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  • 特開-複数部材の連結構造 図1
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  • 特開-複数部材の連結構造 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103576
(43)【公開日】2023-07-27
(54)【発明の名称】複数部材の連結構造
(51)【国際特許分類】
   F16B 5/06 20060101AFI20230720BHJP
   F16B 12/38 20060101ALI20230720BHJP
   F16B 12/26 20060101ALI20230720BHJP
   F16B 21/08 20060101ALI20230720BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
F16B5/06 F
F16B12/38
F16B12/26
F16B5/06 L
F16B21/08
H04M1/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004184
(22)【出願日】2022-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】591253593
【氏名又は名称】株式会社ケアコム
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】吉川 茂樹
【テーマコード(参考)】
3J001
3J024
3J037
5K023
【Fターム(参考)】
3J001FA03
3J001JD24
3J001KA19
3J001KB06
3J024AA43
3J024CA17
3J037AA02
3J037BB02
3J037BB04
3J037DA01
3J037DB02
5K023AA05
5K023CC02
5K023KK01
5K023LL06
(57)【要約】
【課題】複数の部材を水平方向に並べて連結する際に、水平方向、垂直方向および奥行方向の3方向全てに対する位置ずれを抑止でき、意図する場合には連結を外しやすい一方で作業中には簡単に外れにくい連結構造を提供する。
【解決手段】連結される複数の部材(モジュール10L,10R)がそれぞれ凹状または凸状の部材側嵌合部13を備えるとともに、水平方向に並べられた複数の部材を連結する連結具20が、部材側嵌合部13と嵌合する凸状または凹状の連結具側嵌合部23と、連結具側嵌合部23と別の位置に設けられたスナップフィット部24とを備え、部材側嵌合部13と連結具側嵌合部23とが篏合することによって複数の部材の水平方向および垂直方向の位置が固定されるとともに、スナップフィット部24が連結板12に係止することによって複数の部材の奥行方向の位置が固定されるようにする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部材を水平方向に並べて連結するための連結構造であって、
上記水平方向に並べられた上記複数の部材の間に配置されて上記複数の部材を連結する連結具を備え、
上記複数の部材はそれぞれ、連結板の水平方向の端部において奥行方向に凸状または凹状に設けられた部材側嵌合部を備え、
上記連結具は、
上記複数の部材のそれぞれに設けられた上記部材側嵌合部と嵌合する奥行方向に凹状または凸状の連結具側嵌合部と、
上記連結具側嵌合部と別の位置において上記奥行方向に立設された可撓性を有する立設杆およびその先端に設けられた係止爪から成るスナップフィット部とを備え、
上記複数の部材がそれぞれ有する上記部材側嵌合部と上記連結具が有する上記連結具側嵌合部とが篏合することによって上記複数の部材の上記水平方向および垂直方向の位置が固定されるとともに、上記スナップフィット部の上記係止爪が上記複数の部材のそれぞれの上記連結板に係止することによって上記複数の部材の上記奥行方向の位置が固定されるようにした
ことを特徴とする複数部材の連結構造。
【請求項2】
上記部材側嵌合部は、上記連結板の水平方向の端部において上記奥行方向の表面側に凸状または凹状に設けられ、
上記連結具は、上記連結板の表面側から上記連結具側嵌合部が上記部材側嵌合部と嵌合するように組み込まれ、上記スナップフィット部の上記係止爪が上記連結板の裏面に係止する
ことを特徴とする請求項1に記載の複数部材の連結構造。
【請求項3】
上記部材側嵌合部は、T字状の凸状部または凹状部を含んで構成され、
上記連結具側嵌合部は、T字状の凹状部または凸状部を含んで構成されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の連結構造。
【請求項4】
