(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103528
(43)【公開日】2023-07-27
(54)【発明の名称】破損防止機能を備えたバルブ用開栓器
(51)【国際特許分類】
F16K 35/00 20060101AFI20230720BHJP
【FI】
F16K35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004074
(22)【出願日】2022-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】591233171
【氏名又は名称】株式会社清水鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】弁理士法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西山 雅人
【テーマコード(参考)】
3H064
【Fターム(参考)】
3H064BA10
3H064CA20
3H064DA02
(57)【要約】
【課題】制限トルクの異なる複数のバルブに対応することができる破損防止機能を備えたバルブ用開栓器を提供する。
【解決手段】開栓器は、縦杆1と、係止部5と、第1横杆2と、報知部6と、トルク設定部9と、備えている。縦杆1は、上下に延びており、係止部5は、縦杆1の下端に設けられておりバルブの弁軸と連動する軸体に係止される。第1横杆2は、水平に延びるとともに縦杆1に固定され、縦杆1を軸に水平方向に回転して、縦杆1を回転させることにより軸体にトルクを与える。報知部6は、第1横杆2に設けられ、基準トルクに基づいて、第1横杆2によって軸体に与えられたトルクがバルブの呼び径に対応する制限トルクに達したことをユーザに報知する。トルク設定部9は、第1横杆2に設けられ、バルブの呼び径の制限トルクに対応する基準トルクを設定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
破損防止機能を備えたバルブ用の開栓器であって、
上下に延びる縦杆と、
前記縦杆の下端に設けられ、前記バルブの弁軸と連動して回転する軸体に係止される係止部と、
水平に延びるとともに前記縦杆に固定され、前記縦杆を軸に水平方向に回転して、前記縦杆を回転させることにより前記軸体にトルクを与える第1横杆と、
前記第1横杆に設けられ、基準トルクに基づいて、前記第1横杆によって前記軸体に与えられたトルクが前記バルブの呼び径に対応する制限トルクに達したことをユーザに報知する報知部と、
前記第1横杆に設けられ、前記バルブの呼び径の前記制限トルクに対応する前記基準トルクを設定するトルク設定部と、を備える
ことを特徴とする開栓器。
【請求項2】
前記第1横杆に設けられ、前記バルブの呼び径に対応する前記制限トルクごとに、複数の前記バルブの呼び径とともに目盛線を表示する表示部をさらに備え、
前記トルク設定部は、前記表示部を参照して、前記基準トルクを前記バルブの呼び径に対応する前記制限トルクに対応させる
ことを特徴とする請求項1に記載の開栓器。
【請求項3】
水平に延びるとともに前記縦杆に固定された1つまたは複数の横バーからなり、前記縦杆を回転させることにより前記軸体にトルクを与える第2横杆をさらに備える
ことを特徴とする請求項1または2に記載の開栓器。
【請求項4】
前記第1横杆は、外カバーを有し、
前記報知部は、
前記第1横杆の長さ方向に延びるとともに前記外カバー内に設けられ、かつ、前記外カバー内において端部が水平方向に揺動可能であって、揺動することにより前記外カバーに衝突すると衝突音を発生する横軸と、
前記横軸の端部に隣接して設けられた中間部材と、
付勢力を前記中間部材を介して前記横軸に与え、前記横軸の揺動を規制する付勢部と、を有し、
前記トルク設定部は、前記第1横杆が前記軸体に与えるトルクが前記バルブの呼び径に対応する前記制限トルクに達すると、前記横軸が揺動するように前記付勢部の付勢力を調整し、
