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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103532
(43)【公開日】2023-07-27
(54)【発明の名称】二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/262 20210101AFI20230720BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20230720BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20230720BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20230720BHJP
   H01M 10/6557 20140101ALI20230720BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20230720BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20230720BHJP
   H01M 10/058 20100101ALI20230720BHJP
   H01M 10/653 20140101ALI20230720BHJP
【FI】
H01M50/262 P
H01M50/262 S
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/647
H01M10/6557
H01M10/04 Z
H01M10/052
H01M10/058
H01M10/653
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004086
(22)【出願日】2022-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】399107063
【氏名又は名称】プライムアースEVエナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】近藤 航平
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 恒良
【テーマコード(参考)】
5H028
5H029
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H028AA07
5H028AA08
5H028BB04
5H028CC01
5H028CC07
5H028CC08
5H028HH05
5H029AJ05
5H029AJ14
5H029BJ02
5H029BJ14
5H029BJ22
5H029CJ03
5H029CJ25
5H029DJ04
5H029HJ04
5H029HJ12
5H031AA00
5H031KK00
5H031KK08
5H040AA28
5H040AA36
5H040AS07
5H040AT02
5H040AT06
5H040CC34
5H040CC38
5H040NN01
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】金属異物の析出を抑制可能な二次電池を提供すること。
【解決手段】積層された電極を含む電極体30を備えた二次電池1は、二次電池1の厚さ方向の外側面に配置されたフィルム10と、外側面の一部を押圧する押圧部とを備える。二次電池1は、厚さ方向から二次電池1を加圧する少なくとも1つの突起部20を有する加圧部材2が隣接して配置される。押圧部は、加圧部材2の突起部20と対向しない非対向位置の少なくとも一部に存在する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された電極を含む電極体を備えた二次電池であって、
前記二次電池の厚さ方向の外側面に配置されたフィルムと、
前記外側面の一部を押圧する押圧部とを備え、
前記二次電池は、前記厚さ方向から前記二次電池を加圧する少なくとも1つの突起部を有する加圧部材が隣接して配置され、
前記押圧部は、前記加圧部材の前記突起部と対向しない非対向位置の少なくとも一部に存在する、二次電池。
【請求項2】
前記フィルムは、前記押圧部に相当する、前記厚さ方向において前記フィルムの他の部分よりも厚さの大きい肉厚部を有するように構成されており、
前記フィルムの前記肉厚部は、前記非対向位置の少なくとも一部に形成された、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記フィルムの前記肉厚部は、前記電極体の中央部に対向するように形成された、請求項2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記フィルムの前記肉厚部は、前記二次電池の幅方向に延在するように形成された、請求項2又は3に記載の二次電池。
【請求項5】
前記フィルムの前記肉厚部は、捲回された前記電極を含む電極体の平坦部に対向するように形成された、請求項4に記載の二次電池。
【請求項6】
前記フィルムの前記肉厚部は、前記二次電池の高さ方向に延在するように形成された、請求項2又は3に記載の二次電池。
【請求項7】
前記肉厚部の厚さは、前記電極体の中央部における電極間の距離が、前記電極体の中央部以外の部分における電極間の距離以下となるように構成された、請求項2~6のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項8】