上記スナップフィット部は、上記連結具側嵌合部を挟んで垂直方向の両側に設けられていることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の複数部材の連結構造。
【請求項5】
上記部材側嵌合部は、上記連結板の水平方向の両端部に設けられていることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の複数部材の連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数部材の連結構造に関し、特に、複数の部材を水平方向に並べて連結する際の連結構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、病院や介護施設などで用いられているナースコールシステムは、ナースコール親機、制御機、廊下灯、壁埋込形子機およびハンド形子機などを備えて構成されている。壁埋込形子機は、病室の各ベッドサイドの壁に埋め込み設置される。壁埋込形子機は、ハンド形子機を接続するための接続端子を備えたもの、呼出ボタンを備えたもの、会話を行う際に使用するマイクとスピーカを備えたもの、呼び出しに応じて行われている報知処理を停止するための復旧ボタンを備えたものなど、種々のタイプが存在する。これら種々のタイプの壁埋込形子機は、任意の複数のモジュールを横に並べて連結させることによって構成される。
【0003】
図5は、壁埋込形子機の一構成例を示す図である。図5(a)に示す壁埋込形子機は、スピーカを有する第1のモジュール101と、呼出ボタンおよび接続端子を有する第2のモジュール102と、マイクを有する第3のモジュールとを横に並べて連結し、連結した状態で3つのモジュール101~103を壁に設けた穴に挿入した後、カバープレート104によって穴を塞ぐことによって構成される。3つのモジュール101~103の連結は、図5(b)に示すように、連結金具105によってモジュール間を挟んでかしめる(連結金具105をモジュールに強固に圧着させる)ことによって行われている。
【0004】
しかしながら、このように連結金具105によってモジュール間を挟んでかしめる方法だと、連結金具105を一度取り付けると外すのが困難になる。そのため、間違ってモジュールを連結させたときにやり直す場合や、患者に合わせてモジュールの組み合わせを変える場合などに、連結されているモジュールを取り外す作業が面倒になるという問題があった。
【0005】
なお、複数の部材を連結する構造として種々のものが知られている(例えば、特許文献1~3参照)。特許文献1に記載の電子機器は、壁面に固定する各種ユニットの設置板の前面の左右方向に複数の位置決め突起を備える。そして、当該位置決め突起を挿通可能な位置決め孔部を長手方向の両端部に有する帯状の連結金具を用い、一端側の位置決め孔部へ自身の位置決め突起を挿通させる一方、他端側の位置決め孔部へ自身の左側に設置されているユニットの設置板に設けられた位置決め突起を挿通させることにより、複数のユニットを見栄え良く左右方向へ並設することができるようにしている。
【0006】
特許文献2に記載の連結具は、並列した2台のロールボックスパレットの隣接する囲い部材(平面状部材)のパイプフレームの縦部を側片によって挾持し、かつ、側片に設けられている凹溝が、隣接する囲い部材の横リブに係合して連結する。これにより、2台のロールボックスパレットは、その側面方向に屈曲することなく平行な連結状態が確保される。
【0007】
特許文献3に記載の鋼矢板は、本体の縦方向に沿う両側縁に横継手を備えるとともに、縦方向に継ぐための嵌合構造による縦継手を縦方向の端部に備える。横継手は、横方向に延びる腕部を有し、当該腕部における縦方向の端部に、係止爪を含む縦継手を構成する部材が配置される。このような構成により、横方向および縦方向の両方に複数の鋼矢板を連結させることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2014-165753号公報
【特許文献2】実開平6-71429号公報
【特許文献3】特開2019-39155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の連結金具は、単に、位置決め突起を位置決め孔部に挿通させるだけの構造であるため、作業中に簡単に外れやすいという問題があった。特許文献2,3に記載の連結構造では、水平方向、垂直方向および奥行方向の3方向のうち、何れか1方向または2方向に対する位置ずれを抑止することができるのみで、3方向全てに対する位置ずれを抑止することができないという問題があった。