール型アセンブリの部位を示す。
【
図13F】多様な組立段階における
図12の送達導管モジュール型アセンブリの部位を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
詳細な説明
本技術の例が、
図1に示すコンポーネントのいくつかまたは全てを含む呼吸治療システ
ム100に関連して検討され得る。このようなコンポーネントの実行様態は、
図2の図示
も参照して検討され得る。例えば、呼吸治療システム100は、呼吸治療デバイス102
を含み得る。呼吸治療デバイス102は典型的には、サーボ制御型送風機104などの流
れ生成器を含む。送風機104は典型的には、空気入口と、モータ(図示せず)によって
駆動される羽根車とを含む。任意選択的に、酸素を送風機の上流または下流に導入するこ
とにより、羽根車からユーザの気道へ供給される呼吸可能なガスと混合されるかまたは呼
吸可能なガスを補足し得る。さらに、HEPAフィルタなどの空気フィルタ103を設け
ることにより、空気入口中へ引き込まれる空気から粉塵または他のアレルゲンを除去する
ことができる。送風機は、治療種別(例えば、CPAP、バイレベル、APAPなど(例
えば、4~40cmH2Oの例示的範囲内の圧力(例えば、4~15cmH2Oまたは4
~25cmH2O)))に応じて患者呼吸サイクルと関連付けられた異なる流れまたは異
なる圧力を生成するように任意選択的に構成され得、装置によって検出された呼吸状態(
例えば、無呼吸、呼吸低下、閉塞など)呼吸状態(例えば、無呼吸、呼吸低下、閉塞など
)に基づいてさらに調節され得る。
【0043】
呼吸治療デバイス102は、空気流れまたは呼吸可能なガスの流れをデバイスのユーザ
または患者の上気道(単数または複数)へ送達させるように、呼吸可能なガス送達導管1
06および患者インターフェース108へ接続されるように構成され得る。一例において
、患者インターフェースは、送達導管と連結された鼻マスクまたは口腔および鼻マスク(
例を
図2に示す)であり得る。送達導管106は、(例えば、送風機の出力または送風機
のボリュートあるいは加湿器の出力において)患者インターフェース108および呼吸治
療デバイス102の対応する連結器それぞれと連結するための空気圧連結器を各端部に含
み得る。
【0044】
一態様によれば、加湿器110は、空気流れがRPTデバイス4000を通過する際に
RPTデバイス102からの空気流れを加湿するように、構成される。一形態において、
加湿器110は、空気流れがリザーバ5110中の一定量の水と接触しつつ、空気流れの
リザーバ112中の蛇行経路の移動を促進するように、構成され得る。
【0045】
よって、呼吸治療デバイス102は、加湿器110を含み得る。加湿器110は、加湿
器リザーバ112および加湿器ヒータ111を含み得る。加湿器は、呼吸可能なガスを所
望の温度および/または湿度まで加熱および/または加湿するように構成または制御され
得る。例えば、加湿器は、呼吸可能なガスが加湿器リザーバ112の流体あるいは蒸気を
通過するかまたは加湿器リザーバ112の流体あるいは蒸気に近接するか加湿器リザーバ
112の流体または蒸気へ移動するように、構成され得る。ヒータ111は、加湿器リザ
ーバ112中に含まれる流体を加熱する1つ以上の加熱要素および/または加熱プレート
を含み得る。一実施形態において、ヒータは、ヒータプレートのベースへ接着取付され得
るラミネートフィルムヒータに基づき得る。ヒータ要素は、温度センサをヒータ膜上に含
み得る。さらなる選択肢として、ヒータ111は、加湿器のリザーバの液体と接触してい
るが、リザーバの液体と接触していないさらなるヒータにより、加湿器を通じて移動する
流れ生成器からの呼吸可能なガスを加熱してもよい。加湿器は、
図2に示すように呼吸治
療デバイス102に取り外し可能に連結してもよいし、あるいは呼吸治療デバイス102
と一体的に構築してもよい。
【0046】
呼吸治療デバイスは、蒸気コンポーネント(例えば、送風機104およびヒータ111
)のうちいずれかまたは全てを制御するコントローラ120も含み得る。例えば、コント
ローラは、1つ以上のプロセッサ(例えば、プログラマブルプロセッサまたは特定用途向
け集積チップ)を含み得、電源114から被制御コンポーネントへ供給される電力量を制
御し得る。電源114は、バッテリを含み得る。このバッテリは、呼吸治療デバイス10
2と統合されるか、または、呼吸治療デバイス102へ電気的に連結された別個のモジュ
ール中に収容される。追加的にまたは代替的に、電源114は、AC/DC変圧器(例え
ば、主電源から電力を受けるもためのもの)を含んでもよいし、またはAC/DC変圧器
に連結されてもよい。いくつかの場合において、導管は、例えばバッテリを送達導管10
6中に(例えば、そのカフ中に)を含むことにより、自身の固有の電源を含み得る。
【0047】
呼吸治療システム100は、1つ以上のセンサを含み得る。コントローラ120は、1
つ以上のセンサ(例えば、流れ(流量とも呼ばれる)センサ、温度センサ、圧力センサ、
相対湿度センサなど)へ連結されるかまたは1つ以上のセンサから信号を受信し得、これ
により、センサデータを受信することと、受信されたセンサデータに基づいて呼吸治療デ
バイス102の動作制御を決定することとを行う。いくつかの例において、1つ以上のセ
ンサは、送風機104および加湿器110のうち1つ以上に関連する状態に関するデータ
および/または信号を提供するように、このような状態を感知するように構成され得る。
例えば、流れセンサ132は、送風機の入口またはその近隣、送風機内、送風機104の
出口または送風機のボリュートに位置決めされ得、温度センサ134および湿度センサ1
36が、加湿器リザーバ112またはその近隣に位置決めされ得る。温度センサおよび湿
度センサにより、デバイスの温度および/または湿度の制御または設定のための温度信号
または湿度信号が生成される。
【0048】
いくつかのセンサが、周囲条件の測定のために配置され得る。代替的にまたは追加的に
、1つ以上のセンサ(例えば、センサ142、144、145)が、送達導管106の下
流、(例えば、患者インターフェース108またはその近隣)に配置され得る。送達導管
のこのようなセンサは、例えば圧力センサ、湿度センサ、温度センサおよび流れセンサの
うち1つ以上であり得る。例えば、このようなセンサは、圧力センサ、湿度センサおよび
温度センサであり得る。
【0049】
呼吸治療システム100のためのさらなるコンポーネントを送達導管106に設けるか
または送達導管106内に一体化させてもよく、これにより、呼吸治療デバイス102の
コンポーネントまたはシステムの他の部分を補足および/または呼吸治療デバイス102
のコンポーネントまたはシステムの他の部分と共に機能することが可能になる。これらの
さらなるコンポーネントにより、呼吸治療デバイス102間の情報の通信(例えば、その
コントローラ、加湿器110、送達導管106および患者インターフェース108とのも
の)が向上し得る。さらなるデバイスにより、さらなる(または向上した)機能を呼吸治
療システム100へ提供することも可能になり得る。例えば、異なる複数組のコンポーネ
ント(例えば、センサ)が、異なるバージョンの送達導管中へ設けられ得る。次に、送達
導管のこれらの複数組のコンポーネントが、異なる/新規の送達導管バージョンが呼吸治
療デバイス102へ接続された際に、呼吸治療デバイス102のコントローラによって用
いられ得る。例えば、コントローラは、新規に連結された送達導管のアクセサリコンポー
ネントの能力に応じて、新規送達導管の連結および変更動作(例えば、治療動作)を検出
し得る。この点について、送達導管は、送達導管と呼吸治療デバイス102(例えば、コ
ントローラ120)との間の電子通信(例えば、有線または無線)を可能にするためのコ
ンポーネントと共に構成され得る。制御回路およびセンサを有する送達導管を用いること
により、コンポーネントが用いられ得る呼吸治療デバイスの動作の維持およびアップグレ
ードのために、ポーネントの容易な交換およびアップグレードが可能になり得る。
【0050】
例えば、呼吸治療デバイス102のコンポーネント間の情報リレーを支援するために、
無線トランシーバ152(例えば、無線周波数識別(RFID)リーダまたは近距離無線
通信(NFC)リーダ)が送達導管中または送達導管上に設けられ得る。トランシーバは
、例えば患者エンドまたは近位送達導管の端部の近位に(例えば、送風機104へ接続さ
れた端部ではなく患者インターフェース108へ接続された送達導管の端部により近接し
て)設けられ得、送信器160または他の識別回路(例えば、送達導管へ連結されたデバ
イスのRFIDタグまたはNFCタグ)上に保存されたデータを読み出すように構成され
得る。例えば、患者インターフェース108がこのような送信器またはタグと共に起動さ
れるかまたは送達導管へ連結されると、そのデータを送達導管のトランシーバへ送信し得
る。このような送信可能なデータは、種類、モデル番号、製造日、または接続されたデバ
イスまたは患者インターフェース108に関する他の任意の関連情報、接続されたデバイ
スの使用に関連する情報、およびユーザに関連する情報のうち1つ以上を示し得る。いく
つかの場合において、代替的にまたは追加的に、無線トランシーバは、このような送信を
他の無線プロトコル(例えば、BluetoothまたはBluetoothLE)を用
