(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103560
(43)【公開日】2023-07-27
(54)【発明の名称】レンチ
(51)【国際特許分類】
B25B 13/02 20060101AFI20230720BHJP
【FI】
B25B13/02 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004149
(22)【出願日】2022-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】000161909
【氏名又は名称】京都機械工具株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】大西 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】頼富 士朗
(57)【要約】
【課題】レンチの軽量化を図りつつも、ハンドルの変形や破損を防ぐ。
【解決手段】先端部に設けられたヘッド10と、使用者に把持されるハンドル30とを備え、ハンドル30が、肉抜き部31、及び、該肉抜き部31の周囲の残存部32が形成されたものであり、残存部32が、ハンドルの延在方向と交差する第1傾斜骨321と、ハンドル30の延在方向Yと交差するとともに、第1傾斜骨321とも交差する第2傾斜骨322とを有するようにした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部に設けられたヘッドと、
使用者に把持されるハンドルとを備え、
前記ハンドルが、
肉抜き部、及び、該肉抜き部の周囲の残存部が形成されたものであり、
前記残存部が、
前記ハンドルの延在方向と交差する第1傾斜骨と、
前記ハンドルの延在方向と交差するとともに、前記第1傾斜骨とも交差する第2傾斜骨とを有する、レンチ。
【請求項2】
前記ハンドルが、外枠を構成する枠骨をさらに有し、
前記第1傾斜骨及び前記第2傾斜骨それぞれの先端側の根元部と後端側の根元部とが、前記枠骨に接続されている、請求項1記載のレンチ。
【請求項3】
前記残存部における締付対象とは反対を向く面とその裏面との間隔が、前記枠骨における前記締付対象とは反対を向く面とその裏面との間隔よりも短い、請求項2記載のレンチ。
【請求項4】
前記肉抜き部が、前記枠骨、前記第1傾斜骨、及び前記第2傾斜骨に囲われており、基端側よりも先端側の方が幅広である、請求項2又は3記載のレンチ。
【請求項5】
前記第1傾斜骨と前記第2傾斜骨との一方又は両方が、先端側の根元部よりも後端側の根元部の方が長い、請求項1乃至4のうち何れか一項に記載のレンチ。
【請求項6】
前記ヘッドが、締付対象とは反対を向く面と外側面との間に形成されたテーパ面を有する、請求項1乃至5のうち何れか一項に記載のレンチ。
【請求項7】
前記ヘッドが、外側面を構成する少なくとも3面以上の平坦な外側平坦面を有する、請求項1乃至6のうち何れか一項に記載のレンチ。
【請求項8】
前記ヘッドと前記ハンドルとを接続する首部の外側面が、前記ヘッドの回転軸と平行な面である、請求項1乃至7のうち何れか一項に記載のレンチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のレンチとしては、特許文献1に示すように、軽量化を図るべく、作業者に把持されるハンドルを貫通させてなる肉抜き部が形成されたものがある。
【0003】
ここで、肉抜きのされていないレンチにかかる作業時の応力を解析した結果、
図8に示すように、ハンドルには応力集中箇所が現れておらず、作業者の手から加わる力が分散されていることが分かる。なお、
図8において、白い箇所ほど大きな応力が加わっていることを示している。
【0004】
しかしながら、上述した肉抜き部の位置や大きさによっては、ハンドルに応力集中箇所が生じる可能性があり、そうするとハンドルが変形したり破損したりする恐れがあり、かといってハンドルの変形や破損を恐れると十分な軽量化を図れなかったりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本願発明は、レンチの軽量化を図りつつも、ハンドルの変形や破損などを防ぐことをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明に係るレンチは、先端部に設けられたヘッドと、使用者に把持されるハンドルとを備え、前記ハンドルが、肉抜き部、及び、該肉抜き部の周囲の残存部が形成されたものであり、前記残存部が、前記ハンドルの延在方向と交差する第1傾斜骨と、前記ハンドルの延在方向と交差するとともに、前記第1傾斜骨とも交差する第2傾斜骨とを有することを特徴とするものである。
【0008】
このように構成されたレンチであれば、肉抜き部を形成することによる軽量化を図りつつ、作業者の手からハンドルに加わる力を互いに交差する第1傾斜骨及び第2傾斜骨により分散させることができ、ハンドルの変形や破損などを防ぐことが可能となる。なお、ハンドルに加わる応力に関する具体的な解析結果は後述する。