前記報知部は、前記横軸の衝突音によって、前記軸体に与えられたトルクが前記バルブの呼び径に対応する前記制限トルクに達したことを前記ユーザに報知する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の開栓器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブ用開栓器に関し、特にバルブ破損防止機能を備えた開栓器に関する。
【背景技術】
【0002】
上水道、下水道、工業用水、農業用水などに配置されているバルブがある。上水道などは、地面に埋設されており、これらに配設されたバルブを開閉するには、専用の開栓器を要する。例えば、特許文献1に開示の開栓器は、T字状に形成され、左右に延びる横杆と、横杆の中央から下方に延びる縦杆と、縦杆の下端に設けられた嵌合部と、を備えている。この開栓器は、縦杆を地上から地中のバルブまで挿入するとともに、嵌合部をバルブの弁軸上の軸体に嵌合させる。そして、横杆を両手で回すことによりバルブを開閉する。
【0003】
ところで、通常、上水道用バルブなどでは、バルブ破損防止のためにバルブの呼び径ごとに制限トルクが定められている。そのため、ユーザは、従来、例えば、バルブの呼び径に対応する制限トルク以下でしか閉栓できない専用のトルクレンチや、一般のトルクレンチ(例えば、特許文献2参照)と専用のアダプタ(例えば、特許文献3参照)とを併用し、バルブの呼び径に対応する制限トルク以下でバルブを開閉していた。
【0004】
しかしながら、専用のトルクレンチの場合、呼び径が異なるバルブごとに専用のトルクレンチが必要となりコストが多くかかる。また、トルクレンチとアダプタとを併用する場合には、作業部材が複数となり、コスト増とともに組み立てる手間も生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭61-13079号公報
【特許文献2】特開2014-124706号公報
【特許文献3】特開2018-183821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の課題は、制限トルクの異なる複数のバルブに対応することができる破損防止機能を備えたバルブ用開栓器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る破損防止機能を備えたバルブ用の開栓器は、
上下に延びる縦杆と、
縦杆の下端に設けられ、バルブの弁軸と連動する軸体に係止される係止部と、
水平に延びるとともに縦杆に固定され、縦杆を軸に水平方向に回転して、縦杆を回転させることにより軸体にトルクを与える第1横杆と、
第1横杆に設けられ、基準トルクに基づいて、第1横杆によって軸体に与えられたトルクがバルブの呼び径に対応する制限トルクに達したことをユーザに報知する報知部と、
第1横杆に設けられ、バルブの呼び径に対応する基準トルクを設定するトルク設定部と、を備える、ことを特徴とする。
【0008】
上記開栓器は、好ましくは、
第1横杆に設けられ、バルブの呼び径に対応する制限トルクごとに、複数のバルブの呼び径とともに目盛線を表示する表示部をさらに備え、
トルク設定部は、表示部を参照して、基準トルクをバルブの呼び径に対応する制限トルクに対応させる。
【0009】
上記開栓器は、好ましくは、
水平に延びるとともに縦杆に固定された1つまたは複数の横バーからなり、縦杆を回転させることにより軸体にトルクを与える第2横杆をさらに備える
ことを特徴とする請求項1または2に記載の開栓器。
【0010】
上記開栓器は、好ましくは、
第1横杆が、外カバーを有し、
報知部が、
第1横杆の長さ方向に延びるとともに外カバー内に設けられ、かつ、外カバー内において端部が第1横杆の回動方向に揺動可能であって、外カバーに衝突すると衝突音を発生する横軸と、
横軸の端部に隣接して設けられた中間部材と、
付勢力を中間部材を介して横軸に与え、横軸の揺動を規制する付勢部と、を有し、
トルク設定部が、第1横杆が軸体に与えるトルクがバルブの呼び径に対応する制限トルクに達すると、横軸が揺動するように付勢部の付勢力を調整し、