いて実行され得る。
【0051】
無線トランシーバ152は、制御プロセッサ(例えば、呼吸治療デバイス102のコン
トローラ120)または呼吸治療システムに向かってまたは呼吸治療システムの近位(患
者エンド)に配置された(例えば、送達導管106と一体化された(以下により詳細に説
明する))第2のコントローラ156(例えば、マイクロプロセッサまたはマイクロコン
トローラ)へも情報を通信し得る。トランシーバへ通信される情報を挙げると、例えば、
センサデータ(例えば、センサ142、144または145からのもの)、センサ構成/
種類および/またはタグデータ(例えば、タグまたは送信器160からのもの)がある。
いくつかの場合において、データを呼吸治療デバイス102のコントローラ120へ送る
ことにより、第2のコントローラ156は、トランシーバから得られたデータをリレーし
得る。次に、コントローラ120は、リレーされた情報を用いて、(例えば、患者インタ
ーフェース108または治療制御の特定の選好または要求を満たすために)制御動作をカ
スタマイズすることができる。代替的にまたは追加的に、コントローラ120は、リレー
された情報を用いて、患者インターフェースが使用されている時間の長さを(例えば、患
者インターフェースがトランシーバによって初めて検出された時間に基づいて、患者イン
ターフェースがトランシーバによって検出されている時間長さの合計に基づいて)決定し
得、動作を制御し得る(例えば、使用時間に関連する警告を相応に生成し得る)。同様に
、トランシーバは、デバイスの動作をさらにカスタマイズするために、呼吸治療デバイス
へ接続された他のアクセサリ上に保存されたデータを読取りおよびリレーすることもでき
る。
【0052】
いくつかのバージョンにおいて、送達導管制御回路は、取付可能なアクセサリ/コンポ
ーネントの存否を決定するように構成されたセンサを含み得る。例えば、誘導性近接セン
サが、カフ中に配置され得る。いくつかのこのようなバージョンにおいて、センサは、例
えば金属(強磁性)リングを備えたアクセサリ(例えば、患者インターフェース)の存在
を決定し得る。
【0053】
送達導管センサ(例えば、センサ142、144、145)および/またはトランシー
バ152からの情報は、有線信号伝達または無線信号伝達あるいは通信によりコントロー
ラ120へリレーされ得る。例えば、有線通信は、呼吸治療デバイス102からトランシ
ーバへ送達導管の長さだけ延びる2本以上のワイヤを含む送達導管に沿って延びる1組の
ワイヤの有線データバス170を介して実行され得る。無線通信は、トランシーバ152
と、呼吸治療デバイス102内のコントローラ120と一体化または連結された任意選択
の第2のトランシーバ122と共に実行され得る。トランシーバ152からの無線通信は
、呼吸治療デバイストランシーバと導管トランシーバとの間の直接的無線接続を介して実
行してもよいし、あるいは任意の数の中間通信リンクを介して(例えば、リモート制御、
スマートフォン、インターネット(例えば、インターネットなど)を介して)実行しても
よい。このような通信により、例えばコントローラ120を用いて提供される治療のパラ
メータおよび設定を調節するための情報をコントローラ120へ提供することができる。
例えば、センサからのこのような情報は、呼吸治療デバイスと共にコントローラ120に
よって実行される任意の制御ループへの入力として機能し得る(例えば、圧力制御、温度
制御、流れ制御、湿度制御など)。
【0054】
いくつかの場合において、送達導管は、1つ以上のヒータまたは加熱要素(単数または
複数)(例えば、送達管ヒータ154)も含み得る。これらのコンポーネントは、呼吸可
能なガスが加湿器または流れ生成器から送達導管中へ移動した後に呼吸可能なガスの温度
維持を支援するように、送達導管106内または送達導管106上に(例えば、実質的に
そのガス経路に沿って)設けられ得る。いくつかのバージョンにおいて、1つ以上のヒー
タまたは加熱要素(単数または複数)は、端部(例えば、送達導管のカフ内)に隔離され
得る。よって、送達導管は、1つ以上の加熱要素をガス経路に沿っておよび/または送達
導管のカフ内に有し得る。送達導管を温かく保持することにより、呼吸可能なガスが送達
管を横断して患者へ移動する際の送達管内の凝結が低減または回避され得る。第2のコン
トローラ156は、送達導管内のセンサへ動作可能に連結され得、センサから受信された
情報処理を担当し得る。第2のコントローラ156は、送達導管中の呼吸可能なガスの温
度を調節するために、送達導管中のアクセサリデバイス(例えば、その加熱要素または送
達管ヒータ154)へ動作可能にさらに連結され得る。
【0055】
いくつかのバージョンにおいて、第2のコントローラ156は、送達導管中の水分蓄積
量を示す測定信号を湿度センサ145から受信し得る。受信された測定に基づいて、第2
のコントローラ156は、受信された情報をコントローラ120へ通信し得る。コントロ
ーラ120は、送達導管内を流れる呼吸可能なガスの加熱の制御のための情報を提供する
ように、送風機に配置される。同様の機能が、送達導管を通過する呼吸可能な空気の他の
パラメータ(例えば、温度、圧力および/または送達導管の他のセンサからの流れ)のた
めに行われ得る。いくつかのバージョンにおいて、第2のコントローラ156は、感知さ
れた測定(単数または複数)を受信し得、例えば送達導管の加熱要素を選択的に起動/動
作させることにより、この測定に応答する呼吸可能なガスの加熱を制御し得る。いくつか
のこのようなバージョンにおいて、コントローラのうちいずれかは、送達導管の加熱要素
のための加熱回路の開口(すなわち、ブレーク)または閉鎖(すなわち、完了)を制御す
るためのスイッチへ動作可能に連結され得る。
【0056】
送達導管の第2のコントローラ156はまた、患者インターフェースが患者インターフ
ェースの接続を検出するように送達導管へ接続されているかまたは接続されていないかを
示す情報を(例えば無線トランシーバから)受信し得る。このような情報は、例えば送達
導管および/または呼吸治療デバイス102の1つ以上のコンポーネントの起動を許可ま
たは禁止するための制御信号として機能し得る。例えば、検出された患者インターフェー
スが無い場合、第2のコントローラ156は、患者インターフェースの不在を示す情報を
呼吸治療デバイス102のコントローラ120へ通信し得る。いずれのコントローラも、
加熱要素を制御し得る(例えば、(例えばオーバーライドの意味において患者インターフ
ェースが接続解除されている状態における)送達導管などの加熱を回避するための上記し
たスイッチ)。同様に、接続された患者インターフェースの検出に関する情報は、制御信
号として機能し得、加熱要素(単数または複数)(例えば、送達導管の要素)の起動を許
可するようにコントローラ120へ通信され得る。
【0057】
いくつかのバージョンにおいて、ヒータ154は、ワイヤの第1のサブセット(例えば
、送達導管に沿って伸びるかまたは送達導管に埋設された1組のワイヤのうち2本以上の
ワイヤ)と共に実行され得る。ワイヤは加熱要素であり得、移動する呼吸可能なガスの加
熱またはこのガスへの熱移動を(ワイヤへの電流付加により)行うように設計される。ヒ
ータ154は、送達導管のチュービング、または導管が患者インターフェースへ接続され
る送達導管の終端部へ取り付けられたカフのうち1つ以上に含まれ得る。カフは、送達導
管を使用時に患者インターフェースの対応する連結器へ取り外し可能に接続させるための
連結器として機能し得る。
【0058】
いくつかのバージョンの呼吸治療システムのための送達導管の例について、
図3および
図4のブロック図に関連して検討する。例えば、
図3の図において、
図3の呼吸治療シス
テム300は、送達導管の導管部位301の(送風機端312(遠位端)から患者エンド
314(近位端)への)ガス経路(例えば、管またはチュービング)を示す。送達導管制
御回路303を含むカフ308が、患者エンドに設けられる。導管部位301中に設けら
れ得るワイヤ302および304の加熱により、導管部位301のガス経路が加熱される
。加熱ワイヤ302および304は、例えば管上または管周囲のように、ガス経路の周囲
にらせん状におよびガス経路に沿って設けられ得る。加熱ワイヤ302および304は、
例えば当該分野において公知の方法および配置構成により、電気的に絶縁かつ/または断
熱され得る。
【0059】
加熱ワイヤ302のうち1つは、導管部位301の送風機端312にある電源から電力
を受容し、他方のワイヤ304は、導管部位301の送風機端312において地絡され得
、これにより、加熱回路が完成する。
図3の例において、ワイヤ302および304は、
電源(例えば、呼吸治療デバイスの電源)から電力を導管部位301の患者エンド314
にある送達導管制御回路303の1つ以上のコンポーネントへ送達させるように構成して
もよい。例えば、ある特定の点(例えば、(例えば導管部位301の患者エンド314に
ある)加熱回路中の中間点)において、ワイヤ302および304は、入来する電力信号
を送達導管制御回路303の第2のコントローラ356の動作に適したレベルへ変換する
変換器325(例えば、DC-DC変換器)へ接続され得る。このような変換器は、送達
導管センサ344および346とトランシーバ352との給電のために供給された電力も
