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  • 特開-可視光通信送信装置 図1
  • 特開-可視光通信送信装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103514
(43)【公開日】2023-07-27
(54)【発明の名称】可視光通信送信装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/116 20130101AFI20230720BHJP
   H04B 10/516 20130101ALI20230720BHJP
【FI】
H04B10/116
H04B10/516
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004052
(22)【出願日】2022-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】595115592
【氏名又は名称】学校法人鶴学園
(72)【発明者】
【氏名】升井 義博
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA21
5K102AH01
5K102AH23
5K102AH31
5K102AL21
5K102PB02
5K102RD02
(57)【要約】
【課題】 照明を利用した可視光通信において、どのようなデータを送信する場合でも、照明の明るさが不変であり、ちらつきが発生せず、照度の調整が可能となる送信装置の提供。
【解決手段】 送信データを可視光に重畳する時、「0(L)」を重畳する場合と「1(H)」を重畳する場合のLED駆動用信号のデューティ比(Hとなる時間)を一定とし、一定区間内のパルスの数で「0(L)」と「1(H)」を区別する。そのためデューティ比により決まる明るさと、送信データの「0(L)」と「1(H)」を独立して扱うことができ、どのようなデータを送信する場合でも、照明の明るさが不変であり、ちらつきが発生せず、照度の調整が可能となる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から入力されるクロック波形を基に三角波を生成する第1の三角波生成回路と、外部から入力されるクロック波形を基に第1の三角波生成回路とは異なる周期の三角波を生成する第2の三角波生成回路と、前記各三角波生成回路の複数出力を外部から入力される送信データで1つの出力に選択するMUX(マルチプレクサ)と、前記MUXの出力と照度調整用信号からLED駆動用信号を生成する比較器を備えることを特徴とする可視光通信送信装置。
【請求項2】
第1の三角波生成回路と、第1の三角波生成回路と同期し第1の三角波生成回路とは異なる周期の三角波を生成する第2の三角波生成回路と、前記各三角波生成回路の複数出力を外部から入力される送信データで1つの出力に選択するMUX(マルチプレクサ)と、前記MUXの出力と照度調整用信号からLED駆動用信号を生成する比較器を備えることを特徴とする可視光通信送信装置。
【請求項3】
外部から入力されるクロック波形を基にノコギリ波を生成する第1のノコギリ波生成回路と、外部から入力されるクロック波形を基に第1のノコギリ波生成回路とは異なる周期のノコギリ波を生成する第2のノコギリ波生成回路と、前記各ノコギリ波生成回路の複数出力を外部から入力される送信データで1つの出力に選択するMUX(マルチプレクサ)と、前記MUXの出力と照度調整用信号からLED駆動用信号を生成する比較器を備えることを特徴とする可視光通信送信装置。
【請求項4】
第1のノコギリ波生成回路と、第1のノコギリ波生成回路と同期し第1のノコギリ波生成回路とは異なる周期のノコギリ波を生成する第2のノコギリ波生成回路と、前記各ノコギリ波生成回路の複数出力を外部から入力される送信データで1つの出力に選択するMUX(マルチプレクサ)と、前記MUXの出力と照度調整用信号からLED駆動用信号を生成する比較器を備えることを特徴とする可視光通信送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は可視光通信送信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LED(発光ダイオード)照明等が発する可視光を利用してデータの送受信を行う可視光通信技術が開発されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。可視光通信は電波を利用した無線通信と比較して、通信データの秘匿性が高く、人体への悪影響がほとんど無いという特徴を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-49901号広報
【特許文献2】特開2010-41476号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は可視光通信装置の送信装置に関するものであり、可視光通信装置を構成する回路を極めて簡素化することができ、消費電力を低減することができる発明である。しかし、LED照明に発明を適用した場合、送信データの変化による照明の明るさ変動や照明のちらつき対策が検討されていないという課題が残る。また特許文献2ではデュ―ティ比の均一化を図り、照明のちらつきを抑制する発明を提案している。しかし、照明のちらつきは抑制できるが、調光をどう行うかが検討されていない。照明を利用した可視光通信において、どのようなデータを送信する場合でも、照明の明るさが不変であり、ちらつきが発生せず、照度の調整が可能となる送信装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では送信データを可視光に重畳する時、「0(L)」を重畳する場合と「1(H)」を重畳する場合のLED駆動用信号のデューティ比(Hとなる時間)を一定とし、一定区間内のパルスの数で「0(L)」と「1(H)」を区別する。そのためデューティ比により決まる明るさと、送信データの「0(L)」と「1(H)」を独立して扱うことができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によればLED照明等を利用した可視光通信において、どのようなデータを送信する場合でも、照明の明るさが不変であり、ちらつきが発生せず、照度の調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】発明を実施するための一形態を示すブロック図である。
図2図1で示したブロック図における各ノードの波形例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。図1は本発明を実施するための一形態を示すブロック図である。図2図1で示したブロック図における各ノードの波形例を示した図である。外部から供給されるCK(クロック)を受け、三角波生成回路1と三角波生成回路2は異なる周期の三角波をそれぞれ生成する。生成された三角波はMUX3に入力され、外部から供給されるDATA(可視光に重畳したい送信データ)により切替られOUTとして出力される。例えばDATAが0(L)である時にMUXは三角波1を出力し、DATAが1(H)である時にMUXは三角波2を出力する。MUXの切替は、DATAが0(L)である時にMUXが三角波2を出力し、DATAが1(H)である時にMUXが三角波1を出力しても良い。MUXの出力OUTは照度調整用信号と比較器4にて比較され、LED駆動用信号を生成する。この時、DATAが0(L)であっても1(H)であってもLED駆動用信号のデューティ比(Hとなる時間)が変わらないためLEDの明るさが変わることはない。また、三角波1と三角波2の周期を十分短くすることでLEDの点滅は人の目では感知できず、照明のちらつきとして問題になることもない。更に、比較器4に入力する照度調整用信号を制御することで送信データに制約されることなく照明の明るさ調整が可能となる。
【0009】
三角波生成回路を利用する本発明において、外部から供給されるクロックから三角波を生成せず、自身で三角波を生成する三角波生成回路を利用しても良い。
【0010】
三角波生成回路を利用してLED駆動用信号を生成する本発明において、ノコギリ波生成回路を利用してLED駆動用信号を生成しても良い。
【0011】
LED駆動用信号を生成する本発明において、生成したLED駆動用信号でLEDを制御するスイッチを駆動しても良いし、LED以外の高速で点滅可能な照明器具を駆動しても良い。
【0012】
LED駆動用信号を生成する本発明において、生成したLED駆動用信号でLED以外の高速で点滅可能な発光装置、例えば液晶等を駆動しても良い。
【0013】
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施するための形態に記載の範囲に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明(可視光通信送信装置)はLED照明等を利用した可視光通信に対して利用することができる。
【符号の説明】
【0015】
1 三角波生成回路1
2 三角波生成回路2
3 MUX(マルチプレクサ)
4 比較器
図1
図2