前記押圧部が前記非対向位置のみに存在する場合、前記肉厚部の厚さは、前記非対向位置における電極間の距離が、前記加圧部材の前記突起部と対向する対向位置における電極間の距離以下となるように構成された、請求項2~6のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項9】
前記フィルムの前記肉厚部は、1以上の前記フィルムを重ねることによって形成された、請求項2~8のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項10】
前記押圧部は、前記フィルムと別個の押圧部材で形成されており、
前記押圧部材は、前記フィルムの上面及び下面の少なくとも一方において、前記非対向位置の少なくとも一部に配置された、請求項1に記載の二次電池。
【請求項11】
前記加圧部材の前記突起部は、細長形状をしており、
前記加圧部材は、細長形状の突起部によって規定される複数の突起間領域を有しており、
前記加圧部材は、前記電極体の中央部に対向する突起間領域が他の突起間領域よりも大きくなるように構成された、請求項1~10のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項12】
前記加圧部材は、前記電極体の中央部に対向する位置における前記突起部の密集度が、前記対向する位置以外の位置における前記突起部の密集度よりも小さくなるように構成された、請求項1~10のいずれか1項に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電気自動車やハイブリッド車、プラグインハイブリッド車等では、リチウムイオン電池等の二次電池が採用されている。例えば、特許文献1は、電極群とケースの間に配置された4つの絶縁板を備えた二次電池を開示する。この二次電池は、絶縁板によって電極群及びケースを絶縁すると共に電極群の形状を維持することを目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-54567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の二次電池を配列して二次電池パックを製造する場合、隣接する2つの二次電池の間に、突起部を備えたスペーサが配置されることがある。充放電によって二次電池が膨張すると、スペーサの突起部によって二次電池が加圧される。したがって、スペーサの突起部に対向する部分には圧力が直接加わり、突起部に対向しない部分には圧力が直接加わらない。
【0005】
スペーサの突起部に対向する部分では、二次電池内に積層された各電極の間の距離が小さくなる。一方、突起部に対向しない部分では、二次電池の各電極の間の距離が大きくなる。そのため、突起部に対向しない部分では、二次電池の充放電によって発生したガスが電極体内に溜まり易くなり、リチウム等の金属異物が析出し易くなる。図16は、捲回型電極体におけるリチウムの析出結果を示す図である。図16に示すように、リチウムは、捲回型電極体の各電極の間の距離が大きくなる位置で析出した。特に、捲回型電極体の中央部付近の平坦部においてリチウムが析出した。
【0006】
しかしながら、特許文献1が開示する二次電池は、電極群及びケースを絶縁すると共に電極群の形状を維持することを目的とするものであるため、二次電池の外側面に加わる外力に起因する金属異物の析出を抑制できないという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためのものであり、金属異物の析出を抑制可能な二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る積層された電極を含む電極体を備えた二次電池は、
二次電池の厚さ方向の外側面に配置されたフィルムと、
外側面の一部を押圧する押圧部とを備え、
二次電池は、厚さ方向から二次電池を加圧する少なくとも1つの突起部を有する加圧部材が隣接して配置され、
押圧部は、加圧部材の突起部と対向しない非対向位置の少なくとも一部に存在する。
【0009】
フィルムは、押圧部に相当する、厚さ方向においてフィルムの他の部分よりも厚さの大きい肉厚部を有するように構成されており、
フィルムの肉厚部は、非対向位置の少なくとも一部に形成される。
【0010】
フィルムの肉厚部は、電極体の中央部に対向するように形成される。
【0011】
フィルムの肉厚部は、二次電池の幅方向に延在するように形成され得る。
【0012】
フィルムの肉厚部は、捲回された電極を含む電極体の平坦部に対向するように形成され得る。
【0013】
フィルムの肉厚部は、二次電池の高さ方向に延在するように形成され得る。
【0014】
肉厚部の厚さは、電極体の中央部における電極間の距離が、電極体の中央部以外の部分における電極間の距離以下となるように構成されることが好ましい。
【0015】
押圧部が非対向位置のみに存在する場合、肉厚部の厚さは、非対向位置における電極間の距離が、加圧部材の突起部と対向する対向位置における電極間の距離以下となるように構成されることが好ましい。
【0016】
フィルムの肉厚部は、1以上のフィルムを重ねることによって形成され得る。
【0017】
押圧部は、フィルムと別個の押圧部材で形成されており、
押圧部材は、フィルムの上面及び下面の少なくとも一方において、非対向位置の少なくとも一部に配置され得る。
【0018】
加圧部材の突起部は、細長形状をしており、
加圧部材は、細長形状の突起部によって規定される複数の突起間領域を有しており、
加圧部材は、電極体の中央部に対向する突起間領域が他の突起間領域よりも大きくなるように構成され得る。
【0019】