変換し得る。いくつかのバージョンにおいて、変換器は、供給された12ボルトの電力信
号を3ボルトの電力信号へ変換し得る。他の電力信号/変換も実行され得る。
図5に関連
してさらに詳細に述べたように、任意選択的なスイッチ332が、加熱回路を通じた電力
供給の選択的制御のための加熱回路と共に実行され得る。
【0060】
呼吸治療システム300の導管部位301は、送風機端312におけるコンポーネント
(例えば、一体型センサ、トランシーバ、第2のコントローラ)と患者エンド314にお
けるコンポーネント(例えば、トランシーバ352、第2のコントローラ356)との間
の信号リレーのために、2本以上のさらなるデータバスワイヤ371および372を有す
るデータバスも含み得る。
図3の例において、ワイヤ371は、通信インターフェース3
80へまたは通信インターフェース380から信号を伝送する(例えば、コントローラ1
20により第2のコントローラ356とインターフェースをとるシリアルRS232イン
ターフェースまたはドライバ(これは、加熱ワイヤ(
図3に図示せず)によっても任意選
択的に給電され得る))。ワイヤ372は、接地ワイヤとして機能するため、インターフ
ェース380との通信のための信号伝達回路が完成する。
【0061】
図4の例において、送達導管回路コンポーネントは、
図3のバージョンのものに類似す
る。しかし、
図4において、送達導管制御回路403にある送達導管のカフ408へ、加
熱要素407が追加される。よって、
図4の例示的な呼吸治療システム400において、
カフを通過した呼吸可能なガスを、導管の患者エンドにある加熱されたカフ408内に配
置された加熱要素407(例えば、誘導性ヒータ、または他の放熱器)により加熱するこ
とができる。導管部位401は、ワイヤ402および404も含む。ワイヤ402および
404により、送風機端412にある電源から加熱要素(単数または複数)407へ電力
が供給されるが、ワイヤ402および404そのものは、導管部位が加熱要素を含むか否
かに応じて、導管部位401の長さに沿って電力は放散しない。
【0062】
図3の呼吸治療システム300の設計と同様に、ワイヤ402は、加熱されたカフ40
8中に含まれる他のコンポーネント(例えば、送達導管制御回路403のコンポーネント
(例えば、トランシーバ352、第2のコントローラ356、変換器325、センサ34
4ならびに346、および/または通信インターフェース380))へ電力を供給し得る
。また、
図3の呼吸治療システム300の設計と同様に、導管部位401は、送達導管の
両端のコンポーネント(例えば、コントローラ120および第2のコントローラ356)
間に信号を伝達するためのデータバスワイヤ471および472も含み得る。
【0063】
有線電力接続を
図3および
図4に示しているが、いくつかのバージョンにおいて、送達
導管制御回路(単数または複数)の電力は、非接触送電によって実行してもよい。例えば
、送達導管アセンブリは、誘導性コネクタを(例えば、患者エンド側および/または流れ
生成器エンド側)に含み得る。1つの配置構成において、チュービングアセンブリは、2
ワイヤ加熱回路を含み得る。回路は、無線電力コネクタを有する送達導管の終端部に端部
連結器部位を含み得る。次に、無線電力コネクタは、アクセサリ(例えば、本明細書中に
より詳細に説明するような送達導管制御回路を有するカフ)へ接続され得る。ここで、こ
のアクセサリは、送達導管の無線電力コネクタから無線出力を受信する(補足的な)コネ
クタ部位を含む。よって、アクセサリまたはカフは、例えば自身のセンサまたはコンポー
ネント検出器などからのデータの通信(例えば、呼吸治療デバイスとのもの)のために、
自身の動作(例えば、感知、アクセサリ取付検出および/または識別、無線通信(例えば
、Bluetooth)を給電するための無線出力を受信し得る。
【0064】
例えば
図3および
図4の配線に関連して上記したように、加熱および信号伝達は、送達
導管の送風機端の近隣に接続されたコントローラ120により制御され得る。この点につ
いて、
図5は、
図3のシステム300のための例示的な制御アプリケーションをさらに示
す。この制御アプリケーションは、
図4のシステム400に同様に適用することができる
。
図5の図において、導管の送風機端512は、呼吸治療デバイス102へ連結され得る
。呼吸治療デバイス102は、導管部位501を通じた加熱動作を制御するためのスイッ
チ532を含む。コントローラ520(例えば、マイクロコントローラまたはマイクロプ
ロセッサユニット)は、スイッチ532へ動作可能に連結され、加熱動作のタイミングを
制御するように実行され得る。
【0065】
図5の例において、スイッチ532が開いているときでも充電を維持できるように、任
意選択の負荷キャパシタ540が加熱ワイヤ502および504へ連結される。キャパシ
タの充電は、ワイヤ502からダイオード543を通じて実行され得る。ダイオード54
3は、変換器およびキャパシタの正方向のみにおいてワイヤ502から電流が流れるよう
に、配置され得る。よって、スイッチ532が開くと、負荷キャパシタ540は、(患者
エンドコンポーネント(例えば、温度センサ544、湿度センサ546およびRFIDリ
ーダ552)を継続的に給電できるように)ワイヤ502および504に対して逆方向で
はない方向に、エネルギー(例えば、チャージ)を継続的にDC DC変換器525へ提
供し得る。図示のバージョンにおいて、任意選択のスイッチ541は、呼吸治療デバイス
102の制御回路内においてコントローラ520の制御下にあり、以下のうちいずれかを
行うように選択的に制御され得る:(a)コントローラ520において通信インターフェ
ースを通じて通信をワイヤ572を介して受信することまたは(b)コントローラ520
においてセンサ信号をワイヤ572を介して受信すること。この点について、センサ(例
えば、温度および/または湿度センサなどの設けられたセンサのうちいずれか)読取り/
測定に比例するアナログセンサ信号が、アナログ/デジタル(ADC)入力サンプラー(
単数または複数)におけるコントローラ520によるサンプリングのために、カフ回路か
らワイヤ572上に設けられ得る。あるいは、(例えば、RS232ドライバおよびコン
トローラ520のユニバーサル非同期受信器/送信器入力を介した)コントローラ520
の信号伝達インターフェースによる受信のために、データ信号がワイヤ572上のカフ回
路から設けられ得る。1つの態様によれば、切り換え532により、例えば
図5および図
5Aに示すような異なる種類のカフ構成を接続することが可能になる。
図5Aは、NTC
サーミスタ590をカフ中に含む本技術の別の例示的配置構成を示す。
【0066】
図5の回路の動作は、
図6の信号伝達グラフを参照して検討され得る。
図6の信号伝達
グラフは、コントローラ520によって(例えば、スイッチ532の選択的動作により)
実行され得る加熱動作および信号伝達動作の断続的制御のための例示的スキームを示す。
明確さのため、縦軸は振幅を示し、横軸は時間を示す。曲線610は、加熱ワイヤ502
に沿った電圧対時間を示す。実際、これは、スイッチ532の動作を示す。この動作にお
いて、電力が周期的に加熱ワイヤ502および504へ提供され、加熱ワイヤ502およ
び504からカットオフされる。第1のスイッチの動作は、パルス幅変調であり得る。パ
ルス幅変調において、コントローラ520は、スイッチのデューティサイクルを制御する
。曲線620は、変換器525へ提供される電圧対時間を示す。変換器525は、管オフ
サイクル時において負荷キャパシタ540から部分的に供給される。この点について、負
荷キャパシタ540からの充電は比較的一定のレベルで維持されるため、変換器525は
、患者エンドコンポーネント(例えば、第2のコントローラ554など)の連続的動作の
ための充分な一定の出力電圧(曲線630に示す)を維持することができる。
【0067】
図6の曲線640は、コントローラ520と第2のコントローラ554との間のデータ
転送を提供する信号伝達ワイヤ572の例示的電圧対時間プロットを示す。
図6の例にお
いて、データを患者エンド第2のコントローラ554から送風機エンドコントローラ52
0へ連続的に送信することができる。よって、このバージョンにおけるワイヤ572は、
データ通信のみのために実行され得る。しかし、本明細書中に記載の他の例において、信
号伝達動作発生時の制御のために、さらなるスイッチが設けられ得る。
【0068】
信号伝達動作のタイミングを制御すると有利であり得る一例を
図7に示す。このバージ
ョンにおいて、加熱動作および信号伝達動作は、共通ワイヤ(例えば、接地線または帰線
)を時分割し得る。よって、いくつかのバージョンにおいて、より少数のワイヤが実行さ
れ得る。あるいは、
図7の例において、3つのワイヤが導管の信号伝達および加熱動作双
方のために実行され得、これにより、信号伝達および加熱の完了のためにワイヤのうち1
本を断続的に係合させてもよい。
図7において、例示的呼吸治療システム700は、呼吸
可能なガスを送達導管706を通じて患者(図示せず)へ提供する呼吸治療デバイス70
2(例えば、加湿器を含むかまたは含まない流れ生成器)を含む。呼吸可能なガスは、送
達導管中において例えば上記したようなワイヤ707の加熱要素によって加熱される。送
達導管706の患者エンド714は、第2のコントローラ754も含む。第2のコントロ