報知部が、横軸の衝突音によって、軸体に与えられたトルクがバルブの呼び径に対応する制限トルクに達したことをユーザに報知する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る開栓器は、軸体に与えられたトルクがバルブの呼び径に対応する制限トルクに達したことをユーザに報知する。また、当該開栓器は、トルク設定部によって基準トルクを設定することができるので、制限トルクの異なる複数のバルブに対応してバルブの破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施例に係る開栓器の正面図である。
【
図2】Aは、
図1に示された開栓器の平面図であって、Bは、AのB部拡大図である。
【
図3】
図1に示された第1横杆の内部を示す図であって、Aは、トグルが揺動していないときを示し、Bは、トグルが揺動したところを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の破損防止機能を備えたバルブ用開栓器に係る一実施例について説明する。図中において、X軸およびY軸は、水平方向を示し、Z軸は、上下方向を示し、各軸は互いに直交している。
【0014】
図1および
図2に示すように、本実施例に係る破損防止機能を備えたバルブ用開栓器(以下、単に「開栓器」という)Tは、縦杆1と、第1横杆2と、第2横杆3と、連結部4と、係止部5と、を備えている。
【0015】
縦杆1は、円筒状に形成された縦杆本体10を有し、縦杆本体10は、Z軸方向に延びている。縦杆1は、金属製であって、本実施例ではSUSであるが、単なる一例であってこれに限定されない。
【0016】
第1および第2横杆2、3は、円筒状に形成された外管20、30をそれぞれ有し、外管20、30は、X軸方向に延びている。第1および第2横杆2、3は、ともに金属製であって、本実施例ではSUSであるが、単なる一例であってこれに限定されない。本実施例では、第1および第2横杆2、3は、連結部4を介して連結されているが、これも単なる一例であって、第1および第2横杆2、3は、一体的に形成されていてもよい。外管20は、本発明の「外カバー」に相当する。また、外管30は、本発明の「横バー」に相当する。
【0017】
縦杆1は、さらにボルト12を有し、縦杆本体10は、ボルト12によって連結部4に連結されており、これにより、縦杆1、第1および第2横杆2、3は互いに連結されている。本実施例では、開栓器Tは、縦杆1、第1横杆2および第2横杆3によって正面視T字状に構成されている。第1および第2横杆2、3は、縦杆1を軸にして回転することにより、縦杆1を回転させる。
【0018】
また、開栓器Tの正面視T字状は、単なる一例であって、例えば、縦杆1が連結部4の上部に突き出た状態で正面視十字状に形成されてもよい。また、第2横杆3は、合計3本の外管30を有し、それぞれの外管30が連結部4に連結され、第1および第2横杆2、3によって平面視、十字状に形成されてもよい。
【0019】
係止部5は、正面視台形状に形成されており、縦杆1の下端に設けられている。係止部5は、その内部を四角柱状にくり抜かれており、バルブの弁軸に連動して回転する軸体に嵌合される。軸体は、バルブの弁軸上に被せられた四角柱状のキャップであってもよい。本実施例の開栓器Tは、メタルシート仕切弁、ソフトシール仕切弁などのキャップに嵌合するよう形成されているが、単なる一例であってこれに限定されない。
【0020】
以上の構成により、開栓器Tは、係止部5をバルブの軸体に嵌合させられ、次いで、第1および第2横杆2、3を縦杆1を軸にして回転させることにより、バルブを開閉することができる。
【0021】
次に、開栓器Tが備えるトルクレンチ機能について説明する。開栓器Tのトルクレンチ機能は、平面視時計回りまたは反時計回りいずれでも使用することができるタイプのプリセット型トルクレンチの機能であるが、単なる一例であってこれに限定されない。例えば、平面視時計回りまたは反時計回りの1方向のみ使用可能なトルクレンチ機能を有していてもよい。