【0009】
より具体的な実施態様としては、前記ハンドルが、外枠を構成する枠骨をさらに有し、前記第1傾斜骨及び前記第2傾斜骨それぞれの先端側の根元部と後端側の根元部とが、前記枠骨に接続されている態様を挙げることができる。
これならば、第1傾斜骨及び第2傾斜骨を枠骨の内側で交差させつつ、これらの傾斜骨の周囲を肉抜きすることで、肉抜き箇所を広範囲に設けることができ、レンチをより軽量なものとすることができる。
【0010】
上述した通り、作業者の手から加わる力を残存部により分散させて、残存部への応力集中を抑制しているので、残存部としては周囲の枠骨より細くても良い。
そこで、前記残存部における締付対象とは反対を向く面とその裏面との間隔が、前記枠骨における前記締付対象とは反対を向く面とその裏面との間隔よりも短いことが好ましい。
これならば、上述した力の分散によるハンドルの変形や破損を防ぎつつ、残存部における締付対象とは反対を向く面とその裏面との間隔を、枠骨における締付対象とは反対を向く面とその裏面との間隔よりも短くしているので、残存部と枠骨との間に段差が生じることになり、例えば残存部に鍛造肌を残しておくなどすることができ、残存部の形状を際立たせることができる。
【0011】
前記肉抜き部が、前記枠骨、前記第1傾斜骨、及び前記第2傾斜骨に囲われており、基端側よりも先端側の方が幅広である。
これならば、基端側よりも先端側の方がワイドな持ち手になり、握りやすさの向上を図れる。
【0012】
前記第1傾斜骨と前記第2傾斜骨との一方又は両方が、先端側の根元部よりも後端側の根元部の方が長いことが好ましい。
このような構成であれば、作業者に握られる箇所に近い後端側の根元部が長いので、その握る手からの力をより広い範囲で受けて分散させることができ、ハンドルへの応力集中をより抑制することができる。
【0013】
レンチの使い方として、例えば低負荷時にはヘッドを持った早回しがあるところ、上述した肉抜き部により軽量化を図ると、重量のあるレンチに比べて、ヘッドを握った際の安定性をやや欠く場合がある。
そこで、前記ヘッドが、締付対象とは反対を向く面と外側面との間に形成されたテーパ面を有することが好ましい。
これならば、ヘッドの握りやすさを向上させることができる。
【0014】
また、前記ヘッドが、外側面を構成する少なくとも3面以上の平坦な外側平坦面を有することが好ましい。
これならば、例えば上述した早回し時に握ったヘッドを水平な姿勢に保ちやすく、安定性のさらなる向上を図れる。
【0015】
レンチの別の使い方として、中負荷時には首部を持った早回しがあり、やはり、上述した肉抜き部により軽量化を図ると、重量のあるレンチに比べて、首部を握った際の安定性をやや欠く場合がある。
そこで、前記ヘッドと前記ハンドルとを接続する首部の外側面が、前記ヘッドの回転軸と平行な面であることが好ましい。
これならば、首部の握りやすさを向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
このように構成された本発明によれば、軽量化を図りつつも、ハンドルの変形や破損を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係るレンチの構成を示す斜視図。
【
図3】同実施形態のレンチのヘッドを拡大した部分拡大図。
【
図4】同実施形態のレンチのハンドルを拡大した部分拡大図。
【
図5】同実施形態のレンチに加わる応力を解析した解析データ。
【
図6】その他の実施形態におけるレンチの構成を示す斜視図。
【
図7】その他の実施形態におけるレンチの構成を示す模式図。
【
図8】通常のレンチに加わる応力を解析した解析データ。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係るレンチの一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
本実施形態に係るレンチは、ボルト等の締付対象の締付作業又は緩め作業に用いられる工具である。なお、ここではレンチとして、ラチェットハンドルを例に挙げて説明するが、スパナ、めがねレンチ、モンキーレンチなど種々の工具として構わない。
【0020】
このレンチ100は、
図1及び
図2に示すように、ヘッド10、首部20、及びハンドル30が、この順で先端側から後端側に向かって設けられたものであり、ここでは、締付方向を時計回り及び反時計回りの双方向に切替可能に構成されている。ただし、必ずしも双方向に締め付け可能である必要はなく、締付方向が片方向のみのものであっても構わない。
【0021】
ヘッド10は、直接或いはソケット等の別部材を介して締付対象に係合するものであり、例えば低負荷時の作業において使用者に握られる箇所である。
【0022】
本実施形態のヘッド10は、握りやすさの向上を図るべく、