ーラ754と、コントローラ720との通信は、例えば送達導管706の送風機エンド7
12においてスイッチまたはマルチプレクサ721を通じてデータバスワイヤ708を介
して行われる。加熱ワイヤ707の加熱回路およびデータバスワイヤ708の信号伝達回
路を交互に完了させるように、共通接地ワイヤ709が送達導管706中に設けられる。
このようにして、加熱動作および信号伝達動作のうち1つだけが所与の時間に行われ得る
。
【0069】
このバージョンにおいて加熱動作および信号伝達動作を制御するために、第1のスイッ
チ732および第2のスイッチ739はそれぞれ、呼吸治療システム700中に設けられ
る。第1のスイッチ732は、呼吸治療デバイス702内において送達導管の送風機エン
ド712に設けられ、その起動は、コントローラ720によって選択的に制御される。第
1のスイッチ732は、
図5のスイッチ532に動作が類似する。第1のスイッチ732
は、ワイヤ707を電源(例えば、24ボルト)の高い側または正方向側へ動作可能に連
結させるかまたは連結解除させる。第2のスイッチ739は、送達導管内(例えば、送達
導管のカフの送達導管制御回路703内)に配置される。第2のスイッチ739の起動は
、第2のコントローラ754によって選択的に制御される。第2のスイッチ739は、ワ
イヤ707の近位端を接地ワイヤ709に対して連結および連結解除するように、動作可
能に制御される。このように連結されると、ワイヤ707の給電時において加熱回路の完
了に起因して、加熱動作が発生し得る。このとき、変換器725への電力が不足し、これ
により、変換器への電源が一時的に拒否される。ワイヤ707の近位端および接地ワイヤ
709が第2のスイッチ739によって連結解除されると、加熱回路がブレークされ、こ
の状態において、ワイヤ707への給電時に変換器が電源によって給電され得る。この後
者の状態において、ワイヤ708および709の信号伝達回路は、マイクロコントローラ
720の信号伝達動作によって信号伝達のために完成し得る。
【0070】
よって、コントローラ720および754の片方または両方を加熱動作および信号伝達
動作を例えば交互にインターリーブするように構成することができ、これにより、加熱制
御動作およびデータ通信制御動作が同時に行われる事態を回避するように、これらの動作
は交互に行われる。
図8に、
図7のコンポーネントを用いたこのようなインターリーブの
ための例示的信号伝達制御スキーム800を示す。図中、第1のスイッチS1(例えば、
図7の第1のスイッチ732)の動作および第2のスイッチS2(例えば、
図7の第2の
スイッチ739)の動作が図示される。
【0071】
インターリーブ動作は周期的なものであり得るが、ブランキングウィンドウ802と共
に開始するものとみなされ得る。ブランキングウィンドウ時において、コントローラ72
0は、第1のスイッチの動作を閉じて、加熱ワイヤ707への給電を可能にするように制
御する。このブランキングウィンドウ802時において、第2のコントローラは、(加熱
回路を完成させないように)第2のスイッチの動作を開くように制御する。このようなブ
ランキングウィンドウ時において、加熱ワイヤ707を介して供給される電力は、変換器
725へ付加され、これにより、患者エンドセンサおよび第2のコントローラ754が給
電される。さらに、このようなブランキングウィンドウ時において、ワイヤ709が、信
号伝達回路を完成させるために利用可能であり、これにより、患者エンドセンサおよび送
風機エンドセンサと、コントローラとの間に信号伝達を発生させることが可能になる。よ
って、ブランキングウィンドウは、信号伝達を可能にし、所定期間にわたって継続し得、
定期的に繰り返され得る。
【0072】
ブランキングウィンドウ後、加熱ウィンドウ804が開始し得る。加熱ウィンドウ時に
おいて、コントローラ720は、ワイヤ707へ電力を付加するように、第1のスイッチ
を継続的に制御する。加熱ウィンドウ時において、第2のコントローラ754も、ワイヤ
708およびワイヤ709を第2のスイッチ739において連結解除するように加熱動作
を起動させるように、第2のスイッチ739を制御する。この点について、第2のコント
ローラ754は、第2のスイッチを制御することにより、加熱のために所望の期間制御を
行い得る。例えば、第2のスイッチが閉じられている/オンのとき(加熱動作が発生し)
、第2のスイッチが開いている/オフのとき(加熱動作が停止される)。第2のスイッチ
が閉じられた位置に維持される時間が長いほど、加熱回路が完成する時間も長くなり、よ
り多くの熱が送達導管の呼吸可能なガスへ移動する。換言すると、スイッチS1およびス
イッチS2双方がオンの場合、加熱動作が行われる。スイッチS1がオンでありかつスイ
ッチS2がオフになると、情報信号伝達が行われ得る。コントローラは、多様な信号伝達
スキーム(例えば、加熱動作および信号伝達動作のインターリーブを可能にするためにパ
ルス幅変調を用いたもの)により、これらのスイッチを動作させ得る。
【0073】
例えば、コントローラ720は、第1のスイッチの制御のためにパルス幅変調信号を生
成して、加熱サイクルおよび信号伝達サイクルを起動させ得る。いくつかの場合において
、第2のコントローラ754は、第2のスイッチの制御のためにパルス幅変調信号を生成
して、加熱サイクル信号伝達サイクルをインターリーブし得る。このような信号は、連続
的に繰り返され得る。よって、インターリーブ動作は、所定の固定頻度で第2のコントロ
ーラによって行われ得る。しかし、いくつかの場合において、例えば第2のコントローラ
754によって検出された状態に関連して(例えば、送達導管制御回路のセンサのうち1
つ以上によって行われた測定および/またはそのトランシーバによって行われた決定に関
連して)インターリーブがより動的に実行される場合がある。
【0074】
呼吸治療デバイス702中のスイッチS1の状態を得るために、レベル検出器772が
用いられる。
図7に示す例示的配置構成において、レベル検出器により、S2およびS1
の同期が可能になる。DC/DC変換器725は、
図6に示すダイオード543およびキ
ャパシタ540が変換器725に設けられた実行様態として理解され得る点にも留意され
たい。
【0075】
別の例示的な呼吸治療システム900は、
図9に関連して考えられ得る。本例は、
図7
のバージョンのコンポーネントに類似するコンポーネントを含む。本例において、送達導
管部位901は、加熱要素を任意選択的に省略し得る。さらに、本バージョンにおいて、
加熱要素が、送達導管制御回路903と共に配置され得る。送達導管制御回路903は、
送達導管906の患者エンドにおいて加熱されたカフ905内に配置される。よって、送
達導管を横断する呼吸可能なガスを、送達導管906の患者エンドにおいて加熱されたカ
フ905内に配置された加熱要素911(例えば、放熱器)によって加熱することができ
る。
図7と同様に、システムは、呼吸治療デバイス902中のコントローラ920と、カ
フ905に設けられた第2のコントローラ954とを含む。これらのデバイスは、加熱動
作および信号伝達動作を加熱ワイヤ907、信号伝達ワイヤ908および共通ワイヤ90
9(接地)に関連して導管部位901を通じてインターリーブするように、動作を制御し
得る。
図7および
図8に関連して述べたものと同じまたは類似のインターリーブスキーム
が、
図9のシステム900において用いられ得る。
【0076】
上記の例示的システムは、送達導管106のいくつかの患者エンドコンポーネント(例
えば、送達導管制御回路)を含む。これらの患者エンドコンポーネントは、別個の回路要
素によって形成され得る。しかし、そのいくつかのバージョンにおいて、回路要素は、単
一モジュール(例えば、プリント回路基板)に一体化され得る。かかる集積回路基盤の例
は、
図10の図示に関連して考えられ得る。この点について、
図10Aおよび
図10Bは
、例示的回路基板1000の対向する表面側を示す。この対向する表面側は、内部に空気
経路を含む送達導管の外面の形状に適合し得るように、可撓性となるように適合され得る
。例えば、回路基板1000は、実質的に円筒型(例えば、ほぼ円筒型形状、ほぼ楕円型
形状など)の送達導管の周囲に屈曲または曲線上になるように、構成され得る。よって、
このような回路基板は、可撓性材料製であり得る。その長さは、送達導管の周囲または円
周全てまたはほとんどの周囲において基板をラップまたは屈曲することができるように、
構成され得る。いくつかの場合において、基板の回路レイアウトおよびその材料は、長さ
方向軸Lに沿って屈曲が可能でありかつ幅方向軸Wに沿って剛性を保持できる。このよう
な設計により、基板の電気要素を保護しつつより小さなハウジングへの挿入が可能になる
。
【0077】
回路基板は、上記した送達導管制御回路のうち任意の1つ以上のコンポーネントを含み
得る。例えば、回路基板は、以下のうち1つ以上を含み得る:マイクロコントローラまた
はマイクロプロセッサユニット、1つ以上のセンサ(例えば、送達導管を通過する呼吸可
能なガスの特性(例えば、ガスの温度または湿度))を検出/測定するセンサ、および無
線トランシーバ(例えば、流れ生成器または圧力生成器のコントローラとの通信のための
無線トランシーバ、患者インターフェース中に配置された識別タグとの通信のための無線