【0022】
図1に示すように、開栓器Tは、さらに、報知部6と、表示部8と、トルク設定部9と、を備えている。
【0023】
図3Aに示すように、報知部6は、外管20の内部に設けられており、コの字状部60と、ロッド62と、固定ブロック64と、連結ピン66、67と、トグル70と、コマ72と、スライドブッシュ74と、押圧ばね76と、を有する。
【0024】
コの字状部60は、平面視コの字状に形成されており、縦杆1の上部に設けられたI形の凸状部14に嵌合されている。ロッド62の第1端部は、コの字状部60に固定されており、ロッド62は、外管20の内部において外管20の長さ方向に延びている。ロッド62の第2端部は、正面視コの字状に形成されている。また、ロッド62は、外管20の内部において、第1横杆2の回転方向に揺動可能に構成されている。
【0025】
固定ブロック64は、ロッド62の第2端部に隣接して外管20に固定されている。トグル70は、連結ピン66、67によって、ロッド62および固定ブロック64に連結され、連結ピン67を支点にして水平方向に揺動可能に連結されている。トグル70が、本発明の「横軸」に相当する。
【0026】
コマ72は、平面視四角状に形成されており、トグル70に隣接して設けられ水平方向に転動可能に設けられている。スライドブッシュ74は、コマ72に隣接して設けられており、その隣接部分が平面視ハット状に形成されるとともに、外管20の長さ方向に沿ってスライド可能に構成されている。トグル70のコマ72に隣接する部分もハット状に形成されており、これにより、コマ72は、トグル70およびスライドブッシュ74のハット状部分に挟まれた範囲で転動するように構成されている。コマ72は、本発明の「中間部材」に相当する。
【0027】
押圧ばね76は、コイルばねであって、スライドブッシュ74に当接して設けられ外管20の長さ方向に延びている。押圧ばね76は、縦杆1に向かう付勢力をスライドブッシュ74およびコロを介してトグル70に与え、トグル70およびロッド62が揺動することを規制している。押圧ばね76が、本発明の「付勢部」に相当する。
【0028】
ロッド62およびトグル70は、第1横杆2が回転して縦杆1が軸体にトルクを与えるとき、第1横杆2の回転方向または反回転方向にトルクを受ける。そして、
図3Bに示すように、ロッド62およびトグル70が受けるトルクが押圧ばね76による規制力を超えると、ロッド62およびトグル70は互いに反対方向に揺動し、その結果、トグル70の端部が外管20に衝突することにより、衝突音および衝突による振動を発生させる。この押圧ばね76による規制力を超えるトルク、言い換えると、ロッド62およびトグル70の連結部分を折り曲げるトルクが、本発明の「基準トルク」に相当する。
【0029】
報知部6は、上述の衝突音および振動によって、バルブの弁軸に所定のトルクが与えられたことをユーザに報知する。なお、報知部6は、上述のとおり、第1横杆2が平面視時計回りまたは半時計回りいずれの方向に回されても、所定のトルクを受けると、衝突音および振動を発生させることができる。
【0030】
図2に示すように、表示部8は、複数の目盛線80と、複数の引出線82と、複数のバルブの呼び径84と、を有する。複数の目盛線80は、互いに平行に所定の間隔をおいて外管20の周方向に延びるよう設けられている。この所定の間隔は、バルブの呼び径に対応する制限トルクに基づいている。引出線82は、本実施例では、目盛線80ごとに上下に交互に目盛線80の端部から延びるよう設けられている。複数のバルブの呼び径84は、引出線82に隣接して印字されており、目盛線80がいずれのバルブの呼び径に対応するのかを示している。本実施例では、呼び径84は、「mm(ミリメートル)」表示であるが、例えば、「in(インチ)」表示でもよく、また、言語、色およびフォントを特に限定されない。目盛線80、引出線82および呼び径84は、外管20の表面に凹状または凸状いずれの態様で設けられてもよくその態様は特に限定されない。また、目盛線80、引出線82および呼び径84は、例えば、外管20の表面に貼られたシートに印字されることにより、外管20の表面に設けられてもよい。