図3に示すように、締付対象とは反対を向く面11(以下、上面11ともいう)と外側面12との間に形成されたテーパ面13を有する。このテーパ面13は、ヘッド10の回転軸Xに対して所定角度傾斜した平坦な面であり、上面11の外縁に沿って連続的に形成されている。
【0023】
さらに、このヘッド10は、
図3に示すように、外側面12を構成する少なくとも3面以上の平坦な外側平坦面121を有する。この外側平坦面121は、ヘッド10の回転軸Xに沿って平坦な面であり、言い換えれば、ヘッド10の回転軸Xと平行な面である。この外側平坦面121は、上面視において、多角形の辺に対応する位置に設けられている。ここでは、六角形の6つの辺のうちの5つの辺に対応する位置に外側平坦面121が設けられており、互いに隣り合う外側平坦面121は、これらの間に介在する湾曲面122により滑らかに接続されている。
【0024】
首部20は、ヘッド10とハンドル30との間に介在してこれらを連結しており、具体的にはヘッド10の後端側に位置する括れた部分であり、例えば中負荷時の作業において使用者に握られる箇所である。
【0025】
図1及び
図2に戻り、本実施形態の首部20は、握りやすさの向上を図るべく、外側面21の少なくとも一部が、ヘッド10の回転軸Xに沿った平坦な面である。この外側面21は、レンチ100の先端側から後端側に向かう方向に沿って、一部が湾曲しており、一部が平面である。
【0026】
ハンドル30は、使用者に把持される箇所であり、高負荷時や本締めなどの作業において使用者に把持される箇所である。
【0027】
本実施形態のハンドル30は、
図1及び
図2に示すように、掌で握られる箇所Aが丸みを帯びたラウンド形状であり、親指が当てられる箇所Bがヘッド10の回転軸Xに沿って平坦な平面、言い換えれば、ヘッド10の回転軸Xと平行な平面である。
【0028】
然して、このハンドル30は、
図4に示すように、肉抜き部31と、この肉抜き部31の周囲の残存部32とが形成されて成る。
【0029】
より具体的に説明すると、ハンドル30は、外枠を構成する枠骨33を有しており、この枠骨33の内側の複数箇所に肉抜き部31が形成されるとともに、これらの肉抜き部31を区切るように残存部32が設けられている。
【0030】
肉抜き部31は、ハンドル30の締付対象とは反対を向く面34(以下、上面34ともいう)から、その裏面35までハンドル30を貫通させてなる貫通孔である。ただし、肉抜き部31の一部又は全部は、ハンドル30を貫通させることなく、底部が形成されるように窪ませた凹部であっても良い。
【0031】
残存部32は、枠骨33よりも薄く形成されており、言い換えれば、残存部32における上面34と裏面35との間隔が、枠骨33における上面34と裏面35との間隔よりも短い。これにより、残存部32と枠骨33との間には段差が生じている。かかる構成において、例えば枠骨33の上面視における見栄え(色や光沢等)と、残存部32の上面視における見栄え(色や光沢等)とを異ならせても良い。
【0032】
この残存部32は、ハンドル30の延在方向Yと交差する第1傾斜骨321と、ハンドル30の延在方向Yと交差するとともに、第1傾斜骨321とも交差する第2傾斜骨322とを有する。
【0033】
本実施形態の残存部32は、上面視において略X字状をなし、ハンドル30の延在方向Yに沿った中心線Zを対称軸とした対称形状をなす。
【0034】
第1傾斜骨321及び第2傾斜骨322はそれぞれ、先端側の根元部323と後端側の根元部323とが、枠骨33に接続されており、より具体的には枠骨33の内側面331に接続されている。
【0035】
かかる構成において、第1傾斜骨321において、先端側の根元部323の延在方向Yに沿った長さL1よりも、後端側の根元部323の延在方向Yに沿った長さL2の方が長い。
また、第2傾斜骨322においても、先端側の根元部323の延在方向Yに沿った長さL3よりも、後端側の根元部323の延在方向Yに沿った長さL4の方が長い。
【0036】
第1傾斜骨321及び第2傾斜骨322について、より具体的に説明すると、これらの傾斜骨それぞれは、互いに交差する箇所に設けられて互いが共有する共有要素324と、この共有要素324よりも先端側の先端側斜め要素325と、共有要素324よりも後端側の後端側斜め要素326とからなる。
【0037】
共有要素324は、ここではハンドル30の延在方向Yに沿って延びるものであり、ハンドル30の延在方向Yに沿った中心線Zが通過する。なお、本実施形態の残存部32は、この中心線Zを対称軸とした左右対称な形状である。
【0038】
先端側斜め要素325は、枠骨33における共有要素324よりも先端側の所定箇所から、共有要素324の先端部に向かって延びるものであり、ハンドル30の延在方向Yと交差する方向に延びている。
【0039】
後端側斜め要素326は、枠骨33における共有要素324よりも後端側の所定箇所から、共有要素324の後端部に向かって延びるものであり、ハンドル30の延在方向Yと交差する方向に延びている。
【0040】