トランシーバ)。これらのコンポーネントは、回路基板へ取り付けられ得る。
【0078】
回路基板は、本体部位1001を第1の表面MSと共に含み得る。第1の表面MS上に
、上記コンポーネントのうち全てまたはいくつかが一体化される。長さ方向Lにおいて本
体部位の両端にかけて、一対の取付タブ1005および1006が延び得る。各取付タブ
は、本体部位の幅方向Lの大部分にわたって延び得る。回路基板は、延長ストリップ10
09を含み得る。延長ストリップ1009上に、センサのうち少なくとも1つが取り付け
られ得る。延長ストリップ1009は、長さ方向Lに延び得、さらには隣接する取付タブ
へさらに延び得る。延長ストリップ1009は、呼吸可能なガスが内部を流れる送達導管
によって規定された空気経路中に延びるように、適合され得る。よって、延長ストリップ
上に取り付けられたセンサ(単数または複数)1016は、呼吸可能なガスの流れに露出
されるかまたはその近隣に配置され(例えば、保護ハウジングのみによって分離され)得
、その特性(例えば、送達導管のガス通路内からの温度または相対湿度)を感知する。延
長ストリップ1009は、回路基板の端部に配置され得、取付タブに横方向に隣接し得る
。
【0079】
回路基板は、端子1020も含み得る。端子1020に対し、送達導管に沿って延びる
加熱ワイヤ、信号伝達ワイヤおよび接地ワイヤが連結または取り付けられ得る(例えば、
半田付け)。一例において、端子は、回路基板の一体化コンポーネントと呼吸治療デバイ
ス102のコントローラ120との間の通信情報のためのデータバスポートへ接続し得る
。これらの端子は、回路基板のコンポーネントの充電のための電力を受容する電源線へさ
らに接続し得る。回路基板は、アンテナ(例えば、RFIDアンテナ)への取付のための
端子1023も含み得る。端子1023は、トランシーバ(例えば、RFIDまたはNF
Cトランシーバ(例えば、
図1に関連して述べたトランシーバ152))へ接続するよう
に、構成され得る。例えば、RFIDコイルが、端子1023へ取り付けられ得る。
【0080】
回路基板は、穴または溝部も含み得、これにより、送達導管の一部へラップされる際に
基板を送達導管ハウジングへ固定または留め付ける作業が促進される。例えば、このよう
な穴は、送達導管のカフハウジングの柱構造を含み得る。
図10Aおよび
図10Bの例に
おいて、タブ1005および1006はそれぞれ、各穴1011および1012を含む。
回路の本体部位は、さらなる穴1013および1014を含み得る。これらの穴1013
および1014は、穴1011および1012と長さ方向において整列され得る。
【0081】
図10Aおよび
図10Bの例において、回路基板の本体部位の外形は、実質的に矩形で
ある。しかし、他の例において、本体部位の表面は、異なる形状を有し得る。例えば、本
体部位の表面の中間部位は、本体部位の表面の残り部分/端部よりも幅が狭くなるように
、テーパ状にされ得る。よって、回路基板の表面は、砂時計形状にされ得る。
【0082】
図11は、このような砂時計型の可撓性回路基板の一例の一部を送達導管アセンブリの
コンポーネントの分解図に関連して示す。可撓性回路基板1105は、延長ストリップ1
109も含む。延長ストリップ1109は、センサ(例えば、相対湿度および温度(RH
T)センサ1111)を含み、呼吸可能なガスの経路内に屈曲された状態で配置されるよ
うに構成される。例えば、延長ストリップ1109は、カフの空気通路に挿入されるよう
に、およそ90度で屈曲されるように構成され得る。本例において、送達導管アセンブリ
1100は、回路基板1105を含む。回路基板1105は、送達導管の患者エンドまた
はその近隣において送達導管の周囲にラップされ得る。
図11の例において、送達導管ア
センブリ1100は、ドングルとして機能し得る中空円筒カフ1140を含む。カフ11
40は、1つ以上の構造的取付フィーチャ(例えば、タブ、突起、スロットなど)を有し
得る(例えば、回路基板の延長ストリップ1109が内部を貫通して外面上に受容される
アパチャ1142)。カフの取付フィーチャは、回路基板の相補的取付フィーチャと整列
されかつ回路基板の相補的取付フィーチャへ向くように(例えば、回路基板上に配置され
た各穴を通じて延びて、回路基板がカフへ貼付されるように)適合され得る。カフ114
0は、送達導管の管部位1106へ、例えばオーバーモールドによって一体接続させても
よいし、あるいは、管部位1106へ取り外し可能に連結されるように構成してもよい。
一例において、カフ1140は、管部位1106を受容するように適合されたフィーチャ
を自身の内面に含み得る(例えば、管部位に対して相補的な形状およびサイズを有する)
。
【0083】
図11の例に示すカフは、例えばカフが送達導管の加熱されたカフとして機能する場合
に、加熱要素または蒸発器1160(特に蒸発器)を含む(例えば、封入するように適合
される)。
図9中、蒸発器1160(加熱要素911として図示)の直径は、カフの内径
とほぼ等しいため、カフを通じて送達導管1106の中央の可撓性ホース部位から患者イ
ンターフェースへ流れる任意の呼吸可能なガスを蒸発器によって加熱することができる。
一例において、例えばPCT特許出願PCT/AU2017/050912に記載のよう
な加湿システムが、
図11に示す蒸発器1160との使用に適切であり得る。本明細書中
に同文献全体を参照することにより援用する。
【0084】
一例において、プリント回路基板1105は、送達導管のワイヤ1004(例えば、図
7のワイヤ707、708および709)への接続のための1組の終端部1122と、蒸
発器の給電のために蒸発器のリード(例えば、高側および低側)へ接続される1組の終端
部1124とを含み得る。別の1組の終端部1126が、RFIDコイルへの接続のため
に設けられる。
図11に示すように、送達導管の1組のワイヤの加熱/信号伝達/接地ワ
イヤは、管部位の外周へ(例えば、らせん状リブ内に)ラップまたは成形される。
図11
の例において、カフの外径は、およそ25~35ミリメートルの範囲内(例えば、約30
ミリメートル)である。いくつかのバージョンにおいて、カフの外径は、約22mm~約
25mmの範囲内であり得る。例えばドングル設計などの他のバージョンにおいて、外径
は30mmであれば適切であることが分かっている。加えて、ドングル設計の場合、異な
るドングル直径が可能になるよう、伸長型の可撓性ブリッジ部位1130が実行され得る
。
【0085】
これにより、カフは、送達導管を患者インターフェースへ取り外し可能に接続させるた
めの連結器として機能し得る。いくつかのバージョンにおいて、カフの内面により規定さ
れ得る管状空間中を、空気が送達導管から患者インターフェースへ流れる。外面も、内面
に対して実質的に同心であり得る。カフは、中空空間を両者間にさらに含み得、プリント
回路基板(および自身に載置されたコンポーネント)は、この中空空間中に設けられる。
例えば、カフは、外ケーシングまたはシース部位を含み得る。この外ケーシングまたはシ
ース部位は、例えばカフが取り付けられた回路基板上に保護層を形成する(例えば、水進
入防止シールを形成する)ように成形され、これにより、使用時において回路基板を(例
えば人との接触または偶発的損傷から)保護する。いくつかのこのようなバージョンにお
いて、シースまたは外ケーシングは、TPEまたはシリコーンオーバーモールドであり得
る。シースは、カフの電気コンポーネントを保護することができるが、(例えばカフ内に
回路基板の配線または取付を可能にするためのアパチャ、スロットまたは他の通信路が含
まれる場合に)カフ内からの任意の空気/ガス漏れの可能性を無くすためにカフをシール
する機能も持ち得る。外シース部位により、簡便な高摩擦のグリップ面をユーザに提供す
ることも可能になる。
【0086】
いくつかのバージョンにおいて、カフは、さらなるコンポーネントと共に構成され得る
。例えば、カフは、熱および/または水分交換器および/または通気穴を含み得る。例え
ば、米国特許出願公開第2014/0305431号に記載の交換器のいずれかは、カフ
中に設けられ得る。本明細書中に同文献全体を参照することにより援用する。さらなる例
示のため、米国特許出願公開第2014/0283831号および米国特許出願公開第2
014/0069428号に記載の通気穴のいずれかは、カフ内に設けられ得る。本明細
書中に同文献全体を参照することにより援用する。
【0087】
別のバージョンの例示的送達導管106を
図12に示す。同図は、導管の一部をいくつ
かのコンポーネントと共に示す分解図である。このバージョンにおいて、送達導管は、中
空の管部位1206を含む。中空の管部位1206は、外周の周囲にらせん状または蛇行
状にラップされた1つ以上のワイヤ1204(例えば、
図7のワイヤ707、708およ
び709または
図3のワイヤ302、304、371および372)を有する。このよう
な構成のワイヤを送達導管に関連して用いる場合、リブとしてみなされ得る。アセンブリ
は、中空の管の端部に固定されるように適合された送達導管コネクタ端1210(または
カフの端部)も含む。アセンブリは、プリント回路基板1205(例えば、上記した送達
導管制御回路のいずれか)も含む。このバージョンにおいて、アセンブリは、送達導管コ
ネクタ端1210の外面周囲に柔軟にラップされかつ送達導管コネクタ端1210へ貼付