【0031】
図3Aに示すように、トルク設定部9は、ダイヤルカバー90と、スライド部92と、ノブ94と、を有する。
【0032】
ダイヤルカバー90は、筒状に形成されており、外管20を覆っている。スライド部92は、外管20の内部においてX軸方向に延びるとともにダイヤルカバー90に連結されており、ダイヤルカバー90に連動して回転するよう構成されている。スライド部92は、雄ねじまたは雌ねじ部を有し、外管20の内側に設けられた雌ねじ部または雄ねじ部にねじ係合されており、ダイヤルカバー90によって回転させられると、ダイヤルカバー90とともにX軸方向にスライドする。ノブ94は、ダイヤルカバー90に連結されており、かつ、ダイヤルカバー90を外管20に固定可能に構成されている。ノブ94は、Y軸方向のいずれかに回転することにより、ダイヤルカバー90のスライドを規制するかまたは規制を解除する。
【0033】
スライド部92の先端は、押圧ばね76の端部に当接しており、スライド部92は、スライドし押圧ばね76のノブ94側端部をX軸方向にスライドさせることにより押圧ばね76のトグル70に与える付勢力を調整する。ユーザは、ダイヤルカバー90をスライドさせてダイヤルカバー90の側縁部90aを目盛線80に重ねることにより、基準トルクを開栓器Tを係止されたバルブの呼び径の制限トルクに対応させる。
【0034】
これにより、開栓器Tは、第1横杆2によって縦杆1が回転させられ軸体に制限トルクが与えられると、報知部6の衝突音によってユーザに報知する。なお、開栓器Tは、軸体に与えられたトルクが制限トルクを超えた後も、第1横杆2、第2横杆3を回転させることにより軸体にトルクを与えることができる。したがって、開栓器Tは、特定の緊急時において制限トルクを超えるトルクを軸体に与える必要があるときには、当該トルクを軸体に与えることができる。
【0035】
以上、本発明の一実施例に係る開栓器Tについて説明してきたが、本発明は、上記実施例に限定されるものではない。本発明に係る開栓器Tは、例えば、下記変形例によって実施されてもよい。
【0036】
・縦杆1および第1および第2横杆2、3は、角形または丸形に形成されていてもよく、その断面形状を特に限定されない。
【0037】
・上記実施例では、トグル70の端部が外管20に衝突して衝突音を発生させるが、単なる一例であって、本発明における横軸は、これに限定されない。例えば、横軸は、側面に凸部を有し、揺動すると、その凸部が外管20に衝突して衝突音を発生させてもよい。
【0038】
・上記実施例では、中間部材は、コマ72であって、コマ72が転動することにより、ロッド62とトグル70の連結部分が折れ曲がるが単なる一例であって、本発明における中間部材は、これに限定されない。例えば、中間部材は、水平方向に揺動可能な揺動部材であって、開栓器Tは、制限トルク以上のトルクが軸体に与えられると、この揺動部材が揺動することによりロッド62とトグル70の連結部分が折れ曲がるよう構成されていてもよい。
【0039】
・報知部6が、基準トルクに基づいて、衝突音を発生させる構造は、上記実施例に限定されるものではない。報知部6は、例えば、公知のプリセット型トルクレンチに係る衝突音を発生させる構造により、軸体に与えられたトルクがバルブの呼び径84に対応する制限トルクに達したことをユーザに報知してもよい。この場合、例えば、報知部6は、コイルばねの代わりに板ばねを有してもよい。
【符号の説明】
【0040】
T 開栓器
1 縦杆
10 縦杆本体
12 ボルト
14 凸状部
2 第1横杆
20 外管(外カバー)
3 第2横杆
30 外管(横バー)
4 連結部
5 係止部
6 報知部
60 コの字状部
62 ロッド
64 固定ブロック
66、67 連結ピン
70 トグル(横軸)
72 コマ(中間部材)
74 スライドブッシュ
76 押圧ばね(付勢部)
8 表示部
80 目盛線
82 引出線
84 呼び径
9 トルク設定部
90 ダイヤルカバー
90a 側縁部
92 スライド部
94 ノブ