加圧部材は、二次電池の中央部に対向する位置における突起部の密集度が、対向する位置以外の位置における突起部の密集度よりも小さくなるように構成され得る。
【発明の効果】
【0020】
本発明により、金属異物の析出を抑制可能な二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施形態に係る二次電池を示す図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係るスペーサの一例を示す正面図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る電極体の一例を示す図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係るフィルムの一例を示す展開図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係るフィルムの別の例を示す展開図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係る折り畳まれた状態のフィルムを示す正面図である。
図7】本発明の第1の実施形態に係る折り畳まれた状態のフィルムを示す側面図である。
図8】本発明の第2の実施形態に係るフィルムの一例を示す展開図である。
図9】本発明の第2の実施形態に係るフィルムの別の例を示す展開図である。
図10】本発明の第2の実施形態に係る折り畳まれた状態のフィルムを示す正面図である。
図11】本発明の第2の実施形態に係る折り畳まれた状態のフィルムを示す側面図である。
図12】本発明の第3の実施形態に係るフィルムを示す展開図である。
図13】本発明の第3の実施形態に係る折り畳まれた状態のフィルムを示す正面図である。
図14】本発明の第4の実施形態に係るフィルムを示す展開図である。
図15】本発明の第4の実施形態に係る折り畳まれた状態のフィルム及び押圧部材を示す正面図である。
図16】捲回型電極体におけるリチウムの析出結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る二次電池1を示す図である。二次電池1は、その外側面に配置されたフィルム10を備える。フィルム10は、絶縁性を有するものを採用することが好ましい。フィルム10の詳細については、後述する。
【0023】
複数の二次電池1を用いて二次電池パックを製造する場合、複数の二次電池1が、図1に示す厚さ方向に配列される。隣り合う二次電池1の間には、スペーサ2が二次電池1に隣接して配置される。スペーサ2は、厚さ方向から二次電池1を加圧する加圧部材に相当する。
【0024】
図2は、第1の実施形態に係るスペーサ2の一例を示す正面図である。図2に示すように、スペーサ2は、少なくとも1つの突起部20を有する。この突起部20が、二次電池1を加圧する。突起部20は、スペーサ2の両面に設けることができる。
【0025】
図2に示すように、突起部20は、細長形状とすることができる。スペーサ2は、細長形状の突起部20によって規定される複数の突起間領域を有する。スペーサ2は、二次電池1の電極体の中央部に対向する突起間領域21が他の突起間領域よりも大きくなるように構成される。換言すると、スペーサ2は、二次電池1の電極体の中央部に対向する位置における突起部20の密集度が、当該位置以外の位置における突起部20の密集度よりも小さくなるように構成される。
【0026】
突起部20は、二次電池1の外側面に沿って冷却流体を通過させる機能を有する。図2に示すスペーサ2の場合、スペーサ2の下方から冷却流体が流入し、当該冷却流体が突起部20に沿ってスペーサ2の幅方向外側に排出される。これにより、二次電池1が冷却される。
【0027】
図3は、第1の実施形態に係る二次電池1が備える電極体30の一例を示す図である。本実施形態では、電極体30は、正極シート、負極シート及びセパレータを積層して捲回された後、扁平にされて形成される。したがって、電極体30の上部及び下部には湾曲部31が形成され、電極体30の中央部には平坦部32が形成される。
【0028】
図4は、第1の実施形態に係るフィルム10の一例を示す展開図である。フィルム10は、二次電池1の外側面に配置された後、二次電池1を包むように、図4の破線に沿って折り畳まれる。フィルム10は、二次電池1の厚さ方向においてフィルム10の他の部分よりも厚さの大きい肉厚部を有するように構成される。例えば、図4に示すように、フィルム10の肉厚部は、1つのフィルム10を重畳することによって形成することができる。また、図5に示すような個別のフィルム10を重ねることにより、肉厚部を形成することもできる。
【0029】
肉厚部は、二次電池1の厚さ方向の外側面の少なくとも一部を押圧する。肉厚部は、押圧部に相当する。肉厚部は、テープや接着剤等によって固定することができる。なお、図5には、2つのフィルム10が示されているが、3以上のフィルム10を重ねて肉厚部を形成してもよい。
【0030】
第1の実施形態では、フィルム10を二重化することにより、肉厚部を形成することができる。フィルム10の肉厚部は、スペーサ2の突起部20と対向しない位置(以下、「非対向位置」とする。)の少なくとも一部に形成される。また、フィルム10の肉厚部は、二次電池1内の電極体30の中央部に対向するように形成されることが好ましい。
【0031】
肉厚部の厚さは、電極体30の中央部における電極間の距離が、電極体30の中央部以外の部分における電極間の距離以下となるように構成することが好ましい。
【0032】