されるように、適合される。このバージョンにおいて、アセンブリは、センサケース12
30も含む。センサケースは、センサを保護のために被覆する。この点について、センサ
ケースは、送達導管コネクタのガス通路/経路内の送達導管コネクタ内の開口部を通じて
延びるプリント回路基板のセンサを被覆し得る。このようなセンサは、
図10Aに示す延
長ストリップ1009上のセンサであり得る。よって、センサケース1230は、カフの
ガス通路内に設けられ得る。
図12のアセンブリは、カフと関連付けられた上記したアセ
ンブリコンポーネントの全てまたは一部を収納するためのオーバーモールドなどのシース
または外ケーシング1240も含む。いくつかの形態において、外ケーシング1240は
、カフと関連付けられた上記したアセンブリコンポーネントの全てまたは一部を収納する
ように共に組み立てられた複数の成形コンポーネントを含み得る。有利なことに、可撓性
回路基板の使用により、電子コンポーネントを送達導管1206の周囲にコンパクトにパ
ッケージすることができ、オペレータ(または自動プロセス)により可撓性回路基板を簡
単にラップすることができるため、製造プロセスを簡潔化することができるたけでなく、
送達導管1206のサイズ低減も可能になる。
【0088】
図12の送達導管の組立は、
図13A~13Fに関連して考えられ得る。これらの図は
、コンポーネントを一体にするためのフィーチャおよびステップの一例を示す。これらの
ステップを説明目的のために特定の順序で図示するが、いくつかのステップを省略するこ
と、さらなるステップを追加すること、および特定のステップを同時にまたは異なる順序
で行うことが可能であり得ることが理解される。
【0089】
図13Aにおいて、中空管部位1206は、送達導管コネクタ端1210に挿入される
。中空管は、ワイヤ1204を含むリブ1207を送達導管コネクタ端のスロット130
1に挿入することができるように構成される。例えば、各スロットは、1本のワイヤを保
持し得る。例えば、4つのスロットが、コネクタ端またはカフ内に設けられ得る。このよ
うなアライメントスロットにより、回路基板を追加する際にワイヤの端部を回路基板の端
子と容易に接続できるようにワイヤが位置決めされる。
【0090】
図13Bにおいて、プリント回路基板1205は、送達導管コネクタ端1210の外周
の周りにラップされる。ワイヤ1204は、適切な回路基板の端子(例えば、
図11の端
子1122または
図10Aの端子1020)へ半田付け/溶接され得る。また、アンテナ
(図示せず)(例えば、RFIDコイル)が、回路基板のトランシーバモジュールへ接続
/溶接/半田付けされ得る。このアンテナは、アンテナスロット1305内の送達導管コ
ネクタ端の外周周囲に送達導管コネクタ端1210とプリント回路基板との間に巻かれ得
る。
【0091】
図13Cは、
図13Aと比較して反対側の側面図からみたプリント回路基板および送達
導管コネクタ端を示す。
図13Cにおいて、プリント回路基板のスロット1011および
1012(
図13Dも参照)により、送達導管コネクタ端1210の突起1321および
1322をクリップしている様子が図示されている。よって、基板は、基板をカフへ固定
するためのスロットおよび突起を係合させるように、送達導管コネクタ端の周囲にラップ
または回転され得る。いくつかのバージョンにおいて、配置の際、先ず回路基板の延長ス
トリップ1009(
図13Bに示す)を送達導管コネクタ端のセンサアパチャへ挿入した
後、カフ/送達導管コネクタ端の周囲に基板を柔軟にラップする。このようなラップによ
り、延長ストリップが屈曲される。センサアパチャにより、延長ストリップ1009およ
びそのセンサがコネクタ端を通じて延びて、送達導管コネクタ端のガス通路中へ延びるこ
とが可能になる。
【0092】
このような可撓性延長ストリップセンサの挿入は、
図13Dおよび
図13Eに関連して
確認され得る。
図13Dは、プリント回路基板の1つ以上のセンサ(単数または複数)を
被覆するように、センサケース1230を回路基板1205の延長ストリップ1009の
センサ(単数または複数)上に挿入した様子を示す。次に、センサ(単数または複数)お
よびケースを送達導管コネクタ端中のセンサアパチャを通じて挿入して導管内に位置決め
し、センサが呼吸可能なガスの1つ以上の特性(例えば、ガスの温度または湿度など)を
測定できるようにする。
図13Eにおいて、被覆されたセンサおよびそのケース1230
が送達導管コネクタ端1210内のセンサアパチャ1350を通じて突出している様子が
分かる。図示のように、センサケース1230は、ベース部位1331を含む。ベース部
位1331は、アパチャへの挿入時にセンサアパチャをガス通路表面の外形により円滑に
シールできるように、センサアパチャおよびコネクタ端の内側ガス通路表面の外形に対応
する。このベースにより、センサケースをコネクタ端内に適切に方向付けることも可能に
なる。この点について、センサケースは、センサケースのセンサ端1333においてセン
サをガス通路中にも延ばす。このバージョンにおいて、センサケースのセンサ端1333
は、空気がセンサ端周囲を移動する際に送達導管コネクタ端のガス通路を通過する空気流
れによるガス流れ抵抗を最小化させるための空気力学的外形を有する。例えば、ケースの
センサ端1333は、カフおよびカフの空気流れ経路/通路内のセンサケースの断面平面
図1335(
図13Eにも図示)に示すように、楕円外形を有し得る。
【0093】
図13Fは、外ケーシング1240の適用を示す。このようなケーシングまたはシース
コンポーネントは、送達導管コネクタ端1210のシート端1337と接触するまで、中
空のチュービング部位1206上をスライド可能に係合され得る。次に、ケーシング12
40は、例えば超音波溶接機または他の貼付方法により送達導管コネクタ端1210へ貼
付され得る。よって、ケーシングは、送達導管コネクタ端の電気コンポーネントを内部に
シールし得、カフ内の通路からの空気漏れを回避するために送達導管端をシールし得る。
【0094】
一例において、
図13Fに示す送達導管は、本明細書中のいずれかの箇所に記載のよう
な無線トランシーバを含み得、患者インターフェースと連通するように構成され得る。無
線トランシーバはNFCリーダであり得、(例えば患者インターフェースが送達導管へ接
続されたときまたは近接して配置されたときに)患者インターフェース上に配置されたN
FCタグと通信するように構成され得る。患者インターフェースは、送達導管のカフに挿
入されるように構成されたコネクタを含み得る。コネクタは、NFCタグを含む。使用時
において、送達導管は、NFCタグから得られた情報(例えば、患者インターフェースの
種類または年齢)の一部または全体をコントローラ120に示す信号を生成し得る。
【0095】
上記の記載および添付の図面において、特定の用語、式および図中の記号は、本技術の
深い理解のためのものである。いくつかの場合において、用語および記号は、本技術の実
施に不要な特定の詳細を示し得る。なお、本明細書中の技術について、特定の実施形態を
参照して述べてきたが、これらの実施形態は本技術の原理および用途を例示したものに過
ぎないことが理解されるべきである。よって、本技術の意図および範囲から逸脱すること
なく、例示的な実施形態において多数の変更例が可能であり、また、他の配置を考え得る
ことが理解されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸装置制御デバイスであって、
呼吸治療デバイスのための呼吸可能なガス送達導管であって、前記呼吸可能なガス送達導管は、前記呼吸治療デバイスの空気流れ生成器の出口に接続するように適合され、患者インターフェースの呼吸可能なガス入口へ接続するように適合される、呼吸可能なガス送達導管と、
前記呼吸可能なガス送達導管の一部の周囲において屈曲された表面を有するフレキシブルプリント回路基板と、
前記フレキシブルプリント回路基板の前記表面に取り付けられたコントローラであって、前記コントローラは、前記呼吸治療デバイスの1つ以上のパラメータの決定を制御するように構成される、コントローラと
を含んでなる呼吸装置制御デバイス。
【請求項2】
前記フレキシブルプリント回路基板は、通信インターフェースをさらに含み、前記通信インターフェースは、前記送達導管に沿ったデータバスの1つ以上のワイヤへ接続するように適合され、前記コントローラは、前記通信インターフェースを制御して、前記データバス上のデータ信号を送信するように構成される、請求項1に記載の呼吸装置制御デバイス。
【請求項3】
前記フレキシブルプリント回路基板の前記表面に取り付けられた無線トランシーバをさらに含み、前記無線トランシーバは、
前記呼吸治療デバイスの前記コントローラのトランシーバと
前記患者インターフェースの識別回路と
のうち一方または双方と通信するように構成される、請求項1または2に記載の呼吸装置制御デバイス。
【請求項4】
前記1つ以上のパラメータのパラメータは、前記送達導管を通じて前記呼吸治療デバイスから送達される呼吸可能なガスの特性である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の呼吸装置制御デバイス。
【請求項5】
前記1つ以上のパラメータのパラメータは、前記送達導管の終端部へ連結された患者インターフェースの特性である、
請求項1~4のいずれか一項に記載の呼吸装置制御デバイス。