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、複数の部材を水平方向に並べて連結する際に、水平方向、垂直方向および奥行方向の3方向全てに対する位置ずれを抑止することができるとともに、意図する場合には連結を外しやすい一方で作業中には簡単に外れにくい連結構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した課題を解決するために、本発明では、水平方向に並べて連結される複数の部材はそれぞれ、連結板の水平方向の端部において奥行方向に凸状または凹状に設けられた部材側嵌合部を備える。また、本発明は、水平方向に並べられた複数の部材の間に配置されて当該複数の部材を連結する連結具を備える。この連結具は、複数の部材のそれぞれに設けられた部材側嵌合部と嵌合する奥行方向に凹状または凸状の連結具側嵌合部と、連結具側嵌合部と別の位置において奥行方向に立設された可撓性を有する立設杆およびその先端に設けられた係止爪から成るスナップフィット部とを備える。そして、複数の部材がそれぞれ有する部材側嵌合部と連結具が有する連結具側嵌合部とが篏合することによって複数の部材の水平方向および垂直方向の位置が固定されるとともに、スナップフィット部の係止爪が複数の部材のそれぞれの連結板に係止することによって複数の部材の奥行方向の位置が固定されるようにしている。
【発明の効果】
【0012】
上記のように構成した本発明によれば、複数の部材を水平方向に並べて連結する際に、部材側嵌合部と連結具側嵌合部とが篏合することによって複数の部材の水平方向および垂直方向の位置が固定されるとともに、スナップフィット部の係止爪が複数の部材のそれぞれの連結板に係止することによって複数の部材の奥行方向の位置が固定されるため、水平方向、垂直方向および奥行方向の3方向全てに対する位置ずれを抑止することができる。また、本発明では、凹凸形状の嵌合と、立設杆の弾性を利用した係止爪の係合とにより複数の部材を連結しており、単なる嵌合のみで連結しているわけではなく、また、金具によるかしめ止めのように完全に固着しているわけでもないので、意図する場合には連結を外しやすい一方で、作業中には簡単に外れにくい状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態によるモジュールの構成例を示す図である。
図2】本実施形態による連結具の構成例を示す図である。
図3】2つのモジュールを連結具によって連結させた状態を示す図である。
図4図3(b)に示すA-A部位およびB-B部位の断面図である。
図5】壁埋込形子機の一構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1図4は、本実施形態による連結構造の一例を示す図である。本実施形態の連結構造は、複数の部材を水平方向に並べて連結するためのものである。複数の部材は、以下に説明する連結構造を有するものであれば何でもよいが、ここでは一例として、壁埋込形子機の構成要素であるモジュール10を用いて説明する。
【0015】
図1は、本実施形態によるモジュール10の構成例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は上面図、(c)は側面図である。図1に示すようにx軸、y軸およびz軸から成る3次元空間を想定した場合、x軸が水平方向、y軸が垂直方向、z軸が奥行方向である。水平方向とは、複数のモジュール10を連結する方向であり、連結したモジュール10から成る壁埋込形子機を壁の穴に埋設した際に床面と平行になる方向(左右方向ともいう)である。垂直方向とは、壁埋込形子機を壁の穴に埋設した際に床面と垂直になる方向(上下方向ともいう)である。奥行方向とは、壁埋込形子機を壁の穴に埋設した際に壁面と垂直になる方向(前後方向ともいう)であり、壁の内側となる方が奥側(底面側または裏面側)で、壁の外側となる方が手前側(上面側または表面側)である。
【0016】
図2は、本実施形態による連結具20の構成例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は底面図、(c)は側面図である。本実施形態の連結具20は、水平方向に並べられた複数のモジュール10の間に配置されて当該複数のモジュール10を連結するための部材である。図2に示すx軸、y軸、z軸は、図1で説明した関係と同様である。
【0017】
図3は、2つのモジュール10を連結具20によって連結させた状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は上面図、(c)は側面図である。図3に示すx軸、y軸、z軸も、図1で説明した関係と同様である。図4は、図3(b)に示すA-A部位およびB-B部位の断面図である。以下に、以上の図1図4を用いて本実施形態による連結構造を説明する。
【0018】
図1に示すように、本実施形態のモジュール10は、機能実装部11と、連結板12と、部材側嵌合部13とを備えている。機能実装部11は、呼出ボタン、各種子機の接続端子、マイク、スピーカなどの機能部品が実装された部位である。図1図3図4では簡略化のために機能部品の図示を省略しているが、実際にはこの機能実装部11に機能部品が存在する。