かかる構成において、肉抜き部31としては、共有要素324の先端側に位置する第1肉抜き部31aと、共有要素324の左右両側に位置する第2肉抜き部31b及び第3肉抜き部31cと、共有要素324の後端側に位置する第4肉抜き部31dとが設けられている。
【0041】
第1肉抜き部31aは、ここでは上面視において略四角形状をなし、先端側のコーナ部のなす角度が、後端側のコーナ部のなす角度よりも小さな形状である。
【0042】
第2肉抜き部31b及び第3肉抜き部31cは、枠骨33、第1傾斜骨321、及び第2傾斜骨322に囲われてハンドル30を握る掌に収まる位置に設けられており、ここでは上面視において細長形状をなし、基端側よりも先端側の方が幅広である。
【0043】
第4肉抜き部31dは、ここでは上面視において略三角形状をなし、頂点部が先端側に向く形状をなす。
【0044】
ここで、背景技術で述べた通り、
図8に示す解析結果は、肉抜きのされていないレンチにかかる作業時の応力を解析したものであり、ハンドル30には応力集中箇所が現れておらず、作業者から加わる力が分散されていることが分かる。
【0045】
これに対して、
図5に示す解析結果は、本実施形態のレンチ100にかかる作業時の応力を解析したものである。
この解析結果から分かるように、ハンドル30に肉抜き部31を形成してはいるものの、
図8に示す構成と同様、ハンドル30には応力集中箇所が現れておらず、作業者から加わる力を分散できていることが示されている。
なお、
図5、8において、白い箇所ほど大きな応力が加わっていることを示している。
【0046】
このように構成されたレンチ100によれば、肉抜き部31を形成することによる軽量化を図りつつ、互いに交差する第1傾斜骨321及び第2傾斜骨322により作業者の手から加わる力を分散させることができ、ハンドル30の変形や破損を防ぐことができる。
【0047】
また、第1傾斜骨321及び第2傾斜骨322それぞれの先端側の根元部323と後端側の根元部323とが、枠骨33に接続されており、残存部32が上面視において略X形状をなすので、肉抜き箇所を広範囲に設けることができ、レンチ100をより軽量なものとすることができる。
【0048】
さらに、残存部32における上面34と裏面35との間隔が、枠骨33における上面34と裏面35との間隔よりも短く、言い換えれば、残存部32が枠骨33よりも薄いので、力の分散によるハンドルの変形や破損を防ぎつつも、薄くした分のさらなる軽量化を図れる。
そのうえ、残存部32を枠骨33よりも薄くすることで、これらの間に段差が生じるので、例えば残存部32に鍛造肌を残しておくなどすることができ、残存部32の形状を際立たせることができる。
【0049】
また、第2肉抜き部31b及び第3肉抜き部31cが、基端側よりも先端側の方が幅広であるので、基端側よりも先端側の方がワイドな持ち手になり、握りやすさの向上を図れる。
【0050】
加えて、第1傾斜骨321と第2傾斜骨322とにおいて、先端側の根元部323よりも後端側の根元部323の方が、ハンドル30の延在方向Yに沿った長さが長く、この後端側の根元部323が作業者に握られる箇所に近いので、その握る手からの力をより広い範囲で受けて分散させることができ、ハンドルへの応力集中をより抑制することができる。
【0051】
さらに加えて、ヘッド10や首部20の種々の箇所に平面を設けているので、ヘッド10や首部20の握りやすさを向上させることができ、軽量化しつつも、低負荷時や中負荷時における作業の安定性を担保することができる。
【0052】
なお、本発明は、前記実施形態に限られるものではない。
【0053】
例えば、本発明に係るレンチ100としては、
図6、7に示すように、残存部32が、複数本の第1傾斜骨321と、複数本の第2傾斜骨322とを有するものであっても良い。
このような構成であれば、第1傾斜骨321と第2傾斜骨322とにより形成される筋交部分が増えるので、その分、力の分散経路を増やすことができ、ハンドル30の変形や破損をより確実に防ぐことができる。
【0054】
また、ハンドル30の延在方向Yと直交する1又は複数本の交差骨36があっても良い。
【0055】
さらに、前記実施形態でも述べたが、肉抜き部31としては、
図6に示すように、底面311を有する凹部であっても良い。
【0056】
そのうえ、例えば締付方向が片方向のみのレンチ100であれば、残存部32としては、ハンドル30の延在方向Yに沿った中心線Zに対して非対称な形状であっても良い。
この場合の具体的な形状の一例としては、第1傾斜骨321と第2傾斜骨322との一方のみにおいて、先端側の根元部323よりも後端側の根元部323の方が長い形状などを挙げることができる。
【0057】
その他、本発明は前記各実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0058】
100・・・レンチ
10 ・・・ヘッド
20 ・・・首部
30 ・・・ハンドル
31 ・・・肉抜き部
32 ・・・残存部
33 ・・・枠骨
321・・・第1傾斜骨
322・・・第2傾斜骨