【請求項6】
前記フレキシブルプリント回路基板の前記表面へ取り付けられた前記コントローラは、前記呼吸可能なガスの特性の閉ループ制御のために前記送達導管中の呼吸可能なガスの特性の測定を前記呼吸治療デバイスのコントローラへ通信するように構成される、
請求項1~5のいずれか一項に記載の呼吸装置制御デバイス。
【請求項7】
前記フレキシブルプリント回路基板の前記表面へ取り付けられた前記コントローラは、前記送達導管中の呼吸可能なガスの特性の測定を決定することと、前記呼吸可能なガスの特性を制御することとを行うように構成される、
請求項1~6のいずれか一項に記載の呼吸装置制御デバイス。
【請求項8】
前記呼吸可能なガスの前記制御される特性は温度であり、前記コントローラは、前記送達導管のヒータ要素を動作させるように構成される、
請求項7に記載の呼吸装置制御デバイス。
【請求項9】
前記フレキシブルプリント回路基板の前記表面へ取り付けられた前記コントローラは、患者インターフェースの前記送達導管に対する接続および接続解除を検出することと、前記検出に基づいて前記呼吸治療デバイスの動作を制御するためにデータ信号を呼吸治療デバイスのコントローラへ生成することとを行うように構成される、
請求項1~8のいずれか一項に記載の呼吸装置制御デバイス。
【請求項10】
前記フレキシブルプリント回路基板は、前記表面へ取り付けられた1つ以上のセンサを含む、
請求項1~9のいずれか一項に記載の呼吸装置制御デバイス。
【請求項11】
前記フレキシブルプリント回路基板の前記表面は、前記送達導管の前記部位のアパチャを通じて前記送達導管のガス通路中へと屈曲されて、前記送達導管の前記ガス通路のガスの特性を感知するために、前記延長ストリップへ取り付けられたセンサを前記ガス通路中へ伸長させる延長ストリップを含む、
請求項1~9のいずれか一項に記載の呼吸装置制御デバイス。
【請求項12】
前記1つ以上のセンサは、前記送達導管を通じて送達される空気の圧力、空気流れ、温度および相対湿度のうち少なくとも1つ以上を測定するように適合される、
請求項10に記載の呼吸装置制御デバイス。
【請求項13】
前記送達導管の部位は、患者インターフェースとの取り外し可能な連結のために適合された前記送達導管の円筒カフを含む、
請求項1~12のいずれか一項に記載の呼吸装置制御デバイス。
【請求項14】
前記円筒カフは、前記フレキシブルプリント回路基板を封入するためのシースをさらに含む、
請求項13の呼吸装置制御デバイス。
【請求項15】
前記円筒カフは前記送達導管のガス通路を含み、前記ガス通路は、前記フレキシブルプリント回路基板の前記表面へ取り付けられた前記コントローラによって制御されるヒータ要素を含む、
請求項13または14に記載の呼吸装置制御デバイス。
【請求項16】
前記フレキシブルプリント回路基板の前記表面へ取り付けられた前記コントローラは、1組のワイヤを通じて加熱動作とデータ信号伝達動作との間の断続的切り替えによってデータ通信および前記送達導管の加熱を行うように構成される、前記1組のワイヤは、前記送達導管に沿って延び、3つのワイヤ導体からなる、請求項1~15のいずれか一項に記載の呼吸装置制御デバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0095】
上記の記載および添付の図面において、特定の用語、式および図中の記号は、本技術の深い理解のためのものである。いくつかの場合において、用語および記号は、本技術の実施に不要な特定の詳細を示し得る。なお、本明細書中の技術について、特定の実施形態を参照して述べてきたが、これらの実施形態は本技術の原理および用途を例示したものに過ぎないことが理解されるべきである。よって、本技術の意図および範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態において多数の変更例が可能であり、また、他の配置を考え得ることが理解されるべきである。
なお、本願の出願当初の開示事項を維持するために、本願の出願当初の請求項1~47の記載内容を以下に追加する。
(請求項1)
患者への呼吸可能なガスの流れを送達する患者インターフェースおよび呼吸可能なガス流れを生成する呼吸治療デバイスとの結合用の呼吸装置であって、
前記生成された呼吸可能なガスの流れを前記呼吸治療デバイスから前記患者インターフェースへ導通させるように構成されたガス通路を有する送達導管であって、前記送達導管は、呼吸治療デバイスカプラエンドおよび患者インターフェースカプラエンドを有し、前記送達導管の長さは、前記呼吸治療デバイスカプラエンドから前記患者インターフェースカプラエンドへ延びる、送達導管と、
前記呼吸治療デバイスカプラエンドよりも前記患者インターフェースカプラエンドに近い前記送達導管の長さに沿った一点において前記送達導管上に取り付けられた無線トランシーバと
を含んでなる呼吸装置。
(請求項2)
前記無線トランシーバは、前記患者インターフェースカプラエンドにおいて接続されたアクセサリから送信されたアクセサリ識別子を検出するように構成される、請求項1の呼吸装置。
(請求項3)
前記無線トランシーバは、前記患者インターフェースカプラエンドにおいて接続されたアクセサリから無線周波数識別タグおよび近距離無線通信識別タグのうち1つを読み出すように構成される、請求項1~2のいずれか1つの呼吸装置。
(請求項4)
前記アクセサリは、前記呼吸可能なガスの流れを前記送達導管から前記患者へ送達させるための患者インターフェースである、請求項2~3のいずれか1つの呼吸装置。
(請求項5)
前記無線トランシーバは、コントローラへ連結され、アクセサリの識別を含むデータを前記コントローラへリレーするように構成される、請求項1~4のいずれか1つの呼吸装置。
(請求項6)
前記コントローラは、前記呼吸治療デバイスに配置される、請求項5の呼吸装置。
(請求項7)
前記コントローラは、前記送達導管上の回路基板上に配置され、前記無線トランシーバは、前記アクセサリの識別を含むデータを、有線接続を介して前記コントローラへリレーするように構成される、請求項5の呼吸装置。
(請求項8)
前記コントローラは、前記アクセサリの識別を含むデータを前記呼吸治療デバイスのコントローラへリレーするように構成される、請求項6の呼吸装置。
(請求項9)
前記送達導管の長さに沿って延びる2本以上のワイヤと、
前記送達導管の前記2本以上のワイヤを介して電源に接続するように適合された第1の誘導性コネクタと、
電力を前記コントローラの前記回路コンポーネントへ導通させるようにコントローラの回路コンポーネントへ接続された第2の誘導性コネクタであって、前記コントローラの前記回路コンポーネントは、前記送達導管の終端部へ接続するように適合されたカフ内に構成され、前記第1の誘導性コネクタは、電力を前記第2の誘導性コネクタへ誘導転送するように構成される、第2の誘導性コネクタと
をさらに含む、請求項1~8のいずれか1つの呼吸装置。
(請求項10)
少なくとも1つのコントローラが、前記患者インターフェースカプラエンドへ取り付けられたアクセサリの持続使用期間を決定するように構成される、請求項1~9のいずれか1つの呼吸装置。
(請求項11)
呼吸治療デバイスをさらに含む、請求項1~10のうちいずれか一項の呼吸装置。
(請求項12)
前記呼吸治療デバイス中の前記コントローラは、前記患者インターフェースカプラエンド中のコントローラに給電するように第1のスイッチを動作させるように構成され、前記患者インターフェースカプラエンド中の前記コントローラは、前記送達導管内を流れる前記呼吸可能なガスの加熱および前記コントローラ間のデータ通信を断続的に制御するように第2のスイッチを動作させるように構成される、請求項11の呼吸装置。
(請求項13)
前記呼吸治療デバイスは、加湿器および流れ生成器を含む、請求項12の呼吸装置。
(請求項14)
呼吸装置制御デバイスであって、
呼吸治療デバイスのための呼吸可能なガス送達導管であって、前記呼吸可能なガス送達導管は、前記呼吸治療デバイスの空気流れ生成器の出口に接続するように適合され、患者インターフェースの呼吸可能なガス入口へ接続するように適合される、呼吸可能なガス送達導管と、
前記呼吸可能なガス送達導管の一部の周囲において屈曲された表面を有するフレキシブルプリント回路基板と、
前記フレキシブルプリント回路基板の前記表面に取り付けられたコントローラであって、前記コントローラは、前記呼吸治療デバイスの1つ以上のパラメータの決定を制御するように構成される、コントローラと
を含んでなる呼吸装置制御デバイス。
(請求項15)
前記フレキシブルプリント回路基板は、通信インターフェースをさらに含み、前記通信インターフェースは、前記送達導管に沿ったデータバスの1つ以上のワイヤへ接続するように適合され、前記コントローラは、前記通信インターフェースを制御して、前記データバス上のデータ信号を送信するように構成される、請求項14の呼吸装置制御デバイス。
(請求項16)
前記フレキシブルプリント回路基板の前記表面に取り付けられた無線トランシーバをさらに含み、前記無線トランシーバは、
前記呼吸治療デバイスの前記コントローラのトランシーバと
前記患者インターフェースの識別回路と
のうち一方または双方と通信するように構成される、請求項14~15のいずれか1つの呼吸装置制御デバイス。
(請求項17)
前記1つ以上のパラメータのパラメータは、前記送達導管を通じて前記呼吸治療デバイスから送達される呼吸可能なガスの特性である、