【0019】
連結板12は、複数のモジュール10を水平方向に並べて連結する際に使用する部位である。また、この連結板12は、連結させた複数のモジュール10を壁内に埋設する際に、壁内の固定具にねじ止めする際にも使用される。この連結板12の水平方向の端部には、奥行方向の表面側に凸状および凹状に形成された部材側嵌合部13が設けられている。本実施形態では、機能実装部11の左側および右側の2箇所に部材側嵌合部13が設けられている。
【0020】
本実施形態において、部材側嵌合部13は、連結板12よりも奥側に凹状に形成された凹状部13aと、当該凹状部13aの底面から手前側に凸状に立設する凸状部13bとから成る。凸状部13bはT字状に構成されている。また、凹状部13aは、凸状部13bを挟んで両側にL字状に構成されている。凸状部13bの高さは凹状部13aの深さと同じであり、凸状部13bの上端は連結板12と同じ位置となっている。
【0021】
部材側嵌合部13を挟んで垂直方向の両側の部位は、連結板12の裏面が奥側に突出した状態になっている。この突出部位14は、以下に説明する連結具20が有するスナップフィット部24の立設杆24aと対向する形状に形成された平板状の部位であり、立設杆24aの先端に設けられた係止爪24bが突出部位14の底端と係合する。
【0022】
図2に示すように、本実施形態による連結具20は、基板22と、連結具側嵌合部23と、スナップフィット部24とを備えている。基板22は、連結具側嵌合部23およびスナップフィット部24を形成するための平板である。連結具側嵌合部23は、複数のモジュール10のそれぞれに設けられた部材側嵌合部13と嵌合するものであり、奥行方向の奥側に凹状および凸状に形成されている。本実施形態では、基板22の中央部において左右方向に並ぶように配置された状態で2つの連結具側嵌合部23が設けられている。
【0023】
本実施形態において、連結具側嵌合部23は、基板22よりも奥側に凸状に立設する凸状部23aと、当該凸状部23aに囲まれることによって凹状に形成された凹状部23bとから成る。凹状部23bは、部材側嵌合部13の凸状部13bがちょうど嵌合するような大きさでT字状に構成されている。ちょうど嵌合するとは、T字状の形状が略同形同大であることをいう。また、凸状部23aは、部材側嵌合部13の凹状部13aにちょうど嵌合するような大きさのL字状の部位を含んでいる。ちょうど嵌合するとは、L字状の形状が略同形同大であることをいう。
【0024】
スナップフィット部24は、連結具側嵌合部23と別の位置において奥行方向の奥側に立設された可撓性を有する立設杆24aと、立設杆24aの先端に設けられた係止爪24bとにより構成される。立設杆24aは、平板状の部位であり、基板22の根元部分から係止爪24bが突出する部分までの長さが、連結板12の突出部位14の長さ(すなわち、連結板12の表面から突出部位14の裏面までの長さ)と略同じとなるように構成されている。
【0025】
スナップフィット部24は、係止爪24bが立設杆24aから左方向に突出したもの(以下、左側スナップフィット部24Lという)と、係止爪24bが立設杆24aから右方向に突出したもの(以下、右側スナップフィット部24Rという)とを一対として、左右方向に所定間隔を空けて設けられている。図3のように2つのモジュール10を左右に並べて連結する際に(説明の便宜上、左側のモジュール10を符号10Lで示し、右側のモジュール10を符号10Rで示す)、左側スナップフィット部24Lは左側のモジュール10Lと係合し、右側スナップフィット部24Rは右側のモジュール10Rと係合する。
【0026】
スナップフィット部24(一対の左側スナップフィット部24Lおよび右側スナップフィット部24R)は、連結具側嵌合部23を挟んで垂直方向の両側に設けられている。これにより、左右に並べられた2つのモジュール10のうち、左側のモジュール10Lは、連結具20の垂直方向に離間して配置された2つの左側スナップフィット部24Lにより係合され、右側のモジュール10Rは、連結具20の垂直方向に離間して配置された2つの右側スナップフィット部24Rにより係合される。
【0027】
以上のように構成した連結具側嵌合部23およびスナップフィット部24を有する連結具20は、図3および図4(b)に示すように、モジュール10の連結板12の表面側から連結具側嵌合部23が部材側嵌合部13と嵌合するように組み込まれるとともに、図3および図4(a)に示すように、スナップフィット部24の係止爪24bが連結板12の裏面に係止する。ここでいう連結板12の裏面とは、突出部位14の裏面(底端)である。
【0028】
このように、複数のモジュール10がそれぞれ有する部材側嵌合部13と連結具20が有する連結具側嵌合部23とが篏合することにより、複数のモジュール10の水平方向および垂直方向の位置が固定される。また、スナップフィット部24の係止爪24bが複数のモジュール10のそれぞれの連結板12の裏面に係止することにより、複数のモジュール10の奥行方向の位置が固定される。