図6は、第1の実施形態に係る折り畳まれた状態のフィルム10を示す正面図である。図7は、第1の実施形態に係る折り畳まれた状態のフィルム10を示す側面図である。第1の実施形態では、フィルム10の肉厚部は、二次電池1の幅方向に延在し、電極体30の平坦部32に対向するように形成される。
【0033】
上述した実施形態では、フィルム10が、二次電池1を包むように配置される。二次電池1は、厚さ方向から二次電池1を加圧する少なくとも1つの突起部20を有するスペーサ2が隣接して配置される。フィルム10は、厚さ方向においてフィルム10の他の部分よりも厚さの大きい肉厚部を有するように構成される。フィルム10の肉厚部は、スペーサ2の突起部20と対向しない非対向位置の少なくとも一部に形成される。
【0034】
このように、フィルム10の肉厚部を非対向位置に形成することにより、肉厚部によって非対向位置の電極体30が押圧される。そのため、非対向位置における電極間の距離を、対向位置における電極間の距離以下とすることができる。その結果、充放電によって発生したガスが電極体30内に溜まるのを抑制でき、金属異物の析出を抑制することができる。
【0035】
また、フィルム10の肉厚部は、電極体30の中央部に対向するように形成される。電極が積層されて形成された電極体30の中央部では、電極体30の幅方向外側の部分と比べ、充放電によって発生したガスが排出され難い。上述した実施形態では、この電極体30の中央部に対向するようにフィルム10の肉厚部が形成されるため、フィルム10の肉厚部によって電極体30の中央部が押圧される。そのため、電極体30の中央部における電極間の距離を、電極体30の中央部以外の部分における電極間の距離以下にすることができる。その結果、充放電によって発生したガスが電極体30の中央部に溜まるのを抑制でき、金属異物の析出を抑制できる。
【0036】
<第2の実施形態>
図8は、本発明の第2の実施形態に係るフィルム10の一例を示す展開図である。図9は、第2の実施形態に係るフィルム10の別の例を示す展開図である。図10は、第2の実施形態に係る折り畳まれた状態のフィルム10を示す正面図である。図11は、第2の実施形態に係る折り畳まれた状態のフィルム10を示す側面図である。第2の実施形態では、フィルム10は、フィルム10の肉厚部が二次電池1の高さ方向に延在するように形成される。
【0037】
フィルム10の肉厚部は、電極体30の中央部に対向するように形成される。また、フィルム10の肉厚部は、図8に示すように、1つのフィルム10を重畳することによって形成することができる。また、図9に示すような個別のフィルム10を重ねることにより、肉厚部を形成することもできる。肉厚部の厚さは、電極体30の中央部における電極間の距離が、電極体30の中央部以外の部分における電極間の距離以下となるように構成することが好ましい。なお、3以上のフィルム10を重ねて肉厚部を形成してもよい。その他の特徴については、第1の実施形態と同じである。
【0038】
<第3の実施形態>
図12は、本発明の第3の実施形態に係るフィルム10を示す展開図である。図13は、第3の実施形態に係る折り畳まれた状態のフィルム10を示す正面図である。第3の実施形態に係るフィルム10は、第2の実施形態に係るフィルム10の変形例である。以下、第2の実施形態と相違する点についてのみ説明する。
【0039】
第3の実施形態では、図12及び図13に示すように、フィルム10は、非対向位置にのみ肉厚部が形成される。したがって、対向位置では、フィルム10は重ならず、非対向位置でのみ重ねられる。これにより、非対向位置の電極体30のみが肉厚部によって加圧される。肉厚部の厚さは、非対向位置における電極間の距離が、スペーサ2の突起部20に対向する位置(以下、「対向位置」とする。)における電極体30の電極間の距離以下となるように構成することが好ましい。なお、図12及び図13に示す例では、フィルム10の肉厚部が、二次電池1の高さ方向に延在するが、他の実施形態では、肉厚部が、二次電池1の幅方向に延在してもよい。
【0040】
<第4の実施形態>
図14は、本発明の第4の実施形態に係るフィルム10を示す展開図である。図15は、第4の実施形態に係る折り畳まれた状態のフィルム10及び押圧部材40を示す正面図である。第4の実施形態に係るフィルム10は、第2の実施形態に係るフィルム10の変形例である。以下、第2の実施形態と相違する点についてのみ説明する。
【0041】
第4の実施形態では、フィルム10の肉厚部を設けることなく、押圧部材40が配置される。押圧部材40は、フィルム10と別個の部材であり、例えば、テープや絶縁板等を採用することができる。押圧部材40は、押圧部に相当する。押圧部材40は、フィルム10の上面及び下面の少なくとも一方において、非対向位置の少なくとも一部に配置される。
【0042】
本発明は、上述した実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述した実施形態では、フィルム10を二重化することにより、肉厚部を形成するが、他の実施形態では、フィルム10を三重以上にして肉厚部を形成してもよい。
【0043】
また、他の実施形態では、フィルム10を重畳することなく、フィルム10の厚さを調整することによって肉厚部を形成してもよい。
【0044】
さらに、他の実施形態では、複数の正極シート、複数の負極シート及び複数のセパレータを積層して、非捲回型の電極体30を形成してもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 二次電池
10 フィルム
2 スペーサ
20 突起部
21 突起間領域
30 電極体
31 湾曲部
32 平坦部
40 押圧部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16