請求項14~16のいずれか1つの呼吸装置制御デバイス。
(請求項18)
前記1つ以上のパラメータのパラメータは、前記送達導管の終端部へ連結された患者インターフェースの特性である、
請求項14~17のいずれか1つの呼吸装置制御デバイス。
(請求項19)
前記フレキシブルプリント回路基板の前記表面へ取り付けられた前記コントローラは、前記呼吸可能なガスの特性の閉ループ制御のために前記送達導管中の呼吸可能なガスの特性の測定を前記呼吸治療デバイスのコントローラへ通信するように構成される、
請求項14~18のいずれか1つの呼吸装置制御デバイス。
(請求項20)
前記フレキシブルプリント回路基板の前記表面へ取り付けられた前記コントローラは、前記送達導管中の呼吸可能なガスの特性の測定を決定することと、前記呼吸可能なガスの特性を制御することとを行うように構成される、
請求項14~18のいずれか1つの呼吸装置制御デバイス。
(請求項21)
前記呼吸可能なガスの前記制御される特性は温度であり、前記コントローラは、前記送達導管のヒータ要素を動作させるように構成される、
請求項20の呼吸装置制御デバイス。
(請求項22)
前記フレキシブルプリント回路基板の前記表面へ取り付けられた前記コントローラは、患者インターフェースの前記送達導管に対する接続および接続解除を検出することと、前記検出に基づいて前記呼吸治療デバイスの動作を制御するためにデータ信号を呼吸治療デバイスのコントローラへ生成することとを行うように構成される、
請求項14~21のいずれか1つの呼吸装置制御デバイス。
(請求項23)
前記フレキシブルプリント回路基板は、前記表面へ取り付けられた1つ以上のセンサを含む、
請求項14~22のいずれか1つの呼吸装置制御デバイス。
(請求項24)
前記フレキシブルプリント回路基板の前記表面は、前記送達導管の前記部位のアパチャを通じて前記送達導管のガス通路中へと屈曲されて、前記送達導管の前記ガス通路のガスの特性を感知するために、前記延長ストリップへ取り付けられたセンサを前記ガス通路中へ伸長させる延長ストリップを含む、
請求項14~22のいずれか1つの呼吸装置制御デバイス。
(請求項25)
前記1つ以上のセンサは、前記送達導管を通じて送達される空気の圧力、空気流れ、温度および相対湿度のうち少なくとも1つ以上を測定するように適合される、
請求項23の呼吸装置制御デバイス。
(請求項26)
前記送達導管の部位は、患者インターフェースとの取り外し可能な連結のために適合された前記送達導管の円筒カフを含む、
請求項14~25のいずれか1つの呼吸装置制御デバイス。
(請求項27)
前記円筒カフは、前記フレキシブルプリント回路基板を封入するためのシースをさらに含む、
請求項26の呼吸装置制御デバイス。
(請求項28)
前記円筒カフは前記送達導管のガス通路を含み、前記ガス通路は、前記フレキシブルプリント回路基板の前記表面へ取り付けられた前記コントローラによって制御されるヒータ要素を含む、
請求項26~27のいずれか1つの呼吸装置制御デバイス。
(請求項29)
前記フレキシブルプリント回路基板の前記表面へ取り付けられた前記コントローラは、1組のワイヤを通じて加熱動作とデータ信号伝達動作との間の断続的切り替えによってデータ通信および前記送達導管の加熱を行うように構成される、前記1組のワイヤは、前記送達導管に沿って延び、3つのワイヤ導体からなる、請求項14~28のいずれか1つの呼吸装置制御デバイス。
(請求項30)
呼吸装置であって、
呼吸可能なガスの流れを患者へ生成する呼吸治療デバイスと、
呼吸治療デバイスからの呼吸可能なガスの流れを患者インターフェースへと伝導するための送達導管と、
前記呼吸治療デバイスに配置された第1のコントローラと、
前記送達導管の患者エンドに配置されるかまたはその近隣に配置される第2のコントローラと、
前記第1のコントローラおよび前記第2のコントローラを接続させる前記送達導管に沿った1組のワイヤであって、前記1組のワイヤは、前記送達導管の加熱および前記第1のコントローラおよび前記第2のコントローラ間のデータ通信双方のための3つのワイヤを含む、1組のワイヤと
を含んでなり、
前記第1のコントローラおよび第2のコントローラの片方または双方は、通信動作および加熱動作を前記1組のワイヤを通じて交互にインターリーブするように構成される、呼吸装置。
(請求項31)
前記1組のワイヤは、第1のワイヤ、第2のワイヤおよび接地ワイヤを含み、前記第1のワイヤおよび接地ワイヤにより、前記第1のコントローラおよび前記第2のコントローラ間のデータ通信が可能になり、前記第2のワイヤおよび前記接地ワイヤにより、前記呼吸治療デバイスの電源からの電力を用いた前記送達導管のための熱が得られる、
請求項30の呼吸装置。
(請求項32)
前記呼吸治療デバイスに配置されかつ前記第1のコントローラによって制御される第1のスイッチと、前記送達導管に配置されかつ前記第2のコントローラによって制御される第2のスイッチとをさらに含む、請求項30~31のうちいずれか1つの呼吸装置。
(請求項33)
前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチそれぞれが閉められると、加熱動作が制御される、請求項32の呼吸装置。
(請求項34)
前記第1のスイッチが閉められ、前記第2のスイッチが開けられると、通信動作の制御が可能になる、請求項31~33のうちいずれか1つの呼吸装置。
(請求項35)
前記通信動作は、前記送達導管中の1つ以上のセンサからの測定の送信を含む、請求項33の呼吸装置。
(請求項36)
前記1つ以上のセンサは、前記送達導管場中の空気流れ、圧力、温度および相対湿度のうち少なくとも1つを測定するように構成される、請求項35の呼吸装置。
(請求項37)
前記通信動作は、前記送達導管へ連結されたアクセサリの識別の送信を含む請求項34の呼吸装置。
(請求項38)
前記送達導管の前記患者エンドへ取り付けられたカフおよびシースをさらに含み、前記第2のコントローラは、前記カフ上に配置され、前記シースによって被覆される、請求項30~37のうちいずれか1つの呼吸装置。
(請求項39)
呼吸装置のための制御方法であって、前記呼吸装置は、呼吸可能なガスの流れを生成する呼吸治療デバイスと、前記生成された呼吸可能なガスの流れを前記呼吸治療デバイスから患者インターフェースへ導通させる送達導管と、第1のコントローラを第2のコントローラへ連結させる1組のワイヤとを含み、前記1組のワイヤは、前記送達導管に沿って延び、前記第1のコントローラおよび前記第2のコントローラを分離させ、前記制御方法は、
通信動作において前記1組のワイヤを通じて前記第1のコントローラにおいてデータを受信するステップと、
前記通信動作において前記第2のコントローラから前記1組のワイヤを通じて前記データを送信するステップと、
加熱動作において前記第1のコントローラおよび第2のコントローラの片方または双方によって前記1組のワイヤを加熱して、前記送達導管を通じて呼吸可能なガスの流れを加熱するステップと、
前記加熱動作および前記通信動作をインターリーブするステップと
を含んでなる、制御方法。
(請求項40)
前記通信動作の前記データは、前記送達導管内を流れる前記呼吸可能なガスの流れ、圧力、温度および相対湿度のうち1つ以上のものを示す、請求項39の制御方法。
(請求項41)
前記加熱動作は、パルス幅変調信号によって制御される、請求項39~40のうちいずれか1つの制御方法。
(請求項42)
送達導管アセンブリを構築する方法であって、前記送達導管アセンブリは、呼吸治療デバイスからの呼吸可能なガスの流れを患者インターフェースへ導通させ、前記送達導管はカフコネクタ端部を有しており、前記方法は、
前記フレキシブルプリント回路基板の表面を円筒形態に屈曲させるように、フレキシブルプリント回路基板を前記カフコネクタ端部の外面の周囲にラップおよび貼付するステップであって、前記カフコネクタ端部は、円筒ガス通路を含みかつ開口した第1の端部および第2の端部を有する、ラップおよび貼付するステップと、
管の端部を前記カフコネクタ端部へ取り付けるステップと、
前記プリント回路基板および前記カフコネクタ端部の少なくとも一部をシースにより被覆するステップと
を含んでなる、送達導管アセンブリを構築する方法。
(請求項43)
前記フレキシブルプリント回路基板の延長ストリップを前記カフコネクタ端部を通じてアパチャに挿入して、前記延長ストリップ上に取り付けられたセンサを前記カフコネクタ端部の前記円筒ガス通路に挿入するステップをさらに含む、請求項42の方法。
(請求項44)
前記挿入するステップの前に、前記センサおよび前記延長ストリップの端部をキャップで蓋をするステップをさらに含む、請求項43の方法。
(請求項45)
管の1組のワイヤの1つ以上のワイヤを前記フレキシブルプリント回路基板上の端子へ貼付するステップをさらに含む、請求項42~45のうちいずれか1つの方法。
(請求項46)
前記カフコネクタ端部の通信路の周囲にワイヤアンテナをコイリングするステップと、前記ワイヤアンテナのワイヤ端部を前記プリント回路基板の端子へ貼付するステップとをさらに含む、請求項42~45のうちいずれか1つの方法。
(請求項47)
前記カフコネクタ端部を患者インターフェースへ取り外し可能に連結させるステップと、
連結器を用いて前記管の端部を呼吸治療デバイス生成器へ取り外し可能に取り付けるステップと
をさらに含む、請求項42~46のうちいずれか1つの方法。
【外国語明細書】