【0029】
以上のように構成した本実施形態の連結構造によれば、モジュール10の部材側嵌合部13と連結具20の連結具側嵌合部23とによる凹凸形状の篏合、およびスナップフィット部24による係合によって、複数のモジュール10が連結した状態で固定される。このため、水平方向および垂直方向に対する位置ずれを凹凸形状の篏合によって抑止することができるとともに、奥行方向に対する位置ずれをスナップフィット部24の係合によって抑止することができる。
【0030】
また、本実施形態によれば、複数のモジュール10を単なる凹凸形状の嵌合のみで連結しているわけではなく、また、金具によるかしめ止めのように完全に固着しているわけでもないので、間違ってモジュール10を連結させたときにやり直す場合や、患者に合わせてモジュール10の組み合わせを変えたりする場合など、意図する場合には連結を外しやすい一方で、作業中には簡単に外れにくい状態とすることができる。
【0031】
また、本実施形態では、スナップフィットの構成のみで複数のモジュール10を連結しているわけでもないので、複数のモジュール10を連結具20により連結させた状態で複数のモジュール10を離間する方向に無理な大きな力が加えられたときに、スナップフィット部24のみに大きな負荷がかかることを防止し、スナップフィット部24が破損することを抑止することができる。
【0032】
なお、上記実施形態では、機能実装部11の左側および右側の2箇所に部材側嵌合部13を設ける構成について説明したが、左側または右側の何れか一方にのみ設けるようにしてもよい。
【0033】
また、実施形態では、凹状部13aと凸状部13bとの組み合わせにより部材側嵌合部13を構成するとともに、凸状部23aと凹状部23bとの組み合わせにより連結具側嵌合部23をし、凹状部13aと凸状部23aとが嵌合するとともに、凸状部13bと凹状部23bとが嵌合する構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、凹状部または凸状部の何れか一方により部材側嵌合部を構成するとともに、凸状部または凹状部の何れか一方により連結具側嵌合部を構成するようにしてもよい。
【0034】
例えば、連結板12よりも奥側に凹状に凹状部13aを形成することなく、連結板12の手前側に凸状部13bのみを形成することによって部材側嵌合部13を構成するようにしてもよい。この場合、連結板12に突出部位14を設けなくてもよい。また、凹状部23bを形成することが可能な程度に基板22を厚く構成し、凸状部23aを形成することなく凹状部23bのみを形成することによって連結具側嵌合部23を構成するようにしてもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、連結具側嵌合部23を挟んで垂直方向の両側の位置にスナップフィット部24を設ける構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、連結具側嵌合部23と別の位置にスナップフィット部24を設ければよく、例えば連結具側嵌合部23の上側または下側の何れか一方のみであってもよい。
【0036】
また、上記実施形態では、連結板12の表面側に部材側嵌合部13を設け、連結板12の表面側から連結具側嵌合部23が部材側嵌合部13と嵌合するように組み込まれ、スナップフィット部24の係止爪24bが連結板12の裏面に係止される構成について説明したが、これと逆の関係となるようにしてもよい。すなわち、連結板12の裏面側に部材側嵌合部13を設け、連結板12の裏面側から連結具側嵌合部23が部材側嵌合部13と嵌合するように組み込まれ、スナップフィット部24の係止爪24bが連結板12の表面に係止される構成としてもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、部材側嵌合部13の凸状部13bおよび連結具側嵌合部23の凹状部23bをT字状に構成する例について説明したが、この形状に限定されるものではない。例えば、部材側嵌合部13の凸状部13bおよび連結具側嵌合部23の凹状部23bをI字状に構成してもよい。凹状部または凸状部の何れか一方により部材側嵌合部を構成するとともに、凸状部または凹状部の何れか一方により連結具側嵌合部を構成する場合も、I字状に構成するようにしてもよい。
【0038】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0039】
10 モジュール(連結対象の部材)
11 機能実装部
12 連結板
13 部材側嵌合部
14 突出部位
20 連結具
22 基板
23 連結具側嵌合部
24 スナップフィット部
図1
図2
図3
図4
図5